JP2013190286A - センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アナログ信号線以外に別途の信号線(有線・無線)を使用することなくエラー情報を他の装置に伝えることが可能なセンサ装置を提供する。
【解決手段】出力端からアナログ信号を出力するセンサ装置において、環境パラメータの値に対応したレベル信号を出力するセンサ部と、レベル信号の振幅が上限値又は下限値を超えないように規制するリミッタ回路と、センサ装置の異常を検出する検出回路と、上記異常を検出しないときに上記センサ部の出力信号を上記リミッタ回路を介して上記出力端に導出し、上記異常を検出したとき上記センサ部の出力信号の振幅を上記リミッタ回路の上限値を超える第1レベルに又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、を備える。
【選択図】図5
【解決手段】出力端からアナログ信号を出力するセンサ装置において、環境パラメータの値に対応したレベル信号を出力するセンサ部と、レベル信号の振幅が上限値又は下限値を超えないように規制するリミッタ回路と、センサ装置の異常を検出する検出回路と、上記異常を検出しないときに上記センサ部の出力信号を上記リミッタ回路を介して上記出力端に導出し、上記異常を検出したとき上記センサ部の出力信号の振幅を上記リミッタ回路の上限値を超える第1レベルに又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は検出値をアナログ信号(信号のレベルが連続的に変化する信号)で出力するセンサ装置に関し、特に、検出値を伝送するアナログ信号でエラー信号をも伝送することを可能としたセンサ装置に関する。
ビルや工場等における対象空間の空気調整(調和)のためにセンサ装置とコントローラと空調機器等が設けられる。センサ装置は対象空間における、温度、湿度、換気量等の環境パラメータ値を計測してコントローラに送る。コントローラは予め設定された制御プログラムに従って空調機を制御する。空調機はコントローラの指令に従って暖房機、冷房機、加湿機、送風機などを動作させる。センサ装置からコントローラへの信号伝送には複数の方式が存在するが、例えば、環境パラメータ値をアナログ信号(レベル信号)によって伝送するものがある。アナログ信号では振幅値によって環境パラメータ値を伝送する。
例えば、特許文献1に記載の湿度センサは湿度に対応した検出値をレベル信号で出力している。そして、同文献の発明はレベル信号が負側にレベルシフトすることをマイナス電圧リミッタ回路を設けて防止し、プラス側だけの出力電圧が得られるようにしている。
センサ装置は部品機能(内蔵CPU等)の向上によって環境パラメータの検出のみならず、センサ装置自体のエラー(異常)検出も可能となっている。
しかしながら、専らアナログ信号を使ってセンサ装置からコントローラに環境パラメータ値を伝送する従来システムでは、センサ装置におけるエラー情報をコントローラ側に伝達するインタフェース、制御信号線、制御系等を未だ備えていないものがある。例えば、センサ装置では、エラー検出をしてもエラー通信機能及び警報など異常を知らせるリレー接点や外部デジタル出力端子等のデジタル信号の出力機能がない場合がある。また、コントローラにデジタル入力インタフェースがない場合もある。こうした場合には、センサ装置側でエラーを検出しても上位側のコントローラ等に知らせる手段がない。空調システムの制御系全体を変更すれば解消するが、実際には容易でない。
よって、本発明はアナログ信号を出力するセンサ装置においてアナログ信号線以外に別途の信号線(有線・無線)を使用することなくエラー情報を他の装置に伝えることが可能なセンサ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のセンサ装置の一態様は、出力端からアナログ信号を出力するセンサ装置であって、環境パラメータの値に対応したレベル信号を出力するセンサ部と、レベル信号の振幅が上限値又は下限値を超えないように規制するリミッタ回路と、センサ装置の異常を検出する検出回路と、上記異常を検出しないときに上記センサ部の出力信号を上記リミッタ回路を介して上記出力端に導出し、上記異常を検出したとき上記センサ部の出力信号の振幅を上記リミッタ回路の上限値を超える第1レベルに又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、を備える。
かかる構成とすることによって、リミッタによって規制される領域の信号レベルを利用してセンサ装置の異常を他の装置にアナログ信号で伝えることが可能となる。
また、本発明のセンサ装置の一態様は、出力端からアナログ信号を出力するセンサ装置であって、環境パラメータの値に対応したレベル信号を出力するセンサ部と、レベル信号の振幅が上限値又は下限値を超えないように規制するリミッタ回路と、上記センサ装置の第1の異常を検出する第1検出回路と、上記センサ装置の第2の異常を検出する第2検出回路と、上記第1及び第2の異常を検出しないときに上記センサ部の出力信号を上記リミッタ回路を介して上記出力端に導出し、上記第1の異常を検出したとき上記センサ部の出力信号の振幅を上記リミッタ回路の上限値を超える第1レベルに設定し、上記第2の異常を検出したとき上記センサ部の出力信号の振幅を上記リミッタ回路の下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、を備える。
かかる構成とすることによって、アナログ信号のリミッタによって規制される領域の第1のレベルの存在によってセンサ装置の第1の異常を、また、第2のレベルの存在によってセンサ装置の第2の異常を他の装置に伝えることが可能となって好都合である。
好ましくは、上記環境パラメータが少なくとも温度及び湿度のいずれかを含む。環境パラメータとしては、温度、湿度、風量、空気中の微粒子量等の空気調整(空気調和)に関連するものを選択することができる。
好ましくは、上記信号変更回路は、上記センサ部の出力信号のレベルが上記上限値と上記第1レベルの間に存在するとき、当該出力信号のレベルを上記上限値に設定する。それにより、誤差の範囲程度の出力超過でエラー信号を送信しないようにする。
好ましくは、上記センサ部の出力信号が(センサ部の)入力パラメータ値対出力信号値特性を直線的に補正する補正回路を介して上記リミッタ回路に供給される。それにより、環境パラメータの値にセンサ装置の出力信号の値が比例する。
好ましくは、上記信号変更回路は、上記異常の内容に対応して上記リミッタ回路の上限値を超える出力信号の振幅を変調する。それにより、センサ装置側から複数の種類の異常をコントローラ側に伝達することが可能となる。
好ましくは、上記信号変更回路は、上記異常の内容に対応して上記リミッタ回路の下限値を下回る出力信号の振幅を変調する。それにより、センサ装置側から複数の種類の異常をコントローラ側に伝達することが可能となる。
好ましくは、上記信号変更回路は、上記異常の内容に対応して上記出力信号の振幅を上記第1レベルと上記第2レベル間に変化させる。それにより、出力信号の振幅の変化幅を大きく設定することができ、コントローラ側での検出が容易となる。
また、本発明の一態様は、出力端からアナログ信号を出力する装置であって、出力信号としてレベル信号を出力する出力部と、上記レベル信号の振幅が上限値又は下限値からはみ出さないように規制するリミッタ回路と、装置の異常を検出する検出回路と、上記異常を検出しないときに上記出力部の出力信号を上記リミッタ回路を介して出力端に導出し、上記異常を検出したとき上記出力部の出力信号の振幅を上記リミッタ回路の上限値を上回る第1レベル又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、を備える。
かかる構成とすることによって、リミッタによって規制される領域の信号レベルを利用して装置の異常を他の装置にアナログ信号で伝えることが可能となる。
上述した発明の構成によれば、センサ装置等からコントローラ等の他の装置にアナログ信号でエラー信号を伝送することが可能となるのでデジタル信号線(デジタル情報信号を転送する線路)のないコントローラ等の装置に異常を知らせることが可能となって好都合である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明は、計測信号を出力するアナログ出力端子は持つが、通信機能や警報などの異常を知らせる出力端子は持たないセンサ装置等に適用して具合が良いものである。実施例のセンサ装置の内部にはリミッタ回路(あるいはリミッタと同等の機能)が設けられている。センサ装置が正常な状態ではセンサ装置から出力されるアナログ出力信号の振幅はリミッタ回路によって規定の範囲内に制限されている。センサ装置にエラーが発生したときはリミッタ回路の上限値を超える又は下限値を下回る出力信号を発生する。この計測信号の伝送に使用される信号振幅の範囲外の振幅領域の出力信号により、センサ装置における異常の存在を制御システムの上位機器等に知らせる。
センサ装置における核となる構成は、出力端からアナログ信号を出力する装置であって、出力信号としてレベル信号を出力する出力部と、レベル信号の振幅が上限値又は下限値からはみ出さないように規制するリミッタ回路と、装置の異常を検出する検出回路と、異常を検出しないときに出力部の出力信号をリミッタ回路を介して出力端に導出し、異常を検出したとき出力部の出力信号の振幅をリミッタ回路の上限値を上回る第1レベル又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、を備える構成にある。これらの構成はコンピュータシステムによって実現される。
図1は、ビルの空調システム構成例を示しているが、本発明はこの例に限定されるものではない。
同図において、ビルの内部にオフィス部屋10などの空調対象空間が存在している。部屋10の壁などにセンサ装置としての温湿度センサ100が配置されている。部屋の天井には空調機200が設置されている。温湿度センサ100は部屋の温度と湿度を検出してアナログ出力信号を信号線を介して他の場所に設置されたコントローラ300に供給する。コントローラ300はコンピュータシステムによって構成され、温度、湿度、換気量、清浄度等の環境パラメータに基づいて空調機200を制御して部屋の快適さを保つ。空調機200には、暖房装置、冷房装置、加湿装置、除湿装置、フィルタ装置、換気装置、送風装置等が設けられており、コントローラ300からの指令によって動作する。
同図において、ビルの内部にオフィス部屋10などの空調対象空間が存在している。部屋10の壁などにセンサ装置としての温湿度センサ100が配置されている。部屋の天井には空調機200が設置されている。温湿度センサ100は部屋の温度と湿度を検出してアナログ出力信号を信号線を介して他の場所に設置されたコントローラ300に供給する。コントローラ300はコンピュータシステムによって構成され、温度、湿度、換気量、清浄度等の環境パラメータに基づいて空調機200を制御して部屋の快適さを保つ。空調機200には、暖房装置、冷房装置、加湿装置、除湿装置、フィルタ装置、換気装置、送風装置等が設けられており、コントローラ300からの指令によって動作する。
コントローラ300はイーサネット(登録商標)等のLAN20に接続されており、ビル全体の空調を管理・運用等している中央監視装置400に制御情報やデータを送信する。また、コントローラ300は中央監視装置400から指令を受けて空調機の始動、温湿度設定、動作停止等を行う。また、コントローラ300は他のコントローラ等の装置300とも交信が可能になされている。
図2は、温湿度センサ装置100の構成例を示している。温湿度センサ装置100は大別して環境パラメータを抽出するセンサ部110のユニットと、コンピュータシステムによって構成される演算部120のユニットとによって構成される。
センサ部110は、温度を検出する温度エレメント111と湿度を検出する湿度エレメント112を備えている。温度エレメント111は、例えば、温度に対応した抵抗値を示す特性を有する抵抗素子である。湿度エレメント112は、例えば、湿度に対応した容量値を示す特性を有する容量素子である。温度エレメント111及び湿度エレメント112はソケット113により交換可能になされ、外部接続端子を介して演算部120と接続される。
演算部120は、マイクロコンピュータシステムによって後述の出力値補正、レベル制限、エラー検出、外部との交信等の各種機能を実現している。演算部120は、例えば、温度計測回路121、湿度計測回路122、A/D変換器123、マイクロコンピュータ124、メモリ部125、警報LED126、LCD表示器127、D/A変換器128、出力変換回路129、電源回路130等を備えている。
温度計測回路121は、温度エレメント11の抵抗値変化を、例えばブリッジ回路や増幅回路等によって電圧信号に変換し、A/D変換器123に供給する。同様に、湿度計測回路122は、湿度エレメント11の容量値変化を、例えば発振回路や増幅回路等によって電圧信号に変換し、A/D変換器123に供給する。A/D変換器123は温度計測回路121から出力される電圧信号をデータ信号(デジタル信号)に変換してマイクロコンピュータ124の入力インタフェース(図示せず)に供給する。また、A/D変換器123は湿度計測回路122から出力される電圧信号をデータ信号(デジタル信号)変換してマイクロコンピュータ124の入力インタフェース(図示せず)に供給する。このデータは逐次メモリ部125に記憶される。
マイクロコンピュータ124は市販品であるが、1チップマイクロコンピュータが望ましい。メモリ部125は、RAMと不揮発性のメモリ(フラッシュメモリ、Fe−RAM、ROM等)を備えている。警報LED126はマイクロコンピュータ124が異常を検出した場合に点灯して、周囲に注意を喚起する。LCD表示器127は検出温度、検出湿度、運転状態、電源のオンオフ等を表示する。D/A変換器128はマイクロコンピュータ124が出力する温度データ値、湿度データ値(デジタル出力)をそれぞれ電圧値に変換する。出力変換回路129はトランジスタ回路によって構成され、D/A変換器128の出力信号(温度に対応したレベルの電圧信号、湿度に対応したレベルの電圧信号)を増幅して信号線(図示せず)に出力する。電源回路130はセンサ装置の電源を供給する。
次に、マイクロコンピュータ(以下、「MPU」ともいう。)による処理について説明する。図3は、温度センサ及び湿度センサの入力対出力特性の非線形性を補正する補正演算処理を説明するフローチャートである。温度エレメント111は温度の変化に対して出力電圧が必ずしも直線的に変化するものではない。そこで、補正演算処理(回路)によって入力の変化に対して出力が直線的に変化するように温度計測回路121の出力値の補正を行う。
MPUは、予め設定されたタイミングやデータ供給等のイベントの発生によって補正演算の処理を実行する(ステップS10)。MPUは、メモリ部125に記憶されたデータxiを読み取り(ステップS12)、例えば、適当な補正演算式yi=f(xi-1,xi,xi+1,xi+2,…)によってデータ値を補正する。補正演算式は湾曲した入出力特性(非直線性)を直線的な出力特性に補正できればよく、入力値に対応した出力値を記憶したテーブルなどであっても良い(ステップS14)。補正されたデータ値はメモリ部125の所定位置に温度センサの出力値(出力信号の振幅値に相当する。)として書き込まれる(ステップS16)。また、このデータ値は補正演算(ステップS14)にて適宜に使用される。MPUは演算処理後、メインプログラムに戻る(ステップS18)。
このようにして温度センサの入出力特性の補正が行われる。湿度センサの入出力特性の補正も適当な補正式を用いて温度センサの入出力特性の補正と同様にして(ステップS12〜S16)行われる。
次に、センサ装置が備えるリミッタ回路による処理について説明する。実施例では、リミッタ回路の機能を後述のようにMPUによるデータ処理で実現しているが、ハードウェアによって構成しても良い。
図4は、センサ装置(湿度センサ)のリミッタ回路を説明するグラフである。グラフの横軸は相対湿度(%RH)、縦軸は出力電圧(ボルト)である。相対湿度は理論的には0〜100%RHの範囲内であるが、湿度エレメントから得られる電圧出力は入力の相対湿度0%RH以下、100%RH以上でも出力される。そこで、相対湿度0〜100%RHの範囲に出力電圧の1ボルト〜5ボルトを対応づけ、入力の0%RH以下では出力電圧の1ボルトに固定し、100%RH以上では5ボルトに固定している。この処理をリミッタ回路(リミット処理)で行っている。リミッタ回路を付けないと、計測範囲の限界付近、例えば、100%RHまで測定するとき、98%RH等のときに計測誤差によってセンサの出力電圧が100%RH相当値を超えてしまった場合、コントローラが100%RH以上を表示する。これは理論的にあり得ないので故障クレーム等の原因となる。
そこで、センサの出力電圧を0.5〜5.4ボルト程度に設定し、リミッタ回路によって出力電圧が下限1ボルトを下回らず、上限5ボルトを超えない(上回らない)ように設定する。
その結果、コントローラ側では、センサ装置において出力信号の振幅に異常な値や変化(限界値を超える値)が発生したとしても判別できない。また、センサ装置において何らかの異常があったとしても出力信号の振幅値がリミッタ回路の上限値と下限値との範囲内にあればコントローラは正常な値として処理を行う。
本発明の実施例では、センサ装置が正常に動作している場合には出力信号に対してリミッタ回路を動作させ、エラーが発生した場合には、出力信号の振幅がリミッタの上限値を超えあるいは下限値を下回るように制御される。それにより、振幅値によってコントローラ側(あるいは他の機器)に異常を知らせる。
センサ装置が計測すべき温度と湿度は製品の仕様内(例えば、温度0〜50℃、10〜90%RH)での使用が前提であるので、異常な状態を予め決めておくことができる。
例えば、温度センサの計測値が58℃以上の場合を異常とする。計測値が58度以上になる原因としては、次のような場合が考えられる。
例えば、温度センサの計測値が58℃以上の場合を異常とする。計測値が58度以上になる原因としては、次のような場合が考えられる。
・温度エレメントが壊れている。
・センサ装置が使用条件(0〜50℃)よりも高い場所に置かれている。
・計測回路やA/D変換器等に故障や異常がある。
・エレメントがソケットに付いていない。
・センサ装置が使用条件(0〜50℃)よりも高い場所に置かれている。
・計測回路やA/D変換器等に故障や異常がある。
・エレメントがソケットに付いていない。
更に、湿度センサでは、以下のような場合が考えられる。
・加熱機能の不良。
・加熱機能の不良。
また、電気回路では、以下のような場合も考えられる。
・回路の異常高温等の回路状態の異常。
・回路の電源電圧の不足・変動。
・メモリ書込エラー、補正演算エラー、プログラム破壊等。
・回路の異常高温等の回路状態の異常。
・回路の電源電圧の不足・変動。
・メモリ書込エラー、補正演算エラー、プログラム破壊等。
後述するように、このような装置における不具合は、図示しない異常(故障)検出プログラムをMPUが実行することによって把握される。異常を検出した場合にはフラグレジスタあるいはメモリ部125に検出した異常の種類(コード)毎にフラグがオンに設定される。異常を検出した場合には、出力信号の振幅値をリミッタ回路による出力範囲(例えば、1〜5ボルト)外のレベル信号を出力することによって上位のコントローラ等に異常を知らせる。
図5は、MPUが計測値通知と異常値通知とを行う出力信号を形成する例を説明するフローチャートである。
MPUはメモリ部125にセンサの出力値の書き込みがあると(ステップS16参照)、出力信号形成処理を実行する(ステップS20)。
MPUはメモリ部125に書き込まれたセンサの出力値を読み取る(ステップS22)。MPUはセンサの出力値が許容範囲内(上限値と下限値の間の値)かどうかを判断する(ステップS24)。例えば、温度センサの場合0〜50℃とする。湿度センサの場合10〜90%RHとする。
許容範囲内である場合(ステップS24,Yes)、出力値を図示しない出力インタフェースのバッファメモリ(レジスタ)に出力する。このメモリに保持された出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、1〜5ボルト)としてコントローラ300に伝送される(ステップS26)。
MPUは、センサの出力値が許容範囲外であった場合(ステップS24,No)、出力値が修正範囲内であるかどうかを判断する。例えば、センサの出力値が許容範囲外であってもセンサ出力値と上限値あるいは下限値との差分が計測誤差の範囲内である場合がある。例えば温度センサの場合、例えば上限側の修正範囲を50〜58℃とする。例えば下限側の修正範囲を0〜−5℃とする(ステップS28)。
MPUはセンサ出力値が修正範囲内である場合であって(ステップS28,Yes)、センサ出力値が上限値を超えるものであるとき、センサ出力値を上限値とする。また、センサ出力値が修正範囲内であって、センサ出力値が下限値を超える(下回る)ものであるとき、センサ出力値を下限値とする。MPUは上限値又は下限値である出力値を出力インタフェースのバッファメモリに出力する。この処理はリミッタ回路に相当する。このメモリに保持された出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、5ボルト又は1ボルト)としてコントローラ300に伝送される(ステップS30)。
MPUはセンサ出力値が許容範囲外かつ修正範囲外である場合(ステップS28,No)、センサ出力値が異常値(エラー)であると判断する。この場合、MPUはセンサ出力値をエラー値に設定する。エラー値の出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、5.6ボルト又は0ボルト)としてコントローラ300に伝送される。また、MPUは警報LED126を点灯させ、LCD表示器に異常内容を表示する(ステップS32)。
MPUはステップS22〜S32を繰り返してセンサ装置の出力信号として通常出力、制限(リミット)出力、エラー出力を形成する(ステップS34)。
図6は、上述の処理によるセンサ装置(温度センサ)の出力信号例を示している。出力信号の電圧値はセンサ出力値の正常温度範囲(0〜50℃)では1ボルト〜5ボルトが出力され、修正範囲(50〜58℃)では5ボルト(50℃相当)に制限されている。センサ出力値が異常である場合(58℃以上)、出力電圧は5.6ボルトが出力されている。
コントローラ300側では、センサ装置100から供給される出力信号のレベルを基準レベル(例えば、5.4ボルト)によって弁別(識別)して、計測値を読み取りあるいはエラー信号を検出する。
(実施例2)
図7は、他の実施例を示している。この実施例では、湿度センサの仕様上の計測範囲を相対湿度20〜80%RHとし、この範囲に出力信号の電圧値1〜5ボルトを対応させている。通常の対象空間の湿度計測において、環境の湿度が20%RH以下、80%RH以上になることは殆どないので、80%RHを上限値とし、20%RHを下限としてリミッタを動作させる。
図7は、他の実施例を示している。この実施例では、湿度センサの仕様上の計測範囲を相対湿度20〜80%RHとし、この範囲に出力信号の電圧値1〜5ボルトを対応させている。通常の対象空間の湿度計測において、環境の湿度が20%RH以下、80%RH以上になることは殆どないので、80%RHを上限値とし、20%RHを下限としてリミッタを動作させる。
この場合には、湿度80〜100%RHの間でリミッタ処理(ステップS30)を行い、湿度が100%RHを超えたところでセンサ装置がエラー出力(例えば、5.6ボルト)を発生するようにしても良い。また、センサの出力値が湿度0%RHを超えたところでセンサ装置がエラー出力(例えば、0ボルト)を発生するようにしても良い。
(実施例3)
図8は、他の実施例を示している。この実施例では、温度センサの仕様上の計測範囲を0℃〜50℃とし、この範囲に出力信号の電圧値1〜5ボルトを対応させている。ビル内部などの対象空間の温度計測において、環境の温度が0℃以下、50℃以上になることは殆どないので、50℃を上限値とし、0℃を下限としてリミッタを動作させる。
図8は、他の実施例を示している。この実施例では、温度センサの仕様上の計測範囲を0℃〜50℃とし、この範囲に出力信号の電圧値1〜5ボルトを対応させている。ビル内部などの対象空間の温度計測において、環境の温度が0℃以下、50℃以上になることは殆どないので、50℃を上限値とし、0℃を下限としてリミッタを動作させる。
この場合には、例えば、温度50〜58℃の間でリミッタ処理(ステップS30)を行って出力信号の電圧値を5ボルトとする。また、例えば、温度が58℃を超えたところでセンサ装置がエラー出力(例えば、5.6ボルト)を発生するようにしても良い。
同様に、例えば、センサの出力値が温度0℃を下方に超えて温度0〜−5℃の範囲でリミッタ処理を行って出力信号の電圧を1ボルトとする。更に、センサの出力値が−5℃を下回るところでセンサ装置がエラー出力(例えば、出力信号が0ボルト)を発生するようにしても良い。
(実施例4)
図9は、上記MPUの計測値通知機能と計測値の異常値(第一の異常)通知機能に加えてセンサ装置内部で異常(第二の異常)が発生したときにこれをコントローラに伝える機能を説明するフローチャートである。
図9は、上記MPUの計測値通知機能と計測値の異常値(第一の異常)通知機能に加えてセンサ装置内部で異常(第二の異常)が発生したときにこれをコントローラに伝える機能を説明するフローチャートである。
なお、以下のステップS44〜S54は先に説明した図5の例のステップS22〜S32(センサ出力値の異常をエラー信号で通知するステップ)と同様の動作である。ステップS42とS56がセンサ装置内部の異常をコントローラに伝える機能に相当する。
MPUはメモリ部125にセンサの出力値の書き込みがあると(ステップS16参照)、出力信号形成処理を実行する(ステップS40)。
まず、MPUはセンサ装置内の(各種回路状態の)異常発生を示すフラグが図示しないフラグレジスタあるいはメモリ部125の所定領域に設定されているかどうかを確認する(ステップS42)。
フラグがオフでセンサ装置が正常である場合(ステップS42;Yes)、MPUはメモリ部125に書き込まれたセンサの出力値を読み取る(ステップS44)。MPUはセンサの出力値が許容範囲内(上限値と下限値の間の値)かどうかを判断する(ステップS46)。例えば、温度センサの場合0〜50℃とする。湿度センサの場合10〜90%RHとする。
許容範囲内である場合(ステップS46,Yes)、出力値を図示しない出力インタフェースのバッファメモリに出力する。このメモリに保持された出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、1〜5ボルト)としてコントローラ300に伝送される(ステップS48)。
MPUは、センサの出力値が許容範囲外であった場合(ステップS46,No)、出力値が修正範囲内であるかどうかを判断する。例えば、センサの出力値が許容範囲外であってもセンサ出力値と上限値あるいは下限値との差分が計測誤差の範囲内である場合がある。例えば温度センサの場合、例えば上限側の修正範囲を50〜58℃とする。例えば下限側の修正範囲を0〜−5℃とする(ステップS50)。
MPUはセンサ出力値が修正範囲内である場合であって(ステップS28,Yes)、センサ出力値が上限値を超えるものであるとき、センサ出力値を上限値とする。また、センサ出力値が修正範囲内であって、センサ出力値が下限値を超える(下回る)ものであるとき、センサ出力値を下限値とする。MPUは上限値又は下限値である出力値を出力インタフェースのバッファメモリに出力する。この処理はリミッタ回路に相当する。このメモリに保持された出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、5ボルト又は1ボルト)としてコントローラ300に伝送される(ステップS52)。
MPUはセンサ出力値が許容範囲外かつ修正範囲外である場合(ステップS50,No)、センサ出力値が異常値(エラー)であると判断し、第1エラー処理を行う。MPUはセンサ出力値をエラー信号の値に設定する。エラー値の出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、5.6ボルト又は0ボルト)としてコントローラ300に伝送される。また、MPUは警報LED126を点灯させ、LCD表示器に異常内容を表示する(ステップS54)。
フラグがオンでセンサ装置に異常が発生している場合(ステップS42;Yes)、MPUは第2エラー処理を行う。MPUはセンサ出力値をエラー信号の値に設定する。ここで、エラー値は、例えば、振幅値の異常が上限値を超えるものが多い場合には、下限値(例えば、1ボルト)を下回るレベル(0ボルト)をエラーレベルとすることができる(後述の図10参照)。また、振幅値の異常が下限値を超えるものが多い場合には、上限値(例えば、5ボルト)を上回るレベル(5.6ボルト)をエラーレベルとすることができる(図6参照)。また、第1のエラーレベル(例えば、5.6ボルト)と第2のエラーレベル(例えば、0ボルト)を交互に出力しても良い(後述の図11乃至図13参照)。
エラー値の出力値はD/A変換器128によってレベル信号に変換される。更に、レベル信号は出力変換回路129によってパワー増幅されて出力端から信号線に出力され、センサ装置100の出力信号(例えば、5.6ボルト又は0ボルト)としてコントローラ300に伝送される。また、MPUは警報LED126を点灯させ、LCD表示器に異常内容を表示する(ステップS56)。
MPUはステップS42〜S56を繰り返してセンサ装置の出力信号として通常出力、制限(リミット)出力、エラー出力を形成する(ステップS58)。
図10は、上述の処理によるセンサ装置(温度センサ)の出力信号例を示している。出力信号の電圧値はセンサ出力値の正常温度範囲(0〜50℃)では1ボルト〜5ボルトが出力され、修正範囲(50〜58℃)では5ボルト(50℃相当)に制限されている。センサ装置の異常が検出された場合、出力電圧は0ボルトが出力されている。
図11に示す例では、センサ装置の異常が検出された場合、MPUは出力電圧を0ボルト(L)と5.6ボルト(H)で交互に出力している。また、エラー状態(異常原因)等を表す符号「01010…」に対応して信号振幅を「LHLHL…」としてデジタル情報を重畳(変調)することができる。このように構成することによって出力信号の計測値領域の上下の領域の両方にエラー信号を存在させることによってエラー信号の検出の確実を図っている。
(実施例5)
図12及び図13は他の実施例を示しており、信号領域以外のみにおいてエラー信号の振幅を変調している。図12の例は5.6ボルト(H)のエラーレベル信号を5.6ボルトと5.2ボルト間に変調する例を示している。図13の例は0ボルト(L)エラーレベル信号を0ボルトと0.8ボルト間で変調する例を示している。変調は特定周波数による変調、FM変調、符号による変調であってもよい。コントローラ側でバンドパスフィルタ、FM復調器、符号復調器などによってエラー信号の存在や異常の原因などの符号情報を復調(復号)することができる。
図12及び図13は他の実施例を示しており、信号領域以外のみにおいてエラー信号の振幅を変調している。図12の例は5.6ボルト(H)のエラーレベル信号を5.6ボルトと5.2ボルト間に変調する例を示している。図13の例は0ボルト(L)エラーレベル信号を0ボルトと0.8ボルト間で変調する例を示している。変調は特定周波数による変調、FM変調、符号による変調であってもよい。コントローラ側でバンドパスフィルタ、FM復調器、符号復調器などによってエラー信号の存在や異常の原因などの符号情報を復調(復号)することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、計測値を出力するアナログ出力端子の他に信号出力端子(デジタル出力)を備えないセンサ装置においてアナログ出力端子から計測値とエラー信号の両方を伝送できるようにしたので上位のコントローラ等に異常を伝送することが可能となって具合が良い。また、コントローラ側に入力される信号レベル範囲を限定するために出力信号のレベルをリミッタ回路によって規制する構成のものにおいて、センサ装置の異常を検出した場合にはリミッタ回路の動作を行わないようにし、出力信号をリミッタ回路による規制対象のレベルに設定することによってコントローラ側でエラー信号であることを容易に判別可能となる利点がある。
なお、実施例ではセンサ装置として温度センサと湿度センサの例で説明しているが、本発明はこれらのセンサに限定されるものでない。風量計、空気中の微粒子数を計数する微粒子量計、流体の流量を計測する流量計、圧力計等の種々のセンサ装置に適用可能である。
また、本発明はセンサ装置に限定されものではなく、アナログ信号を出力する各種装置の出力部(出力インタフェース)に適用することが可能である。
また、本発明はセンサ装置に限定されものではなく、アナログ信号を出力する各種装置の出力部(出力インタフェース)に適用することが可能である。
本発明はアナログ出力のセンサ装置の改良として説明されているが、計測値等をアナログ信号で伝送する装置相互間の制御情報の伝送に適用可能である。
10 空調対象空間、20 LAN、100 センサ装置(温湿度センサ)、110 センサ部、124 マイクロコンピュータ、120 演算部、300 コントローラ、400 中央管理装置
Claims (9)
- 出力端からアナログ信号を出力するセンサ装置であって、
環境パラメータの値に対応したレベル信号を出力するセンサ部と、
レベル信号の振幅が上限値又は下限値を超えないように規制するリミッタ回路と、
センサ装置の異常を検出する検出回路と、
前記異常を検出しないときに前記センサ部の出力信号を前記リミッタ回路を介して前記出力端に導出し、前記異常を検出したとき前記センサ部の出力信号の振幅を前記リミッタ回路の上限値を超える第1レベルに又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、
を備えるセンサ装置。 - 出力端からアナログ信号を出力するセンサ装置であって、
環境パラメータの値に対応したレベル信号を出力するセンサ部と、
レベル信号の振幅が上限値又は下限値を超えないように規制するリミッタ回路と、
前記センサ装置の第1の異常を検出する第1検出回路と、
前記センサ装置の第2の異常を検出する第2検出回路と、
前記第1及び第2の異常を検出しないときに前記センサ部の出力信号を前記リミッタ回路を介して前記出力端に導出し、前記第1の異常を検出したとき前記センサ部の出力信号の振幅を前記リミッタ回路の上限値を超える第1レベルに設定し、前記第2の異常を検出したとき前記センサ部の出力信号の振幅を前記リミッタ回路の下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、
を備えるセンサ装置。 - 前記環境パラメータが少なくとも温度及び湿度のいずれかを含む請求項1又は2に記載のセンサ装置。
- 前記信号変更回路は、前記センサ部の出力信号のレベルが前記上限値と前記第1レベルの間に存在するとき、当該出力信号のレベルを前記上限値に設定する、請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ装置。
- 前記センサ部の出力信号が入力パラメータ値対出力信号値特性を直線的に補正する補正回路を介して前記リミッタ回路に供給される、請求項1乃至4のいずれかに記載のセンサ装置。
- 前記信号変更回路は、前記異常の内容に対応して前記リミッタ回路の上限値を超える出力信号の振幅を変調する、請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ装置。
- 前記信号変更回路は、前記異常の内容に対応して前記リミッタ回路の下限値を下回る出力信号の振幅を変調する、請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ装置。
- 前記信号変更回路は、前記異常の内容に対応して前記出力信号の振幅を前記第1レベルと前記第2レベル間に変化させる、請求項2乃至5のいずれかに記載のセンサ装置。
- 出力端からアナログ信号を出力する装置であって、
出力信号としてレベル信号を出力する出力部と、
前記レベル信号の振幅が上限値又は下限値からはみ出さないように規制するリミッタ回路と、
装置の異常を検出する検出回路と、
前記異常を検出しないときに前記出力部の出力信号を前記リミッタ回路を介して出力端に導出し、前記異常を検出したとき前記出力部の出力信号の振幅を前記リミッタ回路の上限値を上回る第1レベル又は下限値を下回る第2レベルに設定する信号変更回路と、
を備える装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2012
- 2012-03-13 JP JP2012056093A patent/JP2013190286A/ja active Pending
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