JP2013182135A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】先行の用紙より幅の広い用紙に対して画像形成を行う場合であっても、転写部における電気抵抗の差に起因する画質の低下を防ぐことが可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】転写部における先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗とを抵抗検知手段に検知させ、後続の転写材に対してトナー像を転写する際に当該検知された結果に基づいて転写電源を制御する。
【選択図】図8
【解決手段】転写部における先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗とを抵抗検知手段に検知させ、後続の転写材に対してトナー像を転写する際に当該検知された結果に基づいて転写電源を制御する。
【選択図】図8
Description
本発明は、転写材に対して静電的にトナー像を転写する画像形成装置に関する。
近年、用紙に画像を形成する画像形成装置として、電子写真方式を採用した画像形成装置が広く用いられている。電子写真方式は、感光体を一様に帯電し、帯電された感光体を露光することで用紙に形成される画像に対応した静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーにより顕像化し、顕像化されたトナー像を用紙に対して静電的に転写し、用紙に転写されたトナー像に対して熱及び圧力を加えることでトナー像を用紙に定着する、という各プロセスを有している。
カラー画像を形成する画像形成装置として、中間転写体を備え、中間転写体上に複数色のトナー像を重ね合わせるように転写し、該重ね合わせられたトナー像を一括して用紙に転写する方式を採用した画像形成装置も広く用いられている。
そして、これらのような画像形成装置に対しては、当然のことながら高画質の画像を形成できることが求められている。
画像の高画質化を実現するために必要な条件の一つとして、トナー像を用紙に均一に転写することが挙げられる。ここで、トナー像を用紙に均一に転写するためには、転写が行われる転写部において均一な転写電界を形成しなければならない。
画像の高画質化を実現するために必要な条件の一つとして、トナー像を用紙に均一に転写することが挙げられる。ここで、トナー像を用紙に均一に転写するためには、転写が行われる転写部において均一な転写電界を形成しなければならない。
特許文献1には、像担持体からトナー像を転写する転写ローラーとして、長手方向中央部から両端部に向かうに連れて外径が小さくなるローラー部と、該ローラー部の両端に該ローラー部の最小外径よりも更に外径が小さい段差端部とを設けた転写ローラーについて開示されている。
これによれば、転写ローラーの長手方向における接触領域のばらつきを防止することができるため、転写ローラーの長手方向に均一な転写電界を形成することが可能となる。
これによれば、転写ローラーの長手方向における接触領域のばらつきを防止することができるため、転写ローラーの長手方向に均一な転写電界を形成することが可能となる。
ところが、例え上述のような転写ローラーを備えた画像形成装置であっても、ある大きさの用紙に対してトナー像の転写を行った後に、この用紙より幅の広い用紙に対してトナー像を転写すると、当該幅の広い用紙に転写されるトナー像にムラが生じてしまうという課題があった。
具体的には、図14に示すように、先行の用紙Paより幅の広い用紙Pbにおいて、用紙搬送方向に向かって中央部の領域Aに転写されるトナー像と、用紙搬送方向に向かって両端部の領域Bに転写されるトナー像とで、その転写率が異なるという現象が生じていた。ここで、用紙Pbにおける領域Aの幅w(用紙搬送方向に直交する方向の長さ)は、先行の用紙Paの幅と同等の幅となっている。
上記のような課題が生じる原因としては、転写ローラー及び像担持体において、先行の用紙と接触していた領域と接触していなかった領域とで、その電気抵抗に差が生じることにより、均一な転写電界が形成されなくなるためと考えられている。
転写ローラー及び像担持体において、先行の用紙と接触している領域は、接触していない領域と比較して、紙粉が付着する等その表面状態が異なることや先行の用紙に対して転写が行われる際の電流の曝露量が異なることなどの理由により、互いに電気抵抗の差が生じると考えられている。
転写ローラー及び像担持体において、先行の用紙と接触している領域は、接触していない領域と比較して、紙粉が付着する等その表面状態が異なることや先行の用紙に対して転写が行われる際の電流の曝露量が異なることなどの理由により、互いに電気抵抗の差が生じると考えられている。
上記のように、転写部において電気抵抗の差が生じ、領域によって異なる転写電界が形成されている状態で、後続の幅の広い用紙が、先行の用紙と接触していた領域と接触していなかった領域とに跨って接触し、トナー像の転写が行われると、後続の幅の広い用紙に対するトナー像の転写率は領域によって異なることになる。よって、後続の幅の広い用紙に対して形成される画像の質が低下してしまう。
本発明は上記課題を鑑みてなされたもので、先行の用紙より幅の広い用紙に対して画像形成を行う場合であっても、転写部における電気抵抗の差に起因する画質の低下を防ぐことが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、トナー像を転写材に静電的に転写する転写部と、前記転写部に電気的に接続された転写電源と、転写材の転写材搬送方向に直交する方向の大きさである用紙幅を取得する用紙幅取得手段と、前記転写部の電気抵抗を検知する抵抗検知手段と、前記用紙幅取得手段が取得した後続の転写材の用紙幅が先行の転写材の用紙幅より大きい場合に、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗とを前記抵抗検知手段に検知させ、前記後続の転写材に対してトナー像を転写する際に当該検知された結果に基づいて、前記先行の転写材が通過した領域のトナー像の転写率と通過していない領域のトナー像の転写率とが略同一となるよう前記転写電源を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記検知された結果は、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗との差であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、トナー像が形成される像担持体を有し、前記抵抗検知手段は、検知用のトナー像であるパッチを前記像担持体に形成するパッチ形成手段と、前記パッチを検知するパッチ検知手段と、を備え、前記パッチ形成手段が、前記像担持体に前記パッチを形成し、前記パッチ検知手段が、前記パッチが前記像担持体から転写された結果を検知することで、当該検知された結果に基づいて前記転写部の電気抵抗を検知する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記パッチ形成手段は、前記像担持体に対して、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域と通過していない領域とに対応する領域に、それぞれ1以上の前記パッチを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記パッチ検知手段は、前記転写部において前記パッチが転写された結果前記像担持体に残存した前記パッチを検知することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記転写部は、前記像担持体に対向して配置された転写部材を有し、前記パッチは、前記像担持体から前記転写部材へ転写されることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記転写部において前記パッチを転写させる際に、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域と、前記先行の転写材が通過していない領域とで、それぞれ複数の条件で前記パッチを転写させるよう前記転写電源を制御することを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記抵抗検知手段は、前記転写部の電気抵抗を電気的に検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記抵抗検知手段は、前記転写部に流れる電流を検知する電流検知部材を有し、前記電流検知部材によって検知された電流値に基づいて、前記転写部の電気抵抗を検知することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記電流検知部材は、ローラー状の部材であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記転写部は、前記像担持体に対向して配置された転写部材と、前記像担持体を介して前記転写部材と圧接された対向部材とを有し、前記転写電源は、前記転写部材に電気的に接続され、前記抵抗検知手段は、前記対向部材の電気抵抗を検知することを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記転写部は、前記像担持体に対向して配置された転写部材と、前記像担持体を介して前記転写部材と圧接された対向部材とを有し、前記転写電源は、前記対向部材に電気的に接続され、前記抵抗検知手段は、前記転写部材の電気抵抗を検知することを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、前記抵抗検知手段によって検知された、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗との差が所定値より大きい場合に、前記転写部を構成する部材が寿命を迎えたことを使用者に報知する寿命報知手段を有することを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の画像形成装置である。
本発明に係る画像形成装置によれば、先行の用紙より幅の広い用紙に対して画像形成を行う場合であっても、転写部における電気抵抗の差に起因する画質の低下を防ぐことが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態における画像形成装置全体の構成を示す断面図である。
画像形成装置20は、スキャナー部22、プリンター部24、給紙部32、操作表示部23等から構成されている。
スキャナー部22は、自動原稿給紙装置21、光学系22a、CCDイメージセンサー22b等から構成されている。
プリンター部24は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナー画像を形成する画像形成手段40Y、40M、40C、40Kと、各画像形成手段により形成されたトナー画像が転写される像担持体としての中間転写ベルト31、中間転写ベルト31上のトナー画像を用紙に転写する転写部である2次転写部38、用紙に転写されたトナー画像を定着する定着装置34等から構成されている。
給紙部32は、給紙トレイ32a〜32c等から構成されており、給紙部32より適切な用紙が適切なタイミングにて給紙される。
操作表示部23は、例えばタッチパネル方式の画面を備えており、ユーザーは画面上に表示されるアイコン等に触れることで、画像形成の内容に関する設定や、画像形成開始の指示等を行うことができる。
以上が画像形成装置20の各部の概要である。続いて、画像形成装置20によって用紙に対してフルカラーの画像を形成する場合を例にとり、その一連の動作について説明する。
操作表示部23において画像形成開始の指示がなされると、自動原稿給紙装置21の原稿台21aに載置された原稿Jは原稿読み取り部へ搬送される。そして、図示しない光源より原稿に照射された光の反射光が、光学系22aを介してCCDイメージセンサー22bにより読み取られる。
CCDイメージセンサー22bにより読み取られた画像信号に対しては、各種画像処理が施される。そして、画像処理が施された画像信号に基づいて、画像形成手段40Y〜40Kが各色のトナー画像を形成する。
イエロー色のトナー画像を形成する画像形成手段40Yは、感光体ドラム41Y、帯電部42Y、露光部45Y、現像部43Y、クリーニング部44Yから構成されている。画像を形成する場合は、感光体ドラム41Yは図示しない駆動手段により図1の矢印E方向に回転され、その表面が帯電部42Yにより一様に帯電される。一様に帯電された感光体ドラム41Yに対して、露光部45Yが上記画像信号に基づいてレーザー光を照射することで、イエロー色の画像に対応した静電潜像を形成する。
次に、現像部43Yによって感光体ドラム41Y上の静電潜像が現像され、感光体ドラム41Y上にイエロー色のトナー画像が形成される。形成されたトナー画像は、1次転写ローラー46Yに印加される転写電圧によって中間転写ベルト31に静電的に転写される。
中間転写ベルト31に転写され切れずに感光体ドラム41Yの表面に残存したトナーは、クリーニング部44Yにより取り除かれ、次のトナー画像の形成に備える。
マゼンタ色のトナー画像を形成する画像形成手段40M、シアン色の画像を形成する画像形成手段40C及びブラック色の画像を形成する画像形成手段40Kは、何れもイエロー色の画像を形成する画像形成手段40Yと同様の構成を有しているため、その詳細な説明は省略する。
中間転写ベルト31は、ローラー37a〜37eに巻き回された無端状のベルトであり、回転可能に支持されている。中間転写ベルト31としては、ポリイミドに代表される樹脂ベルトや、樹脂素材の上に弾性層を設けたベルトが一般的に用いられている。
画像形成を行う際には、中間転写ベルト31は駆動ローラー37aの回転駆動によって図1の矢印F方向に回転移動される。
フルカラーの画像形成を行う際には、各色に対応した1次転写ローラーによって、イエロー色のトナー画像から順に、各色のトナー画像が互いに重なるタイミングにてトナー画像を中間転写ベルト31にそれぞれ静電的に転写させることで、原稿画像に対応したフルカラーのトナー画像が中間転写ベルト31上に形成される。
一方、給紙トレイ32a〜32cの何れかより給紙された用紙は、搬送路33aを搬送され、レジストローラー対33cに到達する。レジストローラー対33cのニップ部に用紙を突き当てることにより用紙の搬送方向の斜行が修正され、中間転写ベルト31上のカラートナー画像とタイミングを合わせるように用紙が2次転写部38へと搬送される。
2次転写部38においては、中間転写ベルト31上のフルカラーのトナー画像が静電的に用紙に転写される。フルカラーのトナー画像が転写された用紙は定着装置34に向けて搬送され、トナー画像の定着が行われる。2次転写部38の構成の詳細については後述する。
一方、2次転写部38において用紙に転写され切れずに中間転写ベルト31上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニング部35により取り除かれる。
定着装置34は、定着ローラー34a、加熱ローラー34b、定着ベルト34c、加圧ローラー34d等から構成されている。加熱ローラー34b及び加圧ローラー34dには、それぞれ加熱手段が備えられており、定着ベルト34cの表面及び加圧ローラー34dの表面温度がトナー画像の定着に適した温度となるようにそれぞれ加熱されている。ここで、定着ベルト34cの表面温度は、加圧ローラー34dの表面温度より高くなるよう予め設定されている。
トナー画像が転写された用紙に対して、定着ベルト34c及び加圧ローラー34dにより熱と圧力が加えられることで、カラートナー画像が用紙に定着される。
トナー画像が転写された用紙に対して、定着ベルト34c及び加圧ローラー34dにより熱と圧力が加えられることで、カラートナー画像が用紙に定着される。
カラートナー画像が定着された用紙は、搬送路33a上を搬送され、画像形成装置20の装置外へ排出される。
用紙の両面に画像を形成する場合は、定着装置34によって用紙の表面に対してトナー画像が定着されると、用紙は分岐手段36によって反転経路33bに向けて搬送され、搬送方向の先後端が反転される。先後端が反転された用紙は反転経路33bを通りレジストローラー対33cまで搬送され、搬送方向の斜行が修正される。
その後、2次転写部38において用紙の裏面に形成される画像に対応したカラートナー画像が上述の通り転写され、定着装置34によって裏面のカラートナー画像が定着され、画像形成装置20の装置外へ排出される。
その後、2次転写部38において用紙の裏面に形成される画像に対応したカラートナー画像が上述の通り転写され、定着装置34によって裏面のカラートナー画像が定着され、画像形成装置20の装置外へ排出される。
以上が、画像形成装置20により用紙に対してカラー画像を形成する際の一連の動作の説明である。
次に、本実施の形態における2次転写部38の構成について図2を参照しながら説明する。図2は、2次転写部38周辺の構成を示す断面図である。
2次転写部38は、中間転写ベルト31を介してローラー37dに対して圧接し、ニップ部Nを形成する2次転写ローラー38aや、2次転写ローラー38aに電流を流す転写電源としての電流源38b等で構成されている。
中間転写ベルト31上のトナー像を用紙に対して転写する場合は、ニップ部Nにおいて、トナー像が中間転写ベルト31から2次転写ローラー38aへ移るような転写電界を形成するべく、電流源38bによって2次転写ローラー38aに電流を流す。
ここで、ローラー37dは電気的に接地されているので、トナー像を用紙に転写する際には、2次転写ローラー38a側の電位が、トナーの荷電極性とは逆極性の電位となるように、電流源38bによって2次転写ローラー38aに電流を流すようにする。
ニップ部Nより中間転写ベルト31の進行方向上流側には、センサーS2が設けられており、2次転写部38における転写前のトナー像のトナー量を検知することができる。
また、ニップ部Nより中間転写ベルト31の進行方向下流側には、ラインセンサーLSが設けられている。ラインセンサーLSは、例えば光学式のセンサーであり、ニップ部Nを通過して中間転写ベルト31に残ったトナーの量を、中間転写ベルト31の幅方向(進行方向に直交し、中間転写ベルト31の表面に沿う方向)にわたって検知する。
以上が、2次転写部38周辺の構成についての説明である。
図3は、本実施の形態における画像形成装置20全体の電気的構成を示すブロック図である。図3においては、図1或いは図2で示した構成と同様の構成について、図1或いは図2に付した符号と同一の符号を付している。図3においては、本発明に関わりの深い構成についてのみ図示し、それ以外の構成については図示を省略している。
画像形成装置20は、スキャナー部22、プリンター部24、給紙部32、操作表示部23、CPU50、ROM51、RAM52、HDD53等から構成されている。
CPU50は、画像形成装置20の各部の動作を制御する制御手段としての役割を果たしている。CPU50は、画像形成装置20の各部から送信される入力内容に基づいて、画像形成装置20の各部の動作をそれぞれ制御する。
ROM51には、各種のプログラム或いはデータが格納されており、CPU50はROM51からプログラム或いはデータを読み出して画像形成装置20の各部を制御する。
RAM52は、CPU50が上記各部の動作を制御する際に必要なプログラム或いはデータを一時的に記憶する場所である。
HDD53は、画像データを格納する場所である。スキャナー部22によって読み取られた原稿画像のデータはHDD53に格納される。
プリンター部24には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する画像形成手段40Y〜40K、ラインセンサーLS、電流源38b等から構成されている。
また、画像形成装置20には、端末60がI/F部61を介してネットワーク接続されている。端末60においては、画像形成が行われるジョブに関する情報が入力され、その情報が画像形成装置20内のCPU50に送信される。さらに、端末60から画像形成開始の指示をすることも可能である。
CPU50は、後続のジョブの用紙幅が先行のジョブの用紙幅より広い場合に、画像形成手段40Y〜40Kに対して両ジョブ間において所定のパターンのトナー像であるパッチを形成させ、上記パッチを2次転写部38において2次転写ローラー38a側に転写させるように電流源38bを制御し、2次転写ローラー38a側に転写されずに中間転写ベルト31上に残ったトナー量をラインセンサーLSに検知させる。そして、後述するように、ラインセンサーLSの検知結果に基づいて後続の用紙に対するトナー像の転写の際の電流源38bによる印加電流を制御する。
次に、図1〜図8を参照して、本実施の形態におけるCPU50による制御に関して説明する。図4は、CPU50による制御手順を示すフローチャートである。
CPU50は、まず現在画像形成を行っている用紙が、その用紙が所属するジョブの最終紙であるか否かを判断する(ステップS1)。この判断は、例えば端末60から送信されているジョブに関する情報に基づき行われる。ジョブにおいて何枚の用紙に対して画像形成が行われたかは、センサーS1(図1参照)の検知結果に基づきカウントされている。
現在画像形成を行っている用紙が、そのジョブの最終紙ではない場合は(ステップS1:No)、CPU50は、当該ジョブの画像形成を継続させる。そして、現在画像形成を行っている用紙が、当該ジョブの最終紙であると判断すると(ステップS1:Yes)、CPU50は、当該ジョブの後に別のジョブの画像形成が行われるか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、例えば端末60によって次のジョブの画像形成が予約されているか否かによって行う。
現在画像形成を行っているジョブの次に、新たな画像形成が行われる場合は(ステップS2:Yes)、CPU50は、次のジョブにおいて使用される用紙の幅が、現在画像形成を行っているジョブにおいて使用されている用紙の幅より大きいか否かを判断する(ステップS3)。この判断は、例えば端末60から送信された現在画像形成を行っているジョブに関する情報と、次のジョブに関する情報とより用紙サイズに関する情報をそれぞれ読み出すことで行う。
次のジョブに用いられる用紙の幅が、現在画像形成を行っているジョブに用いられている用紙の幅と同じ或いはこれより狭い場合は(ステップS3:No)、上述したような転写ムラが生じないので、CPU50は、転写電流に関して特別な制御は行わずに次のジョブの画像形成を行うように各部を制御する(ステップS10)。
一方、次のジョブに用いられる用紙の幅が、現在画像形成を行っているジョブに用いられている用紙の幅より広い場合は(ステップS3:Yes)、CPU50は、次のジョブの画像形成を行う前に、所定のパターンのトナー像であるパッチを形成させるよう、画像形成手段40Y〜40Kを制御する(ステップS4)。
図5は、ステップS4において形成されるパッチの一例を示す図である。図5には、中間転写ベルト31上に、トナー像Tが用紙搬送方向に直交する幅方向に複数個形成された列が2列並んで(パッチ列f、r)形成されている例が示されている。ここで、パッチは少なくとも一色のものが形成されれば良い。
図5に示すようなパッチを形成させたら、CPU50は、形成させたパッチを中間転写ベルト31から2次転写ローラー38aに転写させるよう、電流源38bを制御する(ステップS5)。
ここで、CPU50は、パッチ列fを転写させる際の転写電流と、パッチ列rを転写させる際の転写電流とが互いに異なる電流値となるように、電流源38bを制御する。
ここで、CPU50は、パッチ列fを転写させる際の転写電流と、パッチ列rを転写させる際の転写電流とが互いに異なる電流値となるように、電流源38bを制御する。
そして、パッチ列f及びrについて、ステップS5において2次転写ローラー38aに転写されずに中間転写ベルト31に残存したトナーの量をそれぞれラインセンサーLSに検知させる(ステップS6)。ラインセンサーLSによって検知された残存トナーは、中間転写ベルトクリーニング部35において除去される。
CPU50は、ステップS6において検知されたトナー量に基づいて、転写電流値の変化量を算出する(ステップS7)。即ち、次のジョブにおいて電流源38bが2次転写ローラー38aに流す転写電流値を、現在実行中のジョブにおける転写電流値からどれだけ変化させるか、を求める。この処理については後に詳しく説明する。
転写電流の変化量が算出されると、CPU50は、ステップS5において2次転写ローラー38aに転写されたパッチ列f及びrを中間転写ベルト31に戻すような転写電界を形成するように、電流源38bを制御する(ステップS8)。具体的には、トナーの荷電極性と同極性の電流を2次転写ローラー38aに流すように制御する。これにより、2次転写ローラー38aに転写されていたパッチは全て中間転写ベルト31に再転写され、やがて中間転写ベルトクリーニング部35において除去される。
パッチを中間転写ベルト31に転写させると、CPU50は、次のジョブの画像を、2次転写部38において中間転写ベルト31から用紙に転写させるにあたり、ステップS7において算出した転写電流の変化量を反映させて2次転写ローラー38aに転写電流を流すように、電流源38bを制御する(ステップS9)。
そして、処理はステップS1に戻り、当該次のジョブについて最終紙となるまで画像形成を行い、最終紙となったらステップS2において、さらに次のジョブが予約されているか否かが判断される。
さらに次のジョブが予約されている場合は(ステップS2:Yes)、上述した処理を繰り返す。ステップS2において次のジョブの予約がなされていないと判断されると(ステップS2:No)、CPU50は処理を終了する。
以上が、本実施の形態におけるCPU50による制御手順の説明である。ここで、上記制御手順のステップS7における、転写電流の変化量算出処理について詳しく説明する。
図6は、図4に示すフローチャートのステップS6における、パッチ列f及びrについての中間転写ベルト31に残存したトナー量の検知結果の一例を示すグラフである。縦軸は検知されたトナー量を示し、横軸は進行方向に直交する幅方向の位置を示す。
図6を参照すると、先行のジョブに用いられる用紙が接触していた領域Aにおいては、接触していなかった領域Bにおける場合と比較して、中間転写ベルト31に残存したトナー量が少なくなっている。これは、領域Aにおける電気抵抗が領域Bにおける電気抵抗より低くなっていることを示している。
また、パッチ列f及びrを2次転写ローラー38aに転写する際には、上述したように列ごとに転写電流値を変化させているので、その変化に応じて中間転写ベルト31に残存したトナー量も変化している。図6においては、パッチ列rの残存トナー量を示すグラフがパッチ列fの残存トナー量を示すグラフより全体的に上方にシフトしている。
図6に示すような検知結果から、幅方向の領域A及びBの領域毎に、2種類の転写電流値におけるトナー像の転写率をそれぞれ求めることができる。トナー像の転写率は、センサーS2により検知された転写前のパッチのトナー量と、ラインセンサーLSにより検知された残存トナー量とから求めることができる。
図7は、2次転写部38におけるトナー像の転写率と、2次転写電流値との関係を示すグラフである。図7には、パッチ列f及びrを形成し、図6に示すような残存トナー量の検知結果が得られた場合の領域A及びBにおける転写率の曲線を示している。また、パッチ列fに対する転写電流値をIf、パッチ列rに対する転写電流値をIrとして示している。
図7に示すように、転写率と2次転写電流値との関係を示すグラフは放物線状のグラフとなるため、2以上の電流値(If、Ir)についてそれぞれ転写率を求めることで、図7に示す放物線を求めることができる。
この放物線の位置は、2次転写部38における抵抗値によって決まるものである。具体的には、2次転写部38における抵抗値が低くなれば、放物線は図7の左方向へ、抵抗値が高くなれば、放物線は図7の右方向へシフトする。このように、放物線が求められれば、その位置から2次転写部38における抵抗値を求めることができる。
図7に示すように領域A及びBにおける転写率の放物線が得られると、2次転写部38における領域A及びBの抵抗値を求めることができ、領域Aと領域Bとの抵抗差が判明する。
領域Aと領域Bと2次転写部38における抵抗値が異なる状態では、領域A及びBに跨って接触するような幅広い用紙を用いる後続のジョブにおいて、通常の転写電流値(I=If)を2次転写ローラー38aに流すと、図7から明らかなとおり、領域Aと領域Bとでトナー像の転写率が異なってしまう。領域によってトナー像の転写率が異なると、画質が低下してしまうことになる。
そこで、本実施の形態では、幅広い用紙を用いる後続のジョブにおいて、転写電流値を図7に示す領域Aのグラフと領域Bのグラフとが交わる点、即ち領域Aにおけるトナー像の転写率と領域Bにおけるトナー像の転写率とが同等となる点における電流値(Ia)とするために、通常の転写電流値(I)からどれだけ変化させればよいか(b=I−Ia)を求める。領域Aのグラフと領域Bのグラフとの交点は、互いの放物線が図7の左右方向にどれだけ離れているか、即ち、領域Aと領域Bとの抵抗差によって決まるものである。
図8は、2次転写部38における領域Aと領域Bとの抵抗差aと、転写電流値の変化量bとの関係を示す図である。本実施の形態においては、予め図8のようなデータをROM51に格納しておき、これを読み出すことで抵抗差aに応じて変化量bを決定するようにしている。
以上が、図4のステップS7における転写電流値の変化量算出処理についての説明である。図4のステップS9においては、先行のジョブで用いられた用紙より幅広い用紙を用いる後続のジョブにおいて、先行のジョブにおける転写電流値から上記決定された変化量(b)だけ変化させるよう電流源38bを制御することで、領域の違いによって転写率の違いが生じないようにすることができるため、後続のジョブにおいても画質を低下させることはない。
以上が、本発明の第1の実施の形態についての説明である。本実施の形態によれば、先行のジョブにおいて用いられた用紙より幅広い用紙を後続のジョブにおいて用いる場合に、パッチの残留トナー量に基づいて領域による抵抗値の差を求め、この抵抗値の差に基づいて、領域によって転写率の違いが生じないように転写電流値の変化量を決定するので、転写部における電気抵抗の差に起因する画質の低下を防ぐことが可能となる。
本実施の形態においては、パッチ列f及びrについて、中間転写ベルト31に残存したトナー量を検知し、これに基づいて後続のジョブにおける転写電流値を決定する例を示したが、中間転写ベルト31に残存したトナー量の検知ではなく、2次転写ローラー38aに転写されたトナー量を検知し、これに基づいて後続のジョブにおける転写電流値を決定することも可能である。このためには、ラインセンサーLSと同等の機能を有する検知手段を2次転写ローラー38aに対して設け、該検知手段による検知結果に基づいて、CPU50が転写電流値を決定できるような電気的構成にする必要がある。
本実施の形態においては、形成するパッチとして図5に示すようなパッチを例として示しているが、図5の左右方向におけるパッチの分布としては、先行のジョブにおける通紙部である領域Aと、非通紙部である領域Bとでそれぞれ少なくとも1つ形成されていれば足り、図5の例に限定されることはない。また、必ずしもパッチが領域毎に分かれて形成されている必要はなく、領域Aと領域Bとに跨って形成させるようにしても、本発明は実現可能である。
また、本実施の形態においては、1つのジョブ内で同じサイズの用紙が用いられることを前提に、先行のジョブと後続のジョブとでそれぞれ用いられる用紙の幅が異なる場合に後続のジョブにおいて転写電流値を変化させるよう制御する例を示した。しかしながら、例えば同一ジョブ内であっても、ある用紙の次に当該用紙よりも幅の広い用紙が続く場合には、画像形成を中断してパッチを形成し、転写電流値の変化量を求めてその分だけ転写電流を変化させるように制御しても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。第1の実施の形態と重複する部分についてはその説明を省略する。本実施の形態においては、2次転写部38における抵抗値を電気的に測定する構成を採用している。
図9の(a)は、本実施の形態における2次転写部38周辺の構成を示す断面図である。本実施の形態における2次転写部38には、2次転写ローラー38aと、2次転写ローラー38aに対して電流を流す電流源38bとが設けられている。
そして、中間転写ベルト31を介して2次転写ローラー38aと圧接されているローラー37dは電気的に接地されており、ローラー37dに対しては、抵抗検知ローラー38cが接するようにして設けられている。
そして、中間転写ベルト31を介して2次転写ローラー38aと圧接されているローラー37dは電気的に接地されており、ローラー37dに対しては、抵抗検知ローラー38cが接するようにして設けられている。
図9の(b)は、2次転写部38を図9の(a)における矢印D方向に見た図である。抵抗検知ローラー38cは、ローラー37dに対して図9の(b)の左右方向(軸方向)にわたって複数個設けられている。抵抗検知ローラー38cは、接触によりローラー37dの表面を傷つけないような材質とすることが好ましい。
抵抗検知ローラー38cに流れ込む電流値は、図示しない電流計により検知することができるようになっており、この検知電流に基づいてそれぞれの領域の抵抗が測定される。
抵抗検知ローラー38cに流れ込む電流値は、図示しない電流計により検知することができるようになっており、この検知電流に基づいてそれぞれの領域の抵抗が測定される。
図10は、本実施の形態における画像形成装置20の電気的構成を示すブロック図である。プリンター部24は、画像形成手段40、電流源38b、抵抗検知ローラー38c等から構成されている。抵抗検知ローラー38cに流れ込む電流値の情報は、CPU50に送られ、CPU50はこの情報を基に抵抗値を算出する。
図11は、CPU50による制御手順を示すフローチャートである。図11のステップS11〜ステップS13は、図4のフローチャートにおけるステップS1〜ステップS3と同様の制御を行う。そして、ステップS13において、次のジョブに用いられる用紙の幅が、現在画像形成を行っているジョブに用いられている用紙の幅と同じ或いはこれより狭い場合は(ステップS13:No)、CPU50は、転写電流に関して特別な制御は行わずに次のジョブの画像形成を行うように各部を制御する(ステップS17)。
一方、次のジョブに用いられる用紙の幅が、現在画像形成を行っているジョブに用いられている用紙の幅より広い場合は(ステップS13:Yes)、CPU50は、次のジョブの画像形成を行う前に、2次転写部38における抵抗値を検知するように各部を制御する(ステップS14)。具体的には、抵抗検知ローラー38cに流れ込む電流値を基に、領域毎に抵抗値を算出する。
抵抗値が検知されると、CPU50は、検知された抵抗値に基づいて転写電流値の変化量を算出する(ステップS15)。この処理については後に詳しく説明する。
転写電流値の変化量を算出すると、CPU50は、次のジョブの画像を2次転写部38において中間転写ベルト31から用紙に転写させるにあたり、ステップS15において算出した転写電流の変化量を反映させて2次転写ローラー38aに転写電流を流すように、電流源38bを制御する(ステップS16)。
そして、処理はステップS11に戻り、当該次のジョブについて最終紙となるまで画像形成を行い、最終紙となったらステップS12において、さらに次のジョブが予約されているか否かが判断される。
さらに次のジョブが予約されている場合は(ステップS12:Yes)、上述した処理を繰り返す。ステップS12において次のジョブの予約がなされていないと判断されると(ステップS12:No)、CPU50は処理を終了する。
以上が、本実施の形態におけるCPU50による制御手順の説明である。ここで、上記制御手順のステップS15における、転写電流の変化量算出処理について詳しく説明する。
本実施の形態における転写電流の変化量算出処理は、ステップS14において検知された抵抗値に基づいて行われる。
図12は、抵抗検知ローラー38cによって検知された抵抗値と、2次転写部38における用紙搬送方向に直交する幅方向の位置との関係を示すグラフである。グラフには、図9の(b)に示した各抵抗検知ローラー38cによって検知された抵抗値が示されている(計7点)。
図12に示す例においては、先行のジョブにおいて用紙が通過していた領域Aの抵抗値が、用紙が通過していない領域Bの抵抗値より低くなっている。本実施の形態においては、領域Aの中で最も低い抵抗値と、領域Bの中で最も高い抵抗値との差を抵抗差aとし、これに基づいて転写電流値の変化量bを求める。
転写電流値の変化量bは、第1の実施の形態における算出方法と同様に、図8に示すような抵抗差aと変化量bとを対応付けたデータを予めROM51に格納しておき、抵抗差aに応じてデータを読み出して転写電流値の変化量bを決定する。ここでの変化量bは、現在の転写電流値Ifから、図7に示すグラフにおける領域Aの転写率と領域Bの転写率とが交わる点における転写電流値とするための変化量である。
以上が、図11のステップS15における転写電流値の変化量算出処理についての説明である。図11のステップS16においては、先行のジョブで用いられた用紙より幅広い用紙を用いる後続のジョブにおいて、先行のジョブにおける転写電流値から上記決定された変化量(b)だけ変化させるよう電流源38bを制御することで、領域の違いによって転写率の違いが生じないようにすることができるため、後続のジョブにおいても画質を低下させることはない。
以上が、本発明の第2の実施の形態についての説明である。本実施の形態によれば、先行のジョブにおいて用いられた用紙より幅広い用紙を後続のジョブにおいて用いる場合に、直接抵抗値を検知することで領域による抵抗値の差を求め、この抵抗値の差に基づいて、領域によって転写率の違いが生じないように転写電流値の変化量を決定するので、転写部における電気抵抗の差に起因する画質の低下を防ぐことが可能となる。
本実施の形態においては、抵抗検知ローラー38cを図9に示すように配置して抵抗値を検知する例を示した。しかしながら、本発明を実現するためには、2次転写部38において、先行のジョブにおいて用紙が通過した領域Aと用紙が通過していない領域Bとで少なくとも1箇所ずつ抵抗値が検知できれば良いので、抵抗検知ローラー38cの個数や配置は図9に示す例に限定されるものではない。
また、抵抗検知手段としては、上述の例に限られるものではなく、検知対象の部材を傷付けることなく抵抗が検知できる手段であれば良い。
また、本実施の形態においては、抵抗検知ローラー38cを、ローラー37dに対して設ける例を説明した。2次転写部38における抵抗を測定する際には、電流源38bが接続されている部材に対向する部材の抵抗を測定すると、2次転写部38の系全体としての抵抗が最も良く現れるため、より適切な転写電流値を設定することができる。本実施の形態においては、電流源38bが2次転写ローラー38aに電気的に接続され、抵抗検知ローラー38cがローラー37dに接続される例を示したが、反対に、電流源38bをローラー37dに、抵抗検知ローラー38cを2次転写ローラー38aに、それぞれ接続するような構成を採用しても、同様の結果を得ることができる。
また、電流源38bが接続されている部材の抵抗を測定しても、領域による抵抗値の差は現れる。従って、本実施例の構成に限らず、例えば電流源38bが接続されている部材にも同様に抵抗検知ローラー38cを設け、電流源38bが接続されている部材と接続されていない部材との両方において測定された抵抗値に基づいて上述した制御を行えば、より適切な転写電流値を設定することが可能となる。
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1及び第2の実施の形態と重複する部分についてはその説明を省略する。
本実施の形態は、2次転写部38においてトナー像転写の際に用紙と接触している領域と接触していない領域とで生じる抵抗値の差に基づいて、2次転写部38を構成する部材が寿命を迎えたか否かをCPU50が判断するものである。
図13は、2次転写部38におけるトナー像の転写率と、2次転写電流値との関係を示す図である。図13の(a)は、領域Aと領域Bとの抵抗差aがある値a0より小さい場合、図13の(b)は、抵抗差aがa0より大きい場合をそれぞれ示している。
第1の実施の形態において図7を用いて説明したとおり、転写率の放物線は、抵抗値が高くなると図の右側へ、抵抗値が低くなると図の左側へシフトする。即ち、領域Aにおける抵抗値と領域Bにおける抵抗値との差である抵抗差aが大きいほど、互いの放物線の頂点は図13の左右方向に離れることになる。
抵抗差aが大きくなると、図13の(b)に示すように、領域Aにおける転写率の放物線と領域Bにおける転写率の放物線とが互いに離れ、両放物線の交点、即ち領域A及び領域Bにおける転写率が一致し高画質な画像形成が可能となる点における転写率は下降する。つまり、両放物線の交点においては、領域による転写率の違いは生じないが、トナー像の転写率自体が低くなる。
そして、この画像の転写率自体が下がり過ぎてしまうと、そもそもトナー像の転写が不十分となり、画質が低下してしまう。
そして、この画像の転写率自体が下がり過ぎてしまうと、そもそもトナー像の転写が不十分となり、画質が低下してしまう。
一方、2次転写部38を構成する部材を継続して使用していくと、部材の経時的な変化により、用紙が通過した領域と通過していない領域との抵抗値の差が次第に大きくなっていく。
上述の通り、第1或いは第2の実施の形態において説明した制御を行っていたとしても、領域による抵抗差が大きくなると、領域A及び領域Bにおける転写率が一致し高画質な画像形成が可能となる点における転写率は下降し、画質が低下する。
そこで、本実施の形態においては、第1或いは第2の実施の形態において説明した制御を行う場合に、トナー像の転写率について画像として許容できる下限値を設けて、領域による転写率が一致するときの転写率が当該下限値を下回るほどそれぞれの領域における抵抗値の差が大きい場合には、2次転写部38を構成する部材が寿命を迎えたと判断するようにしている。
具体的な動作例について説明する。本実施の形態においては、トナー像の転写率の下限値として、図13に示すように95%を設定している。そして、後続のジョブで用いられる用紙幅が先行のジョブで用いられる用紙幅より広い場合に、第1或いは第2の実施の形態において説明した制御を行うが、このときCPU50は、領域A及び領域Bにおける転写率が一致するときの転写率が95%を下回るような場合に、後続のジョブの画像形成を行わず、2次転写部38を構成する部材の交換を勧める等の内容の表示を操作表示部23にさせるように制御する。
領域A及び領域Bにおける転写率が一致するときの転写率が95%を下回るか否かは、領域毎に検知した抵抗値から求められる抵抗差aに基づいて判断することができる。上述の通り、抵抗差aが大きくなると、図13の(b)に示すように、領域Aにおける転写率の放物線と領域Bにおける転写率の放物線とが互いに離れるとともに両放物線の交点は下降していく。そこで、領域A及び領域Bにおける転写率が一致するときの転写率が95%となるときの領域Aと領域Bとの抵抗差をa0とし、抵抗差aがa0を上回ったときに、領域A及び領域Bにおける転写率が一致するときの転写率が95%を下回る、と判断するようにしている。
以上が本発明の第3の実施の形態についての説明である。本実施の形態によれば、2次転写部38において、トナー像転写の際に用紙が通過した領域と通過していない領域との抵抗差に基づいて、2次転写部38を構成する部材が寿命を迎えたか否かをそれぞれの領域における抵抗値に基づいて判断し、寿命を迎えたと判断した場合は、その旨を使用者に報知することができる。これにより使用者は、2次転写部38を構成する部材が寿命を迎えたことを認識することができ、部材を交換する等その対応に移ることができる。
尚、本実施の形態における制御は、第1及び第2の実施の形態と同様に、ジョブ毎のみではなく、例えばジョブ中に幅の広い用紙に対して画像形成を行う場合にも適用することができる。
第1〜第3の実施の形態においては、転写電源として電流源38bを設け、CPU50により転写電流値を制御する例を示したが、転写電源として電圧源を設けて、2次転写部38の電気抵抗の検知結果に基づいて転写バイアスを制御するように構成しても良い。
また、各実施の形態においては、タンデム型のカラー画像形成装置における2次転写部38に対して本発明を適用する例を示したが、例えばモノクロの画像形成装置におけるトナー画像の用紙への転写部に対しても、本発明は適用可能である。
その他、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない限りにおいて異なる実施の形態を採用することも可能である。
20 画像形成装置
22 スキャナー部
23 操作表示部
24 プリンター部
31 中間転写ベルト
32 給紙部
37d ローラー
38 2次転写部
38a 2次転写ローラー
38b 電流源
38c 抵抗検知ローラー
40 画像形成手段(YMCK)
a 抵抗差
b 転写電流変化量
f パッチ列
r パッチ列
LS ラインセンサー
N ニップ部
22 スキャナー部
23 操作表示部
24 プリンター部
31 中間転写ベルト
32 給紙部
37d ローラー
38 2次転写部
38a 2次転写ローラー
38b 電流源
38c 抵抗検知ローラー
40 画像形成手段(YMCK)
a 抵抗差
b 転写電流変化量
f パッチ列
r パッチ列
LS ラインセンサー
N ニップ部
Claims (13)
- トナー像を転写材に静電的に転写する転写部と、
前記転写部に電気的に接続された転写電源と、
転写材の転写材搬送方向に直交する方向の大きさである用紙幅を取得する用紙幅取得手段と、
前記転写部の電気抵抗を検知する抵抗検知手段と、
前記用紙幅取得手段が取得した後続の転写材の用紙幅が先行の転写材の用紙幅より大きい場合に、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗とを前記抵抗検知手段に検知させ、前記後続の転写材に対してトナー像を転写する際に当該検知された結果に基づいて、前記先行の転写材が通過した領域のトナー像の転写率と通過していない領域のトナー像の転写率とが略同一となるよう前記転写電源を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記検知された結果は、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗との差であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- トナー像が形成される像担持体を有し、
前記抵抗検知手段は、検知用のトナー像であるパッチを前記像担持体に形成するパッチ形成手段と、前記パッチを検知するパッチ検知手段と、を備え、前記パッチ形成手段が、前記像担持体に前記パッチを形成し、前記パッチ検知手段が、前記パッチが前記像担持体から転写された結果を検知することで、当該検知された結果に基づいて前記転写部の電気抵抗を検知する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記パッチ形成手段は、前記像担持体に対して、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域と通過していない領域とに対応する領域に、それぞれ1以上の前記パッチを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記パッチ検知手段は、前記転写部において前記パッチが転写された結果前記像担持体に残存した前記パッチを検知することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
- 前記転写部は、前記像担持体に対向して配置された転写部材を有し、
前記パッチは、前記像担持体から前記転写部材へ転写されることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。 - 前記転写部において前記パッチを転写させる際に、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域と、前記先行の転写材が通過していない領域とで、それぞれ複数の条件で前記パッチを転写させるよう前記転写電源を制御することを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記抵抗検知手段は、前記転写部の電気抵抗を電気的に検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記抵抗検知手段は、前記転写部に流れる電流を検知する電流検知部材を有し、前記電流検知部材によって検知された電流値に基づいて、前記転写部の電気抵抗を検知することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記電流検知部材は、ローラー状の部材であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記転写部は、前記像担持体に対向して配置された転写部材と、前記像担持体を介して前記転写部材と圧接された対向部材とを有し、
前記転写電源は、前記転写部材に電気的に接続され、
前記抵抗検知手段は、前記対向部材の電気抵抗を検知することを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の画像形成装置。 - 前記転写部は、前記像担持体に対向して配置された転写部材と、前記像担持体を介して前記転写部材と圧接された対向部材とを有し、
前記転写電源は、前記対向部材に電気的に接続され、
前記抵抗検知手段は、前記転写部材の電気抵抗を検知することを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の画像形成装置。 - 前記抵抗検知手段によって検知された、前記転写部における前記先行の転写材が通過した領域の電気抵抗と通過していない領域の電気抵抗との差が所定値より大きい場合に、前記転写部を構成する部材が寿命を迎えたことを使用者に報知する寿命報知手段を有することを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の画像形成装置。
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Cited By (1)
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JP2016184078A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
-
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- 2012-03-02 JP JP2012046075A patent/JP2013182135A/ja active Pending
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