JP2013180665A - 車載用インバータケース - Google Patents

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智孝 米満
Yoshifumi Fukuda
好史 福田
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Abstract

【課題】床や天井との接触に起因する変形を防止する。
【解決手段】車載用インバータケースは、上下に開口部が形成された鋳造品から成るケース本体11と、ケース本体11の上側の開口部11aを閉塞する上側蓋12と、ケース本体11の下側の開口部を閉塞する下側蓋13とを備える。上面が上側蓋12の天面より上方に突出する上側プロテクタ16と、下端縁が下側蓋13の底面より下方に突出する下側プロテクタ26と、がケース本体11に取付けられる。プロテクタ26に把持部17cが形成される。プロテクタは、ケース本体11に固定されるプロテクタ本体17と、プロテクタ本体17に掛け合わせ可能に構成された持ち手治具18とを有し、プロテクタ本体17に掛け合わされた持ち手治具18のプロテクタ本体17からの離脱を防止する離脱防止具21を更に備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に搭載される動力用電池と電動発電機との間に電気エネルギを双方向に変換伝達するインバータに関する。更に詳しくは、そのようなインバータに用いられる車載用インバータケースに関するものである。
近年、燃料の価格が高騰し、燃料を効率的に利用することができるハイブリッド自動車に大きい期待が寄せられている。このようなハイブリッド自動車には、動力用電池とともに、その動力用電池と電動発電機との間に電気エネルギを双方向に変換伝達するインバータが搭載される。この車載用インバータは、自動車の加速時に電池の直流出力電流を電動機を駆動するための多相交流に変換し、自動車の制動時に発電機から発生する多相交流を電池の充電に適する直流電流に変換する装置である。このようなインバータは、インバータケースの内部に複数の半導体スイッチ回路および巻線部品を収容して成り、その交流側の端子電圧も相応に高電圧であるけれども、インバータは機械的には静的な装置であり可動部分がないと言うものである。
一方、ハイブリッド自動車に搭載される電池およびインバータは、相応に高い信頼性を有する設計になっているものの、自動車の全寿命期間にわたり無保守で利用することができるようにはなっていない。すなわち自動車の修理工場あるいは整備工場で、電池およびインバータについて、その実装構造は作業者がアクセスして必要な保守作業を行うことができる形態としなければならない。このため、自動車フレームの側方に、上下2段の細長い搭載棚をその長手方向が自動車の長手方向になるように取付け、その上段に電池を搭載し、下段にインバータを搭載する車載電源装置の搭載構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この搭載構造であれば、保守作業に際して、電池およびインバータその他に対して、自動車の側方からアクセスすることが容易になるとしている。即ち、電池は上方からアクセスする必要性を配慮して上段に配置し、インバータはかりに一部の部品を交換する可能性があるとしても、それぞれの部品は電池より軽量であるから、側方からアクセスすることが可能であるとしている。
特開2008−80930号公報
しかし、このような車載電源装置であるインバータに着目すると、このインバータは、自動車の組み立てにあって、フレームの細長い空間にその側方から挿入されて固定されることになる。ここで、このインバータの取付け箇所は、自動車に設けられた細長い搭載棚であるので、このインバータの取付け作業にあっては、そのインバータの下面が搭載棚の床面に接触してみたり、その収容箇所の天井に上面が接触したりすることが考えられる。
ここで、このようなインバータにおけるケースは、上下に開口部が形成された鋳造品から成るケース本体と、そのケース本体の上側の開口部を水密に閉塞する上側蓋と、そのケース本体の下側の開口部を水密に閉塞する下側蓋とを備えるものが知られている。このようなインバータケースでは、ケース本体自体は比較的堅牢であっても、その上側蓋及び下側蓋自体は比較的薄い鋼板を打ち抜き加工して得られた外力に対して比較的脆弱ないわゆる板金ものである。このため、このインバータの取付け作業中にそのインバータの下面や上面が床や天井と接触すると、その比較的脆弱な蓋部分が変形し、その蓋による水密構造が破壊されるおそれがある。
本発明の目的は、床や天井との接触に起因する変形を防止し得る車載用インバータケースを提供することにある。
本発明は、上下に開口部が形成された鋳造品から成るケース本体と、ケース本体の上側の開口部を閉塞する上側蓋と、ケース本体の下側の開口部を閉塞する下側蓋とを備えた車載用インバータケースの改良である。
その特徴ある構成は、上面が上側蓋の天面より上方に突出する上側プロテクタと、下端縁が下側蓋の底面より下方に突出する下側プロテクタとがケース本体に取付けられたところにある。
この場合、上側プロテクタと下側プロテクタのいずれか一方又は双方に上側蓋又は下側蓋との間に所定の隙間を有しつつ上側蓋又は下側蓋と平行な把持部を形成することが好ましい。また、上側プロテクタと下側プロテクタのいずれか一方又は双方が、ケース本体に固定されて上面又は下面が上側蓋の天面又は下側蓋の底面より上方又は下方に突出する本体部と、本体部に掛け合わせ可能に構成された持ち手治具とを有することが好ましく、本体部に掛け合わされた持ち手治具の本体部からの離脱を防止する離脱防止具を更に備えることが好ましい。更に、上側プロテクタと下側プロテクタのいずれか一方又は双方がケース本体に一体的に形成されて取付けられることが好ましい。
本発明の車載用インバータケースでは、ケース本体が比較的堅牢な鋳造品であるので、自動車の組み立てにあって、この車載用インバータケースの周囲を形成するケース本体が自動車のフレーム等の他の部材に衝突したとしても、このケース本体に支障は生じない。また、このケース本体には上面が上側蓋の天面より上方に突出する上側プロテクタを取付けたので、この車載用インバータケースの上部に天井が接触しようとすると、その上側プロテクタが先に接触して上側蓋に天井が直接接触することを防止する。
同様に、このケース本体には下面が下側蓋の天面より下方に突出する下側プロテクタを取付けたので、この車載用インバータケースの下部に自動車のフレーム等の床が接触しようとすると、その下側プロテクタが先に接触して下側蓋にその床が直接接触することを防止する。ここで、これらの各プロテクタは比較的堅牢なケース本体に取付けられているので、これらの各プロテクタに天井や床が接触しても、ケース本体に支障を生じさせることはない。そして、上側蓋や下側蓋にあっては、天井や床が直接接触することがないので、その上側蓋や下側蓋が変形するようなことはない。よって、本発明の車載用インバータケースは、床や天井との接触に起因する変形を防止することができるものとなる。
そして、プロテクタに把持部を形成するか、或いはケース本体に固定された本体部に掛け合わせ可能な持ち手治具を有するようにすれば、このインバータケースを用いたものを、その把持部又は持ち手治具をその手に把持して移動等することができるので、その取り扱いが容易になる。このため、本発明の車載用インバータケースでは、作業員の取り扱いを良くすることができる。そして、持ち手治具の本体部からの離脱を防止する離脱防止具を更に備えるようにすれば、運搬等の途中でその持ち手治具が外れるようなことを回避し得るので、作業員の安全性を確保することもできる。
ここで、ケース本体は鋳造品であるので、その鋳造時に上側プロテクタや下側プロテクタをそのケース本体に一体的に形成するようにすれば、そのプロテクタのケース本体への取付けを容易にすることもできる。
本発明実施形態の車載用インバータケースの分解斜視図である。 その上側プロテクタを示す拡大斜視図である。 そのケースを有するインバータが床と天井の間に挿入された状態を示す正面図である。 その別の下側プロテクタを示す拡大斜視図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の車載用インバータケース10は、上下に開口部(図1では上側の開口部11aのみ示す。)が形成された鋳造品から成るケース本体11と、そのケース本体11の上側の開口部11aを閉塞する上側蓋12と、ケース本体11の下側の開口部を閉塞する下側蓋13とを備える。
ケース本体11は鋳造により上下に開口部11aを有する方形の筒状に形成される。このケース本体11は、内部に複数の半導体スイッチ回路および巻線部品を収容するものであり、図示しないが、内部にはこのような回路が形成された回路基板を取付けるための取付片が複数形成される。このケース本体11は方形を成すけれども、その内の2つの角部に切り欠き部11b,11cが形成され、この切り欠き部11b,11cにはコネクタ9(図3)が取付けられる孔11dが形成される。この孔11dに取付けられるコネクタ9(図3)は、内部における回路と外部の回路を接続するものとして使用される。そして、ケース本体11の上面は上側蓋12が密着するように平面加工され、上側蓋12を取付けるための図示しない雌ねじ孔が複数形成される。また、ケース本体11の下面にあっても下側蓋13が密着するように平面加工され、下側蓋13を取付けるための図示しない雌ねじ孔が複数形成される。
このようなケース本体11の上側の開口部11aを閉塞する上側蓋12は、ケース本体11の外径に相応する外径を有し、比較的薄い鋼板を板金加工することにより作られる。この上側蓋12は、ケース本体11内部に収容される半導体スイッチ回路部品との干渉を回避するための上方に向かう凸部12aが板金加工時に一体的に形成される。また、図示しないが、この上側蓋12には、この上側蓋12をケース本体11に取付けるためのネジ孔が周囲に形成される。上側蓋12の周囲は接着剤を介してケース本体11の上面周囲に重合され、図示しないネジ孔に挿通された小ネジをケース本体11の雌ねじ穴に螺合することにより、ケース本体11に水密に取付けられる。
また、ケース本体11の下側の開口部を閉塞する下側蓋13は、ケース本体11の外径に相応する外径を有し、比較的薄い鋼板を板金加工することにより作られる。この下側蓋13は、ケース本体11内部に収容される半導体スイッチ回路部品との干渉を回避するための下方に向かう凹部13aが板金加工時に一体的に形成される。また、図示しないが、この下側蓋13には、この下側蓋13をケース本体11に取付けるためのネジ孔が周囲に形成される。下側蓋13の周囲は接着剤を介してケース本体11の下面周囲に重合され、図示しないネジ孔に挿通された小ネジをケース本体11の雌ねじ穴に螺合することにより、ケース本体11に水密に取付けられる。
また、本発明の車載用インバータケース10は、上側プロテクタ16と下側プロテクタ26を備える。上側プロテクタ16を先に説明すると、この上側プロテクタ16は、ケース本体11に固定されたプロテクタ本体17と、そのプロテクタ本体17に掛け合わせ可能に構成された持ち手治具18とを有する。図2に詳しく示すように、プロテクタ本体17は、ケース本体11に所定の間隔をあけて実際に取付けられる一対の取付部17a,17aと、その一対の取付部17a,17aの互いに対向する内側端縁から起立してケース本体11から離れるように形成された一対の起立部17b,17bと、その一対の起立部17b,17bの突出端を連結して上側蓋12との間に所定の隙間を有しつつその上側蓋12と平行に設けられた把持部17cとを有する。
図1に戻って、このプロテクタ本体17は比較的堅牢な鋳造品から成り、一対の取付部17a,17aには、このプロテクタ本体17をケース本体11に取付けるための取付孔17dがそれぞれ形成される。また、この取付孔17dに対向する上側蓋12の周囲にはこの取付孔17dに挿通されたボルト19が通過可能な通過孔12bが形成され、ケース本体11にはこの通過孔12bを通過したボルト19が螺合する雌ねじ穴11eが形成される。そして、プロテクタ本体17を上側蓋12の周囲上方から取付部17aを接触させて、その取付孔17d及び通過孔12bにボルト19を挿通して雌ねじ穴11eに螺合することにより、図2に示すように、この上側プロテクタ16のプロテクタ本体17は、その上側蓋12を挟んだ状態でケース本体11に堅牢に取付けられる。
図1に示すように、この上側プロテクタ16のプロテクタ本体17は、ケース本体11の上面における両側にそれぞれ取付けられる。また、図2及び図3に示すように、このプロテクタ本体17における把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dは、上側蓋12の凸部12aの高さh1(図3)との関係で、ケース本体11に固定されたプロテクタ本体17の上面がその凸部12aの高さh1(図3)より高くなるように形成される。即ち、上側プロテクタ16を構成してケース本体11に固定されたプロテクタ本体17の上側蓋12からの高さH1を凸部12aの高さh1より高くして、プロテクタ本体17の上面が上側蓋12の天面より上方に突出するように構成される。
図1及び図2に戻って、このプロテクタ本体17に掛け合わせられる持ち手治具18は、作業員がその手で把持可能な長円状又は楕円状の孔を有する取っ手部18aと、その取っ手部18aに一端が連結する連結部18bと、その連結部18bの他端から略直角に折曲がった平板状の挿入部18cとを有する。挿入部18cはプロテクタ本体17における把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dより僅かに薄い板状に形成され、その幅wは一対の起立部17b,17bの間隔Wよりも僅かに狭く形成される。これにより、この挿入部18cはプロテクタ本体17における把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dに挿入可能に構成され(図2)、この隙間に挿入部18cを挿入させた状態で取っ手部18aを把持する作業者がこの持ち手治具18を持ち上げることにより、この持ち手治具18が掛け合わされたプロテクタ本体17と共に本発明のインバータケース10の全体を持ち上げることができるように構成される。
プロテクタ本体17における把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dに挿入部18cを挿入することにより、この持ち手治具18はそのプロテクタ本体17に掛け合わされ、この持ち手治具18には、この持ち手治具18のプロテクタ本体17からの離脱を防止する離脱防止具21が備えられる。この実施の形態における離脱防止具は把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dを通過した挿入部18cに離脱可能に装着されるピン状物21であって、図では大径部21aと小径部21bが同軸に連続して形成されたものを示す。そして、図2に示すように、把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dを通過した挿入部18cには、その小径部21bが挿入可能な挿入孔18dが形成される。この挿入孔18dに挿入される小径部21bの長さは挿入部18cの厚さ未満に形成され、この挿入部18cに挿入された小径部21bがその挿入孔18dを通過して、先端が上側蓋12に接触することを防止する。
それと共に、小径部21bを挿入孔18dに挿入させたピン状物21は、その挿入部18cが把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dから抜き出されようとすると、その大径部21aが把持部17cに当接して、その抜き出しを禁止する。これにより、離脱防止具であるこのピン状物21は、プロテクタ本体17に掛け合わされた持ち手治具18のプロテクタ本体17からの離脱を防止するように構成される。その一方でピン状物21を挿入孔18dから抜き出すと、持ち手治具18における挿入部18cの、把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dからの抜き出しが可能になり、このインバータケース10を用いたインバータ装置の搬送時以外の時に、この持ち手治具18が邪魔になるようなことを防止する。
図1に戻って、次に下側プロテクタ26を説明する。この下側プロテクタ26は上側プロテクタ16と基本的に同一構造であり、この下側プロテクタ26は、上側プロテクタ16におけるプロテクタ本体17と同一構造のものから成る。即ち、この下側プロテクタ26は、ケース本体11に所定の間隔をあけて実際に取付けられる一対の取付部27a,27aと、その一対の取付部27a,27aの互いに対向する内側端縁から起立してケース本体11から離れるように形成された一対の起立部27b,27bと、その一対の起立部27b,27bの突出端を連結して上側蓋12との間に所定の隙間を有しつつその上側蓋12と平行に設けられた把持部27cとを有する。
この下側プロテクタ26は比較的堅牢な鋳造品から成り、一対の取付部27a,27aには、この下側プロテクタ26をケース本体11に取付けるための取付孔27dがそれぞれ形成される。また、この取付孔27dに対向する下側蓋13の周囲にはこの取付孔27dに挿通されたボルト19が通過可能な通過孔13bが形成され、ケース本体11にはこの通過孔13bを通過したボルト19が螺合する雌ねじ穴が形成される。そして、下側プロテクタ26を下側蓋13の周囲上方から取付部27aを接触させて、その取付孔27d及び通過孔13bにボルト19を挿通して雌ねじ穴に螺合することにより、この下側プロテクタ26は、その下側蓋13を挟んだ状態でケース本体11に堅牢に取付けられる。
また、この下側プロテクタ26は、ケース本体11の下面における両側にそれぞれ取付けられる。また、図2及び図3に示すように、この下側プロテクタ26における把持部27cと下側蓋13との間の所定の隙間は、下側蓋13の凹部13aの高さh2(図3)との関係で、ケース本体11に固定された下側プロテクタ26の下面がその凹部13aの高さh2(図3)より高くなるように形成される。即ち、上側プロテクタ16を構成してケース本体11に固定された下側プロテクタ26の下側蓋13からの高さH2を凹部13aの高さh2より高くして、下側プロテクタ26の下面が下側蓋13の底面より下方に突出するように構成される。
このように構成されたインバータケース10では、ケース本体11が比較的堅牢な鋳造品であるので、自動車の組み立てにあって、この車載用インバータケース10の周囲を形成するケース本体11が自動車のフレーム等の他の部材に衝突したとしても、このケース本体11に支障は生じない。そして、図3に示すように、このケース本体11には上面が上側蓋12の天面より上方に突出する上側プロテクタ16を取付けたので、この車載用インバータケース10の上部に天井8が接触しようとすると、その上側プロテクタ16が先に接触して上側蓋12に天井8が直接接触することを防止する。これにより、その上側蓋12の変形等を防止することができる。
また、このケース本体11には下面が下側蓋13の天面より下方に突出する下側プロテクタ26を取付けたので、この車載用インバータケース10の下部に自動車のフレーム等の床7が接触しようとすると、その下側プロテクタ26が先に接触して下側蓋13にその床7が直接接触することを防止する。このため、このケース10を床7に置くこともでき、その場合であっても、その下側蓋13に床7が直接接触することはない。そして、これらの各プロテクタ16,26は比較的堅牢なケース本体11に取付けられているので、これらの各プロテクタ16,26に他の部材が接触しても、ケース本体11が変形等することもない。よって、本発明の車載用インバータケース10は、床7や天井8との接触に起因する変形を防止することができるものとなる。
そして、把持部17cと上側蓋12との間の所定の隙間dに作業員の手が挿入可能なものであれば、このインバータケース10を用いた製品を作業員が運搬等する際に実際に把持する部分としてこの把持部17cを使用することにより、その作業員における取り扱いを容易にすることができる。このため、作業員の把持する部分がないことに起因して、その運搬作業中にコネクタ9等を作業員が誤って把持してしまうような事態を有効に回避することができる。
また、その把持部17cが把持不能であったとしても、そのプロテクタ本体17に持ち手治具18を掛け合わせ、このインバータケース10を用いた製品を作業員が運搬等する際に、その持ち手治具18を実際に把持するようにすれば、その作業員における取り扱いを確実に容易にすることができる。そして、持ち手治具18のプロテクタ本体17からの離脱を防止する離脱防止であるピン状物21を更に備えたので、運搬等の途中でその持ち手治具18がプロテクタ本体17から外れるようなことを回避し得る。よって、作業員の運搬等の作業時における安全性を確保することもできる。
なお、上述した実施の形態では、上側プロテクタ16がプロテクタ本体17と持ち手治具18から成り、そのプロテクタ本体17と同一構造の下側プロテクタ26を説明したけれども、図4に示すように、下側プロテクタ26がプロテクタ本体27と持ち手治具28から成るものとしても良い。この図4に示す持ち手治具28は、作業員がその手で把持可能な長円状又は楕円状の孔を有する取っ手部28aと、その取っ手部28aに一端が連結する連結部28bと、その連結部28bの他端から略直角に折曲がった平板状の挿入部28cとを有する。挿入部28cはプロテクタ本体27における把持部27cと下側蓋13との間の所定の隙間に挿入可能に構成され、この隙間に挿入部28cを挿入させた状態で、この持ち手治具28はそのプロテクタ本体27に掛け合わされることになる。すると、このインバータケース10を用いた製品を作業員が運搬等する際に、下側プロテクタ26のプロテクタ本体27に持ち手治具28を掛け合わせ、その持ち手治具28を把持して作業することにより、その作業員における取り扱いを容易にすることができる。
また、図4に示すこの持ち手治具28には、この持ち手治具28のプロテクタ本体27からの離脱を防止する離脱防止具21が備えられる。この離脱防止具は、大径部21aと小径部21bが同軸に連続して形成されたピン状物21から成るものを示す。そして、把持部27cと下側蓋13との間の所定の隙間に挿入部28cを挿入させた状態で、把持部27cと挿入部28cには、その小径部21bが挿入可能な取付孔27dと挿入孔28dが同軸に形成される。そして、小径部21bを取付孔27dと挿入孔28dに挿入させたピン状物21は、把持部27cと挿入部28cがずれることを禁止して、プロテクタ本体27に掛け合わされた持ち手治具28のプロテクタ本体27からの離脱を防止するように構成される。その一方でピン状物21を取付孔27dと挿入孔28dから抜き出すと、持ち手治具28における挿入部28cの、把持部27cと下側蓋13との間の所定の隙間からの抜き出しが可能になり、このインバータケース10を用いたインバータ装置の搬送時以外の時に、この持ち手治具28が邪魔になるようなことを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、大径部21aと小径部21bが同軸に連続して形成されたピン状物21から成る離脱防止具を説明したけれども、この離脱防止具はこのピン状物21に限定されない。この離脱防止具は、プロテクタ本体17,27に掛け合わされた持ち手治具18,28のプロテクタ本体17,27からの離脱を防止しうる限り、例えば、持ち手治具18の挿入部18cに螺合可能なネジ部材等であっても良い。
更に、上述した実施の形態では、ボルト19を用いて、上側プロテクタ16のプロテクタ本体17と下側プロテクタ26をケース本体11に取付ける場合を説明したけれども、ケース本体11は鋳造品であるので、図示しないが、そのケース本体11の鋳造時に、上側プロテクタ16と下側プロテクタ26のいずれか一方又は双方をそのケース本体11に一体的に形成するようにしても良い。このように、上側プロテクタ16と下側プロテクタ26のいずれか一方又は双方を鋳造によりそのケース本体11に一体的に取付けるようにすれば、ボルト19を用いたプロテクタ16,26のケース本体11への取付け作業が無くなって、その取付け作業を容易にすることが可能となる。
10 車載用インバータケース
11 ケース本体
11a 開口部
12 上側蓋
13 下側蓋
16 上側プロテクタ
17 プロテクタ本体
17c 把持部
18 持ち手治具
21 ピン状物(離脱防止具)
26 下側プロテクタ

Claims (5)

  1. 上下に開口部が形成された鋳造品から成るケース本体(11)と、前記ケース本体(11)の上側の開口部(11a)を閉塞する上側蓋(12)と、前記ケース本体(11)の下側の開口部を閉塞する下側蓋(13)とを備えた車載用インバータケースにおいて、
    上面が前記上側蓋(12)の天面より上方に突出する上側プロテクタ(16)と、下端縁が前記下側蓋(13)の底面より下方に突出する下側プロテクタ(26)と、が前記ケース本体(11)に取付けられた
    ことを特徴とする車載用インバータケース。
  2. 上側プロテクタ(16)と下側プロテクタ(26)のいずれか一方又は双方に上側蓋(12)又は下側蓋(13)との間に所定の隙間を有しつつ前記上側蓋(12)又は前記下側蓋(13)と平行な把持部(17c)が形成された請求項1記載の車載用インバータケース。
  3. 上側プロテクタ(16)と下側プロテクタ(26)のいずれか一方又は双方が、ケース本体(11)に固定されて上面又は下面が上側蓋(12)の天面又は下側蓋(13)の底面より上方又は下方に突出するプロテクタ本体(17)と、前記プロテクタ本体(17)に掛け合わせ可能に構成された持ち手治具(18)とを有する請求項1又は2記載の車載用インバータケース。
  4. プロテクタ本体(17)に掛け合わされた持ち手治具(18)の前記プロテクタ本体(17)からの離脱を防止する離脱防止具(21)を更に備える請求項3記載の車載用インバータケース。
  5. 上側プロテクタ(16)と下側プロテクタ(26)のいずれか一方又は双方がケース本体(11)に一体的に形成されて取付けられた請求項1ないし4いずれか1項に記載の車載用インバータケース。
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