JP2013189426A - 新規な置換シアノフェニルピレン誘導体、発光材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

新規な置換シアノフェニルピレン誘導体、発光材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】色純度が高く高効率な置換シアノフェニルピレン誘導体、該誘導体からなる発光材料、及び、該誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の提供。
【解決手段】式1で示される置換シアノフェニルピレン誘導体。

式中、R〜RはH及びC1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基からそれぞれ独立して選ばれた基である。Aは式(a)で示される基であり、B〜Bは置換されても良いフェニル基、置換されても良いナフチル基からそれぞれ独立して選ばれた基である。

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な置換シアノフェニルピレン誘導体、該誘導体からなる発光材料、及び該誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
IT社会と言われる今日、それを支える携帯電話(スマートフォン)、PDAや車載情報端末などの発展に伴い、これらに使用される中小型表示装置が多様化されるようになった。一般には、これらに用いられる表示装置として液晶ディスプレイ(LCD)が採用されている。液晶ディスプレイについては、過去には視野角依存性の問題やバックライトが必要なため軽量薄型化することが非常に困難であるという問題があった。しかしこれらに関して配光膜や偏光板などの技術の進歩による光の取り出し技術が向上したことやバックライトが冷陰極管から軽量小型な白色発光ダイオード(LED)に変わったこと等の理由により、これらに関する問題はほぼ解決されるところまできている。ところが液晶ディスプレイについては、バックライトからの受発光型であるため光を取り出すためのディスプレイの構成が複雑である。
上記液晶ディスプレイとよく比べられるディスプレイの1つとして、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OLED)がある。
OLEDは、プラズマディスプレイ(PDP)と同様に自発光型のディスプレイであり、液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトを必要としない。そのためディスプレイの構成は単純であり、より薄くかつ軽量にすることが可能で持ち運び用の表示手段として適している。一部の携帯電話、携帯ゲーム機や音楽プレーヤーでは、OLEDが液晶ディスプレイに取って代わりつつある状況である。また次世代のテレビとしての応用研究も始まっている。
更に数年前から重要な光源要素として注目されており、有機エレクトロルミネッセンス発光を用いた照明に関する研究も国内外を通して実用化に向けた取り組みがなされるようになった。
最近のディスプレイは、フルカラー化技術が進歩し高精細化が図られている。OLEDでも光の3原色(青、緑、赤)を取り出すためこれに適した蛍光材料が使用されている。例えば青色蛍光材料としては、非特許文献1に記載された下記〔化1〕で示される4,4′−ビス[2,2−ビス(4−メチルフェニル)エテニル]−1,1′−ビフェニル(DTVBi)が良く知られている。
また緑色蛍光材料としては、コダックのTangらが最初に有機エレクトロルミネッセンスで使用した下記〔化2〕で示されるトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Alq)が良く用いられている(非特許文献2)。
また赤色蛍光材料としては、レーザー色素としても良く用いられている下記〔化3〕で示される4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エテニル)−4H−ピラン(DCJTB)などのピラン化合物が良く用いられている(非特許文献3)。
有機エレクトロルミネッセンス照明においては、光の三原色である青・緑・赤色の発光材料からの発光により白色発光を得ることができる。照明用途においてより高い演色性を得るためには、広範囲な波長域においてブロードな発光スペクトルが要求されるため、各色の発光材料のスペクトル半値幅はより大きくブロードであることが望ましい。
H.Tokairin,M.Matsuura,H.Higashi,C.Hosokawa and T.Kusumoto,SPIE proceedings,1910,38(1993) C.W.Tang and S.A.VanSlyke,Appl.Phys.Lett.,51,913(1987) C.H.Chen,C.W.Tang,J.Shi and P.Klubek,Macromolecular Symposia(1997),49−58,125(1998)
本発明は、色純度が高く高効率な青色発光材料で、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイや有機白色照明に利用できる新規な置換シアノフェニルピレン誘導体、該誘導体からなる発光材料、及び、該誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜4)の発明によって解決される。
1)下記一般式(1)で示されることを特徴とする置換シアノフェニルピレン誘導体。
式中、R〜Rは水素及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基からそれぞれ独立して選ばれた基である。Aは下記式(a)で示される基であり、B〜Bは下記式(b)〜(d)で示される基からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R18は水素、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基からそれぞれ独立して選ばれた基である。
2)下記一般式(2)で示されることを特徴とする置換シアノフェニルピレン誘導体。
式中、R〜Rは水素及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基からそれぞれ独立して選ばれた基である。Aは下記式(a)で示される基であり、B〜Bは下記式(b)〜(d)で示される基からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R18は水素、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基からそれぞれ独立して選ばれた基である。
3) 1)又は2)記載の置換シアノフェニルピレン誘導体からなる発光材料。
4) 1)又は2)記載の置換シアノフェニルピレン誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明により、新規な置換シアノフェニルピレン誘導体、該誘導体からなる発光材料、及び該誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。また、上記誘導体は色純度の高い青色材料であるから、これを用いることにより高精細な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、上記誘導体を白色発光技術に応用すれば演色性の高い白色発光が得られる。よって本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体は、工業的に極めて有用である。
実施例1の1−シアノフェニル−6−ブロモピレンの質量分析(Mass)の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−ブロモピレンの核磁気共鳴スペクトル(NMR)の全領域の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−ブロモピレンの核磁気共鳴スペクトル(NMR)の部分拡大の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の質量分析(Mass)の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の全領域の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の部分拡大の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の真空熱重量試験の結果を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の熱天秤(TG)による分解温度を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の示差走査熱測定器(DSC)によるガラス転移温度(Tg)を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の示差走査熱測定器(DSC)による融点(Tm)を示す図。 実施例1の1−シアノフェニル−6−トリフェニルアミンピレン(1,6−CTPy)の高速液体クロマトグラフの分析チャート。 実施例2の2−シアノフェニル−7−(4,4,5,5−トリメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルピレンの質量分析(Mass)の結果を示す図。 実施例2の2−シアノフェニル−7−トリフェニルアミノピレン(2,7−CTPy)の質量分析(Mass)の結果を示す図。 実施例2の2−シアノフェニル−7−トリフェニルアミノピレン(2,7−CTPy)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の全領域の結果を示す図。 実施例2の2−シアノフェニル−7−トリフェニルアミノピレン(2,7−CTPy)の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の部分拡大の結果を示す図。 実施例3の1,6−CTPyの紫外線−可視吸収スペクトル(UV−Vis)(λabs)を示す図。 実施例4の1,6−CTPyのフォトルミネッセンス(PL)(λex)を示す図。 実施例5の1,6−CTPyの薄膜の蛍光量子収率を示す図。 実施例6のポリメチルメタクリル酸(PMMA)に、1,6−CTPyを添加したものの薄膜の蛍光量子収率を示す図。 実施例7の1,6−CTPyの蒸着膜のイオン化ポテンシャルの測定結果を示す図。 実施例8の有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを示す図。 実施例8の有機EL素子の1mA通電時のELスペクトルを示す図。 実施例8の有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を示す図。 実施例8の有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を示す図。 実施例8の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す図。 実施例8の有機EL素子の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例8の有機EL素子の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例8の有機EL素子の量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例8の有機EL素子の量子効率−輝度特性を示す図。 実施例9〜12、参考例4の紫外−可視吸収スペクトル(UV)とホスト材料のMADNのフォトルミネッセンススペクトル(PL)を示す図。 実施例9〜12、参考例4の1,6−CTPyをそれぞれのwt%の割合でMADNに共蒸着した薄膜における蛍光量子効率を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の1mA通電時のELスペクトルを示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例13〜18、参考例5〜7の有機EL素子の量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例16、参考例5〜7の有機EL素子のフォトルミネッセンス(PL)を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の外部量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子の外部量子効率−輝度特性を示す図。 実施例19〜22、参考例5の有機EL素子のELスペクトルを示す図。 実施例19の有機EL素子の配向特性の結果を示す図。 実施例20の有機EL素子の配向特性の結果を示す図。 実施例23〜27、参考例6の有機EL素子の紫外−可視吸収スペクトル(UV)を示す図。 実施例23〜27、参考例6の有機EL素子のフォトルミネッセンス(PL)を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを示す図。 実施例28の有機EL素子の、0.1mA、0.5mA、1mA、5mA及び10mA通電時のELスペクトルを示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子のELスペクトルを示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の外部量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例28〜33、参考例7の有機EL素子の外部量子効率−輝度特性を示す図。 実施例34〜35の有機EL素子の紫外線−可視吸収スペクトル(UV−Vis)(λabs)を示す図。 実施例34〜35の有機EL素子のフォトルミネッセンス(PL)(λex)を示す図。 実施例36の有機EL素子のAC−3の測定結果を示す図。 実施例37の有機EL素子のエネルギーダイやグラムを示す図。 実施例37の有機EL素子のELスペクトルを示す図。 実施例37の有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を示す図。 実施例37の有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を示す図。 実施例37の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す図。 実施例37の有機EL素子の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例37の有機EL素子の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例37の有機EL素子の量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例37の有機EL素子の量子効率−輝度特性を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを示す図。 実施例38〜39の有機EL素子のELスペクトルを示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の電流効率−輝度特性を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の電力効率−輝度特性を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の量子効率−電流密度特性を示す図。 実施例38〜39の有機EL素子の量子効率−輝度特性を示す図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一例を示す断面図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体における炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n‐ペンチル基、1−メチルブチル基、2‐メチルブチル基、3‐メチルブチル基、1‐エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、5−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2,4−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、4−エチルブチル基などを挙げることができる。
また、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基としては、前記アルキル基をアルキル部分とするアルコキシ基が挙げられる。
本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体は、例えば下記の反応により製造することができるが、これに限られるわけではない。
<一般式(1)で示される置換シアノフェニルピレン誘導体の場合>
式中、R〜R及びAは、前記1)の発明におけるものと同じである。
<一般式(3)で示される置換シアノフェニルピレン誘導体の場合>
式中、R〜R及びAは、前記2)の発明におけるものと同じである。
上記一般式(1)及び一般式(2)の誘導体の合成は2段階で行れるが、いずれの反応も鈴木カップリング反応であり、詳細はMiyaura,N.;Suzuki,A.Chem.Rev.1995,95,2457などに記述されている。溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒、芳香属炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合物、エーテル系溶媒などが使用できる。
芳香属炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合物において用いられる芳香属炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどが例示できる。対応するアルコール形溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが例示できる。また、エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサンのような環状エーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメトキシエーテル、エチレングリコールジエトキシエーテルなどが例示できる。
溶媒に対する原料の溶解性が反応進行の鍵になるため、該誘導体の合成では芳香族炭化水素を用いることが好ましい。またトルエンとアルコール系の混合溶媒も好ましい。
反応で使用する塩基類に関しては、無機物又は有機物の塩基が例示できる。好ましくはアルカリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩であり、より好ましくは炭酸カリウムである。
反応で使用するパラジウムについては、いずれの反応も臭化物のようなハロゲン化合物とホウ酸化合物とのカップリング反応であるため、一般的にはPd(0)のものが使用できる。好ましくは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムであり、より好ましくはパラジウム化合物の反応性からテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体の具体例を以下に示す。炭素数が3以上のアルキル基の場合は、直鎖若しくは分岐のものを含んでいる。
本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体は色純度の高い青色発光を有する。従って、発光材料として使用することができる。使用に際しては蒸着により層形成を行うのが望ましい。
また本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を作製することができる。その場合、発光層の発光材料として使用することができる。また適当なホスト材料と組み合わせて用いても良い。
次に本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に複数層の有機化合物を積層した素子であり、発光層の発光材料として本発明の置換シアノフェニルピレン誘導体を含有する。発光層は一般に発光材料とホスト材料から構成される。多層型の有機EL素子の構成例としては、次のようなものが挙げられる。また、必要に応じて陰極上に封止層を有していても良い。
・陽極(例えばITO)/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール
輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/
ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・ITO/ホール注入層(正孔注入層)/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/
電子輸送層/電子注入層/陰極
ホール輸送層、電子輸送層、発光層のそれぞれの層は、各機能を分離した多層構造であることが望ましい。またホール輸送層、電子輸送層はそれぞれの層で注入機能を受け持つ層(ホール注入層及び電子注入層)と輸送機能を受け持つ層(ホール輸送層及び電子輸送層)を別々に設けることもできる。
以下、本発明の有機EL素子の構成要素に関して、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる素子構成を例として説明する。本発明の有機EL素子は基板に支持されていることが好ましい。基板の素材については特に制限はなく、例えば、従来の有機EL素子において慣用されている、ガラス、石英ガラス、透明プラスチックなどが挙げられる。
陽極は、仕事関数の大きな金属単体(4eV以上)、仕事関数の大きな金属同士の合金(4eV以上)、導電性物質、又はこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。
その具体例としては、金、銀、銅等の金属、ITO(インジウム−スズオキサイド)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性透明材料、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料が挙げられる。
陽極はこれらの電極材料を用いて、蒸着、スパッタリング、塗布などの方法により形成することができる。陽極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。
陽極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
陰極は、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さい金属同士の合金(4eV以下)、導電性物質、又はこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。
その具体例としては、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金などが挙げられる。
陰極はこれらの電極材料を用いて、蒸着、スパッタリングなどの方法により作製することができる。
陰極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陰極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
本発明の有機EL素子の発光を効率よく取り出すため、陽極又は陰極の少なくとも一方の電極は透明又は半透明であることが好ましい。
ホール輸送層はホール伝達化合物からなるもので、陽極より注入されたホールを発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間に正孔伝達化合物が配置されて陽極からホールが注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上のホール移動度を有するホール伝達物質が好ましい。このようなホール伝達物質は、従来から光導電材料においてホールの電荷注入材料として慣用されている材料や有機EL素子のホール輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
ホール伝達物質の例としては、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(m−トリル)−N,N′−ジフェニル−4,4−ジアミノフェニル(TPD)、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−4,4−ジアミノフェニル(α−NPD)等のトリアリールアミン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、及び水溶性のPEDOT−PSS(ポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)などが挙げられる。
ホール輸送層は、これらの他のホール伝達化合物の1種又は2種以上からなる一層のみでもよいが、上記以外の他の化合物からなるホール輸送層を積層したものでも良い。
ホール注入材料としては、下記式で示されるPEDOT−PSS(ポリマー混合物)やDNTPDが挙げられる。
ホール輸送材料としては、下記式で示されるTPD、DTASi、α−NPDなどが挙げられる。
電子輸送層は電子輸送材料からなるもので、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間に電子輸送材料が配置されて陰極から電子が注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上の電子移動度を有する電子輸送材料が好ましい。
このような電子輸送材料としては、従来から光導電材料において電子の電荷注入材料として慣用されているものや有機EL素子の電子輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
電子輸送材料の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)のようなキノリン錯体、1−N−フェニル−2−(p−ビフェニルイル)−5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(TAZ)のようなトリアジン誘導体、1,4−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン(DPB)のようなフェナントロリン誘導体、フッ化リチウムのようなハロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。
電子輸送層は、これらの他の電子輸送材料の一種又は二種以上からなる一層のみでもよいが、上記以外の他の化合物からなる電子輸送層を積層したものでも良い。
電子注入材料としては、フッ化リチウム(LiF)、下記式で示される8−ヒドロキシキノリノラトリチウム錯体(Liq)、特開2008−106015号に開示されたフェナントロリン誘導体のリチウム錯体(LiPB)、特開2008−195623号に開示されたフェノキシピリジンのリチウム錯体(LiPP)などが挙げられる。
電子輸送材料としては下記式で示されるAlq、TAZ、及び前記DPBなどが挙げられる。
また、下記式で示される本出願人の特開2007−137829号に記載したトリアジン誘導体の電子輸送材料(TmPyPhTAZ)や本出願人の特開2008−063232号に記載したビスフェノール誘導体の電子輸送材料(tetra−pPyPhBP)などを用いることもできる。
発光層には、前記置換シアノフェニルピレン誘導体を用いる。但し、従来の発色材料のペリレン誘導体、ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体(例えばクマリン1、クマリン540、クマリン545など)、ピラン誘導体(例えばDCM−1、DCM−2、DCJTBなど)、有機金属錯体、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Almq)等の蛍光材料や[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジル−N,C2′]イリジウム(III)ピコリレート(FIrpic)、トリス{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾラート−N,C2′}イリジウム(III)(Irtfmppz)、ビス[2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2′]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(FIr6)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)[Ir(ppy)]などのリン光材料などと組み合わせて使用することもできる。
発光層は、ホスト材料と発光材料(ドーパント)から形成される[Appl.Phys.Lett.,65 3610(1989)]。発光材料は、その濃度消光を避け、また発光エネルギーを効率よく発光材料に移動させるためにホスト材料と組み合わせて使用する。発光材料の割合は、ホスト材料に対して、0.01〜40重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%である。
ホスト材料としては、下記式で示されるt−ブチルアントラセン(tBA)やペリレン(Per)のような縮合環化合物、4,4′−[ジ(β,β−ジフェニルエテニル)]−1,1′−ビフェニル(DPVBi)のようなジスチリルアリーレン化合物、TPDのようなフェニルアリールアミン化合物を用いることが好ましい。
本発明の有機EL素子は、ホール注入性を更に向上させる目的で、陽極と有機化合物の層の間に有機導電体から構成されるホール注入層を設けても良い。ホール注入材料としては、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、PEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)などが挙げられる。
前記置換シアノフェニルピレン誘導体を含む有機EL素子のホール注入層、ホール輸送層の形成方法は特に限定されず、例えば乾式製膜法(真空蒸着法、イオン化蒸着法など)、湿式製膜法[溶媒塗布法(例えばスピンコート法、キャスト法、インクジェット法など)]を使用することができる。電子輸送層の製膜については、湿式製膜法で行うと下層が溶出する恐れがあるため、乾式製膜法(真空蒸着法、イオン化蒸着法など)に限定される。有機EL素子の作製については上記の製膜法を併用しても構わない。
真空蒸着法によりホール輸送層、発光層、電子輸送層などの各層を形成する場合の真空蒸着条件は特に限定されないが、10−5Torr程度以下の真空下で50〜500℃程度のボート温度(蒸着原温度)、−50〜300℃程度の基板温度で、0.01〜50nm/sec.程度蒸着することが好ましい。正孔輸送層、発光層、電子輸送層の各層を複数の化合物を使用して形成する場合、化合物を入れたボートをそれぞれ温度制御しながら共蒸着することが好ましい。
ホール注入層、ホール輸送層を溶媒塗布法で形成する場合、各層を構成する成分を溶媒に溶解又は分散させて塗布液とする。溶媒としては、炭化水素系溶媒(例えばヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エーテル系溶媒(例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、非プロトン性溶媒(例えばN,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。溶媒は単独で使用しても、複数の溶媒を併用しても良い。
ホール輸送層、発光層、電子輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されないが、通常5〜5,000nmになるようにする。
本発明の有機EL素子は、酸素や水分等の接触を遮断する目的で保護層(封止層)を設けたり、不活性物質中に素子を封入して保護することができる。不活性物質としては、パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン等が挙げられる。保護層に使用する材料としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、光硬化性樹脂等がある。
本発明の有機EL素子は、直流駆動の素子として使用できる。直流電圧を印加する場合、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として通常1.5〜20V程度印加すると発光が観察される。また本発明の有機EL素子は交流駆動の素子としても使用できる。交流電圧を印加する場合には、陽極がプラス、陰極がマイナスの状態になった時に発光する。
本発明の有機EL素子は、例えば電子写真感光体、フラットパネルディスプレイなどの平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、計器等の光源、各種発光素子、各種表示装置、各種標識、各種センサー、各種アクセサリーなどに使用することができる。
図85〜図88に、本発明の有機EL素子の好ましい例の断面図を示す。
図85は、基板1上に陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた例である。これはキャリア輸送と発光の機能を分離したものであり、材料選択の自由度が増すために、発光の高効率化や発光色の自由度が増すことになる。
図86は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた例である。この場合、ホール注入層7を設けることにより、陽極2とホール輸送層5の密着性を高め、陽極からのホールの注入を良くし、発光素子の低電圧化に効果がある。
図87は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた例である。この場合、陰極4から電子の注入を良くし、発光素子の低電圧化に効果がある。
図88は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた例である。この場合、陽極2からホールの注入を良くし、陰極4から電子注入を良くし、最も低電圧駆動に効果がある構成である。
図89〜92は有機EL素子の中にホールブロック層を挿入したものの断面図である。ホールブロック層は、陽極から注入されたホール、あるいは発光層3で再結合により生成した励起子が、陰極4に抜けることを防止する効果があり、有機EL素子の発光効率の向上に効果がある。ホールブロック層9については、発光層3と陰極4の間もしくは発光層3と電子輸送層6の間あるいは発光層3と電子注入層8の間に挿入することができる。より好ましいものは発光層3と電子輸送層6の間である。
図89〜92で、ホール輸送層5,ホール注入層7、電子輸送層6、電子注入層8、発光層3、ホールブロック層9のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であっても良い。
なお、上記図85〜92は、あくまでも基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機EL素子の構成はこれに限定されるものではない。
以下、実施例及び参考例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
実施例1
1−シアノフェニル−6−〔4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕ピレン(1,6−CTPy)の合成
(1)1−シアノフェニル−6−ブロモピレンの合成
四口フラスコ(50mL)に、1,6−ジブロモピレン(5.5mmol,2.0g)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルベンゾニトリル(5.67mmol,1.3g)を加えた後、トルエン(100mL)を加えた。次いで炭酸カリウム(17.18mmol,2.38g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.20mmol,0.23g)を加えて36時間還流を行った。その後、イオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに物が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=2:1⇒1:1⇒クロロホルムのみ)で精製して、黄白色粉体(収量1.12g,収率53%)を得た。
化合物の確認は、質量分析(Mass)及び核磁気共鳴スペクトル(NMR)で行った。質量分析(Mass)の結果を図1に、核磁気共鳴スペクトル(NMR)の結果を図2(全領域)と図3(部分拡大)に示す。
(2)1−シアノフェニル−6−〔4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕ピレン(1,6−CTPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−(4−シアノフェニル)−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.45g)、1−(N,N−ジフェニルアミノ)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol,0.66g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製したが、極性が非常に似ており、1−(N,N−ジメチルアミノ)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを取り除くことが出来ず、黒黄白色粉体(粗収量0.54g,収率83%)が得られた。
上記操作を2回行い、1回目と2回目を併せた1.4gの粉体を分取GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により精製し、黄色粉体(収量1.37g,収率98%)を得た。真空熱重量試験機により、5%減衰を237℃と見積もり、1.11gを昇華精製し、黄色結晶(収量0.85g,収率77%)を得た。
昇華精製した1,6−CTPyについて高速液体クロマトグラフで純度分析を行った。また構造確認は、質量分析(Mass)、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、元素分析で行った。熱天秤(TG)による分解温度を測定したところ、420℃であった。示差走査熱測定器(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)は104.95℃、融点(Tm)は216.27℃であった。
質量分析の結果を図4に、NMRの結果を図5(全領域)と図6(部分拡大)に、真空熱重量試験の結果を図7に、熱天秤(TG)による分解温度を図8に、示差走査熱測定器(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)を図9に、融点(Tm)を図10に示す。また、高速液体クロマトグラフの分析チャートを図11に示す。更に、元素分析の結果を表1に示す。
実施例2
2−シアノフェニル−7−〔4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕ピレン(2,7−CTPy)の合成
(1)2−シアノフェニル−7−(4,4,5,5−トリメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルピレンの合成
四口フラスコ(100mL)に、ビス−2,7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルピレン(1.0mmol,0.46g)、4−ブロモベンゾニトリル(1.0mmol,0.19g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.0mmol,0.42g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03mmol,0.03g)を加えて24時間還流を行った。55時間後に反応を止め、トルエンで抽出し、イオン交換水及び飽和食塩水で洗浄し、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン)でホウ素体以外の低極性物を取り除いて黄白色固体を得た。(収量0.23g、収率55%)
化合物の確認は、質量分析(Mass)で行った。質量分析の結果を図12に示す。
(2)2−シアノフェニル−7−〔4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕ピレン(2,7−CTPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピレン(0.82mmol,0.35g)、4−ブロモトリフェニルアミン(1.64mmol,0.53g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて還流を行った。24時間後、1,6−CTPyと同等の極性発光色を示す新規のスポットを確認したが、ボロン酸の原料のスポットが消失していなかったので、更に、4−ブロモトリフェニルアミン(1.64mmol,0.53g)を加えて還流を行った。14時間後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)により精製した。続いて、精製物210mgを分取クロマトグラフィー(GPC)により再精製して黄色粉体(収量100mg)を得、その80mgを昇華精製して黄色結晶(収量60mg、収率13%)を得た。
構造確認は、質量分析(Mass)と核磁気共鳴スペクトル(NMR)で行った。質量分析の結果を図13に、NMRの結果を図14(全領域)と図15(部分拡大)に示す。
実施例3〜4
実施例1で合成した1,6−CTPyの溶液中と薄膜状での紫外線−可視吸収スペクトル(UV−Vis)(λabs)(実施例3)と同条件でのフォトルミネッセンス(PL)(λex)(実施例4)の測定を行った。溶液はTHF、トルエンの2種を用い、各々の溶液中の濃度が1×10−5Mとなるように調整して測定した。薄膜については、真空蒸着装置を使用し、30nmの膜厚に調整したものについて測定した。紫外線−可視吸収スペクトル(UV−Vis)(λabs)の結果を図16に、フォトルミネッセンス(PL)(λex)の結果を図17に示す。また溶液状での光学特性評価の結果を表2に示す。
実施例5〜6
実施例1で合成した1,6−CTPyの蛍光量子収率の測定を行った。1,6−CTPyだけを用いて薄膜状にしたもの(実施例5)と、ポリメチルメタクリル酸(PMMA)に1,6−CTPyを1wt%又は20wt%添加したもので作製した薄膜(実施例6)について測定した。1,6−CTPyだけの結果を図18に、PMMAに1,6−CTPyを添加したものの結果を図19に示す。
実施例7
実施例1で合成した1,6−CTPyの光学特性評価を行った。
1,6−CTPyの蒸着膜を作製し、理研計器社製AC−3を用いてイオン化ポテンシャルを測定した。その結果を図20に示す。
有機EL素子は全固体型の発光素子である。そのため固体状態での光学特性が重要である。一般に材料のイオン化ポテンシャルは大気中の光電子分光法(AC−3)、エネルギーギャップは紫外線−可視(UV−vis)吸収スペクトルの吸収端から見積もられる。
表3に、1,6−CTPyのイオン化ポテンシャル(Ip)、電子親和力(Ea)、エネルギーギャップ(Eg)の結果を示す。サンプルがイオン化を開始した電圧(eV)がIpである。Eaは、IpからEgを引いた値である。
Egは、蒸着機で作製した薄膜について紫外−可視吸光度計で測定した吸収曲線の短波長側の立ち上がりのところに接線を引き、求まった交点の波長W(nm)を次の式に代入して得た値である。
Eg=1240÷W

実施例8、参考例1〜3
実施例1で合成した1,6−CTPyを発光層に用いて有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の構成>
TAPC(40nm、ホール輸送層)/1,6−CTPy(20nm、発光層)/B3PyPB(40nm、電子輸送層)/LiF(1nm、電子注入層)/Al(80nm、陰極)
上記の、ホール輸送層に用いたTAPC、及び電子輸送層に用いたB3PyPBは次に示すとおりである。
作製した有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを図21に、
1mA通電時のELスペクトルを図22に、
電流密度−電圧特性(直線表示)を図23に、
電流密度−電圧特性(対数表示)を図24に、
輝度−電圧特性を図25に、
電力効率−輝度特性を図26に、
電流効率−輝度特性を図27に、
量子効率−電流密度特性を図28に、
量子効率−輝度特性を図29に示す。
比較のため、1,6−CTPyの薄膜状でのフォトルミネッセンス(PL)を参考例1、トルエン中でのPLを参考例2、テトラヒドロフラン(THF)中でのPLを参考例3として図22に示す。
また、100cd/mと1000cd/mにおける電圧(Voltage)、電力効率(Power efficiency)、電流効率(Current efficiency)、量子効率(Quantum efficiency),色度座標(CIE)を表4に示す。
実施例9〜12、参考例4
実施例1で合成した1,6−CTPyを、ホスト材料の2−メチル−9,10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン(MADN、〔化80〕参照)に1wt%(実施例9)、3wt%(実施例10)、5wt%(実施例11)、7wt%(実施例13)、それぞれ共蒸着した薄膜を作製し、蛍光量子効率を測定した。比較のため、1,6−CTPyをMADNに共蒸着していない薄膜を作製した(参考例4)。
1,6−CTPyの紫外−可視吸収スペクトル(UV)とMADNのフォトルミネッセンススペクトル(PL)の結果を図30に示す。また1,6−CTPyをそれぞれのwt%の割合でMADNに共蒸着した薄膜の蛍光量子効率の結果を図31に示す。
実施例13〜18、参考例5〜7
実施例1で合成した1,6−CTPyを、ホスト材料のMADNに1wt%(実施例13)、4wt%(実施例14)、6wt%(実施例15)、7wt%(実施例16)、8wt%(実施例17)、10wt%(実施例18)、それぞれ共蒸着した発光層を持つ有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の構成>
実施例13:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+1wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例14:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+4wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例15:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+6wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例16:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例17:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+8wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例18:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+10wt%1,6−CT Py(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
参考例5:TAPC(40nm ホール輸送層)/1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
作製した有機EL素子のエネルギーダイヤグラム図を図32に、
それぞれの有機EL素子の1mA通電時のELスペクトルの図を図33に、
それぞれの有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を図34に
それぞれの有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を図35に、
それぞれの有機EL素子の輝度−電圧特性を図36に
それぞれの有機EL素子の電力効率−輝度特性を図37に、
それぞれの有機EL素子の電流効率−輝度特性を図38に、
それぞれの有機EL素子の量子効率−電流密度特性を図39に、
それぞれの有機EL素子の量子効率−電流密度特性を図40に示す。
1,6−CTPyを7wt%MADNと共蒸着した有機EL素子(実施例16)、共蒸着なしの1,6−CTPyを用いた有機EL素子(参考例5)、及びトルエン溶液中でのフォトルミネッセンス(PL)(参考例6)、テトラヒドロフラン(THF)溶液中でのPL(参考例7)を図41に示す。
また、100cd/mと1000cd/mにおける電圧(Voltage)、電力効率(Power efficiency)、電流効率(Current efficiency)、量子効率(Quantum efficiency)、色度座標(CIE)を、それぞれ表5、表6に示す。
実施例19〜22、参考例8
実施例1で合成した1,6−CTPyを発光層に使用した有機EL素子の最適膜厚の検討を行った。作製した有機EL素子は以下のとおりである。
実施例19:TAPC(40nm ホール輸送材料)/MADN+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例20:TAPC(40nm ホール輸送材料)/MADN+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(35nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例21:TAPC(35nm ホール輸送層)/MADN+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例22:TAPC(35nm ホール輸送層)/MADN+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(35nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
参考例8:TAPC(40nm ホール輸送層)/MADN+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
それぞれの有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を図42に、
それぞれの有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を図43に、
それぞれの有機EL素子の輝度−電圧特性を図44に、
それぞれの有機EL素子の電力効率−輝度特性を図45に、
それぞれの有機EL素子の電流効率−輝度特性を図46に、
それぞれの有機EL素子の外部量子効率−電流密度特性を図47に、
それぞれの有機EL素子の外部量子効率−輝度特性を図48に、
それぞれの有機EL素子のELスペクトルを図49に示す。
配向特性を調べたところ、実施例19及び実施例20は理論値1.000に対して測定値1.019及び0.973と、それぞれ理論値によく一致していることから光学設計がバランスよく取れていることがわかった。実施例19の結果を図50に、実施例20の結果を図51に示す。
また、100cd/mと1000cd/mにおける電圧(Voltage)、電力効率(Power efficiency)、電流効率(Current efficiency)、量子効率(Quantum efficiency)、色度座標(CIE)を、それぞれ表7、表8に示す。
実施例23〜27、参考例9
実施例1で合成した1,6−CTPyを4,4′−ジ(カルバゾール−9−N−イル)−1,1′−ビフェニル(CBP、〔化81〕参照)に1wt%(実施例23)、7wt%(実施例24)、10wt%(実施例25)、20wt%(実施例26)、30wt%(実施例27)ドープした薄膜を作製し、蛍光量子収率を測定した。比較のためCBPにドープしていない薄膜(参考例9)も作製した。
1,6−CTPyの紫外−可視吸収スペクトル(UV)とCBPのフォトルミネッセンス(PL)を図52に示す。また各ドープ濃度による薄膜の蛍光量子収率の結果を図53に示す。
実施例28〜33、参考例10
実施例1で合成した1,6−CTPyを4,4′−ジ(カルバゾール−9−N−イル)−1,1′−ビフェニル(CBP)に1wt%(実施例28)、7wt%(実施例29)、13wt%(実施例30)、20wt%(実施例31)、30wt%(実施例32)、50wt%(実施例33)ドープした有機EL素子を作製した。比較のためにドープしていない有機EL素子(参考例10)も作製した。
<有機EL素子の構成>
実施例28:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+1wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例29:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+7wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例30:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+13wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例31:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+20wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例32:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+30wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例33:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+50wt%1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
参考例10:TAPC(40nm ホール輸送層)/1,6−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
作製した有機EL素子のエネルギーダイヤグラムの図を図54に示す。
1wt%ドープした有機EL素子の、0.1mA、0.5mA、1mA、5mA、及び10mA通電時のELスペクトルを図55に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子のELスペクトルを図56に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の電流密度−電圧特性(直線表示)を図57に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の電流密度−電圧特性(対数表示)を図58に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の輝度−電圧特性を図59に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の電力効率−輝度特性を図60に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の電流効率−輝度特性を図61に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の外部量子効率−電流密度特性を図62に、
それぞれの濃度をドープした有機EL素子の外部量子効率−輝度特性を図63に示す。
また、100cd/mと1000cd/mにおける電圧(Voltage)、電力効率(Power efficiency)、電流効率(Current efficiency)、量子効率(Quantum efficiency),色度座標(CIE)を、それぞれ表9、表10に示す。
実施例34〜35
実施例2で合成した、2,7−CTPyの溶液中と薄膜状での紫外線−可視吸収スペクトル(UV−Vis)(λabs)(実施例34)と同条件でのフォトルミネッセンス(PL)(λex)(実施例35)の測定を行った。溶液はトルエン溶液中に濃度1×10−5Mとなるように調整し測定した。薄膜については、真空蒸着装置を使用し30nmの膜厚に調整したものを測定した。紫外線−可視吸収スペクトル(UV−Vis)(λabs)の結果を図64に、フォトルミネッセンス(PL)(λex)の結果を図65に示す。
実施例36
実施例2で合成した2,7−CTPyの光学特性評価を行った。
2,7−CTPyの蒸着膜のイオン化ポテンシャルの測定を行った。測定は理研計器社製AC−3を用いて行った。その結果を図66に示す。
また紫外線−可視吸収スペクトルの吸収端から求めたエネルギーギャップは、2.91eVであり、電子親和力は、2.84eVであった。これらの結果を表11に示す。
実施例37
実施例2で合成した2,7−CTPyを発光層に用いた有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の構成>
TAPC(40nm、ホール輸送層)/2,7−CTPy(20nm、発光層)/B3PyPB(40nm、電子輸送層)/LiF(1nm、電子注入層)/Al(80nm、陰極)

作製した有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを図67に、
ELスペクトルを図68に、
電流密度−電圧特性(直線表示)を図69に
電流密度−電圧特性(対数表示)を図70に
輝度−電圧特性を図71に
電力効率−輝度特性を図72に、
電流効率−輝度特性を図73に、
量子効率−電流密度特性を図74に、
量子効率−輝度特性を図75に示す。
また、100cd/mと1000cd/mにおける電圧(Voltage)、電力効率(Power efficiency)、電流効率(Current efficiency)、量子効率(Quantum efficiency),色度座標(CIE)を表12に示す。
実施例38〜39
実施例2で合成した2,7−CTPyを4,4′−ジ(カルバゾール−9−N−イル)−1,1′−ビフェニル(CBP)に1wt%(実施例38)と30wt%(実施例39)ドープした有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の構成>
実施例38:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+1wt%2,7−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)
実施例39:TAPC(40nm ホール輸送層)/CBP+30wt%2,7−CTPy(20nm 発光層)/B3PyPB(40nm 電子輸送層)/LiF(1nm 電子注入層)/Al(80nm 陰極)

作製した有機EL素子のエネルギーダイヤグラムを図76に、
ELスペクトルを図77に、
電流密度−電圧特性(直線表示)を図78に
電流密度−電圧特性(対数表示)を図79に
輝度−電圧特性を図80に
電流効率−輝度特性を図81に、
電力効率−輝度特性を図82に、
量子効率−電流密度特性を図83に、
量子効率−輝度特性を図84に示す。
また、100cd/mと1000cd/mにおける電圧(Voltage)、電力効率(Power efficiency)、電流効率(Current efficiency)、量子効率(Quantum efficiency),色度座標(CIE)を表13、表14にそれぞれ示す。
実施例40
1−シアノフェニル−6−〔4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニル)アミノ〕フェニルピレン(1,6−C1NDPPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.45g)、1−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニル)アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol,0.75g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて8時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色粉体(収量0.51g,収率72%)を得た。
実施例41
1−シアノフェニル−6−〔4−(N−ナフタレン−2−イル−N−フェニル)アミノ〕ピレン(1,6−C2NDPPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.45g)、1−(N−ナフタレン−2−イル−N−フェニル)アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol,0.75g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて6時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色粉体(収量0.54g,収率76%)を得た。
実施例42
1−シアノフェニル−6−〔3−メチル−4−(N,N−ジフェニルアミノ)〕フェニルピレン(1,6−CT3MPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.45g)、1−(N,N−ジフェニルアミノ)−2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol,0.69g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて9時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色結晶(収量0.46g,収率69%)を得た。
実施例43
1−シアノフェニル−6−〔2−メチル−4−(N,N−ジフェニルアミノ)〕フェニルピレン(1,6−CT2MPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.48g)、1−(N,N−ジフェニル)アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol、0.69g)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて8時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色結晶(収量0.51g,収率76%)を得た。
実施例44
1−シアノフェニル−6−{4−〔N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル〕アミノ}フェニルピレン(1,6−CT4MPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.48g)、1−〔N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル〕アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol、0.69g)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて8時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色結晶(収量0.53g,収率79%)を得た。
実施例45
1−シアノフェニル−6−{4−〔N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル〕アミノ}フェニルピレン(1,6−CT4MeOPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.48g)、1−〔N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル〕アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol、0.71g)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて8時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色結晶(収量0.48g,収率70%)を得た。
実施例46
1−シアノフェニル−6−{4−〔N−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−N−フェニル〕アミノ}フェニルピレン(1,6−C1N4MeODPPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.45g)、1−〔N−(4−メトキシナフタレン)−1−イル−N−フェニル〕アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol,0.81g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて12時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色粉体(収量0.40g,収率54%)を得た。
実施例47
1−シアノフェニル−6−{4−〔N−(5−メチルナフタレン−2−イル)−N−フェニル〕アミノ}フェニルピレン(1,6−C2N5MDPPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、1−シアノフェニル−6−ブロモピレン(1.19mmol,0.45g)、1−〔N−(5−メチルナフタレン−2−イル)−N−フェニル〕アミノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(1.78mmol,0.77g)を加えた後、トルエン(25mL)を加えた。次いで、水(25mL)に溶解させた炭酸カリウム(3.54mmol,0.49g)を加えて1時間窒素バブリングを行い、更にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13mmol,0.15g)を加えて6時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1⇒2:2)で精製して、黄色粉体(収量0.48g,収率66%)を得た。
実施例48
2−シアノフェニル−7−〔4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニル)アミノ〕フェニルピレン(2,7−C1NDPPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピレン(0.82mmol,0.35g)、1−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニル)アミノ−4−ブロモベンゼン(3.28mmol,1.22g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)で精製して、黄色粉体(収量0.32g、収率65%)を得た。
実施例49
2−シアノフェニル−7−〔4−(N−ナフタレン−2−イル−N−フェニル)アミノ〕フェニルピレン(2,7−C2NDPPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルピレン(0.82mmol,0.35g)、1−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニル)アミノ−4−ブロモベンゼン(3.28mmol,1.22g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)で精製して、黄色粉体(収量0.36g、収率73%)を得た。
実施例50
2−シアノフェニル−7−〔3−メチル−4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕ピレン(2,7−CP3MPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピレン(0.82mmol,0.35g)、3−メチル−4−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンゼン(3.28mmol,1.10g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)で精製して、黄色粉体(収量0.31g、収率68%)を得た。
実施例51
2−シアノフェニル−7−{4−〔N−ナフタレン−1−イル−N−(3−メチルフェニル)〕アミノ}フェニルピレン(2,7−CP1N3MPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピレン(0.82mmol,0.35g)、1−〔N−ナフタレン−1−イル−N−(3−メチルフェニル)〕アミノ−4−ブロモベンゼン(3.28mmol,1.27g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)で精製して、黄色粉体(収量0.29g、収率58%)を得た。
実施例52
2−シアノフェニル−7−{4−〔N−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−N−フェニルアミノ〕フェニル}ピレン(2,7−CP4MeO1NPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピレン(0.82mmol,0.35g)、1−〔N−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−N−フェニル〕アミノ)−4−ブロモベンゼン(3.28mmol,1.33g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)で精製して、黄色粉体(収量0.33g、収率64%)を得た。
実施例53
2−シアノフェニル−7−{4−〔N−(5−メチルナフタレン−2−イル)−N−フェニルアミノ〕フェニル}ピレン(2,7−CP5M1NPy)の合成
四口フラスコ(100mL)に、2−(4−シアノフェニル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピレン(0.82mmol,0.35g)、1−〔N−(5−メチルナフタレン−2−イル)−N−フェニル〕アミノ−4−ブロモベンゼン(3.28mmol,1.27g)を加えた後、トルエン(35mL)を加えた。次いで、水(35mL)に溶解させた炭酸カリウム(2.46mmol,0.34g)を加え、更にテトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.06mmol,0.074g)を加えて24時間還流を行った。その後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧乾燥した。この時、硫酸マグネシウムに発光を示す材料が吸着していたので、ソックスレー抽出(抽出溶媒;トルエン)を行い、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:クロロホルム=1:3⇒1:2)で精製して、黄色粉体(収量0.33g、収率66%)を得た。
1 基板
2 陽極(ITO)
3 発光層
4 陰極
5 正孔(ホール)輸送層
6 電子輸送層
7 正孔(ホール)注入層
8 電子注入層
9 ホールブロック層

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とする置換シアノフェニルピレン誘導体。
    式中、R〜Rは水素及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基からそれぞれ独立して選ばれた基である。Aは下記式(a)で示される基であり、B〜Bは下記式(b)〜(d)で示される基からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R18は水素、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基からそれぞれ独立して選ばれた基である。
  2. 下記一般式(2)で示されることを特徴とする置換シアノフェニルピレン誘導体。
    式中、R〜Rは水素及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基からそれぞれ独立して選ばれた基である。Aは下記式(a)で示される基であり、B〜Bは下記式(b)〜(d)で示される基からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R18は水素、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、及び炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基からそれぞれ独立して選ばれた基である。
  3. 請求項1又は2記載の置換シアノフェニルピレン誘導体からなる発光材料。
  4. 請求項1又は2記載の置換シアノフェニルピレン誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
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