JP2013190635A - 赤外線抑制フィルム - Google Patents

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伊藤  潔
Tomoyuki Izuhara
知之 出原
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Abstract

【課題】基体上に、低屈折率層および高屈折率層を備えることで、赤外線抑制性能が付与された可視光透過性を示す赤外線抑制フィルムに、さらに簡易な構成により断熱性能を付与する。
【解決手段】赤外線抑制フィルム10は、基体1上に、高分子化合物および無機化合物粒子を含む低屈折率層2が形成され、基体および低屈折率層の間または低屈折率層上に、高分子化合物および無機化合物粒子を含み、低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を示す高屈折率層3が、低屈折率層に接して形成され、低屈折率層および高屈折率層の少なくともいずれか一つの層が多孔質粒子を含む。無機化合物粒子が多孔質粒子を兼用するのが好ましい。低屈折率層が多孔質粒子を含むのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線抑制フィルムに関する。
近年、地球温暖化対策の重要性が認識され、その原因とされる温室効果ガスの一種である二酸化炭素の排出を抑える低炭素社会の実現に向けた動きが広がってきている。そして、その多方面におよぶ取り組みのなか、赤外線抑制フィルムが知られている(特許文献1)。
例えば、特許文献1では、互いに屈折率が異なる低屈折率層と高屈折率層とを交互に2層以上積層した、赤外線反射性を示す赤外線抑制フィルムが提案されている。
赤外線抑制フィルムは、これを建築物や乗り物の窓ガラスに貼り付けた場合、窓ガラスを透しての透視性は確保しつつ、太陽からの日射中に含まれる赤外線が、屋外から屋内へ進入するのを抑制することで、夏場においては冷房効率を向上させることができる。
一方、冬場においては、窓ガラスに貼り付けて暖房効率を向上させるために、断熱フィルムが提案されている(特許文献2)。
例えば、特許文献2では、シリカの殻からなるナノ中空粒子を高分子化合物中に分散した断熱フィルムに加えて、さらに、赤外線カットフィルムと紫外線カットフィルムとの、三種類のフィルムを積層した三層断熱フィルムが提案されている。
特開2011−224694号公報 特開2011−126284号公報
以上のような技術的背景のもと、赤外線抑制フィルム自体に断熱性を付与することができれば、夏冬ともに、冷暖房のエネルギー効率を向上させることができると期待される。
そこで、本発明は、基体上に低屈折率層および高屈折率層を備えることで赤外線を反射させる赤外線抑制フィルムに対して、さらに断熱性を簡易な構成で高めることを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明では、以下の構成の赤外線抑制フィルムとした。
本発明は、基体と、前記基体上に形成された、高分子化合物および無機化合物粒子を含む低屈折率層と、
前記基体および前記低屈折率層の間または前記低屈折率層上に、前記低屈折率層に接して形成された、高分子化合物および無機化合物粒子を含み、前記低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を示す高屈折率層と、
を備え、
前記低屈折率層および前記高屈折率層の少なくともいずれか一つの層が、多孔質粒子を含む、
可視光透過性を示す赤外線抑制フィルムである。
本発明に係る赤外線抑制フィルムは、前記構成において、前記低屈折率層および前記高屈折率層の少なくともいずれか一つの層に含まれる前記無機化合物粒子が、前記多孔質粒子である、構成とすることができる。
本発明に係る赤外線抑制フィルムは、前記いずれかの構成において、前記低屈折率層が、前記多孔質粒子を含む、構成とすることができる。
本発明に係る赤外線抑制フィルムによれば、簡易な構成で断熱性を高めることができる、という効果を奏する。
赤外線抑制フィルムの一実施形態例を示す断面図。 赤外線抑制フィルムの別の実施形態例を示す断面図。 本発明に係る赤外線抑制フィルムを製造する方法の一例を説明する断面図。
〔A〕赤外線抑制フィルム
以下、本発明に係る赤外線抑制フィルムを図面を参照して説明する。本発明の説明において、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
《要旨》
図1は、本発明に係る赤外線抑制フィルムの一実施形態例を説明する断面図である。
本発明に係る赤外線抑制フィルムは、同図に例示する赤外線抑制フィルム10のように、
基体1と、基体1上に形成された、高分子化合物および無機化合物粒子を含む低屈折率層2と、基体1および低屈折率層2の間または低屈折率層2上に、低屈折率層2に接して形成された、高分子化合物および無機化合物粒子を含み、低屈折率層2の屈折率よりも高い屈折率を示す高屈折率層3と、を備え、低屈折率層2および高屈折率層3の少なくともいずれか一つの層が、多孔質粒子を含み、可視光透過性を示すものとなっている。
本発明においては、赤外線抑制フィルム10は、低屈折率層2および高屈折率層3として、基体1上には、最低限、一つの低屈折率層2と、この低屈折率層2に接して一つの高屈折率層3とを備える。
同図に示す実施形態は、一つの低屈折率層2と、一つの高屈折率層3とを明示的に示してあり、高屈折率層3は低屈折率層2の上に低屈折率層2に接して形成された形態の場合である。
低屈折率層2と高屈折率層3とが接して積層された積層構造4が、赤外線反射性を示しし、これらの層で多孔質粒子を含む層が断熱性も示す結果、簡易な構成で、赤外線抑制フィルム10の断熱性を高めることになる。
(低屈折率層2とこれに接する高屈折率層3)
同図に示す赤外線抑制フィルム10では、基体1上に明示的に描かれた一つの低屈折率層2および一つの高屈折率層3以外に、該低屈折率層2と基体1との間、および、該高屈折率層3上にも、破線で図示される層を備え得ることが示されている。
これは、前記明示的に描かれた一つの低屈折率層2および前記一つの高屈折率層3以外にも、さらに低屈折率層2および高屈折率層3の少なくともいずれか一つ以上を備えても良いことを示す。ただし、追加の低屈折率層2および高屈折率層3については、高屈折率層3は低屈折率層2に接して形成され、また、低屈折率層2は高屈折率層3に接して形成される。
すなわち、同図に示す実施形態の赤外線抑制フィルム10において、例えば、基体1と低屈折率層2との間に、この低屈折率層2に接してさらに高屈折率層3が形成されていてもよく、さらに、この高屈折率層3と基体1との間に、この高屈折率層3に接して低屈折率層2が形成されていても良い。同様に、明示的に描いてある高屈折率層3上に、この高屈折率層3に接してさらに低屈折率層2が形成されていてもよく、さらに、この低屈折率層2に接して高屈折率層3が形成されていてもよい。
このように、明示的に描いてある一つの低屈折率層2およびこれに接する一つの高屈折率層3に加えて、さらに、追加の低屈折率層2および高屈折率層3が互いに接して形成されていてもよい。
図2に示す別の実施形態の赤外線抑制フィルム10は、複数の低屈折率層2および複数の高屈折率層3を備えた構成の例である。同図に示す実施形態の赤外線抑制フィルム10は、基体1上に、低屈折率層2および高屈折率層3を合計で7つ備えた構成であり、これらの複数の低屈折率層2および複数の高屈折率層3から積層構造4が構成されている例である。同図では、基体1側を低屈折率層2とする積層構造4として、基体1に接して低屈折率層2が形成され、その次に高屈折率層3、低屈折率層2、・・・・・、低屈折率層2と、「低」と「高」を交互にして、順次形成された構成の例である。
そして、同図に示す実施形態における赤外線抑制フィルム10では、これらの全ての低屈折率層2および高屈折率層3によって、積層構造4が構成され、この積層構造4によって、赤外線反射性が付与される。
このように、同図に示す実施形態では、複数の低屈折率層2および複数の高屈折率層3とによって、低屈折率層2と高屈折率層3との界面の数を増やすことによって、赤外線反射性を増強することができるという効果を奏することができる。
(多孔質粒子)
本発明においては、赤外線抑制フィルム10は、低屈折率層2および高屈折率層3の少なくともいずれか一つの層が、多孔質粒子を含んでいる。多孔質粒子は、低屈折率層2或いは高屈折率層3が含む無機化合物粒子とは別物として含ませても良いが、無機化合物粒子と兼用させることによって、例えば、低屈折率層2に好適に使用され得る酸化ケイ素を多孔質粒子と兼用させることが可能になり、より簡易な構成で断熱性を高めることができる。
図1に示す実施形態の赤外線抑制フィルム10では、層中に含まれる無機化合物粒子が多孔質粒子となっており、無機化合物粒子が多孔質粒子を兼用した構成となっている。
このように、無機化合物粒子自体が多孔質粒子である構成とし、なお且つ、この無機化合物粒子を兼用する多孔質粒子を含む層を、低屈折率層2とした構成にすると、多孔質粒子は、その多孔質な構造によって屈折率を低くして、低屈折率層2の屈折率を低く調整することに寄与させ得る為に、多孔質粒子を高屈折率層3に含ませる場合に比べて、より簡易な構成で、屈折率の調整にも寄与させつつ、断熱性を高めることができる。
以下、本発明に係る赤外線抑制フィルム10を、構成要素毎にさらに詳述する。
《基体1》
基体1は、仕様または用途に応じて適宜選定されるものであり、特に制限はない。例えば、基体1の材料としては、ガラスや高分子化合物を好適に用いることができる。高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンなどのポリオレフィン系、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレートなどのセルロース誘導体系、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含塩素系、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなどのポリエーテル系、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系、含フッ素系、或いは、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリノルボルネン、などの高分子化合物が挙げられる。これらの中でも、機械的強度、可視光透過性および製造コストの観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい高分子化合物の一種である。
基体1は、必要に応じて、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、片面または両面に、公知の密着強化処理が施されていても良い。密着強化処理としては、例えばコロナ放電処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、プラズマ照射処理、クロム酸処理などの表面酸化法、サンドブラスト法、溶剤処理法などの表面凹凸化法、或いは、プライマー層の形成、下地層の形成などの密着強化層形成法などがある。
基体1の厚みは、用途及び要求仕様に応じたものとすれば良く、特に制限はない。基体1の厚みは、通常、10μm〜300μm、好ましくは30μm〜200μm、より好ましくは50μm〜200μmである。基体1の厚みを上記範囲の上限以下とすることによって、基体1をロール状の長尺物として取り扱い、赤外線抑制フィルム10をロール形態で連続生産可能なものに容易にできるからである。また、基材1の厚みが上記範囲の下限未満であると、赤外線抑制フィルム10の機械的強度が不足する可能性があるからである。
《低屈折率層2および高屈折率層3》
低屈折率層2および高屈折率層3は、ともに、高分子化合物と無機化合物粒子とを含む。さらに、本発明においては、低屈折率層2および高屈折率層3の少なくともいずれか一つの層が多孔質粒子を含む。低屈折率層2および高屈折率層3は、ともに可視光透過性である。高屈折率層3の屈折率は、低屈折率層2の屈折率よりも高い。
低屈折率層2の屈折率、および高屈折率層3の屈折率は、主として、前記無機化合物粒子の種類および含有量の少なくともいずれかを変えることで調整することができる。
[高分子化合物]
低屈折率層2および高屈折率層3に含まれる高分子化合物としては、層中に無機化合物粒子を保持することができるものであれば特に制限はない。高分子化合物は、用途、要求仕様、層の塗布形成方法などに応じて適宜選択することができる。例えば、高分子化合物としては、油溶性高分子化合物、水溶性高分子化合物、水分散性高分子化合物などを用いることができる。高分子化合物は、有機合成高分子化合物、有機天然高分子化合物、有機無機合成高分子化合物、いずれでもよい。
有機合成高分子化合物の例を挙げれば、例えば、ポリアクリレート系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリエーテル系、ポリビニルブチラール系、ポリ酢酸ビニル系、ポリオレフィン系、セルロース誘導体系、などの高分子化合物、或いはこれらの高分子化合物を構成する重合単位を2種以上含む共重合体からなる高分子化合物を挙げることができる。
有機天然高分子化合物の例を挙げれば、ゼラチン、カゼイン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガム、などの高分子化合物を挙げることができる。
有機無機合成高分子化合物の例を挙げれば、シリコーンなどの高分子化合物を挙げることができる。
これらの高分子化合物は、1種または2種以上併用することができる。
低屈折率層2に含まれる高分子化合物と、高屈折率層3に含まれる高分子化合物は、同一であっても良く、同一でなくてもよい。複数の低屈折率層2を備える場合、各層に含まれる高分子化合物は、同一であっても良く、同一でなくてもよい。同様に、複数の高屈折率層3を備える場合、各層に含まれる高分子化合物は、同一であっても良く、同一でなくてもよい。
高分子化合物は、無機化合物で変性された有機高分子化合物でもよい。高分子化合物が無機化合物で変性された部位を有することで、無機化合物粒子と高分子化合物の親和性が向上して、無機化合物粒子を良好に保持することができるからである。この結果、低屈折率層2または高屈折率層3の屈折率を無機化合物粒子で調整する観点において、層中の高分子化合物の含有量を減らすことで、高分子化合物が層の屈折率に寄与する分を減らして、無機化合物粒子が層の屈折率に寄与する分を増やすことができる。
無機化合物による有機高分子化合物の変性の例としては、シリコーン変性などのケイ素化合物変性、スズ化合物変性、チタン化合物変性、アルミニウム化合物変性などの金属化合物変性高分子化合物が挙げられる。
無機化合物で変性された有機高分子化合物は、無機化合物と高分子化合物とのグラフト重合体でもよいし、無機化合物と高分子化合物との共重合体でもよい。特に、シリコーンアクリル高分子化合物が無機化合物との親和性と可視光透過性の観点から好ましい一種である。
高分子化合物の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値で5,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。前記分子量が、小さすぎると、層の皮膜強度が低下することがあり、逆に大き過ぎると、層を塗工形成する為の組成物の粘度が上昇して塗工適性が低下することがあるからである。
高分子化合物の低屈折率層2または高屈折率層3中の含有量は、層の固形分全量に対して、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは40〜60質量%である。含有量が少なすぎると、無機化合物粒子による屈折率の調整効果を充分に反映させることが出来なくなる可能性があり、逆に、前記含有量が多すぎると、高分子化合物の含有量が少なくなるために、高分子化合物によって無機化合物粒子同士を結合すると共に層中に固定し層から脱落するのを防ぐことが困難となる可能性があるからである。
[無機化合物粒子]
低屈折率層2または高屈折率層3に含まれる粒子としては、本発明においては、無機化合物粒子を用いる。無機化合物粒子は、有機化合物粒子に比べて、粒子自体の屈折率を多様に選べ、この結果、低屈折率層2或いは高屈折率層3の屈折率を調整し易いからである。
無機化合物粒子の屈折率は、特に限定されないが、含ませる低屈折率層2或いは高屈折率層3の目指すべき屈折率、材料コストなどに応じて選定する。無機化合物粒子としては、例えば、1.1〜5.0の屈折率の粒子を用いることができる。
低屈折率層2には、屈折率がなるべく低い無機化合物粒子を用いるのが、低屈折率層2の屈折率を低く調整し易く、高屈折率層3には屈折率がなるべく高い無機化合物粒子を用いるのが、高屈折率層3の屈折率を高く調整し易い点で好ましい。
無機化合物粒子としては、金属や半金属、またはそれらの酸化物、リン酸化物、窒化物、炭化物、ハロゲン化物などが挙げられる。
低屈折率層2の含ませる無機化合物粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、およびこれらの複合化合物、さらにこれらに他の元素がドープされた化合物を含む粒子を用いることができる。これらのなかでも、酸化ケイ素の粒子、酸化アルミニウムの粒子は無機化合物粒子として好ましい。比較的低い屈折率、コスト、及び入手容易性などの点で有利だからである。
高屈折率層3に含ませる無機化合物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、およびこれらの複合化合物、さらにこれらに他の元素がドープされた化合物を含む粒子を用いることができる。これらのなかでも、酸化チタンの粒子、酸化スズの粒子は無機化合物粒子として好ましい。比較的高い屈折率、コスト、及び入手容易性などの点で有利だからである。
無機化合物粒子の粒子径は、赤外線抑制フィルム10に要求される可視光透過性が得られれば、特に制限はない。無機化合物粒子の粒子径は、可視光透過性、分散性などの観点より適宜選定され、1〜500nmであり、好ましくは5〜100nmである。
粒子径がこの範囲を超えると、可視光透過性が低下することがあり、ひいては、赤外線抑制フィルム10としての可視光透過性を満足させることが出来なくなる可能性があるからである。粒子径がこの範囲未満であると、無機化合物粒子が層中に均一に分散できなくなる可能性があるからである。
[多孔質粒子]
多孔質粒子は、低屈折率層2または高屈折率層3の少なくともいずれか一つの層に含ませる。多孔質粒子は、その粒子内部に複数の空隙を有するので、伝熱性が低く、赤外線抑制フィルム10の断熱性を高めることができる。
多孔質粒子としては、無機系多孔質粒子、有機系多孔質粒子、いずれでもよい。
無機系多孔質粒子の材質としては、特に制限はないが、例えば、上述した無機化合物粒子で挙げた無機化合物と同じものを用いることができる。
無機系多孔質粒子としては、例えば、酸化ケイ素は好適な粒子の一種である。比較的低い屈折率、コスト、及び入手容易性などの点で有利だからである。
酸化ケイ素の多孔質粒子を用いる場合には、低屈折率層2に含ませることが好ましい。酸化ケイ素は低屈折率層2の屈折率を調整するために好適な材料であるため、酸化ケイ素の多孔質粒子は、低屈折率層2の屈折率を調整するために含ませる無機化合物粒子と、断熱性を付与するために含ませる多孔質粒子とを、好適に兼ねることができるからである。
酸化ケイ素の多孔質粒子は、シリカエアロゲル粒子などを用いることができる。
酸化ケイ素の多孔質粒子は、水溶媒中でのシリコンアルコキシドの加水分解、重合反応によって合成したシリカエアロゲルを、ジェットミル、ビーズミルなどの粉砕機によって粉砕して粒子化することで得ることができる。或いは、水溶媒中でのシリコンアルコキシドの加水分解、重合反応を、界面活性剤の共存下で、界面活性剤を鋳型として用いる鋳型合成法を利用して、界面活性剤を含む粒子を合成後、粒子中の界面活性剤を溶解、焼成などにより除去することで多孔質化された粒子として得ることができる。
無機系の多孔質粒子としては、酸化ケイ素以外に、ゼオライト、複数の子粒子の焼結体からなる粒子でも良い。
有機系多孔質粒子としては、特に制限はないが、例えば、アクリル系高分子化合物、ビニル系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物、などの粒子を用いることができる。
多孔質粒子の粒子径は、可視光透過性、分散性などの観点より適宜選定される、1〜500nmであり、好ましくは5〜100nmである。
粒子径がこの範囲を超えると、可視光透過性が低下することがあり、ひいては、赤外線抑制フィルム10としての可視光透過性を満足させることが出来なくなる可能性があるからである。粒子径がこの範囲未満であると、多孔質粒子が層中に均一に分散できなくなる可能性があるからである。
多孔質粒子は、低屈折率層2および高屈折率層3のうち、少なくとも1つの層に含有させる。例えば、多孔質粒子を低屈折率層2のみに含ませ、低屈折率層2を複数備える場合には、このうち少なくとも1つの層に含有させる。もっとも、多孔質粒子を、複数の低屈折率層2の全てに含ませてもよい。多孔質粒子を含有させる層を増やすことによって、断熱性を高めることができる。
多孔質粒子の低屈折率層2または高屈折率層3中の含有量は、無機化合物粒子と多孔質粒子との合計が、層の固形分全量に対して、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは40〜60質量%である。含有量が少なすぎると、多孔質粒子による断熱性を充分に反映させることが出来なくなる可能性があり、逆に、前記含有量が多すぎると、高分子化合物の含有量が少なくなるために、高分子化合物によって多孔質粒子および無機化合物粒子同士を結合すると共に層中に固定し層から脱落するのを防ぐことが困難となる可能性があるからである。
多孔質粒子と無機化合物粒子とを、同一の層中に、それぞれ含ませる場合には、多孔質粒子と無機化合物粒子との比率は、質量基準で、好ましくは20:80〜80:20である。多孔質粒子の割合が前記範囲未満であると、多孔質粒子による断熱性を充分に反映させることが出来なくなる可能性があり、逆に、前記割合を超えると、無機化合物粒子による屈折率調整効果を充分に反映させることが出来なくなる可能性があるからである。
多孔質粒子の全てを無機化合物粒子に兼用させる場合の層中での含有量は、前述した無機化合物粒子の含有量のとおりであるので、ここでは更なる説明は省略する。
[その他の成分:添加剤]
低屈折率層2および高屈折率層3は、さらに必要に応じて、その他の成分を含むことができる。例えば、酸化防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種添加剤を、低屈折率層2および高屈折率層3は含むことができる。
[層の厚み]
低屈折率層2あるいは高屈折率層3の厚みは、選択的に反射させようとする赤外線の波長により適宜に設定される。赤外線の波長をλとすると、積層された層の光学厚み(層の厚さd×層の屈折率n)に対して、λ/4=d×nの関係となる波長の赤外線を選択的に強く反射させることができる。
具体的には、低屈折率層2あるいは高屈折率層3の厚みは、例えば、100〜1000nm、通常、150〜〜350nmである。前記厚みが薄すぎると赤外線反射性を充分に発揮できなくなる可能性があり、前記厚みが厚すぎても赤外線反射性を充分に発揮できなくなる可能性があるからである。
[屈折率差]
低屈折率層2と高屈折率層3との屈折率差は、大きいほど、低屈折率層2と高屈折率層3との界面で生じる赤外線反射を強くでき、赤外線反射による赤外線抑制性能を高めることができる。前記屈折率差は、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.1以上である。前記屈折率差が前記値未満であると、充分な赤外線反射性を得ることが出来ない可能性があるからである。低屈折率層2と高屈折率層3との界面が複数存在する場合、複数の界面を挟んでの低屈折率層2と高屈折率層3との屈折率差は、全て同一である必要はない。
[低屈折率層2および高屈折率層3の積層数]
低屈折率層2と高屈折率層3とが交互に積層されたとき、低屈折率層2および高屈折率層3の積層数は、大きい方が、低屈折率層2と高屈折率層3との間の界面の数が増して、この界面による赤外線の反射を増強することができる。例えば、前述した図2に示す赤外線抑制フィルム10は積層数が7の場合であった。
この際、基体1が低屈折率層2に隣接し、この低屈折率層2よりも屈折率が高い場合、基体1は屈折率的に高屈折率層3として振舞うことができ、また、基体1が高屈折率層3に隣接し、この高屈折率層3よりも屈折率が低い場合、基体1は屈折率的に低屈折率層2として振舞うことができる。
本発明においては、前記低屈折率層2および高屈折率層3の積層数は、最低限、2であり、上限は特に制限はない。積層数は、屈折率差、用途及び要求仕様、並びに製造コストなどを勘案して、適宜な数に設定される。
積層数は、好ましくは3〜20であり、より好ましくは5〜13である。積層数が前記範囲未満であると、赤外線抑制フィルム10の赤外線抑制性能を充分に満足させることが出来なくなる可能性があるからである。また、積層数が前記範囲を超えると、赤外線抑制フィルム10の製造コストが高くなりすぎる可能性があるからである。
[赤外線反射性]
低屈折率層2および高屈折率層3が積層されることによって付与される赤外線反射性は、以下の性能を有することが好ましい。赤外線反射性は、大きいほど優れており好ましい。赤外線反射性は、JIS R3106(1998年版)に準拠して測定される分光反射率によって評価することができる。赤外線反射性は、前記分光反射率が、赤外線のうち波長780〜2500nmの帯域中で、最低限、50nm以上の帯域に亘って10%以上となる反射特性を示すことが好ましい。この反射特性を示さないと、赤外線抑制性能を効果的に得ることができない可能性があるからである。
前記分光反射率は、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。前記分光反射率が前記値未満であると、赤外線抑制フィルム10の赤外線抑制性能を充分に満足させることが出来なくなる可能性があるからである。
前記分光反射率が得られる波長帯域は、好ましくは100nm以上であり、より好ましくは200nm以上であり、さらに好ましくは300nm以上である。前記分光反射率が得られる波長帯域が、前記範囲未満であると、赤外線抑制フィルム10の赤外線抑制性能を充分に満足させることが出来なくなる可能性があるからである。
また、抑制しようとする赤外線として代表的である太陽からの日射に対する反射性は、JIS R3106(1998年版)に準拠して測定される日射反射率によって評価することができる。前記日射反射率は、大きいほど優れており好ましい。前記日射反射率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは30%以上である。前記日射反射率が前記値未満であると、赤外線抑制フィルム10の赤外線抑制性能を充分に満足させることが出来なくなる可能性があるからである。
《その他の構成層》
本発明に係る赤外線抑制フィルム10は、上述した構成層の他に、さらに、その他の構成層を備えていてもよい。その他の構成層は、例えば、粘着剤層、粘着剤層を一時的に保護しておくセパレータ、ハードコート層、帯電防止層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、などである。これらの層を備えることによって、設けた層に応じた機能を付与することができる。
《可視光透過性》
本発明に係る赤外線抑制フィルム10が示す可視光透過性は、大きいほど優れており好ましい。前記可視光透過性は、JIS R3106(1998年版)に準拠して測定される可視光透過率によって評価することができる。前記可視光透過性は、前記可視光透過率で好ましくは10%以上であり、より好ましくは50%以上である。前記可視光透過率が前記値未満であると、用途に応じて必要となる赤外線抑制フィルム10に対する透視性を充分に満足させることが出来なくなる可能性があるからである。
〔B〕赤外線抑制フィルムを製造する方法
本発明に係る赤外線抑制フィルム10を製造する方法は、特に制限はない。基体1上に、低屈折率層2および高屈折率層3を形成する方法は、例えば、任意の公知の形成法を適宜採用することができる。
例えば、低屈折率層2および高屈折率層3は、基体1上に、形成すべき数の低屈折率層2、および、形成すべき数の高屈折率層3の各層を、1層ごとに逐次塗工して形成していく、逐次塗工法によって形成することができる。或いは、前記各層のうち少なくも2層以上、好ましくは3層以上を、より好ましくは全層を、いわゆる同時多層塗工法によって形成することができる。
同時多層塗工法で、低屈折率層2および高屈折率層3を形成する際に、低屈折率層2および高屈折率層3のいずれか一方または両方が複数となる構成の場合、これらの低屈折率層2および高屈折率層3の全ての層を、1回で塗工しても良いし、複数回に分けて同時多層塗工法で形成してもよい。
以下、後述実施例でも採用している、同時多層塗工法で、赤外線抑制フィルム10を製造する方法について説明する。
同時多層塗工法では、基体1上に、少なくも1層の低屈折率層2と、少なくも1層の高屈折率層3とから構成される積層構造4のうち、この積層構造4を構成する複数の層を、スライドコータによって同時に塗工形成して、赤外線抑制フィルム10を製造することができる。塗工構成する複数の層は、予めそれぞれの塗工液として調整しておき、これらの塗工液をスライドコータによって、流動状態の塗工液層が複数積層された積層化液層として、一度に基体1上に転移させて塗布した後、乾燥し固化することで、積層構造4を形成することができる。
前記塗工液としては、低屈折率層2に対しては、無機化合物粒子と高分子化合物と溶剤とその他適宜添加剤などを含む低屈折率層形成用組成物を塗工液として調整し、高屈折率層3に対しては、無機化合物粒子と高分子化合物と溶剤とその他適宜添加剤などを含む高屈折率層形成用組成物を塗工液として調整する。この際、多孔質粒子を、低屈折率層2および高屈折率層3の少なくともいずれか一つの層を形成するための塗工液に含ませておく。この多孔質粒子は、無機化合物粒子として、或いは、無機化合物粒子とは別の粒子として含ませる。
同時多層塗工法においては、塗工時に、隣接する塗工液層が固化前に互いに混合するのを防ぐことが好ましい。赤外線反射に寄与する、低屈折率層2と高屈折率層3との界面の形成が妨げられないようにするためである。このため、塗工液中には、例えば、a)塗工液中にゲル化成分を含ませる、b)界面形成成分を含ませる、などとするのが好ましい。
前記a)のゲル化成分は、例えば、ゼラチン、カゼイン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガム、などの高分子化合物を挙げることができる。
前記b)については、隣接する塗工液のそれぞれにA成分とB成分とを分けて含ませ、A成分とB成分とが塗工液が重ねられたときに互いに反応して難溶性成分を生成し界面層を形成させるようにすることができる。前記A成分とB成分との組み合せは、例えば、有機チタン化合物とポリビニルアルコールとの組み合せを挙げることができる。有機チタン化合物によってポリビニルアルコールが架橋して難溶性生成物となり界面層を形成する。
〔C〕用途
本発明による赤外線抑制フィルム10の用途は、特に限定されない。例えば、建築物、乗り物などの窓ガラス、農作物栽培用ビニールハウスのビニール、植物工場の壁面ガラス或いはフィルム、などである。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述する。以下において、組成に関する量的数値は全て質量基準であり、例えば、「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」の意味である。
〔実施例1〕
図2に示すような、低屈折率層2および高屈折率層3が7つ積層された、赤外線抑制フィルム10を作製した。
[組成物の調整]
低屈折率層2および高屈折率層3を形成するために、下記組成の組成物を調整した。
<低屈折率層形成用組成物A>
下記の組成の低屈折率層形成用組成物Aを調整した。
酸化ケイ素多孔質粒子の水分散液(固形分25%) 100部
(シリカエアロゲルを粉砕化した粒子径が50〜100nmに分布する粒子)
シリコーンアクリル水分散液 120部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ゼラチン 7部
「アルカリ処理牛由来ゼラチンタイプB」
(新田ゼラチン株式会社、固形分100%)
ポリビニルアルコール 6部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学工業株式会社製、固形分100%)
イオン交換水 550部
上記組成物を厚さ100μmで透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、コスモシャイン(登録商標)A4100)上にワイヤーバーを用いて塗布後、オーブン中で120℃3分間乾燥させて厚さ3μmの層を形成し、この層の屈折率を、屈折率計(株式会社溝尻光学工業所製、DVA−36L型)を用いて波長589nmで測定したところ、屈折率は1.39であった。
<高屈折率層形成用組成物>
下記の組成の高屈折率層形成用組成物を調整した。
酸化チタン粒子の水分散液 60部
「AERODISP(登録商標)−W740」
(日本アエロジル株式会社製、固形分40%)
シリコーンアクリル高分子化合物の水分散液 120部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ゼラチン 12部
「アルカリ処理牛由来ゼラチンタイプB」
(新田ゼラチン株式会社、固形分100%)
有機チタン化合物 3部
「オルガチックス(登録商標)ТC−310」
(マツモトファインケミカル株式会社製、固形分42%)
イオン交換水 600部
上記組成物の屈折率を、前記低屈折率層形成用組成物Aと同様にして測定したところ、屈折率は1.6であった。
<低屈折率層2および高屈折率層3の同時多層塗工による形成>
先ず、上記それぞれの組成物は、40℃の恒温水槽中でメカニカルスターラーにて加温撹拌し、温度を下げないよう注意しながら、5μmメッシュのフィルター(ミニザルト 17594K、株式会社ハイテック製)に通して異物を除去した。
基体1として、長尺で厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製,コスモシャイン(登録商標)A4100)を用い、この片面に積層構造4を構成する全層を、図3に示すような、スライドダイユニット21を持つスライドコータを用いた同時多層塗工法により行った。図3では、図面簡略化のために、スライドダイユニット21が塗工液をスライド面22に吐出するスリット全7個のうち、スリット23a〜23cまでの3個のみ描いてある。
そして、前記樹脂組成物からなる塗工液のそれぞれは、40℃に加温したスライドダイユニット21のスライド面22に、スリット23a,23b,23c,・・・・の7個のスリットから吐出されて、スライド面22上を流れ落ちて、塗工液層24a,24b,24c,・・・・が7層積層された積層化液層として、全7層が、回転する塗工ロール25上を搬送されている基体1の面に一度に塗布される。引き続き、基体1上に塗布された7層からなる積層化液層は、5℃の冷却ゾーン26で冷却されてゲル化した後、80℃の乾燥ゾーン27で乾燥されて、目的とする赤外線抑制フィルム10が製造された。
前記赤外線抑制フィルム10は、基体1の片面に、基体1側から、積層構造4として[低屈折率層2/高屈折率層3/低屈折率層2/高屈折率層3/低屈折率層2/高屈折率層3/低屈折率層2]の順で形成され、7層が積層された積層構造4を備える構成のフィルムである。積層構造4の厚みは2.1μmであった。
〔比較例1〕
実施例1において、低屈折率層形成用組成物Aを、下記の組成物Bに代えた他は、実施例1と同様にして、赤外線抑制フィルムを作製した。基体1上の低屈折率層2および高屈折率層3の7つの層からなる積層構造4の厚みは2.1μmであった。
<低屈折率層形成用組成物B>
下記の組成の低屈折率層形成用組成物Bを調整した。
酸化ケイ素粒子の水分散液 60部
「ルドックス(登録商標)HS−40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーンアクリル高分子化合物の水分散液 120部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ゼラチン 6部
「アルカリ処理牛由来ゼラチンタイプB」
(新田ゼラチン株式会社、固形分100%)
ポリビニルアルコール 6部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学工業株式会社製、固形分100%)
イオン交換水 600部
上記組成物の屈折率を、前記低屈折率層形成用組成物Aと同様にして測定したところ、屈折率は1.4であった。
〔性能評価結果〕
断熱性は、赤外線抑制フィルムと厚さ3mmのフロートガラスとを、赤外線抑制フィルムの赤外線反射層側とは反対側に設けられた厚さ25μmのアクリル系粘着材を介して、貼り合わせた後、ガラス側からガラス面に垂直の方向への熱貫流率をJIS R3107(1998年版)に準拠して測定することで、評価した。実施例1の赤外線抑制フィルムが貼付されたガラス板の熱貫流率は3.9〔W/(m2・K)〕を示し、比較例の赤外線抑制フィルムが貼付されたガラス板の熱貫流率は6.1〔W/(m2・K)〕を示した。
波長350nm〜780nmの範囲の全可視光線透過率は、実施例1の赤外線抑制フィルムが85%、比較例1の赤外線抑制フィルムが87%を示し、ほとんど差がなく同等であった。また、実施例1の赤外線抑制フィルムは、波長1000nmの分光反射率が61%、780nm〜2100nmの範囲の全光反射率が23%であり、比較例1の赤外線抑制フィルムは、波長1000nmの分光反射率が56%、780nm〜2100nmの範囲の全光反射率が20%を示し、実施例1の赤外線抑制フィルムの赤外線反射性の方が比較例1の赤外線抑制フィルムの赤外線反射性よりも高かった。
以上のように、実施例1および比較例1の赤外線抑制フィルムは、いずれも、可視光透過性を示すと共に、赤外線反射性を示したが、実施例1の赤外線抑制フィルムの方が、比較例1の赤外線抑制フィルムに比べて、熱貫流率が小さく、断熱性が高かった。
1 基体
2 低屈折率層
3 高屈折率層
4 積層構造
10 赤外線抑制フィルム
21 スライドダイユニット
22 スライド面
23a〜23c スリット
24a〜24c 塗工液層
25 塗工ロール
26 冷却ゾーン
27 乾燥ゾーン

Claims (3)

  1. 基体と、
    前記基体上に形成された、高分子化合物および無機化合物粒子を含む低屈折率層と、
    前記基体および前記低屈折率層の間または前記低屈折率層上に、前記低屈折率層に接して形成された、高分子化合物および無機化合物粒子を含み、前記低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を示す高屈折率層と、
    を備え、
    前記低屈折率層および前記高屈折率層の少なくともいずれか一つの層が、多孔質粒子を含む、
    可視光透過性を示す赤外線抑制フィルム。
  2. 前記低屈折率層および前記高屈折率層の少なくともいずれか一つの層に含まれる前記無機化合物粒子が、前記多孔質粒子である、請求項1に記載の可視光透過性を示す赤外線抑制フィルム。
  3. 前記低屈折率層が、前記多孔質粒子を含む、請求項1または請求項2に記載の可視光透過性を示す赤外線抑制フィルム。
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