JP2013181067A - 着色組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

着色組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐オゾン性、耐光性等の優れた画像堅牢性と良好な色相とを十分に両立すると共に、高い耐湿性を得ることができる着色組成物を提供することを目的とする。また、該着色組成物を含むインクジェット記録用インク、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】明細書中に記載の一般式(1)で表される化合物と、明細書中に記載の一般式(4)で表される化合物とを含む着色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のキサンテン骨格を有する化合物と特定のヘテリルアゾ化合物とを含む着色組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、周知のごとくインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。この印刷方法は、安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷をする事ができ、特にカラー印刷においては、近年写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われている。
インクジェット記録方法を用いてカラー画像を形成する場合、少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクを用いるのが一般的である。従来、これらのインクジェットインクは、臭気及び消防上の危険性などの安全面から水性インクが主として使用されている。これらのインクには粘度、表面張力等の物性値が適正範囲内にあること、ノズルの目詰まり、保存安定性に優れ、かつ高い濃度の記録画像を与えること、また耐光性、耐オゾン性、耐水性、耐湿性に優れていること等の性質が要求される。
これらの性能は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合液を主溶媒とする水性インクを用いることにより、多くが満足されるが、色調、鮮やかさ、耐光性、耐オゾン性、耐水性、耐湿性等は着色剤に左右されるところが大きく、従来さまざまな染料の研究がされてきている。
従来、インクジェット用マゼンタ染料としては発色性が良好で水溶性の高い酸性染料、例えばC.I.Acid Red 52、249、289等が知られているが、これらの染料を単独で用いた場合、水溶性が高いためノズルの目詰まりは生じにくいものの、耐オゾン性、耐光性の性能は非常に低いものであった。
特許文献1には、キサンテン誘導体であるC.I.アシッドレッド289や、C.I.アシッドレッド289よりもスルホ基を多く有するキサンテン誘導体からなる色素を含有するインクジェット記録用の水性インクが記載されている。
また、インクジェット用マゼンタ染料としてはアゾ系の染料も知られており、色相の良好なアゾ色素として、特許文献2には、特定の置換基を有するヘテリルアゾ染料を使用することにより、良好な色相を有し、光及びオゾンに対する堅牢性を有する着色組成物が開示されている。
英国特許第2134129号明細書 特開2006−143989号公報
しかしながら、特許文献1に具体的に記載のある色素は、耐オゾン性、及び耐光性について更なる向上が求められている。また、特許文献2に記載のある染料は、耐光性や耐オゾン性等の堅牢性が良好ではあるが、色相については更なる改良の余地を残していた。すなわち、いずれにおいても堅牢性と色相とを十分に両立するものではなかった。
本発明は、耐オゾン性、耐光性等の優れた画像堅牢性と良好な色相とを十分に両立すると共に、高い耐湿性を得ることができる着色組成物を提供することを目的とする。また、該着色組成物を含むインクジェット記録用インク、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記した実情に鑑みて鋭意検討した結果、スルホ基を特定数導入したキサンテン骨格を有する化合物の多量体と特定のヘテリルアゾ化合物とを含む着色組成物とを組み合わせることにより、耐オゾン性、耐光性等の画像堅牢性及び色相に係る性能が予想を超えて特に良好となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを含む着色組成物。
Figure 2013181067

(一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。
Dは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1〜5個取り除いた残基を表す。
mは、1〜10の整数を表す。但し、複数のLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
nは、2〜10の整数を表す。但し、複数のDは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、R〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
但し、少なくとも1個以上のイオン性親水性基を有する。)
Figure 2013181067

一般式(4)中、Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、又はヘテロ環基を表す。
23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。ただし、R23及びR24が共に水素原子であることはない。
21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。また、R21とR23、またはR23とR24が結合して5または6員環を形成してもよい。
25及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。但し、R25及びR29が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
26、R27、及びR28は、それぞれ独立にR21及びR22と同義であり、R25とR26、又は、R28とR29で互いに縮環していてもよい。
Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。
上記Z、Z、R21、R22、R23、R24及びQの各基は、更に置換基を有していてもよい。
但し、一般式(4)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
〔2〕
前記一般式(2)中、R、R、R及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す、〔1〕に記載の着色組成物。
〔3〕
前記一般式(2)中、R〜R、R10〜R12及びR14〜R23は水素原子を表す、〔1〕又は〔2〕に記載の着色組成物。
〔4〕
前記一般式(1)中、Dは一般式(2)で表される化合物のR〜R、R10〜R12及びR24としての水素原子から、水素原子を1個取り除いた残基を表す、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔5〕
前記一般式(1)で表される化合物が、
一般式(3)で表される化合物をクロロスルホニル化する工程、
一般式(d)で表されるジアミン化合物と反応させる工程、
残存するクロロスルホニル基を加水分解する工程、を含む合成方法により合成される化合物である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
Figure 2013181067


(一般式(3)中、R〜R23はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。)
〔6〕
前記一般式(4)におけるイオン性親水性基が、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基、及び4級アンモニウム基より選択された少なくとも1つの基である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔7〕
前記一般式(4)中、R23及びR24がそれぞれ独立に、水素原子、芳香族基、又はヘテロ基を表す〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔8〕
一般式(1)で表される化合物の含有率が0.1〜20質量%である〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔9〕
一般式(4)で表される化合物の含有率が1〜5質量%である〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔10〕
一般式(1)で表される化合物の含有量と、一般式(4)で表される化合物の含有量との質量比が95/5〜20/80である〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の着色組成物。
〔11〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
〔12〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の着色組成物、又は〔11〕に記載のインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法。
本発明によれば、耐オゾン性、耐光性等の優れた画像堅牢性と良好な色相とを十分に両立すると共に、高い耐湿性を得ることができる着色組成物が提供される。また、該着色組成物を含むインクジェット記録用インク、及び該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法が提供される。本発明の着色組成物は、特にマゼンタ用インクとして有用である。
図1は、本発明における一般式(1)で表される化合物の一例である化合物(1−1)の希薄水溶液中での吸収スペクトルを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明において、置換基群Aについて定義する。
(置換基群A)
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩又はナトリウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、水溶性インク中では塩はイオンに解離して存在している。
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表される特定のキサンテン骨格を有する化合物又はその塩と、一般式(4)で表される特定のヘテリルアゾ化合物とを含む。
〔一般式(1)で表される化合物〕
本発明の一般式(1)で表される化合物は、化合物とその塩及びこれらの水和物を含む。
本発明の化合物は特定キサンテン誘導体構造が複数含有されているため、作用機構は不明であるが、耐オゾン性、耐光性などの画像堅牢性に優れる。また、連結基Lを介して多量化することにより、分子量の増化し高湿条件下での分子移動が抑制され、耐湿性にも優れるという効果を奏する。
Figure 2013181067

一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。
Dは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1〜5個取り除いた残基を表す。
mは、1〜10の整数を表す。但し、複数のLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
nは、2〜10の整数を表す。但し、複数のDは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、R〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
但し、少なくとも1個以上のイオン性親水性基を有する。
mは、1〜10の整数を表し、1〜8の整数であることが好ましく、より好ましくは1〜6の整数であり、更に好ましくは1〜4であり、特に好ましくは1〜3である。mをこれらの範囲とすることにより、溶解性を保持し、インクジェット印刷におけるヘッド詰まりを抑制しつつ、耐湿性を改善できる。
nは、2〜10の整数を表し、2〜8の整数であることが好ましく、より好ましくは2〜6の整数であり、更に好ましくは2〜4である。nをこれらの範囲とすることにより溶解性を保持し、インクジェット印刷におけるヘッド詰まりを抑制しつつ、耐湿性を改善できる。
一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。2〜4価の連結基としては、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH−)、アリーレン基、シクロアルキレン基、ヘテロアリーレン基、エチレン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)及びこれらを組み合わせて形成される基が挙げられ、スルホニル基(−SO−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH−)、エチレン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)、アリーレン、ヘテロアリーレン基を含む基であることより好ましい。
Lは2価の連結基であることが更に好ましい。
Lは置換基を有していてもよく、置換基を有する場合の置換基としては、前記置換基群Aを挙げることができ、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はイオン性親水性基が好ましく、アリールアミノ基、又はイオン性親水性基がより好ましい。これらは更に前記置換基群Aにより置換されていてもよく、イオン性親水性基により置換されていることがより好ましい。
Lは、好ましくは下記一般式(V1)、(V2)、(V3)又は(V4)で表される連結基である。
Figure 2013181067

(一般式(V1)中、R101及びR102はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
一般式(V2)中、R201及びR202はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、L201は2価の連結基を表す。
一般式(V3)中、R301、R302及びR303はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、Xは置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、L301は単結合または2価の連結基を表す。
一般式(V4)中、R401及びR402はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。)
一般式(V1)中、
101及びR102はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、水素原子又は前記置換基の群Aであり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、特に好ましくは、水素原子又はアルキル基である。R101とR102は互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(V2)中、
201及びR202はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、水素原子又は前記置換基の群Aであり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、特に好ましくは、水素原子又はアルキル基である。R201とR202は互いに結合して環を形成してもよい。
201は、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH−)、アリーレン基、シクロアルキレン基、及びこれらを組み合わせて形成される基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜20のアルキレン基、シクロへキシレン基、フェニレン基又はキシリレン基であり、より好ましくは、炭素数1〜16のアルキレン基、シクロへキシレン基、フェニレン基又はキシリレン基であり、特に好ましくは、炭素数1〜8のアルキレン基、シクロへキシレン基、m−フェニレン基又はキシリレン基である。
一般式(V3)中、
301及び302は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、水素原子又は前記置換基群Aが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルアミノ基、又はアリールアミノ基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましい。R301及びR302は互いに結合して環を形成してもよい。
303としては、水素原子又は置換基を表し、水素原子又は前記置換基群Aが好ましく、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基がより好ましい。これらは更に前記置換基群Aにより置換されていてもよく、イオン性親水性基により置換されていることがより好ましい。
Xは置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリーレンを表す。アルキレン基の炭素数が2〜20であることにより、合成の容易さの観点で好ましい。
炭素数2〜20のアルキレン基の中でも、エチレン基、n−プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。置換基を有する場合の置換基としてはメチル基が挙げられる。
301は単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH−)、アリーレン基、シクロアルキレン基、及びこれらを組み合わせて形成される基が挙げられ、フェニレン基、又はシクロヘキシレン基、メチレン基、であることが好ましく、L301は単結合であることが更に好ましい。
一般式(V4)中、
401はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは水素原子又は前記置換基の群Aであり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
402は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、水素原子又は前記置換基群Aが好ましく、イオン性親水性基であることがより好ましく、スルホ基であることが特に好ましい。
以下に、一般式(1)におけるLの具体例を挙げるが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。
Figure 2013181067
Figure 2013181067
一般式(1)におけるDは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1個取り除いた残基を表す。
一般式(2)中、R〜R23はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。置換基としては、上述の置換基群Aを挙げることができる。
一般式(2)中、R、R、R及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表すことが好ましい。アルキル基は、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、エチニル基、イソプロパニル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。R、R、R及びR13はそれぞれ独立に、アルキル基を表すことが色相のため好ましい。
一般式(2)中、R〜R、R10〜R12及びR14〜R23は水素原子を表すことが合成の容易さのため好ましい。R24は水素原子又はイオン性親水性基であることが好ましく、スルホ基であることがより好ましい。
一般式(1)中、Dは一般式(2)で表される化合物のR〜R、R10〜R12、R19、R22又はR24としての水素原子から、水素原子を1〜5個取り除いた残基を表すことが合成の容易さのため好ましい。
一般式(1)で表される本発明の化合物は、
一般式(3)で表される化合物をクロロスルホニル化する工程、
一般式(d)で表されるジアミン化合物と反応させる工程、
残存するクロロスルホニル基を加水分解する工程、を含む合成方法により合成される化合物であることが原材料の入手性、安価製造の観点から好ましい。
Figure 2013181067
一般式(3)中、R〜R23はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。
一般式(3)中、R〜R23は、前記一般式(2)におけるR〜R23と同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、好ましくは水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、より好ましくは水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
は、好ましくは、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキレン基、置換又は無置換のシクロヘキシレン基、置換又は無置換のフェニレン基、置換または無置換のキシリレン基、置換又は無置換のスチルベン−4,4’−ジイル基であり、より好ましくは置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキレン基、無置換のシクロヘキシレン基、無置換のフェニレン基、無置換のキシリレン基、置換又は無置換のスチルベン−4,4’−ジイル基であり、特に好ましくはスルホ基が置換されたスチルベン−4,4’−ジイル基である。
以下に一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。
Figure 2013181067

以下に一般式(d)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。
Figure 2013181067

Figure 2013181067

Figure 2013181067

Figure 2013181067

Figure 2013181067

本発明の製造方法に関して説明するが、本発明のコンセプトは、一般式(2)で表されるキサンテン系化合物を連結基を介して多量化することにより得られるため、以下記載の製造方法になんら限定されるわけではない。
(1)キサンテン化合物のアニリノ基部分からメチレンを介して連結する方法
Figure 2013181067

一般式(W1)中、R501は置換基を表し、n501は0〜4の整数を表す。n501が2以上の場合、複数のR501は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(W2)中、R502及びR503は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を表す。但し、R502とR503が同時に水素原子であることはない。
一般式(W3)中、R501、R502、R503及びn501は一般式(W1)及び(W2)におけるR501、R502、R503及びn501と同義である。
一般式(W4)中、R504、R505及びR506は置換基を表し、n502及びn503は0〜3の整数を表し、n504は0〜4の整数を表す。n502、n503又は/及びn504がそれぞれ独立に2以上である場合、複数のR504、R505又は/及びR506は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(W5)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506、n501、n502、n503及びn504は、一般式(W1)、(W2)及び(W4)におけるR501、R502、R503、R504、R505、R506、n501、n502、n503及びn504と同義である。
一般式(W6)中、R507は置換基を表し、n505は0〜5の整数を表す。n505が2以上の場合、複数のR507は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(W7)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、n501、n502、n503、n504及びn505は、一般式(W1)、(W2)、(W4)及び(W6)におけるR501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、n501、n502、n503、n504及びn505と同義である。
一般式(W1)で表される化合物2モルと、一般式(W2)で表される化合物1モルをS強酸存在下で加熱攪拌することで、一般式(W3)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W3)で表される化合物1モルと、一般式(W4)で表される化合物1モルを塩化アルミニウムとともに加熱攪拌することで、一般式(W5)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W5)で表される化合物1モルと、一般式(W6)で表される化合物2モル以上を、塩化亜鉛とともに加熱攪拌することで、一般式(W7)で表される本発明の一般式(1)に相当する化合物を得ることができる。
(W1)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ社製、カタログ番号D146005など)。
(W2)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、シグマ/アルドリッチ社製、カタログ番号227048など)。
(W4)で表される化合物は、Journal of the American Chemical Society 46巻1899頁(1924年)記載の方法で合成することができる。
(W5)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ社製、カタログ番号D146005など)。
なお、本発明の化合物をインクジェット用途などの水性インクとして使用するために必要な水溶性を付与するために、さらに一般式(W7)で表される化合物をスルホン化するなどの後反応を行うことが好ましい。この製造方法の詳細は実施例にて例示する。
(2)スルホ基を有するキサンテン化合物に関して、スルホ基をクロロスルホニル基に変換した後に、多価アミン等と反応させる方法
Figure 2013181067

一般式(W8)中、R601、R602、R603及びR604は水素原子又は置換基を表し、R605、R606、R607、R608及びR609は置換基を表し、n601は0〜1の整数を表し、n602及びn603は0〜3の整数を表し、n604及びn605は0〜3の整数を表し、n606は0〜4の整数を表す。n602、n603、n604及び/又はn605が2以上の場合、複数のR605、R606、R607、R608及び/又はR609は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(W9)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607、R608、R609、n601、n602、n603は、n604、n605及びn606は、一般式(W8)のR601、R602、R603、R604、R605、R606、R607、R608、R609、n601、n602、n603は、n604、n605及びn606と同義である。
一般式(W10)中、R25、R26及びLは、一般式(d)のR25、R26及びLと同義である。
一般式(W11)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607、R608、R609、n601、n602、n603は、n604、n605、n606、R25、R26及びLは一般式(W8)及び一般式(d)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606、R607、R608、R609、n601、n602、n603は、n604、n605、n606、R25、R26及びLと同義である。
一般式(W8)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、中外化成製、商品名CHUGAI AMINOL FAST PINKRなど)。
一般式(W10)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ製、カタログ番号D25206)。
一般式(W8)で表される化合物を、オキシ塩化リン又は塩化チオニルなどのクロロ化剤を用いて、酸塩化物に変換することで、一般式(W9)を得ることができる。
一般式(W9)で表される化合物と一般式(W10)で表される化合物を任意の比率(好ましくはモル比2:1)で反応させ、未反応のスルホニルクロライドをアルカリによって加水分解することで、一般式(W11)で表される代表構造とするような混合物として、本発明の一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W11)で表される代表構造に関して、説明する。キサンテン骨格と連結基との結合部位は、一般式(W8)として用いたキサンテン化合物のスルホン酸もしくはスルホネート部位であり、反応の選択性はない。
一般式(W9)で表される化合物と一般式(W10)で表される化合物を反応させて得られる化合物の加水分解により得られる混合物に含まれうる形態としては、2量体はもとより、3量体、4量体などのオリゴマーが挙げられる。このような多量体(オリゴマー)は、直線状、枝分かれ状、環状、及びそれらの組み合わせの形状をとりうる。
なお本明細書中では、これらを一般式(W11)で表される代表構造を用いて示しているが、このような混合物を含んでいることを示している。
(3)キサンテン化合物に関して、直接クロロスルホニル化を実施した後に、多価アミンと反応させる方法
Figure 2013181067

一般式(W12)中、R701、R702、R703及びR704はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R705、R706及びR707は置換基を表し、n701は0〜4の整数を表し、n702及びn703はそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、n704及びn705はそれぞれ独立に0〜1の整数を表す。n701、n702及び/又はn703がそれぞれ独立に2以上である場合は、複数のR705、R706及び/又はR707は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(W13)中、R701、R702、R703、R704、R705、R706、R707及びn701、n702及びn703は、一般式(W12)のR701、R702、R703、R704、R705、R706、R707、n701、n702及びn703と同義である。
一般式(W14)中、R25、R26及びLは、一般式(d)のR25、R26及びLと同義である。
一般式(W15)中、R701、R702、R703、R704、R705、R706、R707及びn701、n702、n703、R25、R26及びLは、一般式(W12)及び一般式(d)のR701、R702、R703、R704、R705、R706、R707、n701、n702、n703、R25、R26及びLと同義である。
一般式(W12)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、中外化成製、商品名CHUGAI AMINOL FAST PINKRなど)。
一般式(W14)で表される化合物は、試薬として入手することが可能である(例えば、アルドリッチ製、カタログ番号D25206)。
一般式(W12)で表される化合物を、クロロスルホン酸を用いてクロロスルホニル化することによって一般式(W13)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W13)で表される化合物と一般式(W14)で表される化合物を任意の比率(好ましくはモル比2:1)で反応させ、未反応のスルホニルクロライドをアルカリによって加水分解することで、一般式(W15)で表される代表構造とするような混合物として、本発明の一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
一般式(W15)で表される代表構造に関して、説明する。キサンテン骨格と連結基との結合部位は、一般式(W13)のキサンテン化合物のスルニルクロリド部位であり、反応の選択性はない。
一般式(W13)で表される化合物と一般式(W14)で表される化合物を反応させて得られる化合物の加水分解により得られる混合物に含まれうる形態としては、2量体はもとより、3量体、4量体などのオリゴマーが挙げられる。このような多量体(オリゴマー)は、直線状、枝分かれ状、環状、及びそれらの組み合わせの形状をとりうる。
なお本明細書中では、これらを一般式(W15)で表される代表構造を用いて示しているが、このような混合物を含んでいることを示している。
以下、一般式(1)で表される本発明の化合物の具体例(代表構造)を挙げるが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。
Figure 2013181067
Figure 2013181067
Figure 2013181067
例示化合物1−1: 化合物A(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
化合物A:
Figure 2013181067
例示化合物1−2: 化合物A(2モル)とエチレンジアミン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−3: 化合物A(2モル)とピペラジン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−4: 化合物A(2モル)と2,5−ジメチルピペラジン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−5: 化合物A(2モル)と1−(2−アミノエチル)ピペラジン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−6: 化合物A(2モル)と1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン)(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−7: 化合物A(2モル)と1,2−シクロヘキサンジアミン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−8: 化合物A(2モル)と1,3−シクロヘキサンジアミン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−9: 化合物A(2モル)と1,4−シクロヘキサンジアミン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−10: 化合物A(2モル)とm−フェニレンジアミン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−11: 化合物A(2モル)とp−キシリレンジアミン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−12: 化合物A(2モル)と4,6−ジ(2−アミノエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノベンゼン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−13: 化合物A(2モル)と4,6−ジ(2−アミノエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノイソフタル酸ジナトリウム(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−14: 化合物A(2モル)と4,6−ジ(2−アミノエチルアミノ)−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−15:
Figure 2013181067
例示化合物1−16:
Figure 2013181067
例示化合物1−17: 化合物B(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
化合物B
Figure 2013181067
例示化合物1−18: 化合物C(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
化合物C
Figure 2013181067
例示化合物1−19: 化合物D(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
化合物D
Figure 2013181067
例示化合物1−20: 化合物A(1モル)と、化合物B(1モル)と、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−21: 化合物A(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化リチウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−22: 化合物A(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化カリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−23: 化合物A(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩に変換することで得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−24: 化合物E(2モル)と4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
化合物E: 化合物E1とE2の約1:1混合物
Figure 2013181067
例示化合物1−25: 化合物E(2モル)と4,6−ジ(2−アミノエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノイソフタル酸ジナトリウム(1モル)との比率で反応させた後に、未反応のスルホニル=クロリドを水酸化ナトリウムで加水分解し得られる、下記構造を含む反応混合物
Figure 2013181067
〔一般式(4)で表される化合物〕
Figure 2013181067
一般式(4)中、Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、又はヘテロ環基を表す。
23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。ただし、R23及びR24が共に水素原子であることはない。
21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。また、R21とR23、またはR23とR24が結合して5または6員環を形成してもよい。
25及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。但し、R25及びR29が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
26、R27、及びR28は、それぞれ独立にR21及びR22と同義であり、R25とR26、又は、R28とR29で互いに縮環していてもよい。
Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。
上記Z、Z、R21、R22、R23、R24及びQの各基は、更に置換基を有していてもよい。
但し、一般式(4)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(4)中、Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
(ハメットの置換基定数σp値)
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができ、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。
の上記電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。
σp値が0.20以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基およびσp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基が挙げられる。
として、色相及び堅牢性の観点から、好ましくはシアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、ハロゲン原子、またはシアノ基がより好ましく、シアノ基が最も好ましい。
一般式(4)中、Zは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、又はヘテロ環基を表す。
脂肪族基としては、アルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。
芳香族基としては、アリール基等が挙げられる。
また、芳香族基及び脂肪族基に該当する基として、アラルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられ、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基であることが好ましい。
置換基を有するアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基および4−スルホブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好ましく、例としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。
シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられ、イオン性親水性基であることが好ましい。
アラルキル基としては、炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましく、例としては、ベンジル基、2−フェネチル基等が挙げられる。
アラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられ、イオン性親水性基であることが好ましい。
アリール基としては、炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましく、例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aや、アミド基、スルホンアミド基、エステル基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、エステル基、又はイオン性親水性基であることが好ましい。
置換基を有するアリール基としては、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基(複素環基)としては、5員または6員環のヘテロ環基が好ましく、例としては、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基等が挙げられる。
ヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aや、アミド基、スルホンアミド基、エステル基等が挙げられ、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、エステル基およびイオン性親水性基であることが好ましい。
アシル基としては、炭素原子数が1〜12のアシル基が好ましく、例としては、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
アシル基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられ、イオン性親水性基であることが好ましい。
としては、アルキル基又はアリール基が好ましく、炭素数3〜4のアルキル基(好ましくはイソプロピル基、t−ブチル基)、フェニル基、又はピラゾール母核側から見て2位、4位または6位のいずれかに更なる置換基を有するフェニル基がより好ましく、t−ブチル基が更に好ましい。
一般式(4)中、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
脂肪族基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
芳香族基としては、アリール基等が挙げられる。
また、芳香族基及び脂肪族基に該当する基として、アラルキル基が挙げられる。
ただし、R23及びR24が共に水素原子であることはない。
アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基としては、上述のZに記載の各基が挙げられる。
各基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例も上述のZに記載の例と同様である。
アルケニル基としては、炭素原子数が5〜12のアルケニル基が好ましく、例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
アルケニル基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられ、イオン性親水性基であることが好ましい。
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、アルキニル基としては、前述の置換基群Aに記載の各基が挙げられる。
各基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられる。
23及びR24としては、色相の観点から、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、芳香族基、ヘテロ環基、スルホニル基、アシル基、またはカルバモイル基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環基、スルホニル基、またはアシル基であることがより好ましく、水素原子、芳香族基、又はヘテロ環基であることが更に好ましい。
23が、水素原子又はヘテロ環基であり、R24が芳香族基であることが特に好ましい。
ヘテロ環基としては、好ましくはベンズオキサゾリル基、又はベンゾチアゾリル基が特に好ましく、より具体的には、無置換またはスルホ基(塩の状態も含む)が置換したベンゾチアゾリル基が好ましい。
芳香族基としては、好ましくはアルキル基及びスルホ基(塩の状態も含む)から選ばれる少なくとも1つの基が置換したアリール基であり、アルキル基及びスルホ基から選ばれる少なくとも1つの基が置換したフェニル基が特に好ましい。
前記スルホ基が塩の状態である場合の対カチオンの具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(1)で表される化合物が塩となる場合の具体例及び好ましい範囲と同様である。
一般式(4)中、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。また、R21とR23、又は、R23とR24が結合して5または6員環を形成してもよい。
脂肪族基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
芳香族基としては、アリール基等が挙げられる。
また、芳香族基及び脂肪族基に該当する基として、アラルキル基が挙げられる。
21及びR22が表す上記各基は、具体的には前述の置換基群A中に記載の各基が挙げられる。
各基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられる。
21及びR22としては、合成の容易さ、耐光性、耐オゾン性の観点から、水素原子、アルキル基、カルバモイル基、又はシアノ基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルバモイル基、又はシアノ基であることがより好ましい。特に、R21が水素原子であり、R22が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基(最も好ましくはメチル基)であることが好ましい。
一般式(4)中、R25及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。R25及びR29が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子としては、具体的には前述の置換基群Aに記載の各基が挙げられる。
アルキル基、アルコキシ基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aが挙げられる。
25及びR29は耐光性、耐オゾン性の観点から、アルキル基であることが好ましく、それぞれが炭素数1〜3のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基)であることが好ましい。ただし、R25及びR29のアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であり、炭素数の合計が3以上5以下の置換されていてもよいアルキル基であることが好ましく、炭素数の合計が炭素数4以上5以下の無置換アルキル基であることがより好ましい。
一般式(4)中、R26、R27、及びR28は、それぞれ独立にR21及びR22と同義であり、R25とR26、又は、R28とR29で互いに縮環していてもよい。
26、R27、及びR28の具体例はR21及びR22の具体例と同様であり、好ましい範囲も同様であるが、R26、R27、及びR28として、水素原子、アルキル基、又はスルホ基(塩の状態も含む)が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(最も好ましくはメチル基)、又はスルホ基がより好ましい。
前記スルホ基が塩の状態である場合の対カチオンの具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(1)で表される化合物が塩となる場合の具体例及び好ましい範囲と同様である。
一般式(4)中、Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を表す。
脂肪族基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基等が挙げられる。
芳香族基としては、アリール基等が挙げられる。
また、芳香族基及び脂肪族基に該当する基として、アラルキル基が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基としては、具体的には上述のR23及びR24に記載の各基が挙げられる。
各基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例も上述のR23及びR24に記載の例と同様である。
Qは、電子求引性基又はスルホ基(塩の状態も含む)で置換された、アリール基またはヘテロ環基が好ましい。前記スルホ基が塩の状態である場合の対カチオンの具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(1)で表される化合物が塩となる場合の具体例及び好ましい範囲と同様である。
電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。
σp値が0.20以上の電子求引性基の具体例としては、上記Zに記載の電子求引性基が挙げられ、好ましくはシアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子である。
一般式(4)で表される化合物は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
前記イオン性親水性基としては、水溶性の観点から、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基より選択された少なくとも1つの基であることが好ましい。
イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、及びホスホノ基より選択された少なくとも1つの基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはスルホ基である事が最も好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが最も好ましい。
一般式(4)で表される化合物は、水溶解性の観点から、その分子内にイオン性親水性基を3つ以上6つ以下有することが好ましく、スルホ基を3つ以上6つ以下有することがより好ましく、スルホ基を3つ以上5つ以下有することが更に好ましい。
一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(4’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013181067
一般式(4’)中、Zは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、又はヘテロ環基を表す。
21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。
25及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。但し、R25及びR29が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
26、R27、及びR28は、それぞれ独立にR21及びR22と同義であり、R25とR26、又は、R28とR29で互いに縮環していてもよい。
31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はイオン性親水性基を表す。
及びMは、それぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子を表す。
上記Z、R21、R22の各基は、更に置換基を有していてもよい。
但し、一般式(4’)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
一般式(4’)中、Z、R21、R22、R25、R26、R27、R28、及びR29は、それぞれ一般式(4)中のZ、R21、R2225、R26、R27、R28、及びR29と同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
一般式(4’)中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はイオン性親水性基を表す。これらの各基の具体例は、一般式(4)中のR23及びR24において記載したものと同様である。イオン性親水性基については前述のとおりである。
31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、及びR43は、水素原子、アルキル基、又はスルホ基であることが好ましい。
一般式(4’)中、M及びMは、それぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子を表し、硫黄原子であることが好ましい。
一般式(4)で表される化合物の合成方法につき説明する。ここでは、一般式(4)で表される化合物のうち、下記一般式(4−R1)又は(4−R2)で表される化合物の製造方法について述べる。
Figure 2013181067
上記一般式(4−R1)中、Z、Z、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、各々上記一般式(4)のZ、Z、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29と同義である。Qは脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。
上記一般式(4−R2)中、Z、Z、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、各々上記一般式(4)のZ、Z、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29と同義である。Q及びQは、各々独立に、脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。
下記方法、<1>及び/又は<2>のいずれかの方法により一般式(4−R1)の化合物は得られる。
方法<1>は、(a)下記一般式(4−1)で表されるアミノピラゾールと、ジアゾ化剤とを反応させてジアゾニウム塩を形成する工程、(b)上記工程(a)で形成されたジアゾニウム塩を下記一般式(4−2)で表されるカップリング剤と反応させて、下記一般式(4−H1)で表される化合物を形成する工程、及び(c)塩基の存在下で、上記工程(b)で形成された化合物をアルキル化剤、アリール化剤又はヘテリル化剤と反応させて上記一般式(4−R1)で表される化合物を形成する工程を含む方法である。
Figure 2013181067
上記一般式(4−1)、(4−2)、及び(4−H1)中、Z、Z、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、各々上記一般式(4)のZ、Z、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29と同義である。
方法<2>は、一般式(4−R1)で表される化合物に求電子反応によって水溶性基を導入する工程を含む方法である。さらに求電子反応は下記に詳述する方法が好ましい。
方法<1>において、工程(a)で使用するジアゾ化剤としては、亜硝酸ナトリウムの希塩酸水溶液を使用するのが好ましい。また、亜硝酸イソペンチル及びニトロシル硫酸なども、ジアゾ化剤として使用することができる。
方法<1>において、工程(b)で使用するカップリング剤としては、一般式(4)で表される含窒素6員複素環カプラーを用いることが最も好ましい。一般式(4)におけるZ、Z、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、及びR29の好ましい例は、一般式(4)の場合と同じである。
方法<1>において、工程(c)で使用するアルキル化剤、アリール化剤、又はヘテリル化剤は、下記一般式(5)、(6)、(7)で表される。
Figure 2013181067
上記一般式(5)において、Rは置換されていてもよいアルキル基を表し、Xはハロゲン原子又はOSOR’を表す。R’はアルキル基又はフェニル基等のアリール基を表す。
一般式(6)において、Arは電子求引性基が置換されたフェニル基を表し、ハメットのσp値の合計が0.2以上の置換基で置換されていることが好ましい。Xはハロゲン原子又はOSOR’を表す。R’はアルキル基又はフェニル基等のアリール基を表す。
一般式(7)において、Hetは複素環を表し、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、トリアジル基及び2−フリル基が好ましい。Xはハロゲン原子又はOSOR’を表す。R’はアルキル基又はフェニル基等のアリール基を表す。
工程(c)で使用する塩基としては、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基及び、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基を使用することができる。
前記方法<2>における求電子反応としてはスルホン化、マンニッヒ反応、フリーデルクラフツ反応があり、中でもスルホン化が好ましい。
一般式(4−R1)をスルホン化する方法としては、濃硫酸、10%から60%までの発煙硫酸、クロロスルホン酸、三酸化イオウ、アミド硫酸等のスルホン化剤を用いてスルホン化することができる。また、溶剤を用いてもよく、溶剤としては、酢酸、無水酢酸、スルホラン、酢酸エチル、エーテル、四塩化炭素、アセトニトリル等を用いても良い。
一般式(4−R1)において、Q、R23、R24、R26(R28)、R27がスルホン化されることが好ましく、Q、R23、R24、R26(R28)、R27の置換基が、複数のスルホン化されうる反応点のある場合には、置換位置の異なるスルホン化された色素が混入しても良い。
この場合、主たるスルホン化された色素に対して、HPLC面積%で、0.1%から50%の範囲で置換位置の異なるスルホン化された色素が混入していても良い。反応温度(摂氏)は−5度から80度までが望ましく、さらに望ましくは10度から70度の範囲である。反応時間は30分から10時間の間が望ましく、さらに望ましくは1時間から6時間の間である。
一般式(4−R1)または一般式(4−R2)の製造方法において、前記脱酸素条件としては、反応系内を窒素、アルゴン等の不活性ガスで満たして製造することが望ましく、さらには反応液内をこれらの不活性ガスでバブリングさせることが好ましい。
方法<1>の工程(a)で使用する出発物質である一般式(4−1)で表されるアミノピラゾールは、米国特許第3,336,285号明細書及びヘテロサイクルズ(Heterocycles),20,519(1983)及び特公平6−19036号公報等に記載されている方法によって合成することができる。
方法<1>の工程(b)で用いられるピリジンカプラー(一般式(4−2)で表されるカップリング剤)は、特開昭51−83631号公報、特開昭49−74718号公報、特公52−46230号公報等に記載されている方法で合成することができる。
上述の本発明の製造方法によって、一般式(4)で表されるアゾ色素を合成することができる。本発明のアゾ色素の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。なお、下記具体例において、スルホ基は塩の状態であっても良い。
Figure 2013181067
Figure 2013181067
Figure 2013181067
Figure 2013181067
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の本発明の上記一般式(1)で表される化合物と、少なくとも一種の本発明の上記一般式(4)で表される化合物とを含有する。一般式(1)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との相乗効果により、良好な堅牢性と良好な色相とを両立することが可能となる。
本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。
本発明において、着色組成物中に含まれる本発明の化合物の含有量は、用いられる一般式(1)及び一般式(4)における置換基の種類、並びに着色組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、着色組成物中の一般式(1)で表される化合物の含有量が、着色組成物の総質量に対して0.1〜20質量%含まれることが好ましく、0.4〜10質量%含まれることがより好ましく、0.75〜6質量%含まれることが更に好ましい。
着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量を0.75質量%以上にすることで、印刷したときの記録媒体上におけるインクの発色性を良好にでき、かつ必要とされる画像濃度を確保できる。また、着色組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の合計量を20質量%以下にすることで、インクジェット記録方法に用いた場合に着色組成物の吐出性を良好にでき、しかもインクジェットノズルが目詰まりしにくい等の効果が得られる。
着色組成物中の一般式(4)で表される化合物の含有量は、色相の観点から、着色組成物の総質量に対して0.1〜18質量%含まれることが好ましく、0.15〜10質量%含まれることが更に好ましい。
着色組成物中、一般式(1)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との質量比が95/5〜5/95であることが好ましく、95/5〜10/90であることがより好ましく、95/5〜20/80であることが更に好ましい。質量比を上記範囲内とすることで、耐光性、耐オゾン性、色相のバランスの観点で好ましい。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、後述のインクジェット記録用インクに使用しうる添加剤が挙げられる。
[インクジェット記録用インク]
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明は、本発明の着色組成物を含有するインクジェット記録用インクにも関する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記本発明の化合物(混合物)を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット記録用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
浸透促進剤は、インクジェット記録用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH調整剤はインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット記録用インクがpH6〜10となる用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。なお、本発明のインクジェット記録用インクの表面張力は25〜70mN/mが好ましい。更に25〜60mN/mが好ましい。また本発明のインクジェット記録用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明の化合物を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特願平2000−78491号、同2000−80259号、同2000−62370号等の各公報に記載されるように、化合物と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特願平2000−78454号、同2000−78491号、同2000−203856号,同2000−203857号の各明細書のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の化合物を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明の化合物を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、上記特許公報等に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、前記本発明の化合物を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特願2000−87539号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。なお、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中は、前記本発明の化合物を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましく、1質量部以上6質量部以下含有するのがより好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、前記本発明の化合物とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
適用できるイエロー染料としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
適用できるマゼンタ染料としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができる。
適用できるシアン染料としては、任意のものを使用する事が出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明のインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクジェット記録方法]
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フイルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を併用してもよい。ポリマーラテックスを受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090号、同2000−315231号、同2000−354380号、同2000−343944号、同2000−268952号、同2000−299465号、同2000−297365号等の各明細書に記載された方法を好ましく用いることが出きる。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体として、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。
ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、実施例を示して本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
(合成例)
〔例示化合物1−1の合成〕
500mL三ツ口フラスコにクロロスルホン酸120g、オキシ塩化リン12.4gを加え、ここへ攪拌しながら注意深く、アシッドレッド289(中外化成製、含有率71%)19gを分割添加した後に、70℃で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後に、反応液を、2Lビーカー中に氷600gを攪拌しているところへ注意深く注ぎ、固体を析出させた。析出した固体をろ別し、10℃以下の飽和食塩水を用いて洗浄し、80.4gの化合物Aのウエットケーキを得た。
1L三ツ口フラスコに、ウエットケーキ80.4gを氷水450gを加えて、5℃以下で分散させ、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸(アクロス製、95%)3.9gを水60mL中で2N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9.0で調整し溶解させた溶液を加え、50℃に加温した。ここに2N水酸化ナトリウム水溶液でpH9に保ちながら、50℃でpH変化がなくなるまで攪拌し、さらに50℃で1時間攪拌した。
反応液をGF/Fフィルター(ワットマン製)を通して、不溶物を除去し、得られたろ過液の全重量の25重量%に相当する塩化ナトリウムを加え、室温で攪拌しながら、濃塩酸を用いてpHを4に調整し、固体を析出させた。析出した固体をろ別し、得られた固体を600mLの水に分散させ、2N水酸化ナトリウム用いて、pHを9に調整して溶解させた後に、透析チューブを用いて電気伝導度が10μS以下になるまで脱塩し、再度、塵とりのためにGF/Fフィルターを通し、得られたろ液を60℃で濃縮乾燥させて、例示化合物1−1の緑色光沢結晶17.4gを得た。
MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−3)/3]に相当する706.3(100%)、[(M−4)/4]に相当する529.5が観測された。またその他に、異なる2量体(一般式(1)におけるm=2、n=2)の[(M−3)/3]に相当する823.7、及び[(M−4)/4]に相当する617.5が観測され、3量体(一般式(1)におけるm=2、n=3)の[(M−4)/4]に相当する836.5が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは531nmであった。
〔例示化合物1−2の合成〕
250mL三ツ口フラスコにクロロスルホン酸60g、オキシ塩化リン6.2gを加え、ここへ攪拌しながら注意深く、アシッドレッド289(中外化成製、含有率71%)9.54gを分割添加した後に、70℃で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後に、反応液を、1Lビーカー中に氷300gを攪拌しているところへ注意深く注ぎ、固体を析出させた。析出した固体をろ別し、10℃以下の飽和食塩水を用いて洗浄し、化合物Aのウエットケーキを得た。
1Lビーカーに、化合物Aのウエットケーキ全量を氷水150mL中で分散させ、ここへエチレンジアミン0.30gを加え、2N水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応液のpHを9に保ちながら50℃で3時間反応させた。反応液を室温に冷却し、ワットマンGF/Fフィルターを用いて、不溶物を除去した後に、希塩酸水を用いてpHを8.5に調整した後に、透析チューブを用いて電気伝導度が10μS以下になるまで脱塩し、濃縮完固させることで例示化合物1−2の緑色光沢結晶4.2gを得た。
MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する905.5、[(M−3)/3]に相当する603(100%)、[(M−4)/4]に相当する452が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
〔例示化合物1−3の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンをピペラジン4.3gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−3の緑色光沢結晶4.3gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する918、[(M−3)/3]に相当する611(100%)、[(M−4)/4]に相当する458が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
〔例示化合物1−4の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを2,5−ジメチルピペラジン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−4の緑色光沢結晶4.1gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する932、[(M−3)/3]に相当する621(100%)、[(M−4)/4]に相当する465.5が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
〔例示化合物1−5の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1−(2−アミノエチル)ピペラジン0.65gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−5の緑色光沢結晶4.4gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する944.5、[(M−3)/3]に相当する629(100%)、[(M−4)/4]に相当する471.7が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
〔例示化合物1−6の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン)1.00gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−6の緑色光沢結晶4.9gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する975.1、[(M−3)/3]に相当する649.7(100%)、[(M−4)/4]に相当する487.1及び[(M−5)/5]に相当する389.4が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
〔例示化合物1−7の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,2−シクロヘキサンジアミン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−7の緑色光沢結晶4.0gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する932.1、[(M−3)/3]に相当する621(100%)、[(M−4)/4]に相当する465.5及び[(M−5)/5]に相当する372.2が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
〔例示化合物1−8の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,3−シクロヘキサンジアミン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−8の緑色光沢結晶4.1gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する932.1、[(M−3)/3]に相当する621(100%)、[(M−4)/4]に相当する465.5及び[(M−5)/5]に相当する372.2が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
〔例示化合物1−9の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを1,4−シクロヘキサンジアミン0.57gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−9の緑色光沢結晶4.1gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する932.1、[(M−3)/3]に相当する621、[(M−4)/4]に相当する465.5(100%)及び[(M−5)/5]に相当する372.2が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
〔例示化合物1−10の合成〕
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンをm−フェニレンジアミン0.54gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−10の緑色光沢結晶4.0gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の[(M−2)/2]に相当する929、[(M−3)/3]に相当する619(100%)、[(M−4)/4]に相当する464及び[(M−5)/5]に相当する371が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
〔例示化合物1−12の合成〕
<中間体Bの合成>
中間体B
Figure 2013181067

2Lビーカー中に、塩化シアヌル18.6g、氷水100g、及びカルソレン油4滴を加え、内温5℃以下で撹拌した。ここへN−アセチルエチレンジアミン20.4gを内温5℃以下で一度に加えた。内温5℃で2時間、室温で終夜撹拌した後に、さらに内温30℃で1時間、内温40℃で1時間、内温50℃で4時間撹拌した。析出している固体を熱時ろ別した後に、得られた白色固体を、アセトン500mL中に分散させ、室温で15分間撹拌した。固体をろ別し、アセトン200mLで洗浄した。得られた白色固体を、水800mLに室温で分散させ、ここへ2,5−ジスルホアニリンモノナトリウム塩28.9gを加えた後に、2N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9に調整した。内温を80℃に加温し、2時間反応させた後に、塩化ナトリウム250gを加え、室温まで冷却させた。濃塩酸を用いてpHを1以下に調整し、析出した固体をろ別し、得られたウエットケーキをアセトン500mL中に分散させ、室温で15分間撹拌した。固体をろ別し、アセトンで十分洗浄し、得られた結晶を40℃で真空乾燥し白色固体40.2gを得た。MSスペクトルの測定結果、中間体Bの[M−1]に相当する531が観測された。
<中間体Cの合成>
中間体C
Figure 2013181067

500mL三ツ口フラスコに、中間体B25g、水180mL、及び濃塩酸20mLを加え、95℃で6時間反応させた。反応液を50℃に冷却し、塩化ナトリウム56gを加えた後に、さらに室温まで冷却し、析出した固体をろ別した。得られた固体を水100mLに分散させ、2N水酸化ナトリウムで中和しながら溶解させ、得られた溶液にアセトン150mLを滴下した。析出した結晶をろ別し、アセトン200mLで洗浄後、60℃で送風乾燥し、中間体Cの白色結晶19gを得た。MSスペクトルの測定結果、中間体Cの[M−1]に相当する531が観測された。また元素分析の結果から得られた結晶の含率を82%と見積もった。
<例示化合物1−12の合成>
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを中間体C(含率82%)2.73gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−12の緑色光沢結晶4.7gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の [(M−3)/3]に相当する732.4[(M−4)/4]に相当する549(100%)及び[(M−5)/5]に相当する439が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは530nmであった。
〔例示化合物1−13の合成〕
<中間体Dの合成>
中間体D
Figure 2013181067

2Lビーカー中に、塩化シアヌル18.6g、氷水100g、及びカルソレン油4滴を加え、内温5℃以下で撹拌した。ここへN−アセチルエチレンジアミン20.4gを内温5℃以下で一度に加えた。内温5℃で2時間、室温で終夜撹拌した後に、さらに内温30℃で1時間、内温40℃で1時間、内温50℃で4時間撹拌した。析出している固体を熱時ろ別した後に、得られた白色固体を、アセトン500mL中に分散させ、室温で15分間撹拌した。固体をろ別し、アセトン200mLで洗浄した。得られた白色固体を、水800mLに室温で分散させ、ここへ5−アミノイソフタル酸19gを加えた後に、2N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9に調整した。内温を80℃に加温し、2時間反応させた後に、室温まで冷却させた。析出している固体をろ別し、水で十分洗浄した後に、得られたウエットケーキをアセトン500mL中に分散させ、室温で15分間撹拌した。固体をろ別し、アセトンで十分洗浄し、得られた結晶を40℃で真空乾燥し白色固体28.6gを得た。MSスペクトルの測定結果、中間体Dの[M+1]に相当する461が観測された。
<中間体Eの合成>
中間体E
Figure 2013181067

500mL三ツ口フラスコに、中間体D25g、水180mL、及び濃塩酸20mLを加え、95℃で6時間反応させた。反応液を50℃に冷却し、塩化ナトリウム56gを加えた後に、さらに室温まで冷却し、析出した固体をろ別した。得られた固体を水100mLに分散させ、2N水酸化ナトリウムで中和しながら溶解させ、得られた溶液にアセトン150mLを滴下した。析出した結晶をろ別し、アセトン200mLで洗浄後、60℃で送風乾燥し、中間体Eの白色結晶18gを得た。MSスペクトルの測定結果、中間体Eの[M−1]に相当する375が観測された。また元素分析の結果から得られた結晶の含率を88%と見積もった。
<例示化合物1−13の合成>
上記例示化合物1−2の合成におけるエチレンジアミンを中間体E(含率88%)2.13gに変更した以外は同様にして、例示化合物1−13の緑色光沢結晶4.5gを得た。MSスペクトルの測定結果、該化合物の代表構造である2量体(一般式(1)におけるm=1、n=2)の [(M−3)/3]に相当する708.6[(M−4)/4]に相当する531.2(100%)及び[(M−5)/5]に相当する424.8が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
〔例示化合物1−15の合成〕
<中間体Fの合成>
中間体F
Figure 2013181067

1L三ツ口フラスコに、2,6−ジメチルアニリン122.4g及びシクロヘキサノン47.2gを加えた。ここへ注意深く濃塩酸120mLを加えた後に、2日間還流加熱した。反応液を室温まで冷却し、水500mLを加え、濃水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを8以上に調整し、ジクロロメタンを用いて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、濃縮液へヘキサンを加えて、固体を析出させ、固体をろ別し、ろ別した固体をヘキサンで十分に洗浄し、60℃で乾燥させ、中間体Fの桃白色固体77gを得た。MSスペクトルの測定結果から、中間体Fの[M+1]に相当する323が観測された。
<中間体Gの合成>
中間体G
Figure 2013181067

1L三ツ口フラスコに2−スルホ安息香酸環状無水物100gと、レゾルシノール150gを加え、注意深く140℃まで加温した(約80℃で溶解しはじめ、約120℃で完全に溶解した。140℃付近で発熱し始め、150℃付近まで上昇した。)。140℃で約30分反応させると反応液が固化した。内温を100℃まで冷却し、水600mLを注意深く滴下することで撹拌可能にし、この反応液を、別に用意した2Lビーカー内で温水1000mLを撹拌しているところに注ぎ入れ、析出している結晶をろ別、温水5000mLで十分に洗浄し、60℃の真空乾燥器で乾燥して、中間体Gの茶色結晶119gを得た。MSスペクトルの結果から、中間体Gの[M]に相当する368が観測された。
<中間体Hの合成>
中間体H
Figure 2013181067

1L三ツ口フラスコに中間体G119g、オキシ塩化リン250gを加え、90℃に加温し、2時間反応させた。反応液を室温に冷却し、この反応液を大量の氷に注ぎ入れ、析出している結晶をろ別し、水で十分に洗浄した。得られた茶色の結晶を2500mLのジクロロメタン中で撹拌し、不溶物をろ別し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮完固し、中間体Hの黄色粉末53.4gを得た。MSスペクトルの結果から、中間体Hの[M+1]に相当する406が観測された。
<中間体Iの合成>
中間体I
Figure 2013181067

250mL三ツ口フラスコに、中間体H20.25gとスルホラン80mLを加え、室温で撹拌しているところに、注意深く塩化アルミニウム27gを加えた(内温が約60℃まで上昇した。)。内温60℃で撹拌しているところに、中間体F8.06gを添加し、続いてトリエチルアミン10.6gを滴下し、その後、内温90℃で2時間反応させた。反応液を室温に冷却し、水1L中に注ぎ入れ、析出した結晶をろ別し、水で十分に洗浄し、60℃で送風乾燥し、中間体Iの橙茶色25.7gを得た。MSスペクトルの結果、中間体Iの[M+1]に相当する1059が観測された。
<中間体Jの合成>
中間体J
Figure 2013181067

250mL三ツ口フラスコに、2,4,6−トリメチルアニリン11.4g、中間体I19.4g、塩化亜鉛4.1g及びスルホラン80mLを加え、200℃で3時間反応させた。反応液を室温に冷却し、酢酸エチル150mLを加え、別に用意したビーカー中で酢酸エチル300mLを撹拌しているところに、この反応液を注ぎ入れ、析出している結晶をろ別し、酢酸エチル、次いで水で、さらにアセトンで十分に洗浄した。得られた結晶をジクロロメタン500mL中で分散させ、結晶をろ別し、さらに、得られた結晶をメタノール500mL中で分散させ、結晶をろ別し、60℃で送風乾燥し、中間体Jの赤紫色粉末16.2gを得た。MSスペクトルの結果から中間体Jの[M−1]に相当する1251及び[(M−2)/2]に相当する625が観測された。
<例示化合物1−15の合成>
250mL三ツ口フラスコにクロロスルホン酸60g及びオキシ塩化リン6.2gを加え、ここに中間体J12.5gを分割添加した。内温を70℃まで加温して1時間反応させた後に、反応液を室温まで冷却し、この反応液を氷水300g中に注ぎ入れ、析出している結晶をろ別し、飽和食塩水で洗浄した。得られた結晶を水300mL中に分散させ、2N水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整し保ちながら内温50℃で6時間反応させた。不溶物をろ別し取り除き、pHを希塩酸を用いて8.5に調整し、透析チューブを用いて電気伝導度が10μS以下まで脱塩して、濃縮完固することで例示化合物1−15の8.9gを得た。MSスペクトルの結果、例示化合物1−15の[(M−2)/2]に相当する867.1、[(M−3)/3]に相当する577.7、及び[(M−4)/4]に相当する433.1が観測された。該化合物の水溶液中の吸収スペクトルは529nmであった。
〔化合物(2−1)〕
Figure 2013181067

〔化合物(2−2)〕
Figure 2013181067

〔化合物(2−3)〕
Figure 2013181067


〔化合物(2−4)〕
Figure 2013181067
〔化合物(2−5)〕
Figure 2013181067

〔比較化合物(AR289):C.I.アシッドレッド289〕
Figure 2013181067
但し、(AR289)は、(AR289−1)と(AR289−2)との混合物である。
化合物(1−1)の希薄水溶液での吸収極大波長は529nmであった。吸収スペクトルを図1に示す。
〔実施例1〕
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後KOH 10mol/LにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しマゼンタ用インク液を調製した。
一般式(1)の化合物(前記化合物(1−1)) 2.0g
一般式(4)の化合物(前記化合物(2−1)) 1.5g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.9g
〔実施例2〜42及び比較例1〜3〕
染料及び染料添加量を、下記表1〜2に示すように変更した以外は、実施例1のインク液の調製と同様にして、実施例2〜42及び比較例1〜3のインク液を調製した。比較用の染料としてC.I.アシッドレッド289(AR289)を用いた。
(画像記録及び評価)
以上の各実施例及び比較例のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行った。その結果を表1〜2に示した。
なお、表1〜2において、耐オゾン性、耐光性は、各インクジェット記録用インクを、インクジェットプリンター(EPSON(株)社製;PM−700C)でフォト光沢紙(EPSON社製PM写真紙<光沢>(KA420PSK、EPSON))に画像を記録した後で評価したものである。
<耐オゾン性>
シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が5±0.1ppm、室温、暗所に設定されたボックス内に、前記画像を形成したフォト光沢紙を7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
<耐光性>
記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(8万5千ルクス)を7日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。
色素残存率は、反射濃度が1、1.5及び2.0の3点で測定した。いずれの濃度においても色素残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満の場合をB、すべての濃度で80%未満の場合をCとして三段階で評価した。
<色相>
色相については、目視にて最良、良好及び不良の3段階で評価した。評価結果を下記表1に示す。下記表1中、Aは色相が最良、Bは良好であったことを示し、Cは色相が不良であったことを示す。
<耐湿性>
インクジェット記録の際、チェック柄のパターン(濃度100%と0%の1.5mm角を有する正方形を交互に組み合わせたパターン)を作成し、コントラストの高いマゼンタ−ホワイトのチェック柄の印画物を得た。印画後、24時間乾燥を行ったチェック柄の印画物を80℃70%RHの条件で3日間放置し、着色部分からホワイト部分へのにじみの程度を目視で評価し、ほとんどにじまない場合をA、ややにじむ場合をB、明らかににじむ場合をCとして、三段階で評価した。
Figure 2013181067
Figure 2013181067
表1〜2の結果から明らかなように、本発明の着色組成物を用いた実施例のインクは、耐オゾン性、耐光性、色相、耐湿性共に、比較例のインクと比較して極めて高い性能を有していることがわかる。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを含む着色組成物。
    Figure 2013181067

    (一般式(1)中、Lは、2〜4価の連結基を表す。
    Dは、一般式(2)で表される化合物から水素原子を1〜5個取り除いた残基を表す。
    mは、1〜10の整数を表す。但し、複数のLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    nは、2〜10の整数を表す。但し、複数のDは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    一般式(2)中、R〜R24はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
    但し、少なくとも1個以上のイオン性親水性基を有する。)
    Figure 2013181067

    一般式(4)中、Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。
    は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、又はヘテロ環基を表す。
    23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。ただし、R23及びR24が共に水素原子であることはない。
    21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。また、R21とR23、またはR23とR24が結合して5または6員環を形成してもよい。
    25及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。但し、R25及びR29が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらは更に置換されていてもよい。
    26、R27、及びR28は、それぞれ独立にR21及びR22と同義であり、R25とR26、又は、R28とR29で互いに縮環していてもよい。
    Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表す。
    上記Z、Z、R21、R22、R23、R24及びQの各基は、更に置換基を有していてもよい。
    但し、一般式(4)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
  2. 前記一般式(2)中、R、R、R及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す、請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記一般式(2)中、R〜R、R10〜R12及びR14〜R23は水素原子を表す、請求項1又は2に記載の着色組成物。
  4. 前記一般式(1)中、Dは一般式(2)で表される化合物のR〜R、R10〜R12及びR24としての水素原子から、水素原子を1個取り除いた残基を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色組成物。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物が、
    一般式(3)で表される化合物をクロロスルホニル化する工程、
    一般式(d)で表されるジアミン化合物と反応させる工程、
    残存するクロロスルホニル基を加水分解する工程、を含む合成方法により合成される化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色組成物。
    Figure 2013181067


    (一般式(3)中、R〜R23はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
    一般式(d)中、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。)
  6. 前記一般式(4)におけるイオン性親水性基が、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基、及び4級アンモニウム基より選択された少なくとも1つの基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色組成物。
  7. 前記一般式(4)中、R23及びR24がそれぞれ独立に、水素原子、芳香族基、又はヘテロ基を表す請求項1〜9のいずれか一項に記載の着色組成物。
  8. 一般式(1)で表される化合物の含有率が0.1〜20質量%である請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色組成物。
  9. 一般式(4)で表される化合物の含有率が1〜5質量%である請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色組成物。
  10. 一般式(1)で表される化合物の含有量と、一般式(4)で表される化合物の合計の含有量との質量比が95/5〜20/80である請求項1〜9のいずれか一項に記載の着色組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の着色組成物、又は請求項11に記載のインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法。
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