JP2013185265A - タイツ - Google Patents

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Shingo Kawarazaki
真悟 川原崎
Masako Suzuki
雅子 鈴木
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Abstract

【課題】純粋な黒色を発現するタイツを提供する。
【解決手段】このタイツ1のレッグ部2を構成する伸縮性編地は、編み糸をカバリング糸(SCY)としてを用いて平編ループ8で編成されている。カバリング糸は、芯糸としてポリウレタン弾性糸を用い、捲糸としてナイロン加工糸を用いており、ポリウレタン弾性糸の色は、ナイロン加工糸の黒色に対応する黒色であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、下半身用衣類である、パンティストッキング型のタイツやレッグ部のみのタイツ(スパッツ等)に関し、特に、カバリング糸を用いたタイツであって濃色が映えるタイツに関する。
カバリング糸は伸縮性を有すること等から、ストッキングやタイツ等の編み糸として広く用いられている。
タイツは専ら冬季に着用され、保温性を重視したものとなっており、タイツにはアクリルのバルキー糸100%のもの、カバリング糸とナイロンフィラメント加工糸との交編タイプのもの、またはカバリング糸100%のいわゆるゾッキタイプのものがあり、形状としてはパンティーストッキング型のものやレッグ部のみのものがある。本発明に係るタイツには、パンティーストッキング型のみならず、パンティーストッキング型のタイツの一部(足首より先の部分やパンティ部等)を欠落させた、スパッツ、レギンスおよびトレンカ等の呼び名を有する形状のものも含む。
このようなタイツに用いられるカバリング糸としては、ポリウレタン弾性糸を芯糸としてナイロンフィラメント加工糸を1重に被覆したSCY(シングル・カバード・ヤーン)または2重に被覆したDCY(ダブル・カバード・ヤーン)ものが、主に用いられている。
たとえば、特開平11−189941号公報(特許文献1)は、このようなカバリング糸を用いたタイツを開示する。このタイツは、以下のカバリング糸を使用する。このカバリング糸は、芯糸に捲糸を被覆したカバリング糸であって、捲糸のフィラメント横断面が、4つの突片を有する十字型形状である。この十字型とは4つの突片がほぼ点対称に突出した状態のものであり、各突片の間に凹部が4つ存在する。
このようなカバリング糸を用いたタイツによると、捲糸のフィラメントの横断面形状が突片と凹部を有する形であるから、このフィラメントを複数本束ねてマルチフィラメントとした際の繊維(フィラメント)間の空隙率が高くなり、この空隙に存在する空気によって保温性が発揮される。一方、この空隙は閉鎖されておらず、従って空隙内の空気は適宜外界と交流するので、過剰な保温性とならず蒸れを生じない。また、捲糸をモノフィラメントとした場合であっても、芯糸に巻き付けた際の繊維間の空隙率が高くなるから、保温性を発揮し、また、蒸れを生じない。
特開平11−189941号公報
ところで、最近ではミニスカートが若い女性の間に定着し、冬季でもスカート類および/またはブーツとパンティーストッキングまたはタイツとをコーディネイトするレッグファッションが注目されている。ユーザは、このようなファッション指向を重視してタイツのカラーを選択しており、冬季に着用するタイツとしては、若い女性に特に黒色が好まれる傾向がある。
一方、特許文献1は、芯糸としてポリウレタン弾性糸、捲糸としてナイロンの仮撚加工糸から構成されるシングルカバリング糸を用いてゾッキ編みされたタイツを開示しているが、色についての言及も示唆もない。一般的には、透明のポリウレタン弾性糸にタイツのカラーとなるナイロン糸(捲糸)が組み合わせて用いられる。
しかしながら、特許文献1に開示されたタイツでは以下の問題点がある。ユーザが黒色のタイツとブーツおよび/またはスカートとをコーディネイトしようと黒色のタイツを購入して着用すると、純粋な黒色ではなく、ぎらつきのある黒色に見えてしまう。これは、芯糸である透明のポリウレタン弾性糸が捲糸のナイロン糸の間隙から見えるためであると
考えられる。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、着用したときに純粋な黒色を発現することのできるタイツを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のタイツは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明のタイツは、芯糸に捲糸を巻着させたカバリング糸を用いたタイツであって、前記芯糸の色と前記捲糸の色とを同系統の色としたことを特徴とする。
好ましくは、前記同系統の色は、濃色または黒色であるように構成することができる。
本発明のタイツによれば、着用したときに純粋な濃色(黒色)を発現することができる。
本発明の実施の形態に係るタイツの概略正面図である。 図1のタイツを編成するカバリング糸を説明するための図である。 図1のタイツの編み組織を示す図である。 タイツを着用したときの状態を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態に係るタイツ1を、図面に基づき詳しく説明する。
図1に、本実施の形態に係るタイツ1の概略正面図を示す。このタイツ1は、通常のパンティストッキング等の下半身用衣類と同じく、腹部および臀部を被覆するパンティ部3と、脚を被覆するレッグ部2とを備えるものである。このタイツ1は、筒状に編成された1対の編地を用い、パンティ部3に相当する部分に切れ目を入れて裁断縁どうしをつき合わせて股部4を縫着して一体化することにより製造される。また、足部の爪先部は周知の手段により、袋状に縫着することにより製造される。
なお、本発明において、対象をタイツとしているが、部分的にその機能を備えたスパッツ等を含むことは上述した通りである。
本実施の形態に係るタイツ1は、外観上自分や他人の目に触れることになる少なくともレッグ部2を構成する編み糸が以下の特徴を備える、濃色(好ましくは黒色)のタイツである。レッグ部2以外の他の部分については、編み糸も編み組織も限定されるものではなく、レッグ部2と他の部分とを同じ糸使いで同じ編み組織としても、本出願人により出願された特開2004−346434号公報に開示されたようにタイツ1の部位により糸使いおよび/または編み組織を変更してタイツ1を編成するようにしても構わない。
少なくともレッグ部2を構成する編地は、編み糸として図2に示すカバリング糸(SCY)5を用いて、編み組織として図3に示すように平編ループ8を用いて編成された伸縮性平編地で構成される。なお、図3は、模式的に編み組織を表した図であるために、図3においては、平編ループ8の大きさとカバリング糸5の径とポリウレタン弾性糸6の径とナイロン加工糸7の径との比率は、現実のものと異なっている。
図2に示すように、カバリング糸5は、芯糸としてポリウレタン弾性糸6を用い、捲糸としてナイロン加工糸7(嵩高性ポリアミド繊維糸)を用いている。芯糸であるポリウレタン弾性糸6は、エーテル結合を持つエーテルタイプであってもエステル結合を持つエステルタイプであっても構わない。その太さは、パワー(緊縛力)が強すぎることなく最適なパワーとなる範囲のものであれば特に限定されない。また、フィラメント数はモノフィラメントおよびマルチフィラメントのいずれでもよい。本実施の形態においては、この芯糸であるポリウレタン弾性糸6の色は、ナイロン加工糸7の濃色(黒色)に対応する同系統の色(好ましくは同じ色)の濃色(黒色)に限定される。
ポリウレタン弾性糸6に被覆する捲糸であるナイロン加工糸7は、ポリアミドフィラメントであって、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等が好ましい。また、光沢もチタンの含有有無によるブライト、セミブライト、セミダル、ダルも特に限定はされないが、純粋な濃色(黒色)を発現させるためには光沢がない方が好ましい。本実施の形態に係
るタイツ1は、商品企画において、純粋な濃色(黒色)を発現することをターゲットとしているため、ポリウレタン弾性糸6の色およびナイロン加工糸7の色は、同系統の色(好ましくは同じ色)であって、濃色(黒色)としている。
このように、カバリング糸5を用いた平編ループ8で編成された伸縮性平編地で構成されたタイツ1は、フィット性が良好で、かつ、肌触りの良好な着用感であるように、カバリング糸の種類および編み組織が決定されている。さらに、レッグ部2における色が純粋な濃色(黒色)を発現するように、ポリウレタン弾性糸6の色およびナイロン加工糸7の色は、同じ濃色(黒色)とされている。
本実施の形態に係るタイツ1を着用した場合について図4を用いて説明する。図4は、このタイツ1を着用した場合のレッグ部2における1本のカバリング糸5の拡大図である。
図4に示すように、タイツ1の機能として伸縮性を備え、カバリング糸5が伸縮性に富むため、カバリング糸5が伸びると、捲糸であるナイロン加工糸7の間から芯糸であるポリウレタン弾性糸6が見える可能性がある。
本実施の形態に係るタイツ1においては、ポリウレタン弾性糸6の色およびナイロン加工糸7の色は、同じ黒色であるので、たとえ、捲糸であるナイロン加工糸7の間から芯糸であるポリウレタン弾性糸6が見えたとしても、タイツ1が黒色以外に見えることはない。
一方、従来のタイツのように、捲糸であるナイロン加工糸7の間から芯糸であるポリウレタン弾性糸6が見えると、ポリウレタン弾性糸6の色が透明であってナイロン加工糸7の黒色とは異なるために、従来のタイツでは黒色以外が見えることになり、外観上ぎらついているように見える。
なお、図4は、理解を容易にするために(捲糸であるナイロン加工糸7の間から芯糸であるポリウレタン弾性糸6が見える可能性を容易に理解するために)作成された図であるために、図4においては、カバリング糸5の径とポリウレタン弾性糸6の径とナイロン加工糸7と径との比率は、現実のものと異なっている。
以上のようにして、本実施の形態に係るタイツによると、少なくとも外観から目視されるレッグ部の編糸をカバリング糸として、そのカバリング糸を構成するポリウレタン弾性糸の色およびナイロン加工糸の色を、同じ黒色とした。このため、従来のタイツのように、ポリウレタン弾性糸の色およびナイロン加工糸の色が異なるために(特にポリウレタン弾性糸が透明である場合)、タイツの着用時にレッグ部にぎらつきを生じて、外観上純粋な黒色を発現できないことを回避することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、多機能なタイツを実現するために(吸汗性や保温性や消臭性を備える、伝線しにくい等)、編糸および編み組織が選択されていることも好適である。また、カバリング糸はSCYではなくDCYであっても構わないし、芯糸および捲糸の種類(組成、太さ等)も限定されるものではない。
また、ポリウレタン弾性糸の色およびナイロン加工糸の色を同系統の色(好ましくは同じ色)とすることにより、タイツの着用時に生じるぎらつきを抑えるという作用効果を発現するのであれば、タイツの色は濃色にも黒色にも限定されず、たとえば淡色であっても構わない。
本発明は、タイツに好適であり、純粋な黒色(濃色)でレッグファッションをコーディネイトする場合のタイツに特に好適である。
1 タイツ
2 レッグ部
3 パンティ部
4 股部
5 カバリング糸
6 ポリウレタン弾性糸
7 ナイロン加工糸
8 平編ループ

Claims (2)

  1. 芯糸に捲糸を巻着させたカバリング糸を用いたタイツであって、
    前記芯糸の色と前記捲糸の色とを同系統の色としたことを特徴とするタイツ。
  2. 前記同系統の色は、濃色または黒色であることを特徴とする、請求項1に記載のタイツ。
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