JP2013181756A - 放射線計測装置の較正方法及び粒子線治療装置 - Google Patents

放射線計測装置の較正方法及び粒子線治療装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層型の放射線計測装置において、水ファントム計測装置を用いることなく、短時間且つ容易にセンサー毎の出力のバラつきを較正できる放射線計測装置及びその較正方法を提供する。
【解決手段】放射線計測装置101のセンサー部203は、複数のセンサーが粒子線のビーム方向に積層されている。ダミー吸収体208は、複数のセンサーの平均の水等価厚と等しい水等加厚を有しており、放射線の進行方向に対してセンサー部の上流側に設置される。信号処理装置205は、放射線を放射線計測装置101に照射し、各センサーで生じた電気信号を計測した第1の計測で得た計測結果と、センサー部を放射線の進行方向に移動するとともに、ダミー吸収体を設置し、第1の計測と同じ条件で放射線を照射し、各センサーで生じた電気信号を計測した第2の計測で得た計測結果とを用い、各センサーの較正係数を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線計測装置の較正方法及び粒子線治療装置に関する。
粒子線治療では、スキャニング照射法が普及しつつある。スキャニング照射法は、標的を微少領域(以下、スポット)に分割して考え、スポット毎に細径(1σ=3〜20mm)のビームを照射する。スポットに既定の線量が付与されると、ビームの照射を停止し、次のスポットに向けてビームを走査する。ビームをビーム進行方向(以下、深さ方向)に対して垂直な方向(以下、横方向)に走査する場合は、走査電磁石を用いる。ある深さについてすべてのスポットに既定線量が付与されると、ビームを深さ方向に走査する。ビームを深さ方向に走査する場合は、加速器もしくはレンジシフタでビームのエネルギーを変更する。最終的に、全てのスポット、即ち標的全体に一様な線量が付与される。
このとき、粒子線照射装置が正しく調整されているか否かについて、操作者は放射線計測装置を利用してビームの照射位置、ブラッグカーブ、線量分布形状を計測し、その結果分析することで判断する。
従来の放射線計測装置として深さ方向に複数の平行平板電離箱を積層した構造を持ち、粒子線の深部線量分布を一度に計測できるものが知られている(特許文献1,非特許文献1参照)。
ただし積層電離箱の各電離箱には個体差があり、等しい粒子数及びエネルギーのビームを照射したとしても、信号処理装置から出力される結果は異なる。これは、深さ方向の電離層の厚みや、信号処理装置における電荷からデジタル値への変換効率にバラつきがあるためである。例えば、電離層の厚みに10%のバラつきがあれば、出力される電荷にも10%のバラつきが発生する。このようなバラつきは工作精度に起因するため、回避は困難である。従来、こうしたバラつきは、水ファントム計測装置の計測結果との比較により較正していた。
特開2011−153833号公報
しかしながら、水ファントム計測装置を用いて積層電離箱の各電離箱を較正するためには、多くの手間と時間を必要とした。
本発明の目的は、積層型の放射線計測装置において、水ファントム計測装置を用いることなく、短時間且つ容易にセンサー毎の出力のバラつきを較正できる放射線計測装置の較正方法及びそのための粒子線治療装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、放射線センサーを積層したセンサー部を有する放射線計測装置であって、前記積層された放射線センサーの平均水等価厚と等しい水等価厚を有するダミー吸収体と、前記センサー部の計測方向の前方かつ放射線の通過線上となる位置に前記ダミー吸収体を設置するダミー吸収体駆動制御部と、前記センサー部を前記積層された放射線センサーの平均厚と等しい距離を前記放射線の通過線上において移動させるセンサー部駆動制御装置と、前記ダミー吸収体が前記位置に設置されるときの前記放射線計測装置の計測結果と、前記ダミー吸収体が前記位置に設置されないときの前記放射線計測装置の計測結果と、前記それぞれの計測結果を取得する間に出射された前記放射線の出射線量の積算値とに基づき前記各放射線センサーの較正係数を算出する信号処理装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、積層型の放射線計測装置において、水ファントム計測装置を用いることなく、短時間且つ容易にセンサー毎の出力のバラつきを較正できるものとなる。
本発明の一実施形態による放射線計測装置および粒子線治療装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による放射線計測装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による放射線計測装置に用いるセンサー部の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による放射線計測装置のセンサー部に用いる電荷収集用プリント基板の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による放射線計測装置のセンサー部に用いる高電圧印加用プリント基板の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による放射線計測装置の較正方法の説明図である。 本発明の一実施形態による放射線計測装置の較正結果の説明図である。
スキャニング照射法を採用する粒子線照射装置は、横方向に対して指示通りの位置にビームを照射できるように調整される(照射位置の誤差±1mm以下)。さらに、指示通りの深さまでビームが到達するように調整される(飛程の誤差±1mm以下)。飛程は媒質中におけるビームの到達深度を示し、ビームの入射エネルギーに依存する。
粒子線照射装置の調整結果を確認するため、放射線計測装置によりビームの照射位置、及びブラッグカーブが計測される。ブラッグカーブとは、深さ方向に対するLET(線エネルギー付与:Linear Energy Transfer、単位[J/m])の分布であり、ビームの入射エネルギーに依存する。LETは、媒質中を進むビーム粒子が深さ方向へ単位距離進む間に媒質へ付与するエネルギーである。ビームの到達深度は、ブラッグカーブから算出される。また、体積照射時における横方向の線量分布と深さ方向の線量分布も計測される。体積照射とは、前述のスキャニング照射法の手順に従い、被照射体の任意の領域(患部、標的と呼ばれる)に均一な線量分布を形成することである。
放射線計測装置は、主に放射線に反応して電気信号を出力する放射線センサーと、信号処理装置で構成される。代表的な放射線センサーとしては、電離箱がある。電離箱は2つの電極で電離層(材質は空気、希ガス等)を挟み込んだ構造を有する。一方の電極に高電圧を印加して電離層に電場を形成し、ビームの照射時に電離層で発生した電離電荷を収集する。電離電荷量は電離層におけるビームのエネルギー損失量[MeV]に比例する。また、エネルギー損失量は電離箱を設置した位置の線量に比例する。信号処理装置は電離箱で発生した電荷をデジタル値に変換し、ディスプレイなどに表示する。さらに、ハードディスクドライブなどの記録装置に記録する。
深さ方向に複数の平行平板電離箱を積層した構造の放射線計測装置を積層電離箱と称する。平行平板電離箱は、2枚の板状電極で電離層を平行に挟み込んだ構造を有する。電離層から得られた電荷量(単位[C])に換算係数を乗じると、水中の線量D(単位[J/kg])が算出される。線量Dは、電離層の水等価体積で平均化した値である。電離層の水等価体積は、電離層の横方向面積S×深さ方向の水等価厚で表される。物質の水等価厚とは、物質を通過した粒子線と等しいエネルギー損失量を粒子線に与えるための水の厚みのことである。中性の粒子線の場合、物質を通過した粒子線と等しい数の粒子を減少させるための水の厚みのことである。なお、電荷を持つ粒子が物質に与える線量Dは、D=LET×n/ρ/Sの関係を満たす。ここで、nは電離層への入射粒子数、ρは媒質の密度(単位[kg/m3])である。
また、水ファントム計測装置とは、水槽中に小型の放射線センサーを設置した放射線計測装置である。放射線センサーは、モーターにより水槽内部を自由に移動できる。これを利用した積層電離箱の較正方法として、まず、任意の条件で水ファントム計測装置にビームを照射し、放射線センサーを走査しながら水槽中の深部線量分布を1点ずつ計測する。次に、同じ条件で積層電離箱にビームを照射し、同様に深部線量分布を計測する。最後に、水ファントム計測装置と積層電離箱の計測結果を比較し、両者が一致するように各電離箱に対して較正係数を定める方法が考えられる。
しかし水ファントム計測装置の使用においては、まず水槽への注水が必要である。こぼれた水で治療装置が損傷しないように慎重に実施するため、注水には数十分程度の時間がかかる。満水状態の水槽は非常に重く、取り扱いには注意を要する。操作者の安全確保と治療装置の損傷防止のため、水ファントム計測装置の移動、位置調整は人数をかけてできる限り慎重に実施しなくてはならない。計測終了後の片づけにも同様のことが言える。さらに、水ファントム計測装置では線量分布の計測にも時間がかかる。放射線センサーを走査し、1点ずつ分布を計測するためである。したがって積層電離箱を構成する各電離箱を、上記の水ファントムを用いて構成する方法は、煩雑な用意や、較正に時間を要することが考えられる。そこで、水ファントムを用いる必要がなく、短時間での較正を可能とする放射線計測装置の較正方法及び放射線計測装置を提供する。
以下、図1〜図7を用いて、本発明の一実施形態による放射線計測装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による放射線計測装置と粒子線治療装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による放射線計測装置と粒子線治療装置の全体構成を示すブロック図である。
粒子線治療装置は、陽子線照射装置102と、放射線計測装置101とを備えている。放射線計測装置101は、スキャニング照射法を用いる陽子線照射装置102の調整及び性能評価を実施するため、陽子線照射装置102から照射されたビームのブラッグカーブを計測する。
なお、ここでは、放射線照射装置として陽子線照射装置102を例に説明するが、陽子より質量の重い粒子(炭素線など)を用いた重粒子線照射装置にも適用できる。また、光子線,電子線,ミュオン線,パイ中間子線,中性子線を用いた放射線照射装置にも適用できる。また、陽子線照射装置もスキャニング照射法を用いる場合に限定される必要はなく、後述する散乱体照射法であってもよい。
図1に示すように、陽子線照射装置102は、陽子線発生装置103,陽子線輸送装置104及び回転式照射装置105を有する。なお、本実施例では回転ガントリーを備える回転式照射装置105を例に説明するが、照射装置は固定式であってもよい。
陽子線発生装置103は、イオン源106,前段加速器107(例えば、直線加速器)及びシンクロトロン108を有する。イオン源106で発生した陽子イオンは、まず、前段加速器107で加速される。前段加速器107から出射した陽子線(以下、ビーム)は、シンクロトロン108で所定のエネルギーまで加速された後、出射デフレクタ109から陽子線輸送装置104に出射される。最終的に、ビームは、回転式照射装置105を経て放射線計測装置101に照射される。回転式照射装置105は、回転ガントリー(図示せず)及び照射野形成装置110を有する。回転ガントリーに設置された照射野形成装置110は、回転ガントリーと共に回転する。陽子線輸送装置104の一部は、回転ガントリーに取り付けられている。本実施例では、陽子線の加速装置としてシンクロトロン108を採用したが、サイクロトロンや直線加速器であってもよい。
次に、本実施例の照射野形成装置110によって実現される、スキャニング照射法の概要を説明する。スキャニング照射法では、照射範囲を微少領域(スポット)に分割し、スポット毎にビームを照射する。スポットに既定線量が付与されると、照射を停止して次の既定スポットに向けてビームを走査する。横方向へのビーム走査には照射野形成装置110に搭載した2対の走査電磁石(図示せず)を用いる。ある深さについてすべてのスポットに既定線量を付与すると、照射野形成装置110は深さ方向にビームを走査する。シンクロトロン108もしくは照射野形成装置110等に搭載したレンジシフタ(図示せず)を用いてビームのエネルギーを変更することで、深さ方向へのビーム走査は実現される。このような手順を繰り返し、最終的に一様な線量分布が形成される。照射野形成装置110はビームの出射(照射)線量を検出するための線量モニタ112を備えている。
本実施例では、走査電磁石を励磁しない状態においてビームの中心が通過する直線をビーム軸と定義する。また、回転式照射装置105の回転軸とビーム軸との交点をアイソセンタと定義する。スキャニング照射法では、アイソセンタ付近におけるビームの横方向広がりは1σ=3mm〜20mmとなる。
放射線計測装置101は、患者カウチ114の上に設置される。患者カウチ114は、放射線計測装置101をビーム軸方向(Z軸方向)に移動することができる。また、患者カウチ114は、放射線計測装置101をZ軸方向と直交する2軸方向(X軸方向,Y軸方向)に移動することができる。
次に、図2を用いて、本実施形態による放射線計測装置101の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による放射線計測装置の詳細な構成を示すブロック図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図1に示した放射線計測装置101は、レンジシフタ201,レンジシフタ駆動制御装置202,センサー部203,高電圧電源204,信号処理装置205,主制御装置206,ダミー吸収体208,ダミー吸収体駆動制御装置209を有する。
なお、図1にも示した患者カウチ114は、センサー部203の駆動制御装置であるカウチ駆動制御装置116により制御され、センサー部203をZ軸方向に移動する。また、図1に示した線量モニタ112によって検出されたビームの線量は、信号処理装置205に取り込まれる。なお、センサー部203の駆動制御装置は、カウチ駆動制御装置と別途に設けられてもよい。その場合、例えば、カウチ上で移動させることができる台車や可動天板の上に放射線計測装置101を設置して、センサー部203を移動させることが考えられる。
レンジシフタ201は、センサー部203のビーム進行方向(以下、深さ方向;Z軸方向)の上流に位置し、水等価厚の異なる複数のエネルギー吸収体201Aを備える。本実施例では、エネルギー吸収体201Aは、水等価厚0.2mm,0.4mm,0.8mm,1.6mm,3.2mmの5枚である。レンジシフタ駆動制御装置202がレンジシフタ201に信号を送ると、レンジシフタ201はモーター(図示せず)を作動させてビーム通過位置上にエネルギー吸収体201Aを挿入・排出する。ビームがエネルギー吸収体201Aを通過すると、放射線計測装置101の計測位置は水等価厚の分だけ深さ方向に変化する。このようにして、本実施例の放射線計測装置101は、深さ方向の計測位置を調整する。調整可能な範囲は、5枚のエネルギー吸収体を組み合わせることで作ることのできる水等価厚となるため、0.2mm間隔で0.2mmから6.2mmである。なお、エネルギー吸収体201Aの素材、枚数、水等価厚は任意である。本実施例では、エネルギー吸収体201AにABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile butadiene styrene)樹脂)製の板を用いる。
次に、図3を用いて、本実施形態による粒子線治療装置の放射線計測装置101に用いるセンサー部203の構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による粒子線治療装置の放射線計測装置に用いるセンサー部の構成を示す斜視図である。なお、図2と同一符号は、同一部分を示している。
図3に示すように、センサー部203は、電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302を深さ方向(Z軸方向)に交互に積層して構成される。電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302の積層数は任意だが、各1枚ずつは最低限必要である。図示の例では、電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302は、それぞれ3枚ずつ積層されているが、実際には、例えば、50枚ずつ積層される。
電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302の間には、スペーサ303が配置される。スペーサ303の挿入により、電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302の間には電離層が形成される。スペーサ303は絶縁体である。本実施例では、電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302がそれぞれ51枚ずつ積層される場合、電離層の総数は100層となる。電離層は電離ガスで満たされる。本実施例では電離層を大気開放し、電離ガスとして空気を用いる。電離層を密封し、ガスポンプを用いてアルゴン等の電離ガスを循環させる構成でもよい。
積層した電荷収集用プリント基板301,高電圧印加用プリント基板302及びスペーサ303はボルト304を用いて固定する。なお、電荷収集用プリント基板301,高電圧印加用プリント基板302及びスペーサ303を安定して積層・固定できる方法であれば、この方法に限らない。
電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302は、深さ方向と直交する面(X−Y平面)の両面に電極を蒸着したガラスエポキシ板である。電極の材質は、銅で、ニッケルと金でメッキされている。ただし、絶縁体であれば、基板はガラスエポキシに限らない。同様に、導体であれば電極は、銅、ニッケル、金に限らない。本実施例では、電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302の厚みがほぼ等しく、その水等価厚は共に4.0mmとする。
次に、図4を用いて、本実施形態による放射線計測装置101のセンサー部203に用いる電荷収集用プリント基板301の構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による放射線計測装置のセンサー部に用いる電荷収集用プリント基板の構成を示す斜視図である。なお、図3と同一符号は、同一部分を示している。
図4に示すように、電荷収集用プリント基板301の裏表両面の電極は、3つの領域へ電気的に分割される。電荷収集用プリント基板301の中心を含む領域(中心領域)を小電極(第1電極)401、小電極401を取り囲む領域を大電極(第2電極)402、最も外側の領域をガード電極(第3電極)403とする。小電極401は導線404に接続し、大電極402は導線405に接続し、ガード電極403は導線406に接続する。小電極401に接続する導線404と大電極402に接続する導線405のもう一端は、基板の内層を通って信号処理装置205の入力側に接続する。つまり、導線404が小電極401と信号処理装置205を接続し、導線405が大電極402と信号処理装置205を接続する。ガード電極403に接続する導線406の一端は接地する。ガード電極403は高電圧印加用プリント基板302から小電極401及び大電極402へのリーク電流を防止する。なお、小電極401と大電極402が構成する電極は、放射線計測装置101中での散乱とドリフトによって横方向へ2次元ガウス分布状に広がったビーム(アイソセンタで1σ=3〜20mm)よりも十分大きな形状となっている。
電荷収集用プリント基板301の電極は両面対称構造であり、表面と同様に裏面に面した電離層からも電荷を収集する。導線406’は、裏面側のガード電極に接続されるものであり、接地される。導線404’は裏面側の小電極に接続され、また、導線405’は裏面側の大電極に接続され、それぞれ、信号処理装置205に接続される。
また、電荷収集用プリント基板301の4隅には、図3に示したボルト304を通すためのボルト用穴BHが形成されている。
次に、図5を用いて、本実施形態による放射線計測装置101のセンサー部203に用いる高電圧印加用プリント基板302の構成について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による放射線計測装置のセンサー部に用いる高電圧印加用プリント基板の構成を示す斜視図である。なお、図3と同一符号は、同一部分を示している。
図5に示すように、高電圧印加用プリント基板302の電極は、2つの領域へ電気的に分割される。中心領域を高電圧印加電極501、外側をガード電極502とする。高電圧印加電極501は導線503に接続し、ガード電極502は導線504に接続する。導線503は高電圧印加電極501と高電圧電源204を接続し、高電圧電源204からの高電圧(絶対値で数千V以下)を高電圧印加電極501に印加する。ガード電極502と接続する導線504の一端は接地する。ガード電極502は、高電圧印加用プリント基板302から電荷収集用プリント基板301の小電極401及び大電極402へのリーク電流を防止する。電荷収集用プリント基板301の小電極401及び大電極402はほぼ0Vのため、電離層には深さ方向に電場が生じる。
高電圧印加用プリント基板302の電極は両面対称構造であり、表面と同様に裏面の高電圧印加電極にも高電圧が印加される。導線504’は、裏面側のガード電極に接続されるものであり、接地される。また、導線503’は裏面側の高電圧印加電極に接続され、高電圧電源204に接続される。
また、高電圧印加用プリント基板302の4隅には、図3に示したボルト304を通すためのボルト用穴BHが形成されている。
なお、以上のように、本実施例では2重同心円形状としたが、電荷収集用プリント基板301の電極形状は任意である。例えば、横方向の線量分布形状を計測するため電極をピクセル状又はストリップ状に分割し、各セグメントから独立して電離電荷を取り出す構成としてもよい。また、電離層内に所望の電場分布を形成可能であれば、高電圧印加用プリント基板302の電極形状も任意である。
センサー部203が上記の構造であるため、本実施例では、深さ方向に対し電荷収集用プリント基板301の中心からとなり合う高電圧印加用プリント基板302の中心までの部分が1つ分のセンサーとなる。また、本実施例では、前述のように電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302の厚みがほぼ等しく、その水等価厚は共に平均4.0mmである。電離層でのビームのエネルギー損失は無視できるので、各センサーの水等価厚も平均4.0mmとなる。
電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302の実際の厚みは、それぞれ、約2mmである。電離層となる電荷収集用プリント基板301と高電圧印加用プリント基板302との間の空間の厚さは2mmである。従って、本実施例では、各センサーの厚さも同様に平均4.0mmとなる。但し、センサーの厚さと水等価厚は一致している必要はない。
各センサーの水等価厚が平均4.0mmであることから、レンジシフタ201を使用しない場合、本実施例の放射線計測装置101は4.0mmの間隔でブラッグカーブを計測できる。
再び、図2において、信号処理装置205は、センサー部203の各層の小電極及び大電極が収集した電離電荷をセンサー毎に独立に積算する。同様に、信号処理装置205は線量モニタ(図示せず)から出力された電離電荷も積算する。スポット毎のビームの照射量を監視するため、照射野形成装置110内のビーム通過位置には線量モニタ112が備えられている。線量モニタ112は、平行平板型電離箱であり、電離層中でのビームのエネルギー損失量に比例した電離電荷を信号処理装置205に出力する。最終的に、信号処理装置205は電離電荷の積算結果を数値化し、主制御装置206に送信する。主制御装置206は線量モニタから得られた積算値でセンサー部203から得た積算値を規格化し、ビーム照射量の変動に起因する計測結果のバラつきを補正する。
本実施例のように、電離層と、電離層を挟んで配置した2枚の電極で構成される放射線センサーを電離箱と称する。本実施例のセンサー部203は、電離箱を深さ方向に積層した構造といえる。
電離箱は、半導体検出器やシンチレーションカウンタに置き換えられる。即ち、センサー部203が深さ方向に半導体検出器やシンチレーションカウンタを積層した構造であっても、本実施例と同様の効果が得られる。これら2つの装置は内部で生じた放射線のエネルギー損失に反応して電気信号を出力する。一般に、半導体検出器はp型半導体とn型半導体を接合した半導体素子である。放射線センサーとしての使用時には素子に逆電圧を印加して接合部の空乏層を拡大させる。空乏層は電離層の役割を示し、放射線が入射するとそのエネルギー損失量に比例した数の正孔・電子対を生成する。正孔・電子対は空乏層内の電場の向きに従ってドリフトし、電離箱と同様にp型及びn型半導体に接続した電極から電荷として信号処理装置205へ出力される。
シンチレーションカウンタは、蛍光物質(NaI結晶、GSO結晶、有機ELなど)と光検出器(光電子増倍管など)で構成される放射線センサーである。蛍光物質は電離層の役割を示し、放射線が入射するとそのエネルギー損失量に比例した量の蛍光を発する。光検出器は発光量に比例した電荷を生成し、信号処理装置205へ出力する。
次に、図6及び図2を用いて、本実施形態による粒子線治療装置に用いる放射線計測装置101の較正方法について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による粒子線治療装置に用いる放射線計測装置の較正方法の説明図である。
放射線計測装置101の較正を行う場合には、図6(A)に示す第1の計測と、図6(B)に示す第2の計測とを行う。例えば、図6(A)に示す例では、センサー部203は、4枚の電荷収集用プリント基板301A,301B,…と3枚の高電圧印加用プリント基板302A,302B,…とが交互に積層されている。第1の電荷収集用プリント基板301Aの右側半分と第1の高電圧印加用プリント基板302Aの左側半分と、その間に位置する電離層となる空間とにより、第1のセンサS1が構成される。また、第1の高電圧印加用プリント基板302Aの右側半分と第2の電荷収集用プリント基板301Bの左側半分と、その間に位置する電離層となる空間とにより、第2のセンサS2が構成される。さらに、第2の電荷収集用プリント基板301Bの右側半分と第2の高電圧印加用プリント基板302Bの左側半分と、その間に位置する電離層となる空間とにより、第3のセンサS3が構成される。一つのセンサーの厚さl1は、平均4.0mmとなる。
最初に、図6(A)に示す第1の計測を行う。陽子線照射装置102の照射室(図示せず)の患者カウチ114上に放射線計測装置101を固定する。次に、図2に示した主制御装置206は、カウチ駆動制御装置116に制御信号を送り、カウチ駆動制御装置116は患者カウチ114を可動させ、患者位置決め用レーザーマーカを基準として放射線計測装置101の位置決めを行う。本実施例では、ビーム軸がセンサー部203各層の小電極401の中心を通過するように位置決めする。患者カウチの替わりに放射線計測装置101専用の位置決め用可動冶具を製作し、用いても良い。
位置決め完了後、制御室では、主制御装置206を用いて放射線計測装置101の計測制御と陽子線照射装置102のビーム照射制御を行う。まず、主制御装置206は、レンジシフタ駆動制御装置202,高電圧電源204,信号処理装置205の電源を投入する。高電圧印加用プリント基板302の高電圧印加電極501に高電圧が印加され電離層に深さ方向の電場が発生する。本実施例では接地0Vに対して負極の高電圧を高電圧印加電極501に印加する。レンジシフタ201の全てのエネルギー吸収体201Aはビーム通過位置から外れた状態で待機する。
操作者は、主制御装置206から陽子線照射装置102の照射条件(ビームエネルギー,照射スポット位置,照射スポット数等)を設定し、ビーム照射開始を指示する。ビーム照射開始の指示を受けると、陽子線照射装置102は、主制御装置206に対して照射開始信号を送信する。照射開始信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205へ計測開始信号を送信する。計測開始信号を受信すると、信号処理装置205は自身に入力した電荷の積算を開始する。直後、シンクロトロン108で加速されたビームは陽子線輸送装置104を経て回転式照射装置105に出射し、操作者が主制御装置206に設定した条件に従って放射線計測装置101にビームが照射される。
ビームが電離層を通過すると電離層中のビーム線量に比例した数のイオン対、即ち正イオンと電離電子のペアが生成する。生成したイオン対は電場の向きと平行にドリフトする。ビーム軸が各層の小電極401の中心を通過するように放射線計測装置101を位置決めしているため、ビーム軸からの距離が小電極401半径未満の位置で生成した電離電子は小電極401に到達し、ビーム軸からの距離が小電極401半径以上大電極402半径未満の位置で生成した電離電子は大電極402に到達する。小電極401及び大電極402へ到達した電子の数に比例して、それぞれに接続した導線404、導線405、導線404’、導線405’に電荷が発生する。信号処理装置205はビーム照射中に入力した電荷、即ち電荷収集用プリント基板301の小電極401に接続する導線404、導線404’で発生した電荷と、大電極402に接続する導線405、導線405’で発生した電荷を、それぞれ独立に積算する。さらに、信号処理装置205は線量モニタ112から出力された電離電荷も積算する。
操作者の設定した条件に従ってビーム照射を完了すると、陽子線照射装置102は主制御装置206に照射完了信号を送信する。照射完了信号を受信すると、主制御装置206は、信号処理装置205に計測完了信号を送信する。計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、センサー部203各層の大電極と小電極から得られた電離電荷の積算値を数値化し、第一の計測結果として主制御装置206に送信する。また、線量モニタ112から得られた電離電荷の積算値も数値化し、主制御装置206に送信する。主制御装置206は送信された積算値を記録する。さらに、主制御装置206は線量モニタから得られた積算値でセンサー部203から得られた積算値を規格化し、同様に記録する。記録完了後、信号処理装置205は自身に記録された全ての積算値をリセットする。以上が第1の計測である。
次に、図6(B)に示す第2の計測が行われる。まず、ダミー吸収体駆動制御装置209は、ダミー吸収体208を、センサー部203から見てビーム進行方向上流に備わる、センサー部203に据付けられた固定治具601に設置し、固定する。すなわち、このときダミー吸収体208は、ちょうどセンサー部203の計測方向の前方かつビームの通過線上の位置に設置されていることになる。固定治具601を利用することによってダミー吸収体208の設置が容易となり、較正にかかる時間を短縮できる。本実施例では、ダミー吸収体208として、予備の高電圧印加用プリント基板302を用いる。従って、ダミー吸収体208の水等価厚は約4.0mmである。さらに、主制御装置206は、カウチ駆動制御装置116に制御信号を送り、カウチ駆動制御装置116は患者カウチ114を用いて、一つのセンサーの平均の厚さl1(ここでは4.0mm)だけビーム進行方向にセンサー部203を移動させる。図示するように、図6(A)に示す第1の計測時に、ビーム進行方向において第2のセンサS2が位置する位置に、図6(B)に示すように、第1のセンサS1が位置するように、ビーム進行方向にセンサー部203を移動させる。すなわち、図示の例では、ビーム進行方向の移動量は4.0mmである。センサー部203を移動させる理由は、物理的な計測位置が変わると線源から遠い位置ほどビームの粒子密度が減少し、同じエネルギーの陽子線でも計測される線量が変化するためである。
患者カウチの移動完了後、操作者は、陽子線照射装置102の照射条件を第1の計測と同じに設定し、主制御装置206にビームの照射開始を指示する。信号処理装置205は電荷の積算を開始し、設定条件に従って放射線計測装置101にビームが照射される。
ビーム照射が完了し、計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、センサー部203各層の大電極と小電極から得られた電離電荷の積算値を数値化し、第二の計測結果として主制御装置206に送信する。また、線量モニタ112から得られた電離電荷の積算値も数値化し、主制御装置206に送信する。主制御装置206は送信された積算値を記録する。さらに、主制御装置206は線量モニタ112から得られた積算値でセンサー部203から得られた積算値を規格化し、同様に記録する。記録完了後、信号処理装置205は自身に記録された全ての積算値をリセットする。以上が第2の計測である。
以下に、第1の計測で得られた計測結果と第2の計測で得られた計測結果を用いて、センサー毎の較正係数を取得する手順を説明する。
ダミー吸収体208を設置しなかった計測(第1の計測)において、センサー部203の表面から数えてi番目の電離層(以下、電離層i)に面する小電極401から得られた積算電荷をQs(i)、大電極402から得られた積算電荷をQl(i)とする。
また、ダミー吸収体208を設置した計測(第2の計測)において、電離層iに面する小電極401から得られた積算電荷をqs(i)、大電極402から得られた積算電荷をql(i)とする。主制御装置206により、これらの値は線量モニタ112から得られた、第一の計測結果および第二の計測結果を取得する間に出射された出射線量の積算値で規格化されている。各層の間に計測結果のバラつきがない理想的な放射線計測装置101を仮定すると、これらの積算電荷は以下の式(1),式(2)を満たす。
Qs(i+1) = qs(i) … (1)
Ql(i+1) = ql(i) … (2)

従って、電離層iに面する小電極401から得られた積算電荷に対する較正係数をCs(i)、大電極402から得られた積算電荷に対する較正係数をCl(i)とすると、本実施例の放射線計測装置101で得られた積算電荷は以下の式(3),式(4)を満たす。

Cs(i+1)×Qs(i+1) = Cs(i)×qs(i) … (3)
Cl(i+1)×Ql(i+1) = Cl(i)×ql(i) … (4)

これらの式を変形すると、Cs(i+1)、Cl(i+1)は以下の式(5),式(6)で示される。

Cs(i+1) = Cs(i)×qs(i)/Qs(i+1) … (5)
Cl(i+1) = Cl(i)×ql(i)/Ql(i+1) … (6)

さらに、Cs(1)=Cl(1)=1としてこの漸化式(5)、(6)を解くと、以下の式(7),(8)が得られる。
Cs(i) = qs(i-1)×qs(i)×…×qs(2)×qs(1)
/( Qs(i)×Qs(i-1)×…×Qs(3)×Qs(2)) (i>1) … (7)
Cl(i) = ql(i-1)×ql(i)×…×ql(2)×ql(1)
/( Ql(i)×Ql(i-1)×…×Ql(3)×Ql(2)) (i>1) … (8)

最後に、式(7)と式(8)をそれぞれi=1からi=Nまでの平均値Csa、Claで規格化すると、真の較正係数Cs’(i)、Cl’(i)が式(9),式(10)として得られる。ここで、平均値Csa、Claは以下の式(11),式(12)で示される。
Cs'(i)=Cs(i)/Csa …(9)
Cl'(i)=Cl(i)/Cla …(10)

Csa = ΣCs(i)/N … (11)
Cla = ΣCl(i)/N … (12)

ここで、Nは電離層の総数を示し、図6の例では6である。Cs(1)=Cl(1)=1と仮定しているため、式(7)と式(8)との比は正確ではない。しかしながら、較正係数は電離層の厚みのバラつきと信号処理装置のゲインのばらつきに比例するため、各層の小電極401と大電極402が電離層を共有しており、かつ同じ信号処理装置205に接続しているのであれば、Cs(i)とCl(i)の平均値は一致すると考えられる。従って、平均値での規格化により正しい較正係数が得られる。修得した較正係数は、主制御装置206に記録される。
本実施例ではダミー吸収体208として予備の高電圧印加用プリント基板302を用いたが、放射線に対するダミー吸収体208の水等価厚が各センサーの平均の水等価厚4.0mmとほぼ一致していれば、どのようなダミー吸収体208であっても本実施例と同様の効果が得られる。従って、ダミー吸収体208はセンサー部203を構成するセンサーそのもので置き換えられる。例えば、センサー部203を積層した半導体検出器によって構成した放射線計測装置101があったとする。その場合、予備などの目的でセンサー部203に使用していない半導体検出器をダミー吸収体208として使用しても、本実施例と同様の効果が得られる。半導体検出器を電離箱、シンチレーションカウンタに置き換えた場合にも同様の効果が得られる。
なお、以上の説明では、ダミー吸収体208は、ダミー吸収体駆動制御装置209により駆動するものとしているが、レンジシフタ駆動制御装置202により駆動することもできる。そうすることで、ダミー吸収体駆動制御装置209を別途備える必要がなくなり、較正に必要な機器を減らしながらも、先に説明した実施形態と同様の効果を奏することができる
また、ダミー吸収体208と等価のはたらきを、レンジシフタ201により実現することもできる。例えば、ダミー吸収体208として、水等加厚が4.0mmのものが必要な場合、水等加厚0.8mmと水等加厚3.2mmのエネルギー吸収体201Aをビーム中に挿入することでダミー吸収体208を挿入したと等価の効果が得られる。レンジシフタはエネルギー吸収体201Aの組み合わせによって複数の水等価厚を作ることができるため、水等価厚が本実施形態と異なるセンサーを積層した放射線計測装置であっても、ダミー吸収体208を専用に用意することなく、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第一の計測と第二の計測とを逆の順序で実施してもよい。そのときには、まずダミー吸収体208を設置した状態で、陽子線の照射を実施して放射線計測装置101を用いて計測を行い第一の計測結果を取得する。次に、ダミー吸収体208を陽子線の照射軸上から除外し、主制御装置206は、カウチ駆動制御装置116に制御信号を送り、カウチ駆動制御装置116は患者カウチ114を用いて、一つのセンサーの平均の厚さl1(ここでは4.0mm)だけビーム進行方向と反対側(陽子線照射装置102側)にセンサー部203を移動させる。この移動を終えた後に、先の照射と同条件で陽子線照射を実施して計測を行い第二の結果を取得する。得られた結果について式1から式12の計算を行うことで較正係数を得ることが可能である。
図7は、本発明の一実施形態による粒子線治療装置に用いる放射線計測装置101の較正結果の説明図である。これを用いて本実施形態による粒子線治療装置に用いる放射線計測装置101の較正結果について説明する。
図7は、エネルギー200MeVの陽子ビームが深さ方向に形成する線エネルギー付与の分布(ブラッグカーブ)について、図2に示す放射線計測装置101を用いて計測した結果を示している。
図7の横軸は水面からの深さ、縦軸は線エネルギー付与の相対値を示す。比較のため、較正しなかった場合の結果も示す。白丸が較正前であり、黒丸が較正後である。
本実施形態によりセンサー毎の計測値のバラつきが較正され、滑らかな分布が得られている。
このように、本実施形態によれば、放射線の進行方向に2つ以上のセンサーを積層した放射線計測装置において、水ファントム計測装置を用いることなく、短時間且つ容易にセンサー毎の出力のバラつきを較正できる。操作者の負担を軽減し、粒子線治療装置の調整や品質保証に要する時間を短縮できる。
次に、本実施例の放射線計測装置101を用いて陽子線のブラッグカーブを計測する手順を説明する。まず、陽子線照射装置102の照射室において、放射線計測装置101を患者カウチ114上に固定する。次に、患者カウチ114を可動させ、患者位置決め用レーザーマーカを基準として放射線計測装置101の位置決めを行う。本実施例では、ビーム軸がセンサー部203各層の小電極401の中心を通過するように位置決めする。位置決め完了後、操作者は主制御装置206を通してレンジシフタ駆動制御装置202,高電圧電源204,信号処理装置205の電源を投入する。レンジシフタ201の全てのエネルギー吸収体201Aはビーム通過位置から外れた状態で待機する。
次に、操作者は主制御装置206に所望の計測間隔を設定する。本実施例では、ビームの入射エネルギーが高い条件、すなわち太いブラッグピークが得られる場合でのブラッグカーブ計測を想定して計測間隔を比較的広めの1.0mmに設定する。さらに、操作者は主制御装置206から陽子線照射装置102の照射条件(ビームエネルギー,照射スポット位置,照射スポット数等)を設定し、ビーム照射開始を指示する。信号処理装置205は電荷の積算を開始し、操作者が主制御装置206に設定した条件に従って放射線計測装置101にビームが照射される。ブラッグカーブ計測ではビーム軸上のスポットに対してビームを照射するため、照射野形成装置110に備わる走査電磁石は励磁されない。
ビームの照射が完了し、計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、センサー部203各層の大電極と小電極から得られた電離電荷の積算値を数値化し、主制御装置206に送信する。また、線量モニタ112から得られた電離電荷の積算値も数値化し、主制御装置206に送信する。主制御装置206は送信された積算値を記録する。さらに、主制御装置206は線量モニタ112から得られた積算値でセンサー部203から得られた積算値を規格化し、同様に記録する。記録完了後、信号処理装置205は自身に記録された全ての積算値をリセットする。
次に、主制御装置206は、レンジシフタ駆動制御装置202にエネルギー吸収体201Aの挿入を指示する。本実施例では、まず水等価厚0.2mmと0.8mmのエネルギー吸収体201Aを挿入する。エネルギー吸収体201Aの挿入が完了すると、最初に操作者が設定した条件で、主制御装置206は陽子線照射装置102にビーム照射を再度指示する。信号処理装置205は電荷の積算を開始し、放射線計測装置101にビームが照射される。ビーム照射が完了し、計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、センサー部203各層の大電極と小電極から得られた電離電荷の積算値を数値化し、主制御装置206に送信する。また、線量モニタ112から得られた電離電荷の積算値も数値化し、主制御装置206に送信する。主制御装置206は送信された積算値を記録する。さらに、主制御装置206は線量モニタ112から得られた積算値でセンサー部203から得られた積算値を規格化し、同様に記録する。記録完了後、信号処理装置205は自身に記録された全ての積算値をリセットする。
さらに、主制御装置206はレンジシフタ駆動制御装置202に水等価厚0.4mmと1.6mmのエネルギー吸収体201Aの挿入を指示する。水等価厚0.2mmと0.8mmのエネルギー吸収体201Aはビーム通過位置から排出される。エネルギー吸収体201Aの挿入・排出が完了すると、最初に操作者が設定した条件で、主制御装置206は陽子線照射装置102にビーム照射を再度指示する。計測間隔1.0mmでブラッグカーブを計測するため、ビーム軸上に挿入したエネルギー吸収体201Aの合計の水等価厚が0.0mm(ビーム通過位置からエネルギー吸収体201Aを全て外した状態),1.0mm,2.0mm,3.0mmとなるように計測を繰り返す。このようにレンジシフタを動作させると、操作者は、4mm間隔でセンサーを有する本実施例の放射線計測装置101を用いて、ブラッグカーブを1mm刻みで計測することができる。
挿入したエネルギー吸収体201Aの水等価厚がrのとき、電離層iに面する小電極401から得られた積算電荷をQs(i,r)、大電極402から得られた積算電荷をQl(i,r)とする。これらの値は主制御装置206により線量モニタ112から得られた積算値で規格化されている。また、主制御装置206は、記録された較正係数Cs’(i)、Cl’(i)に基づいてこれらの値を較正している。全ての計測が完了すると、主制御装置206はQs(i,r)とQl(i,r)を加算してQ(i,r)を得る。即ち、Q(i,r)=Qs(i,r)+Ql(i,r)である。電荷収集用プリント基板301,高電圧印加用プリント基板302及び電離層の水等価厚は操作者によって事前に計測され、主制御装置206に登録されており、この情報に基づいて主制御装置206はQ(i,r)をQ(x)に変換する。xは水面からの深さである。さらに、主制御装置206は換算係数を乗じてQ(x)を水中線量D(x)に換算する。換算係数は操作者によって主制御装置206に事前に登録される。
小電極401と大電極402が構成する電極は、横方向へ2次元ガウス分布状に広がったスキャニング照射法のビームをほぼ全て捕獲する。従って、小電極401と大電極402に接する電離層へ入射するビームの粒子数nは水面からの深さxに依らず一定と見なせる。D(x)=LET(x)×n/S/ρに基づいて、主制御装置206はD(x)をLET(x)へ変換する。Sは小電極401と大電極402が構成する電極の面積である。主制御装置206は、xについてのLET(x)の分布、即ちブラッグカーブをディスプレイ(図示せず)に表示する。ディスプレイに表示されたブラッグカーブを確認・分析し、操作者は陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価する。nの値は操作者が加速器の蓄積電荷から概算し、主制御装置206に記録、登録する。未登録の場合はLET(x)の相対的な分布がディスプレイに表示される。
また、本実施例の放射線計測装置101を用いれば、体積照射時の深部線量分布を計測できる。体積照射とは、前述のスキャニング照射法の手順に従い、被照射体の任意の領域(患部、標的と呼ばれる)に一様な線量分布を形成することである。
体積照射をする場合、1つめのスポットに既定線量が付与されると、陽子線照射装置102はビームの照射を停止し、次の既定スポットに向けてビームを走査する。ビームを横方向に走査する場合には、照射野形成装置110に備わる走査電磁石を用いる。ある深さについてすべてのスポットに既定線量が付与されると、ビームを深さ方向に走査する。シンクロトロン108もしくは照射野形成装置110等に搭載したレンジシフタ(図示せず)によりビームのエネルギーを変更することで、深さ方向へのビーム走査は実現される。最終的に全てのスポットに一様な線量が付与される。
本実施例の放射線計測装置101を用いて体積照射時の深部線量分布を計測する場合、計測間隔の設定等の作業と、設定した間隔ごとの計測作業はブラッグカーブ計測時と同様である。ただし体積照射の線量計測では、小電極の出力Qsのみを出力する点が、ブラッグカーブ計測時と異なる。
放射線計測装置101に備わるレンジシフタを操作して、挿入したエネルギー吸収体201Aの水等価厚がrのとき、電離層iに面する小電極401から得られた積算電荷をQs(i,r)とする。これらの値は主制御装置206により線量モニタから得られた積算値で規格化されている。また、主制御装置206は記録された較正係数Cs’(i)に基づいてこれらの値を較正している。全ての計測が完了すると、主制御装置206はQs(i,r)をQs(x)に変換する。xは水面からの深さである。電荷収集用プリント基板301,高電圧印加用プリント基板302及び電離層の水等価厚は操作者によって事前に計測され、主制御装置206に登録されており、主制御装置206はこの情報に基づいてQs(i,r)をQs(x)に変換する。さらに、主制御装置206は換算係数を乗じてQs(x)を水中線量D(x)に換算し、xについてディスプレイへ表示する。換算係数は操作者によって主制御装置206に事前に登録される。小電極401の面積が横方向の照射範囲と比べて十分小さければ、計測で得られた線量は放射線計測装置101中における小電極401中心の局所的な線量と等価である。ディスプレイ208に深部線量分布を出力することができ、操作者はその結果を確認・分析して、陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価できる。
また、本実施の放射線計測装置101は、散乱体照射法を用いた陽子線照射装置の深部線量分布も計測できる。即ち、散乱体照射法に用いた陽子線照射装置の調整及び性能評価にも本実施例の放射線計測装置101を使用できる。
散乱体照射法の代表的例であるウォブラー照射法を以下に説明する。ウォブラー照射法を用いた陽子線照射装置はスキャニング照射法を用いた陽子線照射装置102とほぼ同じ構造であるので、図1を用いて説明する。ウォブラー照射法では照射野形成装置110の内部のビーム通過位置に散乱体,コリメータ,ボーラス,拡大ブラッグピーク形成フィルタ(図示せず)が追加される。
ウォブラー照射法では、散乱体を通過して拡散したビームを円形に走査し、横方向に均一な線量分布を形成する。ビームを横方向に円形に走査するため、走査電磁石電源(図示せず)は周期的に正負が反転し、走査電磁石毎に位相が90度ずれ、最大電流値の等しい交流電流を走査電磁石に供給する。最大電流値はビーム走査経路の半径を決める。操作者が主制御装置206に入力した患部の大きさとビームの入射エネルギーから、走査電磁石電源は供給する最大電流値を決定する。また、照射野形成装置110は散乱体の厚みを決定する。コリメータは患部形状に合わせて適切な形に変形し、患部領域外での被曝を低減する。この結果、設定された患部領域において照射線量が集中し、横方向に可能な限り均一な線量分布を形成する。横方向に均一な線量分布を形成する手段としては、2重散乱体法も有効である。2重散乱体法は走査電磁石の替わりに2重類の散乱体をビーム通過位置に配置する。
散乱体照射法では、拡大ブラッグピーク形成フィルタを用いて深さ方向に均一な線量分布を形成する。操作者が主制御装置206に入力した患部の深さに合わせて陽子線照射装置102はビームエネルギーを調整し、ビームの到達深度を患部領域と一致させる。ビームのエネルギーはシンクロトロン108もしくは照射野形成装置110等に搭載したレンジシフタ(図示せず)で変更される。また、照射野形成装置110は深さ方向への患部領域の幅とビームのエネルギーに適した拡大ブラッグピーク形成フィルタ(以下、SOBP(Spread Out Bragg Peak)フィルタと略す)をビーム通過位置に配置する。
SOBPフィルタの機能を説明する。SOBPフィルタはビームが通過する面に厚みの異なる階段状の構造を持つ。ビームがSOBPフィルタの各段を適切な配分で通過することで単一エネルギーのビームに適切な配分のエネルギー分布を与え、単一エネルギーの粒子線が深さ方向に形成するブラッグピークを患部形状に合わせて拡大する。SOBPフィルタには、リッジフィルタや飛程変調ホイールがある。
また、散乱体照射法では、操作者は患部形状に適した形状のボーラスを照射野形成装置110に設置する。ボーラスは患部形状に合わせて横方向の位置毎にビームの到達深度を調整する。
上記ウォブラー照射法に代表される散乱体照射法においても、前述した体積照射時の線量分布を計測するときと同様に放射線計測装置101を利用することによって、ディスプレイ208に深部線量分布出力でき、操作者は陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、放射線の進行方向に2つ以上のセンサーを積層した放射線計測装置において、水ファントム計測装置を用いることなく、短時間且つ容易にセンサー毎の出力のバラつきを較正できる。操作者の負担を軽減し、粒子線治療装置の調整や品質保証に要する時間を短縮できる。
101…放射線計測装置
102…陽子線照射装置
103…陽子線発生装置
104…陽子線輸送装置
105…回転式照射装置
106…イオン源
107…前段加速器
108…シンクロトロン
109…出射デフレクタ
110…照射野形成装置
112…線量モニタ
114…患者カウチ
116…患者カウチ駆動制御装置(センサー部駆動制御装置)
201…レンジシフタ
201A…エネルギー吸収体
202…レンジシフタ駆動制御装置
203…センサー部
204…高電圧電源
205…信号処理装置
206…主制御装置
208…ダミー吸収体
209…ダミー吸収体駆動制御装置
301…電荷収集用プリント基板
302…高電圧印加用プリント基板
303…スペーサ
304…ボルト
401…小電極(第1電極)
402…大電極(第2電極)
403…ガード電極(第3電極)
404,405,406,503,504…導線
501,603…高電圧印加電極
502…ガード電極
601…固定治具

Claims (11)

  1. 放射線センサーを積層したセンサー部を有する放射線計測装置であって、
    前記積層された放射線センサーの平均水等価厚と等しい水等価厚を有するダミー吸収体と、
    前記センサー部の計測方向の前方かつ放射線の通過線上となる位置に前記ダミー吸収体を設置するダミー吸収体駆動制御部と、
    前記センサー部を前記積層された放射線センサーの平均厚と等しい距離を前記放射線の通過線上において移動させるセンサー部駆動制御装置と、
    前記ダミー吸収体が前記位置に設置されるときの前記放射線計測装置の計測結果と、前記ダミー吸収体が前記位置に設置されないときの前記放射線計測装置の計測結果と、前記それぞれの計測結果を取得する間に出射された前記放射線の出射線量の積算値とに基づき前記各放射線センサーの較正係数を算出する信号処理装置と、を備えることを特徴とする放射線計測装置。
  2. 前記ダミー吸収体が前記位置に設置されたときの前記放射線計測装置の計測結果が、前記ダミー吸収体が前記位置に設置されないときの前記放射線計測装置の計測結果よりも先に取得される場合、
    前記センサー部駆動制御装置は、前記センサー部を前記放射線の通過線上において前記放射線の進行方向と反対の方向に向かって前記移動をさせることを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  3. 前記ダミー吸収体が前記位置に設置されないときの前記放射線計測装置の計測結果が、前記ダミー吸収体が前記位置に設置されるときの前記放射線計測装置の計測結果よりも先に取得される場合、
    前記センサー部駆動制御装置は、前記センサー部を前記通過線上において前記放射線の進行方向に向かって前記移動をさせることを特徴とする請求項1に記載の放射線計測装置。
  4. 前記ダミー吸収体は前記放射線センサーと同部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射線計測装置。
  5. 前記ダミー吸収体を前記位置に固定するための固定治具を備え、
    前記固定治具は前記放射線計測装置に据付けられることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の放射線計測装置。
  6. 前記放射線計測装置は、レンジシフタと、
    前記レンジシフタを駆動させるレンジシフタ駆動制御装置とを備え、
    前記ダミー吸収体駆動制御部は、前記レンジシフタ駆動制御装置であって、
    前記ダミー吸収体は、前記レンジシフタ駆動制御装置が前記ダミー吸収体と等しい水等価厚となるように前記レンジシフタを駆動させて実現されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線計測装置。
  7. 前記放射線計測装置は、レンジシフタと、
    前記レンジシフタを駆動するレンジシフタ駆動制御装置とを備え、
    前記ダミー吸収体駆動制御部は、前記レンジシフタ駆動制御装置であって、
    前記レンジシフタ駆動制御装置が、前記ダミー吸収体の駆動をも制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線計測装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射線計測装置を有する粒子線治療装置において、
    前記出射線量の積算値は、前記粒子線治療装置の粒子線照射装置に備えられた線量モニタによって取得されることを特徴とする粒子線治療装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の放射線計測装置を有する粒子線治療装置において、
    前記粒子線治療装置は、カウチと、
    前記カウチを駆動するカウチ駆動制御装置とを備え、
    前記センサー部の駆動制御装置は、前記カウチ駆動制御装置であることを特徴とする粒子線治療装置。
  10. 放射線センサーを積層したセンサー部を有する放射線計測装置の較正方法であって、
    前記センサー部を通過する放射線を計測して第一の計測結果を取得し、
    前記積層された放射線センサーの平均水等価厚と等しい水等価厚を有するダミー吸収体を、前記センサー部の計測方向の前方かつ前記放射線の通過線上に設置し、
    前記センサー部を前記放射線の通過線上において前記放射線の進行方向に向かい前記積層された放射線センサーの平均厚と等しい距離を移動させ、
    前記吸収体を通過した後に前記センサー部を通過する前記放射線を計測して第二の計測結果を取得し、
    前記第一の計測結果と、前記第二の計測結果と、前記第一の計測結果および前記第二の計測結果を取得する間に出射された前記放射線の出射線量の積算値とに基づき前記各放射線センサーの較正係数を算出することを特徴とする較正方法。
  11. 放射線センサーを積層したセンサー部を有する放射線計測装置の較正方法であって、
    前記複数の放射線センサーの平均水等価厚と等しい水等価厚を有するダミー吸収体を、前記センサー部の計測方向の前方かつ放射線の通過線上に設置し、
    前記吸収体を通過した後に前記センサー部を通過する前記放射線を計測して第一の計測結果を取得し、
    前記ダミー吸収体を前記放射線の通過線上より取り除き、
    前記センサー部を前記放射線の通過線上において前記放射線の進行方向と反対の向きに前記積層された放射線センサーの平均厚と等しい距離を移動させ、
    前記センサー部を通過する放射線を計測して第二の計測結果を取得し、
    前記第一の計測結果と、前記第二の計測結果と、前記第一の計測結果および前記第二の計測結果を取得する間に出射された前記放射線の出射線量の積算値とに基づき前記各放射線センサーの較正係数を算出することを特徴とする較正方法。
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