JP2013184161A - 通気装置用の膜 - Google Patents

Abstract

【課題】品質が安定し且つ安価な通気装置用の膜の提供。
【解決手段】膜１は、熱可塑性ポリウレタンから射出成形法により作製され、膜１の長さ方向に渉って均等に配置された複数の射出注入点４を備え、その射出注入点４域に、膜１の肉厚部３が形成され、膜１の長さ方向に渉って射出注入点４を連結するリブ５が伸長していることを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、通気装置、特に板状通気装置用の膜に関する。

水面下に空気を吹き込む通気装置は、容器に固定されている。通気装置は、特に地方自治体の浄水場及び浄水設備で用いられ、生物学的浄化工程に必要な部材である。現在では圧空式通気システムには、実質的には、２つのタイプの通気装置が用いられている。すなわち、板状又はディスク状通気装置及び管状通気装置である。

板状又はディスク状通気装置は、平らな排気面を備え、多孔性の膜を張った円板を含んで構成される。板又はディスクと膜の間に圧縮空気が通されて膜の孔を通って抜ける。

従来は、上水又は下水に通気する膜は、ＥＰＤＭ、シリコーン又はポリウレタン製であった。シリコーンはその機械的性質のため、孔が裂け易いので、確実には細い気泡の分配ができないが、使用する間は所望の弾性を保持している。これに反して、ＥＰＤＭは、機械的には安定しているが、その軟化性のため、時間とともに弾性及び伸びが低下するので、圧縮空気製造設備の空気圧を上げる必要があり、コスト上昇を伴い、最悪の場合には、過負荷のために通気装置が遮断され、場合によっては圧縮空気生成装置又は送風機の耐久性が損なわれる。ポリウレタン製の膜は、断面の性質が均一でないブロックから切出されるので、単一の膜でも不均質な部分があり、故障の原因となることもある。

本発明は、従来の膜の製造における問題点を無くし、安価な膜を提供することを目的としている。

上記課題は、下記の（１）〜（９）のいずれかの構成によって解決される。

（１）通気装置用の膜であって、該膜が、熱可塑性ポリウレタンから射出成形法により作製されることを特徴とする通気装置用の膜。

（２）前記膜の中心に１つの射出注入点を備えるか、又は前記膜の長さ方向に渉って均等に配置された複数の射出注入点を備えることを特徴とする前記（１）に記載の通気装置用の膜。

（３）前記膜の肉厚部が、前記射出注入点域に形成されることを特徴とする前記（２）に記載の通気装置用の膜。

（４）前記膜の長さ方向に渉って、リブが伸長していることを特徴とする前記（１）に記載の通気装置用の膜。

（５）前記膜の少なくとも長さ方向に、通気装置の側周縁を嵌め込むスリット状の凹所が形成されていることを特徴とする前記（１）に記載の通気装置用の膜。

（６）前記通気装置の下側が密着する少なくとも１つの密封縁が前記凹所に形成されていることを特徴とする前記（５）に記載の通気装置用の膜。

（７）前記凹所及び／又は前記密封縁は、前記膜の下側を廻って形成されていることを特徴とする前記（５）又は（６）に記載の通気装置用の膜。

（８）前記凹所を形成している前記膜の側周壁は、基面よりも厚く、該基面より直角に伸長し且つ前記凹所を形成するように、前記密封縁を有する下部保持部へと移行していることを特徴とする前記（５）又は（６）に記載の通気装置用の膜。

（９）前記基面は、多数のスリットを備えていることを特徴とする前記（８）に記載の通気装置用の膜。

本発明では、熱可塑性ポリウレタンを使用して、射出成形金型に複数の射出注入点及びポリウレタンの流れ易い流路としてのリブ部を設けた射出成形金型を用いて、通気装置用の膜を成形することにより、品質が安定した膜が安価に提供できるようになった。

本発明による膜の平面図 図１に示す膜のＩＩ−ＩＩ断面図 図１に示す膜のＩＩＩ−ＩＩＩ断面図 図２のＩＶで囲んだ部分の拡大図

通気装置、特に板状通気装置用の膜は、熱可塑性ポリウレタンを射出成形して作製される。

熱可塑性ポリウレタンは、弾性率の持続性が高く、化学物質又は微生物に対して必要な耐久性を備えている。射出成形法により作製される膜は、材料が全体に広がることにより均質な性質が保証される。膜は、例えば長さが５００〜２０００ｍｍ、好ましくは１１００ｍｍ、幅が５０〜５００ｍｍ、好ましくは２００ｍｍであり、排気面を形成する膜の基面は、厚さが１〜５ｍｍ、好ましくは２ｍｍの寸法を有している。

構造的には、中心に少なくとも１つの射出注入点、好ましくは膜の長さ方向に沿って均等に配置された３つの射出注入点を備えている。熱可塑性ポリウレタンの流れ方は、射出注入点の数が影響するので、流れの合流による障害が膜の望ましくない位置に形成されないように、射出注入点の数を選ぶ必要がある。

膜を形成する型内に、熱可塑性ポリウレタンを迅速に注入できるように、射出注入点域は肉厚に形成される。型内に材料が迅速に分配されるように、膜の長さ方向に沿って、特に射出注入点と連結されるリブが伸長している。リブは、膜の基面の上側に伸長する隆起として形成してもよい。

膜を通気装置の本体に固定するために、膜の少なくとも長さ方向に、通気装置の側周縁を嵌め込むスリット状の凹所が形成される。膜の周辺を囲んでいる引っ張りリングにより、好ましくは工具を用いないで、膜が通気装置に固定される。凹所は、その断面がほぼＵ字形に形成されている。凹所の一方の辺は、膜の本体の延長部であり、他の辺は、上記辺とブリッジにより隔てられて平行に伸長して凹所を形成する。

構造的には、通気装置の縁の下側に装着される少なくとも１つの密封縁が凹所に形成されている。この密封縁は、膜本体から隔たったＵ字形の他の辺から継ぎ目なく分岐している。膜の下側は、これに適合するように形成されている。すなわち、Ｕ字形の凹所は膜の周囲全体を渉って廻っている。

膜を通気装置に固定し且つ金型内に注入された熱可塑性ポリウレタンを分配させるように、凹所を形成している膜の周側壁は、基面の壁より厚く、基面より直角に伸長し且つ凹所を形成するように密封縁を有する下方保持部へと移行している。

空気を排出させるように、基面は多数のスリットを備えている。

本発明はここまで述べた特徴の組み合わせのみでなく、別の組み合わせも適用可能であることは言うまでもない。

以下、図面を用いて本発明による実施例の特徴及び長所を説明する。

板状通気装置用の熱可塑性ポリウレタンの射出により作製した膜１は、長さが幅よりも大きく、円形の側面を備えている。膜１は、長軸２に沿って断面がドーム状の肉厚部３に、膜１の長さ方向に沿って、３つの射出注入点４が分配されている。射出注入点４は、隆起したリブ５により連結されている。リブ５は射出の際にポリウレタンを流れ易くする役割も担っている。膜１のスリットを備えた基面６から直角に周側壁７が分岐して、凹所８を形成するように密封縁１０を有する下方保持部９へと移行している。凹所８は、その断面がほぼＵ字形に形成されている。凹所８の一方の辺は、膜１の基面６の延長部であり、他の辺は、上記辺と隔てられて平行に伸長して下方保持部９を形成する。周側壁７は、基面６よりも厚いので、射出の際にポリウレタンが下方へ流れ易くなる。通気装置は、その周側縁が凹所８に嵌入されて密封縁１０に密着する。

１ 膜
２ 長軸
３ 肉厚部
４ 射出注入点
５ リブ
６ 基面
７ 周側壁
８ 凹所
９ 下方保持部
１０ 密封縁

Claims (9)

1. 通気装置用の膜であって、
   膜（１）が、熱可塑性ポリウレタンから射出成形法により作製されることを特徴とする通気装置用の膜。
2. 膜（１）の中心に１つの射出注入点（４）を備えるか、又は膜（１）の長さ方向に渉って均等に配置された複数の射出注入点（４）を備えることを特徴とする請求項１に記載の通気装置用の膜。
3. 膜（１）の肉厚部（３）が、射出注入点（４）域に形成されることを特徴とする請求項２に記載の通気装置用の膜。
4. 膜（１）の長さ方向に渉って、リブ（５）が伸長していることを特徴とする請求項１に記載の通気装置用の膜。
5. 膜（１）の少なくとも長さ方向に、通気装置の側周縁を嵌め込むスリット状の凹所（８）が形成されていることを特徴とする請求項１に記載の通気装置用の膜。
6. 通気装置の下側が密着する少なくとも１つの密封縁（１０）が凹所（８）に形成されていることを特徴とする請求項５に記載の通気装置用の膜。
7. 凹所（８）及び／又は密封縁（１０）は、膜（１）の下側を廻って形成されていることを特徴とする請求項５又は請求項６に記載の通気装置用の膜。
8. 凹所（８）を形成している膜（１）の側周壁（７）は、基面（６）よりも厚く、基面（６）より直角に伸長し且つ凹所（８）を形成するように、密封縁（１０）を有する下部保持部（９）へと移行していることを特徴とする請求項５又は請求項６に記載の通気装置用の膜。
9. 基面（６）は、多数のスリットを備えていることを特徴とする請求項８に記載の通気装置用の膜。

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