JP2013190773A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電荷像現像用トナーは、離型剤および結着樹脂を含有するトナー粒子よりなり、前記結着樹脂が、一般式(1)で表わされる単量体に由来の構造単位を含む共重合体を含有することを特徴とする。一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は水素原子、炭素数1〜16のアルキル基または炭素数6〜15のアリール基を示す。mは2または3の整数を示し、nは1〜8の整数を示す。
【選択図】なし
Description
このような装置に対応した低温定着性の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、実用上いくつかの問題がある。具体的には、低温定着性のトナーを高速大量印刷用の画像形成装置において用いる場合においては、定着時にトナーの粘度が大幅に低下するほどに溶融が進行すると、溶融したトナーの一部が定着部材に移行するというホットオフセット現象が発生し、これに起因して、画像汚染が生じるという問題がある。また、定着部材とトナーとの定着分離性が低下することによって、定着部材に画像支持体ごと巻き付いてしまうという問題もある。
例えば特許文献1には、トナー中に、結着樹脂と共に架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを添加し架橋反応を促進させることにより、低温定着性と耐ホットオフセット性との両立を図ることが記載されている。
しかしながら、トナー中に架橋剤が添加されると、架橋作用により樹脂が硬くなることによって、十分な低温定着性が得られないのが現状である。
しかしながら、トナー中に上記モノマーが添加されると、ガラス転移点の降下が顕著に発生し、十分な耐ホットオフセット性が得られないのが現状である。また、離型剤が含有されていないと十分な定着分離性が得られないのも現状である。
前記結着樹脂が、下記一般式(1)で表わされる単量体に由来の構造単位を含む共重合体を含有することを特徴とする。
本発明のトナーは、離型剤および結着樹脂、必要に応じて着色剤、荷電制御剤などの内添剤を含有するトナー粒子よりなるものである。また、トナー粒子に対して外添剤が添加されていてもよい。本発明においては、トナーを構成する結着樹脂が、上記一般式(1)で表わされる単量体に由来の構造単位を含む共重合体(以下、「特定の共重合体」ともいう。)を含有することを特徴とする。
本発明のトナーを構成する結着樹脂は、特定の共重合体を含有するものであれば、その他の樹脂が含有されていてもよい。
結着樹脂を構成する特定の共重合体は、上記一般式(1)で表わされる単量体に由来の構造単位を含むものである。
また、主に離型剤として用いられているポリエチレン(プロピレン)グリコール由来のエチレン(プロピレン)グリコール鎖を有することにより、定着部材との離型効果が得られ、耐ホットオフセット性および定着分離性が得られる。そして、本発明のトナーにおいては、離型剤も含有されていることから、耐ホットオフセット性および定着分離性がより確実に得られる。
R2 は水素原子、炭素数1〜16のアルキル基または炭素数6〜15のアリール基を示す。炭素数としてはエチレン(プロピレン)グリコール鎖の炭素数以下である方がドメイン構造を形成しやすいため好ましい。具体的には、mが2であり、nが3である場合においては、R2 の炭素数は6以下であることが好ましい。特に、R2 はメチル基またはフェニル基であることが好ましい。
mは2または3の整数を示す。mが小さい程、ガラス転移点が低くなり、ドメイン構造形成時に、より可塑効果が発揮されるため、mは2であることが好ましい。
nは1〜8の整数を示し、より好ましくは3〜8である。nが9以上である場合においては、過度な可塑効果が作用し、耐ホットオフセット性および定着分離性が低下してしまう。また、nが1または2である場合であっても、本発明の効果は得られるが、より可塑効果が発揮されるためには、nは3〜8であることが好ましい。
一般式(1)で表わされる単量体の含有割合が上記範囲であることにより、より良好な可塑効果および離型効果が得られる。
一般式(1)で表わされる単量体の含有割合が過大である場合においては、結着樹脂自体のガラス転移点が低下し、十分な耐熱保存性が得られないおそれがある。一方、一般式(1)で表わされる単量体の含有割合が過小である場合においては、エチレン(プロピレン)グリコール鎖による可塑効果、離型効果が十分に得られず、低温定着性、定着分離性が十分に得られないおそれがある。
(1)スチレンおよびその誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンおよびこれらの誘導体など。これらの中でもスチレンが好ましい。
(2)メタクリル酸エステルおよびその誘導体
メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの誘導体など。
(3)アクリル酸エステルおよびその誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルおよびこれらの誘導体など。これらの中でもアクリル酸n−ブチルが好ましい。
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど。
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
以上の単量体は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなイオン性解離基を有する単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
他の樹脂は、結着樹脂中0〜80質量%の割合で含有されることが好ましい。
結着樹脂のガラス転移点が上記範囲にあることにより、低温定着性が確実に得られる。
結着樹脂のガラス転移点が50℃を超える場合においては、低温定着性が十分に得られないおそれがある。一方、結着樹脂のガラス転移点が30℃未満である場合においては、定着分離性が十分に得られないおそれがある。
測定手順としては、試料(結着樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行い、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあることにより、低温定着性および定着分離性が確実に得られる。
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が過大である場合においては、低温定着性が十分に得られないおそれがある。一方、結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が過小である場合においては、定着分離性が十分に得られないおそれがある。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流し、試料(結着樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出されるものである。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
本発明のトナーを構成する離型剤は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素系ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、シャープメルト性の観点から、炭化水素系ワックスおよびエステル系ワックスのいずれか一種以上が好ましい。
離型剤の含有割合が上記範囲内であることにより、定着分離性が十分に得られる。
離型剤の含有割合が過大である場合においては、結着樹脂が過度に柔らかくなるため、トナーの耐熱保存性が悪化するおそれがある。
着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、トナー粒子中1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、トナー粒子中0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明のトナーは、平均粒径が、例えば体積基準のメジアン径で3〜9μmであることが好ましく、より好ましくは3〜8μmとされる。この粒径は、例えば後述する乳化重合会合法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
具体的には、試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
本発明のトナーは、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
具体的には、試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
本発明のトナーは、ガラス転移点が30〜50℃であることが好ましく、より好ましくは35〜45℃である。
さらに、軟化点は80〜120℃であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃である。
また、本発明において、トナーの軟化点は、以下のように測定されるものである。
まず、温度20±1℃、相対湿度50±5%RHの環境下において、試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、相対温度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度T0ffsetが、トナーの軟化点とされる。
本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、高画質化、高安定性に有利となる粒子径の均一性、形状の制御性、コア−シェル構造形成の容易性の観点より、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、必要に応じて着色剤の微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒子径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
ここで、樹脂微粒子は、任意に荷電制御剤などの内添剤を含有したものとしてもよく、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。また、このような内添剤は、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、凝集、融着工程において樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に当該内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することもできる。
さらに、本発明のトナーを構成する離型剤についても、離型剤のみよりなる離型剤微粒子分散液を調製し、凝集、融着工程において樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に当該離型剤微粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することができる。また複合粒子とする場合においては、一般式(1)で表わされる単量体はどの層に添加しても構わない。
また、凝集時に、異種の樹脂微粒子を添加し、コア−シェル構造のトナー粒子とすることもトナー構造設計の観点から好ましい。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
乳化凝集法においては、凝集する樹脂微粒子中に、特定の共重合体を導入させることができる。この樹脂微粒子が、2層以上の構成を有する複合粒子であり、複数の重合反応を有する場合、一般式(1)で表わされる単量体の導入としては、複合粒子のいかなる層への導入でも構わない。
また、凝集する樹脂微粒子としては、特定の共重合体を含む粒子以外の樹脂微粒子が存在しても構わない。凝集時における、特定の共重合体を含む粒子の添加時期としては、凝集初期〜後期の、どのタイミングでも構わない。また、添加を複数回に分けて行っても構わない。
混練粉砕法においては、樹脂混練時に、特定の共重合体を単独もしくは、内添剤などと共に添加するものとする。
本発明に係るトナー粒子は、そのままトナー粒子として使用することが可能であるが、トナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、その表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、滑材を外添剤として添加することできる。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウムなどによる無機微粒子を好ましいものとして挙げられる。
必要に応じてこれらの無機微粒子は疎水化処理されていてもよい。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子ものを使用することができる。
滑材は、クリーニング性や転写性をさらに向上させる目的で使用されるものであって、滑材としては、例えば、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩などの高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これらの外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜10.0質量%とされる。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、当該トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%であることが好ましい。
トナーとキャリアを混合する混合装置は、特に限定されるものではなく、ナウターミキサー、WコーンおよびV型混合機などが挙げられる。
本発明において、キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
本発明のトナーは、一般的な電子写真方式の画像形成方法に用いることができる。
(1)樹脂微粒子分散液の調製
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた反応容器に、イオン交換水800質量部を添加した。この反応容器を、82℃に加熱後、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム17質量部とイオン交換水930質量部とを下記に示す化合物を含有してなる単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEAMIX」(エム・テクニック社製)を用いて1時間混合分散させて乳化粒子(油滴)を含有する分散液を調製した。
スチレン 245質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
n−オクチル−3−メルカプタン 1.5質量部
ベヘン酸ベヘネート 95.6質量部
次いで、この分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、82℃の温度下で1時間加熱撹拌して重合を行い、樹脂微粒子〔1HM〕の分散液を調製した。
さらに、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を樹脂微粒子〔1HM〕の分散液に添加し、82℃の温度下で下記に示す化合物を含有してなる単量体溶液を、1時間かけて滴下した。滴下後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂微粒子〔1〕の分散液を調製した。
スチレン(St) 400質量部
n−ブチルアクリレート(BA) 72質量部
メタクリル酸(MAA) 33質量部
表1に示す構造を有する単量体A 52質量部
n−オクチル−3−メルカプタン 12質量部
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子〔1〕の分散液を調製した。この着色剤微粒子〔1〕の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を取り付けた反応容器に下記材料を添加し、液温を30℃に調整した。
イオン交換水 1400質量部
樹脂微粒子〔1〕の分散液(固形分換算) 300質量部
着色剤微粒子〔1〕の分散液 120質量部
次に、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整し、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解させた30℃の水溶液を、撹拌状態にある反応系中に10分間かけて添加した。そして、添加後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて86℃まで昇温し、凝集を進行させた。凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3」で観察した。体積基準におけるメジアン径(D50)が6.5μmになった時点で20%塩化ナトリウム水溶液750質量部を添加して凝集を停止させた。
20%塩化ナトリウム水溶液添加後、液温を81℃にして撹拌を継続し、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」で粒子の平均円形度を観察しながら凝集した凝集粒子の融着を進行させた。平均円形度が0.940になったことを確認した後、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
得られた会合粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械社製)で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー粒子〔1〕を得た。
上記で得られたトナー粒子〔1〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%、疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーによって混合することによりトナー〔1〕を作製した。
トナー〔1〕のガラス転移点は41℃、体積基準におけるメジアン径(D50)は6.5μm、平均円形度は0.940であった。
トナーの作製例1において、単量体Aに代えて表1に示す単量体B〜Mをそれぞれ用い、当該単量体と他の単量体が表1に示す組成比となるように当該単量体の添加量を変更し、また、離型剤を表1に示す種類に変更したことの他は同様にしてトナー〔2〕〜〔13〕を作製した。
トナーの作製例2において、離型剤を添加しなかったことの他は同様にしてトナー〔14〕を作製した。
トナー〔1〕〜〔14〕の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6%となるよう混合することにより、現像剤〔1〕〜〔14〕を調製した。
現像剤〔1〕〜〔14〕について、複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)において、定着装置を加熱ローラの表面温度(定着温度)を120〜200℃の範囲で変更することができるように改造したものを用い、常温常湿(温度20℃、湿度55%RH)の環境下において、A4サイズの上質紙(坪量64g/m2 )上に、トナー付着量2mg/cm2 の1.5cm×1.5cmのベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を120℃から5℃刻みで増加させるように変更しながら200℃まで繰り返し行った。
目視で低温オフセットによる画像汚れが観察されない定着実験のうち、最低の定着温度に係る定着実験の当該定着温度を、最低定着温度として評価した。最低定着温度が140℃以下である場合を合格とする。
また、目視でホットオフセットによる画像汚れが観察された定着実験のうち、最低の定着温度に係る定着実験の当該定着温度をホットオフセット温度として評価した。ホットオフセットが未発生またはホットオフセット温度が190℃以上である場合を合格とする。なお、「未発生」とは、定着温度が200℃である定着実験においてもホットオフセットによる画像汚れが観察されないことをいう。
結果を表2に示す。
現像剤〔1〕〜〔14〕について、複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)において、定着装置を加熱ローラの表面温度を195℃に設定したものを用い、縦送りで搬送したA4サイズの上質紙(坪量64g/m2 )上に、トナー付着量4.5mg/cm2 の搬送方向に垂直な方向に伸びる5cm幅のベタ黒帯状画像を定着させ、その分離性を下記の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
なお、「A」、「B」、「C」を合格とする。
−評価基準−
A:紙がカールすることなく分離爪に触れずに加熱ローラと分離する。
B:紙が加熱ローラと分離爪によって分離するが、画像上に分離爪の跡はない。
C:紙が加熱ローラと分離爪によって分離するが、画像上の分離爪の跡はほとんど目立たない。
D:紙が加熱ローラと分離爪によって分離し、画像上に分離爪跡が残る、もしくは加熱ローラに巻きついてしまい加熱ローラと分離できない。
Claims (8)
- 離型剤および結着樹脂を含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーにおいて、
前記結着樹脂が、下記一般式(1)で表わされる単量体に由来の構造単位を含む共重合体を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
〔上記一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は水素原子、炭素数1〜16のアルキル基または炭素数6〜15のアリール基を示す。mは2または3の整数を示し、nは1〜8の整数を示す。〕 - 前記一般式(1)において、nが3〜8の整数を示すことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記一般式(1)で表わされる単量体が、前記結着樹脂を構成する前記共重合体を形成する全単量体中2〜12質量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記一般式(1)において、mが2の整数を示すことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記一般式(1)において、R2 がメチル基またはフェニル基を示すことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂を構成する前記共重合体が、上記一般式(1)で表わされる単量体とビニル系モノマー(但し、上記一般式(1)で表わされる単量体を除く。)との共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤が、トナー粒子中1〜30質量%の割合で含有されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤が、炭化水素系ワックスおよびエステル系ワックスのいずれか一種以上よりなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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