JP2013189575A - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents

樹脂組成物および樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性および機械特性に優れた樹脂成形体を形成し得る樹脂組成物を提供する。
【解決手段】セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む樹脂組成物。樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である樹脂組成物。セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である樹脂組成物。樹脂粒子としてポリカーボネートを含む樹脂組成物。ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物および樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。特に家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用されたり、また事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。
近年地球規模での環境問題に対して、植物由来の樹脂の利用は、温室効果ガス排出量の低減し得る材料として大きな期待が寄せられている。従来から知られている植物由来の樹脂の一つに、セルロースがある。セルロースは、従来、塗料としての用途や、繊維としての用途では広く利用されているが、セルロースの樹脂成形体への利用に際しては、まだ用いられている例は少ない。
例えば特許文献1には、ポリオレフィン、セルロース繊維および着色料を含む第1樹脂成形体と、前記ポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂および着色料を含む第2樹脂成形体とが接合された複合成形体であって、前記第2樹脂成形体に含まれるポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートとする方法が開示されている。
特許文献2には、ミクロフィブリル化セルロースおよび樹脂を含有する混練物を成形してなる樹脂成形体であって、ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の4重量%以上15重量%以下であり、前記成形体の強度がミクロフィブリル化セルロースを含まないことを除いて同じ方法で成形された成形体の強度と比較した相対強度が1.10以上である樹脂成形体が開示されている。
特許文献3には、セルロース繊維と、マトリクス材料としての、脂環構造中に酸素原子を含有していてもよい脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含有する脂環式ポリカーボネートとを含有する複合材料であって、線膨張係数が50ppm/K以下であるセルロース繊維複合材料であって、脂環式ポリカーボネートを130℃以上270℃以下の温度範囲で加熱溶融してセルロース繊維と一体化することにより、このセルロース繊維複合材料を製造する方法が開示されている。
特許文献4には、ポリカーボネート樹脂層とセルロース繊維層とを備える積層体において、セルロース繊維層の厚みに対して、ポリカーボネート樹脂層の厚みが1.4倍以上であるポリカーボネート樹脂/セルロース繊維積層体であって、セルロース繊維層とポリカーボネート樹脂層とを積層し、加熱融着してこのポリカーボネート樹脂/セルロース繊維積層体を製造する方法が開示されている。
特許文献5には、ミクロフィブリル化セルロースの懸濁液に、ミクロフィブリル化セルロースの水酸基との反応性基をシェル部に有するコアシェル型エラストマー粒子を分散させる工程と、このコアシェル型エラストマー粒子を分散したミクロフィブリル化セルロースの懸濁液から水分を除去する工程と、水分除去により得られたミクロフィブリル化セルロース/エラストマー混合物を加熱処理することにより、コアシェル型エラストマー粒子のシェル部の反応性基とミクロフィブリル化セルロースの水酸基との結合生成反応を進行させる工程と、加熱処理後のミクロフィブリル化セルロース/エラストマー混合物を樹脂と共に混練する工程とを含む方法が開示されている。
特許文献6には、特定の脂肪族アルキレングリコールの残基およびエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネートに、セルロースを添加して溶融混練する方法が開示されている。
特許文献7には、パルプおよび澱粉を主成分とした材料を射出成形金型において成形する射出成形装置であって、前記射出成形金型には前記材料を該射出成形金型のキャビティ内に導入するゲートが設けられ、更に、この射出成形金型にはセンサ部が該射出成形金型のキャビティ内に露出する状態でセンサ体が設けられた射出成形装置が開示されている。
特許文献8には、紙繊維と澱粉系結合剤と水とを含む紙繊維を主成分とする成形材料の調整方法であって、水を添加した紙繊維を攪拌して該紙繊維を解繊し、続いて、この解繊された紙繊維に澱粉系結合剤を添加し攪拌することで該澱粉系結合剤を該解繊された紙繊維に均一に分散せしめて糊化した澱粉系結合剤と該解繊された紙繊維とを結合せしめ、続いて、この紙繊維と澱粉系結合剤とが結合した状態で攪拌して粒状化させた後、該粒状化したものを攪拌して略同一固形形状に成形する方法が開示されている。
特許文献9には、(A)スチレン系樹脂20重量%以上97重量%以下、および(B)セルロース系物質80重量%以下3重量%以上〔ただし、(A)+(B)=100重量%〕を、剪断速度100(s−1)以上1,500(s−1)以下の混練り条件で溶融混練りする方法が開示されている。
特許文献10には、攪拌手段として回転羽根を有するミキサー中にセルロース繊維集合体を入れ、高速攪拌することにより、前記セルロース繊維集合体を解繊するとき、前記セルロース繊維集合体として棒状のパルプシートを用い、ミキサーの羽根とのなす角度が45°以上90°以下の範囲になるようにして、前記棒状のパルプシートと前記羽根を接触させて解繊する工程、前記ミキサー内に熱可塑性樹脂を入れた後に攪拌することで、発生した摩擦熱により前記熱可塑性樹脂を溶融させて、解繊されたセルロース繊維に前記熱可塑性樹脂が付着した混合物を得る工程、前記混合物を冷却しながら低速攪拌する工程を有するセルロース繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法が開示されている。
特許文献11には、セルロース繊維集合体を解繊機により解繊して、綿状のセルロース繊維を得る工程、攪拌手段として回転羽根を有するミキサーに、前記綿状のセルロース繊維と熱可塑性樹脂を入れて攪拌し、発生した摩擦熱により前記熱可塑性樹脂を溶融させて、セルロース繊維に前記熱可塑性樹脂が付着した混合物を得る工程、前記混合物を冷却しながら攪拌する工程を有するセルロース繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法が開示されている。
特許文献12には、セルロース繊維集合体と熱可塑性樹脂から、解繊されたセルロース繊維に熱可塑性樹脂が付着した混合物を得る工程、前記混合物を押出成形機にて溶融混練した後、60メッシュ以上200メッシュ以下(JIS Z8801及びISO 3310)のメッシュ部を通過させ、その後、押し出す工程を有しているセルロース繊維含有熱可塑性樹脂組成物の製造方法が開示されている。
特開2007−168163号公報 特開2008−024795号公報 特開2009−167296号公報 特開2010−023275号公報 特開2010−031093号公報 特開2006−036954号公報 特開2007−137031号公報 特開2007−268750号公報 特開平10−147689号公報 特開2008−297479号公報 特開2009−001597号公報 特開2009−197044号公報
本発明の目的は、耐衝撃性および機械特性に優れた樹脂成形体を形成し得る樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む樹脂組成物である。
請求項2に係る発明は、
前記樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、
前記セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂粒子としてポリカーボネートを含む請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項5に係る発明は、
前記ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである請求項4に記載の樹脂組成物である。
請求項6に係る発明は、
請求項1に記載の樹脂組成物が成形されてなる樹脂成形体である。
請求項7に係る発明は、
請求項1に記載の樹脂組成物が射出成形されてなる請求項6に記載の樹脂成形体である。
請求項1に係る発明によれば、セルロースと樹脂粒子と樹脂エマルションとを含むとの要件を満たさない場合に比べ、耐衝撃性および機械特性に優れた樹脂成形体を形成し得る樹脂組成物が提供される。
請求項2に係る発明によれば、樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃を超える場合に比べ、耐衝撃性および機械特性に優れた樹脂成形体を形成し得る樹脂組成物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、セルロースと樹脂粒子との総量に対するセルロースの含有量が25質量%未満である場合に比べ、耐衝撃性に優れた樹脂成形体を形成し得る樹脂組成物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、樹脂粒子としてポリカーボネートを含まない場合に比べ、難燃性に優れた樹脂組成物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、樹脂粒子として結晶性ポリカーボネートを含まない場合に比べ、難燃性に優れた樹脂組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、セルロースと樹脂粒子と樹脂エマルションとを含むとの要件を満たす樹脂組成物を用いない場合に比べ、耐衝撃性および機械特性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項7に係る発明によれば、射出成形によって成形されていない場合に比べ、寸法精度に優れた樹脂成形体が提供される。
本実施形態に係る樹脂成形体を備える電子・電気機器の部品の一例を示す模式図である。
以下、本発明の樹脂組成物および樹脂成形体の実施形態について説明する。
≪樹脂組成物≫
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む。
従来から、環境負荷の観点より天然素材系の材料であるセルロースと、他の樹脂とを混合して含有させた樹脂成形体を形成することが求められている。しかし、セルロースを含有させた樹脂成形体においては、瞬間的な衝撃に対する耐性(耐衝撃性)に劣ることがあった。また一方で、樹脂エマルションを樹脂組成物中に含有させた場合、その樹脂組成物を用いて形成された樹脂成形体では、持続的な負荷に対する耐性(機械特性)に劣ることがあった。
これに対し本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションとを含んでおり、この樹脂組成物が成形されている樹脂成形体では優れた耐衝撃性と優れた機械特性とが両立される。
このメカニズムは、必ずしも明確ではないものの以下のように推察される。本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースと樹脂粒子と樹脂エマルションとを含んで構成されるため、樹脂粒子や樹脂エマルション中の樹脂が溶融している中に、セルロースが含まれている状態の樹脂組成物に比べて粘性が低くなり、分散性および成形性が良好になると推察される。また、樹脂エマルション中の樹脂がセルロースに吸着するため、セルロースをコーティングするような作用が生じるものと思われ、柔軟性や接着性が良好になり、優れた耐衝撃性と優れた機械特性とが両立されるものと推察される。
次いで、各成分について説明する。
−セルロース−
本実施形態におけるセルロースとは、多数のβ−グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子化合物を指し、構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す高分子化合物である。いわゆるベータグルカンの一種で、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を有する。

本実施形態におけるセルロースとしては、パルプ、木材、コットン、麻、竹、綿、ケナフ、ヘンプ、ジュート、バナナ、ココナツ、海草、お茶葉等の植物繊維から分離した繊維、および銅アンモニアレーヨン、キュプラ、テンセル、レーヨンなどの再生繊維、海産動物であるホヤが産生する動物繊維から分離した繊維、または酢酸菌より産生させたバクテリアセルロース等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
・アスペクト比
特に限定されるものではないが、本実施形態においては、セルロースとして、アスペクト比が50以上のセルロースを含有することが好ましく、更にはアスペクト比が100以上のセルロースを含有することがより好ましく、アスペクト比が500以上のセルロースを含有することが更に好ましい。
特にアスペクト比が上記範囲であるセルロースを含むことで、セルロース同士の絡み合いがより良好に形成されるため、より耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる。
尚、上記アスペクト比とは、繊維状のセルロースの長手方向(長辺)の長さと短手方向(短辺)の長さとの比(長軸長さ/短軸長さ)を意味する。
本実施形態においては以下の方法により、樹脂組成物中または樹脂成形体中に含まれるセルロースのアスペクト比が測定される。樹脂組成物または樹脂成形体を200℃でプレスして厚み500μm以下のフィルムを作製し、顕微鏡観察により1視野内の繊維状のセルロース50個を計測し3視野の平均を求めて算出される。
また、アスペクト比が上記範囲であるセルロースは、含有されるセルロース全量に対し10質量%以上含まれることが好ましく、更には15質量%以上含まれることがより好ましく、20質量%以上含まれることが更に好ましい。
特にアスペクト比が上記範囲であるセルロースを上記の比率で含有することで、セルロース同士の絡み合いが更に良好に形成されるため、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる。
上記セルロースの含有量としては、セルロースと樹脂粒子との総量に対して25質量%以上であることが好ましく、更には50質量%以上であることが好ましい。またその上限値としては、90質量%以下であることが好ましく、更に80質量%以下であることがより好ましい。
−樹脂粒子−
本実施形態における樹脂粒子としては、従来公知の樹脂が用いられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリーレン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリビニルアセタール、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールケトン、ポリエーテルニトリル、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール、ポリパラバン酸等が挙げられ、また芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、生分解性樹脂も好ましく用いられ、例えばポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、デンプン変性樹脂、セルロース変性樹脂等が用いられる。
・ポリカーボネート
尚、樹脂粒子としては特にポリカーボネートが好適に用いられ、ポリカーボネートを含むことで難燃性や耐熱性に優れた樹脂成形体が得られる。また、前記ポリカーボネートとしては結晶性ポリカーボネートがより好適に用いられ、結晶性ポリカーボネートを含むことで難燃性や耐熱性により優れた樹脂成形体が得られる。
ポリカーボネートとしては、メルトボリュームフローレイト(MVR)が2cm/10min以上25cm/10min以下のものが好ましく、さらには5cm/10min以上20cm/10min以下のものが好ましい。
尚、上記メルトボリュームフローレイトはメルトインデックサF−F01((株)東洋精機製作所製)を用いて、ISO1133に従い300℃,荷重1.2kgfの条件で測定される。
ポリカーボネートは、1つまたは複数のモノマーの重縮合で得られ、少なくとも1つのカーボネート基(−O−(C=O)−O−)を有するポリマーであればよく、特に限定されないが、例えばビスフェノールA型ポリカーボネート、ビスフェノールS型ポリカーボネート、ビフェニル型ポリカーボネート等の、芳香族ポリカーボネートが望ましい。
また、上記ポリカーボネートは、ポリカーボネートの少なくとも1種と、スチレン系樹脂の少なくとも1種と、を組み合わせたアロイ樹脂として用いてもよい。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)などが挙げられる。上記の中でも、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が望ましい。
・粒子径
前記樹脂粒子の体積平均粒子径としては、0.01μm以上1000μm以下であることが好ましく、更には0.05μm以上500μm以下であることがより好ましい。
尚、樹脂粒子の体積平均粒子径は、前述のセルロースの長手方向の平均長さ以下(但しアスペクト比が50以上であるセルロースをセルロース全量に対し10質量%以上含有する場合にはアスペクト比が50以上であるセルロースにおける長手方向の平均長さ以下)であることが好ましく、更にはセルロースの長手方向の平均長さに対して90%以下の粒子径であることがより好ましく、60%以下の粒子径であることが更に好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒子径がセルロースの長手方向の平均長さ以下であることにより、セルロースが樹脂組成物中において分散性良く存在し、セルロース同士の絡み合いがより良好に形成されるため、より耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる。
上記樹脂粒子の体積平均粒子径は、コールター法を用いたコールターマルチサイザーII型(コールター社製)を用いて測定される。具体的にはコールターマルチサイザーII型により、粒子径に応じてアパーチャー径が20μmから2000μmのアパーチャーを用いて、樹脂粒子の粒度分布を測定して算出される。尚、測定する粒子数は50000である。アパーチャー径と測定レンジの関係は以下の通りである。
(アパーチャー径(μm):測定レンジ(μm))
20μm:0.4μmから12μm
30μm:0.6μmから18μm
50μm:1.0μmから3.0μm
70μm:1.4μmから42μm
100μm:2.0μmから60μm
140μm:2.8μmから84μm
200μm:4.0μmから120μm
280μm:5.6μmから168μm
400μm:8.0μmから240μm
560μm:11.2μmから336μm
1000μm:20μmから600μm
2000μm:40μmから1200μm
−樹脂エマルション−
樹脂エマルションとは、分散媒中に樹脂が乳化している状態のものをさす。
・分散媒
本実施形態における樹脂エマルションにおける分散媒としては、エマルション中の樹脂の合成条件によって選択されるが、例えば水、メタノール、エタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、メトキシブタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等やこれらの混合物、重合溶媒としてのトルエン、シクロヘキサン等混合した分散媒等が挙げられる。
尚、上記分散媒としては、特に限定されるものではないが、前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない液体であることがより好ましい。セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない液体であることにより、金型等への充填性に優れ、その結果射出成形等の成形方法によっても良好に形成し得る。
これは必ずしも明確ではないものの、セルロースと樹脂粒子とが分散媒中に溶解しない状態で存在しているため、射出成形等の方法によって成形体を成形するため金型等に充填する際に、金型表面に対し粘着性が低減されて滑りの発生が起こる。そのため金型への充填性に優れ、その結果射出成形等の方法によっても良好に形成し得るものと推察される。
また前述の通り、本実施形態では樹脂粒子としてポリカーボネートを用いることが好ましいが、ポリカーボネートの溶融温度は一般的に高く、セルロースとポリカーボネートとを含む樹脂組成物を用いて例えば射出成形等の方法により成形する場合に、前記溶融温度にまで昇温するとセルロースは分解してしまう。しかし、セルロースと樹脂粒子とをこの両者を溶解しない分散媒を用いた樹脂エマルション中に含むことにより、射出成形等の方法によって粘度が高いまま金型への充填が行え、且つ溶媒を蒸発除去した後に樹脂の軟化点温度で加圧することにより成形が行え、つまりセルロースが分解しない温度での成形を実現し得る。
更に、ポリカーボネートが結晶性である場合、一般的に非晶性のものに比べ更に溶融温度が高いため、セルロースと結晶性ポリカーボネートとを含む樹脂組成物を用いて該溶融温度にまで昇温して射出成形等の方法により成形すると、セルロースは分解してしまう。しかし、セルロースと樹脂粒子とをこの両者を溶解しない分散媒を用いた樹脂エマルション中に含むことにより、セルロースが分解しない温度での成形が行える。
尚、本明細書において「セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない分散媒」とは、1Lの分散媒に対してセルロースまたは樹脂粒子を100g添加し、60℃の状態で攪拌した場合でも5%以上が溶解しない分散媒をさす。
前記の通り列挙した分散媒の中でも、セルロースおよび樹脂粒子を溶解しないとの観点から、特に水、メタノール、メトキシブタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブやこれらの混合物が好ましい。また合成に用いた溶媒を含んでいてもよい。
・樹脂
本実施形態における樹脂エマルションに用いられる樹脂としては、特に限定されず公知の樹脂が用いられる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム系樹脂、水性エポキシ系樹脂、水性ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、水性ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、50℃以下であることが好ましく、更には30℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることが更に好ましい。
ガラス転移温度が上記範囲であることにより、耐衝撃性が得られ、優れた耐衝撃性と優れた機械特性とが両立された成形体を形成し得る。
尚、樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度の測定は、示差走査熱量測定装置(島津製作所製、商品名DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで測定を行い、低温側のベースラインと変曲点での接線の交点をガラス転移温度とする。
また、樹脂エマルション中における樹脂の濃度は10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、更には20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
・配合比
樹脂エマルション中における樹脂に対するセルロースと樹脂粒子との総含有量としては、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、質量70%以上95質量%以下であることがより好ましい。
また、樹脂エマルションに用いられている分散媒がセルロースおよび樹脂粒子を溶解しない液体である場合には、該セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない分散媒に対する、セルロースと樹脂粒子との総含有量としては、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。尚、含有量を調整するため、セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない分散媒を添加して調整を行ってもよい。
−その他の成分−
・難燃剤
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに難燃剤を添加してもよい。
上記難燃剤としては、例えば、リン系、シリコーン系、含窒素系、硫酸系、無機水酸化物系等の難燃剤が用いられる。
上記リン系難燃剤としては、縮合リン酸エステル、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウムなどが、上記シリコーン系難燃剤としては、ジメチルシロキサン、ナノシリカ、シリコーン変性ポリカーボネートなどが、上記含窒素系難燃剤としては、メラミン化合物、トリアジン化合物などが、上記硫酸系難燃剤としては、硫酸メラミン、硫酸グアニジンなどが、上記無機水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、特に縮合リン酸エステルがポリカーボネートへの流動性付与および難燃効果の高さから好適に用いられる。
前記難燃剤の配合比としては、セルロースと樹脂粒子との合計100質量部に対し10質量部以上25質量部以下であることが好ましく、更には15質量部以上20質量部以下がより好ましい。
・他の成分
本実施形態に係る樹脂組成物は、効果を損なわない範囲で上記以外の他の成分を含んでもよい。該他の成分としては、例えば、ドリップ防止剤(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等が挙げられる。
上記他の成分の配合比は、樹脂組成物における固形分中0質量%以上10質量%以下であることが望ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより望ましい。ここで、「0質量%」とは上記他の成分を含まない形態を意味する。
−樹脂組成物の製造方法−
本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂エマルションに対し、前述のセルロースや樹脂粒子、その他の成分を添加し混練することにより製造される。ここで、上記混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、ベンチニーダー、双腕型ニーダー、二軸押出機、高速ミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、遊星ボールミル等が挙げられる。
−樹脂組成物の粘度−
また、本実施形態に係る樹脂組成物はその粘度が500Pa・s以上であることが好ましく、更には800Pa・s以上であることが好ましい。
尚、樹脂組成物の粘度は、回転平板型レオメーター(RDA2RHIOSシステム Ver.4.3.2,レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)製)を用いて測定される。測定は、試料をサンプルホルダーにセッティングし、測定温度25℃、周波数100rad/s、測定保証値の範囲内の検出トルクで行われる。
樹脂組成物の粘度は、用いる樹脂エマルションの種類や濃度、セルロースのアスペクト比、樹脂粒子の粒子径、セルロースおよび樹脂粒子の含有量等の調整により制御される。
≪樹脂成形体≫
本実施形態に係る樹脂成形体は、前述の本実施形態に係る樹脂組成物が成形されてなる。尚、例えば射出成形、押し出し成形、熱プレス成形、カレンダ成形、トランスファ成形などの成形方法により本実施形態に係る樹脂組成物が成形され、中でも射出成形によって成形されてなることが好ましい。
前記射出成形は、熱硬化性樹脂用の射出成型機で行われ、また金型温度調整機、型内圧ガス抜き装置等の改良を行うことで、熱可塑性樹脂用である日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
この際、シリンダ温度としては、20℃以上120℃以下とすることが望ましく、50℃以上100℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、樹脂エマルションに用いられている分散媒の沸点以上の温度で、樹脂粒子の軟化温度以上溶融温度以下が望ましい。具体的には100℃以上220℃以下とすることが望ましく、110℃以上200℃以下とすることがより望ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。
図1は、本実施形態に係る成形体を備える電子・電気機器の部品の一例である画像形成装置を、前側から見た外観斜視図である。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
本体装置110の上面には、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件が操作者からの操作によって入力される操作パネル130、および、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を搬送する自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿画像を走査して、その原稿画像を表わす画像データを得る画像読取装置を備えている。この画像読取装置によって得られた画像データは、制御部を介して画像形成ユニットに送られる。なお、画像読取装置および制御部は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成ユニットは、着脱自在なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって行われる。
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーが補充される。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成ユニットまで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙供給部136が備えられており、ここからも用紙が供給される。
画像形成ユニットによって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体152によって支持された相互に接触する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙供給部136が設けられている側と反対側に用紙排出部138が複数備えられており、これらの用紙排出部に画像形成後の用紙が排出される。
画像形成装置100において、例えば、フロントカバー120a,120b、プロセスカートリッジ142の外装、筐体150、および筐体152に、本実施形態に係る樹脂成形体が用いられている。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、以下において「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
〔実施例1〕
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm/10min) 23部
・樹脂エマルション(アクリル樹脂エマルション、分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートSFA−33、濃度:45.2質量%、ガラス転移温度:0℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・水 55部
尚、上記結晶化ポリカーボネートは、パンライトL−1225Y(帝人化成社製、非晶性ポリカーボネート)をN−メチルピロリドンに溶解し、メタノール中に攪拌分散することにより微粒子化および結晶化を行い、その粒子を分級して得た。結晶化は、示差走査型熱量計を用いて確認を行った。
上記樹脂エマルションに、上記の成分を添加(固形分60質量%)し、5lの混合槽および2枚のスクリュー型羽根を備えるベンチニーダーを用いて回転数60rpmで20min混練を行い、樹脂組成物を作製した。
尚、得られた樹脂組成物の粘度は623Pa・sであった。
−樹脂成形体の形成−
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を80℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定して水分をキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
〔実施例2〕
樹脂エマルションを、アクリル樹脂エマルション(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートSFC−54、濃度:40質量%、ガラス転移温度:21℃)に変更し、且つ水の添加量を55部から52部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
〔実施例3〕
樹脂エマルションを、ウレタン樹脂エマルションポリエーテル系(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWLS−201、濃度:37質量%、ガラス転移温度:−50℃)に変更し、且つ水の添加量を55部から50部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
〔実施例4〕
樹脂エマルションを、ウレタン樹脂エマルションポリカーボネート系(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWSL−210、濃度:35質量%、ガラス転移温度:−15℃)に変更し、且つ水の添加量を55部から48部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
〔実施例5〕
樹脂エマルションを、アクリル樹脂エマルション(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートAK−261−E、濃度:46質量%、ガラス転移温度:−10℃)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
〔実施例6〕
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 45部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径28μm、MVR:11cm/10min) 23部
・樹脂エマルション(ウレタン樹脂エマルションポリカーボネート系、分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWSL−210、濃度:35質量%、ガラス転移温度:−15℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、鈴裕化学社製、FCP−770) 17部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 5部
・水 48部
〔実施例7〕
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm/10min) 23部
・樹脂エマルション(スチレン−ブタジエンエマルション、分散媒:水、日本ゼオン(株)製、商品名:Nipol 2507H、濃度:52質量%、ガラス転移温度:58℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、鈴裕化学社製、FCP−770) 17部
・水 40部
〔実施例8〕
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕し分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm/10min)
23部
・樹脂エマルション(ウレタン樹脂エマルションポリカーボネート系、分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ハイドランWSL−210、濃度:35質量%、ガラス転移温度:−15℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・水 48部
〔比較例1〕
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm/10min) 23部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500、ガラス転移温度:85℃)
10部
・水 67部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
上記水とポリビニルアルコールとの混合溶媒に、上記の成分を添加(固形分60質量%)し、5lの混合槽および2枚のスクリュー型羽根を備えるベンチニーダーを用いて回転数60rpmで20min混練を行い、樹脂組成物を作製した。
−樹脂成形体の形成−
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を80℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定して水分をキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
〔比較例2〕
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、比較例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm/10min) 23部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500、ガラス転移温度:85℃)
10部
・水 67部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
〔比較例3〕
樹脂組成物の組成を以下の通りに変更した以外は、比較例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化を行い分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm/10min) 73部
・樹脂エマルション(アクリル樹脂エマルション(分散媒:水、DIC(株)製、商品名:ボンコートAK−261−E、濃度:46質量%、ガラス転移温度:−10℃)
(上記樹脂エマルション中の樹脂分が10部となるよう添加)
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・水 48部
[評価試験]
・成形状態
以下の評価基準により成形された試験片の成形状態を評価した。
○:エッジまで充填されヒケがない
△:エッジまで充填されずにショートしている
×:射出成形機で成形し得なかった
・着色
セルロースの熱分解による着色の発生の有無を、試験片を目視することで評価した。
・フラットワイズ(耐衝撃性)
試験片を用い、以下の方法により耐衝撃性の指標であるフラットワイズ試験を行った。
厚さ2mm、幅13mmの短冊状サンプルをJIS K7111(2006年)に従ってデジタル衝撃試験機DG−UB型((株)東洋精機製作所製)を用いてフラットワイズ式にて測定を行った。
・機械特性評価
試験片を用い、島津製作所製の精密万能試験機オートグラフAG−IS 5knを用い、ISO527に準拠して、機械特性として引っ張り応力の測定を行った。
・燃焼性評価(UL試験)
試験片を用い、UL−94の垂直燃焼試験を行い、UL−94規格の判定基準に従って、HB、V−0、V−1、V−2および燃焼の5つのランクで判定した。尚、測定した結果、延焼してしまった場合には「NG」と判定した。
100 画像形成装置
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体

Claims (7)

  1. セルロースと、樹脂粒子と、樹脂エマルションと、を含む樹脂組成物。
  2. 前記樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂粒子としてポリカーボネートを含む請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載の樹脂組成物が成形されてなる樹脂成形体。
  7. 請求項1に記載の樹脂組成物が射出成形されてなる請求項6に記載の樹脂成形体。
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