JP2013183686A - 脱穀装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】扱室に内装される扱胴の外周面に外径方向に向けて先細状に突出する多数の扱歯52a及び丸孔部52bを有する多数のプレート部材52を設け、前記扱歯52aの回転方向下流側面の縁部に面取り部52c又はアール部を形成し、扱歯52aが穀稈に衝突した際に、面取り部52c又はアール部により衝撃が緩和される。
【選択図】図7
Description
前記扱胴(30)は、回転軸(43)により回転する胴部(38)と、該胴部(38)の外周面に前記回転軸(43)と平行な方向に延びるように多数取付けられ、外径方向に向けて先細状に突出する多数の扱歯(52a)(62a)及び該扱歯の根本部分に形成された丸孔部(52b)(62b)とを有するプレート部材(52)(62)と、を備え、
前記扱歯(52a)(62a)の回転方向下流側面の縁部に面取り部(52c)(62c)又はアール部を形成してなる、ことを特徴とする。
前記プレート部材(52)を前記胴部(38)に取付けた際に、前記切欠き部(55a)が前記丸孔部(52b)の円周に沿うように重なり、前記切欠き部(55a)の縁により前記丸孔部(52b)のエッジ(55a)を形成してなる。
以下、本発明の実施の形態に係る脱穀装置について図面に沿って説明する。図1、図2、及び図3に示すように、コンバインなどの脱穀装置1は、図示しない前処理部で刈取った穀稈を搬送する脱穀フィードチェーン2と、後述する扱胴30を有し、前記脱穀フィードチェーン2によって搬送された穀稈を該扱胴30で脱穀処理する脱穀部3と、該脱穀部3で脱穀した穀粒を選別処理する選別部(選別装置)5とを備えて構成されている。
脱穀部3は、図1ないし図3に示すように、扱胴30を内装する扱室4を有し、該扱室4は、扱胴30の前後を覆う前壁31、後壁32、扱胴30の側面を覆う側壁33、34及び扱胴30の上方を覆う天板35などから形成されている。該扱室4には、扱胴30がその回転軸43を脱穀フィードチェーン2による穀稈の搬送方向と直交する鉛直方向になるように配置されている。
前記選別部5は、図1及び図4に示すように、選別室8を有し、該選別室8は、扱室4から漏下した穀粒及び夾雑物等を風力で選別(風選)する唐箕ファン(送風ファン)6が設けられている。該唐箕ファン6の後方には、側面視三角形状に形成され、唐箕ファン6からの風を切り分ける風切り部材7が配置されており、該風切り部材7の下方には、1番ラセン(1番横搬送装置)9が進行方向と直交する左右方向に向かって配置されている。該1番ラセン9の下方には、扱室4から漏下する穀粒等の1番物を収容する1番樋(樋状部材)10が設けられている(図1参照)。また1番ラセン9の後方には、2番ラセン(2番横搬送装置)11が1番ラセン9と平行に配置されている。該2番ラセン11の下方には、扱室4から漏下する夾雑物等である2番物を収容する2番樋(樋状部材)12が設けられており、該2番樋12を構成する底板(樋状部材)13には、図5(b)に示すように、搬送方向に長い、長穴状のスリット13a・・・が多数設けられている。
上述のように構成された脱穀部3の脱穀動作について説明する。上述の脱穀装置1を備えるコンバイン(不図示)による刈取り作業の開始に伴い、図示しない前処理部によって穀稈が刈取られる。刈取られた穀稈は、移動する脱穀フィードチェーン2とレール18に挟まれて扱室4へと搬送され、搬送された穀稈は、回転するスターホイル37によってその穂先が扱室4内に掻き込まれる。また、脱穀時に穀稈が倒れるのを防止するため、穀稈の株元は、突起付ベルト41にも保持され、脱穀フィードチェーン2と突起付ベルト41とで挟持されつつ扱室4内に搬送される。
上述のように、脱穀された穀粒や夾雑物(搬送物)等は、扱室4から選別室8に漏下する。選別室8に落下する際、穀粒等は、唐箕ファン6から送り出される風によって穀粒と夾雑物等とに風選される。即ち、唐箕ファン6からの風によって夾雑物等は、2番ラセン11の方向に押し流されて落下し、穀粒等は、1番ラセン9方向に向かって落下する。そして、1番物は1番樋10に2番物は2番樋12にそれぞれ堆積する。
[脱穀性能の比較]
次に上述した脱穀装置1についての実施例について説明をする。まず、図10の実施例1〜4と比較例1〜4とを比較しつつ脱穀部(装置)3について説明をする。なお、実施例1〜4は扱歯52aに上述した面取り部52cが設けられている扱胴30を備えた本実施の形態に係る脱穀部3を後述の条件にて駆動させた場合であり、比較例1〜4は扱胴の扱歯に上記面取り部を設けなかった脱穀部3を同様の条件で駆動した場合である。また、これら実施例1〜4及び比較例1〜4の何れの扱歯も硬度90度からなるウレタンゴム製で構成した。以下、実施例1〜4及び比較例1〜4の具体的な駆動条件を示す。
実施例1は、図10に示すように、作業速度が0.21(m/s)で、わら流量が349.6(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものであり、実施例2は、作業速度が0.20で、わら流量が422.7(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものである。即ち、これら実施例1及び2は、低速の作業速度における脱穀部3の脱穀性能を示す。
また実施例3は、作業速度が0.40(m/s)で、わら流量が730.8(kg/h)の条件下で、実施例4は、作業速度が0.40(m/s)で、わら流量が835.2(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものである。即ち、これら実施例3及び4は、作業速度が比較的、高速な場合における脱穀部3の脱穀性能を示す。
比較例1及び2は上記実施例1及び2に対応する比較例であり、具体的には、比較例1は、作業速度が0.20(m/s)で、わら流量が400.6(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものである。また比較例2は、作業速度が0.19で、わら流量が383.7(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものである。
比較例3及び4は上記実施例3及び4に対応する比較例であり、具体的には、比較例3は、作業速度が0.41(m/s)で、わら流量が957.1(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものである。また、比較例4は、作業速度が0.41(m/s)で、わら流量が823.3(kg/h)の条件下で穀稈を脱穀したものである。
次に、図11の実施例5〜7と比較例5〜9とを比較しつつ選別装置5について説明をする。なお、実施例5〜7は2番ラセン11に切欠き部11cを設けた選別装置5を後述の条件にて駆動させた場合であり、比較例5〜7は2番ラセンに上記切欠き部を有していない選別装置を同様の条件で駆動した場合であり、比較例8及び9は2番ラセン自体を備えていない選別装置を同様の条件で駆動した場合である。また、実施例5〜7及び比較例5〜7における2番ラセンは、何れも突起体及び撹拌棒を有して構成されている。これら実施例5〜7及び比較例5〜9における作業速度は何れも0.20(m/s)である。以下、実施例5〜7及び比較例5〜7の2番ラセンについての具体的な駆動条件を示す。なお、比較例8及び9については2番ラセン自体を備えていないため、この2番ラセンの駆動条件について記載しない。
実施例5は、図11に示すように、2番ラセン11の回転数が870(rpm)の条件下で2番物の単粒化処理を行ったものであり、実施例6は、2番ラセン11の回転数が1116(rpm)の条件下で2番物の単粒化処理を行ったものである。また、実施例7は2番ラセン11の回転数が1376(rpm)の条件下で2番物の単粒化処理を行ったものである。
比較例5は、実施例5と同様に2番ラセンの回転数が870(rpm)の条件下で2番物の単粒化処理を行ったものであり、比較例6も実施例6と同様に2番ラセンの回転数が1116(rpm)の条件下で2番物の単粒化処理を行ったものである。同様に比較例7は2番ラセン11の回転数が1376(rpm)の条件下で2番物の単粒化処理を行ったものである。
なお、本実施の形態では、扱歯52aに面取り加工を施し、面取り部52cを設ける構成としたが、これに限らず、例えば、扱歯52aの回転方向下流側面の縁部にアール形状にする加工を施し、アール部を設ける構成であってもよい。
2 フィードチェーン(脱穀フィードチェーン)
30 扱胴
38 胴部
43 回転軸
52,62 プレート部材
52a,62a 扱歯
52b,62b 丸孔部
52c,62c 面取り部
55 取付け板
55a エッジ(切欠き部)
62d エッジ
Claims (4)
- 穀稈をフィードチェーンで挟持して搬送すると共に扱胴の回転により前記穀稈を脱穀する脱穀装置において、
前記扱胴は、回転軸により回転する胴部と、該胴部の外周面に前記回転軸と平行な方向に延びるように多数取付けられ、外径方向に向けて先細状に突出する多数の扱歯及び該扱歯の根本部分に形成された丸孔部とを有するプレート部材と、を備え、
前記扱歯の回転方向下流側面の縁部に面取り部又はアール部を形成してなる、
ことを特徴とする脱穀装置。 - 前記プレート部材は、前記丸孔部の径と同じかそれより小径からなる円弧状の切欠き部を有する取付け板によって前記胴部に取付けられ、
前記プレート部材を前記胴部に取付けた際に、前記切欠き部が前記丸孔部の円周に沿うように重なり、前記切欠き部の縁により前記丸孔部のエッジを形成してなる、
請求項1記載の脱穀装置。 - 前記丸孔部は、その円周にエッジを有してなる、
請求項1記載の脱穀装置。 - 前記扱胴は、前記フィードチェーンによる穀稈の搬送平面に対して交差する方向に前記回転軸が取付けられてなる、
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の脱穀装置。
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JP2011097857A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | National Agriculture & Food Research Organization | 脱穀装置 |
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