本発明に係る接着剤組成物は、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含むエラストマーと、5%熱重量減少温度が280℃以上であるアクリル系樹脂とを含んでいる。
〔エラストマー〕
本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいる。また、本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲であることが好ましい。さらに、本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であることが好ましい。
本明細書において「構成単位」とは、重合体を構成する構造において、一分子の単量体に起因する構造をいう。
本明細書において「スチレン単位」とは、スチレンを重合した際に重合体に含まれる当該スチレン由来の構成単位であり、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であれば、後述する炭化水素系の溶剤に容易に溶解するので、より容易且つ迅速に接着層を除去することができる。また、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上記の範囲であることにより、ウエハがレジストリソグラフィー工程に供されるときに曝されるレジスト溶剤(例えばPGMEA、PGME等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮する。
スチレン単位の含有量は、より好ましくは17重量%以上であり、また、より好ましくは40重量%以下である。
重量平均分子量のより好ましい範囲は20,000以上であり、また、より好ましい範囲は150,000以下である。
エラストマーとしては、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であれば、種々のエラストマーを用いることができる。例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、エチレン−プロピレンターポリマー(EPT)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製))等であって、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上述の範囲であるものを用いることができる。
また、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、エラストマーの中でも両端がスチレンのブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示すからである。
より具体的には、エラストマーは、スチレン及び共役ジエンのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーとして用いられ得る市販品としては、例えば、クラレ社製「セプトン(商品名)」、クラレ社製「ハイブラー(商品名)」、旭化成社製「タフテック(商品名)」、JSR社製「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーの含有量としては、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、50重量部以上、99重量部以下が好ましく、60重量部以上、99重量部以下がより好ましく、70重量部以上、95重量部以下が最も好ましい。これらの範囲にすることにより、耐熱性を維持しつつ、ウエハと支持体とを好適に貼り合わせることができる。
また、エラストマーは、複数の種類を混合してもよい。つまり、本発明に係る接着剤組成物は複数の種類のエラストマーを含んでもよい。複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいればよい。また、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲である、又は、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であれば、本発明の範疇である。また、本発明に係る接着剤組成物において、複数の種類のエラストマーを含む場合、混合した結果、スチレン単位の含有量が上記の範囲となるように調整してもよい。例えば、スチレン単位の含有量が30重量%であるクラレ社製のセプトン(商品名)のSepton4033と、スチレン単位の含有量が13重量%であるセプトン(商品名)のSepton2063とを重量比1対1で混合すると接着剤組成物に含まれるエラストマー全体に対するスチレン含有量は21〜22重量%となり、従って14重量%以上となる。また、例えば、スチレン単位が10重量%のものと60重量%のものとを1対1で混合すると35重量%となり、上記の範囲内となる。本発明はこのような形態でもよい。また、本発明に係る接着剤組成物に含まれる複数の種類のエラストマーは、全て上記の範囲でスチレン単位を含み、且つ、上記の範囲の重量平均分子量であることが最も好ましい。
〔アクリル系樹脂〕
本発明に係る接着剤組成物に含まれるアクリル系樹脂は、5%熱重量減少温度が280℃以上であればよい。
接着剤組成物に、低分子可塑成分であるアクリル系樹脂が含まれているので、熱流動性が高く、高温又は高圧をかけることなく、例えばウエハとサポートプレート(支持体)とを接着することが可能である。したがって、接着剤組成物は、例えば、220℃以下の貼り合わせ温度であっても、ウエハと支持体とを好適に貼り合わせることができる。
また、アクリル系樹脂の5%熱重量減少温度が280℃以上であることによって、ウエハの加工プロセスにおいて必要な耐熱性を得ることができる。アクリル系樹脂は、例えば、ウエハの加工プロセスにおいて要求される220℃以上の耐熱性を有していればよいとも言える。アクリル系樹脂の5%熱重量減少温度は、より好ましくは300℃以上である。
ここで、アクリル系樹脂の5%熱重量減少温度は、アクリル系樹脂に対して、窒素雰囲気下において25℃で加熱を開始して、1分間隔で10℃ずつ加熱温度を上げた場合に、初期重量の5重量%だけ重量が減少したときの温度である。なお、アクリル系樹脂の重量は、熱重量測定装置で測定することができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。
鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
本発明に係る接着剤組成物に含まれるアクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸エステルの単量体のうち、1種類の単量体を用いて重合したものであってもよく、複数の種類の単量体を用いて重合したものであってもよい。
本発明に係る接着剤組成物に含まれるアクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸エステルの単量体と、これと重合可能な他の単量体とを用いて重合した樹脂であってもよい。(メタ)アクリル酸エステル等の単量体と重合可能な単量体として、スチレン又はスチレンの誘導体、マレイミド基を含有するモノマー等が挙げられる。
マレイミド基を含有するモノマーとして、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドなどのアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等が挙げられる。
アクリル系樹脂は、構成単位としてスチレン単位を含むことが好ましい。アクリル系樹脂にスチレン単位が含まれていることによって、アクリル樹脂の耐熱性が向上する上に、溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からも好ましい。
アクリル系樹脂は、炭化水素系溶剤に可溶であることが好ましい。アクリル系樹脂が溶解可能な炭化水素系溶剤としては、例えばデカヒドロナフタリンが挙げられるが、他の炭化水素系溶剤の詳細については、後述する。
アクリル系樹脂の溶解度パラメーター(SP値)が、6以上、10以下であることが好ましい。SP値が、6以上、10以下であることによって、アクリル系樹脂とエラストマーとが相溶し、より安定した接着剤組成物が得られる。アクリル系樹脂のSP値は、6.5以上、9.5以下であることがより好ましい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、2,000以上、70,000以下であることが好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が2,000以上、70,000以下であることによって、例えばウエハと支持体との貼り合わせに適した熱流動性を有する接着剤組成物を提供することができる。アクリル系樹脂の重量平均分子量は、5,000以上、50,000以下であることがより好ましい。
また、アクリル系樹脂の含有量は、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、1重量%以上、50重量%以下であることが好ましく、1重量%以上、40重量%以下であることがより好ましく、5重量%以上、30質量%以下であることが最も好ましい。これらの範囲にすることにより、耐熱性を維持しつつ、ウエハと支持体とを好適に貼り合わせることができる。
アクリル系樹脂は、複数の種類を混合してもよい。つまり、本発明に係る接着剤組成物は、複数の種類のアクリル系樹脂を含んでもよい。複数の種類のアクリル系樹脂のうち少なくとも一つにおける、5%熱重量減少温度が280℃以上であれば、本発明の範疇である。なお、本発明に係る接着剤組成物に含まれる複数の種類のアクリル系樹脂は、全て5%熱重量減少温度が280℃以上であることが最も好ましい。
(溶剤)
本発明に係る接着剤組成物に含まれる溶剤は、エラストマー及びアクリル系樹脂を溶解する機能を有するものであればよく、例えば、非極性の炭化水素系溶剤、極性及び無極性の石油系溶剤等を用いることができる。
好ましくは、溶剤は、縮合多環式炭化水素を含み得る。溶剤が縮合多環式炭化水素を含むことによって、接着剤組成物を液状形態で(特に低温にて)保存した際に生じ得る白濁化を避けることができ、製品安定性を向上させることができる。
炭化水素系溶剤としては、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素が挙げられる。例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数3から15の分岐状の炭化水素;p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン等の飽和脂肪族炭化水素、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、α−ピネン、β−ピネン、α−ツジョン、β−ツジョン等が挙げられる。
また、石油系溶剤としては、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレンなどが挙げられる。
また、縮合多環式炭化水素とは、2つ以上の単環がそれぞれの環の辺を互いに1つだけ供給してできる縮合環の炭化水素であり、2つの単環が縮合されてなる炭化水素を用いることが好ましい。
そのような炭化水素としては、5員環及び6員環の組み合わせ、又は2つの6員環の組み合わせが挙げられる。5員環及び6員環を組み合わせた炭化水素としては、例えば、インデン、ペンタレン、インダン、テトラヒドロインデン等が挙げられ、2つの6員環を組み合わせた炭化水素としては、例えば、ナフタレン、テトラヒドロナフタリン(テトラリン)及びデカヒドロナフタリン(デカリン)等が挙げられる。
また、溶剤が上記縮合多環式炭化水素を含む場合、溶剤に含まれる成分は上記縮合多環式炭化水素のみであってもよいし、例えば、飽和脂肪族炭化水素等の他の成分を含有していてもよい。この場合、縮合多環式炭化水素の含有量が炭化水素系溶剤全体の40重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることがより好ましい。縮合多環式炭化水素の含有量が炭化水素系溶剤全体の40重量部以上である場合には、上記樹脂に対する高い溶解性が発揮できる。縮合多環式炭化水素と飽和脂肪族炭化水素との混合比が上記範囲内であれば、縮合多環式炭化水素の臭気を緩和させることができる。
なお、本発明の接着剤組成物における溶剤の含有量としては、当該接着剤組成物を用いて成膜する接着層の厚さに応じて適宜調整すればよいが、例えば、接着剤組成物の全量を100重量部としたとき、20重量部以上、90重量部以下の範囲であることが好ましい。溶剤の含有量が上記範囲内であれば、粘度調整が容易となる。
(熱重合禁止剤)
本発明において、接着剤組成物は熱重合禁止剤を含有していてもよい。熱重合禁止剤は、熱によるラジカル重合反応を防止する機能を有する。具体的には、熱重合禁止剤はラジカルに対して高い反応性を示すため、モノマーよりも優先的に反応してモノマーの重合を禁止する。そのような熱重合禁止剤を含む接着剤組成物は、高温環境下(特に、250℃〜350℃)において重合反応が抑制される。
例えば半導体製造工程において、サポートプレート(支持体)が接着されたウエハを250℃で1時間加熱する高温プロセスがある。このとき、高温により接着剤組成物の重合が起こると高温プロセス後にウエハからサポートプレートを剥離する剥離液への溶解性が低下し、ウエハからサポートプレートを良好に剥離することができない。しかし、熱重合禁止剤を含有している本発明の接着剤組成物では熱による酸化及びそれに伴う重合反応が抑制されるため、高温プロセスを経たとしてもサポートプレートを容易に剥離することができ、残渣の発生を抑えることができる。
熱重合禁止剤としては、熱によるラジカル重合反応を防止するのに有効であれば特に限定されるものではないが、フェノールを有する熱重合禁止剤が好ましい。これにより、大気下での高温処理後にも良好な溶解性が確保できる。そのような熱重合禁止剤としては、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いることが可能であり、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4”−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、4,4’,4”−エチリデントリスフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、n−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名IRGANOX1010、チバ・ジャパン社製)、トリス(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。熱重合禁止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱重合禁止剤の含有量は、エラストマーの種類、アクリル系樹脂の種類、並びに接着剤組成物の用途及び使用環境に応じて適宜決定すればよいが、例えば、エラストマーとアクリル系樹脂とを合わせた樹脂の量を100重量部としたとき、0.1重量部以上、10重量部以下であることが好ましい。熱重合禁止剤の含有量が上記範囲内であれば、熱による重合を抑える効果が良好に発揮され、高温プロセス後において、接着剤組成物の剥離液に対する溶解性の低下をさらに抑えることができる。
(添加溶剤)
また、本発明に係る接着剤組成物は、熱重合禁止剤を溶解し、エラストマー及びアクリル系樹脂を溶解するための溶剤とは異なる組成からなる添加溶剤を含有する構成であってもよい。添加溶剤としては、特に限定されないが、接着剤組成物に含まれる成分を溶解する有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、接着剤組成物の各成分を溶解し、均一な溶液にすることができればよく、任意の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶剤の具体例としては、例えば、極性基として酸素原子、カルボニル基又はアセトキシ基等を有するテルペン溶剤が挙げられ、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファーが挙げられる。また、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、上記多価アルコール類又は上記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
添加溶剤の含有量は、熱重合禁止剤の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、エラストマー及びアクリル系樹脂を溶解する溶剤(主溶剤)と熱重合禁止剤を溶解する溶剤(添加溶剤)との合計を100重量部としたとき、1重量部以上、50重量部以下であることが好ましく、1重量部以上、30重量部以下であることがさらに好ましい。添加溶剤の含有量が上記範囲内であれば、熱重合禁止剤を十分に溶解することができる。
(その他の成分)
接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
(接着剤組成物の調製方法)
本発明に係る接着剤組成物の調製方法は特に限定されず、公知の方法を用いればよいが、例えば、エラストマー及びアクリル系樹脂を溶剤に溶解させ、既存の攪拌装置を用いて、各組成を攪拌することにより、本発明に係る接着剤組成物を得ることができる。
また、本発明に係る接着剤組成物に熱重合禁止剤を添加する場合には、熱重合禁止剤を、予め熱重合禁止剤を溶解させるための添加溶剤に溶解させたものを添加することが好ましい。
〔本発明に係る接着剤組成物の用途〕
本発明に係る接着剤組成物は、基板と、当該基板の支持体とを接着するために用いられる。好ましくは、ウエハと当該ウエハの支持体とを接着するために用いられる。
支持体は、例えば、ウエハを薄化する工程で支持する役割を果たす部材であり、本発明に係る接着剤組成物によってウエハに接着される。一実施形態において、支持体は、例えば、その膜厚が500〜1000μmであるガラス又はシリコンで形成されている。
なお、一実施形態において、支持体には、支持体を厚さ方向に貫通する穴が設けられている。この穴を介して接着剤組成物を溶解する溶剤を支持体とウエハとの間に流し込むことによって、支持体と基板とを容易に分離することができる。
また、他の実施形態において、支持体とウエハとの間には、接着層の他に反応層が介在していてもよい。反応層は、支持体を介して照射される光を吸収することによって変質するようになっており、反応層に光等を照射して反応層を変質させることによって、支持体とウエハとを容易に分離することができる。この場合、支持体は厚さ方向に貫通する穴が設けられていない支持体を用いることが好ましい。
反応層に照射する光としては、反応層が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、CO2レーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、または、非レーザ光を適宜用いればよい。反応層に吸収されるべき光の波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の波長の光であり得る。
反応層は、例えば光等によって分解される光吸収剤を含んでいてもよい。光吸収剤としては、例えば、グラファイト粉、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、亜鉛、テルルなどの微粒子金属粉末、黒色酸化チタンなどの金属酸化物粉末、カーボンブラック、又は芳香族ジアミノ系金属錯体、脂肪族ジアミン系金属錯体、芳香族ジチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、スクアリリウム系化合物、シアニン系色素、メチン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの染料もしくは顔料を用いることができる。このような反応層は、例えば、バインダー樹脂と混合して、支持体上に塗布することによって形成することができる。また、光吸収基を有する樹脂を用いることもできる。
また、反応層として、プラズマCVD法により形成した無機膜又は有機膜を用いてもよい。無機膜としては、例えば、金属膜を用いることができる。また、有機膜としては、フルオロカーボン膜を用いることができる。このような反応膜は、例えば、支持体上にプラズマCVD法により形成することができる。
また、本発明に係る接着剤組成物は、支持体と接着した後に薄化工程に供されるウエハと当該支持体との接着に好適に用いられる。上述のように、この支持体はウエハを薄化する際に当該ウエハの強度を保持する。本発明に係る接着剤組成物はこのようなウエハと支持体との接着に好適に用いられる。
また、本発明に係る接着剤組成物は、ウエハと支持体との接着に、高温又は高圧をかける必要がないので、例えば、リフロー温度が高くないソルダーバンプを有するウエハにも適用することができる。具体的には、220℃以下の貼り合わせ温度で、ウエハと支持体とを好適に接着することができる。
また、本発明に係る接着剤組成物は、優れた耐熱性を有しているので、支持体と接着した後に150℃以上の環境下に曝されるウエハと当該支持体との接着に好適に用いられる。具体的には180℃以上、さらには220℃以上の環境下にも好適に用いることができる。
なお、本発明に係る接着剤組成物を用いてウエハと支持体とを220℃以下で接着する積層体の製造方法、当該積層体のウエハを薄化するウエハの薄化方法、当該積層体を220℃以上の温度で加熱する方法も本発明の範疇である。
〔接着剤組成物により形成された接着剤層の除去〕
本発明に係る接着剤組成物によって接着されたウエハと支持体とを、上記の反応層を変質すること等によって分離した後に、接着剤層を除去する場合、上述の溶剤を用いれば容易に溶解して除去できる。また、上記の反応層等を用いずに、ウエハと支持体とを接着した状態で接着剤層に直接溶剤を供給することによって、容易に接着剤層が溶解して当該接着剤層が除去され、ウエハと支持体とを分離することができる。この場合、接着剤層への溶剤の供給効率を上げるため、支持体には貫通した穴が設けられていることがより好ましい。
〔接着フィルム〕
本発明に係る接着剤組成物は、用途に応じて様々な利用形態を採用することができる。例えば、液状のまま、半導体ウエハなどの被加工体の上に塗布して接着剤層を形成する方法を用いてもよいし、本発明に係る接着フィルム、すなわち、予め可撓性フィルムなどのフィルム上に上記何れかの接着剤組成物を含む接着剤層を形成した後、乾燥させておき、このフィルム(接着フィルム)を、被加工体に貼り付けて使用する方法(接着フィルム法)を用いてもよい。
このように、本発明に係る接着フィルムは、フィルム上に、上記何れかの接着剤組成物を含有する接着剤層を備える。
接着フィルムは、接着剤層にさらに保護フィルムを被覆して用いてもよい。この場合には、接着剤層上の保護フィルムを剥離し、被加工体の上に露出した接着剤層を重ねた後、接着剤層から上記フィルムを剥離することによって被加工体上に接着剤層を容易に設けることができる。
したがって、この接着フィルムを用いれば、被加工体の上に直接、接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成する場合と比較して、膜厚均一性及び表面平滑性の良好な接着剤層を形成することができる。
接着フィルムの製造に使用する上記フィルムとしては、フィルム上に製膜された接着剤層を当該フィルムから剥離することができ、接着剤層を保護基板やウエハなどの被処理面上に転写できる離型フィルムであればよく、特に限定されるものではない。例えば、膜厚15〜125μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムが挙げられる。上記フィルムには、必要に応じて、転写が容易となるように離型処理が施されていることが好ましい。
上記フィルム上に接着剤層を形成する方法としては、所望する接着剤層の膜厚や均一性に応じて適宜、公知の方法を用いて、フィルム上に接着剤層の乾燥膜厚が10〜1000μmとなるように、本発明に係る接着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。
また、保護フィルムを用いる場合、保護フィルムとしては、接着剤層から剥離することができる限り限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムが好ましい。また、各保護フィルムは、シリコンをコーティング又は焼き付けしてあることが好ましい。接着剤層からの剥離が容易となるからである。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、15〜125μmが好ましい。保護フィルムを備えた接着フィルムの柔軟性を確保できるからである。
接着フィルムの使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば、保護フィルムを用いた場合には、これを剥離した上で、被加工体の上に露出した接着剤層を重ねて、フィルム上(接着剤層の形成された面の裏面)から加熱ローラを移動させることにより、接着剤層を被加工体の表面に熱圧着させる方法が挙げられる。このとき、接着フィルムから剥離した保護フィルムは、順次巻き取りローラなどのローラでロール状に巻き取れば、保存し再利用することが可能である。
〔接着剤組成物の調整〕
実施例1〜15及び比較例1〜7において使用したエラストマー(樹脂)、アクリル系樹脂(添加樹脂)、重合禁止剤、主溶剤、添加溶剤を以下の表1に示す。なお、表1中の「部」は全て重量部である。
エラストマーとしては、クラレ社製のセプトン(商品名)のSepton4033(SEPS:ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン)、Septon8007(SEBS:ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン)、HG252(SEEPS−OH:ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン 末端水酸基変性)、旭化成社製のタフテック(商品名)のH1051(SEBS、水添スチレン系熱可塑性エラストマー)、H1053(SEBS、水添スチレン系熱可塑性エラストマー)を用いた。なお、本実施例における「水添」とは、スチレンとブタジエンのブロックコポリマーの二重結合を水素添加したポリマーである。
使用したエラストマー中のスチレン含有量と、エラストマーの重量平均分子量とを、以下の表2に示す。
また、アクリル系樹脂としては、表3に示すA1〜A12を用いた。これらのアクリル系樹脂は、各モノマーを公知のラジカル重合によって合成した樹脂である。これらのアクリル系樹脂の組成、分子量、及び5wt%熱重量減少温度を、以下の表3に示す。なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)にて測定した。組成は各商品に添付の説明に記載されていた数値である。5wt%熱重量減少温度は、熱重量測定装置(セイコーインスツルメント社製、製品名「TG−DTA6200」)を用いて、アクリル樹脂5mgを、窒素雰囲気下において25℃で加熱を開始して、1分間隔で10℃ずつ加熱温度を上げた場合に、初期重量の5重量%だけ重量が減少したときの温度である。
表3に示すように、実施例1〜15では、5wt%熱重量減少温度が295℃、300℃、又は310℃のアクリル系樹脂を用い、比較例5〜7では、5wt%熱重量減少温度が260℃、又は265℃のアクリル系樹脂を用いた。なお、比較例1〜4では、アクリル系樹脂を用いなかった。
また、熱重合禁止剤としては、BASF社製の「IRGANOX(商品名)1010」を用いた。また、主溶剤としては、下記化学式(I)に示すデカヒドロナフタリンを用いた。また、添加溶剤として、酢酸ブチルを用いた。
実施例1の接着剤組成物の調整は次のとおり行った。まず、表1に示すエラストマーを、表1に示す含有重量比でデカヒドロナフタリンに25%濃度で溶解させ、表1に示す含有重量比のアクリル系樹脂と混合した。次に、酢酸ブチルに溶解させたIRGANOX1010を1重量部添加した。このようにして接着剤組成物を得た。また、実施例2〜15、比較例5〜7についても、同様の手法により接着剤組成物を得た。比較例1〜4では、アクリル系樹脂を用いていないこと以外は、実施例1と同様に接着剤組成物を得た。
作製した接着剤組成物の溶液安定性を目視で確認した。エラストマーとアクリル系樹脂とが相溶し、濁りのない溶液が得られた場合には「○」、エラストマーとアクリル系樹脂とが相溶せず、溶液が濁った場合には「×」とした。結果を表1に示す。
〔接着剤層の形成〕
ウエハ(12インチSi)に、各接着剤組成物をスピン塗布し、100℃、160℃、200℃で各5分焼いて接着剤層を形成した(膜厚50μm)。
〔ウエハと支持体との貼付〕
接着剤層を介してウエハと支持体(12インチベアガラス)とを貼り合わせ、減圧環境下において、温度215℃で、1000kgの圧力を3分間かけて、積層体を得た。得られた積層体における貼付状態を目視で確認した。ウエハと支持体との未接着部分が確認されなければ「○」、未接着部分が確認されれば「×」とした。結果を表1に示す。
〔積層体の高温処理〕
また、積層体を減圧環境下(10Pa)において、220℃で1時間加熱した。これにより接着剤組成物の耐熱性を評価した。耐熱性の評価は、ウエハと支持体の間での発泡や剥がれがなければ「○」、あれば「×」とした。結果を表1に示す。
なお、表1に示すように、比較例7の接着剤組成物については、溶液が濁り、溶液安定性がなかったため、貼付状態及び耐熱性の評価は行わず、これらの評価結果については、「−」で示した。
表1に示すように実施例では、ウエハの薄化工程、並びに加熱及び加圧工程に供した場合に、ウエハの破損やウエハの面内均一性の低下につながるような貼付不良(未接着部分)は確認されなかった。一方で、比較例1〜4では、未接着部分が確認された。特に、エッジビート(スピンコートで形成された接着剤層において、表面張力によりウエハの端部に発生する接着剤の盛り上がり部分)の内側に、未接着部分が多く確認された。
また、実施例では、加熱により接着剤層に発泡や剥がれは生じなかったが、比較例5及び6では、加熱によりウエハと支持体との間に発泡が生じた。