JP2012002526A - 放射線計測器 - Google Patents

放射線計測器 Download PDF

Info

Publication number
JP2012002526A
JP2012002526A JP2010134959A JP2010134959A JP2012002526A JP 2012002526 A JP2012002526 A JP 2012002526A JP 2010134959 A JP2010134959 A JP 2010134959A JP 2010134959 A JP2010134959 A JP 2010134959A JP 2012002526 A JP2012002526 A JP 2012002526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measuring instrument
sensor
radiation measuring
radiation
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010134959A
Other languages
English (en)
Inventor
Taisuke Takayanagi
泰介 高柳
Hideaki Nihongi
英明 二本木
Yusuke Fujii
祐介 藤井
Rintaro Fujimoto
林太郎 藤本
Yoshihiko Nagamine
嘉彦 長峯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2010134959A priority Critical patent/JP2012002526A/ja
Publication of JP2012002526A publication Critical patent/JP2012002526A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】諸要因により製作した計測器の放射線阻止能が必ずしも水と一致しない場合でも、製作後において、放射線阻止能を水と一致するよう調整できる放射線計測器を提供する。
【解決手段】ヒンジ部材駆動機構900がスペーサ303のヒンジ部材310を駆動すると、ヒンジ部材310は長穴603に沿って摺動する。このとき、全てのヒンジ部材310は常にZ方向の同じ位置に維持され、全てのスペーサ303は同じ角度だけ開かれるため、基板A301と基板B302との深部方向の間隔(電離層の厚み)は、等間隔を維持する。これにより、電離箱(センサー)1層の照射方向寸法を調整する。放射線計測器(積層電離箱)101は電離箱が隙間なく積層されたものであり、電離箱の寸法が放射線計測器101の計測間隔となる。このように放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
【選択図】図10

Description

本発明は放射線の照射方向(深部方向)に多数の線量計を積層した放射線計測器に関する。
放射線治療は、放射線を腫瘍部位に照射して腫瘍細胞のDNAを損傷することにより治療を行うものである。患者への照射の前に、放射線照射装置が所定の照射方向の線量分布を形成できるかを確認する。
従来技術として、線量分布の計測手段として、内部に小型の線量計を備えた水ファントム(水ファントム計測器)がある。本来の照射対象が人体のため、被照射体として人体の主な構成である水を用いる。水ファントム計測器は線量計を走査して1点ずつ水中の線量分布を計測する。線量に対する計測値の線形性を考慮して、線量計には主に電離箱や半導体検出器を用いる。
水ファントム計測器は線量計の走査に伴う計測作業の長時間化という課題があった。この課題に対し、非特許文献1には深部方向に多数の電離箱を積層した放射線計測器(積層電離箱)が開示されている。非特許文献1に係る積層電離箱は、多点同時計測により、水ファントム計測器と比較して深部方向の線量分布の計測時間を短縮できる。
ところで、積層電離箱で得られた計測結果は最終的に水中の線量分布に変換する。照射装置から発生するビームはコーンビームであり、線源の位置、即ち円錐の頂点から離れるほど単位面積当たりの通過粒子数(フルエンス)は低下する。ある計測点について計測器表面からの深さと水等価に換算した深さが異なる場合、フルエンスの差を考慮した補正が必要である。水等価に換算した深さとは、計測器を水で置き換えた場合に放射線に対して等しいエネルギー損失を与える(光子線の場合、等しい減衰率となる)深さである。
フルエンス補正をする際、誤差が生じる可能性がある。これをなくすためには、フルエンス補正自体を不要とするのがよい。すなわち、実際の計測深さと水等価に換算した深さが一致すれば、フルエンス補正は不要となる。例えば、非特許文献1に係る積層電離箱は、電離箱を構成するプリント基板と電離層の厚みを調整し、深部方向の放射線阻止能を水(水の放射線阻止能)と一致させている。
M.Shimbo, et al. Development of Multi-layer Ion Chamber for Measurement of Depth Dose Distributions of Heavy-ion Therapeutic Beam for Individual Patients Nihon Igaku Hoshasen Gakkai zasshi. Nippon acta radiologica 60 issue.5 274-279 (2000)
上述のとおり、積層電離箱の放射線阻止能を水と一致させることが好ましい。このためには、計算機シミュレーション等を用いて基板と電離層の放射線阻止能を計算し、計算結果を参考にそれぞれの厚みを適切に選択しなくてはならない。ところが、基板の組成を厳密に把握できない事、計算誤差及び製作誤差など諸要因により、製作した計測器の放射線阻止能が必ずしも水と一致しない(実際の計測深さと水等価に換算した深さが一致しない)可能性がある。このような場合、計測器の作り直しを要する。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製作後においても放射線阻止能を水と一致するよう調整できる放射線計測器を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、放射線の照射方向の線量を計測する放射線計測器であって、照射方向に複数のセンサーが積層されて構成される計測手段と、前記計測手段の計測間隔を調整する計測間隔調整手段と、を備える。
放射線計測器はその放射線阻止能を水と一致させることが好ましい。言い換えると、実際の計測深さと水等価に換算した計測深さが一致することが好ましい。更に言い換えると、実際の計測間隔と水等価に換算した計測間隔が一致することが好ましい。しかし、諸要因により一致しない場合がある。一方、製作した放射線計測器の水等価に換算した計測間隔を調整することは難しい。
本発明においては、計測間隔調整手段が、計測手段の実際の計測間隔を調整することにより、実際の計測間隔と水等価に換算した計測間隔が一致する。これにより、製作後においても放射線阻止能を水と一致するよう調整できる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記計測間隔調整手段は、センサー内部の照射方向寸法を調整する。
センサーが隙間なく積層されている場合、センサーの照射方向寸法が計測間隔となる。センサーの照射方向寸法を調整することにより、計測手段の実際の計測間隔を調整することができる。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記センサーは、第1センサー部材と第2センサー部材を有し、前記計測間隔調整手段は、2つの板部と、この2つの板部を回動可能に連結するヒンジとを有し、一の板部の端部は前記第1センサー部材端部と回動可能に接続し、他の板部の端部は前記第2センサー部材端部と回動可能に接続し、2つの板部の開閉により前記第1センサー部材と前記第2センサー部材との間隔を調整するように構成された、少なくとも1つの蝶番部材と、前記ヒンジを照射方向と直角方向に駆動するヒンジ駆動手段と、を有する。
ヒンジ駆動手段がヒンジを駆動することにより、蝶番部材は開閉し、第1センサー部材と第2センサー部材との間隔を調整する。これにより、センサーの照射方向寸法を調整することができる。
(4)上記(2)において、好ましくは、前記センサーは、第1センサー部材と第2センサー部材を有し、前記計測間隔調整手段は、前記第1センサー部材と前記第2センサー部材との間に介挿される弾性部材と、前記弾性部材を押圧する押圧手段と、を有する。
押圧手段が弾性部材を伸縮することにより、弾性部材は第1センサー部材と第2センサー部材との間隔を調整する。これにより、センサーの照射方向寸法を調整することができる。
(5)上記(2)において、好ましくは、前記センサーは、電離箱である。
(6)上記(1)において、好ましくは、前記計測間隔調整手段は、センサー間隔を調整する。
センサーが隙間を有し積層されている場合、センサー間隔が計測間隔となる。センサー間隔を調整することにより、計測手段の実際の計測間隔を調整することができる。
(7)上記(6)において、好ましくは、前記計測間隔調整手段は、2つの板部と、この2つの板部を回動可能に連結するヒンジとを有し、一の板部の端部は一のセンサーと回動可能に接続し、他の板部の端部はこのセンサーの隣のセンサーと回動可能に接続し、2つの板部の開閉により前記センサー間隔を調整するように構成された、少なくとも1つの蝶番部材と、前記ヒンジを照射方向と直角方向に駆動するヒンジ駆動手段と、を有する。
ヒンジ駆動手段がヒンジを駆動することにより、蝶番部材は開閉し、センサー間隔を調整することができる。
(8)上記(6)において、好ましくは、前記計測間隔調整手段は、一のセンサーとこのセンサーの隣のセンサーとの間に介挿される弾性部材と、前記弾性部材を押圧する押圧手段と、を有する。
押圧手段が弾性部材を伸縮することにより、弾性部材はセンサー間隔を調整することができる。
(9)上記(6)において、好ましくは、前記センサーは、シンチレーションカウンタである。
(10)上記(6)において、好ましくは、前記センサーは、半導体検出器である。
本発明によれば、諸要因により製作した計測器の放射線阻止能が必ずしも水と一致しない場合でも、製作後において、放射線阻止能を水と一致するよう調整できる放射線計測器を提供することにある。
放射線照射装置の全体構成図である。 放射線計測器101の概略構成図である(第1実施形態)。 センサー部203の詳細構成図である。 基板A301の概略図である。 基板B302の概略図である。 スペーサ303の構造と機能を説明する図である。 ヒンジ部材駆動機構900の概略図である。 計測間隔を狭くするように調整するときの、筐体602外でのヒンジ部材駆動機構900の動作を示す図である。 計測間隔を狭くするように調整するときの、筐体602内でのスペーサ303の動作を示す図である。 計測間隔を広くするように調整するときの、筐体602外でのヒンジ部材駆動機構900の動作を示す図である。 計測間隔を広くするように調整するときの、筐体602内でのスペーサ303の動作を示す図である。 第1実施形態の効果を説明する図である。 計測間隔を狭くするように調整するときの、バネ320およびバネ押圧機構950の動作を示す図である(第2実施形態)。 計測間隔を広くするように調整するときの、バネ320およびバネ押圧機構950の動作を示す図である。 固定ボルト954の動作を示す図である。 センサー部203の概略構成図である(第3実施形態)。 センサー部203の概略構成図である(第4実施形態)。
<第1実施形態>
以下、本発明の放射線計測器の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
〜構成〜
図1は本実施形態に係る放射線計測器の計測対象である放射線を照射する放射線照射装置の全体構成図である。陽子線照射装置102は放射線照射装置の1種だが、その他の線種を用いた放射線照射装置でもよい。陽子線照射装置102の調整及び性能評価のため、放射線計測器101は陽子線照射装置102が形成する線量分布を深部方向について計測する。
陽子線照射装置102は陽子線発生装置103、陽子線輸送装置104及び回転式照射装置105を有する。なお、固定式の照射装置でもよい。
陽子線発生装置103はイオン源106,前段加速器107(例えば、直線加速器)及びシンクロトロン108から成る。シンクロトロン108はサイクロトロンや直線加速器で代用できる。イオン源106で発生した陽子イオンは前段加速器107で加速され、シンクロトロン108に入射する。シンクロトロン108中で所定のエネルギーまで加速した陽子線(ビーム)は出射デフレクタ109によって陽子線輸送装置104へ出射する。
陽子線輸送装置104を経て、ビームは回転式照射装置105に達する。回転式照射装置105は回転ガントリー(図示せず)及び照射野形成装置110を有する。照射野形成装置110は回転ガントリーと共に回転する。陽子線輸送装置104の一部は回転ガントリーに取り付けられている。照射野形成装置110からビームが患者に照射される。
なお、陽子線照射装置102の調整及び性能評価のため、患者への照射の前に放射線計測器101に照射する。放射線計測器101は陽子線照射装置102が形成する線量分布を深部方向について計測する(後述)。
照射野形成装置110によって実現されるスキャニング照射法及び散乱体照射法の概略を説明する。
スキャニング照射法では照射範囲を微少領域(スポット)に分割し、スポット毎にビームを照射する。スポットに既定線量が付与されると、照射を停止して次の既定スポットに向けてビームを走査する。照射スポットを深部方向と垂直な方向(横方向)に変更する場合は照射野形成装置110に搭載した2対の走査電磁石(図示せず)を用いてビームの照射位置を変更する。ある深さについてすべてのスポットに既定線量が付与されると、ビームのエネルギーを変更して深部方向に照射スポットを変更する。深い位置のスポットほど高エネルギーを要する。ビームエネルギーはシンクロトロン108もしくはビーム経路上に挿入したレンジシフタ(図示せず)で変更する。上記手順を繰り返して最終的に全てのスポットに一様な線量が付与される。走査電磁石を励磁しない状態でビームが通過する直線をビーム軸と呼ぶ。また、回転式照射装置105の回転軸とビーム軸との交点をアイソセンタと呼ぶ。
散乱体照射法の概要をウォブラー法を例として説明する。ウォブラー法ではガウス分布状に広がったビームを円形走査し、横方向に均一な線量分布を形成する。照射野形成装置110は走査電磁石、散乱体、コリメータ、ボーラス、拡大ブラッグピーク形成フィルタを有する。走査電磁石の電源は90度位相のずれた最大値の等しい交流電流を供給する。最大電流値はビームの走査範囲を決める。ビームの分散を調整するため、ビームエネルギーと走査範囲に応じて適切な厚みの散乱体を挿入する。患部形状に合わせてコリメータを変形し、患部領域外への被曝を防ぐ。横方向に均一な線量分布を形成する手段としては二重散乱体法も有効である。
深部方向については、患部の最も深い領域にビームが到達するよう、適切なビームエネルギーを選択する。また、患部の大きさに応じて適切な拡大ブラッグピーク形成フィルタ(以下、SOBP(Spread Out Bragg Peak)フィルタと略す)を配置する。SOBPフィルタは場所毎に異なる厚みを持ち、通過位置によってビームは様々なエネルギー損失を受ける。シンクロトロン108から出射したモノエネルギーのビームは飛程終端に鋭いピーク(ブラッグピーク)を持った深部線量分布を形成するが、SOBPフィルタはビームのエネルギー分布を変調し、患部形状に合わせてブラッグピークを拡大する。飛程変調ホイールを用いた場合にもSOBPフィルタと同様の効果が得られる。飛程変調ホイールはビーム通過位置の厚みを時間変化させてエネルギー分布を変調する。ボーラスは患部形状に沿ってビーム飛程を調整する。以上の手順及び機器により、設定された患部領域に照射線量が集中し、均一な線量分布を形成する。
図2は放射線計測器101の概略構成図である。上述したように、陽子線照射装置102の調整及び性能評価のため、患者への照射の前に放射線計測器101に照射する。放射線計測器101は陽子線照射装置102が形成する線量分布を深部方向について計測する。
放射線計測器101はレンジシフタ201とレンジシフタ駆動制御機構202とセンサー部203と高電圧電源204と信号処理装置205と主制御装置206を有する。
レンジシフタ201は深部方向に対してセンサー部203よりも上流側に配置され、陽子線照射装置102の調整及び性能評価項目に応じて放射線計測器101の計測位置を深部方向に変更する。レンジシフタ201は厚さが異なる複数のエネルギー吸収体207、例えば厚み0.1mm,0.2mm,0.4mm,0.8mm,1.6mm,3.2mm,6.4mmの7つのエネルギー吸収体207を有する。1つ又は複数のエネルギー吸収体207をビーム通過位置に配置してエネルギーを減衰させ、放射線計測器101の計測位置を深部方向に変更する。計測位置を0.3mm変更する場合、0.1mmのエネルギー吸収体と0.2mmのエネルギー吸収体とを組み合わせて配置する。計測位置を2.0mm変更する場合、0.4mmのエネルギー吸収体と1.6mmのエネルギー吸収体とを組み合わせて配置する。このように、0.1mm間隔で深部方向に0.1mm〜12.7mmの変更範囲で計測位置を変更できる。
エネルギー吸収体207の素材と厚みは陽子線照射装置102の調整及び性能評価項目に応じて任意である。本実施形態ではABS(Acrylonitrile butadiene styrene:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を使用する。また、水に対するABSの放射線阻止能比は1.0とする(ABSの放射線阻止能と水の放射線阻止能とが一致する)。
レンジシフタ駆動制御装置202は、深部方向についてセンサー部203上流に所望の厚みのエネルギー吸収体207が配置されるようにレンジシフタ201を駆動・制御する。
センサー部203は、深部方向に対してレンジシフタ201の下流側に配置され、複数のセンサーが等間隔に積層されて構成される。各センサー位置からレンジシフタ201により変更した位置が計測位置となる。以下、説明の便宜の為、本実施形態においてレンジシフタ201による変更はないものとする。
高電圧電源204、信号処理装置205、主制御装置206については後述する。
図3はセンサー部203の詳細構成図である。センサー部203は電荷収集用プリント基板(以下、基板A)301と高電圧印加用プリント基板(以下、基板B)302を深部方向へ交互に積層した構造であり、電離箱の原理でビームの線量を計測する。基板A301と基板B302は深部方向と直交する両面に電極を蒸着したガラスエポキシ板である。電極はニッケルと金でメッキした銅箔である。絶縁体であれば基板はガラスエポキシに限らない。また、導体であれば電極は銅に限らない。
基板A301,基板B302は、四隅にそれぞれボルト穴304を設けており、それぞれのボルト穴304には、長ボルト305が深部方向に貫通している。これにより、基板A301,基板B302は、長ボルト305上に摺動可能に支持されるとともに、深部方向以外への動きを拘束される。
図4は、基板A301の概略図である。基板A301の電極は3つの領域へ電気的に分割される。本実施形態では中心領域を小電極401、小電極401を取り囲む領域を大電極402、最も外側の領域をガード電極403と呼ぶ。各領域は導線404、405、406とそれぞれ独立に接続する。導線404、405は基板の内層を通って小電極401、大電極402に接続する。導線404、405のもう一端は信号処理装置205(図2参照)に接続する。信号処理装置205は既定時間中に入力した電荷を積算し、積算値を主制御装置206(図2参照)に送信する。ガード電極403に接続する導線406の一端は接地する。ガード電極403は基板B302から小電極401及び大電極402へのリーク電流を防止する。基板A301の電極は両面対称構造であり、表面と同様に裏面に面した電離層からも電荷を収集する。小電極401と大電極402が構成する電極は散乱とドリフトによって横方向に広がったビームをほぼ全て捕獲できる面積及び形状を備える。本実施形態では基板A301の電極を二重同心円状に分割したが、任意の形状、数への分割及び分割無しの場合でも本実施形態と同様の効果が得られる。
図5は、基板B302の概略図である。基板B302の電極は2つの領域へ電気的に分割される。本実施形態では中心領域を高電圧印加電極501、外側をガード電極502と呼ぶ。各領域は導線503、504とそれぞれ独立に接続する。高電圧印加電極501と接続する導線503の一端は高電圧電源204(図2参照)に接続し、高電圧印加電極501に高電圧(絶対値数千V以下)を印加する。ガード電極502と接続する導線504の一端は接地する。ガード電極502は基板B302から基板A301の小電極401及び大電極402へのリーク電流を防止する。基板B302の電極は両面対称構造であり、表面と同様に裏面の高電圧印加電極にも高電圧が印加される。
図3において、ヒンジ部材310を持つ蝶番形状のスペーサ303は、基板A301と基板B302の間に電離層(=放射線有感領域)を形成する。電離層は電離ガスで満たされる。本実施形態では電離層を大気開放し、空気を電離ガスとする。電離層を密封しガスポンプを用いてアルゴン等の電離ガスを循環させる構成でも同様の効果が得られる。
基板B302に高電圧が印加されると、基板A301の小電極401及び大電極402はほぼ0Vのため、電離層には電場が生じる。この状態において、ビームが通過すると電離層内の電離ガスが電離され、基板A301を介して電荷が積算される。
本実施形態では基板A301、基板B302共に1枚当りの厚みを0.5mm、水等価に換算した厚み(以下、水等価厚)を1.0mm(阻止能比2.0=1.0mm/0.5mm)とする。基板A301、基板B302は両面対称構造であり、電離箱1層は、基板A301半分と電離層と基板B302半分とから構成される。電離層の水等価厚は実質的に0.0mmなので、電離箱1層あたりの水等価厚は1.0mmとなる。この電離箱が隙間なく積層されるので、放射線計測器101の深部線量分布の計測間隔は1.0mmである。
なお、上記説明は電離箱の概念を説明するための便宜上の説明であり、より詳細には、1層目の電離箱は、基板A301と、電極401,402と、電離層と、電極501とから構成され、2層目の電離箱は、電極501と、基板B302と、電離層と、電極401,402とから構成される。ただし、放射線計測器101の計測間隔が1.0mmである点には変わりない。
図6は、本実施形態の特徴的構成であるスペーサ303の構造と機能を説明する図である。スペーサ303は、板部311と板部312(図3参照)と、この2つの板部端部を回動可能に連結するヒンジ部材310とを有する蝶番部材である。板部311の一端部は基板A301の端部と回動可能に接続し、板部312の一端部は基板B302の端部と回動可能に接続している。スペーサ303は、板部311と板部312との開閉により基板A301と基板B302との間隔を調整する。
本実施形態において、説明の便宜のため、深部方向に直行する一方向をZ方向とし、図示(図3、図6)矢印の向きを上方向、矢尻側方向を下方向とする。
複数のスペーサ303が、積層された基盤A301と基板B302の間に連設される。本実施形態では上側と下側に複数のスペーサ303が連設されている。以下、上下対称の構成とし、下側の構成の符号を省略する。なお、上側または下側の一方のみでもよく、左右両側、左右片側のみでもよい。
センサー部203(図3参照)は、深部方向に積層された基板A301、基板B302の左右両側に筐体602を有している。筐体602は複数の長穴603を設けている。長穴603は、Z方向の任意の位置において、長穴603同士の間隔が全て等しくなるように設計されている。
スペーサ303のヒンジ部材310は、長穴603を貫通し、長穴603に沿って摺動可能に軸支されている。ヒンジ部材310は、筐体602の外側において貫通孔313を設けている。それぞれの貫通孔313には、貫通ロット部材901(図7)が貫通している。
図7は、ヒンジ部材310を上下方向に駆動するヒンジ部材駆動機構900の概略図である。ヒンジ部材駆動機構900は、貫通ロット部材901と、ボールネジ機構902と、モータ903と、ヒンジ部材駆動制御装置904とを有している。貫通ロット部材901は、貫通孔313を貫通することにより、全てのヒンジ部材310を連結し、常にZ方向の任意の同じ位置に維持する。ボールネジ機構902は、筐体602の深部方向両端部に設けられ、貫通ロット部材901の両端部を支持する。モータ903は、ボールネジ機構902を駆動することにより、貫通ロット部材901を介してヒンジ部材310を上下方向(深部方向と直角方向)に駆動する。これらの駆動制御を行うヒンジ部材駆動制御装置904は、主制御装置206(図2参照)の一機能であり、GUIとしてのディスプレイ905とキーボード906を有している。
〜請求項との対応関係〜
以上において、センサー部203は、照射方向に複数のセンサー(基板A301と基板B302で1つのセンサーを構成する)が積層されて構成される計測手段を構成し、ヒンジ部材310を持つ蝶番形状のスペーサ303とヒンジ部材駆動機構900は、センサー部203の計測間隔を調整する計測間隔調整手段を構成する。
〜動作〜
図8〜図11を用いて、スペーサ303およびヒンジ部材駆動機構900の動作について説明する。
図8は、計測間隔を狭くするように調整するときの、筐体602外でのヒンジ部材駆動機構900の動作を示す図である。図9は、計測間隔を狭くするように調整するときの、筐体602内でのスペーサ303の動作を示す図である。
操作者が現在の計測間隔より狭い計測間隔をヒンジ部材駆動制御装置904に入力すると、ヒンジ部材駆動制御装置904(図7参照)は、モータ903を駆動し、ボールネジ機構902を介して、上側の貫通ロット部材901をZ方向に上昇させる。貫通ロット部材901の上昇に伴い、センサー部203の上側に連設されたスペーサ303のヒンジ部材310は長穴603に沿って上方に摺動する。
このとき、全てのヒンジ部材310は常にZ方向の同じ位置に維持され、全ての板部311と板部312とは同じ角度だけ閉じられるため、基板A301と基板B302との深部方向の間隔は、等間隔を維持しながら、狭くなる。
なお、センサー部203の下側に連設されたスペーサ(符号省略)の動作は、上記上側のスペーサ303の動作と上下対称である。
図10は、計測間隔を広くするように調整するときの、筐体602外でのヒンジ部材駆動機構900の動作を示す図である。図11は、計測間隔を広くするように調整するときの、筐体602内でのスペーサ303の動作を示す図である。
操作者が現在の計測間隔より広い計測間隔をヒンジ部材駆動制御装置904に入力すると、ヒンジ部材駆動制御装置904(図7参照)は、モータ903を駆動し、ボールネジ機構902を介して、上側の貫通ロット部材901をZ方向に下降させる。貫通ロット部材901の下降に伴い、センサー部203の上側に連設されたスペーサ303のヒンジ部材310は長穴603に沿って下方に摺動する。
このとき、全てのヒンジ部材310は常にZ方向の同じ位置に維持され、全ての板部311と板部312とは同じ角度だけ開かれるため、基板A301と基板B302との深部方向の間隔は、等間隔を維持しながら、広くなる。
なお、センサー部203の上側に連設されたスペーサ(符号省略)の動作は、上記上側のスペーサ303の動作と上下対称である。
基板A301と基板B302との間隔は、電離層を形成する。センサーとしての電離箱は、基板A301の半分と電離層と基板B302の半分とから構成される。基板A301と基板B302との間隔、すなわち電離層の厚みを調整することにより、電離箱(センサー)1層の照射方向寸法を調整する。放射線計測器(積層電離箱)101は電離箱が隙間なく積層されたものであり、電離箱の寸法が放射線計測器101の計測間隔となる。このように放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
〜効果〜
本実施形態の効果について説明する。図12は、本実施形態の効果を説明する図である。
放射線計測器(積層電離箱)101は、その放射線阻止能を水と一致させることが好ましい。言い換えると、実際の計測間隔と水等価に換算した計測間隔が一致することが好ましい。
本実施形態では、設計段階において、基板A301、基板B302の阻止能比を2.0として、水等価に換算した計測間隔を1.0mmとする。
すなわち、基板A301、基板B302共に1枚当りの厚みを0.5mm、水等価厚を1.0mm(=0.5mm*阻止能比2.0)とする。基板A301、基板B302は両面対称構造であり、電離箱1層は、基板A301半分と電離層と基板B302半分とから構成される。電離層の水等価厚は実質的に0.0mmなので、電離箱1層あたりの水等価厚は1.0mm(=0.5mm+0.0mm+0.5mm)となる。
実際の電離箱の深部方向寸法を1.0mmとするには、基板A301、基板B302共に半分の厚みは0.25mmであるので、実際の電離層の厚みは0.5mmになるように設計される(1.0mm=0.25mm+0.5mm+0.25mm)。
この電離箱が積層されるので、放射線計測器101の深部線量分布の実際の計測間隔および水等価に換算した計測間隔とも1.0mmである。すなわち、設計上、積層電離箱101の放射線阻止能は水と一致している(図12A参照)。
ところが、実際には、基板の組成を厳密に把握できない事、計算誤差及び製作誤差など諸要因により、製作した積層電離箱101の放射線阻止能が必ずしも水と一致しない可能性がある。例えば、基板A301、基板B302の阻止能比を2.0として設計していたが、実際は、2.4であったと仮定する。なお、基板及び電離層の厚みについては設計通りだったとする。
この場合、実際の計測間隔は設計どおり1.0mm(=0.25mm+0.5mm+0.25mm)である。一方、基板A301、基板B302共に1枚当り水等価厚は1.2mm(=0.5mm*阻止能比2.4)となり、電離箱1層あたりの水等価厚は1.2mm(=0.6mm+0.0mm+0.6mm)となる。すなわち、水等価に換算した計測間隔は1.2mmとなり、実際の計測間隔1.0mmと一致しない(図12B参照)。
従来技術においては、基板A301、基板B302の阻止能比を2.0となるように、基板の組成を見直し、放射線計測器101を作り直す必要があった。
本実施形態では、動作で述べたように、電離層の厚みを調整することで、実際の計測間隔を調整できる。例えば、放射線計測器101製作後に、放射線計測器101の水等価に換算した計測間隔が1.2mmであることが判明したと仮定する。操作者は、計測間隔1.2mmをヒンジ部材駆動制御装置904に入力すると、ヒンジ部材駆動制御装置904は、電離層の厚みを現在の0.5mmから0.2mm広げて0.7mmとすることで、計測間隔が1.2mm(=0.25mm+0.7mm+0.25mm)となると判断し、基板A301と基板B302との間隔を0.2mm広げるように、モータ903を駆動する。
これにより、放射線計測器101の深部線量分布の実際の計測間隔および水等価に換算した計測間隔とも1.2mmとなる。すなわち、製作後において、放射線計測器101の放射線阻止能を水と一致するよう調整できる(図12C参照)。
<第2実施形態>
〜構成〜
第1実施形態において、ヒンジ部材310を持つ蝶番形状のスペーサ303とヒンジ部材駆動機構900が、センサー部203の計測間隔を調整する計測間隔調整手段を構成したが、計測間隔調整手段はこれに限られるものではない。第2実施形態において、バネ320と、バネ押圧機構950が、センサー部203の計測間隔を調整する計測間隔調整手段を構成する。
放射線計測器101のセンサー部203等の基本構成は第1実施形態と同じである。すなわち、センサー部203は基板A301と基板B302を深部方向へ交互に積層した構造である。基板A301,基板B302のボルト穴304には、長ボルト305が深部方向に貫通し、これにより、基板A301,基板B302は、長ボルト305上に摺動可能に支持されるとともに、深部方向以外への動きを拘束される。
ただし、深部方向最上流側に配置された基板A301のみは筐体602に固定され、深部方向への動きも拘束される。
バネ320は基板A301及び基板B302との間に介挿され、バネ320の一端は基板A301に固定され、他端は基板B302に固定される。各バネ320のバネ係数kは全て等しい。
バネ押圧機構950は、モータ951とモータ駆動制御装置952とを有している。モータ951は、深部方向最下流側に配置された基板A301に固定され、この基板A301を介してバネ320を押圧する。モータ951の駆動制御を行うモータ駆動制御装置952は、主制御装置206(図2参照)の一機能である。
〜動作・効果〜
図13、図14を用いて、バネ320およびバネ押圧機構950の動作について説明する。
図13は、計測間隔を狭くするように調整するときの、バネ320およびバネ押圧機構950の動作を示す図である。操作者が現在の計測間隔より狭い計測間隔をモータ駆動制御装置952(図示省略)に入力すると、モータ駆動制御装置952は、モータ951を駆動する。モータ951がF(N)の力で押すと、バネ320はdlだけ縮められる。ただし、力Fとバネ係数kと変化量dlの間にはF=-k*dlの関係が成り立つ。
このとき、全てのバネ320は常に同じ変位量だけ縮められるので、基板A301と基板B302との深部方向の間隔は、等間隔を維持しながら、狭くなる。
図14は、計測間隔を広くするように調整するときの、バネ320およびバネ押圧機構950の動作を示す図である。操作者が現在の計測間隔より広い計測間隔をモータ駆動制御装置952に入力すると、モータ駆動制御装置952は、モータ951を駆動する。モータ951がF(N)の力で引くと、バネ320はdlだけ伸ばされる。
このとき、全てのバネ320は常に同じ変位量だけ伸ばされるので、基板A301と基板B302との深部方向の間隔は、等間隔を維持しながら、広くなる。
基板A301と基板B302との間隔、すなわち電離層の厚みを調整することにより、電離箱(センサー)1層の照射方向寸法を調整して、放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
これにより、第1実施形態と同様に、製作後において、放射線計測器101の放射線阻止能を水と一致するよう調整できる。
〜付加構成〜
ただし、第2実施形態において、地面と垂直にビーム照射する場合には重力の影響でバネ302が伸縮し、電離層の厚みが変わってしまうという課題がある。
この課題に対し、本実施形態では更に、固定ボルト954を備える。
図15は、固定ボルト954の動作を示す図である。まず、重力の影響のない状態で、モータ951を駆動し、所望の電離層の厚みに調整する。この状態で、筐体602側面および基板A301と基板B302の側面にボルト穴を設け、このボルト穴に固定ボルト954を係合させる。
これにより、基板A301と基板B302は筐体602に固定され、地面と垂直にビーム照射する場合でも、重力による影響を受けず、電離層の厚みは維持される。
<第3実施形態>
第1実施形態および第2実施形態において、センサーは、基板A301の半分と電離層と基板B302の半分とから構成される電離箱であったが、半導体検出器1401でもよい。
図16は、第3実施形態のセンサー部203の概略構成図である。センサー部203は半導体検出器1401を深部方向へ交互に積層した構造となっている。各半導体検出器1401は導線を介して信号処理装置205(図2参照)に接続される。
半導体検出器1401はp型半導体1402とn型半導体1403を接合した半導体素子である。線量計として使用する場合、素子に逆電圧を印加して接合部の空乏層1404を拡大させる。空乏層1404は有感領域の役割を示し、陽子線が入射するとエネルギー損失量に比例した数の正孔・電子対を生成する。正孔・電子対は素子内の電場の向きに従ってドリフトし、n型半導体1403に接続した電極から電荷として信号処理装置205へ出力する。
本実施形態においても、複数のスペーサ303が、積層された半導体検出器1401の間に連設される。スペーサ303の基本構成は第1実施形態と同じである。また、スペーサ303のヒンジ部材310はヒンジ部材駆動機構900(図7参照)により駆動される。
本実施形態において、板部311(図3参照)の一端部は一の半導体検出器1401と回動可能に接続し、板部312(図3参照)の一端部は隣の半導体検出器1401と回動可能に接続している。スペーサ303は、板部311と板部312との開閉により半導体検出器1401の間隔を調整する。このように放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が得られる。
本実施形態の変形例において、センサー部203の計測間隔を調整する計測間隔調整手段として、第2実施形態と同様にバネ320と、バネ押圧機構950を用いてもよい。バネ320は積層された半導体検出器1401の間に介挿され、バネ320の一端は一の半導体検出器1401に固定され、他端は隣の半導体検出器1401に固定される。バネ320はバネ押圧機構950により伸縮し、半導体検出器1401の間隔を調整する。このように放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
この変形例においても、第2実施形態(第1実施形態)と同様な効果が得られる。
<第4実施形態>
図17は、第4実施形態のセンサー部203の概略構成図である。センサー部203はシンチレーションカウンタ1501を深部方向へ交互に積層した構造となっている。シンチレーションカウンタ1501は導線を介して信号処理装置205(図2参照)に接続される。
シンチレーションカウンタ1501は、蛍光物質1502(例えば、NaI結晶、GSO結晶、有機EL等)と光検出器1503で構成される線量計である。蛍光物質1502は有感領域の役割を示し、陽子線が入射するとエネルギー損失量に比例した量の蛍光を発する。ライトガイド1504は光を光検出器1503に伝送する。光検出器1503は発光量に比例した電荷を生成し、信号処理装置205へ出力する。
本実施形態においても、複数のスペーサ303が、積層されたシンチレーションカウンタ1501の間に連設される。スペーサ303の基本構成は第1実施形態と同じである。また、スペーサ303のヒンジ部材310はヒンジ部材駆動機構900(図7参照)により駆動される。
本実施形態において、板部311の一端部は一のシンチレーションカウンタ1501と回動可能に接続し、板部312の一端部は隣のシンチレーションカウンタ1501と回動可能に接続している。スペーサ303は、板部311と板部312との開閉によりシンチレーションカウンタ1501の間隔を調整する。このように放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が得られる。
本実施形態の変形例において、センサー部203の計測間隔を調整する計測間隔調整手段として、第2実施形態と同様にバネ320と、バネ押圧機構950を用いてもよい。バネ320は積層されたシンチレーションカウンタ1501の間に介挿され、バネ320の一端は一のシンチレーションカウンタ1501に固定され、他端は隣のシンチレーションカウンタ1501に固定される。バネ320はバネ押圧機構950により伸縮し、シンチレーションカウンタ1501の間隔を調整する。このように放射線計測器101の計測間隔を調整できる。
この変形例においても、第2実施形態(第1実施形態)と同様な効果が得られる。
<計測間隔調整後の動作>
上述の放射線計測器101の使用例について説明する。
(1)放射線計測器101を用いたスキャニング照射法のブラッグカーブ計測の手順を説明する。ブラッグカーブとは深部方向に対するLET(線エネルギー付与:Linear Energy Transfer、単位[J/m])の分布である。LETは媒質中を進むビーム粒子1個が深部方向へ単位距離進む時に媒質へ付与するエネルギーである。
まず、操作者は陽子線照射装置102の照射室(図示せず)に放射線計測器101を搬送し患者カウチ(図示せず)上に固定する。次に、患者位置決め用レーザーマーカを参考にカウチを可動させて放射線計測器101を位置決めする。本実施例ではビーム軸と小電極401の中心が一致するように位置決めする。放射線計測器101専用に位置決め用の可動冶具を製作し、患者カウチの替わりに用いても良い。
位置決め完了後、操作者は照射室から制御室(図示せず)に移動する。制御室では、主制御装置206を用いて放射線計測器101の計測制御と陽子線照射装置102のビーム照射制御を行う。まず、操作者は主制御装置206を通してレンジシフタ駆動制御装置202、高電圧電源204、信号処理装置205に電源を投入する。基板B302の高電圧印加電極501に高電圧が印加され電離層に電場が発生する。本実施例では負極の高電圧を高電圧印加電極501に印加する。レンジシフタ201の全てのエネルギー吸収体207はビーム経路上から外れた位置で待機する。
操作者は主制御装置206に所望の計測間隔を設定する。本実施例では、ビームエネルギーが低い条件でのブラッグカーブ計測を想定して0.2mmに設定する。操作者は主制御装置206から陽子線照射装置102の照射条件(ビームエネルギー、照射スポット位置、照射スポット数等)を設定し、ビーム照射開始を指示する。ブラッグカーブはビーム軸上のスポットに対してビーム照射した条件で計測する。ビーム照射開始の指示を受けると、陽子線照射装置102は主制御装置206に対して照射開始信号を送信する。照射開始信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205へ計測開始信号を送信する。計測開始信号を受信すると信号処理装置205は入力した電荷の積算を開始する。直後、シンクロトロン108で加速されたビームは陽子線輸送装置104を経て、回転式照射装置105に出射する。最終的に、操作者が主制御装置206に設定した条件に従って放射線計測器101にビームが照射される。
ビームが電離層を通過すると電離層中のビーム線量に比例した数のイオン対(電離電子と陽イオン)が生成する。生成したイオン対は電場に沿ってドリフトする。本実施例ではビーム軸が小電極401の中心を通過するように放射線計測器101を位置決めしたので、ビーム軸からの距離が小電極401半径未満の位置で生成した電子は小電極401に到達し、ビーム軸からの距離が小電極401半径以上大電極402半径未満の位置で生成した電子は大電極402に到達する。小電極401及び大電極402へ到達した電子の数に比例して、それぞれに接続した導線404及び405に電荷が発生する。信号処理装置205は発生した電荷を電極毎に独立して積算する。信号処理装置205は電離層1層あたり2つの入力チャンネルを要する。
操作者の設定した条件に従ってビーム照射を完了すると陽子線照射装置102は主制御装置206に照射完了信号を送信する。照射完了信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205に計測完了信号を送信する。計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、主制御装置206へチャンネル毎に積算値を記録する。記録完了後、信号処理装置205は全チャンネルの積算値をリセットする。
積算値を記録すると主制御装置206はレンジシフタ駆動制御装置202にエネルギー吸収体207の挿入を指示する。本実施例では、まず厚さ0.2mmのエネルギー吸収体207を挿入する。エネルギー吸収体207の挿入が完了すると、再度主制御装置206は最初に操作者が設定した照射条件で陽子線照射装置102にビーム照射開始を指示する。最初の計測と同様に、放射線計測器101は発生した電荷を信号処理装置205で積算する。ビーム照射完了後に信号処理装置205が計測完了信号を受信すると、電荷の積算を停止して主制御装置206へチャンネル毎の積算値を新規記録する。記録完了後、信号処理装置205は全チャンネルの積算値をリセットする。積算値を記録すると主制御装置206は厚さ0.4mmのエネルギー吸収体207の挿入を指示する。厚さ0.2mmのエネルギー吸収体207はビーム通過位置から外される。計測間隔0.2mmでのブラッグカーブ計測では、エネルギー吸収体207の厚みを0.0mm(ビーム軸上から全てのエネルギー吸収体207を外した状態)、0.2mm、0.4mm、0.6mm(0.2mmと0.4mmのエネルギー吸収体を2枚挿入した状態)、0.8mmと変更して5回計測を繰り返す。
挿入したエネルギー吸収体207の厚みがrのときにセンサー部203の表面からi番目の電離層(以下、電離層i)に面する小電極401で得られた積算電荷をQs(i,r)、大電極402で得られた積算電荷をQl(i,r)とする。エネルギー吸収体207の厚みを変更した全計測が完了すると、主制御装置206はQs(i,r)とQl(i,r)を加算してQ(i,r)を得る。即ち、Q(i,r)=Qs(i,r)+Ql(i,r)である。
上記のように、放射線計測器101が直接計測できる物理量はビームによって装置の有感領域に生じる電離量Q(単位[C])である。電離箱の有感領域は電離層である。主制御装置206は電離量Qに較正係数を乗じて水中線量D(単位[J/kg])を算出する。得られた線量Dは有感領域の水等価体積(=横方向の実面積S*深部方向の水等価厚)で平均化した値である。水等価厚とはある物体を水で置き換えた場合に放射線に対して等しいエネルギー損失を与える(光子線の場合、等しい減衰率となる)厚みを示す。
基板A301,基板B302の水等価厚は1.0mm、電離層の水等価厚は0mm、エネルギー吸収体207の水等価厚比は1.0である。これらの情報に基づき、主制御装置206はD(i,r)をD(x)に変換する。xは計測器表面からの深さであり、x=i*1.0mm+rである。センサー部203の陽子線阻止能は深部方向について水等価なので、得られたD(x)へのフルエンス補正は不要である。
線量DはD=LET*有感領域へ入射する粒子の平均密度(単位[1/m2])/水の密度(単位[kg/m3])の関係を満たす。有感領域への入射粒子数をnとすると、粒子の平均密度はnを電極面積Sで除したものである。Sは小電極401と大電極402が構成する電極の面積である。小電極401と大電極402が構成する電極は散乱によって横方向に広がったビームをほぼ全て捕獲可能な面積及び形状を備えるのでn=一定である。上記条件から、D(x)からLET(x)を導く事ができる。nは加速器の蓄積電荷から概算できるが、仮にnが不明の場合でもLET(x)の相対的な分布が得られる。主制御装置206はxについてのLET(x)の分布、即ちブラッグカーブをディスプレイ(図示せず)に表示する。ディスプレイに表示されたブラッグカーブの形状から、操作者は陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価する。
(2)放射線計測器101を用いた体積照射時の深部線量分布計測の手順を説明する。体積照射とは、スキャニング照射法の手順に従って被照射体の任意の領域へ一様線量を付与する事である。ブラッグカーブ計測と同様に、操作者は照射室に放射線計測器101を搬送し患者カウチ上に固定する。次に、レーザーマーカを参考にカウチを可動させ、放射線計測器101を位置決めする。本実施例ではビーム軸と小電極401の中心が一致するように位置決めする。ビーム軸と平行な異なる軸上の深部線量分布を計測する場合、位置決め完了後に患者カウチを横方向へ平行に可動させる。操作者は位置決め完了後に照射室から制御室へ移動し、主制御装置206を通してレンジシフタ駆動制御装置202、高電圧電源204、信号処理装置205に電源を投入する。
操作者は主制御装置206に所望の計測間隔、本実施例では0.2mmを設定する。さらに、主制御装置206から体積照射用の陽子線照射装置102の照射条件(ビームエネルギー、照射スポット位置、照射スポット数等)を設定し、ビーム照射開始を指示する。体積照射時の横方向の照射範囲は小電極401に対して十分大きいものとする。ビーム照射開始の指示を受けると、陽子線照射装置102は主制御装置206に対して照射開始信号を送信する。照射開始信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205へ計測開始信号を送信する。計測開始信号を受信すると信号処理装置205は入力した電荷の積算を開始する。直後、シンクロトロン108で加速されたビームは陽子線輸送装置104を経て回転式照射装置105に出射し、操作者が主制御装置206に設定した条件に従って放射線計測器101に照射される。あるスポットに既定線量が付与されると、照射を停止して次の既定スポットに向けてビームを走査する。最終的に全てのスポットに一様な線量が付与される。
操作者の設定した条件に従って体積照射が完了すると、陽子線照射装置102は主制御装置206に照射完了信号を送信する。照射完了信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205に計測完了信号を送信する。計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、主制御装置206へチャンネル毎に積算値を記録する。記録完了後、信号処理装置205は全チャンネルの積算値をリセットする。積算値を記録すると主制御装置206はレンジシフタ駆動制御装置202にエネルギー吸収体207の挿入出を指示する。計測間隔0.2mmで深部線量分布を計測するため、エネルギー吸収体207の厚みを0.0mm、0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmと5回変更して計測を繰り返す。
小電極401からの出力結果Qs(i,r)より、主制御装置206はQs(x)を算出する。主制御装置206はQs(x)を水中線量Ds(x)に換算し、xについてディスプレイへ表示する。小電極401の面積は体積照射時の横方向の照射範囲と比べて十分小さいため、線量Ds(x)は小電極401中心近傍の局所線量とほぼ等価である。ディスプレイに表示された深部線量分布を確認して、操作者は陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価する。
(3)放射線計測器101を用いた散乱体照射法が形成する深部線量分布計測について説明する。操作者は照射室に放射線計測器101を搬送し患者カウチ上に固定する。次に、レーザーマーカを参考にカウチを可動させ、放射線計測器101を位置決めする。本実施例ではビーム軸と小電極401の中心が一致するように位置決めする。位置決め完了後に操作者は照射室から制御室へ移動し、主制御装置206を通してレンジシフタ駆動制御装置202、高電圧電源204、信号処理装置205に電源を投入する。
操作者は主制御装置206に所望の計測間隔を設定する。本実施例では0.2mmに設定する。さらに、主制御装置206から陽子線照射装置102の照射条件(ビームエネルギー、SOBP幅、コリメータ形状、散乱体の厚み等)を設定し、ビーム照射開始を指示する。照射野形成装置110内のビーム経路上に設定条件の散乱体、コリメータ、SOBPフィルタが挿入される。ボーラスは操作者が直接照射野形成装置110に取り付ける。照射範囲とビームエネルギーに応じて、走査電磁石電源から適切な時間変化量を持った交流電流が走査電磁石に供給される。横方向の照射範囲は小電極401に対して十分大きいものとする。ビーム照射開始の指示を受けると、陽子線照射装置102は主制御装置206に対して照射開始信号を送信する。照射開始信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205へ計測開始信号を送信する。計測開始信号を受信すると信号処理装置205は入力した電荷の積算を開始する。直後、シンクロトロン108で加速されたビームは陽子線輸送装置104を経て回転式照射装置105に出射し、操作者が主制御装置206に設定した条件に従って放射線計測器101に照射される。
操作者の設定した条件に従って照射が完了すると、陽子線照射装置102は主制御装置206に照射完了信号を送信する。照射完了信号を受信すると主制御装置206は信号処理装置205に計測完了信号を送信する。計測完了信号を受信すると、信号処理装置205は電荷の積算を停止し、積算値をチャンネル毎に主制御装置206へ記録する。記録完了後、信号処理装置205は全チャンネルの積算値をリセットする。積算値を記録すると主制御装置206はレンジシフタ駆動制御装置202にエネルギー吸収体207の挿入出を指示する。計測間隔0.2mmで深部線量分布を計測するため、エネルギー吸収体207の厚みを0.0mm、0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmと5回変更して計測を繰り返す。
小電極401からの出力結果Qs(i,r)より、主制御装置206はQs(x)を算出する。主制御装置206はQs(x)を水中線量Ds(x)に換算し、xについてディスプレイへ表示する。小電極401の面積は横方向の照射範囲と比べて十分小さいため、線量Ds(x)は小電極401中心近傍の局所線量と等価である。ディスプレイに表示された深部線量分布を確認して、操作者は陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価する。
101 放射線計測装置
102 陽子線照射装置
103 陽子線発生装置
104 陽子線輸送装置
105 回転式照射装置
106 イオン源
107 前段加速器
108 シンクロトロン
109 出射デフレクタ
110 照射野形成装置
201 レンジシフタ
202 レンジシフタ駆動制御装置
203 センサー部
204 高電圧電源
205 信号処理装置
206 主制御装置
207 エネルギー吸収体
301 電荷収集用プリント基板(基板A)
302 高電圧印加用プリント基板(基板B)
303 スペーサ
304 ボルト穴
305 長ボルト
310 ヒンジ部材
311,312 板部
313 貫通孔
320 バネ
401 小電極
402 大電極
403 ガード電極
404 導線(小電極、信号処理装置と接続)
405 導線(大電極、信号処理装置と接続)
406 導線(ガード電極と接続)
501 高電圧印加用電極
502 ガード電極
503 導線(高電圧印加用電極、高電圧電源と接続)
504 導線(ガード電極と接続)
602 筐体
603 長穴
313 貫通孔
900 ヒンジ部材駆動機構
901 貫通ロット部材
902 ボールネジ機構
903 モータ
904 ヒンジ部材駆動制御装置
905 ディスプレイ
906 キーボード
950 バネ押圧機構
951 モータ
952 モータ駆動制御装置
954 固定ボルト
1401 半導体検出器
1402 p型半導体
1403 n型半導体
1404 空乏層
1501 シンチレーションカウンタ
1502 蛍光物質
1503 光検出器

Claims (10)

  1. 放射線の照射方向の線量を計測する放射線計測器であって、
    照射方向に複数のセンサーが積層されて構成される計測手段と、
    前記計測手段の計測間隔を調整する計測間隔調整手段と、
    を備えることを特徴とする放射線計測器。
  2. 請求項1記載の放射線計測器において、
    前記計測間隔調整手段は、センサー内部の照射方向寸法を調整する
    ことを特徴とする放射線計測器。
  3. 請求項2記載の放射線計測器において、
    前記センサーは、第1センサー部材と第2センサー部材を有し、
    前記計測間隔調整手段は、
    2つの板部と、この2つの板部を回動可能に連結するヒンジとを有し、一の板部の端部は前記第1センサー部材端部と回動可能に接続し、他の板部の端部は前記第2センサー部材端部と回動可能に接続し、2つの板部の開閉により前記第1センサー部材と前記第2センサー部材との間隔を調整するように構成された、少なくとも1つの蝶番部材と、
    前記ヒンジを照射方向と直角方向に駆動するヒンジ駆動手段と、
    を有することを特徴とする放射線計測器。
  4. 請求項2記載の放射線計測器において、
    前記センサーは、第1センサー部材と第2センサー部材を有し、
    前記計測間隔調整手段は、
    前記第1センサー部材と前記第2センサー部材との間に介挿される弾性部材と、
    前記弾性部材を押圧する押圧手段と、
    を有することを特徴とする放射線計測器。
  5. 請求項2記載の放射線計測器において、
    前記センサーは、電離箱である
    ことを特徴とする放射線計測器。
  6. 請求項1記載の放射線計測器において、
    前記計測間隔調整手段は、センサー間隔を調整する
    ことを特徴とする放射線計測器
  7. 請求項6記載の放射線計測器において、
    前記計測間隔調整手段は、
    2つの板部と、この2つの板部を回動可能に連結するヒンジとを有し、一の板部の端部は一のセンサーと回動可能に接続し、他の板部の端部はこのセンサーの隣のセンサーと回動可能に接続し、2つの板部の開閉により前記センサー間隔を調整するように構成された、少なくとも1つの蝶番部材と、
    前記ヒンジを照射方向と直角方向に駆動するヒンジ駆動手段と、
    を有することを特徴とする放射線計測器。
  8. 請求項6記載の放射線計測器において、
    前記計測間隔調整手段は、
    一のセンサーとこのセンサーの隣のセンサーとの間に介挿される弾性部材と、
    前記弾性部材を押圧する押圧手段と、
    を有することを特徴とする放射線計測器。
  9. 請求項6記載の放射線計測器において、
    前記センサーは、シンチレーションカウンタである
    ことを特徴とする放射線計測器。
  10. 請求項6記載の放射線計測器において、
    前記センサーは、半導体検出器である
    ことを特徴とする放射線計測器。
JP2010134959A 2010-06-14 2010-06-14 放射線計測器 Pending JP2012002526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010134959A JP2012002526A (ja) 2010-06-14 2010-06-14 放射線計測器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010134959A JP2012002526A (ja) 2010-06-14 2010-06-14 放射線計測器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012002526A true JP2012002526A (ja) 2012-01-05

Family

ID=45534706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010134959A Pending JP2012002526A (ja) 2010-06-14 2010-06-14 放射線計測器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012002526A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016185340A1 (en) * 2015-05-15 2016-11-24 De.Tec.Tor S.R.L. Apparatus for the calibration of beams of charged particles for external radiotherapy, in particular beams of protons, carbon ions, and other ion species, emitted by particle accelerators, and corresponding calibration method
EP2634601A3 (en) * 2012-02-29 2017-10-04 Hitachi, Ltd. Calibration method for radiation detector, and particle therapy system
CN114034721A (zh) * 2021-11-10 2022-02-11 成都大学 一种微剂量探测器的组织等效修正方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2634601A3 (en) * 2012-02-29 2017-10-04 Hitachi, Ltd. Calibration method for radiation detector, and particle therapy system
WO2016185340A1 (en) * 2015-05-15 2016-11-24 De.Tec.Tor S.R.L. Apparatus for the calibration of beams of charged particles for external radiotherapy, in particular beams of protons, carbon ions, and other ion species, emitted by particle accelerators, and corresponding calibration method
CN114034721A (zh) * 2021-11-10 2022-02-11 成都大学 一种微剂量探测器的组织等效修正方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5791546B2 (ja) 放射線計測装置の較正方法及び粒子線治療装置
JP5683113B2 (ja) 放射線計測装置及び放射線計測装置の放射線計測方法
JP6292813B2 (ja) 放射線計測装置とそれを備えた粒子線治療装置ならびに粒子線の線量分布演算方法
JP5270659B2 (ja) ハドロン・ビームをオンラインで線量モニタリングするための装置、その使用、および方法
US10471279B2 (en) Proton dose imaging method and apparatus
JP5687265B2 (ja) ハドロンビームの線量測定モニタリング用のデバイス及びハドロンビームをモニタリングするための方法
EP1907062B1 (en) Dosimetry device for verification of a radiation therapy apparatus
Castaneda Crocker Nuclear Laboratory (CNL) radiation effects measurement and test facility
JP2010175309A (ja) 放射線計測装置
Braccini et al. Segmented ionization chambers for beam monitoring in hadrontherapy
JP5906179B2 (ja) 線量分布測定装置
JP2012002526A (ja) 放射線計測器
US20230249001A1 (en) Monitor for high dose rate electron therapy, system and method
US20230241413A1 (en) Dose rate monitor, system and method
JP5663347B2 (ja) 放射線計測装置
Tilly et al. Development and verification of the pulsed scanned proton beam at The Svedberg Laboratory in Uppsala
US20190083816A1 (en) One dimensional transmission detector for radiotherapy
Bachiller-Perea et al. Multi-arrays of 3D cylindrical microdetectors for beam characterization and microdosimetry in proton therapy
Kim et al. Proton Therapy Dosimetry