JP2013184521A - 車輌用灯火装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多くの発光形態の要求に容易に対応することができるとともに、消費電力を抑制しつつ、かつ、コンパクトな車輌用灯火装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車輌(1)に装備される灯火装置Lであって、車輌に設けられた灯火手段2と、灯火手段の灯火信号を出力する複数の灯火設定手段6と、これらの灯火設定手段からの灯火信号に基づき、灯火手段の発光形態を制御する制御手段5とからなり、灯火手段が、光の三原色を個々に発光する3つの発光素子(R・G・B)が単一のパッケージに組み込まれて構成された発光体(3)の複数を併設してなり、制御手段が、前記発光体の3つの発光素子を個々に制御して、発光体個々の発光色、明るさ、および、発光時間を調整するようになされている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車や自動二輪車等の車輌に装備される灯火装置およびその制御方法に関するものである。
自動車や自動二輪車等の車輌には、道路運送車輌法により、たとえば、尾灯、制動灯、緊急制動表示灯、方向指示灯、非常点滅表示灯、車幅灯、後退灯、駐車灯、デイライト等の種々の灯火装置の装備が義務付けられている。
そして、これらの各灯火装置には、それぞれ、明るさや発光色等の条件が設定されており、一般的な車輌にあっては、灯火装置の種類に応じた条件のバルブやレンズを用いて前述した条件を満たすようにしている。
このような灯火装置にあっては、前述した条件を満たすために、異なる明るさや異なる発光色のバルブを複数用いる必要があり、かつ、これらを個々に発光制御する必要がある。
このために、消費電力が大きくなるとともに、制御系統が煩雑で、製造コストの高騰の原因となっている。
このような問題点を解消するために、前記灯火装置に発光ダイオードを用いることが提案されている(特許文献1)。
特開2009−137505号公報
ところで、前述した従来の技術は、光の3原色(赤、緑、青)のそれぞれの色を発光する独立した3つの発光ダイオードを用い、これらの3つの発光ダイオードを個々に発光制御するようにしているために、発光ダイオード毎の制御系が必要である。
また、装備すべき灯火装置の種類毎に設けなければならないことから、灯火装置自体が大型化する傾向にあり、この点からも、消費電力の増加や製造コストの高騰が懸念される。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、多種類の灯火形態の要求を実現しつつ、よりコンパクトで消費電力を軽減することのできる車輌用灯火装置を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係わる車輌用灯火装置は、前述した課題を解決するために、車輌に装備される灯火装置であって、前記車輌に設けられた灯火手段と、この灯火手段の灯火信号を出力する複数の灯火設定手段と、これらの灯火設定手段からの灯火信号に基づき、前記灯火手段の発光形態を制御する制御手段とからなり、前記灯火手段が、光の三原色を個々に発光する3つの発光素子が単一のパッケージに組み込まれて構成された発光体の複数を併設してなり、前記制御手段が、前記発光体の3つの発光素子を個々に制御して、前記発光体個々の発光色、明るさ、および、発光時間を調整するようになされていることを特徴としている。
請求項1の車輌用灯火装置によれば、光の三原色を個々に発光する3つの発光素子を単一のパッケージに組み込んで発光体を構成することにより、この発光体の制御系を一つにまとめることができ、これによって発光体自体の小型化を図ることができるとともに、制御系の簡素化を図ることができる。
また、これらの発光体の複数を併設して発光手段を構成することにより、複数の発光体の全部または一部を選択的に発光制御することによって、多くの発光形態を実現することができる。
したがって、車輌用灯火装置に要求されている多くの発光形態に容易に対応することができる。
しかも、前述したように発光体自体が小型化されているので、発光手段全体の大型化も最小限度に抑えることができる。
さらに、前記発光手段の発光形態を、前記制御手段の制御プログラムを変更することによって容易に変更することができる。
この結果、たとえば、法規改正や車種変更等による灯火装置の発光形態の変更に迅速かつ簡便に対応することができる。
そして、前記発光体は、請求項2に記載のように発光ダイオードからなる発光素子、請求項3に記載のように液晶を用いた発光素子、請求項4に記載のようにプラズマを用いた発光素子、さらに、請求項5に記載のように有機エレクトロルミネッセンスを用いた発光素子によって構成することが可能である。
また、本発明の請求項7に記載の車輌用灯火装置の制御方法は、請求項1に記載の車輌用灯火装置の制御方法であって、前記複数の灯火設定手段からの灯火信号に優先順位を設定し、この優先順位に基づき前記前記灯火手段の発光形態を制御するようにしたことを特徴としている。
このような構成とすることにより、発光手段が一つの灯火状態にある場合において、より緊急性の高い灯火信号が発生した場合に、この緊急性の高い灯火形態に切り換えることができる。
したがって、一つの灯火手段で複数の発光形態を実現することができる。
これによって、多くの発光形態が要求されている車輌用灯火装置の小型化を図ることができる。
本発明によれば、多くの発光形態の要求に容易に対応することができるとともに、消費電力を抑制しつつ、かつ、コンパクトな車輌用灯火装置を提供することができる。
本発明の一実施形態が適用された車輌の後部形状を示す図である。 本発明の一実施形態に用いられる発光体の平面図である。 本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態を示す灯火手段の正面図である。 本発明の一実施形態を示す灯火手段の正面図である。 本発明の一実施形態を示す灯火手段の正面図である。 本発明の一実施形態を示す灯火手段の正面図である。 本発明の一実施形態を示す灯火手段の正面図である。 本発明の一実施形態を示す灯火手段の正面図である。 本発明の一実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の制御方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1において符号1は、本実施形態が適用された車輌を示し、後部左右に、後方への照射を行なう本実施形態に係わる灯火装置を構成する灯火手段2が設けられている。
この灯火手段2はリアのコンビネーションランプを示しており、多数の発光体3を略同一平面上に併設して構成されている。
前記発光体3は、図2に示すように、単一の平板状のパッケージ4内に、光の三原色を個々に発光する3つの発光素子R・G・Bを組み込んで構成された、チップ型の発光体である。
この発光体3は、このようなチップ型の他に砲弾型とすることも可能である。
前記灯火手段2には、図3に示すように、これらの灯火手段2の発光形態を制御する制御手段5が電気的に接続され、この制御手段5には、前記車輌1に搭載され、前記灯火手段2の灯火信号を出力する複数の灯火設定手段6が接続され、これらの灯火手段2、制御手段5、および、灯火設定手段6によって、本実施形態に係わる車輌用灯火装置Lが構成されている。
前記制御手段5は、前記発光体3の3つの発光素子R・G・Bを個々に制御して、前記発光体3個々の発光色、明るさ、および、発光時間を調整するようになされている。
前記灯火設定手段6は、たとえば、ギヤの選択位置を検出するインヒビタスイッチ、ブレーキペダルによって作動させられるブレーキスイッチ、駐車時等に使用されるハザードスイッチやパーキングスイッチ、右左折時等に使用されるウインカースイッチ、昼間の点灯時に使用されるデイライトスイッチ、尾灯や前照灯等の点灯を設定するディーマスイッチ、車速を測定する車速センサー、増減速の度合いを検出する加速度センサー、盗難防止装置等の作動または解除を検出するイモビライザ、および、その他の灯火装置用のスイッチ等が挙げられる。
そして、前述した灯火設定手段6からの信号に基づき、前記発光体3の明るさや発光色、または、発光時間等が設定され、かつ、その灯火の優先順位が設定されているが、まず、灯火設定手段6と発光色との関係について、その一例を示す。
以下の説明で、=は順序が入れ替わっても問題ない場合を示し、<は右側が有線であることを示す。
赤色灯火・・・・・駐車灯=後部霧灯<警光灯<尾灯<制動灯<緊急制動表示灯
黄(橙)色灯火・・駐車灯<車幅灯<方向指示灯<非常点滅表示灯<緊急制動表示灯
白色灯火・・・・・後退灯
青色灯火・・・・・デイライト
また、灯火手段2における灯火状態の一例を図4ないし図9を参照して説明する。
まず、制動時等には、図4に◎で示すように、灯火手段2の約半分の発光体3が赤色でかつ輝度の高い強点灯の灯火がなされる。
尾灯点灯時等においては、図5に○で示すように、図4において強点灯されていた発光体3の輝度が調整されて赤色の弱点灯の灯火がなされる。
デイライト点灯時においては、図6に●で示すように、灯火手段2の下一列に配置されている発光体3が青色の弱点灯の灯火がなされる。
右左折時においては、図7に星印で示すように、左右何れかの灯火手段2において、制動時等よりも少ない発光体3で、黄色の強点灯の灯火が間欠的に行なわれる。
駐車時等には、一対の灯火手段2両方において前述した灯火が行なわれる。
昼間等で、デイライトが灯火されている状態で制動を行なった場合は、図8に示すように、図4と図6に示す灯火が同時行なわれる。
後退時においては、灯火手段2の車輌1の内側の数個の発光体3が白色でかつ輝度の高い強点灯の灯火がなされる。
ついで、赤色灯に関する灯火制御と車輌1の操作状況との関係を、図10に示すフロー図を参照して説明する。
車輌1が走行可能状態となされると赤色灯に関する灯火制御が開始され、緊急制動が行なわれているか否かの判断がなされる(ステップS1)。
この緊急制動の情報は、車輌1の加速度センサーと車速センサーにおいて、急制動が検知されることによって得られる。
急制動が行なわれると、つぎのステップS2へ移行して、灯火手段2において緊急制動表示点灯がなされる。
この緊急制動表示点灯は、図4に示す制動時おける赤色の強点灯が、所定間隔をおいて点滅されることによって行なわれ、この緊急制動表示点灯が行なわれた後に前記ステップS1へ戻り、前記緊急制動の情報がなくなるまで(急減速が終わるまで)継続される。
ここで、前記緊急制動表示点灯は、赤色のみの点滅のみならず、黄色のみの点滅や赤色と黄色との切り換えによって行なわれることもあり、これらは、車輌1の仕様等に応じて予め設定される。
したがって、この緊急制動表示点灯は、前述した複数の灯火形態の内、設定された何れかの灯火形態が採られるのであるが、図10に示すフロー図においては、赤色点滅のみについて説明した。
これは、以降において説明する緊急制動表示点灯についても同様である。
ステップS1において緊急制動が行なわれていないと判断されると、ステップS3へ移行して制動操作(通常のブレーキ操作)が行なわれているか否かの判断がなされ、制動操作が行なわれている場合には、ステップS4において、図4に示す赤色の強点灯による灯火が行なわれた後にステップS1へ戻り、制動操作が行なわれていない場合には、つぎのステップ5へ移行する。
ステップS5においては、尾灯点灯の情報があるか否かが判断される。
この尾灯点灯の情報は、ディーマスイッチの操作によって発生させられる。
そして、尾灯点灯の情報がある場合には、つぎのステップS6へ移行して、図5に示す赤色弱点灯の灯火が行なわれた後にステップS1へ戻る。
また、尾灯点灯の情報がない場合には、前記ステップS1以降の処理へ戻る。
ついで、黄(橙)色灯に関する灯火制御と車輌1の操作状況との関係を、図11に示すフロー図を参照して説明する。
車輌1が走行可能状態となされると黄色灯に関する灯火制御が開始され、緊急制動が行なわれているか否かの判断がなされる(ステップS10)。
この緊急制動の情報は、車輌1の加速度センサーと車速センサーにおいて、急制動が検知されることによって得られる。
急制動が行なわれると、つぎのステップS11へ移行して、灯火手段2において緊急制動表示点灯がなされる。
この緊急制動表示点灯は、図4に示す制動時おける赤色の強点灯が黄色の強点灯に変更され、かつ、所定間隔をおいて点滅されることによって行なわれ、この緊急制動表示点灯が行なわれた後に前記ステップS10へ戻り、前記緊急制動の情報がなくなるまで(急減速が終わるまで)継続される。
ここで、緊急制動表示点灯時の発光色は、赤色と黄色の何れかによって行なわれるが、これは、車種等によって任意に変更されるもので、黄色を使用しない場合には、図10における赤色灯火の制御と同様の処理が行なわれる。
ステップS10において緊急制動が行なわれていないと判断されると、ステップS12へ移行して非常点滅表示(ハザードスイッチの操作)が行なわれているか否かの判断がなされ、非常点滅表示が行なわれている場合には、ステップS13において、前記ステップS11と同様の処理が行なわれた後にステップS10へ戻り、非常点滅表示が行なわれていない場合には、つぎのステップ14へ移行する。
ステップS14においては、方向指示灯点灯の情報があるか否かが判断される。
この方向指示灯点灯の情報は、ウインカースイッチの操作によって発生させられる。
そして、方向指示灯点灯の情報がある場合には、つぎのステップS15へ移行して、図7に示す黄色強点滅の灯火が行なわれた後にステップS10へ戻る。
また、方向指示灯点灯の情報がない場合には、前記ステップS10以降の処理へ戻る。
ついで、赤色灯、黄色灯、および、白色灯の灯火に関する灯火制御と車輌1の操作状況との関係を、図12に示すフロー図を参照して説明する。
車輌1が走行可能状態となされると灯火制御が開始され、緊急制動が行なわれているか否かの判断がなされる(ステップS20)。
急制動が行なわれると、つぎのステップS21へ移行して、灯火手段2において緊急制動表示点灯がなされる。
この緊急制動表示点灯は、図4に示す制動時おける赤色の強点灯が、所定間隔をおいて点滅されることによって行なわれ、この緊急制動表示点灯が行なわれた後に前記ステップS20へ戻り、前記緊急制動の情報がなくなるまで(急減速が終わるまで)継続される。
ステップS20において緊急制動が行なわれていないと判断されると、ステップS22へ移行して後退操作(インヒビタスイッチがバックギヤのポジションにある)が行なわれているか否かの判断がなされ、後退操作が行なわれている場合には、ステップS23において、図9に示す白色の強点灯による灯火が行なわれた後に、つぎのステップ24へ移行し、後退操作が行なわれていない場合には、ステップS24へ直接移行する。
ステップS24においては、非常点滅表示(ハザードスイッチの操作)が行なわれているか否かの判断がなされ、非常点滅表示が行なわれている場合には、ステップS25において、前記ステップS21と同様の処理が行なわれた後にステップS28へ移行し、非常点滅表示が行なわれていない場合には、つぎのステップ26へ移行する。
ステップS26においては、方向指示灯点灯の情報があるか否かが判断される。
この方向指示灯点灯の情報は、ウインカースイッチの操作によって発生させられる。
そして、方向指示灯点灯の情報がある場合には、つぎのステップS27へ移行して、図7に示す黄色強点滅の灯火が行なわれた後にステップS28へ移行する。
ステップS28は、制動操作(通常のブレーキ操作)が行なわれているか否かの判断がなされ、制動操作が行なわれている場合には、ステップS29において、図4に示す赤色の強点灯による灯火が行なわれた後にステップS20以降の処理へ戻り、制動操作が行なわれていない場合には、つぎのステップ30へ移行する。
ステップS30においては、尾灯点灯の情報があるか否かが判断される。
この尾灯点灯の情報は、ディーマスイッチの操作によって発生させられる。
そして、尾灯点灯の情報がある場合には、つぎのステップS31へ移行して、図5に示す赤色弱点灯の灯火が行なわれた後にステップS20以上の処理へ戻る。
また、尾灯点灯の情報がない場合には、直接前記ステップS20以降の処理へ戻る。
このように、本発明によれば、多様な灯火形態をコンパクトな領域内で実現することができるばかりでなく、前記灯火形態の変更を制御手段のプログラムの変更によって容易に行なうことができる。
したがって、法律改正や車種変更等による灯火手段2の灯火形態の変更に迅速に対応することができる。
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
1 車輌
2 灯火手段
3 発光体
4 パッケージ
5 制御手段
6 灯火設定手段
R 発光素子
G 発光素子
B 発光素子
L 車輌用灯火装置

Claims (6)

  1. 車輌に装備される灯火装置であって、前記車輌に設けられた灯火手段と、この灯火手段の灯火信号を出力する複数の灯火設定手段と、これらの灯火設定手段からの灯火信号に基づき、前記灯火手段の発光形態を制御する制御手段とからなり、前記灯火手段が、光の三原色を個々に発光する3つの発光素子が単一のパッケージに組み込まれて構成された発光体の複数を併設してなり、前記制御手段が、前記発光体の3つの発光素子を個々に制御して、前記発光体個々の発光色、明るさ、および、発光時間を調整するようになされていることを特徴とする車輌用灯火装置。
  2. 前記発光体が、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯火装置。
  3. 前記発光体が、液晶を用いた発光素子によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯火装置。
  4. 前記発光体が、プラズマを用いた発光素子によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯火装置。
  5. 前記発光体が、有機エレクトロルミネッセンスを用いた発光素子によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯火装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の車輌用灯火装置の制御方法であって、前記複数の灯火設定手段からの灯火信号に優先順位を設定し、この優先順位に基づき前記前記灯火手段の発光形態を制御するようにしたことを特徴とする車輌用灯火装置の制御方法。

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