JP2013189575A - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む樹脂組成物。樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である樹脂組成物。セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である樹脂組成物。樹脂粒子としてポリカーボネートを含む樹脂組成物。ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
近年地球規模での環境問題に対して、植物由来の樹脂の利用は、温室効果ガス排出量の低減し得る材料として大きな期待が寄せられている。従来から知られている植物由来の樹脂の一つに、セルロースがある。セルロースは、従来、塗料としての用途や、繊維としての用途では広く利用されているが、セルロースの樹脂成形体への利用に際しては、まだ用いられている例は少ない。
即ち、請求項1に係る発明は、
セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む樹脂組成物である。
前記樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物である。
前記セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物である。
前記樹脂粒子としてポリカーボネートを含む請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物である。
前記ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである請求項4に記載の樹脂組成物である。
請求項1に記載の樹脂組成物が成形されてなる樹脂成形体である。
請求項1に記載の樹脂組成物が射出成形されてなる請求項6に記載の樹脂成形体である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む。
このメカニズムは、必ずしも明確ではないものの以下のように推察される。本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースと樹脂粒子と樹脂エマルションとを含んで構成されるため、樹脂粒子や樹脂エマルション中の樹脂が溶融している中に、セルロースが含まれている状態の樹脂組成物に比べて粘性が低くなり、分散性および成形性が良好になると推察される。また、樹脂エマルション中の樹脂がセルロースに吸着するため、セルロースをコーティングするような作用が生じるものと思われ、柔軟性や接着性が良好になり、優れた耐衝撃性と優れた機械特性とが両立されるものと推察される。
本実施形態におけるセルロースとは、多数のβ−グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子化合物を指し、構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す高分子化合物である。いわゆるベータグルカンの一種で、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を有する。
特に限定されるものではないが、本実施形態においては、セルロースとして、アスペクト比が50以上のセルロースを含有することが好ましく、更にはアスペクト比が100以上のセルロースを含有することがより好ましく、アスペクト比が500以上のセルロースを含有することが更に好ましい。
特にアスペクト比が上記範囲であるセルロースを含むことで、セルロース同士の絡み合いがより良好に形成されるため、より耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる。
本実施形態においては以下の方法により、樹脂組成物中または樹脂成形体中に含まれるセルロースのアスペクト比が測定される。樹脂組成物または樹脂成形体を200℃でプレスして厚み500μm以下のフィルムを作製し、顕微鏡観察により1視野内の繊維状のセルロース50個を計測し3視野の平均を求めて算出される。
特にアスペクト比が上記範囲であるセルロースを上記の比率で含有することで、セルロース同士の絡み合いが更に良好に形成されるため、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる。
本実施形態における樹脂粒子としては、従来公知の樹脂が用いられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリーレン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリビニルアセタール、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールケトン、ポリエーテルニトリル、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール、ポリパラバン酸等が挙げられ、また芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、生分解性樹脂も好ましく用いられ、例えばポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、デンプン変性樹脂、セルロース変性樹脂等が用いられる。
尚、樹脂粒子としては特にポリカーボネートが好適に用いられ、ポリカーボネートを含むことで難燃性や耐熱性に優れた樹脂成形体が得られる。また、前記ポリカーボネートとしては結晶性ポリカーボネートがより好適に用いられ、結晶性ポリカーボネートを含むことで難燃性や耐熱性により優れた樹脂成形体が得られる。
尚、上記メルトボリュームフローレイトはメルトインデックサF−F01((株)東洋精機製作所製)を用いて、ISO1133に従い300℃,荷重1.2kgfの条件で測定される。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)などが挙げられる。上記の中でも、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が望ましい。
前記樹脂粒子の体積平均粒子径としては、0.01μm以上1000μm以下であることが好ましく、更には0.05μm以上500μm以下であることがより好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒子径がセルロースの長手方向の平均長さ以下であることにより、セルロースが樹脂組成物中において分散性良く存在し、セルロース同士の絡み合いがより良好に形成されるため、より耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる。
(アパーチャー径(μm):測定レンジ(μm))
20μm:0.4μmから12μm
30μm:0.6μmから18μm
50μm:1.0μmから3.0μm
70μm:1.4μmから42μm
100μm:2.0μmから60μm
140μm:2.8μmから84μm
200μm:4.0μmから120μm
280μm:5.6μmから168μm
400μm:8.0μmから240μm
560μm:11.2μmから336μm
1000μm:20μmから600μm
2000μm:40μmから1200μm
樹脂エマルションとは、分散媒中に樹脂が乳化している状態のものをさす。
本実施形態における樹脂エマルションにおける分散媒としては、エマルション中の樹脂の合成条件によって選択されるが、例えば水、メタノール、エタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、メトキシブタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等やこれらの混合物、重合溶媒としてのトルエン、シクロヘキサン等混合した分散媒等が挙げられる。
これは必ずしも明確ではないものの、セルロースと樹脂粒子とが分散媒中に溶解しない状態で存在しているため、射出成形等の方法によって成形体を成形するため金型等に充填する際に、金型表面に対し粘着性が低減されて滑りの発生が起こる。そのため金型への充填性に優れ、その結果射出成形等の方法によっても良好に形成し得るものと推察される。
更に、ポリカーボネートが結晶性である場合、一般的に非晶性のものに比べ更に溶融温度が高いため、セルロースと結晶性ポリカーボネートとを含む樹脂組成物を用いて該溶融温度にまで昇温して射出成形等の方法により成形すると、セルロースは分解してしまう。しかし、セルロースと樹脂粒子とをこの両者を溶解しない分散媒を用いた樹脂エマルション中に含むことにより、セルロースが分解しない温度での成形が行える。
本実施形態における樹脂エマルションに用いられる樹脂としては、特に限定されず公知の樹脂が用いられる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム系樹脂、水性エポキシ系樹脂、水性ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、水性ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
ガラス転移温度が上記範囲であることにより、耐衝撃性が得られ、優れた耐衝撃性と優れた機械特性とが両立された成形体を形成し得る。
樹脂エマルション中における樹脂に対するセルロースと樹脂粒子との総含有量としては、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、質量70%以上95質量%以下であることがより好ましい。
また、樹脂エマルションに用いられている分散媒がセルロースおよび樹脂粒子を溶解しない液体である場合には、該セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない分散媒に対する、セルロースと樹脂粒子との総含有量としては、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。尚、含有量を調整するため、セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない分散媒を添加して調整を行ってもよい。
・難燃剤
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに難燃剤を添加してもよい。
上記難燃剤としては、例えば、リン系、シリコーン系、含窒素系、硫酸系、無機水酸化物系等の難燃剤が用いられる。
上記リン系難燃剤としては、縮合リン酸エステル、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウムなどが、上記シリコーン系難燃剤としては、ジメチルシロキサン、ナノシリカ、シリコーン変性ポリカーボネートなどが、上記含窒素系難燃剤としては、メラミン化合物、トリアジン化合物などが、上記硫酸系難燃剤としては、硫酸メラミン、硫酸グアニジンなどが、上記無機水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、特に縮合リン酸エステルがポリカーボネートへの流動性付与および難燃効果の高さから好適に用いられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、効果を損なわない範囲で上記以外の他の成分を含んでもよい。該他の成分としては、例えば、ドリップ防止剤(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等が挙げられる。
上記他の成分の配合比は、樹脂組成物における固形分中0質量%以上10質量%以下であることが望ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより望ましい。ここで、「0質量%」とは上記他の成分を含まない形態を意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂エマルションに対し、前述のセルロースや樹脂粒子、その他の成分を添加し混練することにより製造される。ここで、上記混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、ベンチニーダー、双腕型ニーダー、二軸押出機、高速ミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、遊星ボールミル等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物はその粘度が500Pa・s以上であることが好ましく、更には800Pa・s以上であることが好ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、前述の本実施形態に係る樹脂組成物が成形されてなる。尚、例えば射出成形、押し出し成形、熱プレス成形、カレンダ成形、トランスファ成形などの成形方法により本実施形態に係る樹脂組成物が成形され、中でも射出成形によって成形されてなることが好ましい。
この際、シリンダ温度としては、20℃以上120℃以下とすることが望ましく、50℃以上100℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、樹脂エマルションに用いられている分散媒の沸点以上の温度で、樹脂粒子の軟化温度以上溶融温度以下が望ましい。具体的には100℃以上220℃以下とすることが望ましく、110℃以上200℃以下とすることがより望ましい。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min) 23部
・樹脂エマルション(アクリル樹脂エマルション、分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートSFA−33、濃度:45.2質量%、ガラス転移温度:0℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・水 55部
尚、得られた樹脂組成物の粘度は623Pa・sであった。
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を80℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定して水分をキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
樹脂エマルションを、アクリル樹脂エマルション(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートSFC−54、濃度:40質量%、ガラス転移温度:21℃)に変更し、且つ水の添加量を55部から52部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
樹脂エマルションを、ウレタン樹脂エマルションポリエーテル系(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWLS−201、濃度:37質量%、ガラス転移温度:−50℃)に変更し、且つ水の添加量を55部から50部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
樹脂エマルションを、ウレタン樹脂エマルションポリカーボネート系(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWSL−210、濃度:35質量%、ガラス転移温度:−15℃)に変更し、且つ水の添加量を55部から48部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
樹脂エマルションを、アクリル樹脂エマルション(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートAK−261−E、濃度:46質量%、ガラス転移温度:−10℃)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 45部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径28μm、MVR:11cm3/10min) 23部
・樹脂エマルション(ウレタン樹脂エマルションポリカーボネート系、分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWSL−210、濃度:35質量%、ガラス転移温度:−15℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、鈴裕化学社製、FCP−770) 17部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 5部
・水 48部
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min) 23部
・樹脂エマルション(スチレン−ブタジエンエマルション、分散媒:水、日本ゼオン(株)製、商品名:Nipol 2507H、濃度:52質量%、ガラス転移温度:58℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、鈴裕化学社製、FCP−770) 17部
・水 40部
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕し分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min)
23部
・樹脂エマルション(ウレタン樹脂エマルションポリカーボネート系、分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWSL−210、濃度:35質量%、ガラス転移温度:−15℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・水 48部
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min) 23部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500、ガラス転移温度:85℃)
10部
・水 67部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
上記水とポリビニルアルコールとの混合溶媒に、上記の成分を添加(固形分60質量%)し、5lの混合槽および2枚のスクリュー型羽根を備えるベンチニーダーを用いて回転数60rpmで20min混練を行い、樹脂組成物を作製した。
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を80℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定して水分をキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、比較例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min) 23部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500、ガラス転移温度:85℃)
10部
・水 67部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、比較例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min) 73部
・樹脂エマルション(アクリル樹脂エマルション(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートAK−261−E、濃度:46質量%、ガラス転移温度:−10℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・水 48部
・成形状態
以下の評価基準により成形された試験片の成形状態を評価した。
○:エッジまで充填されヒケがない
△:エッジまで充填されずにショートしている
×:射出成形機で成形し得なかった
セルロースの熱分解による着色の発生の有無を、試験片を目視することで評価した。
試験片を用い、以下の方法により耐衝撃性の指標であるフラットワイズ試験を行った。
厚さ2mm、幅13mmの短冊状サンプルをJIS K7111(2006年)に従ってデジタル衝撃試験機DG−UB型((株)東洋精機製作所製)を用いてフラットワイズ式にて測定を行った。
試験片を用い、島津製作所製の精密万能試験機オートグラフAG−IS 5knを用い、ISO527に準拠して、機械特性として引っ張り応力の測定を行った。
試験片を用い、UL−94の垂直燃焼試験を行い、UL−94規格の判定基準に従って、HB、V−0、V−1、V−2および燃焼の5つのランクで判定した。尚、測定した結果、延焼してしまった場合には「NG」と判定した。
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体
Claims (7)
- セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む樹脂組成物。
- 前記樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂粒子としてポリカーボネートを含む請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである請求項4に記載の樹脂組成物。
- 請求項1に記載の樹脂組成物が成形されてなる樹脂成形体。
- 請求項1に記載の樹脂組成物が射出成形されてなる請求項6に記載の樹脂成形体。
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