JP2013185349A - 液状化対策材および液状化対策構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造体としての強度を有するコンクリートからなる構造パネル11と、透水性を有するコンクリートからなる透水性パネル12と、が層状に接合された2層構造の液状化対策パネル10を備え、基礎1の少なくとも一部に液状化対策パネル10を一体的に設け、透水性パネルが非液状化層2に向けて鉛直に設けられるとともに、非液状化層2に接続する透水性を有するドレーンパイプ6に連通する構成の液状化対策構造を提供する。
【選択図】図1
Description
すなわち、特許文献1のようなマットスラブを施工する際には、砂礫を敷設したり、充填するという手間のかかる作業が発生する。例えば、構造物がU字溝の場合には、敷設延長が長くなることから、施工に多大な時間がかかっていた。
また、敷設や充填に伴う作業は敷設厚さなど施工精度にばらつきが生じるおそれもあり、一定の品質を確保するための十分な管理が必要となることから、その点で改善の余地があった。
また、液状化層内での過剰間隙水圧を抑えることができるので、マンホールやU字溝などの軽量構造体の場合であっても、液状化層内の過剰間隙水による浮き上がりを防止することができる。
さらに、透水性パネルによって一定の厚さ寸法が確保されるので、施工時に透水性材料を敷設する場合のように品質にばらつきが生じることもなく、容易に所定の品質を確保することができる。
また、土間スラブの施工とともにその土間スラブの下面に透水性パネルが設けられるので、土間スラブの施工前に透水性材料を敷設する必要がなくなり、施工が容易になる。そして、例えば、透水性パネルに連通するとともに地上に繋がる排水部を設けることで、液状化層内に生じた過剰間隙水を透水性パネルにより集水し、さらにその水を前記排水部を通じて地上に排水することが可能となる。
また、透水性パネルによって一定の厚さ寸法が確保されているので、容易に施工品質を確保することができる。
図1に示すように、本第1の実施の形態による液状化対策構造は、下層を構成する非液状化層2と、上層を構成する液状化層3と、を有する地盤上に構築される建物4の独立基礎である基礎1(構造体)の側面1aに液状化対策パネル10(液状化対策材)を一体に設けて構成される構造である。基礎1は、平面視矩形をなし、建物4に対して複数が互いに間隔をあけて設けられている。
なお、ポーラスコンクリートは、例えば、既往の研究より圧縮強度を10〜30N/mm2とし、透水係数を1〜5×100cm/sとしたものを作成することができる。そのため、このようなポーラスコンクリートを使用した透水性パネル12を設置することにより、礫や砂利を充填した場合とほぼ同等の排水性能が得られる。
ドレーンパイプ6は、砂利や砂礫などの透水性を有する材料からなり、液状化層3中で液状化によって生じた過剰間隙水を集水して排水層5および透水性パネル12までくみ上げる機能を有している。
図2に示すように、本実施の形態では、透水性を有する透水性パネル12を備えた2層構造からなる液状化対策パネル10を地盤に埋まる基礎1の一部に設けることで、地震により周辺の液状化層3内に生じた過剰間隙水をドレーンパイプ6および透水性パネル12により集水し、さらにその透水性パネル12を通じて地上に排水することが可能となる。つまり、透水性パネル12が排水目地として機能し、液状化に伴って生じる過剰間隙水圧を抑制することで、液状化層3における砂の流動や噴砂が抑えられ、液状化現象の発生を防止することができる。
しかも、液状化対策パネル10が基礎1の上下方向の側面1aに設けられているため、液状化に伴って液状化層3内で生じる過剰間隙水を確実に地上側に排水することができる。
さらに、透水性パネル12によって一定の厚さ寸法が確保されているので、施工時に透水性材料を敷設する場合のように品質にばらつきが生じることもなく、容易に所定の品質を確保することができる。
また、透水性パネル12によって一定の厚さ寸法が確保されているので、容易に施工品質を確保することができるという効果を奏する。
図4および図5に示すように、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態の液状化対策パネル10では、構造パネル11の全面にわたって透水性パネル12が積層された構成となっているが、本第2の実施の形態では構造パネル11との接合面に透水性パネル12を部分的に設けた構成となっている。すなわち、第2の実施の形態における液状化対策パネル10は、透水性パネル12が基礎1の側面1aにおいて上下方向に向けて延在する帯状に形成され、この帯状の透水性パネル12が構造パネル11の一方面側に埋め込まれた状態で水平方向に間隔をあけて複数配列されている。そのため、この帯状の透水性パネル12は、それぞれが基礎1の下面1b側に設けられる排水層5(図1参照)に接続している。
そして、上述した第1の実施の形態と同様に、透水性パネル12を備えた液状化対策パネル10を一体に組み込んだ基礎1を地盤の所定位置に設置するという簡単な施工となることから、施工効率を向上させることができ、手間や時間を低減することができる。
次に、第3の実施の形態の液状化対策構造について説明する。
図6および図7に示すように、第3の実施の形態の液状化対策構造は、マンホール7(構造体)を液状化対策パネル10で一体に形成したものである。すなわち、マンホール7は、外殻を構成する周壁71および底壁72が構造パネル11と透水性パネル12とが積層された2層構造の液状化対策パネル10によって略有底筒状に形成されている。透水性パネル12は、マンホール7の外周表面に位置して地盤(液状化層3)に接するように配置され、構造パネル11のコンクリートを覆うようにして設けられている。
また、マンホール7は軽量構造体であるが、液状化層3内での過剰間隙水圧を抑えることができるので、液状化層3内の過剰間隙水による浮き上がりを防止することができる。
次に、第4の実施の形態の液状化対策構造について説明する。
図8および図9に示すように、第4の実施の形態の液状化対策構造は、U字溝8(構造体)を液状化対策パネル10で一体に形成している。すなわち、U字溝8は、一対の側壁部81および底盤部82が構造パネル11と透水性パネル12とが積層された2層構造の液状化対策パネル10によって断面視でU字状に形成されている。透水性パネル12は、U字溝8の外周表面に位置して地盤(液状化層3)に接するように配置され、構造パネル11のコンクリートを覆うようにして設けられている。
また、U字溝8は軽量構造体であるが、液状化層3内での過剰間隙水圧を抑えることができるので、液状化層3内の過剰間隙水による浮き上がりを防止することができる。
次に、第5の実施の形態の液状化対策構造について説明する。
図10に示すように、第5の実施の形態の液状化対策構造は、建物の土間スラブ9(構造体)を液状化対策パネル10で形成したものであり、液状化対策パネル10の透水性パネル12を下側に向けて配置させることにより構成している。図10において、符号41は建物の柱、符号42は柱41を支持する基礎を示している。土間スラブ9および基礎42には、非液状化層2に向けて鉛直に設けられ、非液状化層2に接続する透水性を有する複数のドレーンパイプ6が設けられている。ドレーンパイプ6については、上述した第1の実施の形態と同様の構成であるので、ここでは詳しい説明は省略する。
また、土間スラブ9の施工とともにその土間スラブ9の下面側に透水性パネル12が設けられるので、土間スラブ9の施工前に透水性材料を敷設する必要がなくなり、施工が容易になる。そして、例えば、透水性パネル12に連通するとともに地上に繋がる図示しない排水部を設けることで、液状化層3内に生じた過剰間隙水を透水性パネル12により集水し、さらにその水を前記排水部を通じて地上に排水することが可能となる。
例えば、本実施の形態では液状化対策パネル10の透水性パネル12の部材の一例としてポーラスコンクリートを示しているが、この部材に限定されることはなく、透水性を有するコンクリートであれば他の部材であってもかまわない。
また、構造パネル11と透水性パネル12との厚さ寸法は、任意に設定することができる。そして、液状化対策パネル10のパネル形状として平面状であることに限定されることはなく、上述したマンホール7やU字溝8のように、連続的に湾曲、あるいは屈折させたパネル形状であっても良い。
2 非液状化層
3 液状化層
4 建物
5 排水層
6 ドレーンパイプ
7 マンホール(構造体)
8 U字溝(構造体)
9 土間スラブ(構造体)
10 液状化対策パネル(液状化対策材)
10a 接合面
11 構造パネル
12 透水性パネル
Claims (7)
- 下層を構成する非液状化層と、上層を構成する液状化層と、を有する地盤中、或いは地盤上に構築される構造体に一体に設けられる液状化対策材であって、
前記構造体としての強度を有するコンクリートからなる構造パネルと、透水性を有するコンクリートからなる透水性パネルと、が層状に接合された2層構造をなし、前記構造体の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする液状化対策材。 - 前記透水性パネルは、前記構造パネルとの接合面に対して部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液状化対策材。
- 下層を構成する非液状化層と、上層を構成する液状化層と、を有する地盤中、或いは地盤上に構築される構造体に液状化対策材を一体に設けて構成される液状化対策構造であって、
前記液状化対策材は、前記構造体としての強度を有するコンクリートからなる構造パネルと、透水性を有するコンクリートからなる透水性パネルと、が層状に接合された2層構造をなし、
前記構造体の少なくとも一部に前記液状化対策材が設けられていることを特徴とする液状化対策構造。 - 前記液状化対策材は、少なくとも前記構造体の上下方向の側面の一部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液状化対策構造。
- 前記構造体は、建物の土間スラブであり、
該土間スラブは、前記液状化対策材の前記透水性パネルを下側に向けて配置させることにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の液状化対策構造。 - 前記液状化対策材は、前記構造体の外周表面の全面にわたって設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液状化対策構造。
- 前記透水性パネルは、前記非液状化層に向けて鉛直に設けられるとともに、非液状化層に接続する透水性を有するドレーンパイプに連通していることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の液状化対策構造。
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CN104846803A (zh) * | 2015-04-08 | 2015-08-19 | 浙江海洋学院 | 一种地基土固结方法 |
JP2017020187A (ja) * | 2015-07-07 | 2017-01-26 | ジオスター株式会社 | 液状化抑止地中埋設体、及び地震時の地盤変形抑制構造 |
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