JP2013187446A - 電解コンデンサおよびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用温度範囲が広く、しかも長寿命の電解コンデンサおよびその製造法を提供する。
【解決手段】コンデンサ素子1と、コンデンサ素子1を収納する外装ケース2と、外装ケース2の開口部を封口する封口弾性部材3と、封口弾性部材3の封口を助勢する封口助勢部材4とを備え、コンデンサ素子1は、陽極化成箔11が広温度帯域箔とされ、対向陰極箔12が広温度帯域箔とされ、セパレータ13が広温度帯域セパレータとされ、電解液が広温度帯域溶媒とされた広温度帯域体素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は電解コンデンサおよびその製造法に関する。さらに詳しくは、使用温度範囲が広く、しかも長寿命の電解コンデンサおよびその製造法に関する。
近時、自動車の電装化の進展に伴い自動車に多数の電子部品が使用されるようになってきている。電解コンデンサもその中の一つである。
車載の電子部品は、一般的には基板に実装されてエンジンルーム内に配設される。エンジンルーム内の温度は、運転中は約150℃にも達するが、停車中は外気温と同程度となる。この外気温は、冬季では氷点下程度にまで低下する。例えば、スキー場などで野ざらし状態とされた場合には、エンジンルーム内の温度は氷点下数十度にまで低下する。
かかる過酷な条件で使用された場合、電解コンデンサの寿命は著しく短くなる。そのため、自動車産業からは、使用温度域が広く、しかも長寿命の電解コンデンサが求められている。
高温で使用されるコンデンサには、高沸点溶媒からなる電解液が使用されているが、かかる電解コンデンサは低温において、イオン伝導性である電解液の導電性が悪化し、等価直列抵抗(以下、ESRと称す)が大きくなる。さらに、高沸点の溶媒は凝固点が高いものも多く、電解液が凝固した場合、コンデンサのESRは極めて悪くなっていた。かかる問題を解決するために、導電性固体と電解液を併用したコンデンサが開発されている。
なお、現在、車載されている電解コンデンサの一例が、特許文献1に示されている。
しかしながら、150℃雰囲気中では電解液の蒸散を十分に防ぐことはできず、寿命が短いという問題がある。また、150℃雰囲気中では封口弾性部材の酸化劣化が早く、これにより電解液の蒸散が加速するとともに、さらに、コンデンサケース内に酸素や水分が浸入するため導電性固体が劣化するという問題もある。
その上、電解コンデンサを急激な温度変化にさらすと、コンデンサケースと封口弾性部材との熱伝導率および線膨張係数の差から隙間ができやすく、電解液の漏洩や密封性が悪化する問題もある。
特開平11−186110号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、使用温度範囲が広く、また急激な温度変化に対しても電解液の漏洩がなく、耐振性があり、しかも長寿命の電解コンデンサおよびその製造法を提供することを目的としている。
本発明の電解コンデンサは、コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納する外装ケースと、該外装ケースの開口部を封口する封口弾性部材と、該封口弾性部材の封口を助勢する封口助勢部材とを備え、前記コンデンサ素子は、陽極化成箔が広温度帯域箔とされ、対向陰極箔が広温度帯域箔とされ、前記陽極化成箔と前記対向陰極箔との間に介装されたセパレータが広温度帯域セパレータとされ、前記コンデンサ素子内部には導電性固体層が形成され、前記コンデンサ素子には広温度帯域溶媒からなる電解液が含浸され、前記封口弾性部材は、広温度帯域封口弾性部材とされ、前記封口助勢部材は、広温度帯域封口助勢部材とされてなることを特徴とする。
本発明の電解コンデンサにおいては、封口助勢部材は、ガラス転移温度が150℃以上、さらに好ましくは200℃以上の熱硬化性樹脂からなるのが好ましい。その場合、封口助勢部材が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、または前記樹脂の変性物からなるものとされてなるのがさらに好ましい。
また、本発明の電解コンデンサにおいては、導電性固体層は導電性高分子からなるのが好ましい。
また、本発明の電解コンデンサの電解液においては、広温度帯域溶媒は、沸点が想定高温度である150℃以上のものとされてなるのが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、γ―ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、もしくはプロピレンカーボネート、または前記溶媒の混合液が好ましい。また、導電性固体層が導電性高分子からなる場合は、分子中に水酸基を含まない溶媒であるγ―ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、もしくはプロピレンカーボネート、または前記溶媒の混合液とされてなるのが特に好ましい。
また、本発明の電解コンデンサにおいては、セパレータが、アラミド、ポリフェニレンサルファィドまたはポリイミドを主成分とする多孔性フィルム、織布、不織布などのフィルムとされてなるのが好ましい。
一方、本発明の電解コンデンサの製造法は、コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納する外装ケースと、該外装ケースの開口部を封口する封口弾性部材と、該封口弾性部材の封口を助勢する封口助勢部材とを備えてなる電解コンデンサの製造法であって、前記コンデンサ素子を、陽極化成箔を広温度帯域箔とし、対向陰極箔を広温度帯域箔とし、前記陽極化成箔と前記対向陰極箔との間に介装されたセパレータを広温度帯域セパレータとして広温度帯域素子に作作成する手順と、前記コンデンサ素子内部に導電性固体層を形成する手順と、前記コンデンサ素子に広温度帯域溶媒からなる電解液を含浸する手順と、前記コンデンサ素子を前記外装ケースに収納する手順と、前記外装ケースの開口部を広温度帯域封口弾性部材により封口する手順と、前記封口弾性部材による封口を広温度帯域封口助勢部材により助勢する手順とを含むことを特徴とする。
本発明の電解コンデンサの製造法においては、封口助勢部材が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、または前記樹脂の変性物からなるものとされ、前記樹脂または前記変性物を熱硬化させる手順を含むのが好ましい。
本発明によれば、低温域から高温域まで安定した特性を維持し、また急激な温度変化に対しても電解液の漏洩がなく、耐振性があり、また高温域での連続使用にも長時間耐え得る電解コンデンサを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの概略図である。 同電解コンデンサのコンデンサ素子の分解斜視図である。 表1の図表である。 表2の図表である。 表3の図表である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
本発明は、広温度帯域陽極箔と広温度帯域対向陰極箔とを耐熱性の広温度帯域セパレータを介して巻き取ることによりコンデンサ素子を作成し、前記コンデンサ素子内部に導電性固体層を形成し、前記導電性固体層が形成されたコンデンサ素子に高沸点の広温度帯域溶媒に溶質として有機酸またはその塩を溶解させた電解液を含浸させて広温度帯域体素子とした後に金属ケースに収納し、開口部を封口する広温度帯域封口弾性部材と、封口弾性部材の封口を助勢する耐熱性の広温度帯域封口助勢部材とを構成要素として備える電解コンデンサおよびその製造法である。
前記製造法によれば、予め導電性固体層を形成することにより、ESRが著しく小さく、しかも低温域でも特性の悪化が小さいコンデンサが提供される。
さらに、コンデンサ素子に溶媒が高沸点の広温度帯域電解液を含浸することにより、電解液の自己修復作用により、高耐圧で、低漏れ電流のコンデンサが提供され、また電解液の蒸散も抑えられるので、高温度での連続使用に耐えうるコンデンサが提供される。
さらにまた、広温度帯域封口弾性部材の上に耐熱性の広温度帯域封口助勢部材を配設することにより、電解液の蒸散を確実に抑えるとともに、封口弾性部材を酸素から遮断することにより、封口弾性部材の劣化も抑えることができ、それにより低温域から高温域まで安定した特性を有し、また寿命の長いコンデンサを提供することができる。
さらに、低温と高温での急激な温度変化があっても、広温度帯域封口助勢部材は外装ケースに密着しており、電解液の漏洩が起こりにくいコンデンサを提供することができる。
さらに、振動が激しい環境下であっても、封口助勢部材によりリード線端子が固定されており、耐振性も向上している。
以下、より詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る電解コンデンサ(以下、単にコンデンサという)を示す。
コンデンサCは、図1に示すように、コンデンサ素子1と、コンデンサ素子1を収納する外装ケース2と、外装ケース2の開口部を封口する封口弾性部材3と、封口弾性部材3の封口を助勢する封口助勢部材4とを主要構成要素として備えてなるものとされる。
コンデンサ素子1は、図2に示すように巻回型素子とされ、陽極化成箔11と、対向陰極箔12と、陽極化成箔11と対向陰極箔12との間に介装されたセパレータ13と、陽極化成箔11に装着された陽極リードタブ14と、対向陰極箔12に装着された陰極リードタブ15と、陽極リードタブ14に接合された陽極リード線16と、陰極リードタブ15に接合された陰極リード線17と、巻き止めテープ18とを含むものとされる。
また、コンデンサ素子1には、図示はされていないが、前述したように、導電性固体層が形成されているとともに、電解液が含浸されている。
陽極化成箔11は、前述したように広温度帯域箔とされる。
ここで、広温度帯域箔とは、一般の電解コンデンサよりも酸化皮膜を厚くする広温度帯域皮膜形成処理により得られた皮膜を有する電極箔をいい、高温時(想定高温時)の皮膜の劣化を抑える特性を有する。
広温度帯域皮膜形成処理は、具体的には、酸化皮膜を形成する化成工程での印加電圧を、定格電圧の1.5倍以上、好ましくは、1.7倍以上3倍以下として皮膜を形成する処理とされる。
対向陰極箔12は、前述したように広温度帯域箔とされる。
ここで、広温度帯域箔とは、通常の陰極箔に、熱処理や化成処理などにより薄い酸化アルミニウムの保護皮膜を形成させたものをいう。
熱処理は、400℃以上600℃以下で30分以上、好ましくは60〜120分熱処理することによりなされる。
また、化成処理は印加電圧を0.5V以上、好ましくは1〜3Vとすることによりなされる。
セパレータ13は、前述したように広温度帯域セパレータとされる。
ここで、広温度帯域セパレータとは、150℃の高温度(想定高温度)にも耐えうる素材からなるものであり、例えばアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどを主成分とする多孔性フィルム、織布、不織布などのフィルムとされる。
陽極リードタブ14、陰極リードタブ15、陽極リード線16、陰極リード線17および巻き止めテープ18は、公知のものと同様とされている。
封口弾性部材3は、前述したように広温度帯域封口部材とされる。封口弾性部材3には、陽極リードタブ14および陰極リードタブ15が挿通される透孔が表面から裏面に向けて貫通形成されている。
ここで、広温度帯域封口弾性部材とは、150℃程度の高温度(想定高温度)でも分解による劣化が進みにくい、例えばシリコーンゴム、ブチルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどからなるものとされる。このとき、気体透過性の大きい広温度帯域封口弾性部材であっても、封口助勢部材によって、電解液は蒸散しにくい。
封口助勢部材4は、前述したように広温度帯域封口助勢部材とされる。
ここで、広温度帯域封口助勢部材とは、ガラス転移温度が想定高温度である150℃以上の熱硬化性樹脂であり、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはそれらの変性物からなるものとされる。エポキシ樹脂は予め脱塩素処理し、塩素濃度が3000ppm以下のものが好ましい。
また、広温度帯域封口助勢部材は硬化による体積収縮や線膨張係数が小さいものが好ましい。このような広温度帯域封口助勢部材を用いることで、外装ケースやリード線端子との剥離が起こりにくくなり、より寿命が長く、信頼性の高いコンデンサとなる。
電解液に使用される溶媒は、前述したように広温度帯域溶媒とされる。なお、電解液の溶質は、有機酸またはその塩とされる。
広温度帯域溶媒は、具体的には、沸点が想定高温度である150℃以上の溶媒とされ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、γ―ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネートなどとされる。
コンデンサ素子内部に形成される導電性固体層は、例えば、二酸化マンガン、カーボン、導電性高分子などからなるものとされる。ここで、導電性高分子はポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、またはそれらの誘導体とされる。
導電性高分子は、例えば、コンデンサ素子1を酸化剤およびモノマー溶液に浸漬することにより形成することができ、また、コンデンサ素子1をドーパントが混合されたモノマー溶液に浸漬した後、電解重合を行うことによっても形成することができ、あるいは、コンデンサ素子1に導電性高分子の溶解液、分散液を含浸し、その後乾燥させることによっても形成することができる。
導電性固体層が導電性高分子からなる場合、電解液の溶媒はγ―ブチロラクトン、スルホラン、プロピレンカーボネートが好ましい。これらの溶媒は沸点が高いために、より寿命が長いだけでなく、分子中に水酸基を含まないことから電解液中の有機カルボン酸とのエステル化反応による水分の発生がないため、コンデンサケース内部の圧力が上がりにくくケースの膨らみによる変形が抑制される。また、水分により促進される導電性高分子の脱ドープを抑制でき、長期にわたって広温度帯域での特性が維持される。
外装ケース2は、公知のものと同様とされている。
次に、かかる構成とされたコンデンサCの製造法について説明する。
手順1:前述した処理方法により陽極化成箔11、対向陰極箔12、およびセパレータ13をそれぞれ調整する。
手順2:陽極化成箔11および対向陰極箔12のそれぞれに陽極リード線16が接合された陽極リードタブ14および陰極リード線17が接合された陰極リードタブ15を装着する。
手順3:陽極化成箔11、対向陰極箔12、およびセパレータ13を巻回してコンデンサ素子1とする。
手順4:コンデンサ素子1に導電性固体層を定法により形成する。
手順5:コンデンサ素子1に溶媒が広温度帯域溶媒とされた電解液を含浸させ広温度帯域体素子とする。
手順6:コンデンサ素子1を外装ケース2に収納する。
手順7:封口弾性部材3をセットする。
手順8:外装ケース2の封口弾性部材3のほぼ中央に対応する箇所を横かしめする。
手順9:外装ケース2の開口先端部をカールする。
手順10:開口部に熱硬化性の封口助勢部材4を充填する。
手順11:封口助勢部材4に加熱処理を行い熱硬化させる。
以上の手順によりコンデンサCが得られる。
このようにして得られたコンデンサCは、耐振性があり、コンデンサ素子1が広温度帯域体素子とされているので、広い温度範囲において安定した特性を示すとともに、寿命が長いという特徴を有している。また、外装ケースを横かしめしているため、熱硬化性樹脂の硬化時に溶融した樹脂がケース内に浸入することがなく、封口弾性部材の変形や位置ズレが起こりにくい。また、外装ケースの開口先端部をカールしているため、密閉度が向上し、封口弾性部材や封口助勢部材の外装ケースからの飛び出しが起こりにくい。また、硬化前に予めカールを行うことで、封口助勢部材の充填量にバラツキが生じても、コンデンサの寸法への影響は抑制される。
以下、より具体的な例により本発明をより具体的に説明する。
実施例1
耐電圧55Vの誘電体皮膜を有する陽極箔と、酸化アルミの薄膜を形成させた対向陰極箔とからなる一対の電極箔を、アラミドを主成分とするセパレータを介して巻回して、完成寸法(外装ケースに収納した状態でのコンデンサの外形寸法)がφ10mm×H12.5mmとなる、定格35V−150μFのコンデンサ素子を形成した。
得られたコンデンサ素子を、ドーパント剤を含有するポリエチレンジオキシチオフェン粒子が水に分散された分散液(濃度:10質量%)に、25℃で1分間、89kPaの減圧下で浸漬し、分散液をコンデンサ素子に含浸させた。
分散液をコンデンサ素子に含浸後、コンデンサ素子を分散液から取り出し、ついで125℃の乾燥炉に入れてコンデンサ素子を乾燥させコンデンサ素子に導電性高分子、つまり導電性固体層を形成した。
しかる後、導電性固体層を形成させたコンデンサ素子を、ボロジサリチル酸トリメチルアミンを含有するγ―ブチロラクトン電解液(濃度:18質量%)に、25℃で10秒間浸漬して電解液をコンデンサ素子に含浸させた。
このようにして導電性固体層が形成され、かつ電解液が充填されたコンデンサ素子をアルミニウム製外装ケースに収納した。ついで、アルミニウム製外装ケースの開口部にブチルゴムのゴムパッキング(封口弾性部材)を装着し、ほぼゴムの中央に横かしめを施した。さらに、開口部先端をカールし、ゴムパッキングとケース先端部の隙間に二液性のエポキシ樹脂を充填した。しかる後100℃×2時間+150℃×4時間高温槽なかで加熱して樹脂を硬化させ封口助勢部材とした。
ついで、定格電圧の1.15倍の電圧を印加しながら、約125℃で約1時間エージングすることにより、電解コンデンサを作成した。
実施例2
耐電圧10Vの誘電体皮膜を有する陽極箔と、酸化アルミの薄膜を形成させた対向陰極箔とからなる一対の電極箔を、アラミドを主成分とするセパレータを介して巻回して、完成寸法がφ10mm×H12.5mmとなる、定格6.3V−100μFのコンデンサ素子を形成した。
得られたコンデンサ素子に、ピロールのモノマーを含浸し50℃でピロールを蒸発させた後、過硫酸アンモニウム水溶液を含浸し、ポリピロールを形成させた後、コンデンサ素子内に残留する不純物を除去するために約1時間、純水にて洗浄した。ついで、コンデンサ素子を100℃の乾燥炉に入れ、約1時間乾燥して導電性高分子、つまり導電性固体層を形成した。
しかる後、導電性固体層を形成させたコンデンサ素子を、ボロジサリチル酸トリメチルアミンを含有するスルホラン電解液(濃度:18質量%)に25℃10秒間浸漬し、電解液をコンデンサ素子に含浸させた。
このようにして導電性固体層が形成され、かつ電解液が充填されたコンデンサ素子をアルミニウム製外装ケースに収納した。ついで、アルミニウム製外装ケースの開口部にブチルゴムのゴムパッキング(封口弾性部材)を装着し、ほぼゴムの中央に横かしめを施した。さらに、開口部先端をカールし、ゴムパッキングとケース先端部の隙間に二液性のエポキシ変性イミド樹脂を充填した。 しかる後120℃×1時間+150℃×4時間高温槽なかで加熱し、樹脂を硬化させ封口助勢部材とした。
ついで、定格電圧の1.15倍の電圧を印加しながら、125℃で約1時間エージングすることにより、電解コンデンサを作成した。
比較例1
素子内部に導電性高分子、つまり導電性固体層を形成させない以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作成した。
比較例2
セルロースを主成分とするセパレータを使用した以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作成した。
比較例3
ゴムパッキングとして天然ゴムを使用した以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作成した。
比較例4
封口助勢部材として2液性ウレタン樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作成した。
比較例5
電解液の溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテルを使用した以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作成した。
比較例6
封口助勢部材を使用せずにゴムパッキングのみで封口した以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作成した。
前記のようにして作成した実施例1−2および比較例1−5各電解コンデンサについて−55℃および+150℃おける静電容量(測定周波数:120Hz)およびESR(測定周波数:100kHz)を測定した。
また、実施例1−2および比較例1−5の各電解コンデンサを用いて半田耐熱性試験(ピーク温度265℃、200℃以上に曝される時間70秒)を行った後、150℃で1000時間定格電圧を印加した後の静電容量およびESRを前記と同様の条件で測定した。
試験例および比較試験例の結果を表1に示す。
表1により、実施例1−2の方が比較例1−5より広い温度範囲において安定した特性を示しているのが理解される。
次に実施例1および比較例6の電解コンデンサについて、−55℃×30分、+150℃×30分を交互に投入する冷熱衝撃試験を1000サイクル繰り返した後の電解液の漏れを観察し、その結果を表2に示す。
表2により、実施例1の方が熱衝撃の膨張、収縮による封口性の劣化が殆どないことが理解される。
次に実施例1および比較例6の電解コンデンサについて、最大加速度30G、最大全振幅 5mm、振動周波数5Hz〜2000Hz、往復20分、X,Y.Z方向に各2時間の振動試験を行ったときの端子折れの数を表3に示す。
表3により、実施例1の方が、リード端子が封口助成部材により固定されるので、より耐震性に勝れていることが理解される。
本発明は、自動車産業に適用できる。
1 コンデンサ素子
2 外装ケース
3 封口弾性部材
4 封口助勢部材
11 陽極化成箔
12 陰極化成箔
13 セパレータ
14 陽極リードタブ
15 陰極リードタブ
16 陽極リード線
17 陰極リード線
18 巻き止めテープ
C コンデンサ

Claims (8)

  1. コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納する外装ケースと、該外装ケースの開口部を封口する封口弾性部材と、該封口弾性部材の封口を助勢する封口助勢部材とを備え、
    前記コンデンサ素子は、陽極化成箔が広温度帯域箔とされ、対向陰極箔が広温度帯域箔とされ、前記陽極化成箔と前記対向陰極箔との間に介装されたセパレータが広温度帯域セパレータとされた広温度帯域体素子とされ、
    前記広温度帯域体素子には固体電解質層が形成され、
    前記広温度帯域体素子には広温度帯域溶媒からなる電解液が含浸され、
    前記封口弾性部材は、広温度帯域封口弾性部材とされ、
    前記封口助勢部材は、広温度帯域封口助勢部材とされてなる
    ことを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記封口助勢部材は、ガラス転移温度が150℃以上からなることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記封口助勢部材が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、または前記樹脂の変性物からなるものとされてなることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記固体電解質層は導電性高分子からなる請求項1から3のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
  5. 電解液の溶媒が、γ―ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、もしくはプロピレンカーボネート、または前記溶媒の混合物とされてなることを特徴とする請求項4に記載の電解コンデンサ。
  6. セパレータが、アラミド、ポリフェニレンサルファィドまたはポリイミドを主成分とする多孔性フィルム、織布、不織布などのフィルムとされてなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
  7. コンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納する外装ケースと、該外装ケースの開口部を封口する封口弾性部材と、該封口弾性部材の封口を助勢する封口助勢部材とを備えてなる電解コンデンサの製造法であって、
    前記コンデンサ素子を、陽極化成箔を広温度帯域箔とし、対向陰極箔を広温度帯域箔とし、前記陽極化成箔と前記対向陰極箔との間に介装されたセパレータを広温度帯域セパレータとして広温度帯域体素子に作成する手順と、
    前記コンデンサ素子内部に導電性固体層を形成する手順と、
    前記コンデンサ素子に広温度帯域溶媒からなる電解液を含浸する手順と、
    前記コンデンサ素子を前記外装ケースに収納する手順と、
    前記外装ケースの開口部を広温度帯域封口弾性部材により封口する手順と、
    前記封口弾性部材による封口を広温度帯域封口助勢部材により助勢する手順
    とを含むことを特徴とする電解コンデンサの製造法。
  8. 封口助勢部材が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、または前記樹脂の変性物からなるものとされ、前記樹脂または前記変性物を熱硬化させる手順を含むことを特徴とする請求項7に記載の電解コンデンサの製造法。
JP2012052749A 2012-03-09 2012-03-09 電解コンデンサおよびその製造法 Pending JP2013187446A (ja)

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