JP2013193093A - 成形機の射出装置 - Google Patents

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三郎 野田
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裕治 阿部
Toshiaki Toyoshima
俊昭 豊島
Daisuke Nakamura
大輔 中村
Makoto Funaba
信 船場
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Abstract

【課題】より好適に低速射出及び高速射出を行うことができる成形機の射出装置を提供する。
【解決手段】制御装置15は、低速射出(t0〜t1)においては、出力部材71のピストンロッド25に対する相対的な前進が規制された状態(出力部材71が継手27に当接した状態)で、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力の双方によりプランジャ5を駆動し、高速射出(t1〜t2)においては、出力部材71のピストンロッド25に対する相対的な後退が許容された状態(着脱部13がOFFの状態)で、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力のうちシリンダ装置7の駆動力のみによりプランジャ5を駆動するように、シリンダ装置7及び駆動装置11を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形機の射出装置に関する。成形機は、例えば、ダイカストマシンや射出成形機である。
成形材料を押し出すプランジャを液圧機器と他の駆動機器(例えば電動機)との組み合わせにより駆動する、いわゆるハイブリッド式の射出装置が知られている。
例えば、特許文献1の射出装置は、プランジャに直列に連結されたシリンダ装置と、該シリンダ装置に並列に配置され、電動機により駆動されるボールねじ機構とを有している。また、該射出装置は、シリンダ装置のピストンロッド(プランジャ)と、ボールねじ機構のナットとを着脱する着脱部を有している。
そして、特許文献1の射出装置は、低速射出においては、着脱部によりボールねじ機構とプランジャとを連結した状態で、ボールねじ機構(電動機)によってプランジャを駆動し、その後、低速射出から高速射出への切り替え時になると着脱部による連結を解除し、高速射出においては、シリンダ装置によりプランジャを駆動している。
このように、特許文献1の技術では、低速射出においては、電動機によって精度良く速度制御を行い、高速射出においては、プランジャとボールねじ機構とを切り離すことによって、プランジャの速度がボールねじ機構の速度に制限される不都合を解消し、液圧機器によって高速の射出速度を実現する。
なお、工程の進行に伴って駆動源を切り換えるのではなく、電動機と液圧機器とを同時に使用し、その駆動力の分担比率を制御するハイブリッド式の射出装置も知られている(例えば特許文献2)。
特許第4790869号公報 特開平11−138597号公報
特許文献1の技術は、ハイブリッド式でない、液圧機器のみによって射出を行う射出装置に比較した不利な点も有している。例えば、特許文献1の技術では、高価なサーボモータやボールねじ等が大型になり、且つ、低速射出速度から高速射出速度への切り換え時間が長くなるおそれがある。
本発明の目的は、より好適に低速射出及び高速射出を行うことができる成形機の射出装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る成形機の射出装置は、キャビティに成形材料を押し出すプランジャと、前記プランジャと連結されたピストンロッドを有するシリンダ装置と、前記ピストンロッドに対する相対的な前進が規制されるとともに、前記ピストンロッドに対する相対的な後退が許容される被駆動部を有し、当該被駆動部を前記ピストンロッドと平行な方向において駆動可能な駆動装置と、前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、低速射出においては、前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な前進が規制された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力の双方により前記プランジャを駆動し、高速射出においては、前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な後退が許容された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力のうち前記シリンダ装置の駆動力のみにより前記プランジャを駆動するように、前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する。
好適には、前記被駆動部は、前記シリンダ装置のシリンダチューブの外部において、前記ピストンロッドに固定された所定部材に対して前進方向に当接可能であるとともに、その当接位置から前記所定部材に対して後退可能である。
好適には、前記射出装置は、前記被駆動部と前記ピストンロッドとを連結可能であるとともに、少なくとも前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な後退を許容するように連結を解除可能な着脱部を更に有する。
好適には、前記制御装置は、前記低速射出における前記プランジャを駆動する駆動力に占める前記シリンダ装置の駆動力の比率が所定の目標アシスト比率になるように前記シリンダ装置を制御する。
好適には、前記制御装置は、前記低速射出において、前記プランジャの速度が目標速度に収束するように前記駆動装置をフィードバック制御するとともに、順次取得される現在の前記プランジャを駆動する駆動力に前記目標アシスト比率を乗じたアシスト力の目標値を算出し、前記シリンダ装置の駆動力が前記アシスト力の目標値に収束するように前記シリンダ装置をフィードバック制御する。
好適には、前記制御装置は、製品押出追従において、前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な前進が規制された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力の双方により前記プランジャを駆動し、前記プランジャの後退において、前記着脱部により前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な後退が規制された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力の双方により、前記プランジャを駆動するように、前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する。
好適には、前記制御装置は、前記低速射出、前記製品押出追従及び前記プランジャの後退の各工程毎に所定の目標アシスト比率を保持し、前記プランジャを駆動する駆動力に占める前記シリンダ装置の駆動力の比率が前記目標アシスト比率になるように前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する。
好適には、前記制御装置は、前記低速射出において、前記プランジャを駆動する駆動力に占める前記シリンダ装置の駆動力の比率が50%以下となるように前記駆動装置及び前記シリンダ装置を制御する。
好適には、前記射出装置は、ポンプと、アキュムレータと、前記ポンプ及び前記アキュムレータから前記シリンダ装置への作動液の流れを制御可能な液圧回路と、を更に有し、前記制御装置は、低速射出においては、前記ポンプから前記シリンダ装置に作動液を供給し、高速射出においては、前記アキュムレータから前記シリンダ装置に作動液を供給するように、前記液圧回路を制御する。
好適には、前記射出装置は、アシスト用アキュムレータと、前記アシスト用アキュムレータよりも高圧に蓄圧可能な射出用アキュムレータと、前記アシスト用アキュムレータ及び射出用アキュムレータから前記シリンダ装置への作動液の流れを制御可能な液圧回路と、を更に有し、前記制御装置は、低速射出においては、前記アシスト用アキュムレータから前記シリンダ装置に作動液を供給し、高速射出においては、前記射出用アキュムレータから前記シリンダ装置に作動液を供給するように、前記液圧回路を制御する。
本発明によれば、より好適に低速射出及び高速射出を行うことができる。例えば、小型且つ低コストの駆動装置により射出を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の要部の構成を示す模式図。 図1の射出装置の駆動装置の詳細を示す図。 図1の射出装置の動作を説明する図。 図1の射出装置におけるアシスト比率を例示する図。 図5(a)は図1の射出装置の制御部の構成を示すブロック図、図5(b)は図5(a)の制御部のアシスト力設定部の構成を示すブロック図。 図5(b)のアシスト力設定部のアシスト力演算部が実行する処理の手順を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の要部の構成を示す模式図。 図7の射出装置の動作を説明する図。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るダイカストマシンDC1の射出装置1の要部の構成を示す図である。
射出装置1は、不図示の型締装置に保持された固定金型101及び移動金型103により形成されたキャビティ105に溶湯(溶融状態の金属材料)を射出・充填する装置である。
射出装置1は、キャビティ105に連通するスリーブ3と、スリーブ3内において溶湯をキャビティ105へ押し出すプランジャ5と、プランジャ5を駆動するシリンダ装置7と、シリンダ装置7を作動液(例えば油)の供給により駆動するための液圧装置9と、プランジャ5を駆動する駆動装置11と、シリンダ装置7と駆動装置11との連結及びその解除を行う着脱部13と、これら各装置を制御する制御装置15を有している。
以下、概ね上記の列挙順に詳細を説明する。
スリーブ3は、例えば、固定金型101に挿通されるように設けられている。プランジャ5は、スリーブ3を摺動するプランジャチップ5aと、プランジャチップ5aに固定されたプランジャロッド5bとを有している。
スリーブ3に形成された給湯口3aから溶湯がスリーブ3内に供給された状態で、プランジャチップ5aがスリーブ3内をキャビティ105に向かって摺動する(前進する)ことにより、溶湯はキャビティ105に射出、充填される。
(液圧式駆動系の構成:シリンダ装置7、液圧装置9等)
シリンダ装置7は、例えば、単動式のシリンダ装置により構成されており、シリンダチューブ21と、シリンダチューブ21の内部を摺動可能なピストン23と、ピストン23に固定され、シリンダチューブ21から延び出るピストンロッド25とを有している。
シリンダチューブ21は、例えば、内部の断面形状が円形の筒状体である。シリンダチューブ21の内部は、ピストン23により、ピストンロッド25が延び出る側のロッド側室21rと、その反対側のヘッド側室21hとに区画されている。ヘッド側室21hに作動液が供給されることにより、ピストン23は前進(プランジャ5側へ移動)可能である。
シリンダ装置7は、プランジャ5に対して同軸に配置され、ピストンロッド25は、プランジャ5に継手27を介して連結され、シリンダチューブ21は、不図示の型締装置などに対して固定的に設けられている。従って、ピストン23のシリンダチューブ21に対する前進移動により、プランジャ5はスリーブ3内を前進する。
なお、プランジャ5及びピストンロッド25は同軸に連結されているから、「プランジャ5に平行」と「ピストンロッド25に平行」とを特に区別せずに言及することがあり、また、「プランジャ5に連結」と「ピストンロッド25に連結」とを特に区別せずに言及することがあるものとする。
液圧装置9は、作動液を貯留するタンク29と、タンク29の作動液を送出するポンプ31と、ポンプ31を駆動するポンプ用電動機33と、シリンダ装置7に作動液を供給するアキュムレータ35と、作動液を冷却するクーラ39と、これら及びシリンダ装置7を互いに接続する液圧回路40とを有している。
タンク29は、例えば、開放タンクであり、大気圧下で作動液を保持している。タンク29は、シリンダ装置7から排出される作動液を受け入れ、また、ポンプ31を介してアキュムレータ35に作動液を供給する。
ポンプ31は、歯車ポンプやベーンポンプ等のロータの回転により作動液を吐出するロータリポンプであってもよいし、アキシャル型のプランジャポンプやラジアル式のプランジャポンプ等のピストンの往復により作動液を吐出するプランジャポンプであってもよい。ポンプ31は、ロータやピストンの1周期の運動における吐出量が固定された定容量ポンプによって構成されていてもよいし、当該吐出量が可変とされた可変容量ポンプによって構成されていてもよい。また、ポンプ31は、1方向に作動液を吐出できれば十分であるが、双方向(2方向)ポンプと構造が同一であってもよい。
ポンプ用電動機33は、回転式の電動機である。ポンプ用電動機33は、直流モータでも交流モータでもよいし、誘導モータでも同期モータでもよい。ポンプ用電動機33は、サーボモータとして構成されており、ポンプ用電動機33の回転を検出するエンコーダ34と、ポンプ用電動機33に電力を供給するサーボドライバ32と共にサーボ機構を構成している。
なお、後述する動作の説明において、ポンプ用電動機33が停止しているとき、ポンプ用電動機33は、トルクフリーの状態とされてもよいし、一定位置に停止するように制御されてもよいし、ブレーキを含んで構成され、ブレーキが使用されてもよい。射出装置の具体的な構成及びポンプ用電動機33が停止される状況に応じて適切な停止方法が選択されてよい。
アキュムレータ35は、重量式、ばね式、気体圧式(空気圧式含む)、シリンダ式、プラダ式などの適宜な形式のアキュムレータにより構成されてよい。例えば、アキュムレータ35は、気体圧式、シリンダ式又はプラダ式のアキュムレータであり、アキュムレータ35内に保持されている気体(例えば空気若しくは窒素)が圧縮されることにより蓄圧され、その蓄圧された圧力により作動液を供給する。
クーラ39は、例えば、空冷式のクーラによって構成されており、作動液が循環する、大気に晒された管路を有している。クーラ39は、例えば、ポンプ用電動機33のロータの回転によって生じる、若しくは、当該ロータに固定されたファンの回転によって生じる気流に晒されている。
なお、タンク29、ポンプ31及びポンプ用電動機33は、市販のユニット化されたものによって構成されることが可能である。また、この場合において、クーラ39もユニットに含まれていてよい。
液圧回路40は、シリンダ装置7、タンク29、ポンプ31及びアキュムレータ35を互いに接続する複数の流路、及び、当該複数の流路における作動液の流れを制御する複数の弁を有している。複数の流路は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。液圧回路40は、具体的には、例えば、以下に述べる流路及び弁を有している。
液圧回路40は、アキュムレータ35とヘッド側室21hとを接続する第1流路41と、ロッド側室21rとタンク29とを接続する第2流路43と、ロッド側室21rとヘッド側室21hとを接続する第3流路45とを有している。なお、第1流路41及び第3流路45は、ヘッド側室21h側の一部が互いに共用され、第2流路43及び第3流路45は、ロッド側室21r側の一部が互いに共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。
射出装置1は、アキュムレータ35から第1流路41を介してヘッド側室21hへ作動液を供給してピストン23を前進させることが可能である。また、射出装置1は、ピストン23の前進に伴ってロッド側室21rから押し出される作動液を第2流路43を介してタンク29に排出することが可能である。換言すれば、射出装置1は、ロッド側室21rの圧抜きが可能である。また、射出装置1は、ピストン23の前進に伴ってロッド側室21rから押し出される作動液を第3流路45を介してヘッド側室21hに還流させることも可能である。すなわち、第3流路45はランアラウンド回路を構成している。
液圧装置9は、ポンプ31の吐出口とアキュムレータ35とを接続する第4流路47を有している。なお、第4流路47のアキュムレータ35側の一部は第1流路41のアキュムレータ35側の一部と共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。射出装置1は、ポンプ31から第4流路47を介してアキュムレータ35に作動液を供給することにより、アキュムレータ35を蓄圧することが可能である。
また、第4流路47と第1流路41とが接続されていることによって、これらによってポンプ31の吐出口とヘッド側室21hとを接続する流路(符号省略)が構成されている。なお、当該流路は別個に設けられてもよい。射出装置1は、ポンプ31から当該流路を介してヘッド側室21hへ作動液を供給することにより、ピストン23の前進をアシストすることが可能である。
液圧装置9は、ポンプ31の吐出口とロッド側室21rとを接続する第5流路49を有している。なお、第5流路49のポンプ31側の一部は第4流路47のポンプ31側の一部と共用され、第5流路49のロッド側室21r側の一部は第2流路43のロッド側室21r側の一部と共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。射出装置1は、ポンプ31から第5流路49を介してロッド側室21rに作動液を供給することにより、ピストン23の後退をアシストすることが可能である。
液圧装置9は、第2流路43及び第3流路45のロッド側室21r側の共用部分に設けられたサーボバルブ51を有している。サーボバルブ51は、入力された電圧に応じた開口度で開くことにより、流量を無段階で調整可能である。また、サーボバルブ51は、開口度に応じた信号を出力可能であり、その信号に基づいてフィードバック制御がなされることによりサーボ機構を構成する。サーボバルブ51は、例えば、圧力補償付の流量制御弁により構成されている。サーボバルブ51は、ロッド側室21rから排出される作動液の流量を制御してシリンダ装置7の動作(速度)を制御可能であり、いわゆるメータアウト回路を構成している。
液圧装置9は、第1逆止弁VLA〜第6逆止弁VLFを有している。これらの少なくとも一つは、パイロット圧力が導入されて制御されるものである。パイロット圧力としては、例えば、不図示の液圧回路を介してアキュムレータ35の圧力が利用される。第1逆止弁VLA〜第6逆止弁VLFの配置及び機能は、具体的には以下のとおりである。
第1逆止弁VLAは、第1流路41に設けられている。第1逆止弁VLAは、パイロット圧力が導入されていないときは、アキュムレータ35側からヘッド側室21h側への作動液の流れを禁止し、その反対方向の流れを許容する。また、第1逆止弁VLAは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを許容する(開かれる)。
第2逆止弁VLBは、第2流路43に設けられている。第2逆止弁VLBは、パイロット圧力が導入されていないときは、ロッド側室21r側からタンク29側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第2逆止弁VLBは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第3逆止弁VLCは、第3流路45に設けられている。第3逆止弁VLCは、パイロット圧力が導入されていないときは、ロッド側室21r側からヘッド側室21h側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第3逆止弁VLCは、閉じるパイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止し(閉じられ)、開くパイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを許容する(開かれる)。
第4逆止弁VLDは、第4流路47に設けられている。第4逆止弁VLDは、ポンプ31側からアキュムレータ35側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。
第5逆止弁VLEは、第1流路41と第4流路47との共用部分に設けられている。第5逆止弁VLEは、パイロット圧力が導入されていないときは、アキュムレータ35側からヘッド側室21h側への作動液の流れを禁止し、その反対方向の流れを許容する。また、第5逆止弁VLEは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを許容する(開かれる)。
第6逆止弁VLFは、第5流路49に設けられている。第6逆止弁VLFは、パイロット圧力が導入されていないときは、ポンプ31側からロッド側室21r側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第6逆止弁VLFは、閉じるパイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
上記の他、液圧装置9は、ポンプ31の作動液を中子用のシリンダ装置等の適宜な装置に送出するための流路及び制御弁を有していてもよい。
(電動式駆動系の構成:駆動装置11、着脱部13等)
図2は、駆動装置11及び着脱部13の詳細を示す、一部に断面図を含む模式的な側面図である。なお、図2の紙面左側はプランジャの前進方向である。
駆動装置11は、射出用電動機53と、射出用電動機53の駆動力をプランジャ5(ピストンロッド25)に伝達する伝達機構55と、伝達機構55等の傾きを抑制して動作を好適化するための案内機構57とを有している。また、駆動装置11は、伝達機構55、案内機構57、ピストンロッド25(厳密には継手27)及び着脱部13の間に介在する出力部材71を有し、伝達機構55の駆動力は、出力部材71を介してピストンロッド25に伝達される。
射出用電動機53は、回転式の電動機であり、例えば、出力軸53aがピストンロッド25に平行になるように配置されている。射出用電動機53は、直流モータでも交流モータでもよいし、誘導モータでも同期モータでもよい。なお、射出用電動機53は、ブレーキ付きの電動機であることが好ましい。射出用電動機53は、サーボモータとして構成されており、射出用電動機53の回転を検出するエンコーダ59と、射出用電動機53に電力を供給するサーボドライバ61と共にサーボ機構を構成している。
なお、後述する動作の説明において、射出用電動機53が停止しているとき、射出装置の具体的な構成及び射出用電動機53が停止される状況に応じて適切な停止方法が選択されてよいことは、ポンプ用電動機33と同様である。
伝達機構55は、射出用電動機53の回転を並進運動に変換してプランジャ5に伝達する。伝達機構55は、例えば、ねじ機構により構成され、射出用電動機53により回転駆動されるねじ軸63と、ねじ軸63に螺合されたナット65とを有している。
ねじ軸63は、例えば、ピストンロッド25に平行に、射出用電動機53に対して同軸に配置され、射出用電動機53の出力軸53aとカップリングを介して連結されている。換言すれば、伝達機構55は、ピストンロッド25に対して並列に配置されている。また、ねじ軸63は、シリンダチューブ21等に対して回転可能に且つ軸方向に移動不可能に支持されている。ナット65は、後述するように案内機構57によりねじ軸63回りの回転が規制されている。
そして、ねじ軸63が射出用電動機53により回転駆動されると、ねじ軸63に螺合したナット65は、ねじ軸63の軸方向に移動する。すなわち、ナット65は、ピストンロッド25に対して平行に駆動される。
案内機構57は、ピストンロッド25に平行に配置されたガイドバー67と、ガイドバー67をその軸方向に案内するガイド部69とを有している。ガイドバー67は、例えば、断面円形の軸状部材であり、ガイド部69は、ガイドバー67が軸方向に摺動可能に挿入される孔部を有する部材である。
ガイド部69は、特に図示しないが、シリンダ装置7のシリンダチューブ21を支持する部材に固定されることなどによりシリンダチューブ21に対して固定されている。ガイドバー67は、ガイド部69に挿入されることにより、シリンダチューブ21に対する、軸に直交する方向の移動及び軸の傾斜が規制されるとともに、軸方向への移動が許容されている。
なお、ガイド部69は、ガイドバー67に対する摺動抵抗を低減しつつガイドバー67の傾斜を好適に抑制できるように、2以上の孔部がガイドバー67の軸方向において離間して設けられていることが好ましい。
出力部材71は、例えば、ナット65とガイドバー67とを連結する連結部材72と、連結部材72とピストンロッド25(厳密には継手27)との間に介在する当接部材73とを有している。
連結部材72は、例えば、ナット65の周囲を囲み、ナット65に固定された部分と、当該部分からナット65の径方向に延び出てガイドバー67の一端に固定された部分とを有している。ガイドバー67は、連結部材72からプランジャ5の後退方向(シリンダ装置7側)へ延びている。
連結部材72によりナット65とガイドバー67とが連結されることにより、ナット65は、ねじ軸63に対する傾斜が規制されるとともに、ねじ軸63回りの回転が規制される。なお、このように案内機構57及び出力部材71は、ナット65の移動の規制に寄与するから、伝達機構55の一部と捉えられてもよい。
当接部材73は、連結部材72(ナット65)に固定されているとともに、継手27(所定部材)に対してプランジャ5の前進方向へ当接可能となっている。例えば、当接部材73は、ピストンロッド25を囲む形状(好ましくは円環状)に構成されており、継手27のピストンロッド25側の端面に対して全周に亘って当接可能である。当接部材73は、連結部材72が直接に継手27に当接するよりも出力部材71と継手27との密着性が向上するように、連結部材72よりも反発係数の低い材料により構成されることが好ましい。
射出用電動機53によって出力部材71が前進すると、当接部材73が継手27に対して当接する。従って、射出用電動機53によってプランジャ5を前進させることができる。また、ピストンロッド25を比較的高速に移動させることなどにより、プランジャ5を出力部材71に対して相対的に前進させることが可能である。当接部材73は、継手27に対して全周に亘って当接していることから、継手27を傾斜させるようなモーメントが生じることが抑制される。
なお、案内機構57は、伝達機構55に対してシリンダ装置7とは反対側に位置することが好ましい。この場合、案内機構57が伝達機構55とシリンダ装置7との間に位置する場合等に比較して、ナット65をピストンロッド25(継手27及び当接部材73)に近づけてナット65とピストンロッド25との間で生じるナット65を傾斜させるモーメントを小さくすることができるとともに、ナット65に対するガイドバー67の距離を適宜に設定してナット65の傾斜を適宜に抑制できる。
着脱部13は、例えば、フック74と、フック74を駆動するアクチュエータ75とを有している。
フック74は、例えば、概ねL字状に形成されるとともに、一端が連結部材72によって回転可能に支持されている。そして、フック74は、継手27に形成された被係合部27aに対してプランジャ5の後退方向に係合可能な位置(「ON」の位置)と、当該係合が解除される位置(「OFF」の位置)との間で移動可能である。
フック74がOFF(係合解除)されることにより、プランジャ5を出力部材71に対して相対的に前進させることが可能である。また、フック74がON(係合)されることにより、射出用電動機53によってプランジャ5を後退させることができる。
アクチュエータ75は、例えば、往復動(別の観点では伸縮)を行うアクチュエータにより構成されている。アクチュエータ75は、例えば、リニアモータ、空圧シリンダ若しくは液圧シリンダである。アクチュエータ75は、一端側(例えば本体)が連結部材72に支持されるとともに、他端側(例えば可動部)がフック74に連結されている。そして、アクチュエータ75の往復動によって、フック74はON若しくはOFFされる。
なお、出力部材71及び着脱部13全体で、ピストンロッド25と被駆動部(ナット65)との連結及び当該連結の解除が可能な着脱部が構成されていると捉えることもできる。
(制御系の構成)
図1に戻って、制御装置15は、例えば、CPU77、ROMやRAM等のメモリ79、入力回路81、及び、出力回路83を含んで構成されている。CPU77は、メモリ79に記憶されたプログラムを実行することによって制御部76として機能し、入力回路81を介して入力される入力信号に基づいて、各部を制御するための制御信号を出力回路83を介して出力する。
入力回路81に信号を入力するのは、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置85、エンコーダ34及び59(図2)、サーボドライバ61(図2)、ピストンロッド25の位置を検出する第1位置センサ89、ガイドバー67の位置を検出する第2位置センサ91(図2)、サーボバルブ51、ヘッド側室21hの圧力を検出するヘッド圧力センサ93、ロッド側室21rの圧力を検出するロッド圧力センサ95、及び、アキュムレータ35の圧力を検出するアキュムレータ圧力センサ97である。
出力回路83が信号を出力するのは、例えば、ユーザに情報を表示する表示器87、サーボドライバ32及び61(図2)、サーボバルブ51、及び、各種の弁へのパイロット圧力の導入を制御する不図示の液圧回路である。
第1位置センサ89は、シリンダチューブ21に対するピストンロッド25の位置を検出するものであり、プランジャ5の位置を間接的に検出するものである。第1位置センサ89は、例えば、ピストンロッド25に固定され若しくは形成され、ピストンロッド25の軸方向に延びる不図示のスケール部とともにリニアエンコーダを構成している。なお、第1位置センサ89、又は、制御装置15は、検出した位置を微分することにより、速度を検出することが可能である。
第2位置センサ91(図2)は、ガイド部69に対するガイドバー67の位置を検出するものであり、駆動装置11の被駆動部(ナット65や出力部材71)の位置を間接的に検出するものである。第2位置センサ91は、例えば、ガイドバー67に固定され若しくは形成され、ガイドバー67の軸方向に延びる不図示のスケール部とともにリニアエンコーダを構成している。なお、第2位置センサ91、又は、制御装置15は、検出した位置を微分することにより、速度を検出することが可能である。
ヘッド圧力センサ93及びロッド圧力センサ95は、ヘッド側室21h及びロッド側室21rの圧力を検出することにより、プランジャ5が溶湯に加える圧力を間接的に検出するものである。また、アキュムレータ圧力センサ97は、アキュムレータ35の充填完了などの判定に利用される。
(射出装置の動作)
図3は、射出装置1の動作を説明する図である。図3において、横軸は時間を示している。また、実線Lvは射出速度の変化を示し、実線Lpは射出圧力の変化を示している。実線Lv及びLpが描かれたグラフにおいて、縦軸は射出速度及び射出圧力の大きさを示している。また、当該グラフの下方においては、ピストン23、射出用電動機53、着脱部13、サーボバルブ51、ポンプ用電動機33及びアキュムレータ35の動作を示している。図3のさらに下方においては、射出用電動機53の負荷を示している。なお、サーボバルブ51の「ON/OFF」は、開口度が制御されている状態/開口度が制御されずに開かれている若しくは閉じられている状態を示している。
射出装置1は、概観すると、低速射出、高速射出、及び、増圧(昇圧)を順に行う。すなわち、射出装置1は、射出の初期段階においては、溶湯の空気の巻き込みを防止するために比較的低速でプランジャ5を前進させ、次に、溶湯の凝固に遅れずに溶湯を充填するため等の観点から比較的高速でプランジャ5を前進させる。その後、射出装置1は、成形品のヒケをなくすために、プランジャ5の前進する方向の力によりキャビティ内の溶湯を増圧する。具体的には、以下のとおりである。
(低速射出開始直前:〜t0)
低速射出の開始直前において、射出装置1は、図1及び図2に示す状態となっている。すなわち、ピストン23及びナット65は、後退限等の初期位置に位置している。この初期位置において、出力部材71の当接部材73は継手27に当接しており、また、着脱部13のフック74は継手27に係合可能である。ただし、必ずしも係合がなされている必要はなく、本実施形態では、係合は解除(OFF)されているものとする。また、射出用電動機53及びポンプ用電動機33は停止されている。サーボバルブ51及び第1逆止弁VLA〜第6逆止弁VLFは、アキュムレータ35からの作動液の放出が禁止されている限り適宜な状態とされてよいが、例えば、サーボバルブ51は閉じられ、第1逆止弁VLA及び第5逆止弁VLEはパイロット圧力が導入されておらず、第2逆止弁VLB、第3逆止弁VLC及び第6逆止弁VLFは閉じるパイロット圧力が導入されている。
(低速射出:t0〜t1)
固定金型101及び移動金型103の型締が終了し、溶湯がスリーブ3に供給されるなど、所定の低速射出開始条件が満たされると、制御装置15は、ナット65を前進させる方向にねじ軸63が回転するように射出用電動機53を駆動する。ナット65の駆動力は、連結部材72及び当接部材73を介して継手27に伝達され、プランジャ5及びピストンロッド25が前進する。
また、制御装置15は、第1逆止弁VLAに開くパイロット圧力を導入するとともに、ポンプ用電動機33を駆動する。ポンプ31から吐出された作動液は、第4逆止弁VLD及び第1逆止弁VLAを介してヘッド側室21hに供給される。従って、ピストン23に所定の圧力が付与され、駆動装置11によるプランジャ5の前進がシリンダ装置7によってアシストされる。
このように、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力の双方によってプランジャ5が駆動され、低速射出が行われる。
なお、図3では、着脱部13(フック74)がOFF(係合解除)された状態で低速射出が行われている場合を例示しているが、着脱部13はONされていてもよい。この場合、例えば、減速を含む多段制御を行ったときに、慣性力によってプランジャ5が出力部材71から離間して前進してしまうことを防止できる。
低速射出の間、サーボバルブ51は例えば全開とされ、第3逆止弁VLCはパイロット圧力の導入が停止される。従って、ピストン23の前進に伴ってロッド側室21rから排出される作動液は、ピストン23の前進に伴って容積が拡大するヘッド側室21hに供給される。
第1流路41は、ポンプ31から作動液が供給されているが、ヘッド側室21hへ作動液を放出していることから、第1流路41における圧力はアキュムレータ35の圧力を超えず、第6逆止弁VLFは自閉している。ただし、第6逆止弁VLFを閉じるパイロット圧力を導入可能なものによって構成するとともに、低速射出の間、閉じるパイロット圧力を第6逆止弁VLFに導入してアキュムレータ35への作動液の流入を確実に防止してもよい。後述する押出追従やプランジャ後退においても同様である。
(高速射出:t1〜t2)
制御装置15は、第2位置センサ91(第1位置センサ89でもよい)の検出値に基づくプランジャ5の位置が所定の高速切換位置に到達すると、第6逆止弁VLFに開くパイロット圧力を導入するとともに、サーボバルブ51を適宜な開度に調整する。また、制御装置15は、低速射出から引き続き着脱部13をOFF(係合解除)とし、若しくは、低速射出においてONであった着脱部13をOFFとする。
これにより、アキュムレータ35から第6逆止弁VLF及び第1逆止弁VLAを介してヘッド側室21hに作動液が供給され、ピストン23(ピストンロッド25及びプランジャ5)は比較的高速で前進する。すなわち、高速射出が行われる。このとき、着脱部13は係合が解除されているから、プランジャ5は、比較的低速で移動する出力部材71及びナット65を置き去りにして前進する。従って、駆動装置11は、プランジャ5等の前進を妨げる負荷とはならない。
なお、シリンダ装置7によってプランジャ5が駆動されることにより、駆動装置11の射出用電動機53の負荷は低速射出時よりも低下する。
(減速射出:t2〜t3)
溶湯がキャビティ105にある程度充填されると、プランジャ5は、その充填された溶湯から反力を受けて減速され、その一方で、射出圧力は、急激に上昇していく。なお、各部の動作は、高速射出時と同様である。ただし、充填時の衝撃を緩和するために、プランジャ5が所定の減速位置に到達するなど所定の減速開始条件が満たされたときにサーボバルブ51の開口度を小さくするなど、適宜な減速制御がなされてもよい。
(増圧:t3〜t4)
所定の増圧開始条件が満たされると、制御装置15は、第2逆止弁VLBへの閉じるパイロット圧力の導入を停止する。増圧開始条件は、例えば、ヘッド圧力センサ93及びロッド圧力センサ95により検出される射出圧力の検出値が所定の値に到達したこと、又は、第1位置センサ89により検出されるプランジャ5の検出位置が所定の位置に到達したことである。
第2逆止弁VLBへの閉じるパイロット圧力の導入が停止されることにより、ロッド側室21rはタンク圧とされる。そして、ヘッド側室21hの圧力はアキュムレータ35の圧力と同等となるまで上昇する。これにより、増圧が行われ、射出圧力は終圧に到達する。射出速度は、キャビティ105に溶湯が完全に充填されることにより0となる。なお、第3逆止弁VLCは、ロッド側室21rがタンク圧とされることによって自閉するが、閉じるパイロット圧力が導入されてもよい。
(保圧:t4〜t6)
制御装置15は、射出圧力が終圧となっている状態を維持する(保圧を行う)。この間に、溶湯は冷却されて凝固する。溶湯が凝固すると、制御装置15は、第5逆止弁VLE及び第1逆止弁VLAへの開くパイロット圧力の導入を停止し、第2逆止弁VLBに閉じるパイロット圧力を導入する。これにより、アキュムレータ35からヘッド側室21hへの液圧の供給及びロッド側室21rからタンク29への作動液の排出が停止され、保圧は終了する。
なお、制御装置15は、適宜に溶湯が凝固したか否かを判定する。例えば、制御装置は、終圧が得られた時点等の所定の時点から所定の時間が経過したか否かにより、溶湯が凝固したか否か判定する。
(被駆動部の到達:t5)
増圧が開始されてプランジャ5の速度が低下し、さらには、保圧が開始されてプランジャ5が停止することにより、駆動装置11によって低速射出から引き続き駆動されていた出力部材71は継手27に追いつく。換言すれば、着脱部13は、係合可能な状態となる。出力部材71が継手27に到達する時点は、好ましくは保圧完了前である。
制御装置15は、第1位置センサ89及び第2位置センサ91の検出値に基づいて出力部材71の継手27への到達を検出すると、射出用電動機53を停止させる。
なお、高速射出開始から出力部材71が継手27に到達するまでの出力部材71の速度は、低速射出時の速度と同等であってもよいし、異なっていてもよい。また、出力部材71がプランジャ5に衝撃を与えないように、適宜に減速制御が行われてもよい。
(製品押出追従:t7〜t8)
保圧終了後、制御装置15は、不図示の型締装置に型開きを行わせるとともに、不図示の押出装置により固定金型101から成形品を押し出す。このとき、制御装置15は、射出用電動機53を出力部材71を前進させる方向に駆動して、プランジャ5によりビスケットを押し出す。すなわち、駆動装置11の駆動力によって押出追従が行われる。
また、低速射出時と同様に、制御装置15は、第1逆止弁VLAに開くパイロット圧力を導入するとともにポンプ用電動機33を駆動し、ポンプ31から第4逆止弁VLD及び第1逆止弁VLAを介してヘッド側室21hに作動液を供給する。すなわち、駆動装置11による押出追従がシリンダ装置7によってアシストされる。
なお、この際、ロッド側室21rから排出される作動液は、低速射出時と同様に、サーボバルブ51及び第3逆止弁VLCを介してヘッド側室21hに還流されてもよいし、高速射出時と同様に、サーボバルブ51及び第2逆止弁VLBを介してタンク29に排出されてもよい。また、着脱部13は、ON状態とされていてもよいし、OFF状態とされていてもよい。
押出追従が完了すると、制御装置15は、第1逆止弁VLAへのパイロット圧力の導入を停止し、また、ロッド側室21rの作動液の排出経路についても弁を閉じる。
(プランジャ後退:t9〜t10)
制御装置15は、出力部材71が継手27に到達した以後(t5以後)からの適宜な時期、好適には、保圧終了後(t6後)、より好適には押出追従の開始時(t7)において、着脱部13をON(係合)状態とする。そして、制御装置15は、押出追従が完了すると、出力部材71を後退させる方向に射出用電動機53を駆動する。すなわち、駆動装置11の駆動力によってプランジャ5の後退が行われる。
また、制御装置15は、第6逆止弁VLFへの閉じるパイロット圧力の導入を停止するとともにポンプ用電動機33を駆動し、ポンプ31から第6逆止弁VLFを介してロッド側室21rに作動液を供給する。すなわち、駆動装置11によるプランジャ5の後退がシリンダ装置7によってアシストされる。
ピストン23の後退に伴ってヘッド側室21hから排出される作動液は、第3逆止弁VLCに開くパイロット圧力を導入するとともに第2逆止弁VLBへの閉じるパイロット圧力の導入を停止することによりタンク29へ排出される。
プランジャ5の後退が完了すると、制御装置15は、第6逆止弁VLFに閉じるパイロット圧力を導入し、ロッド側室21rへの作動液の供給を停止する。また、制御装置15は、ヘッド側室21hからの作動液の排出経路の弁も閉じる。
(アキュムレータ充填:t10〜t11)
第6逆止弁VLFが閉じられると、プランジャ5の後退から継続して駆動されている(回転数は変化されてよい)ポンプ31から吐出される作動液によって第4流路47の圧力は高まり、アキュムレータ35に作動液が充填される。そして、制御装置15は、アキュムレータ圧力センサ97の圧力が所定の充填完了圧力に到達すると、ポンプ用電動機33を停止し、アキュムレータ35の充填を終了する。
なお、プランジャ5の後退完了から次サイクルの開始(t10〜t0)の間においては、金型から押し出された製品の取り出し工程や金型に離型剤を塗布するスプレー工程等が行われる。従って、アキュムレータ35の充填が、これらの工程に並行して行われることによって、サイクルタイムの短縮が図られる。
(アシスト比率)
図4(a)は、低速射出(t0〜t1)、押出追従(t7〜t8)及びプランジャ後退(t9〜t10)における、プランジャ5を駆動する全駆動力に占めるシリンダ装置7の駆動力の割合(アシスト比率)の設定例を示す図である。また、図4(b)は、アシスト比率の他の設定例を示す図である。
図4(a)及び図4(b)において、横軸は、上記3つの工程の時間軸を示し、縦軸は、プランジャ5を駆動する全駆動力に占める駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力の割合を示している。
図4(a)の設定例では、アシスト比率は、各工程において一定に設定されている。また、アシスト比率は、3つの工程に対して共通に設定されている。アシスト比率の値は適宜に設定されてよいが、図4(a)では、50%に設定されている(50%以下に設定されている)場合を例示している。
図4(b)の設定例においても、アシスト比率は、各工程において一定に設定されている。ただし、アシスト比率は、3つの工程毎に個別に設定されている。なお、個別に設定された結果、一の工程のアシスト比率と、他の工程のアシスト比率とが同一になることがあってもよい。アシスト比率の値は適宜に設定されてよいが、図4(b)では、いずれの工程においても50%以下に設定されている場合を例示している。
なお、アシスト比率は、ダイカストマシンDC1の製造者において設定され、ダイカストマシンDC1のユーザにおいては設定不可能であってもよいし、入力装置85等を介してダイカストマシンDC1のユーザが設定可能であってもよい。また、アシスト比率は、図4(a)のように全て(本実施形態では3つ)の工程に対して共通に設定することができるのみであってもよいし、図4(b)のように各工程に対して個別に設定することができるのみであってもよいし、共通に設定するか個別に設定するかを選択可能であってもよい。
(速度制御及び駆動力制御)
図5(a)は、制御部76のうち、低速射出及び高速射出における速度制御及び駆動力制御に係る構成を示すブロック図である。
制御部76は、低速射出においてプランジャ5の速度制御を行う低速射出速度制御部76aと、シリンダ装置7によるアシスト力の目標値を設定するアシスト力設定部76bと、アシスト力の制御を行うアシスト力制御部76cと、高速射出においてプランジャ5の速度制御を行う高速射出速度制御部76dとを有している。
低速射出速度制御部76aは、駆動装置11(射出用電動機53)の制御を行う。すなわち、低速射出において、プランジャ5の速度は、射出用電動機53の回転数の調整によって制御される。具体的には、制御装置15は、第2位置センサ91(第1位置センサ89でもよい)により検出されるプランジャ5の速度が所定の目標値に収束するように射出用電動機53の回転数をフィードバック制御する。なお、低速射出速度の目標値は、ダイカストマシンDC1のユーザによって入力装置85を介して適宜に設定される。また、速度制御は、エンコーダ59の回転数に基づくセミクローズドループとすることも可能である。
アシスト力設定部76bは、図4(a)及び図4(b)に例示したアシスト比率が実現されるときのシリンダ装置7の駆動力を算出し、当該駆動力をアシスト力の目標値として出力する。
アシスト力制御部76cは、シリンダ装置7の駆動力がアシスト力設定部76bの設定した目標値となるように液圧装置9を制御する。具体的には、例えば、アシスト力制御部76cは、ヘッド圧力センサ93の検出するヘッド側室21hの圧力、ロッド圧力センサ95の検出するロッド側室21rの圧力、ピストン23のヘッド側室21hにおける受圧面積、及び、ピストン23のロッド側室21rにおける受圧面積に基づいて、ピストン23がヘッド側室21hの作動液から受ける力とロッド側室21rの作動液から受ける力との差を算出し、その算出値が目標値に収束するようにポンプ用電動機33の回転数をフィードバック制御する。
プランジャ5の速度は、アシスト力の影響を受ける。しかし、駆動装置11は、シリンダ装置7よりも応答性が高い(制御遅れが小さい)。従って、駆動装置11のフィードバック制御の周期をシリンダ装置7のフィードバック制御の周期以下とするなど適宜に設定することによって、プランジャ5の速度は実質的に駆動装置11によって制御される。
高速射出速度制御部76dは、液圧装置9の制御を行う。すなわち、高速射出において、プランジャ5の速度は、シリンダ装置7の速度制御によって制御される。具体的には、高速射出速度制御部76dは、サーボバルブ51の開口度を調整する。なお、高速射出速度制御部76dは、第1位置センサ89により検出されるプランジャ5の速度に基づいて、サーボバルブ51の開口度をフィードバック制御してもよい。
図5(b)は、アシスト力設定部76bの構成を示すブロック図である。
アシスト力設定部76bは、アシストを開始すべき時期か否かを判定するアシスト開始判定部76baと、アシスト力の目標値の設定方法を選択するアシスト方法選択部76bbと、アシスト力の目標値となり得る所定の設定値を保持する設定値保持部76bcと、アシスト力の目標値を演算するアシスト力演算部76bdと、アシスト力の目標値を出力する指令部76beとを有している。
アシスト開始判定部76baは、アシストが行われる工程(本実施形態では、低速射出、押出追従及びプランジャ工程)が開始されるか否かを判定する。そして、開始されると判定したときは、アシスト方法選択部76bbにアシストを指示する。アシスト開始判定部76baは、例えば、制御部76が管理している、現在、いずれの工程が行われているかを示すフラグを参照して、工程の種類及び開始を判定する。
アシスト方法選択部76bbは、アシスト力の目標値を設定するための、複数の設定方法から、一の設定方法を選択する。複数の設定方法は、例えば、成形サイクル開始前に予め入力若しくは算出された目標値を設定する設定方法、及び、アシストが行われる工程中において算出される目標値を設定する設定方法を含む。選択は、例えば、複数の成形サイクルを開始する前におけるユーザの入力装置85を介した設定方法の選択に従って行われる。
予め入力若しくは算出された目標値を設定する設定方法が選択された場合においては、設定値保持部76bcが予め保持している設定値が、目標値として指令部76beによって参照され、アシスト力制御部76cに出力される。一方、工程中に算出される目標値を設定する設定方法が選択された場合においては、工程中において順次、アシスト力演算部76bdによって演算される目標値が指令部76beによってアシスト力制御部76cに出力される。
設定値保持部76bcの保持する設定値は、予め設定された目標アシスト比率に応じて制御部76が算出した値であってもよいし、ユーザが入力装置85を介して入力した値(この場合、目標アシスト比率の制御部76に対する設定は不要である)であってもよい。目標アシスト比率に応じた設定値は、例えば、トライアルの成形サイクルにおけるプランジャ5の駆動力に基づいて算出されたり、射出速度等をパラメータとする所定の計算式に基づいて算出されたりしてよい。
図6は、アシスト力演算部76bdが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、工程中に算出されるアシスト力の目標値を設定する設定方法が選択された場合において、アシストが行われている間、所定の周期で繰り返し行われる。なお、所定の周期は、アシスト力制御部76cのフィードバック制御の周期以上の長さである。
ステップST1では、アシスト力演算部76bdは、駆動装置11(射出用電動機53)がプランジャ5を駆動する駆動力(SM)を算出する。例えば、まず、アシスト力演算部76bdは、サーボドライバ61から得られる射出用電動機53に供給されている電力に基づいて、射出用電動機53のトルクT1を算出する。次に、伝達機構55の構成に基づく変換式によって当該トルクT1をプランジャ5の駆動方向の駆動力(SM)に変換する。例えば、本実施形態であれば、ねじ軸63のピッチをPとして、SM=T1×2π/Pである。
なお、射出用電動機53が発生したトルクT1は、プランジャ5に伝達される過程において、伝達機構55や案内機構57等における慣性抵抗や摩擦抵抗等によって減じられてプランジャ5に伝達される。すなわち、射出用電動機53の発生したトルクT1と、駆動装置11からプランジャ5に伝達される駆動力(駆動装置11の出力)とは同一ではない。そこで、プランジャ5を連結せずに駆動装置11及び案内機構57を駆動したときの射出用電動機53のトルクT0を予め測定しておき、駆動装置11からプランジャ5に伝達されるトルクT(=T1−T0)を算出し、当該トルクTを用いてSM(=T×2π/P)を求めてもよい。
なお、本願において、「プランジャを駆動する駆動力」、「駆動装置の駆動力」若しくは「シリンダ装置の駆動力」等という場合においては、プランジャを駆動する駆動源(駆動装置若しくはシリンダ装置)が発生する駆動力(T1等)と、当該駆動力から、駆動源内部(例えばロータとステータとの間の抵抗)及び外部(駆動源からプランジャに至る経路に関わる機構等)における抵抗の全部若しくは一部を減じた駆動力(T等)との双方を含むことがあるものとする。アシスト比率についても同様に、いずれの駆動力に対して設定されてもよい。ただし、算出される駆動力等は、実際にプランジャ5に伝達される力(駆動装置及び/又はシリンダ装置の出力)に近いほど、制御の精度向上の観点からは好ましい。
ステップST2では、アシスト力演算部76bdは、シリンダ装置7によるプランジャ5の駆動力(OM)を算出する。例えば、アシスト力演算部76bdは、ヘッド圧力センサ93の検出するヘッド側室21hの圧力、ロッド圧力センサ95の検出するロッド側室21rの圧力、ピストン23のヘッド側室21hにおける受圧面積、及び、ピストン23のロッド側室21rにおける受圧面積に基づいて、ピストン23がヘッド側室21hから受ける力と、ピストン23がロッド側室21rから受ける力との差を駆動力(OM)として算出する。
なお、プランジャ5を連結していない状態においてシリンダ装置7を駆動してピストン23の摩擦抵抗等を測定しておき、純粋にプランジャ5に伝達される駆動力を算出するようにしてもよいことは、駆動装置11(射出用電動機53)の駆動力の算出と同様である。また、アシスト力演算部76bdによる駆動力の算出方法と、アシスト力制御部76cによる駆動力の算出方法とは、同一の方法であることが好ましい。
ステップST3では、アシスト力演算部76bdは、ステップST1で算出した駆動力(SM)と、ステップST2で算出した駆動力(OM)との合計の駆動力、すなわち、プランジャ5を駆動する駆動力(AM)を算出する。
ステップST4では、アシスト力演算部76bdは、ステップST3で算出した駆動力(AM)に予め設定されている目標アシスト比率Kを乗じて、シリンダ装置7が発生するべきアシスト力(OMK)を算出する。当該アシスト力は、目標値として、指令部76beを介してアシスト力制御部76cに出力される。
ステップST5では、アシスト力演算部76bdは、現在のアシストを行っている工程が終了したか否かを判定し、終了していないと判定した場合はステップST1に戻り、終了していると判定した場合は処理を終了する。
以上のようにアシスト力演算部76bdによってアシスト力の目標値が設定され、当該目標値にアシスト力が収束するようにアシスト力制御部76cがシリンダ装置7のフィードバック制御を行うことにより、低速射出においてシリンダ装置7等は以下のように動作する。
まず、射出用電動機53の負荷に基づいてアシスト力の目標値が決定されていることから、微視的には、低速射出の初期においては、射出用電動機53のみが駆動力を生じ、シリンダ装置7は駆動力を生じない。
そして、射出用電動機53が駆動力を生じた後に、シリンダ装置7も駆動力(アシスト力)を生じる。アシスト力の目標値は、予め設定された目標アシスト比率が実現されるように設定されているから、アシスト力が目標値に近づくと、アシスト比率も目標アシスト比率に近づく。
射出用電動機53はプランジャ5の速度が目標値に収束するようにフィードバック制御されていることから、アシスト力がプランジャ5に加えられてプランジャ5の速度に影響を及ぼすと、射出用電動機53は、その駆動力の上昇が抑制されるように若しくは駆動力が減じられるように制御される。
その後も、アシスト力の目標値は、新たに算出されるプランジャ5を駆動する駆動力と、目標アシスト比率とに基づいて算出されるから、プランジャ5の抵抗が変化したり、射出用電動機53の駆動力が変化したりしても、アシスト力がその目標値に維持される限り、アシスト比率は目標アシスト比率に維持される。
なお、低速射出の初期において、アシスト力の立ち上がりを向上させるために、ステップST4において算出されたアシスト力が所定の閾値を下回ったときは、予め定められた最低アシスト力を目標値とするようにしてもよい。
押出追従においても、低速射出と同様の制御が行われる。ただし、ロッド側室21rがタンク圧とされる場合は、ヘッド圧力センサ93の圧力のみに基づいてアシスト力及びその目標値の算出が行われてよい。押出追従におけるプランジャ5の速度は、例えば、複数の成形サイクルの開始前においてユーザにより入力装置85を介して設定される。
なお、押出追従においては、プランジャ5の速度制御を行わずに駆動力制御を行うようにしてもよい。例えば、制御装置15は、予めユーザ等によって設定されたプランジャ5を駆動する駆動力及びアシスト比率に基づいて、射出用電動機53及びシリンダ装置7の駆動力の目標値をそれぞれ算出し、その目標値がそれぞれ実現されるように、射出用電動機53については電流に基づいてトルクをフィードバック制御し、シリンダ装置7についてはヘッド圧力センサ93等の検出値に基づいて駆動力をフィードバック制御してよい。
プランジャ後退においても、低速射出と同様の制御が行われる。ただし、駆動方向は逆である。また、ヘッド側室21hはタンク圧とされるから、ロッド圧力センサ95の圧力のみに基づいてアシスト力及びその目標値の算出が行われてよい。
以上のとおり、本実施形態では、射出装置1は、プランジャ5と、シリンダ装置7と、駆動装置11と、制御装置15とを有する。プランジャ5は、キャビティ105に成形材料を押し出し可能である。シリンダ装置7は、プランジャ5と連結されたピストンロッド25を有する。駆動装置11は、被駆動部(ナット65及び出力部材71)を有し、ナット65等をピストンロッド25と平行な方向において駆動可能である。ナット65等は、ピストンロッド25に対して相対的な前進が規制されるとともに、ピストンロッド25に対する相対的な後退が許容されている。制御装置15は、シリンダ装置7及び駆動装置11を制御する。
具体的には、制御装置15は、低速射出(t0〜t1)においては、出力部材71のピストンロッド25に対する相対的な前進が規制された状態(出力部材71が継手27に当接した状態)で、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力の双方によりプランジャ5を駆動し、高速射出(t1〜t2)においては、出力部材71のピストンロッド25に対する相対的な後退が許容された状態(着脱部13がOFFの状態)で、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力のうちシリンダ装置7の駆動力のみによりプランジャ5を駆動するように、シリンダ装置7及び駆動装置11を制御する。
従って、まず、低速射出においては、駆動装置11とシリンダ装置7とが協働することから、駆動装置11の小型化を図ることができる。また、高速射出においては、プランジャ5の速度が駆動装置11(特にねじ機構)によって妨げられることがなく、高速での射出が実現可能となる。
さらに、このような駆動装置11が追従できないような高速への切り換えが、低速射出において駆動装置11とシリンダ装置7とを協働させておいたことによって、円滑に行われる。具体的には、予めヘッド側室21hの圧力がある程度の大きさとされていることから、アキュムレータ35からヘッド側室21hへ作動液を供給したときに、作動液の圧縮によって生じるピストン23の速度の立ち上がりの遅れが抑制される。また、アキュムレータ35からヘッド側室21hへ高圧の作動液が供給されたときの衝撃も緩和される。
また、制御装置15(アシスト力設定部76b及びアシスト力制御部76c)は、低速射出におけるプランジャ5を駆動する駆動力に占めるシリンダ装置7の駆動力の比率が所定の目標アシスト比率(K)になるようにシリンダ装置7を制御する。
従って、例えば、プランジャ5を駆動する駆動力の大きさに関わらず、当該駆動力の発生をシリンダ装置7及び駆動装置11によって好適に分担し、一方に過度の負担を強いることが抑制される。
また、制御装置15は、低速射出において、プランジャ5の速度が目標速度に収束するように駆動装置11をフィードバック制御するとともに(低速射出速度制御部76a)、順次取得される現在のプランジャ5を駆動する駆動力(SM)に目標アシスト比率(K)を乗じたアシスト力の目標値(OMK)を算出し、シリンダ装置7の駆動力がアシスト力の目標値に収束するようにシリンダ装置7をフィードバック制御する。
従って、例えば、駆動装置11による精度の高い速度制御を得ることができ、また、プランジャ5に生じる抵抗等の変動に柔軟に対応して、駆動装置11とシリンダ装置7とで駆動力の発生を分担することができる。
また、制御装置15は、製品押出追従において、出力部材71のピストンロッド25に対する相対的な前進が規制された状態で、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力の双方により、プランジャ5を駆動し、プランジャ5の後退において、着脱部13による出力部材71のピストンロッド25に対する相対的な後退が規制された状態で、駆動装置11の駆動力及びシリンダ装置7の駆動力の双方により、プランジャ5を駆動するようにシリンダ装置7及び駆動装置11を制御する。
従って、駆動装置11及びシリンダ装置7が協働する区間を極力確保して、両者の一方に過度の負担が生じることを抑制することができる。
また、制御装置15は、図5(b)に例示したように、低速射出、製品押出追従及びプランジャ5の後退の各工程毎に目標アシスト比率を保持し、プランジャ5を駆動する駆動力に占めるシリンダ装置7の駆動力の比率が目標アシスト比率になるようにシリンダ装置7及び駆動装置11を制御する。
従って、工程毎にシリンダ装置7及び駆動装置11の特性を考慮して両者の分担を決定し、好適な動作を実現することが期待される。
制御装置15は、低速射出において、プランジャ5を駆動する駆動力に占めるシリンダ装置7の駆動力の比率が50%以下となるように駆動装置11及びシリンダ装置7を制御する。
従って、アシスト力によって駆動装置11の負担を軽減しつつも、制御性が相対的に高い駆動装置11が速度に及ぼす影響を制御性が相対的に低いシリンダ装置7が速度に及ぼす影響よりも大きくし、プランジャ5の速度制御を精度よく行うことができる。
射出装置1は、ポンプ31と、アキュムレータ35と、ポンプ31及びアキュムレータ35からシリンダ装置7への作動液の流れを制御可能な液圧回路40と、を更に有する。制御装置15は、低速射出においては、ポンプ31からシリンダ装置7に作動液を供給し、高速射出においては、アキュムレータ35からシリンダ装置7に作動液を供給するように、液圧回路40を制御する。
従って、低速射出においては、ポンプ31の回転速度若しくは吐出量を変化させてアシスト力を変化させることが容易であり、ひいては、多段変速の低速射出においてもアシストを柔軟に行うことができ、高速射出においては、アキュムレータ35によって高速の射出を実現できる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るダイカストマシンDC2の射出装置201の構成を示す図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略することがある。
第1の実施形態では、シリンダ装置7によってアシスト力を生じるときに、ポンプ31からシリンダ装置7に作動液を供給した。これに対して、第2の実施形態では、シリンダ装置7によってアシスト力を生じるときに、第1の実施形態では設けられていなかったアシスト用アキュムレータ236からシリンダ装置7に作動液を供給する。具体的には、以下のとおりである。なお、以下では、アシスト用アキュムレータ236とアキュムレータ35とを区別するために、アキュムレータ35を「射出用アキュムレータ35」と言うことがある。
(射出装置の構成)
射出装置201の液圧装置209は、上述のように、アシスト用アキュムレータ236を有している。アシスト用アキュムレータ236の構成は、射出用アキュムレータ35と同様でよい。ただし、アシスト用アキュムレータ236の蓄圧可能な圧力は、射出用アキュムレータ35の蓄圧可能な圧力よりも低い。
液圧装置209の液圧回路240は、第1の実施形態における、ポンプ31からロッド側室21rに作動液を供給するための第5流路49を有していない。その代わりに、液圧回路240は、アシスト用アキュムレータ236の充填及びアシスト用アキュムレータ236からシリンダ装置7への作動液の供給を制御するための流路及び弁を有している。具体的には、以下のとおりである。
液圧回路240は、アシスト用アキュムレータ236とヘッド側室21hとを接続する第6流路248と、アシスト用アキュムレータ236とロッド側室21rとを接続する第7流路249と、ポンプ31とアシスト用アキュムレータ236とを接続する第8流路250とを有している。なお、第6流路248のヘッド側室21h側の一部は、第3流路45及び第1流路41のヘッド側室21h側の一部と共用され、第7流路249のロッド側室21r側の一部は第2流路43の一部と共用され、第8流路250のポンプ31側の一部は第4流路47のポンプ31側の一部と共用され、第6流路248、第7流路249及び第8流路250のアシスト用アキュムレータ236側の一部は互いに共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。
射出装置201は、アシスト用アキュムレータ236から第6流路248を介してヘッド側室21hへ作動液を供給することにより、ピストン23の前進をアシスト可能であり、アシスト用アキュムレータ236から第7流路249を介してロッド側室21rへ作動液を供給することにより、ピストン23の後退をアシスト可能であり、ポンプ31から第8流路250を介してアシスト用アキュムレータ236へ作動液を供給することにより、アシスト用アキュムレータ236を蓄圧することが可能である。
液圧回路240は、第6流路248及び第7流路249のアシスト用アキュムレータ236側の共用部分には、第2サーボバルブ252を有している。なお、以下では、第2サーボバルブ252とサーボバルブ51とを区別するために、サーボバルブ51を第1サーボバルブ51と言うことがある。第2サーボバルブ252の構成は、第1サーボバルブと同様でよい。射出装置201は、第2サーボバルブ252の開度を制御することによって、アシスト用アキュムレータ236から供給される作動液の流量を制御し、ひいては、アシスト力を制御することができる。
液圧回路240は、第7逆止弁VLG及び第8逆止弁VLHを有している。これらは、第1逆止弁VLA等と同様に、パイロット圧力が導入されて制御されるものである。具体的には、以下のとおりである。
第7逆止弁VLGは、第6流路248に設けられている。第7逆止弁VLGは、パイロット圧力が導入されていないときは、アシスト用アキュムレータ236側からヘッド側室21h側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第7逆止弁VLGは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第8逆止弁VLHは、第8流路250に設けられている。第8逆止弁VLHは、パイロット圧力が導入されていないときは、アシスト用アキュムレータ236側からポンプ31側への作動液の流れを禁止し、その反対方向の流れを許容する。また、第8逆止弁VLHは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第6逆止弁VLFは、第1の実施形態では、第5流路49に設けられていたが、本実施液体では、第7流路249に設けられている。第6逆止弁VLFは、パイロット圧力が導入されていないときは、アシスト用アキュムレータ236側からロッド側室21r側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第6逆止弁VLFは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
射出装置201は、アシスト用アキュムレータ236の圧力を検出するアキュムレータ圧力センサ298を有している。アキュムレータ圧力センサ298は、アシスト用アキュムレータ236の充填完了などの判定に利用されるものであり、その検出信号は、制御装置15の入力回路81に入力される。
射出装置201においては、第1の実施形態において、射出用アキュムレータ35からの作動液の放出を禁止するために設けられていた第5逆止弁VLEは省略されている。本実施形態においては、第1逆止弁VLA(及び第4逆止弁VLD)によって射出用アキュムレータ35の作動液の放出を禁止する。
(射出装置の動作)
図8は、射出装置201の動作を示す、図3に相当する図である。
(低速射出開始直前:〜t0)
低速射出の開始直前において、アシスト用アキュムレータ236は、充填が完了しており、また、作動液の放出が禁止されている。アシスト用アキュムレータ236からの作動液の放出の禁止は、例えば、第2サーボバルブ、第7逆止弁VLG及び第6逆止弁VLFが閉じられることによりなされる。また、第8逆止弁VLHは、例えば、パイロット圧力が導入されて閉じられている。それ以外は、第1の実施形態と概ね同様である。
(低速射出:t0〜t1)
低速射出において、第1の実施形態では、ポンプ31からシリンダ装置7のヘッド側室21hへ作動液を供給してアシスト力を発生させたのに対して、本実施形態では、アシスト用アキュムレータ236からヘッド側室21hへ作動液を供給してアシスト力を発生させる。それ以外は、第1の実施形態と概ね同様である。
具体的には、制御装置15は、第2サーボバルブ252を開くとともに、第7逆止弁VLGへの閉じるパイロット圧力の導入を停止する。これにより、アシスト用アキュムレータ236から第2サーボバルブ252及び第7逆止弁VLGを介してヘッド側室21hへ作動液が供給される。
なお、第1の実施形態においてポンプ31からヘッド側室21hへの作動液の流れを実現するためにパイロット圧力が導入されて開かれた第1逆止弁VLAは、本実施形態では、パイロット圧力が導入されずに自閉し、射出用アキュムレータ35の作動液の放出を禁止している。後述する押出追従においても同様である。
(射出用アキュムレータ充填:t0〜t1)
射出用アキュムレータ35の充填は、第1の実施形態のように次サイクル開始前等の適宜な時期に行われてよい。本実施形態においては、低速射出においてポンプ31がアシスト力発生のために駆動される必要が無いことに着目して、低速射出において、射出用アキュムレータ35の充填を行っている。これにより、サイクルタイムの短縮が容易化されている。なお、射出用アキュムレータ35の充填に係る動作は第1の実施形態と概ね同様である。
(高速射出:t1〜t2)
当該動作は、第1の実施形態と概ね同様である。ただし、射出用アキュムレータ35の作動液の放出は、第1逆止弁VLAに開くパイロット圧力が導入されることによって開始される。
また、第1の実施形態では、高速射出の開始(低速射出の終了)に伴って、ポンプ31からシリンダ装置7への作動液の供給が停止されたのに対して、本実施形態では、アシスト用アキュムレータ236からシリンダ装置7への作動液の供給が停止される。具体的には、制御装置15は、第2サーボバルブ252を閉じるとともに、第7逆止弁VLGに閉じるパイロット圧力を導入する。
(減速射出、増圧及び保圧:t2〜t6)
当該工程における動作は、第1の実施形態と同様である。なお、出力部材71の継手27への到達(被駆動部の到達:t5)も、第1の実施形態と同様である。
(アシスト用アキュムレータ充填:t1〜t5′及びt10〜t11)
アシスト用アキュムレータ236の充填は、射出用アキュムレータ35の充填同様に適宜な時期に行われてよい。本実施形態においては、高速射出の開始から保圧完了(t1〜t6)までの間において、アシスト用アキュムレータ236がアシスト力を発生させる必要が無いことに着目して、この間(例えばt1〜t5′)において、アシスト用アキュムレータ236の充填を行っている。また、第1の実施形態における射出用アキュムレータ35の充填と同様に、プランジャ5の後退完了から次サイクル開始前までの間(t10〜t11)においても、アシスト用アキュムレータ236の充填を行っている。
アシスト用アキュムレータ236の充填は、第8逆止弁VLHへの閉じるパイロット圧力の導入を停止し、第2サーボバルブ252及び第6逆止弁VLF及び第7逆止弁VLGを閉じた状態において、ポンプ31を駆動することにより行われる。第4逆止弁VLDは、射出用アキュムレータ35の圧力によって自閉するが、閉じるパイロット圧力が導入される逆止弁によって構成され、パイロット圧力が導入されてもよい。
(押出追従:t7〜t8)
第1の実施形態では、ポンプ31からシリンダ装置7のヘッド側室21hへ作動液を供給してアシスト力を発生させたのに対して、本実施形態では、アシスト用アキュムレータ236からヘッド側室21hへ作動液を供給してアシスト力を発生させる。それ以外は、第1の実施形態と概ね同様である。なお、アシスト用アキュムレータ236の作動液の放出に係る弁の動作は、低速射出と同様である。
(プランジャ後退:t9〜t10)
第1の実施形態では、ポンプ31からシリンダ装置7のロッド側室21rへ作動液を供給してアシスト力を発生させたのに対して、本実施形態では、アシスト用アキュムレータ236からロッド側室21rへ作動液を供給してアシスト力を発生させる。それ以外は、第1の実施形態と概ね同様である。
具体的には、制御装置15は、第2サーボバルブ252を開くとともに、第6逆止弁VLFへの閉じるパイロット圧力の導入を停止し、アシスト用アキュムレータ236からロッド側室21rへ作動液を供給する。プランジャ5の後退が完了すると、制御装置15は、第2サーボバルブ252及び第6逆止弁VLFを閉じ、また、ヘッド側室21hからの作動液の排出経路の弁も閉じる。
(アシスト比率、速度制御及び駆動力制御)
第2の実施形態においても、図4を参照して説明したようにアシスト比率(目標アシスト比率)が設定される。また、図5及び図6を参照して説明したように、低速射出、押出追従及びプランジャ後退においては、プランジャ5の速度が目標値に収束するように射出用電動機53がフィードバック制御されるとともに、アシスト比率が目標値になるようにシリンダ装置7がフィードバック制御される。ただし、シリンダ装置7のアシスト力のフィードバック制御は、ポンプ用電動機33の回転数の制御(第1の実施形態)に代えて、第2サーボバルブ252の開度の制御によって行われる。
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、低速射出において駆動装置11によるプランジャ5の駆動がシリンダ装置7によってアシストされることによって、駆動装置11の小型化が図られるとともに、駆動装置11が追従できないような高速への切り換えが円滑に行われる。
また、第2の実施形態の射出装置201は、アシスト用アキュムレータ236と、アシスト用アキュムレータ236よりも高圧に蓄圧可能な射出用アキュムレータ35と、これらアキュムレータからシリンダ装置7への作動液の流れを制御可能な液圧回路240とを有し、制御装置15は、低速射出においては、アシスト用アキュムレータ236からシリンダ装置7に作動液を供給し、高速射出においては、射出用アキュムレータ35からシリンダ装置7作動液を供給するように、液圧回路240を制御する。
従って、アシスト力を生じるときにも射出用アキュムレータ35からシリンダ装置7へ作動液を供給する場合(この場合も本願発明に含まれる)に比較して、高圧の射出用アキュムレータ35の小型化を図ることができ、全体として省エネルギー及び低コストとなることが期待される。また、アシスト用アキュムレータ236の使用時に射出用アキュムレータ35の充填を行う一方で、射出用アキュムレータ35の使用時にアシスト用アキュムレータ236の充填を行うことによって、サイクルタイムの短縮が容易化される。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、プラスチック射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、射出装置は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出であってもよい。作動液は、油に限定されず、例えば水でもよい。
シリンダ装置は、単動式のものに限定されず、増圧式のものであってもよい。例えば、シリンダ装置は、小径部と大径部とを有するシリンダチューブと、ピストンロッドに固定され、小径部を摺動する射出ピストンと、その後方にて小径部と大径部とを摺動する増圧ピストンとを有するものであってもよい。
液圧装置は、適宜に構成することができ、種々の流路の接続及び共用、並びに、種々の弁の配置は、適宜に変更可能である。作動液の流れを制御する弁としてパイロット式の逆止弁を多用したが、逆止弁に代えて、方向切換弁等の他の制御弁が用いられてもよい。ランアラウンド回路は設けられなくてもよいし、メータアウト回路に代えて若しくは追加してメータイン回路が構成されてもよい。
駆動装置は、好適には電動機を含むものである。ただし、駆動装置は、必ずしも電動機を含むものに限定されず、駆動力を生じる種々の方式のものとされてよい。また、電動機は、回転式のものに限定されず、リニアモータであってもよい。なお、リニアモータの場合には、伝達機構を介さずに、リニアモータの駆動力が直接にピストンロッドに伝達されてもよい。電動機が回転式のものである場合において、電動機の回転を並進運動に変換する伝達機構はねじ機構に限定されず、例えば、ラック・ピニオン機構であってもよい。また、駆動装置は、電動機、ポンプ及びシリンダ装置がユニット化された電動シリンダ(ハイブリッドシリンダ)であってもよい。また、駆動装置は、2以上設けられてもよい。
駆動装置は、プランジャの後退に供されないものであってもよい。例えば、特許文献1において開示されているように、駆動装置は、低速射出から高速射出への切り換えのときに停止され、プランジャの後退は、シリンダ装置のみによって行われてもよい。この場合、駆動装置は、低速射出のストロークで駆動可能であればよく、小型化が図られる。例えば、ねじ機構のねじの長さを短くすることができる。
上述のように、駆動装置は、必ずしもプランジャの後退に供されなくてもよいから、射出装置は、駆動装置の被駆動部のプランジャに対する相対的な前進を規制可能且つ被駆動部のプランジャに対する相対的な後退を許容可能に構成されればよく、被駆動部のプランジャに対する相対的な後退を規制する構成は必須ではない。例えば、実施形態において、着脱部13は省略可能である。
また、着脱部は、少なくとも被駆動部のピストンロッドに対する相対的な後退を許容するように連結を解除できれば十分であるが、被駆動部のピストンロッドに対する相対的な前進及び後退の双方を許容するような連結解除を行うものであってもよい。例えば、着脱部は、被駆動部に支持され、プランジャに対して前進方向及び後退方向の双方に対して係合する位置と当該係合位置から退避した位置との間で移動可能な係合部材と、当該係合部材を駆動するアクチュエータとを有するものであってもよい。
被駆動部若しくは着脱部は、ピストンロッドに固定された所定部材に対して前進方向へ当接可能でなくてもよい。例えば、被駆動部に設けられ、摩擦力や電磁石の吸着力等を利用する着脱部が、ピストンロッド若しくはピストンロッドに固定された所定部材に対して側方から若しくは前方から結合してもよい。
その他、被駆動部とピストンロッドとの相対移動は適宜に規制若しくは許容されてよい。例えば、特許文献1に開示されている種々の態様が適用されてよい。例えば、着脱部は、特許文献1の図5(b)に開示されいているように、ばねによって付勢されて係合する係合部材を有し、高速切換によるピストンロッドと被駆動部との速度差により生じる比較的大きな力によって係合が解除され、プランジャ後退時のプランジャ速度により生じる比較的小さい力によっては係合が解除されないものであってもよい。なお、この場合、制御装置による着脱部自体の制御は不要である。
また、例えば、特許第4782250号公報に開示されているように、被駆動部としての移動ロッドがシリンダチューブに後方から挿入され、当該移動ロッドがシリンダチューブ内においてピストンロッド若しくはピストンに後方から当接してもよい。なお、このようにシリンダチューブ内において被駆動部がピストンロッド若しくはピストンに当接する場合においては、当該公報に記載されているように、駆動装置の小型化を図る観点から、被駆動部の前端面に作動液の圧力が作用しない構成とされることが好ましい。
ピストンロッドの傾斜を抑制するための案内機構(ガイドバー等)は省略されてもよい。また、案内機構は、スライドテーブル等の他の機構により構成されてもよい。案内機構は、ねじ軸等の伝達機構よりもシリンダ装置側に配置されてもよいし、シリンダ装置に対してプランジャ側に配置されてもよい。
各部材は、一体的に形成されてもよいし、複数の部材から構成されてもよい。例えば、ナット65、出力部材71及びガイドバー67は、これらの2つ以上が一体的に形成されてもよい。また、例えば、被駆動部が当接する、ピストンロッドに固定された所定部材は、継手とは別の部材であってもよく、また、ピストンロッドと一体的に形成されていてもよい。
駆動装置及びシリンダ装置は、適宜に単独で又は共に利用されてよい。例えば、押出追従及びプランジャ後退においては、駆動装置及びシリンダ装置が協働せずに、いずれか一方のみによってプランジャの駆動がなされてもよい。また、例えば、高速射出後、被駆動部がピストンロッドに追いついた後、駆動装置の駆動力も増圧及び/又は保圧に利用されてもよい。また、駆動装置及びシリンダ装置の協働は、一の工程の一部分のみにおいて行われてもよい。
駆動装置及びシリンダ装置は、低速射出において多段変速を行う場合などにプランジャを減速させるときに、プランジャの移動方向とは逆方向への駆動力を生じてもよい。また、駆動装置は、プランジャを減速させるときに、応答性の低いアシスト力に抗してプランジャの移動方向及びアシスト力の方向とは逆方向への駆動力を生じることがあってもよい。
アシスト比率若しくはアシスト力は、一の工程を適宜に区切って(例えば、加速区間、定速区間等)、その区間ごとに設定されてもよい。
目標アシスト比率を実現するためのアシスト力の算出は、成形サイクル開始前に予め設定されるもの及び成形サイクル中(低速射出等の工程中)に順次算出されるものに限定されない。例えば、前の成形サイクルにおける全駆動力及びアシスト力に基づいて、次の成形サイクルのアシスト力を算出してもよい。
実施形態では、プランジャを駆動する駆動力を電動機の負荷及びシリンダ装置の圧力から算出した。しかし、プランジャを駆動する駆動力は、例えば、ピストンロッドとプランジャとの間に荷重センサを設けることによって、測定されてもよい。
1…射出装置、5…プランジャ、7…シリンダ装置、9…液圧装置、11…駆動装置、13…着脱部、25…ピストンロッド、65…ナット(被駆動部)、105…キャビティ。

Claims (10)

  1. キャビティに成形材料を押し出すプランジャと、
    前記プランジャと連結されたピストンロッドを有するシリンダ装置と、
    前記ピストンロッドに対する相対的な前進が規制されるとともに、前記ピストンロッドに対する相対的な後退が許容される被駆動部を有し、当該被駆動部を前記ピストンロッドと平行な方向において駆動可能な駆動装置と、
    前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    低速射出においては、前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な前進が規制された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力の双方により前記プランジャを駆動し、
    高速射出においては、前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な後退が許容された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力のうち前記シリンダ装置の駆動力のみにより前記プランジャを駆動するように、
    前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する
    成形機の射出装置。
  2. 前記被駆動部は、前記シリンダ装置のシリンダチューブの外部において、前記ピストンロッドに固定された所定部材に対して前進方向に当接可能であるとともに、その当接位置から前記所定部材に対して後退可能である
    請求項1に記載の成形機の射出装置。
  3. 前記被駆動部と前記ピストンロッドとを連結可能であるとともに、少なくとも前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な後退を許容するように連結を解除可能な着脱部を更に有する
    請求項1又は2に記載の成形機の射出装置。
  4. 前記制御装置は、前記低速射出における前記プランジャを駆動する駆動力に占める前記シリンダ装置の駆動力の比率が所定の目標アシスト比率になるように前記シリンダ装置を制御する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形機の射出装置。
  5. 前記制御装置は、前記低速射出において、前記プランジャの速度が目標速度に収束するように前記駆動装置をフィードバック制御するとともに、順次取得される現在の前記プランジャを駆動する駆動力に前記目標アシスト比率を乗じたアシスト力の目標値を算出し、前記シリンダ装置の駆動力が前記アシスト力の目標値に収束するように前記シリンダ装置をフィードバック制御する
    請求項4に記載の成形機の射出装置。
  6. 前記制御装置は、
    製品押出追従において、前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な前進が規制された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力の双方により前記プランジャを駆動し、
    前記プランジャの後退において、前記着脱部により前記被駆動部の前記ピストンロッドに対する相対的な後退が規制された状態で、前記駆動装置の駆動力及び前記シリンダ装置の駆動力の双方により、前記プランジャを駆動するように、
    前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する
    請求項3に記載の成形機の射出装置。
  7. 前記制御装置は、前記低速射出、前記製品押出追従及び前記プランジャの後退の各工程毎に所定の目標アシスト比率を保持し、前記プランジャを駆動する駆動力に占める前記シリンダ装置の駆動力の比率が前記目標アシスト比率になるように前記シリンダ装置及び前記駆動装置を制御する
    請求項6に記載の成形機の射出装置。
  8. 前記制御装置は、前記低速射出において、前記プランジャを駆動する駆動力に占める前記シリンダ装置の駆動力の比率が50%以下となるように前記駆動装置及び前記シリンダ装置を制御する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形機の射出装置。
  9. ポンプと、
    アキュムレータと、
    前記ポンプ及び前記アキュムレータから前記シリンダ装置への作動液の流れを制御可能な液圧回路と、
    を更に有し、
    前記制御装置は、
    低速射出においては、前記ポンプから前記シリンダ装置に作動液を供給し、
    高速射出においては、前記アキュムレータから前記シリンダ装置に作動液を供給するように、
    前記液圧回路を制御する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形機の射出装置。
  10. アシスト用アキュムレータと、
    前記アシスト用アキュムレータよりも高圧に蓄圧可能な射出用アキュムレータと、
    前記アシスト用アキュムレータ及び射出用アキュムレータから前記シリンダ装置への作動液の流れを制御可能な液圧回路と、
    を更に有し、
    前記制御装置は、
    低速射出においては、前記アシスト用アキュムレータから前記シリンダ装置に作動液を供給し、
    高速射出においては、前記射出用アキュムレータから前記シリンダ装置に作動液を供給するように、
    前記液圧回路を制御する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形機の射出装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116599A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 東芝機械株式会社 射出装置及び成形装置

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