JP2013187345A - 化合物半導体エピタキシャルウェハ及び化合物半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレーナドープの高性能性を保持したまま特性変動を抑制できる化合物半導体装置を提供する。
【解決手段】基板上に少なくともバッファ層、下層電子供給層、電子走行層、上層電子供給層、ショットキー層、コンタクト層を順次形成したダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハにおいて、前記上層電子供給層および前記下層電子供給層には、n型不純物のプレーナドープ層が形成され、且つ、前記上層電子供給層のプレーナドープ層が2層以上に分割されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体エピタキシャルウェハからなる化合物半導体装置に関するものである。
GaAs(ガリウム砒素)などの化合物半導体は、Si(シリコン)半導体に比べて電子移動度が高いという特長があり、高速動作や高効率動作を要求される化合物半導体装置に多く用いられている。代表例としては、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electoron Mobility Transistor)(以下、HEMT)が挙げられる。HEMTは、低歪で超高速動作が可能であり、主に携帯電話、無線LANなどの受信部のローノイズアンプや送信部のパワーアンプ、送受信を切り替えたり通信方式を切り替えたりするアンテナスイッチに用いられている。
HEMTの構造上の特徴として、従来から使用されている電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)に対し、より高速動作ができるように電子を供給する領域(電子供給層)と電子が走行する領域(チャネル層又は電子走行層)を分離した構造となっている。更に、電子走行層(チャネル層)と電子供給層は、材料が異なるためバンドギャップや、電子親和力が異なり、これらヘテロ接合界面には伝導帯不連続が生じ、一種の量子井戸が形成される。ここに電子が有効的に閉じこめられ、いわゆる二次元電子ガスが形成される。二次元電子ガスが存在する電子走行層(チャネル層)側にはイオン化不純物が存在しないため、低温から室温にわたって、より高い移動度を示すことができる。
HEMT構造エピタキシャルウェハの基本構造は、基板上に、電流リークを防止すると共に歪を緩衝するためのバッファ層、電子が走行する電子走行層(チャネル層)、電子を供給する電子供給層、ショットキー電極と接し耐圧をとるためのショットキー層、更にその上に電極となる金属との接触抵抗を小さくするためにn型のキャリアを高濃度にドープしたコンタクト層を順に積層したものである。
また、上記シングルへテロ型のHEMT構造に代わり、電子供給層をチャネル層の上下に設け、多くの電流を供給することができるダブルへテロ型とすることができる。基本的なダブルへテロ型のエピタキシャルウェハ断面構造を図3に示す。半絶縁性の基板1上に電流のリークや歪を抑制するバッファ層2、基板側から電子走行層(チャネル層)へキャリアを供給する下層(基板側)電子供給層3、電子供給層から供給されたキャリアが走行する電子走行層(チャネル層)4、ゲート側からキャリアを供給する上層(ゲート電極側)電子供給層5、ワイドギャップ化や低キャリア濃度化により耐圧を持たせゲート電極を形成するショットキー層6、ナローギャップ化や高キャリア濃度化により接触抵抗を下げてソース電極およびドレイン電極を形成するコンタクト層7を順に積層している。その後、ショットキー層6上にゲート電極9を、コンタクト層7上にソース電極8及びドレイン電極10を形成し、図4のようなダブルへテロ型の化合物半導体装置となる。
もう少し具体的に記すと、以下の構造を主な例としてあげることができる。
前述のバッファ層2は、アンインテンショナリードープのGaAs層とAlxGa(1-x)As層(但し0<x<1)を交互にそれぞれ数nm〜数十nm積層してなる。電子走行層(チャネル層)4は、InxGa(1-x)As層(但し0<x<1)で構成される。但し、InGaAs層はGaAsに格子整合しないため、格子緩和が発生しない程度の組成、膜厚が用いられる。前述の電子走行層(チャネル層)4を上下両側から挟み込むように形成される電子供給層(下層(基板側)電子供給層3、上層(ゲート電極側)電子供給層5)は、高濃度のn型AlxGa(1-x)As層(但し0<x<1)を数十nm、若しくはSiプレーナドープ層が積層されてなり、ショットキー層6は、ノンドープ若しくは低濃度のn型AlxGa(1-x)As層(但し0<x<1)を数十nm積層してなる。コンタクト層7としては、高濃度にSiをドーパントしたn型GaAs層若しくは、近年ではより接触抵抗を下げるためにTe又はSeをドーパントしたn型InxGa(1-x)As層(但し0<x<1)を用いることもある。
このような薄膜多層構造は、有機金属気相成長法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy、MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)や分子線成長法(MBE:Metal Beam Epitaxy)などの方法により形成することができる。
有機金属気相成長法は、固体或いは液状の有機金属原料をガス化して供給し、昇温した基板上で熱分解、化学反応させて、その上に薄膜結晶をエピタキシャル成長させる方法である。分子線成長法は、超真空中で結晶の構成元素をそれぞれ別々のルツボから蒸発させ、分子線の形で昇温させた基板上に供給し、その上に薄膜結晶をエピタキシャル成長させる方法である。
これらの方法により化合物半導体基板上に結晶成長させた薄膜多層構造のエピタキシャルウェハに対して、パターン形成、エッチング、電極形成、保護膜形成やパッケージングなどの加工工程を経て、図4に示すような化合物半導体装置が作製される。
特開平8−316461号公報
前述の電子供給層として、均一ドープ構造に替えてプレーナドープ構造を用いると、電子供給層が高濃度薄層化するので、単純に相互コンダクタンス(Gm)が増大する。均一ドープ構造と同じスレッショルド電圧(Vth)に揃えても、実効的にショットキー層(ゲート電極から電子供給層までの距離)を厚くすることができ、デバイス特性として重要なゲート耐圧が向上するとともに、ゲートソース間の静電容量を下げられることから最大遮断周波数(Ft)、最大発振周波数(Fmax)や最小雑音指数(NFmin)が改善される。
しかしながら、弛まない特性向上を日々要求されており、更なる改善を果たすためには、飽和電流(Idss)の増大やオン抵抗の低減が重要になってきた。この改善には、電子移動度の向上やプレーナドープ量の増加が必要になる。
しかし、電子移動度の向上は、主にオン抵抗の低減につながるが、現時点ではアンドープバルク結晶中の移動度に近づいてきており、物理的な限界が見えてきている。
一方、プレーナドープ量の増大は、比較的簡単に行うことができるが、問題点としては、単純にドーピング濃度を増やしすぎると、デバイス動作中にゲート近傍で電界の集中が起こり、ブレークダウンする等、特性変動や信頼性低下に繋がる問題を引き起こしやすくなる。
従来、この対処法として、プレーナドープ量の増大に伴い、電子供給層中のプレーナドープ層を適度に分割することで、1層あたりのドープ濃度を下げ、電界の集中を抑制していた。
しかしながら、上記の方法はシングルへテロ型の場合には効果があるものの、プレーナドープ層が電子走行層(チャネル層)の上下にあるダブルへテロ型の場合、電子供給層中のプレーナドープ層の分割の仕方によっては、ゲートの閾値電圧が深くなりすぎてしまうという問題がでていた。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、オン抵抗を低減したダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハ及び化合物半導体装置を提供することである。
上記課題を達成するために創案された本発明は、基板上に少なくともバッファ層、下層電子供給層、電子走行層、上層電子供給層、ショットキー層、コンタクト層を順次形成したダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハにおいて、前記上層電子供給層および前記下層電子供給層には、n型不純物のプレーナドープ層が形成され、且つ、前記上層電子供給層のプレーナドープ層が2層以上に分割されていることを特徴とする化合物半導体エピタキシャルウェハである。
n型不純物がSiであると良い。
上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層1層あたりのドナー濃度が1.5×1012cm-2以下であると良い。
上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層1層あたりのドナー濃度が1.0×1012cm-2以下であっても良い。
上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層が4層以下で分割されていると良い。
上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層が2層に分割されていても良い。
上層電子供給層の分割された隣りあうプレーナドープ層間の間隔が5分子層以下であると良い。
上層電子供給層の分割された隣りあうプレーナドープ層間の間隔が2分子層以下であっても良い。
上層電子供給層のプレーナドープ量の総量PD1と下層電子供給層のプレーナドープ量の総量PD2との比が、
1.5≦PD1/PD2≦2.5
であると良い。
上記の化合物半導体エピタキシャルウェハに、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを形成した化合物半導体装置である。
本発明によれば、ダブルへテロ型HEMT構造の化合物半導体装置において、プレーナドープの高性能性を保持したまま特性変動を抑制できる。
本発明を適用した化合物半導体エピタキシャルウェハの一例を示す図である。 本発明を適用した化合物半導体エピタキシャルウェハの一例を示す図である。 ダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハ断面構造を説明する図である。 ダブルへテロ型の化合物半導体装置を説明する図である。 プレーナドープ層の分割数と電子移動度の規格化値との関係を示す図である。 分割された隣りあうプレーナドープ層間の間隔 (分子層数)と周波数の関係を示す図である。
上述したように、電子供給層中のプレーナドープ層の異常拡散を抑制するために、プレーナドープ層を分割して1層中の濃度を低くすることが提案されるが、ダブルへテロ型のHEMT構造の場合、上下の電子供給層中のプレーナドープ層を分割してしまうと、電子の拡散は抑制できるものの、ゲート側の閾値電圧が深くなってしまうという問題があった。
そこで本発明者らは、この問題を解決すべく、検討を重ね、後述の構成とすることで、電子の供給と異常拡散の抑止とを両立し、且つ特性変動を抑制したダブルヘテロ型の化合物半導体装置を提供することが可能であることを突き止めた。
本発明は、基板上に少なくともバッファ層、下層電子供給層、電子走行層、上層電子供給層、ショットキー層、コンタクト層を順次形成したダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハにおいて、前記上層電子供給層および前記下層電子供給層中にプレーナドープ層を有しており、下層(基板側) 電子供給層中のプレーナドープ層は分割せずに(1層とし)、上層(ゲート電極側)の同一の電子供給層中のプレーナドープ層のみを2層以上のプレーナドープ層に分割したダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハである。
上述のように、上層(ゲート電極側) 電子供給層中のキャリア供給を担うプレーナドープ層を2層以上に分割することで、特性向上のためにプレーナドープ量を増やしても、1層あたりのドープ濃度を異常拡散が起こらない濃度に抑えられるため、電子の供給と異常拡散の抑止とを両立することができる。
また、下層(基板側) 電子供給層中のキャリア供給を担うプレーナドープ層については、一般に分割しない状態での上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層よりキャリア濃度は低いが、下層(基板側)のプレーナドープ層を分割してしまうと、単に閾値電圧が深くなり実用的ではないため、キャリア濃度を制限することで、電界の集中を防ぎ、下層(基板側)の電子供給層は分割せずに用いる。
下層(基板側)の電子供給層のプレーナドープ量を制限すると、必要なシートキャリア濃度の確保が難しい場合が出てくるが、その場合には、上層(ゲート電極側)の電子供給層のプレーナドープ量を本発明の規定範囲内で適宜増やして、回避できる。この場合にも、上述のような効果を得ることができる。
ここで、本発明の化合物半導体エピタキシャルウェハとしては、一般的にGaAs系と呼ばれるGaAs基板に格子整合若しくは擬似的に格子整合した材質を用いたものや、InP系と呼ばれるInP基板に格子整合若しくは擬似的に格子整合した材質を用いたものが挙げられる。
GaAs系化合物半導体エピタキシャルウェハとしては、ガリウム砒素(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)、インジウムガリウム砒素(InGaAs)、インジウムガリウム砒素リン(InGaAsP)、インジウムアルミニウム砒素リン(InAlAsP)、インジウムアルミニウムガリウム砒素リン(InAlGaAsP)のいずれか複数若しくは全てを含むものを用いることができる。
InP系化合物半導体エピタキシャルウェハとしては、インジウムリン(InP)、インジウムガリウム砒素(InGaAs)、インジウムアルミニウム砒素(InAlAs)、インジウムアルミニウムガリウム砒素(InAlGaAs)、インジウムガリウム砒素リン(InGaAsP)、インジウムアルミニウム砒素リン(InAlAsP)、インジウムアルミニウムガリウム砒素リン(InAlGaAsP)のいずれか複数若しくは全てを含むものを用いることができる。
プレーナドープ層のn型不純物としては、シリコン(Si)、スズ(Sn)、イオウ(S)、セレン(Se)、テルル(Te)のいずれか若しくは複数を用いることができるが、特に通常拡散しにくいSiを用いた場合は、熱や高電界に対しても拡散し難いので、その効果が大きい。逆にSn、S、Se、Teでは、元々拡散しやすいので、Siを好適に用いることができる。
上層(ゲート電極側)の電子供給層プレーナドープ量が増えるに従い、動作後の電子移動度が低下するので、上層電子供給層内で分割したプレーナドープ層1層あたりのドナー濃度が1.5×1012以下であることが好ましい。このドナー濃度であれば効果を見出すことができるが、理想としては、デバイス動作を行っても移動度が変化しないことが望ましいので、分割されたプレーナドープ層1層あたりのドナー濃度が1.0×1012以下であることがより好ましい。ここまでドナー濃度を下げると、評価条件によるが、厳しい加速試験を行わない限り、ほとんど特性変動が見られなくなる。
また、上層(ゲート電極側)電子供給層のプレーナドープ層の分割数を限定することにより、より大きな効果を得ることができる。実際には、図5に示すように、プレーナドープ層の分割数が増えるにつれて均一ドープ構造の特性に近づくと共に電子移動度が低くなり、4層よりも多く分割すると、均一ドープ層との差が見えなくなり効果がない。また、好ましくは、よほど多くの電子供給を要求されなければ、通常の使用範囲においては、プレーナドープ層を2層に分割すると、大きな効果が得られる。
さらに、図6に示すように、上層(ゲート電極側)電子供給層内の隣りあうプレーナドープ層間の間隔(分子層数)、つまり、分割されたプレーナドープ層間に存在するスペーサ層数が多くなるにつれて均一ドープ構造の特性に近づくとともに最大遮断周波数(Ft)が低くなり、隣りあうプレーナドープ層間の間隔(分子層数)を5分子層(ML)以下にしないと、十分に電子を供給できなくなり、均一ドープ構造と特性差がなくなる。より具体的には、閾値電圧とシートキャリア濃度の関係が変わり、閾値電圧を好適に合わせようとすると、シートキャリア濃度が低下する、というような関係になってしまう。
なお、上層(ゲート電極側)電子供給層内のプレーナドープ層を2層に分割した場合には、同一の電子供給層内の隣りあうプレーナドープ層間の間隔(分子層数)、つまり、分割されたプレーナドープ層のうち、隣りあうプレーナドープ層間に存在するスペーサ層数を5分子層以下から更に2分子層以下、より好ましくは1分子層以下(分割を前提にするので最小分割の単位は1分子層まで)とすると、より大きい効果を得られる。
また、上層(ゲート電極側)電子供給層中の分割されたプレーナドープ層のプレーナドープ総量(PD1)と下層(基板側)電子供給層中のプレーナドープ層のプレーナドープ総量(PD2)との比を、
1.5≦PD1/PD2≦2.5
とすることが好ましい。さらに、この比が2近傍であると、上層と下層のプレーナドープ層がより多くのシートキャリア濃度を得ることができるとともに、浅い閾値電圧とすることができ、総合コンダクタンスなどのトランジスタ特性が大幅に改善される。
一方、上層と下層のプレーナドープ層のドープ総量比が1.5よりも小さくなると、上層(ゲート電極側)電子供給層と同じシートキャリア濃度を確保するためには、下層(基板側)電子供給層のプレーナドープ量を相対的に増やす必要があるが、そうすると、閾値電圧が深くなり、実用的でないためである。また、この比が2.5を越えると、下層(基板側)電子供給層と同じシートキャリア濃度を確保するためには、上層(ゲート電極側)電子供給層のプレーナドープ量が相対的に増やす必要があるが、そうすると、ゲート耐圧の悪化を招き、実用的でない。
以下に、本発明を適用した化合物半導体エピタキシャルウェハの具体例を説明する。
図1は、GaAs基板上に成長させた化合物半導体エピタキシャルウェハの断面構造を示す図である。
この化合物半導体エピタキシャルウェハは、半絶縁性のGaAs基板20上に、アンドープGaAsからなるバッファ層21、アンドープAlxGa(1-x)As(0<x<1)スペーサ層とn型不純物のプレーナドープ層とアンドープAlxGa(1-x)As(0<x<1)スペーサ層からなる下層(基板側)電子供給層22、アンドープInxGa(1-x)As(0<x<1)からなる電子走行層(チャネル層)23、アンドープAlxGa(1-x)As(0<x<1)からなるスペーサ層とn型不純物のプレーナドープ層と、アンドープAlxGa(1-x)As(0<x<1)からなるスペーサ層の組合せを2組重ねた上層(ゲート電極側)電子供給層24、アンドープAlxGa(1-x)As(0<x<1)からなるショットキー層25、n型の高濃度GaAsからなるコンタクト層26を順次積層して構成される。
上層(ゲート電極側)電子供給層24のプレーナドープ層は、2層のn型不純物のプレーナドープ層の間にアンドープAlxGa(1-x)As(0<x<1)スペーサ層を挿入した2分割構成とする。n型不純物のプレーナドープ層には、Siを適用し、ドナー濃度1.5×1012以下に設定する。また、コンタクト層26の不純物ドーパントにもSi不純物を適用する。なお、隣りあうプレーナドープ層間の間隔 (分子層数)は2分子層とする。
図2は、InP基板上に成長させた化合物半導体エピタキシャルウェハの断面構造を示す図である。
この化合物半導体エピタキシャルウェハは、半絶縁性のInP基板30上に、アンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)からなるバッファ層31、アンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)スペーサ層とn型不純物のプレーナドープ層とアンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)スペーサ層からなる下層(基板側)電子供給層32、アンドープInxGa(1-x)As(0<x<1)からなる電子走行層(チャネル層)33、アンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)からなるスペーサ層とn型不純物のプレーナドープ層とアンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)からなるスペーサ層の組合せを2組重ねた上層(ゲート電極側)電子供給層34、アンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)からなるショットキー層35、n型InxGa(1-x)As(0<x<1)からなるコンタクト層36を順次積層して構成される。
図1、図2に示した化合物半導体エピタキシャルウェハにパターン形成、エッチングを施した後、ショットキー層上にゲート電極を、コンタクト層上にソース電極及びドレイン電極を形成し、化合物半導体装置が作製される。
上層(ゲート電極側)電子供給層34のプレーナドープ層は、2層のn型不純物のプレーナドープ層の間にアンドープInxAl(1-x)As(0<x<1)スペーサ層を挿入した2分割構成とする。n型不純物のプレーナドープ層には、Siを適用し、ドナー濃度1.5×1012以下に設定する。また、コンタクト層36の不純物ドーパントにもSi不純物を適用する。なお、隣りあうプレーナドープ層間の間隔(分子層数)は2分子層とする。
図5は、上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層の分割数と、電子移動度の関係を示す図である。これより、上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層の分割数が増えるにつれて、電子移動度が低下し、均一ドープ層の特性に近づくことが分かる。よって、上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層の分割数は、2分割以上4分割以下が好適な範囲であることが分かる。また、本発明においては、上述のように、閾値電圧を安定的に保つため、プレーナドープ層を分割するのは、上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層のみとすることが好適である。
図6は上記のように、上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層を2分割した場合の、隣りあうレーナドープ層間の間隔 (分子層数)と最大遮断周波数(Ft)との関係を示したものである。隣りあうプレーナドープ層間の間隔(分子層数)が広がるにつれて、最大遮断周波数(Ft)が低下し、均一ドープ層の特性に近づくことが分かる。よって、上層(ゲート電極側)電子供給層中の分割されたプレーナドープ層のうち、隣りあうプレーナドープ層間の間隔(分子層数)は5分子層以下、更に2分子層以下とすることが好ましく、1分子層とした場合が、最大遮断周波数(Ft)が高いことがわかる。
以上より、本発明のダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハからなる化合物半導体装置において、上層(ゲート電極側)および下層(基板側)電子供給層にプレーナドープ層を用い、特性向上のためにプレーナドープ量をある量以上に増量したときに起こる特性変動の問題を、下層(基板側)電子供給層のプレーナドープ層は分割せず、ドープ量を電界集中が起こらない程度に制限するとともに、上層(ゲート電極側)電子供給層中のプレーナドープ層を2層以上に分割することにより解決し、高性能性を保持したまま特性変動を抑制した化合物半導体装置を提供できる。
また、本発明の化合物半導体装置によれば、特性を保持したまま、素子を小型化することができるため、スマートフォンなど、多機能でありながら容積が限定されてしまうような高性能な携帯端末において、非常に有利となる。
1 半絶縁性基板
2 バッファ層
3 下層(基板側)電子供給層
4 電子走行層(チャネル層)
5 上層(ゲート電極側)電子供給層
6 ショットキー層
7 コンタクト層
8 ソース電極
9 ゲート電極
10 ドレイン電極

Claims (10)

  1. 基板上に少なくともバッファ層、下層電子供給層、電子走行層、上層電子供給層、ショットキー層、コンタクト層を順次形成したダブルへテロ型の化合物半導体エピタキシャルウェハにおいて、前記上層電子供給層および前記下層電子供給層には、n型不純物のプレーナドープ層が形成され、且つ、前記上層電子供給層のプレーナドープ層が2層以上に分割されていることを特徴とする化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  2. 前記n型不純物がSiであることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  3. 前記上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層1層あたりのドナー濃度が1.5×1012cm-2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  4. 前記上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層1層あたりのドナー濃度が1.0×1012cm-2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  5. 前記上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層が4層以下で分割されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  6. 前記上層電子供給層の分割されたプレーナドープ層が2層に分割されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  7. 前記上層電子供給層の分割された隣りあうプレーナドープ層間の間隔が5分子層以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  8. 前記上層電子供給層の分割された隣りあうプレーナドープ層間の間隔が2分子層以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  9. 前記上層電子供給層のプレーナドープ量の総量PD1と前記下層電子供給層のプレーナドープ量の総量PD2との比が、
    1.5≦PD1/PD2≦2.5
    であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の化合物半導体エピタキシャルウェハ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物半導体エピタキシャルウェハに、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、を有することを特徴とする化合物半導体装置。
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