JP2013184825A - クレーン制御装置、クレーン、クレーン制御装置の使用、クレーンの作動方法、及びその作動方法を実行するためのソフトウェア - Google Patents

クレーン制御装置、クレーン、クレーン制御装置の使用、クレーンの作動方法、及びその作動方法を実行するためのソフトウェア Download PDF

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Abstract

【課題】改良されたクレーン制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置を開示する。このクレーン制御装置には張力制御モードが備えられ、この張力制御モードが機能している状態では、クレーン制御装置は、ワイヤロープの張力が設定値に達するように巻上装置を作動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置に関する。
公知のクレーン制御装置においては、荷物に望む位置又は望む速度が設定値として機能する制御機能又は調整機能が備えられている。例を挙げると、クレーンオペレータは、ハンドレバーの操作を通じて荷物に望む移動速度を指定する。指定された移動速度の設定値は、クレーン制御装置への入力変数として機能する。
例えば特許文献1のクレーン制御装置では、ある時点で計測された上下揺れと、上下揺れの物理モデルを参照し、ワイヤロープ吊下箇所の以後の揺動を予測するための予測装置が備えられており、巻上装置を作動させる際には、経路制御装置が予測された揺動を考慮に入れる。
独国特許出願公開第10 2008 024513号明細書
本発明の発明者達は、一定の状況下で巻上装置を作動させることによって、不利益が生じる可能性があることを認識していた。
したがって、本発明の課題は改良されたクレーン制御装置を提供することにある。
本発明によると、上記課題は請求項1によって解決される。
本発明は、ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーンの制御装置を開示する。本発明によると、クレーン制御装置には張力制御モードが備えられている。この張力制御モードが機能している状態では、クレーン制御装置は、ワイヤロープの張力が設定値に達するように巻上装置を作動させる。荷物の目標位置又は目標速度を参照して動作するクレーン制御装置と比較すると、ワイヤロープの張力が所望の値となるように巻上装置を作動させることが利点となり得る。特に、本発明に係るクレーン制御装置に備えられた張力制御モードを用いることで、荷物を下ろした際に生じるワイヤロープの弛緩を防止できる。張力の制御は自動的に実行されると有利である。
好ましくは、ウインチの速度及び/又は位置が制御される。特に、系の弾性を考慮することによって、ワイヤロープの張力が設定値に達するようにウインチの速度及び/又は位置を制御することができる。
張力制御モードが機能している状態では、ワイヤロープの張力を一定の設定値に保持することができると有利である。張力制御モードが機能している状態では、クレーン制御機能は、ワイヤロープの張力が指定された設定値に自動的に調整されるように巻上装置を作動させると有利である。
実際の張力の値を決定する張力測定ユニットを備えることができる。ワイヤロープの張力の実際の値と設定値との比較結果に基づいた制御が行われると有利である。
本発明によると、張力制御モードが機能している状態では、1つ以上の測定値をフィードバックすることによって、ワイヤロープの張力を制御できる。張力測定ユニットは、張力センサーで測定された信号に基づいてワイヤロープの張力の実際の値を決定すると有利である。
本発明によると、巻上装置に張力センサーを取り付けることが可能であり、特に、巻上用ウインチのマウント部及び/又はローププーリのマウント部に配設することができる。例を挙げると、巻上用ウインチのための基部上に巻上用ウインチを固定する耳部(タブ)、あるいは巻き上げられるワイヤロープが案内されるローププーリを保持する耳部中に、張力センサーを取り付けることができる。
その上、張力測定ユニットは、調整された測定値又はモデルに基づいた推定値を用いることによって、ワイヤロープの実際の張力を決定することができる。特に、ワイヤロープの張力を決定するための観測装置が備えられ、この観測装置は、測定値はもちろんのことワイヤロープの動的挙動を記述する物理モデルにも準拠してワイヤロープの張力を決定する。
その上、本発明に係るクレーン制御装置は、測定値及び/又は制御信号及び/又はオペレータによる入力を参照してワイヤロープの張力の設定値を決定するための、張力設定ユニットを備えることができる。
例を挙げると、張力設定ユニットは、吊上作業中にワイヤロープに作用する静的な力を決定することができる。特に、張力制御モードが機能する以前の状態で、吊上作業中にワイヤロープに作用する静的な力を決定することができる。さらに具体的には、この静的な力は吊荷の重量に相当する。ワイヤロープに作用する力のうち動的挙動に由来する部分については、例えば測定値の調整を用いて取り除くことができる。
その上、本発明に係る張力設定ユニットは、ワイヤロープの長さを考慮に入れることができる。とりわけ、非常に長いワイヤロープを用いて吊上作業を行う際には、ワイヤロープ吊下箇所に作用する荷重は、繰り出されたワイヤロープの長さと、その重量の各々に依存する。それゆえ張力設定ユニットは繰り出されたワイヤロープの重量を考慮に入れると有利である。
特に、荷物を吊り下げた状態で測定された力に含まれる静的な部分から、繰り出されたワイヤロープの重量を推測することによって吊荷の重量を決定できる。張力設定ユニットは、決定された吊荷の重量と、張力制御モードが機能している最中に繰り出された目下のワイヤロープの重量を考慮に入れると有利である。
特に、クレーン用フックではなく、例えば巻上装置に取り付けられたセンサーを用いて張力を測定する際には、ワイヤロープの長さを考慮に入れるような張力設定ユニットが有利に働く。
その上、本発明によると、クレーン制御装置には入力装置が備えられており、この入力装置を用いることによって、クレーンオペレータは張力の設定値を変更できる。これによって、クレーンオペレータは、張力制御モード中に保持されることになる張力の値を設定することができる。
対応する係数を入力することによって、静的な力に対する張力の設定値の割合を、吊上作業中に決定できると有利である。例えば、張力制御モードが機能している状態では、クレーンオペレータは、ワイヤロープの張力の少なくとも一部を、制御モードが機能する以前にワイヤロープに作用する荷重に割合を乗じたものとして指定できる。
ワイヤロープの張力の設定値は、繰り出されたワイヤロープによって生じる重量を常に上回るように決定されると有利である。こうすることによって、張力制御モードにおけるワイヤロープの弛緩の発生を、確実に防止できる。既に記載されているように、この目的を遂げるため、ワイヤロープの長さを考慮に入れて、繰り出されたワイヤロープの重さが決定される。特に、ワイヤロープの張力の設定値は、繰り出されたワイヤロープによって生じる重量に、ワイヤロープが繰り出される以前にワイヤロープに作用する荷重に一定の割合を乗じたものを加算することによって構成されている。
張力制御モードにおいては、本発明に係るクレーン制御装置は、ワイヤロープの動的挙動を考慮するためのフィードフォワード機能と、張力測定ユニットによって測定されたワイヤロープの張力をフィードバックするフィードバック機能を備えることができる。例えばフィードフォワード機能は、ワイヤロープの動的な振動を記述する物理モデルの逆解析に基づくことができる。クレーン制御装置は繰り出されたワイヤロープの重量を考慮すると有利である。張力の制御はフィードバック機能によって安定化される。
その上、本発明に係るクレーン制御装置は、状態検知機能を備えることもできる。状態検知機能を利用することによって、張力制御モードの機能を停止及び/又は起動させる切り替えを、クレーン制御装置に自動的に実行させることができる。状態検知機能は荷下ろし及び/又は荷物の吊り上げを検知できると有利である。これによって、荷下ろし及び/又は荷物の吊り上げを認識した際に、張力制御モードの機能をオンオフさせるような切り替えを、クレーン制御装置に自動的に実行させることができる。
あるいは、クレーンオペレータの手動操作によって、単方向又は双方向の切り替えを実行することもできる。
認識された目下の状態を表示することができると有利である。
クレーンの状態の検知と、特に荷下ろし及び/又は荷物の吊り上げを検知すべく、状態検知機能によってワイヤロープの張力がモニターされると有利である。クレーンオペレータが入力手段を用いて荷物を下ろすように指定したにもかかわらず、荷重の減少が見受けられたとき、及び/又はワイヤロープの張力の時間微分が、ある閾値を下回ったときに、荷下ろしが行われたと認識されると有利である。逆に、クレーンオペレータが入力手段を用いて荷物を吊り上げるように指定したにもかかわらず、荷重の増大が見受けられたとき、及び/又はワイヤロープの張力の時間微分が、ある閾値を上回ったときに、荷物の吊り上げが行われたと認識される。
その上、本発明に係るクレーン制御装置は、荷物の位置及び/又は荷物の速度及び/又はワイヤロープの位置及び/又はワイヤロープの速度の設定値に基づいて巻上装置を作動させる吊上モードを備えることができる。吊上モードにおいては、荷物の位置及び/又は荷物の速度及び/又はワイヤロープの位置及び/又はワイヤロープの速度の実際の値をフィードバックする制御装置を備えることができる。
クレーン制御装置は、荷下ろしを検知したときに吊上モードから張力制御モードへの切り替えを実行すると有利である。
その上、クレーン制御装置が荷物の吊り上げを検知し、可能であれば荷物の吊り上げを表示した際に、クレーン制御装置又はクレーンオペレータは、張力制御モードから吊上モードへの切り替えを実行できる。
特に好ましくは、本発明に係るクレーン制御装置は、例えば船上に設置されたクレーンに設けられたワイヤロープ吊下箇所、又は船上に荷物が置かれた荷置箇所が、上下揺れに起因して揺れ動くような状況下で荷物の吊上作業を行うために用いることができる。
本発明に係る張力制御モードが機能する結果、ワイヤロープ吊下箇所や荷置箇所が揺れ動くにも拘わらず、ワイヤロープの弛緩を防止することができる。なぜならば、張力制御モードを用いることによってワイヤロープの張力が保持されるからである。これによって、ワイヤロープの弛緩によって、ワイヤロープやクレーンに局所的に甚大な負荷が加わってしまうことを防止できる。
本発明に係るクレーン制御装置は、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能を備えることができる。クレーンの動作がより一層改良されることで、上下揺れに晒されていても張力の制御を達成することができる。
能動的上下揺れ補償機能は、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所又は荷置箇所に生じる以後の揺動を予測する予測機能にしたがって作動し、予測に応じて巻上装置を動作させることによって揺動を少なくとも部分的に補償すると有利である。
能動的上下揺れ補償機能は、本発明に係るクレーン制御装置に含まれる吊上モード及び/又は張力制御モードを備えることができる。
その上、本発明には上記クレーン制御装置を備えたクレーンが含まれる。
特に、本発明に係るクレーンはデッキクレーンであっても良い。デッキクレーンとはフロート(台船)上に支持されたクレーンである。そのようなクレーンに設けられたワイヤロープ吊下箇所は、上下揺れを受けて揺れ動く。
あるいは、本発明に係るクレーンは、例えば港湾クレーン、沖合クレーン又はケーブル式ショベル、さらには移動式港湾クレーンであっても良い。港湾クレーンは船上への荷下ろし又は船からの荷揚げに用いられる。したがって、本発明に係るクレーンは堀削プラットフォーム上に設置されても良い。そのような船上への荷下ろし又は船上からの荷揚げに用いられるクレーンの荷置箇所は、上下揺れを受けて揺れ動く。
その上、本発明は、上下揺れに例示されるような外部からの影響に起因して、ワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所が動作するような状況下で吊り上げを行う際に、本発明に係るクレーンの使用をすることを含む。しかしながら、外部からの影響とはワイヤロープ吊下箇所を動作させる風圧荷重であっても良い。
このとき、本発明に係る張力制御モードは、外部からの影響によって生じるワイヤロープの弛緩を防止できる。ワイヤロープ吊下箇所は、特にクレーン先端部であっても良く、このクレーン先端部から荷物へと巻上用ワイヤロープが案内される。例えば上下揺れによってワイヤロープ吊下箇所にもたらされる動作は、ワイヤロープを伝わって荷物へと伝達される。荷置箇所は、例えばフロート、特に船上の積載部であっても良い。下ろされた荷物と共に荷置箇所が動作することによって、ワイヤロープの弛緩又は荷物の吊り上げが生じてしまう。
その上、本発明は、下ろされた荷物と共に本発明に係るクレーン制御装置を使用することを含む。特に、ワイヤロープの張力が所望の設定値に保持されることが、本発明に係る張力制御モードによって自動的に保障されている。この本発明に係るワイヤロープの制御機能によって、この保障がもたらされていると有利である。
その上、本発明にはワイヤロープに吊した荷物を吊り上げるための巻上装置を有するクレーンを作動させる方法が含まれている。本発明によると、ワイヤロープの張力の設定値に基づいて巻上装置を作動させる。これによって、クレーン制御装置とその使用に関して、既に詳細に亘って述べられてきたような利点がもたらされる。
本発明に係るクレーン制御装置とその使用に関して、既に詳細に亘って述べられてきたような方法が実行されると有利である。
特に、本発明に係る方法は既に述べられてきたようなクレーン制御装置を用いて実行できる。
本発明に係るクレーン制御装置は、荷置作業を検知すると張力制御モードへと自動的に切り替わると有利である。荷置作業を検知すると、測定された目下の張力から実際の目標張力への傾斜路上の遷移がもたらされると有利である。こうした遷移を行う目的は、参照変数の設定値が不連続となってしまう事態を避けるためである。
その上、荷物の吊り上げのために、初めに荷物を吊り上げられる程度の大きさまで目標張力は上昇される。さらに張力制御モードから吊上モードへの切り替えは、荷物を吊り下げた状態で実行されると有利である。
張力制御モードから吊上モードへの切り替えを、クレーンオペレータによって手動で行うことができる。あるいは、この切り替えをクレーン制御装置によって自動的に行うこともできると有利である。
さらに吊上モード中の荷物の動作指定をクレーンオペレータによって行うための入力装置は、張力制御モード中は自動的に機能停止されると有利である。
その上、本発明は、上記方法を実施するためのプログラムコードを備えたソフトウェアを含む。特に、機械読み取り可能なデータ記憶媒体上にソフトウェアを保存できる。本発明に係るクレーン制御装置は、本発明に係るソフトウェアをクレーン制御装置にインストールすることによって実施可能となると有利である。
本発明に係るクレーン制御装置及び特に張力制御モードは、有利とするために電気制御ユニットによって実現される。特に、制御コンピュータを備えることが可能であって、この制御コンピュータは入力装置及び/又はセンサーに接続されて、巻上装置を作動させるための制御信号を生成する。その上、制御コンピュータにディスプレイ装置を接続することも可能であり、クレーン制御装置の状態についての情報を、クレーンオペレータに視覚的に表示する。本発明によると、クレーン制御装置が張力制御モード及び/又は吊上モードのいずれの状態にあるかが表示されると有利である。その上、本発明によると、設定値を視覚的に表示することができる。制御コンピュータには、所望の張力を設定するための入力装置が接続されると有利である。さらに制御コンピュータは張力センサーに接続されると有利である。
上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能のための、独立した軌道設定の構成を示す図である。 連続的な躍度を用いた軌道設定のための4重積分を示す図である。 軌道設定のための不等間隔離散化を示す図であり、具体的には時間区間の始端から終端に掛けて、間隔が広がっていく様子を示す図である。 速度を例として、拘束量の変化の影響が、時間区間の終端側から始端側へと波及していく振る舞いを例示する図である。 付加された躍度を参照して動作する、オペレータ制御機能の軌道設定のために用いられる3重積分を示す図である。 駆動動作における拘束量を考慮した上で経路の設定を行う、オペレータ制御機能に備えられた経路設定の構成を示す図である。 巻上装置の位置及び/又は速度及び/又は加速度の軌道を経路設定から計算するために用いられる、切り替え時間に対する躍度の振る舞いを例示する図である。 躍度の付加によって生成される、速度と加速度の軌道の振る舞いを例示する図である。 能動的上下揺れ補償機能と、本発明においては張力保持モードと呼ばれる目標張力モード(target force mode)による作動概念を示す概観図である。 能動的上下揺れ補償機能のための作動回路を示すブロック回路図である。 目標張力モードのための作動回路を示すブロック回路図である。 フロート上に設置された本発明に係るクレーンを示す図である。
図12には、巻上装置5を作動させることを用途とする、本発明に係るクレーン制御装置を備えたクレーン1の実施形態が例示されている。巻上装置5には、ワイヤロープ4を動作させるための巻上用ウインチが備えられている。ワイヤロープ4はワイヤロープ吊下箇所2上を案内され、本実施形態ではワイヤロープ吊下箇所2は、クレーンブームの先端に設けられたデフレクションプーリで構成されている。ワイヤロープ4を上下させることによって、ワイヤロープ4に吊された荷物3の上げ下ろしが可能となる。
巻上装置5の位置及び/又は速度を測定し、測定結果に応じた信号をクレーン制御装置に送るための1つ以上のセンサーが備えられている。
加えて、ワイヤロープ4の張力を測定し、測定結果に応じた信号をクレーン制御装置に送信するための1つ以上のセンサーが備えられている。センサーはクレーン本体付近に配設され、特に巻上用ウインチ及び/又はデフレクションプーリ2の取付部に設けられる。
本実施形態においては、クレーン1はフロート(台船)6上に、特に船上に配置される。図12に示されている様に、フロート6は上下揺れに起因して6つの自由度で揺れ動く。それに伴って、フロート6上に配設されたクレーン1はもちろん、ワイヤロープ吊下箇所2も揺れ動く。
本発明にかかるクレーン制御装置には、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所2に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能が備えられている。特に上下揺れに起因するワイヤロープ吊下箇所2の鉛直運動が、少なくとも部分的に補償される。
上下揺れ補償機能には、センサーデータから目下の上下揺れ動作を決定するための計測装置が備えられている。計測装置は、クレーンの土台部に配設されたセンサーから構成され、特にジャイロスコープ及び/又は傾斜角センサーが用いられる。とりわけ好ましくは、3つのジャイロスコープと3つの傾斜角センサーが備えられている。
その上、測定された上下揺れ動作と上下揺れ動作のモデルに基づいて、ワイヤロープ吊下箇所2の以後の動作を予測するための予測装置が備えられても良い。特に、予測装置はワイヤロープ吊下箇所2の鉛直方向の動作のみを予測する。場合によっては、計測装置及び/又は予測装置によって、計測装置のセンサーが設けられた場所における船の動作が、ワイヤロープ吊下箇所2の動作へと変換される。
望ましくは、予測装置と計測装置は、特許文献1に詳細に記載されているように構成される。
あるいは、本発明に係るクレーンは、上下揺れによって揺れ動くフロート6上の荷置箇所による、荷物を上げ下げするために使用されるクレーンであっても良い。この場合、予測装置は荷置箇所の以後の動作を予測しなければならない。このときも上記手続きと類似した方法によって動作の予測が可能であり、計測装置のセンサーは荷置箇所があるフロート6上に設けられる。例を挙げれば、沖合クレーンや、港湾クレーン、若しくはケーブル式ショベルが該当する。
本実施形態においては、巻上装置5の巻上用ウインチは油圧によって駆動される。特に、油圧ポンプ、そして油圧モーターからなる油圧回路が備えられており、これを用いて巻上用ウインチが駆動される。好ましくは油圧アキュムレータが備えられ、荷物を下ろす際に生じる位置エネルギーを蓄えて、荷物を吊り上げる際に利用できるようにされている。
あるいは、電気駆動方式を用いて巻上用ウインチを駆動させても良い。油圧を用いた場合と同様に、位置エネルギーを蓄積する機構に接続されても良い。
以下では、本発明の典型的な実施形態が示され、本発明の多数の態様が併せて理解される。しかしながら、本願の広範に亘って記載された本発明の実施形態を改良するために、個々の態様をそれぞれ独立して用いることが可能である。
〈1 参照軌道の設定〉
能動的上下揺れ補償機能のために要求される動作を予め設定するためには、2自由度形式を取るフィードフォワード制御とフィードバック制御からなるシーケンス制御が用いられる。フィードフォワード制御は微分パラメータ(differential parametrization)を用いて計算され、参照軌道が2階連続的微分可能であることを必要とする。
動作の設定においては、指定された軌道にしたがって駆動することが極めて重要となる。それゆえ、巻上装置の拘束量も考慮されなければならない。初めに考慮すべき点は、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直座標
Figure 2013184825
及び/又は鉛直速度
Figure 2013184825
であって、これらは例えば特許文献1に記載されたアルゴリズムを用いることで、一定の時間区間に渡って予測される。加えて、慣性系で荷物を移動させる際に用いられるハンドレバー信号も、軌道設定に取り入れられる。
安全性を考慮すると、能動的上下揺れ補償機能が上手く働かなかった場合に備えて、ハンドレバー信号を介して巻上用ウインチを動作できるようにしておく必要がある。軌道設定に用いられる基本概念を用いると、補償動作のための参照軌道の設定と、ハンドレバー信号より生じる軌道の設定との間で、図1に示すような拘束量の配分が行われる。
図1において、
Figure 2013184825
は、それぞれ上下揺れの補償のために設定される座標、速度、及び加速度を意味する。さらに、
Figure 2013184825
は、それぞれハンドレバー信号に基づいて設定される繰り出し、あるいは巻き取り動作が重畳されたワイヤロープの座標、速度、そして加速度を意味する。さらなる実施工程においては、巻上用ウインチの動作のために設定される参照軌道の座標、速度、及び加速度は、常に
Figure 2013184825
とそれぞれが表され、駆動の際の動的挙動をシステム出力するための参照手段として用いられる。
軌道設定が独立しているため、上下揺れ補償機能を停止させたときや、あるいは上下揺れ補償機能が完全に故障してしまったとき(例:慣性計測装置IMUの不具合)であっても、ハンドレバーの手動操作によって同一の軌道設定やシーケンス制御を利用することが可能であるため、上下揺れ補償機能を用いた場合と全く同じように運転することが可能となる。
軌道設定が完全に独立している場合であっても、それぞれで設定された速度と加速度の和が所定の拘束量vmaxとamaxを超えてはならない。そのため、vmaxとamaxは、重み係数0≦k≦1を用いて分割され、各々の軌道設定機能に割り当てられる(図1参照)。同じように、クレーンオペレータの入力にしたがって動力も分割され、補償機能及び/あるいは荷物の移動を行うために利用される。こうして、補償動作における最大速度と最大加速度は、(1−k)vmax と (1−k)amaxになって、繰り出し及び巻き取り動作が重畳されたワイヤロープの軌道の最大速度と最大加速度はkmaxとkmaxになる。
の値を作業中に変更することもできる。最大許容速度と、最大許容加速度はワイヤロープと荷物を合わせた全体の質量に依存するから、vmaxとamaxは作業中にも変化し得る。したがって、状況に応じて適切な値が軌道設定に引き渡される。
動力の分割では、制御変数の拘束量を完全に活用できない可能性があるが、クレーンオペレータは能動的上下揺れ補償機能の影響を容易に且つ直感的に調節できる。
重み係数をk=1に設定した状態は、動的上下揺れ補償機能を停止させた状態に相当し、kの値を操作することによって、補償機能を作動させた状態と停止させた状態との間で滑らかに移行させることが可能となる。
本章の第1節では、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の動作を補償するための参照軌道、すなわち
Figure 2013184825
の生成について説明する。ここでの重要な態様は、所定の拘束量をkの値で設定し、且つ設定された軌道を利用することによって、鉛直方向の動作が可能な限り補償されることである。
そこで、全時間区間に渡って予測されるワイヤロープ吊下箇所の座標と速度を、それぞれ
Figure 2013184825
及び
Figure 2013184825
と表す。最適制御問題を解くことによって得られる数値解と、その実施については以下で論じる。
第2節では、荷物を移動させるための軌道、すなわち
Figure 2013184825
の設定について説明する。これらはクレーンオペレータによって入力されたハンドレバー信号whhから直接的に生成される。計算は最大許容躍度を付加することによって実行される。
〈1.1 補償のための参照軌道〉
巻上用ウインチによる補償動作に利用する軌道を設定する際には、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の予測された座標と速度を用いて、駆動動作において有効な拘束量を考慮しつつ十分に滑らかな軌道が生成されなければならない。この問題は拘束条件付き最適化問題とみなされ、オンラインでそれぞれの時間ステップ毎に解くことができる。したがって、モデル予測による軌道の生成という意味では、この手法はモデル予測制御の設計に類似している。
最適化のための参照値又は設定値として、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の座標
Figure 2013184825
と、鉛直方向の速度
Figure 2013184825
が用いられる。これら座標と速度は、ある時刻tからK個の時間ステップで区切られた時間区間全域に亘って予測され、例えば特許文献1に記載されたアルゴリズムによって、対応する予測時間における値が計算される。
,vmax,amaxによって与えられる拘束量を考慮することによって、補償動作のために最適な時間シーケンスが定められる。
しかしながら、モデル予測制御と同じように、計算された軌道の値のうち最初の値のみがシーケンス制御に使われる。次の時間ステップでは、更新されてより正確となったワイヤロープ吊下箇所の鉛直座標と鉛直速度の予測値を用いて、最適化が循環的に行われる。
伝統的なモデル予測制御と比較した際の、逐次制御により生成される軌道を用いたモデル予測制御を使う利点とは、軌道生成に比べて長いスキャンタイムで制御と安定化処理が実行されることにある。それゆえ、計算集約的な最適化機能は、より遅いタスク(slower task)へと移行される。
他方、この概念に基づき、最適化機能によって有効な解が発見できなかった場合に備え、制御機能とは独立した緊急機能が実装されている。そのような緊急事態において制御機能が頼りにする機能は、ウインチを作動させる簡易化された軌道設定からなる。
〈1.1.1 補償動作を設定するための系のモデル〉
補償動作のための参照軌道が連続関数となるためには、第3次導関数
Figure 2013184825
以降の高次導関数は不連続関数であっても良い。しかしながら、巻上用ウインチの寿命を考慮すると、補償動作において躍度が不連続となることは避けるべきであるため、第4次導関数
Figure 2013184825
以降の高次導関数のみを不連続関数とみなすことができる。
したがって、躍度
Figure 2013184825
は少なくとも連続関数として設定されなければならず、補償動作のための軌道は図2に示される4重積分によって生成される。これが最適化における系のモデルとして働き、状態空間中で
Figure 2013184825
と表すことができる。ここで式(1.1)中に現れる出力
Figure 2013184825
には、補償動作のために設定される軌道が含まれる。最終的に最適制御問題へと帰着させることを念頭に置いて、連続的な時間上で定義された上記モデルを、離散時間を表すグリッド
Figure 2013184825
上で考察する。式(1.2)において、Kはワイヤロープ吊下箇所の鉛直動作の予測に用いる予測ステップの数を示す。離散化されたシステム時間tと区別するために、軌道生成における離散時間をτ=kΔτと定義しておく。この定義においてk=0,・・・,Kであって、Δτは軌道生成のために使われる区間Kのグリッド間隔を意味する。
図3に示すように本実施形態に係るグリッドを不等間隔とすることによって、区間上で必要とされるグリッドの数を削減している。そうすることによって、解くべき最適制御問題の次元の大きさを小さく保つことができる。区間の終端に向かうに連れて徐々に荒く離散化されていくことによって、軌道の設定に不都合が生じてしまうことはない。なぜならば、鉛直座標と鉛直速度の予測それ自体が、予測区間の終端に向かうに連れて不正確なものとなっていくからである。
離散時間を用いた系の表現であって、特に本実施例に係るグリッドに対して有効な表現は厳密に計算可能であり、その解析解は
Figure 2013184825
と与えられる。図2に与えられる多重積分から、
Figure 2013184825
を得る。式(1.4)において、Δτ=τk+1−τは各々の時間ステップで有効な離散的なステップの幅を示す。
〈1.1.2 最適制御問題の定式化と解〉
最適制御問題を解くことによって軌道が設定される。設定された軌道は、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の予測動作に可能な限り追従し、それと共に所定の拘束条件を満足しなければならない。
上記の条件を満足するために、次式に与える評価関数
Figure 2013184825
を用いる。式(1.5)において、
Figure 2013184825
は各時間ステップで有効な参照関数を示す。ここではワイヤロープ吊下箇所の予測座標
Figure 2013184825
と予測速度
Figure 2013184825
のみを利用できるから、これらに対応する加速度と躍度についてはゼロに設定される。こうした不整合を有する設定をしても、加速度と躍度についての偏差に対して適切な重み付けを施すことによって、その影響を最小限に抑えることができる。ゆえに
Figure 2013184825

Figure 2013184825
と設定される。半正定値対角行列
Figure 2013184825
を乗じることで、評価関数における参照関数からの偏差に相当する項に、重み付けが施される。スカラー係数rは調整量(control effort)を評価する。r,qw,3,qw,4は予測区間全域に亘って定数となるが、qw,1,qw,2は時間ステップτに依存する関数として選ばれる。予測区間始端側での参照値を、終端側における値よりも重要視するように重み付けが施される。したがって、予測時間の増大に伴って不正確となっていく鉛直方向の予測動作の影響を、より正確な形で評価関数内に反映させることができる。加速度と躍度に関しては参照値が存在しないため、重みqw,3,qw,4の値を適切に選ぶことによって、ゼロからの偏差を軽視するような重み付けが施される。したがって、重みqw,3,qw,4に対しては、座標と速度に対する重みqw,1(τ),qw,2(τ)よりも小さな値が選ばれる。
最適制御問題に関連する拘束条件は、駆動のために利用できる動力と、目下選択されている重み係数k(図1参照)から得られる。したがって、式(1.4)より、系のモデルの状態に対しては
Figure 2013184825
が拘束条件となって、入力に対しては
Figure 2013184825
が拘束条件となる。式(1.8),(1.9)に現れるδ(τ)は、予測区間の終端における各々の拘束量の値が、始端における値の95%に達するように選ばれる減衰係数を表す。時間区間の中間領域におけるδ(τ)の振る舞いは、直線を用いて内挿することによって得られる。予測区間に沿って拘束量が減衰していくことよって、許容解が存在する信頼性が高まる。
速度と加速度に対する拘束量が、作業中に変化し得るのに対して、躍度jmaxと、躍度の微分
Figure 2013184825
に対する拘束量は、一定となる。巻上用ウインチやクレーン全体の耐用年数を増大させるために、衝撃荷重の最大許容値に対しても拘束条件が設けられる。座標に対しては、拘束条件は設けられない。
作業中の動力の重み係数kはもちろんのこと、最大速度vmaxや最大加速度amaxについても外部から指定されるため、最適制御問題のために用いられる速度と加速度についての拘束量は、必然的に変化させられる。本発明に係る着想は、以下の様に時間の経過に応じて変更を受ける拘束条件を考慮に入れる。拘束条件の変更、すなわち拘束量の値の変更がひとたび行われると、更新された拘束量は予測区間の終端である時間ステップτKpにおいてのみ、当初は考慮に入れられる。そして時間の経過に伴って、更新された拘束量は予測区間の始端側へと押し出されていく。
図4に、速度の拘束量に対するこの手続きが示されている。時刻t0に至る前の拘束量は、予測区間全域に亘って一定となっているとする。そして、図に示すように、時刻t0において拘束量の値がやや減少した値に更新されたとすると、このとき、予測区間の終端、すなわち時間ステップτKpでのみ更新された拘束量が取り入れられる。時間Δτ経過後の時刻t0+Δτでは、予測区間の始端側、すなわち時間ステップτ0に向かう方向へと波及するように、更新された拘束量が押し出されている。しかし、この時点では時刻t0で更新された拘束量が、時間ステップτKp−1に取り入れられるには至っていない。さらに時間Δτ経過後の時刻t0+2Δτにおいて、拘束量がさらに減少した値に更新されたとする。このときも、まずは時間ステップτKpでのみ、更新された拘束量が取り入れられる。時刻t0で更新された拘束量は、予測区間の始端側へとさらに押しだされているが、やはり時間ステップτKp−1の拘束量に影響を及ぼすには至っていない。さらに時間が経過した時刻t0+6Δτでは、時刻t0+Δτにおいて更新された拘束量に留まらず、時刻t0+2Δτにおいて更新された拘束量の影響までもが時間ステップτKp−2に波及している。このように、更新された拘束量が、時間の経過に伴って予測区間の始端側へと徐々に押し出されていく。拘束量を減少させる際には、その微分係数の最大許容値と整合性が取れているかについても注意を払わなければならない。例えば速度の拘束量(1−kl)vmaxについて言えば、目下の加速度の拘束量 (1−kl)amaxをその減衰速度の上限とすることを意味する。更新された拘束量が予測区間に沿って終端側から始端側へと押し出されていくため、拘束条件を満たす初期条件
Figure 2013184825
に対する解は常に存在し、それでいて変更を受けた拘束量と不整合を起こすこともない。しかしながら、更新された拘束量が、最終的に予測区間の始端における設定軌道に影響を及ぼすまでには、予測区間の全区間に渡る時間を要することになる。
したがって、2次多項式最適化問題(QP問題:Quadratic Programming問題)の形式を取る最適制御問題は、最小化される2次の評価関数(1.5)と、系のモデル(1.4)と、式(1.8),(1.9)で表される不等式によって表される拘束条件によって、完全に与えられる。最初に最適化を実行する際の初期条件は、
Figure 2013184825
と選ばれる。それに続いて、最後の最適化ステップにおいて時間ステップτに対して計算された状態ベクトル
Figure 2013184825
を初期条件として使用する。
QP問題を実際に解くための計算は、QPソルバー(QP solver)と呼ばれる数値計算方法によって、それぞれの時間ステップ毎に実行される。
最適化のための計算工数によると、補償動作のための軌道設定に要するスキャンタイムは、能動的上下揺れ補償機能の他の要件全ての離散時間よりも長い。したがってΔτ>Δtである。
制御のためにより早く参照軌道を利用できることを保証すべく、図2に示す多重積分のシミュレーションが、より短いスキャンタイムΔtで最適化作業とは独立して実行される。最適化によって新しい値が得られるやいなや、シミュレーションのための初期条件として状態ベクトル
Figure 2013184825
が利用され、多重積分を実行するための定数入力値として、予測区間の始端における修正値u(τ)が利用される。
〈1.2 荷物を移動させるための参照軌道〉
補償動作に類似して、重畳されたハンドレバー操作(図1参照)を制御するためには2階連続的微分可能な参照軌道が必要となる。クレーンオペレータの入力により指定される動作によって、巻上ウインチが急速に向きを変えるような事態は、通常は考えられない。そのため、巻上ウインチの耐久年数を考えても、最低限、設定加速度
Figure 2013184825
が連続的であれば十分であることがわかる。したがって、補償動作のために設定される参照軌道とは異なり、躍度に対応する3次微分係数
Figure 2013184825
の段階で既に不連続関数であっても良い。
図5に示すように躍度は3重積分の入力値としての役割を果たす。連続性についての要請に加えて、設定軌道は目下有効な速度と加速度についての拘束条件も満たさなければならない。拘束条件から定まる速度と加速度についての拘束量、すなわち最大許容速度と最大許容加速度は、ハンドレバー制御に対してはkmaxとkmaxであることがわかる。
クレーンオペレータによって入力されるハンドレバー信号−100≦whh≦100は、目下の最大許容速度kmaxに対する相対速度の入力値と解釈される。したがって、ハンドレバーによって入力される目標速度を
Figure 2013184825
と表すことができる。式(1.10)に示されるように、ハンドレバーによって入力される目下の目標速度は、ハンドレバーの位置whhと、可変的な重み係数kと、ウインチの目下の最大許容速度vmaxに依存する。
ハンドレバー制御によって軌道を設定する作業について以下に説明する。ハンドレバーの操作によって入力された目標速度を参照して、連続的に微分可能な速度のグラフが生成され、それと共に加速度は連続関数となる。この作業のための手続きとして、所謂、躍度の付加が推奨される。
基本的な考え方は、まずは第1段階として、最大許容加速度に達するまで、最大許容躍度jmaxが多重積分の入力値として作用する。第2段階では、一定の加速度によって速度が増加し、第3段階では最終的に目標速度に達するように最大許容躍度の負値が付加される。
したがって、躍度の付加を利用した場合は、個々の段階に切り替わるタイミングを表す切り替え時間のみを定めれば良い。図7に、加速度と躍度の振る舞いが、切り替え時間を経てどのように変化するかを例示する。Tl,0は再設定が生じる時間を意味する。時間Tl,1,Tl,2,Tl,3は、各段階に切り替わる切り替え時間にそれぞれが対応し、これらの時間は計算によって定められる。計算の概要については次の段落に示す。
ハンドレバーの操作を通じて新しい状況が発生するやいなや、生成された軌道の再設定が行われる。新しい状況は、目標速度
Figure 2013184825
や、ハンドレバー制御のための目下の最大許容加速度kmaxが変更されることによって直ちに発生する。ハンドレバーの位置whh,k,vmaxの値を新たに指定することによって目標速度を変更できる(図6参照)。同様に、k,amaxの値を新たに指定することによって最大許容加速度を変更することもできる。軌道を再設定する際には、目下の設定速度
Figure 2013184825
、それに対応する目下の設定加速度
Figure 2013184825
、及び多重積分の入力値、すなわち付加される躍度(図5参照)を
Figure 2013184825
と表して、時間
Figure 2013184825
が経過した後の到達速度を
Figure 2013184825
と表すことができる。上記到達速度が目標速度に丁度等しく、且つ目標速度に達すると同時に加速度がゼロへと減衰するように要求することで、目標速度に滑らかに達するための最小必要時間は
Figure 2013184825
で与えられることがわかる。式(1.12)の右辺の分母は、目下の設定加速度
Figure 2013184825
と同じである。付加される躍度の値は目下の設定加速度の値に依存し、
Figure 2013184825
となるように選ばれなければならない。理論に基づいて計算された到達速度の値と、所望の目標速度の値の大小関係に応じて、入力値の推移を定めることが可能となる。もし
Figure 2013184825
であれば、到達速度は目標速度に達していないため、加速度はより一層増大される。
他方で、
Figure 2013184825
であれば、到達速度が目標速度を超えてしまったため、加速度は直ちに減少されなければならない。
こうした考察から、3つの段階の躍度を切り替える切り替え時間を、以下に説明するように導出することができる。
Figure 2013184825
式(1.14)において
Figure 2013184825
であって、ul,iは各段階で入力信号として付加される躍度である。各段階の期間の長さはΔT=Tl,i−Tl,i−1(i=1,2,3)と与えられる。それゆえ、第1段階の終端における設定速度と設定加速度は
Figure 2013184825
となって、第2段階の終端では
Figure 2013184825
となる。式(1.17)と式(1.18)においてul,2=0としている。最終的に、第3段階の終端における設定速度と設定加速度として
Figure 2013184825
を得る。切り替え時間Tl,iを厳密に計算するために、初めに加速度についての拘束条件を無視する。この単純化によってΔT=0となって、残り2つの期間の長さは、
Figure 2013184825
と表される。式(1.21)と式(1.22)の分母に現れる
Figure 2013184825
は、第1段階を経過後に達する最大到達加速度を意味する。式(1.21)と式(1.22)を、式(1.15)と式(1.16)、そして式(1.19)に代入し整理することによって、最大到達加速度について解くことができる連立方程式が得られる。第3段階を経過すると同時に所望の速度に達する、すなわち
Figure 2013184825
とすることによって、最終的に次式が得られる。
Figure 2013184825
式(1.21)と 式(1.22)においてΔTとΔTが正の値になる必要があるという条件から、式(1.23)における最大到達加速度の符号が定められる。
第2段階で、最大到達加速度の上限値として最大許容加速度kmaxを考慮することによって、単純化を施さない場合における実際の最大到達加速度を、次式のように表すことができる。
Figure 2013184825
式(1.24)に与える実際の最大到達加速度を用いることによって、実際に生じる期間ΔTとΔTを計算できる。これら期間は、式(1.21)と式(1.22)において
Figure 2013184825
とすることによって得られる。未知の期間ΔTは、式(1.21)と式(1.22)から得られるΔTとΔTを用いて式(1.17)と式(1.19)を整理することによって
Figure 2013184825
と表されることがわかる。式(1.25)中の
Figure 2013184825
は式(1.15)から得られる。切り替え時間は次式に示すように、各期間から直接的に計算することができる。
Figure 2013184825
設定される速度と加速度、すなわち
Figure 2013184825
が描く軌道の振る舞いを、個々の切り替え時間を用いて解析的に計算することができる。しかし、切り替え時間を用いて設定された軌道が、最後まで踏破されないという事態に度々陥るということに言及しなければならない。なぜならば、切り替え時間Tl,3に達する前に新たなる状況が発生し、軌道の再設定が行われ、それに伴って切り替え時間も再計算されてしまうことがあるからである。既に述べられている様に、whhやvmax、amax、あるいはkを変更することによって新しい状況が発生する。
図8に、ここまでに提示された方法を用いて生成された軌道の振る舞いを例示する。図中のグラフは、式 (1.24)によって起こり得る2通りのケースの両方を表している。第1のケースの場合、時間t=1sで最大許容加速度に達し、一定の加速度によって加速する段階へと続く。第2のケースは時間t=3.5sで発生する。第2のケースでは、ハンドレバーの位置が原因で、最大許容加速度には達しない。その結果、第1の切り替え時間と第2の切り替え時間が一致し、ΔT=0が採用される。図5によると、対応する座標の軌道は速度曲線を積分することによって計算され、起動時には、巻上ウインチから繰り出されたワイヤロープの目下の長さを用いて座標の値が初期化される。
〈2 巻上ウインチの動作概念〉
原則として、巻上ウインチの動作は2種の異なる運用モードからなる。第1の運用モードは、ワイヤロープに吊された荷物の鉛直方向の動作から船の揺れの影響を取り除くために能動的上下揺れ補償機能が機能するモードであって、第2の運用モードは、荷物を海底に置いた際に生じ得るワイヤロープの弛緩を阻止するための張力保持モードである。吊荷を海底に置く際には、最初に上下揺れ補償機能が動作し、荷置作業の遂行を検知すると自動的に張力保持機能へと切り替わる。図9に関連する参照変数と制御変数を用いた包括的な概念図を示す。
2種の異なる運用モードは、それぞれが単独で備えられても良い。加えて以下に記載されるように、船上でのクレーンの利用や能動的上下揺れ補償機能とは関係のない用途にも張力保持モードを利用することも可能である。
能動的上下揺れ補償機能を用いた結果、巻上ウインチの動作によってワイヤロープ吊下箇所
Figure 2013184825
の鉛直方向の揺動は補償され、クレーンオペレータはハンドレバーの操作を介して、慣性系とみなされるh座標系で荷物を移動させることが可能となる。補償誤差を最小にするために必要とされる設定動作を保証すべく、制御装置に2自由度構造の形式を取るフィードフォワード制御と安定化機能(stabilization part)が実装される。フィードフォワード制御は、ウインチの動的挙動のフラット出力(flat output)を利用した微分パラメータから計算され、補償動作のための負の軌道
Figure 2013184825
に加えて、荷物を動かすための設定軌道
Figure 2013184825
も入力される(図9参照)。駆動動作の動的挙動及び巻上ウインチの動的挙動のシステム出力(system output)のためにもたらされる目標軌道は、
Figure 2013184825
と表される。これらはウインチを動作させワイヤロープの巻上げと繰り出しを行うための目標座標、目標速度及び目標加速度をそれぞれ意味する。
張力保持モードが機能している間、荷物へ課せられるワイヤロープの張力Fslは、ワイヤロープの弛緩を避けるべく一定に保つように制御される。したがって、張力保持モードが機能している間、ハンドレバー機能は一時的に使用不能となって、ハンドレバーを用いて出力された信号に基づいて設定された軌道は最早参照されないことになる。それに続いて、フィードフォワード制御と安定化機能を備えた2自由度構造によってウインチの動作制御がもたらされる。
荷物の厳密な位置座標zと、荷物へ課せられるワイヤロープの張力Fslを制御のための測定量として利用することはできない。なぜならば、長いワイヤロープを用いて海底深くで作業を行うため、クレーンのフック部にセンサー装置を取り付けられないためである。その上、吊り下げられた荷物の種類や形状についての情報は存在しない。したがって、荷物の質量mや、流体力学的質量増加係数(coefficient of the hydrodynamic increase in mass)C、抵抗係数C及び湿潤体積∇といった、個々の荷物を特徴付けるパラメータは通常わからないため、荷物の位置を信頼できる精度で推定することは、現実的にはほぼ不可能である。
結局のところ、繰り出されたワイヤロープの長さlと、それに対応する速度
Figure 2013184825
及びワイヤロープ吊下箇所へ課せられる負荷Fのみを制御に用いる測定量として利用できる。ワイヤロープの長さlは、インクリメンタル型ロータリエンコーダ(incremental encoder)によって測定されるウインチの角度φと、巻き上げられたワイヤロープの層jに依存するウインチの径r(j)から間接的に得られる。対応するワイヤロープの速度
Figure 2013184825
は、適切なローパスフィルタを用いた数値的な微分演算によって計算できる。ワイヤロープ吊下箇所へ課せられるワイヤロープの張力Fは、張力測定ピン(force measuring pin)によって検知される。
〈2.1 能動的上下揺れ補償機能のための動作〉
図10は能動的上下揺れ補償機能のための巻上ウインチの制御動作を周波数領域で示したブロック回路図である。図からわかるように、ワイヤロープ長 y=lとワイヤロープの速度
Figure 2013184825
のみが、駆動系G(s)の部分系からのフィードバック制御として作用する。結果として、ワイヤロープ系Gs,z(s)に干渉入力(input interference)として作用するワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の運動
Figure 2013184825
への補償は、純粋なフィードフォワード制御として生じ、ワイヤロープや荷物の動的挙動は無視される。干渉入力の不完全な補償やウインチの動作に起因して、ワイヤロープ自身の動的挙動が誘起されるが、実際には動的挙動に起因して発生する荷物の挙動は水中で多大に弱められ、急速に減衰してしまうと推測できる。
補償変数U(s)から、繰り出されたワイヤロープ長Y(s)への駆動系の伝達関数は、IT系(IT system)として近似され、
Figure 2013184825
と与えられる。式(2.1)中でr(j)はウインチの半径を示す。系の出力Y(s)はフラット出力であるから、逆数を取ることによってフィードフォワード制御F(s)は、
Figure 2013184825
となって、微分パラメータ形式で時間領域での記述に書き換えると、
Figure 2013184825
となるから、式(2.3)より、フィードフォワード制御のための参照軌道は、少なくとも2回以上は連続微分可能でなければならないことが示される。
安定化機能系とK(s)と駆動系G(s)からなる閉回路の伝達関数は、図10から
Figure 2013184825
となることがわかる。補償動作
Figure 2013184825
を無視することによって、一定又は定常的なハンドレバー操作によって与えられる参照変数
Figure 2013184825
は、一定の目標速度
Figure 2013184825
が存在する場合と同じように、傾斜波状の信号として近似できる。そのような参照変数について定常的な制御のずれの発生を阻止するために、開回路K(s)G(s)はI動作(I behavior)を示さなければならない。この条件は、例えばPID制御装置を用いて、
Figure 2013184825
とすることによって満たされる。したがって、閉回路に対しては
Figure 2013184825
となる。式(2.6)において、κAHC,iの厳密な値は各々の時間定数Tの値に応じて選ばれる。
〈2.2 荷置作業の検知〉
荷物が海底に当たるやいなや、能動的上下揺れ補償機能から張力保持機能へと直ちに切り替えられるべきである。機能の切り替えを実現するためには、荷置作業の検知が必要となる(図9参照)。荷置作業を検知し、その後、速やかに張力保持機能へと切り替えるために、ワイヤロープを単純なバネ質点系として近似して考察する。この近似の下ではワイヤロープ吊下箇所に作用する力は、次式のように表すことができる。
Figure 2013184825
式(2.7)において、kとΔlは各々ワイヤロープの弾性に対応するバネ定数と、ワイヤロープの変位に対応するバネの変位を意味する。他方、特許文献1に示すように、ワイヤロープ及び荷物によってもたらされる重量全てが、ワイヤロープの変位Δlに対応するひずみの発生に寄与すると仮定すると、ワイヤロープに加わる重力と弾性力の釣り合いから、次の関係が成立する。
Figure 2013184825
式(2.8)において、g,m,μ,E,Aはそれぞれ、重力加速度、有効荷重に対応する質量、ワイヤロープの密度、ワイヤロープのヤング率及びワイヤロープの断面積を意味する。同様に、バネ質点系における釣り合い条件を考察することによって、バネ定数kに対応する係数を決定できる。質量mを吊り下げたバネは静止状態では次式を満たす。
Figure 2013184825
また、式(2.8)を変形することによって次式を得る。
Figure 2013184825
ワイヤロープをバネ質点系に近似しているため、式(2.9)と式(2.10)の係数を比較することが可能となる。ゆえに、ワイヤロープにおいてバネ定数kに対応する係数は、
Figure 2013184825
であるとみなすことができる。式(2.9)から、静止状態におけるバネの変位Δlは、有効荷重に対応する質量mとワイヤロープ半分の質量
Figure 2013184825
に影響を受けることもわかる。このことは、バネに吊り下げられた質量mが1点に集中しているという仮定に由来する。ワイヤロープの質量はワイヤロープの長さに沿って均一に分散しているため、バネ全体に荷重を与えない。にもかかわらずワイヤロープ吊下箇所で力を測定する際には、ワイヤロープ全体に働く重力μgを考慮しなければならない。
ワイヤロープ系を近似することによって、海底への荷置作業を検知するための条件式を導出することが可能となる。静止状態でワイヤロープ吊下箇所に作用する力は、繰り出されたワイヤロープに働く重力μgと、荷物に働く有効的な重力mgからなる。ゆえに、海底上に荷物が置かれた際にワイヤロープ吊下箇所に作用する力Fを、次式に示すように近似することができる。
Figure 2013184825
式(2.12)においてΔF
Figure 2013184825
と表される。式(2.13)中でΔlは荷物が海底に置かれた後に繰り出されたワイヤロープ長を意味する。荷物の位置は海底に達した後、一定となるから、Δlは測定される力の変化量に比例するということが式 (2.13)よりわかる。式 (2.12) と式 (2.13) から導出される、荷置作業を検知するための条件式を以下に挙げる。これら条件式は、同時に満たされなければならない。
・ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量は、ある閾値よりも小さくなければならない。
Figure 2013184825
・ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の時間微分は、ある閾値よりも小さくなければならない。
Figure 2013184825
・クレーンオペレータは鉛直下向きへと荷物を移動させなければならない。この条件は、ハンドレバー信号によって設定された軌道が次式を満たすことで満足される。
Figure 2013184825
・水中に没入する際に起こり得る誤検知を防止するために、ワイヤロープをある長さ以上、繰り出さなければならない。
Figure 2013184825
ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量ΔFは、測定された力の信号Fと、Fの直近のピーク値
Figure 2013184825
の差を取ることによって、その都度計算される。測定ノイズや高周波干渉を抑止するために、対応するローパスフィルタによって力の信号が前処理される。
ワイヤロープの動的な固有振動によって生じる誤検知は、条件(2.14)と条件(2.15)を同時に満たすように要請することによって排除される。すなわち、動的な固有振動を受けて力の信号Fも振動するため、直近のピーク値
Figure 2013184825
に対するワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量ΔFの位相と、ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の時間微分
Figure 2013184825
の位相は変化する。その結果、2種の閾値
Figure 2013184825
の値を適切に選ぶことによって、ワイヤロープが動的な固有振動を生じた場合に2つの条件を同時に満足することは無くなる。したがって、水中に没入される場合や海底に荷置する場合と同様に、ワイヤロープの張力中に占められる静的な力の要素は減少しなければならない。しかしながら、水中に没入する際に起こり得る誤検知は条件(2.17)によって防止される。
力の信号の直近のピーク値を用いて、ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量の閾値を以下の様に表すことができる。
Figure 2013184825
式(2.18)中の2つのパラメータχ<1と
Figure 2013184825
の最大値
Figure 2013184825
は、実験から決定される。同様に、ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の信号の時間微分の閾値については、式(2.7)の時間微分と、ハンドレバー制御のための最大許容速度kmaxを用いて以下の様に表すことができると推定される。
Figure 2013184825
式(2.19)中の2つのパラメータχ<1と
Figure 2013184825
の最大値
Figure 2013184825
も、実験的に決定される。
張力保持機能においては、位置の制御ではなく力の制御が行われるため、目標の力
Figure 2013184825
は、荷物に作用する全ての静的な力の和Fl,statの値に依存した参照変数として指定される。このため、Fl,statはワイヤロープの既知の質量μを考慮して、上下揺れ補償機能が動作している段階では以下の様に計算される。
Figure 2013184825
c,statはワイヤロープ吊下箇所で測定される力Fの静的な要素を意味し、測定された力の信号を、対応するローパスフィルタに通すことによって得られる。フィルタを通すことによって生じる群遅延は問題とはならない。なぜならば、興味の対象は静的な力の要素に過ぎず、これに対して遅延が重大な影響を及ぼす訳ではないからである。荷物に作用する全ての静的な力の和に、ワイヤロープ吊下箇所に作用するワイヤロープの重量をさらに考慮することによって、力の目標値を得る。
Figure 2013184825
パラメータpをクレーンオペレータの手で0<p<1の範囲で操作することによって、ワイヤロープに発生する張力を所望の目標値に設定することができる。参照変数が目標値へと急転してしまうことを避けるために、荷置作業が検知された後、検知によって測定された目下の力の値から、実際の力の目標値
Figure 2013184825
へと傾斜路状に遷移する。
海底から荷物を吊り上げる際には、張力保持モードから、自由に荷物を吊り下げられる能動的上下揺れ補償モードへと、クレーンオペレータによって手動で切り替えられる。
〈2.3 張力保持モードの動作〉
図11は張力保持モードにおける巻上ウインチの実行動作を示す、周波数領域におけるブロック回路図である。図10で示された制御構造とは対照的に、ウインチ系の出力Y(s)ではなく、ワイヤロープ系の出力F(s)、すなわちワイヤロープ吊下箇所で測定された力がフィードバックされる。式(2.12)によると、測定された力F(s)は力の変化量ΔF(s)と、図10中ではM(s)と記されている静的な重力mg+μgを用いて表される。実際の制御において、ワイヤロープ系は再びバネ質点系と近似される。
2自由度構造を有するフィードフォワード制御F(s)は、能動的上下揺れ補償機能のためのフィードフォワード制御と同一であり、それぞれが式(2.2)と式(2.3)で与えられる。しかしながら、張力保持モードにおいてハンドレバー信号は使用されないため、参照軌道は補償動作のための負の速度
Figure 2013184825
と負の加速度
Figure 2013184825
のみから構成される。先ほどと同じように、フィードフォワード制御はワイヤロープ吊下箇所の鉛直運動
Figure 2013184825
を、初めに部分的に補償する。しかしながら、ウインチの位置の安定化はY(s)によるフィードバック制御から直接的に行われず、測定された力の信号のフィードバック制御によって間接的に行われる。
測定される出力F(s)は図11から得られ、次式のように表される。
Figure 2013184825
式(2.22)中に現れる2つの伝達関数は、
Figure 2013184825
と与えられる。海底に到達し荷物を置いた状態のワイヤロープ系の伝達関数は式(2.12)から得られ、次式のように表される。
Figure 2013184825
式(2.22)から明らかな様に、補償誤差E(s)は安定な伝達関数GCT,1(s)による補償を受けるため、ウインチの位置は間接的に安定化される。この場合も制御装置K(s)が満たすべき条件は、期待される力の参照値に対応する信号
Figure 2013184825
の振る舞いから決定される。上記信号は、張力保持モードへと移行した後に、式(2.21)に与えた一定の目標値
Figure 2013184825
となる。そのような一定の参照変数によって安定な状態から逸脱してしまうことを避けるために、開回路K(s)G(s)GS,F(s)はI動作(I behavior)を含まなければならない。ウインチの伝達関数G(s)はそのように動作することが既に暗に示されているから、この条件はPフィードバック制御(P feedback)によって満足される。したがって、K(s)は以下のように表される。
Figure 2013184825
1 クレーン
2 ワイヤローププーリ(ワイヤロープ吊下箇所)
3 荷物
4 ワイヤロープ
5 巻上装置
6 フロート

Claims (15)

  1. ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置において、
    張力制御モードを備え、
    上記張力制御モードが機能している状態では、上記ワイヤロープの張力が設定値に達するように上記巻上装置を作動させる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  2. 請求項1に記載のクレーン制御装置において、
    系の弾性を考慮した上で、上記ワイヤロープの張力が上記設定値に達するようにウインチの速度と位置とを制御する
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクレーン制御装置において、
    上記ワイヤロープの張力の実際の値を決定する張力測定ユニットを備え、
    上記張力制御モードが機能している状態では、上記ワイヤロープの張力は一定の設定値に保持され、
    上記実際の値と上記設定値との比較結果に基づいて、上記巻上装置を作動させる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    上記張力制御モードが機能している状態では、上記ワイヤロープの張力は1つ以上の測定値をフィードバックすることによって制御され、
    張力センサーから発せられた測定信号にしたがって、上記ワイヤロープの実際の値を決定する張力測定ユニットが備えられ、
    上記張力センサーは、上記巻上装置に取り付けられ、上記巻上用ウインチのマウント部及び/又はローププーリのマウント部に取り付けられる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    張力測定ユニットを備え、
    上記張力測定ユニットは、調整された測定値又は物理モデルに基づいた推定値に基づいて、上記ワイヤロープの張力の上記実際の値を決定する
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    測定値及び/又は制御信号及び/又はオペレータによる入力を参照し、上記ワイヤロープの張力の設定値を決定する張力設定ユニットを備えている
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  7. 請求項6に記載のクレーン制御装置において、
    上記張力測定ユニットは、上記ワイヤロープに作用する静的な力を吊上作業中に決定し、
    上記ワイヤロープの長さが上記張力設定ユニットに取り入れられ、
    上記張力設定ユニットは、繰り出された上記ワイヤロープの重量を考慮し、
    上記クレーン制御装置は、上記クレーンオペレータが上記ワイヤロープの張力の上記設定値を変更できる入力装置を備え、
    上記静的な力に対する上記ワイヤロープの張力の比を決定する係数を、吊上作業中に入力可能である
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載されたクレーン制御装置において、
    上記張力制御モードが機能している状態では、
    上記ワイヤロープの上記動的挙動を考慮するためのフィードフォワード制御部と、上記張力測定ユニットによって決定されるワイヤロープの張力をフィードバックするためのフィードバック制御部とが作動する
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載されたクレーン制御装置において、
    上記クレーン制御装置は状態検知機能を備え、
    上記状態検知機能による検知結果に基づいて、上記クレーン制御装置は上記張力制御モードの機能のオンオフを自動的に切り替え、
    上記状態検知機能は荷下ろし及び/又は荷物の吊り上げを検知できる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1つに記載されたクレーン制御装置において、
    上記クレーン制御装置は、荷物の位置及び/又は荷物の速度及び/又はワイヤロープの位置及び/又はワイヤロープの速度の設定値に基づいて巻上装置を作動させる吊上モードを備え、
    上記吊上モードが機能している状態では、荷物の位置及び/又は荷物の速度及び又はワイヤロープの位置及び/又はワイヤロープの速度をフィードバックする
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように巻上装置を作動させる上下揺れ補償機能を備えている
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1つに記載のクレーン制御装置を備えたクレーンであって、
    デッキクレーン、港湾クレーン、沖合クレーン、ケーブル式ショベル、又は移動式港湾クレーンである
    ことを特徴とするクレーン。
  13. ワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所が、外力によって動作する状況下での吊上作業に用いる請求項1から11のいずれか1つに記載のクレーン制御装置を使用する方法であって、
    下ろされた荷物と共に使用する
    ことを特徴とするクレーン制御装置の使用方法。
  14. ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンを、請求項1から11のいずれか1つに記載されたクレーン制御装置を用いて作動させるための方法であって、
    上記ワイヤロープの張力の設定値に基づいて、上記巻上装置を作動させる
    ことを特徴とするクレーンの作動方法。
  15. 請求項14に記載されたクレーンの作動方法を実行するためのプログラムコードを備えたソフトウェア。
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