JP2013187118A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、システムの複雑化・高コスト化を招くことなく、改質部の改質触媒のコーキングを抑制する。
【解決手段】燃料電池システムおいては、改質部入口温度と第1補正S/Cとの関係を示す第1マップと、改質部入口温度センサによって検出された改質部入口温度と、からその検出された改質部入口温度に対応する第1補正S/Cを算出し(ステップ204)、燃料電池温度と第2補正S/Cとの関係を示す第2マップと、燃料電池温度センサによって検出された燃料電池温度と、からその検出された燃料電池温度に対応する第2補正S/Cを算出し(ステップ208)、基準のS/Cである基準S/Cと、第1補正S/C算出手段によって算出された第1補正S/Cと、第2補正S/C算出手段によって算出された第2補正S/Cと、を加算して目標S/Cを算出し(ステップ210)、算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う(ステップ212)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、燃料電池システム1は、改質原料を改質して改質ガスを生成する改質器2と、この改質器2と改質ガス供給管10を介して接続され、改質器2で得られた改質ガスと空気とを用いて発電を行うSOFCスタック3とを備え、改質器2とSOFCスタック3との間に、冷却媒体として水を流通させるための冷媒流通部材4を配置し、改質ガス供給管10内のガスを冷却する熱交換器13を改質ガス供給管10に設け、熱交換器13に水を供給するようになっている。この構成によれば、熱交換器13を通過した水を冷媒流通部材4に流通させ、改質器2で発生する熱(輻射熱)を冷媒流通部材4内の水に吸収させることができる。
特開2008−198487号公報
上述した特許文献1に記載されている燃料電池システムにおいては、熱交換器13を通過した水を冷媒流通部材4に流通させ、改質器2で発生する熱(輻射熱)を冷媒流通部材4内の水に吸収させることができる。よって、改質器2の温度上昇を抑制することで改質触媒のコーキングを抑制することは可能である。しかし、改質器2、SOFCスタック3及び冷媒流通部材4は、モジュール容器5内に収容されてモジュール化されているので、システムの構造は複雑化・高コスト化するという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムにおいて、システムの複雑化・高コスト化を招くことなく、改質部の改質触媒のコーキングを抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、改質用原料と改質水とから燃料を生成して燃料電池に供給する改質部と、燃料電池からのアノードオフガスと燃料電池からのカソードオフガスとが燃焼されて改質部を加熱する燃焼部と、断熱性材料で形成されて燃料電池、改質部および燃焼部を内部に収容するケーシングと、改質用原料と改質水とが流入する改質部の部位の温度である改質部入口温度を検出する改質部入口温度センサと、燃料電池の温度を検出する燃料電池温度センサと、改質水の供給流量の制御を行う制御装置と、を備え、制御装置は、スチームカーボン比(以下、S/Cと省略する。)の制御目標値である目標S/Cを算出する目標S/C算出手段と、目標S/C算出手段によって算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う供給制御手段と、を備え、目標S/C算出手段は、改質部入口温度と第1補正S/Cとの関係を示す第1マップと、改質部入口温度センサによって検出された改質部入口温度と、からその検出された改質部入口温度に対応する第1補正S/Cを算出する第1補正S/C算出手段と、燃料電池温度と第2補正S/Cとの関係を示す第2マップと、燃料電池温度センサによって検出された燃料電池温度と、からその検出された燃料電池温度に対応する第2補正S/Cを算出する第2補正S/C算出手段と、基準のS/Cである基準S/Cと、第1補正S/C算出手段によって算出された第1補正S/Cと、第2補正S/C算出手段によって算出された第2補正S/Cと、を加算して目標S/Cを算出する加算手段と、を備えている。
また請求項2に係る発明は、請求項1において、請求項1において、制御装置は、改質部および燃料電池を暖機する起動運転中において、改質水の供給流量の制御を行う。
また請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、第1マップにおいては、改質部入口温度が第1温度より低い場合には、第1補正S/Cは第1所定値で一定となるように設定され、改質部入口温度が第1温度から該第1温度より高くかつ改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度以上である第2温度までの間である場合には、改質部入口温度が大きくなるにしたがって第1補正S/Cは第1所定値から該第1所定値より大きい第2所定値までの間にて大きくなるように設定され、改質部入口温度が第2温度より高い場合には、第1補正S/Cは第2所定値で一定となるように設定されている。
また請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2において、第2マップにおいては、燃料電池温度が、改質部の温度が改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度に対して飽和状態となったときの燃料電池の温度より高い温度である第3温度より低い場合には、第2補正S/Cは第3所定値で一定となるように設定され、燃料電池温度が第3温度から該第3温度より高い第4温度までの間である場合には、燃料電池温度が大きくなるにしたがって第2補正S/Cは第3所定値から該第3所定値より大きく第4所定値までの間にて大きくなるように設定され、燃料電池温度が第4温度より高い場合には、第2補正S/Cは第4所定値で一定となるように設定されている。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、改質部は燃焼部におけるアノードオフガスの燃焼熱により直接加熱されている。燃料電池は、改質部から供給される高温の燃料により加熱され、また、燃焼部におけるアノードオフガスの燃焼によりケーシング内が加熱されるのに伴って加熱され、さらに、燃料電池自身が発電するのに伴って加熱される(自己発熱)。このことから、本願発明者は以下のことを見出した。燃料電池より改質部の方が先に暖機(昇温)が開始され、燃料電池より改質部が早く昇温される。燃料電池の昇温が進んで燃料電池温度が一定の温度(所定温度)以上となると、燃料電池、改質部および燃焼部は断熱性材料で形成されたケーシング内に収容されているので、燃料電池温度が燃料電池、改質部および燃焼部を含んで構成されるパッケージの温度を代表する温度となる。よって、燃料電池温度が前記所定温度となるまでは、燃料電池温度より先に昇温する改質部温度に基づいて改質水供給を制御し、燃料電池温度が前記所定温度となった以降は、パッケージの温度を代表する燃料電池温度に基づいて改質水供給を制御することにより、改質部をコーキングさせることなく、改質部と燃料電池とを適切かつ比較的短時間で暖機することができる。
前述のように改質水供給の制御を適切に行うために、請求項1に係る発明においては、第1補正S/C算出手段が、改質部入口温度と第1補正S/Cとの関係を示す第1マップと、改質部入口温度センサによって検出された改質部入口温度と、からその検出された改質部入口温度に対応する第1補正S/Cを算出する。また、第2補正S/C算出手段が、燃料電池温度と第2補正S/Cとの関係を示す第2マップと、燃料電池温度センサによって検出された燃料電池温度と、からその検出された燃料電池温度に対応する第2補正S/Cを算出する。そして、加算手段が、基準のS/Cである基準S/Cと、第1補正S/C算出手段によって算出された第1補正S/Cと、第2補正S/C算出手段によって算出された第2補正S/Cと、を加算して目標S/Cを算出する。すなわち、目標S/Cは、改質部入口温度とよい相関関係にある第1補正S/Cおよび燃料電池温度とよい相関関係にある第2補正S/Cにより基準S/Cを補正することで算出される。
これにより、改質部入口温度および燃料電池温度にそれぞれ応じた第1および第2補正S/Cを使用することで目標S/Cを設定することができ、燃料電池および改質部を暖機するに際してその全期間に渡って改質部の温度(触媒温度)を改質触媒がコーキングするおそれの高い温度より低く抑制することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、制御装置は、改質部および燃料電池を暖機する起動運転中において、改質水の供給流量の制御を行う。これにより、運転停止している燃料電池システムの改質部および燃料電池を起動運転する際に、改質部の触媒温度を改質触媒がコーキングするおそれの高い温度より低く抑制することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2において、第1マップにおいては、改質部入口温度が第1温度より低い場合には、第1補正S/Cは第1所定値で一定となるように設定され、改質部入口温度が第1温度から該第1温度より高くかつ改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度以上である第2温度までの間である場合には、改質部入口温度が高くなるにしたがって第1補正S/Cは第1所定値から該第1所定値より大きい第2所定値までの間にて大きくなるように設定され、改質部入口温度が第2温度より高い場合には、第1補正S/Cは第2所定値で一定となるように設定されている。
これにより、改質部入口温度が第1温度より低い場合には、第1補正S/Cを比較的小さい第1所定値に抑制することで目標S/Cを小さい値に設定することができ、改質水を必要以上に供給するのを抑制することができる。また、改質部入口温度が第1温度から第2温度までの間においては、改質部入口温度が高いほど第1補正S/Cを大きい値にすることで目標S/Cを大きい値に設定することができ、改質水の供給量を多くすることができる。よって、改質部の触媒温度を改質触媒がコーキングする温度より低く抑制することができる。さらに、改質部入口温度が第2温度より高い場合には、改質部入口温度に基づいて供給される改質水供給量をベースにさらに他の要因に基づく改質水供給量を上乗せすることが可能となる。よって、他の要因に基づく改質水供給量を上乗せする場合にも、改質部温度の上昇を抑制するのに必要最低限の改質水供給量を確保することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項1または請求項2において、第2マップにおいては、燃料電池温度が、改質部の温度が改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度に対して飽和状態となったときの燃料電池の温度より高い温度である第3温度より低い場合には、第2補正S/Cは第3所定値で一定となるように設定され、燃料電池温度が第3温度から該第3温度より高い第4温度までの間である場合には、燃料電池温度が大きくなるにしたがって第2補正S/Cは第3所定値から該第3所定値より大きく第4所定値までの間にて大きくなるように設定され、燃料電池温度が第4温度より高い場合には、第2補正S/Cは第4所定値で一定となるように設定されている。
これにより、燃料電池温度が第3温度より低い場合には、第2補正S/Cを比較的小さい第3所定値に抑制することで目標S/Cを小さい値に設定することができ、燃料電池温度が低い場合に改質水を必要以上に供給するのを抑制して燃料電池や改質部など収容するケーシング内全体の温度の低下を抑制することができる。また、燃料電池温度が第3温度から第4温度までの間においては、燃料電池温度が高いほど第2補正S/Cを大きい値にすることで目標S/Cを大きい値に設定することができ、改質水の供給量を多くすることができる。よって、燃料電池より先に改質水が供給される改質部の温度の上昇を抑制でき、これに加えて改質ガス中の改質に使用されなかった改質水(水蒸気)が燃料電池に供給されることで燃料電池温度の上昇を抑制することができる。さらに、燃料電池温度が第4温度(燃焼電池の暖機完了温度)より高い場合には、燃料電池の暖機が完了しているので、起動運転用の第2補正S/Cを(比較的大きい)第4所定値で一定にすることで、その後の発電運転に与える影響を抑制することができる。
本発明による燃料電池システムの一実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示す燃料電池システムを示すブロック図である。 (a)、(b)ともに図2に示す記憶装置に記憶されているマップであり、(a)は改質部入口温度と第1補正S/Cとの関係を示す第1マップであり、(b)は燃料電池温度と第2補正S/Cとの関係を示す第2マップである。 図2に示す制御装置で実行される制御プログラム(起動運転)のフローチャートである。 図2に示す制御装置で実行される制御プログラム(目標S/C算出サブルーチン)のフローチャートである。 図4に示すフローチャートを実行したときの一実施例を示すタイムチャートである。
以下、本発明による燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは、箱状の筐体11、燃料電池モジュール20、排熱回収システム30、インバータ装置50および制御装置60を備えている。
筐体11は、筐体11内を区画して第1室R1および第2室R2を形成する仕切部材12を備えている。第1室R1は第1空間を形成し、第2室R2は第2空間を形成する。仕切部材12は、筐体11を上下に区画する(仕切る)板状部材である。筐体11内には、仕切部材12より上方および下方に第1室R1および第2室R2が形成される。
燃料電池モジュール20は、第1室R1内に該第1室R1の内壁面から空間をおいて収納されている。燃料電池モジュール20は、ケーシング21、燃料電池24を少なくとも含んで構成されるものである。本実施形態では、燃料電池モジュール20は、ケーシング21、蒸発部22、改質部23および燃料電池24を備えている。
ケーシング21は、断熱性材料で箱状に形成されている。ケーシング21は、第1室R1内に該第1室R1の内壁面から空間をおいて図示しない支持構造により支持されている。ケーシング21内には、蒸発部22、改質部23、燃料電池24および燃焼部26である燃焼空間R3が配設されている。このとき、蒸発部22、改質部23が燃料電池24の上方に位置するように配設されている。
蒸発部22は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部22は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部23に供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPGなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
この蒸発部22には、一端(下端)が水タンク13内に配設された給水管41の他端が接続されている。給水管41には、改質水ポンプ41aが設けられている。改質水ポンプ41aは、蒸発部22に改質水を供給するとともにその改質水供給量(供給流量(単位時間あたりの流量))を調整するものである。
また、蒸発部22には、燃料供給源(図示省略)からの改質用原料が改質用原料供給管42を介して供給されている。改質用原料供給管42には、上流から順番に一対の原料バルブ(図示省略)、流量センサ42a、脱硫器42b、および原料ポンプ42cが設けられている。原料バルブは改質用原料供給管42を開閉する電磁開閉弁である。流量センサ42aは、燃料電池24に供給されている燃料(改質用原料)の流量すなわち単位時間あたりの流量を検出するものであり、その検出結果を制御装置60に送信している。脱硫器42bは改質用原料中の硫黄分(例えば、硫黄化合物)を除去するものである。原料ポンプ42cは、燃料電池24に燃料(改質用原料)を供給する供給装置であり、制御装置60からの制御指令値にしたがって燃料供給源からの燃料供給量(供給流量(単位時間あたりの流量))を調整するものである。
改質部23は、後述する燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部22から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。改質部23内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は燃料電池24の燃料極に導出されるようになっている。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応であり、一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
改質部23は、改質用原料と改質水(水蒸気)とが流入する部位の温度(改質部入口温度T1)を検出する温度センサ(改質部入口温度センサ)23aを備えている。温度センサ23aは、改質部23の改質用原料と改質水(水蒸気)とが流入する部位に設けられている。温度センサ23aは触媒に入る前でもよく触媒に入って直ぐの部分でもよい。温度センサ23aは、その検出結果を制御装置60に送信するようになっている。
さらに、改質部23は、改質ガスが流出する部位の温度(改質部出口温度T2)を検出する温度センサ(改質部出口温度センサ)23bを備えている。温度センサ23bは、改質部23の改質ガスが流出する部位に設けられている。温度センサ23bは、その検出結果を制御装置60に送信するようになっている。
燃料電池24は、燃料極、空気極(酸化剤極)、および両極の間に介装された電解質からなる複数のセル24aが積層されて構成されている。本実施形態の燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であり、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウムを使用している。燃料電池24の燃料極には、燃料として水素、一酸化炭素、メタンガスなどが供給される。動作温度は400〜1000℃程度である。なお、400℃以下でも定格以下の発電量の発電は可能である。また、600℃で発電開始を許可している。水素だけではなく天然ガスや石炭ガスなども直接燃料として用いることが可能である。この場合、改質部23は省略することができる。
セル24aの燃料極側には、燃料である改質ガスが流通する燃料流路24bが形成されている。セル24aの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路24cが形成されている。
燃料電池24は、燃料電池24の温度(燃料電池温度T3)を検出する温度センサ(燃料電池温度センサ)24dを備えている。温度センサ24dは、燃料電池24のセル24aの積層方向の中央部分であって上下方向中央部分に設けられている。温度センサ24dは、その検出結果を制御装置60に送信するようになっている。
燃料電池24は、マニホールド25上に設けられている。マニホールド25には、改質部23からの改質ガスが改質ガス供給管43を介して供給される。燃料流路24bは、その下端(一端)がマニホールド25の燃料導出口に接続されており、その燃料導出口から導出される改質ガスが下端から導入され上端から導出されるようになっている。カソードエアブロワ44a(カソードエア送出(送風)手段)によって送出されたカソードエアはカソードエア供給管44を介して供給され、空気流路24cの下端から導入され上端から導出されるようになっている。
カソードエアブロワ44aは、第2室R2内に配設されている。カソードエアブロワ44aは、第2室R2内の空気を吸入し燃料電池24の空気極に吐出するものであり、その吐出量は調整制御(例えば燃料電池24の負荷電力量(消費電力量)に応じて制御)されるものである。
燃料電池24においては、燃料極に供給された燃料と空気極に供給された酸化剤ガスによって発電が行われる。すなわち、燃料極では、下記化1および化2に示す反応が生じ、空気極では、下記化3に示す反応が生じている。すなわち、空気極で生成した酸化物イオン(O2−)が電解質を透過し、燃料極で水素と反応することにより電気エネルギーを発生させている。したがって、燃料流路24bおよび空気流路24cからは、発電に使用されなかった改質ガスおよび酸化剤ガス(空気)が導出する。
(化1)
+O2−→HO+2e
(化2)
CO+O2−→CO+2e
(化3)
1/2O+2e→O2−
そして、燃料流路24bおよび空気流路24cから導出した、発電に使用されなかった改質ガス(アノードオフガス)は、燃料電池24と蒸発部22(改質部23)の間の燃焼空間R3にて、発電に使用されなかった酸化剤ガス(カソードオフガス)によって燃焼され、その燃焼ガス(火炎)によって蒸発部22および改質部23が加熱される。さらには、燃料電池モジュール20内を動作温度に加熱している。その後、燃焼ガスは排気口21aから燃料電池モジュール20の外に排気される。このように、燃焼空間R3が、燃料電池24からのアノードオフガスと燃料電池24からのカソードオフガスとが燃焼されて改質部23を加熱する燃焼部26である。
燃焼部26(燃焼空間R3)では、アノードオフガスが燃焼されて火炎27が発生している。燃焼部26には、アノードオフガスを着火させるための一対の着火ヒータ26a1,26a2が設けられている。また、燃焼部26には、燃焼部26の温度を検出するための一対の温度センサ26b1,26b2が設けられている。温度センサ26b1,26b2の検出結果(出力信号)は制御装置60に送信されている。
排熱回収システム30は、燃料電池24の排熱と貯湯水との間で熱交換することで排熱を貯湯水に回収して蓄える排熱回収系である。排熱回収システム30は、貯湯水を貯湯する貯湯槽31と、貯湯水が循環する貯湯水循環ライン32と、燃料電池モジュール20からの燃焼排ガスと貯湯水との間で熱交換が行われる熱交換器33と、が備えられている。
貯湯槽31は、1つの柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温度が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温度が最も低温であるように貯留されるようになっている。貯湯槽31の柱状容器の下部には水道水などの水(低温の水)が補給され、貯湯槽31に貯留された高温の温水が貯湯槽31の柱状容器の上部から導出されるようになっている。
貯湯水循環ライン32の一端は貯湯槽31の下部に、他端は貯湯槽31の上部に接続されている。貯湯水循環ライン32上には、一端から他端に向かって順番に貯湯水循環手段である貯湯水循環ポンプ32a、第1温度センサ32b、熱交換器33、および第2温度センサ32cが配設されている。貯湯水循環ポンプ32aは、貯湯槽31の下部の貯湯水を吸い込んで貯湯水循環ライン32を図示矢印方向へ通水させて貯湯槽31の上部に吐出するものであり、その流量(送出量)が制御されるようになっている。貯湯水循環ポンプ32aは、第2温度センサ32cの検出温度(貯湯水の貯湯槽31の入口温度)が所定の温度または温度範囲となるように、送出量が制御されるようになっている。
第1温度センサ32bは、熱交換器33の貯湯水導入側の貯湯水循環ライン32であって熱交換器33と貯湯槽31との間に配設されている。第1温度センサ32bは、貯湯水の熱交換器33の入口温度すなわち貯湯水の貯湯槽31の出口温度を検出するものであり、その検出結果を制御装置60に送信するようになっている。
第2温度センサ32cは、熱交換器33の貯湯水導出側の貯湯水循環ライン32に配設されている。第2温度センサ32cは、貯湯水の熱交換器33の出口温度すなわち貯湯水の貯湯槽31の入口温度を検出するものであり、その検出結果を制御装置60に送信するようになっている。
熱交換器33は、燃料電池モジュール20から排気される燃焼排ガスが供給されるとともに貯湯槽31からの貯湯水が供給され燃焼排ガスと貯湯水が熱交換する熱交換器である。この熱交換器33は、筐体11内に配設されている。本実施形態では、熱交換器33は、燃料電池モジュール20の下部に設けられており、少なくとも熱交換器33の下部は仕切部材12を貫通して第2室R2に突出されて配設されている。
熱交換器33は、ケーシング33aを備えている。ケーシング33aの上部には、燃料電池モジュール20のケーシング21の下部に設けられ燃焼排ガスが導出される導出口21aに連通する接続管45が接続されている。ケーシング33aの下部には、第1排気口11aに接続されている排気管46が接続されている。ケーシング33aの底部には、純水器14に接続されている凝縮水供給管47が接続されている。ケーシング33a内には、貯湯水循環ライン32に接続されている熱交換部(凝縮部)33bが配設されている。
このように構成された熱交換器33においては、燃料電池モジュール20からの燃焼排ガスは、接続管45を通ってケーシング33a内に導入され、貯湯水が流通する熱交換部33bを通る際に貯湯水との間で熱交換が行われ凝縮されるとともに冷却される。凝縮後の燃焼排ガスは排気管46を通って第1排気口11aから外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管47を通って純水器14に供給される(自重で落水する)。一方、熱交換部33bに流入した貯湯水は、加熱されて流出される。
また、燃料電池システムは、水タンク13および純水器14を備えている。水タンク13および純水器14は第2室R2内に配設されている。水タンク13は、純水器14から導出された純水を貯めておくものである。純水タンク13には、純水タンク13内の純水量を検出する図示しない水量センサ(水位センサ)が設けられている。水量センサは例えばフロート式、静電容量式などの水位計である。水量センサは制御装置に検出信号を送信するようになっている。
純水器14は、活性炭とイオン交換樹脂を内蔵しており、例えばフレーク状の活性炭と粒状のイオン交換樹脂を充填している。また被処理水の状態によっては、中空糸フィルタを設置しても良い。純水器14は、熱交換器33からの凝縮水を活性炭とイオン交換樹脂によって純水化するものである。純水器14は、配管48を介して純水タンク13に連通しており、純水器14内の純水は配管48を通って純水タンク13に導出される。
また、燃料電池システムは、第2室R2を形成する筐体11に形成された空気導入口11cと、第1室R1を形成する筐体11に形成された空気導出口11bと、仕切部材12に形成された空気導入口12aに設けられた換気用空気ブロワ15と、を備えている。この換気用空気ブロワ15が作動すると、外気が空気導入口11cを介して第2室R2内に吸い込まれ、換気用空気ブロワ15によって第1室R1内に送出され、第1室R1内の空気が空気導出口11bを介して外部に排出される。
さらに、燃料電池システムは、インバータ装置50を備えている。インバータ装置50は、燃料電池24から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して交流の系統電源51および外部電力負荷53に接続されている電源ライン52に出力する第1機能と、系統電源51からの交流電圧を電源ライン52を介して入力し所定の直流電圧に変換して補機や制御装置60に出力する第2機能と、を有している。
系統電源(または商用電源)51は、該系統電源51に接続された電源ライン52を介して電力負荷53に電力を供給するものである。燃料電池24はインバータ装置50を介して電源ライン52に接続されている。電力負荷53は、交流電源で駆動される負荷であり、例えばドライヤ、冷蔵庫、テレビなどの電化製品である。
インバータ装置50は、燃料電池24の出力電圧を検出する電圧センサ50a、および燃料電池24の出力電流を検出する電流センサ50bを備えている。電圧センサ50aおよび電流センサ50bは、それぞれの検出結果を制御装置60に送信するようになっている。
補機は、燃料電池モジュール20に改質用原料、水、空気を供給するためのモータ駆動のポンプ41a,42c、換気用空気ブロワ15およびカソードエアブロワ44aなどから構成されている。この補機は直流電圧にて駆動されるものである。
さらに、燃料電池システムは、制御装置60を備えている。制御装置60には、上述した温度センサ23a,23b,24d,26b1,26b2,32b,32c、流量センサ42a、電圧センサ50a、電流センサ50b、各ポンプ32a,41a,42c、各ブロワ15,44a、および着火ヒータ26a1,26a2が接続されている(図2参照)。制御装置60はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、燃料電池システムの運転を実施している。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
制御装置60は、S/Cの制御目標値である目標S/Cを算出し(目標S/C算出手段)、その算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う(供給制御手段)。なお、S/Cは、改質部23に供給される改質用原料中の炭素のモル数に対する改質部23に供給される改質水のモル数の比を示すスチームカーボン比である。また、S/C、改質用原料の供給流量および改質水の供給流量は、下記数1に示す関係がある。
(数1)
S/C=(22.4×(改質水供給流量) /18) /(1.2×(改質用原料の供給流量))
22.4は標準状態における気体の体積であり、18は水の分子量であり、1.2は改質用原料の供給流量(単位時間あたりの流量)からカーボンのモル数を算出するための係数である。
また、制御装置60の記憶装置60aには、改質部入口温度T1と第1補正S/CΔS/C_1との関係を示す第1マップ(図3(a)参照)、および燃料電池温度T3と第2補正S/CΔS/C_2との関係を示す第2マップ(図3(b)参照)が記憶されている。第1および第2補正S/CΔS/C_1,ΔS/C_2は、いずれもS/Cの基準値を示す基準S/Cを補正するための補正値である。換言すると、目標S/Cは、基準S/Cを第1および第2S/CΔS/C_1,ΔS/C_2によって補正することにより得ることができる。
第1補正S/CΔS/C_1は、改質部入口温度T1とよい相関関係にある補正値である。すなわち、第1補正S/CΔS/C_1と改質部入口温度T1とは、第1マップに示す関係となるように設定されている。第1マップは、次のように設定されている。改質部入口温度T1が第1温度T1aより低い場合には、第1補正S/CΔS/C_1は第1所定値ΔS/C_1aで一定となるように設定されている。改質部入口温度T1が第1温度T1aから該第1温度T1aより高くかつ改質部23の触媒がコーキングするおそれの高い温度(以下、コーキング温度という)Tx以上である第2温度T1bまでの間である場合には、改質部入口温度T1が大きくなるにしたがって第1補正S/CΔS/C_1は第1所定値ΔS/C_1aから該第1所定値ΔS/C_1aより大きい第2所定値ΔS/C_1bまでの間にて大きくなるように設定されている。改質部入口温度T1が第2温度T1bより高い場合には、第1補正S/CΔS/C_1は第2所定値ΔS/C_1bで一定となるように設定されている。
なお、第1温度T1aは、コーキング温度Txより低い温度であって改質部23において改質反応が十分進む温度である。また、第2温度T1bは、コーキング温度Txである。なお、第2温度T1bは、コーキング温度Txより高い温度に設定するようにしてもよい。このとき、その温度は改質部23の温度が高くなって高温異常であると判定する判定温度の上限温度とすればよい。改質部入口温度T1が第2温度T1bに達するまでは、コーキングを抑制でき、改質部入口温度T1が第2温度T1bに達した後は、異常判定により燃料電池システムの運転を停止するのに合わせて改質水の過剰供給を停止することができる。
さらに、第1および第2所定値ΔS/C_1a,ΔS/C_1bは、いずれも実際に燃料電池システムを使用して実験した結果に基づいて設定されている。例えば、一定流量の改質用原料を供給し、それに対して改質水の供給流量を変化させて(改質部入口温度T1毎に)、改質部23の状態(改質水が過剰に投入されているか、コーキングが発生しているかなどの状態)を観察し、改質水の供給流量と改質部23の状態とを関連付けたデータに基づいて、第1および第2所定値ΔS/C_1a,ΔS/C_1bは適切に設定されている。
すなわち、第1所定値ΔS/C_1aは、改質部23において改質水が過剰に投入されないようにする値に設定されるのが好ましい。本実施形態においては、第1所定値ΔS/C_1aは0に設定されている。第1所定値ΔS/C_1aは0でなく、ほとんど0に等しい小さい値に設定するようにしてもよい。また、第2所定値ΔS/C_1bは、改質部23においてコーキングが発生しない値に設定されるのが好ましい。本実施形態においては、第2所定値ΔS/C_1bは例えば2.5に設定されている。
第2補正S/CΔS/C_2は、燃料電池温度T3とよい相関関係にある補正値である。すなわち、第2補正S/CΔS/C_2と燃料電池温度T3とは、第2マップに示す関係となるように設定されている。第2マップは、次のように設定されている。燃料電池温度T3がコーキング温度Txと略同一である第3温度T3aより低い場合には、第2補正S/CΔS/C_2は第3所定値ΔS/C_2aで一定となるように設定されている。燃料電池温度T3が第3温度T3aから該第3温度T3aより高い第4温度T3bまでの間である場合には、燃料電池温度T3が大きくなるにしたがって第2補正S/CΔS/C_2は第3所定値ΔS/C_2aから該第3所定値ΔS/C_2aより大きく第4所定値ΔS/C_2bまでの間にて大きくなるように設定されている。燃料電池温度T3が第4温度T3bより高い場合には、第2補正S/CΔS/C_2は第4所定値ΔS/C_2bで一定となるように設定されている。
なお、第3温度T3aは、改質部23において触媒がコーキング温度Txと略同一温度である。また、後述するように、第3温度T3aは、改質部入口温度T1が飽和状態となった(サチュレートした)時点における燃料電池温度T3を第3温度T3aに設定するようにしてもよい。すなわち、第3温度T3aは、改質部23の温度がコーキング温度Txに対して飽和状態となったときの燃料電池24の温度より高い温度であればよい。さらに、第4温度T3bは、燃料電池24の起動運転(暖機)が完了する温度である。
さらに、第3および第4所定値ΔS/C_2a,ΔS/C_2bは、いずれも実際に燃料電池システムを使用して実験した結果に基づいて設定されている。例えば、一定流量の改質用原料を供給し、それに対して改質水の供給流量を変化させて(燃料電池温度T3毎に)、改質部23の状態(改質水が過剰に投入されているか、コーキングが発生しているかなどの状態)を観察し、改質水の供給流量と改質部23の状態とを関連付けたデータに基づいて、第3および第4所定値ΔS/C_2a,ΔS/C_2bは適切に設定されている。
すなわち、第3所定値ΔS/C_2aは、改質部23において改質水が過剰に投入されないようにする(および燃料電池24において水蒸気(改質水)が過剰に投入されないようにする)値に設定されるのが好ましい。本実施形態においては、第3所定値ΔS/C_2aは0に設定されている。第3所定値ΔS/C_2aは0でなく、ほとんど0に等しい小さい値に設定するようにしてもよい。また、第4所定値ΔS/C_2bは、改質部23においてコーキングが発生しない値に設定されるのが好ましい。本実施形態においては、第4所定値ΔS/C_2bは例えば2.5に設定されている。
なお、第1マップは、上述した各所定値と同様に、実際に燃料電池システムを使用して実験した結果に基づいて算出される。例えば、一定流量の改質用原料を供給し、それに対して改質水の供給流量を変化させて(改質部入口温度T1毎に)、改質部23の状態(改質水が過剰に投入されているか、コーキングが発生しているかなどの状態)を観察し、改質水の供給流量と改質部23の状態とを関連付けたデータに基づいて、第1および第2所定値ΔS/C_1a,ΔS/C_1bを算出する。そして、第1温度T1aと第1所定値ΔS/C_1aとの組み合わせと第2温度T1bと第2所定値ΔS/C_1bとの組み合わせとから第1マップを算出する。また、第2マップも、第1マップと同様に算出する。
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。制御装置60は、図示しない起動スイッチがオンされると(あるいはユーザによって予め設定された起動開始時刻となったことにより自動的に起動が開始されると)、図4に示すフローチャートに対応するプログラムの実行を開始する。
制御装置60は、ステップ102において、燃焼部26を着火する。具体的には、制御装置60は、改質用原料およびカソードエアの投入を開始する。制御装置60は、原料ポンプ42cを駆動させて改質用原料を所定の供給流量にて投入する。制御装置60は、カソードエアブロワ44aを駆動させてカソードエアを所定の供給流量にて投入する。これらの投入と同時に、制御装置60は、着火ヒータ26a1,26a2への通電を開始する。
これにより、原料ポンプ42cから吐出された改質用原料は、蒸発部22および改質部23を経て燃料電池24の燃料流路24bを通って燃焼部26に供給される。カソードエアブロワ44aから送出されたカソードエアは、燃料電池24の空気流路24cを通って燃焼部26に供給される。燃焼部26に供給された改質用原料とカソードエアとは、通電されている着火ヒータ26a1,26a2によって燃焼が開始される(着火される)。
制御装置60は、ステップ104において、燃焼部26が着火したか否かを判定する。燃焼部26が着火すれば、その燃焼により燃焼空間R3が昇温される。よって、制御装置60は、温度センサ26b1(または26b2)により検出された温度が所定温度以上となれば、燃焼部26が着火したと判定する。制御装置60は、温度センサ26b1(または26b2)により検出された温度が所定温度未満であれば、燃焼部26は着火していないと判定する。
燃焼部26が着火したと判定された後、蒸発部22および改質部23が火炎27により直接加熱される。制御装置60は、改質部23が暖機されるのを待って、改質水の投入を開始する。具体的には、制御装置60は、温度センサ23aにより改質部入口温度T1を検出する。その検出した改質部入口温度T1が所定温度Ta(例えば、150℃)より高くなると、制御装置60は、ステップ106にて「YES」と判定し、改質水の投入を開始する(ステップ108)。
このとき、制御装置60は、図5に示すサブルーチン(目標S/C算出サブルーチン)を実行してS/Cの制御目標値である目標S/Cを算出し(目標S/C算出手段)、その算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う(供給制御手段)。
目標S/C算出サブルーチンに沿って説明する。制御装置60は、ステップ202において、改質部入口温度センサ23aによって検出された改質部入口温度T1を取得する。そして、制御装置60は、ステップ204において、改質部入口温度T1と第1補正S/CΔS/C_1との関係を示す第1マップと、改質部入口温度センサ23aによって検出された改質部入口温度T1と、からその検出された改質部入口温度T1に対応する第1補正S/CΔS/C_1を算出する(第1補正S/C算出手段)。
制御装置60は、ステップ206において、燃料電池温度センサ24dによって検出された燃料電池温度T3を取得する。そして、制御装置60は、ステップ208において、燃料電池温度T3と第2補正S/CΔS/C_2との関係を示す第2マップと、燃料電池温度センサ24dによって検出された燃料電池温度T3と、からその検出された燃料電池温度T3に対応する第2補正S/CΔS/C_2を算出する(第2補正S/C算出手段)。
制御装置60は、ステップ210において、下記数2に示すように、基準のS/Cである基準S/C(具体的には基準S/C1である。)、第1補正S/CΔS/C_1、および第2補正S/CΔS/C_2を加算して目標S/Cを算出する(加算手段)。目標S/C算出手段は、第1補正S/C算出手段、第2補正S/C算出手段および加算手段を備えている。
(数2)
目標S/C
=基準S/C+第1補正S/CΔS/C_1+第2補正S/CΔS/C_2
制御装置60は、ステップ212において、先に算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う(供給制御手段)。すなわち、改質水の供給流量は、目標S/Cに相当する流量となるように制御される。この相当する流量は、上記数1から(1.2×(改質用原料の供給流量)×目標S/C)×(18/22.4)である。
改質水の投入が開始されると、蒸発部22では改質用原料と改質水が加熱され、昇温された改質用原料と改質水(水蒸気)が混合されて改質部23に供給される。改質部23では、上述したように改質ガスが生成されて燃料電池24の燃料流路24bに供給される。すなわち、改質用原料に代えて改質ガスが燃料電池24の燃料流路24bに供給されるようになる。よって、燃焼部26では改質ガスがカソードエア(またはカソードオフガス)により燃焼されることとなる。
また、燃料電池モジュール20の内部は、断熱性材料で形成されたケーシング21で囲まれているため、燃焼部26での燃焼により加熱されて昇温し、燃料電池24も昇温する。また、燃料電池24では、改質ガスとカソードエアとにより発電(発電量は比較的小さい)が行われているので、自己発熱によっても昇温する。
その後、改質部23および燃料電池24の暖機が進むなかで、制御装置60は、温度センサ23aにより改質部入口温度T1を検出するとともに温度センサ24dにより燃料電池温度T3を検出する。制御装置60は、その検出した改質部入口温度T1が上記所定温度Taより高い所定温度Tb(例えば、400℃)より高くなり、かつ、その検出した燃料電池温度T3が所定温度Tc(例えば、450℃)より高くなると、ステップ110にて「YES」と判定し、投入している改質水の供給流量を増大する(ステップ112)。なお、基準S/Cは、基準S/C1から基準S/C1より大きい値である基準S/C2に変更される。
このとき、制御装置60は、上記と同様に図5に示すサブルーチン(目標S/C算出サブルーチン)を実行してS/Cの制御目標値である目標S/Cを算出し(目標S/C算出手段)、その算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う(供給制御手段)。
さらに、改質部23および燃料電池24の暖機が進むなかで、制御装置60は、温度センサ23bにより改質部出口温度T2を検出するとともに温度センサ24dにより燃料電池温度T3を検出する。制御装置60は、その検出した改質部出口温度T2が所定温度Td(例えば、700℃)より高くなり、かつ、その検出した燃料電池温度T3が上記所定温度Tcより高い所定温度Te(例えば、600℃)より高くなると、ステップ114にて「YES」と判定し、投入している改質用原料の供給流量を減少するとともに改質水の供給流量を増大する(ステップ116)。なお、基準S/Cは、基準S/C2から基準S/C2より大きい値である基準S/C3に変更される。また、改質用原料の供給流量を減少させるのは、燃料電池モジュール20内の熱暴走を防止するためである。
このとき、制御装置60は、上記と同様に図5に示すサブルーチン(目標S/C算出サブルーチン)を実行してS/Cの制御目標値である目標S/Cを算出し(目標S/C算出手段)、その算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御を行う(供給制御手段)。
さらに、燃料電池24の暖機が進むなかで、制御装置60は、温度センサ24dにより燃料電池温度T3を検出するとともに電圧センサ50aにより燃料電池24の出力電圧Vを検出する。制御装置60は、その検出した燃料電池温度T3が上記所定温度Teより高い所定温度Tf(例えば、650℃)より高くなり、かつ、その検出した出力電圧Vが所定電圧Va(例えば、120V)より大きくなると、ステップ118にて「YES」と判定し(起動運転(暖機運転)が終了したと判定し)、起動運転を終了し、発電運転を開始する(ステップ120)。
上述した制御による燃料電池システムの作動を図6に示すタイムチャートを参照して説明する。
時刻t1に起動運転が開始されると、改質用原料およびカソードエアの投入(上記した供給流量にて投入される)が開始されるとともに着火ヒータ26a1,26a2への通電が開始されて、燃焼部26が着火される(ステップ102)。なお、カソードエアの供給を先にして残留しているガスをパージした後に、改質用原料を供給するようにしてもよい。
燃焼部26が着火されると、上述したように蒸発部22、改質部23および燃料電池24が加熱されるため、改質部23の改質部入口温度T1および改質部出口温度T2、ならびに燃料電池24の燃料電池温度T3がそれぞれ上昇する。このとき、改質部入口温度T1および改質部出口温度T2は、燃料電池温度T3に比べて温度上昇が急である。改質部23は燃焼部26の火炎27(および/または燃焼ガス)により直接加熱され、燃料電池24は火炎27の輻射熱および蒸発部22と改質部23を加熱した後の燃焼ガスの対流により加熱されるからである。
時刻t2に、改質部入口温度T1が所定温度Ta(例えば、150℃)より高くなると、改質水の投入が開始される(ステップ108)。改質水の供給流量は目標S/Cに基づいて算出される。以降の起動運転中には、上述したように算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御が行われる。
改質水の投入が開始されると、蒸発部22では改質用原料と改質水が加熱され、昇温された改質用原料と改質水(水蒸気)が混合されて改質部23に供給される。改質部23では、上述したように改質ガスが生成されて燃料電池24の燃料流路24bに供給される。すなわち、改質用原料に代えて改質ガスが燃料電池24の燃料流路24bに供給されるようになる。よって、燃焼部26では改質ガスがカソードエア(またはカソードオフガス)により燃焼されることとなる。
また、燃料電池モジュール20の内部は、断熱性材料で形成されたケーシング21で囲まれているため、燃焼部26で生成された燃焼ガスが対流することにより加熱されて昇温し、合わせて燃料電池24も昇温する。また、燃料電池24では、改質ガスとカソードエアとにより発電(当初発電量は比較的小さい)が行われているので、自己発熱によっても昇温する。なお、燃料電池24は、改質ガス中の水素濃度が高くなるにつれて、また燃料電池24の温度が高くなるにつれてその出力電力が大きくなる。ただし、起動運転中の出力電力は投入されている改質用原料に相当する電力量を最大とする。本実施形態では時刻t3までに、投入されている改質用原料に相当する電力量が最大出力電力として出力されている。
その後、改質部23および燃料電池24の暖機が進むなかで、時刻t3に、燃料電池温度T3が所定温度Tc(例えば、450℃)より高くなり、かつ、改質部入口温度T1が所定温度Tb(例えば、400℃)より高くなると、投入している改質水の供給流量が増大される(ステップ112)。
さらに、改質部23および燃料電池24の暖機が進むなかで、時刻t5に、燃料電池温度T3が所定温度Te(例えば、600℃)より高くなり、かつ、改質部出口温度T2が所定温度Td(例えば、700℃)より高くなると、投入している改質用原料の供給流量を減少されるとともに改質水の供給流量が増大される(ステップ116)。
さらに、改質部23および燃料電池24の暖機が進むなかで、時刻t6に、燃料電池温度T3が所定温度Tf(例えば、650℃)より高くなり、かつ、出力電圧Vが所定電圧Va(例えば、120V)より大きくなると、起動運転が終了され、発電運転が開始される(ステップ120)。
起動運転中においては、上述したように算出された目標S/Cに基づいて改質水の供給流量の制御が行われている。詳述すると、時刻t2から時刻t4までの間(所定期間TM1)においては、改質部入口温度T1の上昇に応じて目標S/Cを増大ひいては改質水の供給流量を増大させることで、改質部入口温度T1の温度上昇を抑制している。
まず、所定期間TM1では、燃料電池温度T3が第3温度T3aより低いため、第2補正S/CΔS/C_2は第2マップから第3所定値ΔS/C_2a(0)であり、燃料電池温度T3の上昇は目標S/Cに影響を及ぼしていない。
時刻t2から時刻t7(第1温度T1a未満である改質部入口温度T1が第1温度T1aに達した時点)までの間においては、第1補正S/CΔS/C_1は第1マップから第1所定値ΔS/C_1a(0)であるため、上記数2から目標S/Cは基準S/Cである。
時刻t7から時刻t3までの間においては、第1マップに基づいて改質部入口温度T1が第1温度T1aから上昇するにしたがって第1補正S/CΔS/C_1が大きい値となるように設定される。よって、上記数2から目標S/Cは第1補正S/Cの増大に伴って大きくなる。
時刻t3から時刻t4までの間においては、改質部出口温度T2および燃料電池温度T3は上昇しているものの改質部入口温度T1はほとんど上昇していない。供給されている改質水(水蒸気)により改質部23の入口部を冷却することができるが、改質部23の内部(入口部と出口部との間の部分)や出口部は入口部ほど冷却することはできないからである。このように、改質水(水蒸気)の投入によって改質部入口温度T1が飽和状態となっても(サチュレートしても)、燃料電池モジュール20内部の温度が全体的に昇温されるため、改質部23の入口部を除く部位(改質部23の内部や出口部)では温度の上昇が続いている。改質部23の出口部では、この出口部に至るまでに改質用原料が改質されるため達した流体中に含有する改質用原料の割合が少なくなるので、改質部23の出口部の温度がコーキング温度Txより高くなっても触媒はコーキングしない。しかし、改質部23の入口部と出口部との間の部位であって入口部側の部位では、未改質の改質用原料が比較的多く流れてくるため、その部位の温度がコーキング温度Txより高くなっていれば、その部分の触媒がコーキングするおそれがある。
時刻t4から時刻t5までの間においては、引き続き、改質部出口温度T2および燃料電池温度T3は上昇しているものの改質部入口温度T1はほとんど上昇していない。これでは、改質部23の入口部と出口部との間の部位であって入口部側の部位の温度上昇を抑制することができず、その部分の触媒がコーキングするのを抑制することができない。そこで、燃料電池温度T3の上昇に応じて目標S/Cを増大ひいては改質水の供給流量を増大させることで、改質部入口温度T1だけでなく、改質部23の入口部と出口部との間の部位であって入口部側の部位の温度がコーキング温度Txより高くなるのを抑制している。
なお、改質部入口温度T1は改質水の供給流量は増大されているため、若干低下傾向にある。
時刻t5から時刻t6までの間においては、投入されている改質用原料の供給流量が減少されるため、改質部出口温度T2および燃料電池温度T3は上昇しているもののその温度上昇率はそれまでと比べて小さくなっている。また、改質部入口温度T1もそれまでと比べて低くなっている。
なお、第3温度T3aは、第2温度T1bと同じ温度に設定されているが、改質部入口温度T1が飽和状態となった(サチュレートした)時点における燃料電池温度T3を第3温度T3aに設定するようにしてもよい。本実施形態では、例えば、時刻t3における燃料電池温度T3(約450℃)を第3温度T3aに設定するようにしてもよい。
上述した説明から明らかなように、本実施形態においては、改質部23は燃焼部26におけるアノードオフガスの燃焼熱により直接加熱されている。燃料電池24は、改質部23から供給される高温の燃料(改質ガス)により内部から加熱され、また、燃焼部26におけるアノードオフガスの燃焼によりケーシング21内が加熱されるのに伴って外部から加熱され、さらに、燃料電池24自身が発電するのに伴って加熱される(自己発熱)。このことから、本願発明者は以下のことを見出した。燃料電池24より改質部23の方が先に暖機(昇温)が開始され、燃料電池24より改質部23が早く昇温される。燃料電池24の昇温が進んで燃料電池温度T3が一定の温度(所定温度)以上となると、燃料電池24、改質部23および燃焼部26は断熱性材料で形成されたケーシング内に収容されているので、燃料電池温度T3が燃料電池24、改質部23および燃焼部26を含んで構成されるパッケージ(燃料電池モジュール20)の温度を代表する温度となる。よって、燃料電池温度T3が前記所定温度となるまでは、燃料電池温度T3より先に昇温する改質部温度(改質部入口温度T1)に基づいて改質水供給を制御し、燃料電池温度T3が前記所定温度となった以降は、パッケージの温度を代表する燃料電池温度T3に基づいて改質水供給を制御することにより、改質部23の触媒をコーキングさせることなく、改質部23と燃料電池24とを適切かつ比較的短時間で暖機することができる。
前述のように改質水供給の制御を適切に行うために、本実施形態においては、第1補正S/C算出手段(ステップ204)が、改質部入口温度T1と第1補正S/CΔS/C_1との関係を示す第1マップ(図3(a))と、改質部入口温度センサ23aによって検出された改質部入口温度T1と、からその検出された改質部入口温度T1に対応する第1補正S/Cを算出する。また、第2補正S/C算出手段(ステップ208)が、燃料電池温度T3と第2補正S/CΔS/C_2との関係を示す第2マップ(図3(b))と、燃料電池温度センサ24dによって検出された燃料電池温度T3と、からその検出された燃料電池温度T3に対応する第2補正S/Cを算出する。そして、加算手段(ステップ210)が、基準のS/Cである基準S/Cと、第1補正S/C算出手段によって算出された第1補正S/CΔS/C_1と、第2補正S/C算出手段によって算出された第2補正S/CΔS/C_2と、を加算して目標S/Cを算出する。すなわち、目標S/Cは、改質部入口温度T1とよい相関関係にある第1補正S/CΔS/C_1および燃料電池温度T3とよい相関関係にある第2補正S/CΔS/C_2により基準S/Cを補正することで算出される。
これにより、改質部入口温度T1および燃料電池温度T3にそれぞれ応じた第1および第2補正S/CΔS/C_1,ΔS/C_2を使用することで目標S/Cを設定することができ、燃料電池24および改質部23を暖機するに際してその全期間に渡って改質部23の触媒温度を改質触媒がコーキングするおそれの高い温度より低く抑制することができる。すなわち、改質部23の温度(特に改質部入口温度T1)または改質部23を取り囲むケーシング21内の温度上昇(すなわち燃料電池温度T3)に対してS/C(改質水流量)を増加させるため、改質部23の温度上昇をコーキングの懸念される温度Tx以下に抑制することができる。
また、投入燃料減少、燃焼用エア増では、燃焼部26(燃料電池24付近)への影響が大きく起動時間が大幅に延長され、結局改質部23の加熱時間が長くなるため改質部23の温度上昇抑制効果がほとんどみられない。これに対して、本実施形態では、S/C(改質水流量)を増加させて改質部23の温度を下げた場合、燃焼部26(燃料電池24付近)への影響が小さく燃料電池24の温度上昇をほとんど妨げないため、起動時間の延長が小さい。
また、制御装置60は、改質部23および燃料電池24を暖機する起動運転中において、改質水の供給流量の制御を行う。これにより、運転停止していた燃料電池システムの改質部23および燃料電池24を起動運転する際に、改質部23の触媒温度を改質触媒がコーキングするおそれの高い温度より低く抑制することができる。
また、第1マップにおいては、改質部入口温度T1が第1温度T1aより低い場合には、第1補正S/CΔS/C_1は第1所定値ΔS/C_1aで一定となるように設定され、改質部入口温度T1が第1温度T1aから該第1温度T1aより高くかつ改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度以上である第2温度T1bまでの間である場合には、改質部入口温度T1が高くなるにしたがって第1補正S/CΔS/C_1は第1所定値ΔS/C_1aから該第1所定値ΔS/C_1aより大きい第2所定値ΔS/C_1bまでの間にて大きくなるように設定され、改質部入口温度T1が第2温度T1bより高い場合には、第1補正S/CΔS/C_1は第2所定値ΔS/C_1bで一定となるように設定されている。
これにより、改質部入口温度T1が第1温度T1aより低い場合には、第1補正S/CΔS/C_1を比較的小さい第1所定値ΔS/C_1aに抑制することで目標S/Cを小さい値に設定することができ、改質水を必要以上に供給するのを抑制することができる。また、改質部入口温度T1が第1温度T1aから第2温度T1bまでの間においては、改質部入口温度T1が高いほど第1補正S/CΔS/C_1を大きい値にすることで目標S/Cを大きい値に設定することができ、改質水の供給量を多くすることができる。よって、改質部23の触媒温度を改質触媒がコーキングするおそれの高い温度より低く抑制することができる。さらに、改質部入口温度T1が第2温度T1bより高い場合には、改質部入口温度T1に基づいて供給される改質水供給量をベースにさらに他の要因に基づく改質水供給量を上乗せすることが可能となる。よって、他の要因に基づく改質水供給量を上乗せする場合にも、改質部温度の上昇を抑制するのに必要最低限の改質水供給量を確保することができる。他の要因とは、例えば燃料電池温度T3がある。
また、第2マップにおいては、燃料電池温度T3が、改質部23の温度が改質部23の触媒がコーキングするおそれの高い温度に対して飽和状態となったときの燃料電池24の温度より高い温度である第3温度T3aより低い場合には、第2補正S/CΔS/C_2は第3所定値ΔS/C_2aで一定となるように設定され、燃料電池温度T3が第3温度T3aから該第3温度T3aより高い第4温度T3bまでの間である場合には、燃料電池温度T3が大きくなるにしたがって第2補正S/CΔS/C_2は第3所定値ΔS/C_2aから該第3所定値ΔS/C_2aより大きく第4所定値ΔS/C_2bまでの間にて大きくなるように設定され、燃料電池温度T3が第4温度T3bより高い場合には、第2補正S/CΔS/C_2は第4所定値ΔS/C_2bで一定となるように設定されている。
これにより、燃料電池温度T3が第3温度T3aより低い場合には、第2補正S/CΔS/C_2を比較的小さい第3所定値ΔS/C_2aに抑制することで目標S/Cを小さい値に設定することができ、燃料電池温度T3が低い場合に改質水を必要以上に供給するのを抑制して燃料電池24や改質部23などを収容するケーシング21内全体の温度の低下を抑制することができる。また、燃料電池温度T3が第3温度T3aから第4温度T3bまでの間においては、燃料電池温度T3が高いほど第2補正S/CΔS/C_2を大きい値にすることで目標S/Cを大きい値に設定することができ、改質水の供給量を多くすることができる。よって、燃料電池24より先に改質水が供給される改質部23の温度の上昇を抑制でき、これに加えて改質ガス中の改質に使用されなかった改質水(水蒸気)が燃料電池24に供給されることで燃料電池温度T3の上昇を抑制することができる。さらに、燃料電池温度T3が第4温度T3b(燃焼電池の暖機完了温度)より高い場合には、燃料電池24の暖機が完了しているので、起動運転用の第2補正S/CΔS/C_2を(比較的大きい)第4所定値ΔS/C_2bで一定にすることで、その後の発電運転に与える影響を抑制することができる。
11…筐体、11a…第1排気口、11b…空気導出口、11c…空気導入口、12…仕切部材、12a…空気導入口、13…水タンク、14…純水器、15…換気用空気ブロワ、20…燃料電池モジュール、21…ケーシング、21a…導出口、22…蒸発部、23…改質部、23a…温度センサ(改質部入口温度センサ)、24…燃料電池、24a…セル、24b…燃料流路、24c…空気流路、24d…温度センサ(燃料電池温度センサ)、25…マニホールド、26…燃焼空間(燃焼部)、27…火炎、30…排熱回収システム、31…貯湯槽、32…貯湯水循環ライン、32…貯湯水循環ポンプ、32b,32c…温度センサ、33…熱交換器、42a…流量センサ、42c…原料ポンプ、50…インバータ装置、50a…電圧センサ、50b…電流センサ、51…系統電源、52…電源ライン、53…外部電力負荷、60…制御装置、R1…第1室、R2…第2室、R3…燃焼空間。

Claims (4)

  1. 燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、
    改質用原料と改質水とから前記燃料を生成して前記燃料電池に供給する改質部と、
    前記燃料電池からのアノードオフガスと前記燃料電池からのカソードオフガスとが燃焼されて前記改質部を加熱する燃焼部と、
    断熱性材料で形成されて前記燃料電池、前記改質部および前記燃焼部を内部に収容するケーシングと、
    前記改質用原料と前記改質水とが流入する前記改質部の部位の温度である改質部入口温度を検出する改質部入口温度センサと、
    前記燃料電池の温度を検出する燃料電池温度センサと、
    前記改質水の供給流量の制御を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    スチームカーボン比の制御目標値である目標スチームカーボン比を算出する目標スチームカーボン比算出手段と、
    前記目標スチームカーボン比算出手段によって算出された前記目標スチームカーボン比に基づいて前記改質水の供給流量の制御を行う供給制御手段と、を備え、
    前記目標スチームカーボン比算出手段は、
    前記改質部入口温度と第1補正スチームカーボン比との関係を示す第1マップと、前記改質部入口温度センサによって検出された前記改質部入口温度と、からその検出された前記改質部入口温度に対応する第1補正スチームカーボン比を算出する第1補正スチームカーボン比算出手段と、
    前記燃料電池温度と第2補正スチームカーボン比との関係を示す第2マップと、前記燃料電池温度センサによって検出された前記燃料電池温度と、からその検出された前記燃料電池温度に対応する第2補正スチームカーボン比を算出する第2補正スチームカーボン比算出手段と、
    基準のスチームカーボン比である基準スチームカーボン比と、前記第1補正スチームカーボン比算出手段によって算出された前記第1補正スチームカーボン比と、前記第2補正スチームカーボン比算出手段によって算出された前記第2補正スチームカーボン比と、を加算して前記目標スチームカーボン比を算出する加算手段と、を備えている燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記制御装置は、前記改質部および前記燃料電池を暖機する起動運転中において、前記改質水の供給流量の制御を行う燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2において、前記第1マップにおいては、前記改質部入口温度が第1温度より低い場合には、前記第1補正スチームカーボン比は第1所定値で一定となるように設定され、前記改質部入口温度が前記第1温度から該第1温度より高くかつ前記改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度以上である第2温度までの間である場合には、前記改質部入口温度が大きくなるにしたがって前記第1補正スチームカーボン比は前記第1所定値から該第1所定値より大きい第2所定値までの間にて大きくなるように設定され、前記改質部入口温度が前記第2温度より高い場合には、前記第1補正スチームカーボン比は前記第2所定値で一定となるように設定されている燃料電池システム。
  4. 請求項1または請求項2において、前記第2マップにおいては、前記燃料電池温度が、前記改質部の温度が前記改質部の触媒がコーキングするおそれの高い温度に対して飽和状態となったときの前記燃料電池の温度より高い温度である第3温度より低い場合には、前記第2補正スチームカーボン比は第3所定値で一定となるように設定され、前記燃料電池温度が前記第3温度から該第3温度より高い第4温度までの間である場合には、前記燃料電池温度が大きくなるにしたがって前記第2補正スチームカーボン比は前記第3所定値から該第3所定値より大きく第4所定値までの間にて大きくなるように設定され、前記燃料電池温度が前記第4温度より高い場合には、前記第2補正スチームカーボン比は前記第4所定値で一定となるように設定されている燃料電池システム。
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