JP2013184411A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の漏れや液体噴射面の反りを抑制した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、第1流路部材に設けられた第1液体流路251と、該第1液体流路251に連通する第2液体流路300が設けられた第2流路部材と、を具備し、前記第1流路部材の前記第1液体流路251が開口する開口縁部と、前記第2流路部材の前記第2液体流路300が開口する開口縁部との間には、耐液体性を有すると共に多孔質弾性体からなる充填部材50が設けられており、前記第1液体流路251と前記第2液体流路300とが接続された境界には、前記第1流路部材及び前記第2流路部材の外周の前記境界の周方向に亘って、当該境界を跨って設けられて前記外周に密着するシール部材60が設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液滴を吐出する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インク滴をノズル開口から吐出するヘッド本体と、ヘッド本体に固定されてインクが貯留されたインクカートリッジ等の液体貯留手段からのインクを各ヘッド本体に供給する導入針ユニット等の供給部材と、を具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、供給部材とヘッド本体との流路を接続するには、ゴムシート等の板状の弾性材料からなるシール部材を供給部材の流路の開口縁部とヘッド本体の流路の開口縁部との間で挟持させて、接続された流路のシールを行なっていた。
特開2009−6730号公報
しかしながら、供給部材とヘッド本体とで接続された流路を2つの部材の間で挟持されたゴムシートなどのシール部材でシールしようとすると、シール部材の弾性力によって2つの部材が互いに離反する方向に応力が印加されて、2つの部材に位置ずれが生じ、インクの漏れが発生する虞があるという問題がある。
また、シール部材の弾性力によって、供給部材とヘッド本体とが互いに離反する方向に応力が印加されると、ヘッド本体のインク滴を吐出する液体噴射面に反りが生じてしまい、着弾位置ズレ等が発生してしまう虞があるという問題がある。
ちなみに、ヘッド本体と供給部材とを一体的に形成することで、流路を接続することなく、シール部材を不要とすることも考えられるが、ヘッド本体と供給部材とを一体的に形成するには、流路の取り回し等に制限が生じ、インクジェット式記録ヘッドが大型化してしまうという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の漏れや液体噴射面の反りを抑制した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、第1流路部材に設けられた第1液体流路と、該第1液体流路に連通する第2液体流路が設けられた第2流路部材と、を具備し、前記第1流路部材の前記第1液体流路が開口する開口縁部と、前記第2流路部材の前記第2液体流路が開口する開口縁部との間には、耐液体性を有すると共に多孔質弾性体からなる充填部材が設けられており、前記第1液体流路と前記第2液体流路とが接続された境界には、前記第1流路部材及び前記第2流路部材の外周の前記境界の周方向に亘って、当該境界を跨って設けられて前記外周に密着するシール部材が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、シール部材を第1流路部材と第2流路部材との間に設けるのではなく、第1流路部材と第2流路部材との外周に設けることで、第1流路部材と第2流路部材とが互いに離反する方向に応力が印加されるのを抑制して、位置ずれや液体噴射面の反りを抑制することができる。また、充填部材を設けることで、第1流路部材と第2流路部材との間に液体に含まれる気泡が滞留するのを抑制することができる。さらに、第1流路部材と第2流路部材とを別体とすることで、流路の取り回しが容易となり小型化することができる。
ここで、前記第1流路部材には、前記第1液体流路が、円柱状に突出した第1突出部の先端面に開口して設けられ、前記第2流路部材には、前記第2液体流路が、円柱状に突出した第2突出部の先端面に開口して設けられ、前記第1突出部と前記第2突出部との先端面が相対向して配置されると共に、当該第1突出部と前記第2突出部との先端面の間に前記充填部材が設けられ、前記第1突出部と前記第2突出部との外周に管状の前記シール部材が設けられていることが好ましい。これによれば、第1液体流路と第2液体流路とを容易に且つ確実に接続することができる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の漏れや液体噴射面の反りを抑制した液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の要部断面図である。 本発明の実施形態1に係る供給部材の断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、液体としてインク滴を吐出可能なヘッド本体20と、ヘッド本体20にインクを供給する供給部材30と、ヘッド本体20と供給部材30との間に保持された配線基板40と、を具備する。
ここで、ヘッド本体20についてさらに図2を参照して詳細に説明する。なお、図2は、ヘッド本体の要部を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態のヘッド本体20は、複数のアクチュエーターユニット210と、アクチュエーターユニット210を内部に収容可能なケース250と、ケース250の一方面に接合された流路ユニット230と、を具備する。
本実施形態のアクチュエーターユニット210は、複数の圧電アクチュエーター211がその幅方向に並設された圧電アクチュエーター形成部材212と、圧電アクチュエーター形成部材212の先端部(一端部)側が自由端となるようにその基端部(他端部)側が固定端として接合される固定板213とを有する。
圧電アクチュエーター形成部材212は、圧電材料214と、圧電アクチュエーター211の2つの極を構成する内部電極、すなわち、隣接する圧電アクチュエーター211と電気的に独立する個別電極を構成する個別内部電極215と、隣接する圧電アクチュエーター211と電気的に共通する共通電極を構成する共通内部電極216とを交互に挟んで積層することにより形成されている。
この圧電アクチュエーター形成部材212には、例えば、ワイヤーソー等によって複数のスリット217が形成され、その先端部側が櫛歯状に切り分けられて圧電アクチュエーター211の列が形成されている。
ここで、圧電アクチュエーター211の固定板213に接合される領域は、振動に寄与しない不活性領域となっており、圧電アクチュエーター211を構成する個別内部電極215及び共通内部電極216間に電圧を印加すると、固定板213に接合されていない先端部側の領域のみが振動する。そして、圧電アクチュエーター211の先端面が、後述する振動板232の島部240に接着剤等を介して固定される。
また、アクチュエーターユニット210の各圧電アクチュエーター211には、当該圧電アクチュエーター211を駆動するための駆動IC等の駆動回路220が搭載されたCOF等の回路基板221が接続されている。
流路ユニット230は、流路形成基板231、振動板232及びノズルプレート233を具備する。
流路形成基板231は、シリコン単結晶基板からなり、その一方面側の表層部分には、複数の隔壁234によって画成された圧力発生室235が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口238が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室235の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、第1の方向Xに直交する方向を本実施形態では、第2の方向Yと称する。
また、各圧力発生室235の第2の方向Yの一端部側には、各圧力発生室235に液体の一例であるインクを供給するためのマニホールド236が液体供給路の一例であるインク供給路237を介して連通されている。また、流路形成基板231の圧力発生室235の開口面側は振動板232で封止され、他方面側にはノズル開口238が穿設されたノズル形成部材の一例であるノズルプレート233が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。ノズルプレート233のノズル開口238と圧力発生室235とは、流路形成基板231を貫通して設けられたノズル開口連通孔239を介して連通している。
振動板232は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる第1の部材である弾性膜232aと、この弾性膜232aを支持する、例えば、金属材料等からなる第2の部材である支持板232bとの複合板で形成されており、弾性膜232a側が流路形成基板231に接合されている。例えば、本実施形態では、第1の部材である弾性膜232aは、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムからなり、第2の部材である支持板232bは、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。
また、振動板232の各圧力発生室235に対向する領域内には、圧電アクチュエーター211の先端部が当接する島部240が設けられている。すなわち、振動板232の各圧力発生室235の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部241が形成され、この薄肉部241の内側にそれぞれ島部240が設けられている。このような島部240には、上述したアクチュエーターユニット210の圧電アクチュエーター211の先端部が例えば、接着剤等を介して固定される。
また、振動板232のマニホールド236に対向する領域には、薄肉部241と同様に、支持板232bがエッチングにより除去されて実質的に弾性膜232aのみで構成されるコンプライアンス部242が設けられている。なお、このコンプライアンス部242は、マニホールド236内に圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部242の弾性膜232aが変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド236内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
なお、本実施形態では、振動板232を弾性膜232aと支持板232bとで構成し、島部240の周辺部及びコンプライアンス部242を弾性膜232aのみで構成したが、特にこれに限定されず、例えば、振動板として、1枚の板状部材を用いて、板状部材の厚さ方向の一部を除去した凹形状の薄肉部241等を設けることで、島部240及びコンプライアンス部242を形成するようにしてもよい。
ケース250は、本実施形態の第1流路部材に相当するものである。このようなケース250は、流路形成基板231の振動板232上に固定されたものであり、振動板232とは反対側に設けられた供給部材30に配線基板40を介して接続されて、図示しないインクカートリッジ等の液体貯留部からインクをマニホールド236に供給する導入路251が設けられている。
導入路251は、一端が流路ユニットの接合された面に開口して流路ユニット230のマニホールド236に連通する。また、導入路251の他端は、ケース250の流路ユニット230とは反対側、すなわち、配線基板40側に突出して設けられた円柱状の第1突出部255の先端に開口して設けられている。すなわち、ケース250の流路ユニット230とは反対面側には突出して設けられた円柱状の第1突出部255が設けられており、導入路251は、この第1突出部255の突出した先端面に開口するように軸方向に設けられている。本実施形態では、この導入路251が第1液体流路に相当する。
また、ケース250には、厚さ方向に貫通する複数の収容部252が設けられており、各収容部252にアクチュエーターユニット210が位置決めされて固定されている。本実施形態では、アクチュエーターユニット210を8個設け、アクチュエーターユニット210がそれぞれ独立して収容されるように8個の収容部252を設けるようにした。
また、ケース250には、コンプライアンス部242に対向する領域に開口する凹形状を有するコンプライアンス空間253が設けられている。このコンプライアンス空間253によってコンプライアンス部242は変形可能に保持される。
さらに、図1に示すように、ケース250の振動板232に接合された面とは反対側の面には、回路基板221の各配線が接続される導電パッドが設けられた配線基板40が固定されている。ケース250の収容部252は、この配線基板40によって実質的に塞がれている。配線基板40には、ケース250の収容部252に対抗する領域にスリット状の開口部41が形成されており、回路基板221はこの配線基板40の開口部41から収容部252の外側に引き出されて配線基板40のケース250とは反対側の面で配線基板40と電気的に接続されている。
また、配線基板40には、ケース250の第1突出部255を挿通する挿通部42が設けられており、挿通部42を挿通した第1突出部255の導入路251と、詳しくは後述する供給部材30の液体流路300とが連通する。
このようなヘッド本体20では、インク滴を吐出する際に、圧電アクチュエーター211及び振動板232の変形によって各圧力発生室235の容積を変化させて所定のノズル開口238からインク滴を吐出させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジから供給部材を介してケース250に設けられた導入路251からマニホールド236にインクが供給されると、インク供給路237を介して各圧力発生室235にインクが分配される。実際には、圧電アクチュエーター211に電圧を印加することにより圧電アクチュエーター211を収縮させる。これにより、振動板232が圧電アクチュエーター211と共に変形されて圧力発生室235の容積が広げられ、圧力発生室235内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口238に至るまで内部にインクを満たした後、回路基板221を介して供給される記録信号に従い、圧電アクチュエーター211の電極215、216に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電アクチュエーター211が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板232も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室235の容積が収縮して圧力発生室235内の圧力が高まりノズル開口238からインク滴が吐出される。
一方、供給部材30は、ヘッド本体20のケース250に配線基板40を間に挟んだ状態で固定される。ここで、供給部材30についてさらに図3及び図4を参照して詳細に説明する。なお、図3は、本発明の実施形態1に係る供給部材の断面図であり、図4は、インクジェット式記録ヘッドの要部断面図である。
図示するように供給部材30は、第1供給部材31、第2供給部材32及び第3供給部材33が積層されて構成されたものであり、内部にインクが流れる液体流路300が設けられている。
具体的には、供給部材30は、ヘッド本体20とは反対側に設けられた第1供給部材31と、第1供給部材31のヘッド本体20側に設けられた第2供給部材32と、第2供給部材32の第1供給部材31とは反対側に設けられた第3供給部材33と、を具備し、これら第1供給部材31、第2供給部材32及び第3供給部材33は、供給部材30とヘッド本体20との積層方向である第3の方向Zに積層されている。
この供給部材30に設けられた液体流路300は、第1の流路310と、第2の流路320と、第3の流路330と、フィルター室340と、第4の流路350と、を具備する。
第1の流路310は、供給部材30の第1供給部材31側に設けられて、第3の方向Zに向かってインクが流れるように設けられている。なお、第1の流路310は、供給部材30のヘッド本体20とは反対側に設けられた針部35の内部に設けられている。
第2の流路320は、第1の流路310に連通して、第1供給部材31と第2供給部材32との境界に、第3の方向Zに直交する方向に向かってインクが流れるように設けられている。
第3の流路330は、第2の流路320に連通して第2供給部材32を厚さ方向、すなわち、第3の方向Zに向かってインクが流れるように設けられている。
フィルター室340は、第3の流路330に連通し、第2供給部材32と第3供給部材33との間に設けられている。このフィルター室340は、第3の流路330及び第4の流路350よりも広い開口面積(インクの流れる方向に直交する断面方向)で設けられている。なお、フィルター室340は、第3の流路330に連通する領域から第2供給部材32と第3供給部材33との境界に向かって開口面積が徐々に漸大し、第2供給部材32と第3供給部材33との境界から第4の流路350に連通する側で開口面積が徐々に漸小するように設けられている。
このようなフィルター室340の内部には、第1供給部材31と第2供給部材32との間にインクに含まれる異物や気泡などを除去するフィルター34が設けられている。フィルター室340は、上述のように、第2供給部材32と第3供給部材33との境界部分で最も大きな開口面積で設けられているため、第2供給部材32と第3供給部材33との境界部分にフィルター34を設けることで、フィルター34の有効面積を広げることができる。
第4の流路350は、第1供給部材31にフィルター室340に連通して、第3の方向Zに向かってインクが流れるように設けられている。
また、供給部材30(第3供給部材33)のヘッド本体20側の面には、ヘッド本体20側に向かって突出して設けられた円柱状の第2突出部36が設けられており、第4の流路350は、第2突出部36の先端面(突出した端面)に開口して設けられている。
そして、この第4の流路350が、ヘッド本体20の導入路251に接続されることで、液体貯留手段から供給部材30に供給されたインクは、液体流路300を介してヘッド本体20に供給される。なお、本実施形態では、供給部材30が第2流路部材に相当し、この第4の流路350(液体流路300)が第2液体流路に相当する。
このような供給部材30には、第1供給部材31の針部35が設けられた面にインクが貯留されたインクカートリッジが装着されることで、インクカートリッジに針部35が挿入され、インクカートリッジ内のインクは第1の流路310から第2の流路320、第3の流路330、フィルター室340及び第4の流路350を介してヘッド本体20に供給される。
もちろん、針部35にインクカートリッジを接続せずに、インクタンクなどのインク貯留部に接続されたチューブ状の供給管を接続するようにしてもよい。
そして、この供給部材30の第4の流路350(液体流路300)と、ヘッド本体20の導入路251とは、導入路251が開口する第1突出部255の先端面と、第4の流路350(液体流路300)が開口する第2突出部36の先端面とを相対向させた状態で接続されている。
具体的には、第1突出部255の先端面と第2突出部36の先端面とは互いに直接接触することなく所定の間隔で配置されている。
そして、この第1突出部255の先端面の導入路251の開口縁部と、第2突出部36の先端面の第4の流路350(液体流路300)の開口縁部との間には充填部材50が設けられている。
充填部材50は、インクジェット式記録ヘッド10に用いられるインク等の液体に対して耐液体性を有すると共に、多孔質弾性体からなる。多孔質弾性体としては、例えば、ポリエチレン、メラミン等の樹脂材料、ゴムなどで形成されたスポンジが挙げられる。なお、充填部材50は、従来の第1突出部255の先端面の導入路251の開口縁部と第2突出部36の先端面の第4の流路350の開口縁部との間に挟持されてシールとの間に挟持されて流路のシールを行うゴムシート等のシール部材に比べて、弾性力(弾性率)が低いものであれば特に限定されず、スポンジ以外の材料、例えば、不織布等を用いることも可能である。なお、不織布は、ポーラス(多孔質)構造を有するものであり、本願発明では不織布は多孔質弾性体に含まれるものである。ただし、充填部材50として不織布を用いる場合には、繊維が異物として下流に流れる可能性があるため、下流側に異物を捕捉するフィルター等を設けるのが好ましい。また、充填部材50として不織布を用いた場合には、繊維質に気泡が引っかかる可能性もあるため、充填部材50としては気泡の引っ掛かり難いスポンジ等を用いるのが好適である。
なお、充填部材50は、流路(第4の流路350及び導入路251)の開口縁部に周方向に亘って連続して設けられた円筒形状を有する。
また、導入路251と第4の流路350とが接続された境界の第1突出部255と第2突出部36との外周には、この外周に跨って設けられて、境界の周方向に亘って連続するシール部材60が設けられている。
シール部材60は、円筒形状を有し、内面に周方向に亘って連続して突出した第1凸部61及び第2凸部62が設けられている。
このシール部材60は、第1凸部61を第1突出部255の外周面に密着し、第2凸部62が第2突出部36の外周面に密着する。つまり、シール部材60は、導入路251と第4の流路350とが接続された境界の第1突出部255と第2突出部36との外周に密着して、導入路251と第4の流路350との接続部分でのシールを行う。すなわち、図4(b)に示すように、シール部材60は、2つの第1凸部61と第2凸部62との間で、第1突出部255の先端部と第2突出部36の先端部との外周を密封して、第1突出部255と第2突出部36との間から漏れ出たインクが外部に漏出しないようにしている。ちなみに、充填部材50は、多孔質材料からなると共に、弾性力が低いため、導入路251と第4の流路350とを通るインクをシールすることは難しく、充填部材50だけでは導入路251と第4の流路350との接続部分でのシールを行うことができない。
このようなシール部材60は、インクジェット式記録ヘッド10に用いられるインク等の液体に対して耐液体性を有し、且つ弾性変形可能な材料、例えば、ゴムやエラストマー等を用いることができる。なお、シール部材は、ゴムやエラストマーに限定されず、第1突出部255及び第2突出部36の外周面に密着して、導入路251及び第4の流路350からのインクの漏れを抑制することができるものであればよく、例えば、第1突出部255及び第2突出部36の外周面に貼着可能なテープ状のシール、いわゆるシールテープ等を用いてもよい。ただし、本実施形態のように、シール部材60として弾性変形可能な材料を用いることで、シール部材60に第1突出部255及び第2突出部36を差し込むだけで、流路を密封することができるため、組み立て性を向上して製造コストを低減することができると共に、供給部材30とヘッド本体20との着脱を繰り返し行うことができる。
このように、供給部材30とヘッド本体20との流路(導入路251及び第4の流路350)の接続部分を、第1突出部255及び第2突出部36の外周に設けられたシール部材60で密封することで、第1突出部255と第2突出部36との間に両者を離反させる方向へ印加される圧力を低減して、第1突出部255と第2突出部36とに位置ずれが発生するのを抑制することができると共に、ヘッド本体20に応力が印加されることによる液体噴射面の反りの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1突出部255と第2突出部36との間に充填部材50を設けるようにした。これにより、第1突出部255と第2突出部36との間に隙間がなくなり、インクに含まれる気泡が隙間に滞留するのを抑制することができる。つまり、充填部材50を設けずに、第1突出部255と第2突出部36との外周にシール部材60を設けただけでは、導入路251と第4の流路350との接続部分のシールを行うことができるものの、第1突出部255の導入路251の開口縁部と第2突出部36の第4の流路350の開口縁部との間に隙間が存在すると、この隙間でインクの流れが停滞し、インクに含まれる気泡が滞留してしまう。このように気泡が滞留すると、予期せぬタイミングで気泡がヘッド本体20に供給されて、インクの吐出不良等の不具合が発生する。
また、第1突出部255と第2突出部36とを直接接触させるようにすると、寸法公差等から、第1突出部255と第2突出部36との間に隙間が生じるか、第1突出部255と第2突出部36とが当接して互いに離反する方向に応力が印加されてしまう。
本実施形態では、第1突出部255と第2突出部36との間に充填部材50を設けることで、第1突出部255と第2突出部36との間に気泡が滞留するのを抑制して、気泡によるインクの吐出不良等の不具合が発生するのを抑制することができると共に、応力が印加されるのを抑制して、位置ずれや液体噴射面の反りを抑制することができる。
また、ヘッド本体20と供給部材30とを別体で形成することで、インクジェット式記録ヘッド10を小型化することができると共にコストを低減することができる。ちなみに、ヘッド本体20と供給部材30とを一体的に形成することで、流路を接続することなく、シール部材60等を不要とすることも考えられるが、ヘッド本体20と供給部材30とを一体的に形成するには、流路の取り回し等に制限が生じ、インクジェット式記録ヘッド10が大型化してしまう。
なお、充填部材50は、スポンジからなるため、第1突出部255と第2突出部36と隙間よりも厚い材料を用いたとしても、反発力は低く、ゴムシート等と比べて第1突出部255と第2突出部36との位置ずれや、液体噴射面の反りが発生するのを抑制することができる。このような充填部材50は、ヘッド本体20と供給部材30との組み立て時に、円筒形状の充填部材50を第1突出部255と第2突出部36との間に挟持させるようにすればよい。
また、上述したように、本実施形態では、ヘッド本体20のケース250が第1流路部材に相当し、ケース250に設けられた導入路251が第1液体流路に相当する。また、供給部材30が第2流路部材に相当し、供給部材30に設けられた液体流路300が第2液体流路に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、供給部材30を第1供給部材31、第2供給部材32及び第3供給部材33を積層して構成したが、特にこれに限定されず、供給部材30は単一の部材で形成されていてもよく、4個以上の部材を積層して構成してもよい。また、供給部材30には、フィルター34以外にも、下流側の圧力によって開閉する弁体や、ヒーター等の加熱手段等を設けてもよく、もちろん、フィルター34を設けないようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、圧力発生室235に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電材料214と電極215、216とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーター211を用いて説明したが、圧力発生手段としては、特にこれに限定されず、例えば、電極及び圧電材料を成膜及びリソグラフィー法により積層形成した薄膜型、グリーンシートを添付する等の方法により形成される圧膜型などの撓み振動型の圧電アクチュエーターを用いることができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図5に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッド10を有するインクジェット式記録ヘッドユニット1(以下、ヘッドユニット1とも言う)は、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。この記録ヘッドユニット1は、例えば、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド10(ヘッドユニット1)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド10が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 20 ヘッド本体、 30 供給部材(第2流路部材)、 31 第1供給部材、 32 第2供給部材、 33 第3供給部材、 34 フィルター、 35 針部、 36 第2突出部、 40 配線基板、 50 充填部材、 60 シール部材、 250 ケース(第1流路部材)、 251 導入路(第1液体流路)、 255 第1突出部、 300 液体流路(第2液体流路)、 310 第1の流路、 320 第2の流路、 330 第3の流路、 340 フィルター室、 350 第4の流路

Claims (3)

  1. ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、
    第1流路部材に設けられた第1液体流路と、該第1液体流路に連通する第2液体流路が設けられた第2流路部材と、を具備し、
    前記第1流路部材の前記第1液体流路が開口する開口縁部と、前記第2流路部材の前記第2液体流路が開口する開口縁部との間には、耐液体性を有すると共に多孔質弾性体からなる充填部材が設けられており、
    前記第1液体流路と前記第2液体流路とが接続された境界には、前記第1流路部材及び前記第2流路部材の外周の前記境界の周方向に亘って、当該境界を跨って設けられて前記外周に密着するシール部材が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記第1流路部材には、前記第1液体流路が、円柱状に突出した第1突出部の先端面に開口して設けられ、
    前記第2流路部材には、前記第2液体流路が、円柱状に突出した第2突出部の先端面に開口して設けられ、
    前記第1突出部と前記第2突出部との先端面が相対向して配置されると共に、当該第1突出部と前記第2突出部との先端面の間に前記充填部材が設けられ、
    前記第1突出部と前記第2突出部との外周に管状の前記シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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