JP2013189396A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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裕史 松下
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Abstract

【課題】酸化防止剤自身が経時劣化しにくく、サリチル酸又はサリチル酸誘導体の酸化安定性が著しく優れ、しかも、低温で保管しても成分が析出しにくい皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】(a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体、(b)フェノール系酸化防止剤を0.001〜0.8質量%、(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンを0.001〜0.8質量%、および(d)有機概念図におけるIOBが0.1以上の油分を含有し、(b)フェノール系酸化防止剤と(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとの配合比(質量比)が1:10〜10:1であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、サリチル酸又はサリチル酸誘導体を含有し、なおかつ光安定性及び低温安定性に優れた乳液等の皮膚化粧料に関する。
サリチル酸又はサリチル酸誘導体は、皮膚に適用することにより角質を剥離又は溶解し、紫外線吸収効果を発揮し、メラニン色素の異常沈着を改善・防止することが見出されており、美白・美容化粧料に広く用いられている(非特許文献1及び特許文献1)。しかし、これらサリチル酸又はサリチル酸誘導体は光照射等によって容易に酸化されることから、長期保管した場合に変色を引き起こすなど、安定性に問題があるとされている(特許文献2)。
酸化による劣化を防ぐために、サリチル酸又はサリチル酸誘導体は、酸化防止剤と組み合わせて用いられるのが一般的である。なかでも、少量でも優れた酸化防止効果を奏することから、トコフェロールやジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等のフェノール系酸化防止剤がしばしば用いられる(非特許文献1)。実際に、これらのフェノール系酸化防止剤を、サリチル酸又はサリチル酸誘導体と組み合わせて用いた化粧料も提案されている(特許文献3)。
しかしながら、トコフェロールやジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール系酸化防止剤は、それら自体が酸化されやすく、経時的に酸化防止効果が弱まるとともに、変色を引き起こし、異臭を発するといった問題があった。また、酸化防止効果の経時的な低減を見越して多量に配合すると、低温で保管した場合に析出してしまうという問題もあった。
かくして、サリチル酸又はサリチル酸誘導体の酸化を抑制すると同時に、酸化防止剤自身の経時的劣化をも抑制することができ、なおかつ、低温での保管安定性にも優れた皮膚化粧料が依然として望まれている。
特許第2722309号公報 特開平8−217660号公報 特開2006−265140号公報
「新化粧品学」第2版、光井武夫編、2001年、南山堂発行、第160〜163頁、174〜175頁
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、酸化防止剤自身が経時劣化しにくく、サリチル酸又はサリチル酸誘導体の酸化安定性が著しく優れ、しかも、低温で保管しても成分が析出しにくい皮膚化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、サリチル酸又はサリチル酸誘導体を含む皮膚化粧料に、トコフェロールやジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール系酸化防止剤と、アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとを配合することにより、サリチル酸又はサリチル酸誘導体の酸化安定性を著しく改善できると同時に、フェノール系酸化防止剤自身の経時的な変色や異臭の発生をも防ぐことができることを見出し、本発明を完成するに至った。特筆すべきは、酸化防止剤として知られるアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンを、フェノール系酸化防止剤と特定の配合量及び配合比にて組み合わせることにより、これらを単独で用いた場合よりも優れた安定化効果が発揮されることである。
また、フェノール系酸化防止剤及びアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンは、一部の油剤との相溶性が悪く、低温保管時に析出する場合があるが、所定の極性油分を配合することにより安定に溶解できることも見出した。
すなわち本発明は、
(a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体、
(b)フェノール系酸化防止剤を0.001〜0.8質量%、
(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンを0.001〜0.8質量%、および
(d)有機概念図におけるIOBが0.1以上の油分
を含有し、(b)フェノール系酸化防止剤と(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとの配合比(質量比)が1:10〜10:1である皮膚化粧料を要旨とするものである。
本発明に係る皮膚化粧料によれば、アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンにより、フェノール系酸化防止剤の経時劣化を抑制することができる。このため、これら2つの成分が協同して相乗的な酸化防止効果を発揮し、サリチル酸又はサリチル酸誘導体をより安定に保つことができ、サリチル酸又はサリチル酸誘導体の角質剥離・溶解除去効果、紫外線吸収効果、及び美白効果を長期にわたって維持することができる。また、アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとフェノール系酸化防止剤とが前述のように協同して相乗的な安定化効果をもたらすことから、酸化防止剤の全配合量を低減することができ、特に低温で発生しがちな酸化防止剤の析出を抑えると同時に、これら自身の劣化による変色や異臭を抑えることができる。
本発明の皮膚化粧料は、(a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体と、(b)フェノール系酸化防止剤と、(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンと、(d)有機概念図におけるIOBが0.1以上の油分とを特定の量及び配合比で含有することを特徴とする。以下、本発明について詳述する。
<(a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体>
サリチル酸又はサリチル酸誘導体は、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において使用できるものであれば特に限定されない。具体的には、サリチル酸、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸、及びこれらの塩等が挙げられる。塩の種類は、製薬学上許容され得る塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩のほか、アンモニウム塩やアミノ酸塩等の塩が挙げられる。
とりわけ、美容効果および入手容易性等の観点から、4−メトキシサリチル酸カリウムを好適に使用することができる。
サリチル酸又はサリチル酸誘導体は1種または2種以上を配合することができる。サリチル酸又はサリチル酸誘導体の配合量は、特に限定されるものでないが、一般的には、皮膚化粧料全量に対して0.001〜10.0質量%であり、好ましくは0.01〜5.0質量%、さらに好ましくは0.1〜3.0質量%である。0.001質量%未満では角質溶解等の美容効果を十分に発揮することが困難であり、一方、10.0質量%を超えて配合しても、配合量の増加に見合った美容効果の向上は認められ難く、却ってべたついた使用感となる傾向がみられ好ましくない。
<(b)フェノール系酸化防止剤>
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及び高分子型フェノール系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、例えばジブチルヒドロキシトルエン等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール系酸化防止剤、テトラキス−[メチレン−3−(3’−,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、及びα−トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤が挙げられる。なかでも、アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンによる劣化防止効果が高いことから、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が好ましい。
フェノール系酸化防止剤の添加量は、皮膚化粧料全量に対して、0.001〜0.8質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%がさらに好ましい。0.001質量%以上であれば、サリチル酸又はサリチル酸誘導体の酸化を十分に抑制できる。一方、0.8質量%より多く配合すると、低温環境下で析出したり、変色や異臭の発生原因となる傾向がある。
<(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノン>
アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンは、以下の構造を有する酸化防止剤である。
市販品としては、BASF社より「TINOGARD LO1(登録商標)」として販売されているものを用いることができる。
アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンの添加量は、皮膚化粧料全量に対して、0.001〜0.8質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%がさらに好ましい。0.001質量%以上であれば、フェノール系酸化防止剤の経時劣化を十分に抑制することができ、その結果、サリチル酸又はサリチル酸誘導体をより安定に保持することができる。一方、0.8質量%より多く配合すると、低温環境下で析出する傾向がある。
<(b)フェノール系酸化防止剤と(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとの配合比>
フェノール系酸化防止剤とアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンによる相乗的な酸化防止効果を引き出し、これらを単独で用いる場合よりも優れた光安定性を実現するには、これら2成分を上記所定量で配合することに加えて、所定の配合比で用いる必要がある。すなわち、フェノール系酸化防止剤:アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンの配合比(質量比)は1:10〜10:1である必要があり、1:2〜2:1であることがより好ましい。配合比が当該範囲から外れると、これら2成分の相乗効果を十分に引き出すことができない場合がある。
<(d)有機概念図におけるIOBが0.1以上の油分>
有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,vol.2,2,pp.163−173(1954)、「化学の領域」vol.11,10,pp.719−725(1957)、「フレグランスジャーナル」,vol.50.pp.79−82(1981)等に説明されている。すなわち、すべての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は、すべてメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、結合様式(単結合、二重結合、三重結合の違い)、環等にそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値、無機性値を求め、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである。有機概念図については、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
有機概念図におけるIOBとは、Inorganic/Organic Balanceの略であって、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち、「無機性値(IV)/有機性値(OV)」を指す。
IOBが0.1以上の油分としては、例えば、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル(IOB=0.2)、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール(IOB=0.52)、イソデシルベンゾエート(IOB=0.23)、ジカプリル酸プロピレングリコール(IOB=0.32)、イソノナン酸イソノニル(IOB=0.2)、2−エチルヘキサン酸セチル(IOB=0.52)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(IOB=0.36)、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット(IOB=0.35)、コハク酸ジ2−エチルヘキシル(IOB=0.32)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、IOBが0.1以上の油分の一種又は二種以上を任意に選択して用いることができる。
IOBが0.1以上の油分の含有量は、皮膚化粧料に含まれる全油相に対して、50質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上である。50.0質量%未満では、十分な低温安定性が得られず、フェノール系酸化防止剤やアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンが析出する場合がある。また、この範囲であれば、べたつく感触を生じにくく、さっぱりとした使用感を与えることができる。
油相には、IOBが0.1未満の油分、すなわち流動パラフィン、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、スクワラン、スクワレン、水添ポリイソブテン等の非極性油分を配合することもできる。しかし、これらの非極性油分にはフェノール系酸化防止剤及びアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンが溶解しにくいため、皮膚化粧料を不安定にしない程度の配合量にとどめる必要がある。
本発明にかかる皮膚化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧料や医薬部外品の分野で通常配合されている各種成分、例えば、界面活性剤、乳化剤、粉末成分、固体油脂、保湿剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、色素、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、防腐剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明にかかる皮膚化粧料は、従来から使用されている方法に準じて製造することができる。例えば、油相成分および水相成分を別途混合して油相および水相をそれぞれ調製し、水相及び油相を混合してホモミキサー等で乳化することにより製造することができる。
本発明にかかる皮膚化粧料の使用用途は、特に限定されるものではないが、特に、顔または身体用の乳液、クリーム、化粧水等、種々の製品に応用することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
実施例に先立ち、本実施例で用いた評価方法を説明する。
[光安定性試験]
被験試料を透明な密閉ガラス容器内に入れ、日光暴露(50メガジュール)を行い、外観を肉眼観察し、下記評価基準により判定した。
(評価基準)
◎ :変色が全く認められない。
○ :僅かな変色が認められるが許容できる程度。
△ :若干の変色が認められる。
× :明らかな変色が認められる。
[低温安定性試験]
被験試料を0℃の恒温槽中に入れ、4週間経過後、外観を肉眼観察し、下記評価基準により判定した。
(評価基準)
○ :析出が全く見られない。
△ :若干の析出が見られる。
× :析出が見られる。
(実施例1〜6および比較例1〜6)
美容活性剤として4−メトキシサリチル酸カリウムを用いて、下記表1に示す組成を有する皮膚化粧料を調製し、これを被験試料として、上記評価基準に従って、光安定性及び低温安定性の評価を行った。評価結果を併せて示す。
注)*1:BASF社製「TINOGARD LO1(登録商標)」
表1に示されるように、ジブチルヒドロキシトルエン及びアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンの両方を所定の量及び配合比で含有する組成物では、十分な光安定性(酸化防止効果)と低温安定性が得られた(実施例1〜4)。これに対し、これら2成分のいずれか一方又は両方を含まない組成物では、4−メトキシサリチル酸カリウム、並びに、含有する場合にはジブチルヒドロキシトルエンが酸化したことによる変色が認められた(比較例1〜3)。特に、実施例1と比較例2及び3との対比から明らかなように、上記2成分の両方を含む場合には、いずれか一方を2成分の合計量よりも多く含む場合よりも優れた光安定性が得られた。このことから、これら2成分が互いに協同して相乗的に優れた酸化防止効果を発揮することがわかる。また、これら2成分を過剰に含む場合には、光安定性は優れていたものの、低温安定性が損なわれてしまった(比較例4)。
また、ジブチルヒドロキシトルエン及びアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンの両方を含有する場合であっても、これらの配合比が1:10〜10:1の範囲外であると、相乗的な酸化防止効果が十分に発揮されないことが確認された(実施例5〜6、比較例5〜6)。
(実施例7〜9および比較例7〜9)
美容活性剤としてサリチル酸を用いて、下記表2に示す組成を有する皮膚化粧料を調製し、これを被験試料として、上記評価基準に従って、光安定性及び低温安定性の評価を行った。評価結果を併せて示す。
注)*1:BASF社製「TINOGARD LO1(登録商標)」
4−メトキシサリチル酸カリウムを用いた場合と同様に、ジブチルヒドロキシトルエン及びアセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンの両方を所定の量で含有する組成物では、十分な光安定性(酸化防止効果)と低温安定性が得られた(実施例7〜9)。これに対し、これら2成分のいずれか一方又は両方を含まない組成物では、サリチル酸、並びに、含有する場合にはジブチルヒドロキシトルエンが酸化したことによる変色が認められた(比較例7〜9)。特に、実施例7と比較例8及び9との対比から明らかなように、上記2成分の両方を含む場合には、いずれか一方を2成分の合計量よりも多く含む場合よりも優れた光安定性が得られていることから、これら2成分が互いに協同して相乗的に優れた酸化防止効果を発揮することがわかる。また、これら2成分を過剰に含む場合には、光安定性は優れていたものの、低温安定性が損なわれてしまった(比較例10)。
以下に、本発明に係る皮膚化粧料の他の処方例を挙げる。これらの処方例によっても前記実施例と同様に良好な光安定性及び低温安定性が得られた。
処方例1(クリーム):
配合成分 配合量(質量%)
イソノナン酸イソノニル 8
ジメチルポリシロキサン 2
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
流動パラフィン 3
ステアリルアルコール 3
ベヘニルアルコール 2
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 4
トレハロース 1
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
親油型モノステアリン酸グリセリン 2
水酸化カリウム 0.015
油溶性甘草エキス 0.1
サリチル酸 0.3
酢酸トコフェロール 0.1
クエン酸ナトリウム 0.2
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.01
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
BHT 0.05
アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノン
0.05
β−カロチン 0.01
カルボキシビニルポリマー 0.05
フェノキシエタノール 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 残余
香料 適量
処方例2(化粧水):
配合成分 配合量(質量%)
エタノール 10
ジプロピレングリコール 1
ポリエチレングリコール1000 1
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
BHT 0.02
アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノン
0.02
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.15
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
塩酸アルギニン 0.1
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
オウゴンエキス 0.1
ユキノシタエキス 0.1
オドリコソウエキス 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.05
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
処方例3(乳液):
配合成分 配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 2
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 4
パルミチン酸オクチル 2
エタノール 3
ベヘニルアルコール 1
グリセリン 3
ジプロピレングリコール 5
1,3−ブチレングリコール 3
ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.1
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
サリチル酸 0.5
BHT 0.1
アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノン
0.05
水酸化カリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
エデト酸二ナトリウム 0.02
キサンタンガム 0.05
サクシノグリカン 0.2
精製水 残量
香料 適量
処方例4(日焼け止め乳液):
配合成分 配合量(質量%)
デカメチルシクロペンタシロキサン 3
メチルフェニルポリシロキサン 3
ベヘニルアルコール 1
1,3−ブチレングリコール 5
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1.5
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
トリメチルグリシン 1
BHT 0.03
アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノン
0.05
4−メトキシサリチル酸カリウム 1
エデト酸3ナトリウム 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.3
フェノキシエタノール 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 残余
香料 適量

Claims (4)

  1. (a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体、
    (b)フェノール系酸化防止剤を0.001〜0.8質量%、
    (c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンを0.001〜0.8質量%、および
    (d)有機概念図におけるIOBが0.1以上の油分
    を含有し、(b)フェノール系酸化防止剤と(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとの配合比(質量比)が1:10〜10:1である皮膚化粧料。
  2. サリチル酸誘導体が4−メトキシサリチル酸カリウムである請求項1記載の皮膚化粧料。
  3. フェノール系酸化防止剤がジブチルヒドロキシトルエンである請求項1または2に記載の皮膚化粧料。
  4. (b)フェノール系酸化防止剤と(c)アセトキシテトラメチルブチルフェニルテトラメチルブチルベンゾフラノンとの配合比が、1:2〜2:1の範囲である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の皮膚化粧料。
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