JP2013180354A - ワイヤソーおよびワイヤソー用ダクト装置 - Google Patents

ワイヤソーおよびワイヤソー用ダクト装置 Download PDF

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【課題】加工液の周囲への飛散を防止するとともに、加工液を切断部分に十分に供給して切断性能を向上させることが可能なワイヤソーおよびワイヤソー用のダクト装置を提供する。
【解決手段】ワイヤソー20は、加工液Sを供給する加工液供給装置29と、走行中のワイヤ26に対してワークWを相対的に移動させるシリンダ37と、加工液供給装置29に接続されワークWに近接配置されておりワイヤ26が通過する第2加工液供給空間S2を有するとともにワイヤ26の走行方向における上流側からワークWが切断される部分に向けて加工液Sを供給して第2加工液供給空間S2におけるワークW近傍に静圧を生じさせるダクト部材40と、を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体材料等を切断するために用いられるワイヤソーおよびワイヤソー用ダクト装置に関する。
近年、例えば、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よりなるワークを、走行するワイヤにより切断するワイヤソーが用いられている。
例えば、特許文献1には、走行中のワイヤに遊離砥粒を油剤に混ぜた加工液を供給して付着させたワイヤをワークに押し当てることで半導体材料等の被切断部材を所望の形状に切断するワイヤソーにおいて、ワイヤソーの切断精度および切断能率を向上させるために、加工液供給ノズルの真下に縦形の加工液貯蔵部と水平方向に加工液を流出させるスリット状の流出孔とを有する水平な整流部が連続した逆T字形のスリットノズルをワイヤが被切断部材に入る直前に配置した脆性材料の切断装置について開示されている。
特開平5−212720号公報(平成5年8月24日公開)
しかしながら、上記従来の切断装置では、以下に示すような問題点を有している。
上記公報に開示された切断装置では、単に、逆T字状のスリットノズルをワイヤが被切断部材に入る直前に配置することで、ワイヤが被切断部材に入っていく直前まで確実に加工液をワイヤに付着させ、ワイヤによって切断部に加工液を引き込むことを意図して構成されたものである。このため、ワイヤに付着した加工液が被切断部材の対向面に衝突して周囲に飛散してしまうことについては何ら考慮されておらず、こういった加工液の飛散や、ワイヤの走行によって切断部に加工液を引き込むだけでは引き込み力が充分でないといった理由により、充分な量の加工液が切断部に入らないという問題点がある。
また、引用文献1では、逆T字状のスリットノズル内の空間の圧力を上昇させることまでは想定されていない。
本発明の課題は、加工液の周囲への飛散を防止するとともに、加工液をワークの切断溝に十分に供給して切断性能を向上させることが可能なワイヤソーおよびワイヤソー用のダクト装置を提供することにある。
第1の発明に係るワイヤソーは、走行するワイヤに加工液を供給しながら、ワークを前記ワイヤに押し付けて切断するワイヤソーであって、加工液供給部と、移動機構と、を備えている。加工液供給部は、ワイヤの走行方向における上流側から走行中のワイヤに対して加工液を供給する。移動機構は、走行中のワイヤに対してワークを相対的に移動させる。加工液供給部は、加工液圧送装置と、ダクト部材と、を有している。加工液圧送装置は、加工液を圧送する。ダクト部材は、ワイヤがその内部を通過するとともに、その先端部がワークに近接して配置され、接続された加工液圧送装置から圧送された加工液をワイヤとワークの対向面との接触部に供給する。
ここでは、走行中のワイヤに加工液を供給して付着させた状態でワイヤとワークとを接触させてワークを切断するワイヤソーにおいて、加工液圧送装置とダクトとによって加工液を、ワイヤがワークの対向面と接触し、ワークに引き込まれて切断を開始する切断開始点に供給することで、切断開始点の周囲に圧力をかける構造を採用している。
さらに、走行するワイヤに付着した加工液がワークの対向面と衝突した際に、ダクト部材内部を圧送されて供給される加工液によって飛散を抑えられ、ダクト部材の内部空間内へ閉じ込められる。
これにより、切断開始点近傍に、局所的に加工液の圧力の高い局所圧上昇部分が形成される。
この結果、ワイヤがワークの切断を開始する切断開始点の周囲にかけられた圧力と、切断開始点近傍に生じた局所圧によって、切断開始点近傍の加工液は、ワイヤによって形成されるワークの切断溝内に押し込まれ、従来よりも多くの加工液を効果的に供給することができ、切断性能を向上させることができる。さらに、加工液の周囲への飛散が抑制され、ワークや加工室内が汚損したりすることもない。
第2の発明に係るワイヤソーは、第1の発明に係るワイヤソーであって、ダクト部材の先端部から突出したフランジ部を、さらに備えている。
ここでは、ダクト部材におけるワークとの近接部分に、ダクト部材の先端部から突出したフランジ部を設けている。
これにより、ワークとダクト部材との間からの加工液の漏れが抑制され、切断開始点付近における加工液の圧力が高まるので、従来のワイヤソーよりも効果的に加工液を、ワークの切断溝の内部まで入り込ませることができる。この結果、加工液の周囲への飛散を防止するとともに、加工液を切断溝に十分に供給することで切断性能を向上させることができる。
また、ワークとダクト部材との間から漏れ出した加工液はフランジの背後(上流側)に落下してワイヤ列の外側から回収され、ワークや加工室内が汚損することを防止することができる。
第3の発明に係るワイヤソーは、第2の発明に係るワイヤソーであって、フランジ部は、ワークの対向面に対して平行に配置されている。
ここでは、加工液の漏れ出しを防止するためにダクト部材の先端部に設けられたフランジ部を、ワークの対向面に対して平行に設けている。
これにより、ダクト部材の先端とワークがダクト部材に対向する対向面との隙間から加工液がより漏れにくくなり、加工液の飛散をより効果的に抑制することができる。
第4の発明に係るワイヤソーは、第2または第3の発明に係るワイヤソーであって、フランジ部は、ダクト部材と同一の素材によって形成されている。
これにより、ダクト部材の先端部を折り曲げることによってフランジを形成可能であり、製造が容易となる。
第5の発明に係るワイヤソーは、第1から第4の発明のいずれか1つに係るワイヤソーであって、ダクト部材の先端部に、弾性体あるいはベローズ(蛇腹)からなるシール部材を設けている。
ここでは、加工液の漏れ出しをさらに抑制するために、ダクト部材の先端部に設けたシール部材を、ゴム等の弾性部材あるいはベローズ(蛇腹)によって形成している。
これにより、ワークの多少の形状変化等にも対応可能となり、ダクト部材の先端部とワークの対向面との間の隙間から加工液が漏れ出してしまうことをより効果的に抑制することができる。また、ワークに対してダクト部材を設置する際に、ワークの対向面とダクト部材の先端部との距離を厳密に合わせなくても、シール部材やベローズによって設置後に調整することができる。
第6の発明に係るワイヤソーは、第5の発明に係るワイヤソーであって、シール部材はワークに接触している。
接触により、ダクト部材の先端部とワークの対向面との間の隙間から加工液が漏れ出してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。
第7の発明に係るワイヤソーは、第1から第6の発明のいずれか1つに係るワイヤソーであって、ダクト部材の先端部とワークの対向面との間の隙間の大きさは可変である。
これにより、隙間を調整することにより、切断開始点近傍に生じる圧力を変えることができるので、より切断に適した量の加工液を、切断溝に供給することができる。
第8の発明に係るワイヤソーは、第1から第7の発明のいずれか1つに係るワイヤソーであって、ダクト部材の先端部とワークの対向面との間の隙間は、9mm以下である。
ここでは、ワークとダクト部材との近接部分におけるダクト部材の先端とワーク対向面との距離が9mm以下になるように、ダクト部材を配置している。
これにより、ダクト部材の先端とワークの対向面との間の隙間から加工液が漏れ出してしまうことを効果的に抑制して、ワークの内部まで十分に加工液を供給することでワイヤソーの切断効率を向上させることができる。この結果、例えば、ワイヤの消費量を10%程度低減することができる。
第9の発明に係るワイヤソーは、第1から第7の発明のいずれか1つに係るワイヤソーであって、ダクト部材の先端部とワークの対向面との間の隙間は、7mm以下である。
ここでは、ワークとダクト部材との近接部分におけるダクト部材の先端とワーク対向面との距離が7mm以下になるように、ダクト部材を配置している。
これにより、ダクト部材の先端とワークの対向面との間の隙間から加工液が漏れ出してしまうことを効果的に抑制して、ワークの内部まで十分に加工液を供給することでワイヤソーの切断効率をより向上させることができる。
第10の発明に係るワイヤソーは、第1から第9の発明のいずれか1つに係るワイヤソーであって、加工液供給部は、ワイヤの走行方向におけるワークの上流側のみ、あるいは上流側および下流側に設けられている。
ここでは、上述した加工液供給部を上流側のみに設けることにより、例えば、常時、一定の方向にワイヤを走行させながらワークの切断を行うワイヤソーにおいて、ワイヤを一方向に走行させた場合、切断部分付近における加工液の圧力を上昇させて、効果的にワークの切断効率を向上させることができる。
また、ワークに対して走行するワイヤの走行方向における上流側と下流側とにそれぞれダクト部材を設けることにより、例えば、ワイヤの走行方向を切り換えてワイヤを往復移動させながらワークの切断を行うワイヤソーにおいても、ワイヤを両方向どちら側に走行させた場合でも、切断開始点付近における加工液の圧力を上昇させて、効果的にワークの切断効率を向上させることができる。
第11の発明に係るワイヤソー用ダクト装置は、走行するワイヤに加工液を供給しながら、ワークをワイヤに押し付けて切断するワイヤソーに装着されるダクト装置であって、加工液を供給する加工液圧送装置に接続される接続部と、ワークに近接配置される開口部と、ワイヤが通過する内部空間と、を備え、ワイヤの走行方向における上流側からワークが切断される部分に向けて加工液を圧送する。
ここでは、走行中のワイヤに加工液を供給して付着させた状態でワイヤとワークとを接触させてワークを切断するワイヤソーに装着されるダクト装置において、接続された加工液圧送装置によって加工液をワイヤとワークの対向面との接触する切断開始点に供給することで、切断開始点近傍に圧力をかける構造を採用している。さらに、従来は、走行するワイヤに付着した加工液がワークの対向面と衝突した際に周辺に飛び散っていたが、本発明によれば、ダクト部材内部を圧送されて供給される加工液によって飛散を抑えられ、ダクト部材の内部空間内へ閉じ込められる。
これにより、切断開始点近傍に局所的に加工液の圧力の高い局所圧上昇部分が形成される。
この結果、上記の切断開始点の周囲にかけられた圧力と、切断開始点近傍に生じた局所圧によって、切断開始点近傍の加工液は、ワイヤによって形成されるワークの切断溝内に押し込まれ、従来よりも多くの加工液を効果的に供給することができ、切断性能を向上させることができる。
本発明に係るワイヤソーによれば、加工液の周囲への飛散を防止するとともに、加工液を切断溝に十分に供給して切断性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るワイヤソーの構成を示す全体斜視図。 図1のワイヤソーの全体斜視図。 図1のワイヤソーに搭載されたワイヤ供給機構の構成を示す模式図。 図1のワイヤソーに搭載された切断機構周辺の構成を示す模式図。 図1のワイヤソーに搭載された加工液供給装置の構成を示す断面図。 (a)は、従来のワイヤソーのワイヤ断面における切断溝付近の加工液分布を示す模式図。(b)は、図1のワイヤソーのワイヤ断面における切断溝付近の加工液分布を示す模式図。 本発明の一実施例に係るワイヤソーに搭載されたダクト部材の構成を示す模式図。図。 図7の実施例に係る実験条件を示す説明図。 図7の実施例に係る実験結果を示すグラフ。 図7の実施例に係る実験結果を示すグラフ。 本発明の他の実施例に係るワイヤソーに搭載されたダクト部材を、複数種類用意して実施した実験について説明する図。 (a)〜(c)は、図11に対応するダクト部材の構成を示す模式図。 図11に対応する実験条件を示す図。 図11の実施例に係る実験結果を示すグラフ。 図11の実施例に係る実験結果を示すグラフ。 ダクト先端部とワークの対向面との距離とワイヤ消費量低減割合との関係を示すグラフ。 (a)〜(d)は、本発明に係るワイヤソーに搭載されたダクト部材において、加工液の流量を変化させた際の第2加工液供給空間内の圧力の変化を示すシミュレーション結果を示す図。 (a)〜(c)は、本発明に係るワイヤソーに搭載されたダクト部材において、ワイヤの走行速度を変化させた際の、第2加工液供給空間内における加工液の圧力を示すシミュレーション結果を示す図。 図18のシミュレーション結果を示すグラフ。 (a)〜(c)は、本発明に係るワイヤソーに搭載されたダクト部材において、ダクト部材の先端とワーク対向面との距離を変化させた際の第2加工液供給空間内の圧力の変化を示すシミュレーション結果を示す図。 ダクト部材の先端とワーク対向面との距離を変化させた際の第2加工液供給空間内の圧力の変化を示すグラフ。 (a),(b)は、本発明の他の実施形態に係るダクト部材の構成を示す模式図。 (a)〜(d)は、本発明のさらに他の実施形態に係るダクト部材の構成を示す模式図。
本発明の一実施形態に係るワイヤソー20について、図1〜図6(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
[ワイヤソー20の構成]
本実施形態に係るワイヤソー20は、複数のワイヤを平行に走行させて走行中のワイヤに対してワークWを押し当てることで、ワークWを同時に複数枚のウエハに切断する装置であって、図1および図2に示すように、制御盤10と、加工液タンク11と、熱交換器12と、操作盤13と、基台21と、基台21上に設けられた加工室22と、加工室22内に対して取り付けられた切断機構23と、を備えている。また、本実施形態では、ワイヤソー20は、シリコン等の硬脆性の材料からなるワークWの切断を行う。
制御盤10は、ワイヤソー20に搭載された切断機構23等を制御する。
加工液タンク11は、切断機構23において用いられている切断用のワイヤ26(図3等参照)に付着させる加工液Sが貯留されている。加工液タンク11に貯留された加工液Sは、メインポンプ50によって接続配管51を介して、ワイヤソー20の装置内の切断機構23に設けられた加工液供給装置(加工液圧送装置)29(図4参照)からワイヤ26によるワークWの切断開始点47(図5参照)付近に供給される。
熱交換器12は、接続配管51中に設けられ、ワイヤ26によってワークWを切断時に発生する熱によって温度が上昇した加工液Sを、加工液タンク11から再び加工液供給装置29に送る途中に冷却するために、空気または水との間で熱交換を行う。
操作盤13は、ワイヤソー20内における切断機構23等の制御内容が設定入力される。
切断機構23は、ワイヤ26を用いてワークWをワイヤ26のピッチ間隔に基づく所定の厚さに切断する。なお、切断機構23の詳細な構成については、後段にて詳述する。
(切断機構23)
切断機構23は、所定の間隔を空けて互いに平行に配置された一対の加工用ローラ24a,24bと、ワイヤ供給機構25(図2等参照)と、加工液供給装置29と、を有している。
加工用ローラ24a,24bの外周には、複数の環状溝19が一定の間隔を空けて形成されている。そして、この環状溝19には、ワークWを切断するためのワイヤ26が、加工用ローラ24a,24b間に連続的に巻回されている。これにより、加工用ローラ24a,24b間には、平行に並んだ複数のワイヤ26からなるワイヤ列が形成される(図3においては、中間部を一部省略)。そして、ワイヤ供給機構25の図示しないリールモータおよび切断機構23の図示しない走行用モータによってワイヤ26が搬送されることで、ワイヤ26が加工用ローラ24a,24b間において走行する。
このとき、ワイヤ26は、一定量前進して一定量後退するという動作を繰り返して全体として少しずつ前送りされながら、ワークWの切断を行う。なお、ワイヤ26を一方向に連続して送りながら、ワークWの切断を行ってもよい。
なお、加工用ローラ24a,24bは、少なくとも一対設けられていればよい。また、所定の間隔を空けて互いに平行に配置される構成であれば、3本以上の加工用ローラを設けてもよい。
切断機構23における上部には、加工液供給装置29が配置されている。また、切断機構23の上方の加工室22には、ワークWを支持するためのワーク支持装置28が昇降可能に取り付けられている。
加工液供給装置29は、加工用ローラ24a,24b間を走行するワイヤ26に対して、オイルに遊離砥粒を混合させた加工液Sを供給する。なお、加工液供給装置29の詳細な構成については後段にて詳述する。
ワイヤ供給機構25は、例えば、リールボビン27aに巻回されたワイヤ26を、ワークWの切断を行う加工用ローラ24a,24bへ繰り出すとともに、リールボビン27bにおいて回収させる装置であって、図3に示すように、トラバーサ25a、テンション付与機構25b、複数のガイドローラ25cを有している。
トラバーサ25aは、リールボビン27a,27bの近傍に配置されており、リールボビン27a,27bの軸方向に移動してワイヤ26を常に所定角度で引き出す。
テンション付与機構25bは、リールボビン27a,27bと加工用ローラ24a,24b間において搬送されるワイヤ26に一定の張力が付与されるように調整する。
複数のガイドローラ25cは、ワイヤ26を所望の方向へ誘導する補助的なローラであって、ワイヤソー20の装置内におけるリールボビン27a,27bと加工用ローラ24a,24bとの間の搬送経路上に複数配置されている。
ワイヤ26は、基台21上に設けられた一対のリールボビン27a,27bのうち、例えば、一方のリールボビン27aにその一端が接続されて巻回されている。そして、ワイヤ26は、ワイヤ26にテンションを付与するテンション付与機構25b、複数のガイドローラ25cを介して加工用ローラ24a,24bの表面に形成された環状溝に巻回される。そして、ワイヤ26の他端は、加工用ローラ24a,24bからテンションを付与するテンション付与機構25bを介して、他方のリールボビン27bに接続されて巻回される。この状態で、走行用モータおよび走行用モータに追従制御されるリールモータが駆動することで、加工用ローラ24a,24b間においてワイヤ26を走行させることができる。
ワークWは、加工用ローラ24a,24b間で走行するワイヤ列に押し当てられることで、ワイヤ26のピッチ間隔に応じた厚さに切断され、複数枚のウエハが同時に形成される。具体的には、加工液供給装置29から走行中のワイヤ26上に加工液Sが供給された状態で、ワーク支持装置28によって切断機構23に向かってワークWが下降していく。これにより、ワークWは、加工用ローラ24a,24b間において走行中のワイヤ26に押し付けられて切断される。
(ワークWの保持機構)
次に、ワイヤソー20に含まれるワークWの保持機構について詳細に説明する。
本実施形態では、図4に示すように、ガラスプレート31および金属プレート32がワークWの上面に接着固定されている。
金属プレート32の上面には、金属製の被保持体33が図示しない複数のボルトによって着脱可能に取り付けられている。
被保持体33の上面には、複数の被保持片34が突設されている。各被保持片34の頂壁上面には、被規制面34aが形成されている。
ワーク支持部材35は、ワークWを支持するための保持手段であって、図示しないフィード用モータやリニアガイド等からなる移動機構によって加工用ローラ24a,24b間に張られたワイヤ26に対して昇降可能な状態で加工室22内に配置されている。ワーク支持部材35の下面には、被保持体33上の係合部に係合可能な正面形ほぼ逆T字状をなす保持手段としての複数の保持部材36が支持されている。また、ワーク支持部材35の上面には、複数のシリンダ37が配置されている。そして、シリンダ37が保持部材36を引き上げることにより、保持部材36と係合状態の被保持体33が係合部を介して引き上げられ、被保持体33上の被規制面34aがワーク支持部材35の下面の規制面35aに対して圧接される。その結果、ワークWは、ワーク支持部材35の規制面35aに吊り下げ状態で保持される。
(加工液供給装置29)
本実施形態の加工液供給装置29は、ワークWの切断溝内に効果的に加工液Sを入り込ませて効率よく切断を行うために、以下のような構成を採用している。
すなわち、加工液供給装置29は、図4に示すように、切断時に互いに平行に配置された加工用ローラ24a,24bの間の空間に降下してくるワークWを、ワイヤ26の走行方向において挟み込むようにワークWの両側に設けられた、例えば、金属製のダクト部材(ワイヤソー用ダクト装置)40,40を有している。
なお、図4におけるワークWの下方の縦方向の矢印は、ワークWの移動方向を示している。また、加工液供給装置29は、メインポンプ50と、メインポンプ50とダクト部材40,40とを接続する接続配管51とを有している。
ダクト部材40は、加工用ローラ24a,24bの外周面における上部同士の間を走行するワイヤ26に沿って、ワイヤ列の幅全体にわたって設けられており、ワークWの切断を行う部分に向かって走行するワイヤ26に対して加工液Sを供給する。図5における横方向の一点鎖線の矢印A1は、ワイヤ26の走行の向きを示している。
なお、以下では、説明の便宜上、図4においてワークWの右側に配置されたダクト部材40の構成について説明するが、ワークWの左側に配置されたダクト部材40の構成も同様である。
ダクト部材40は、図5に示すように、加工液貯留部41(接続部)、第1ダクト42、下部部材43、および先端部材44を有している。
加工液貯留部41は、メインポンプ50に接続配管51によって接続されており、メインポンプ50によって圧送されてきた加工液Sを一旦貯留し、下孔41aを介して、接続された第1ダクト42へ圧送する。
第1ダクト42は、加工液貯留部41から送られてきた加工液Sをワイヤ26に対して略平行な方向に沿って、切断開始点47まで送るための第1加工液供給空間S1を内部に有している。なお、図5における二点鎖線の矢印A2は、加工液Sが圧送される向きを示している。
第1ダクト42には、ワークW側の先端に、弾性体、または他の材料からなるスペーサ45を介して、後述する板状の先端部材44が取り付けられている。このため、スペーサ45を交換することで、先端部材44とワークWの対向面W1との間の隙間の大きさを変更することができる。また、下部部材43は、第1ダクト42の下方に設けられており、ワイヤ26の走行方向に移動することができ、下部部材43とワークWの対向面W1との間の隙間の大きさを変更することができる。
第2ダクト46は、下部部材43の上面43aと、第1ダクト42の下面42aおよび先端部材44の下面44bとにより、構成されている。
先端部材44の下面44bと、下部部材43の上面43aと、ワークWの対向面W1とによって囲まれた空間を、第2加工液供給空間S2(内部空間)という。加工液供給空間S2は、切断開始点47の周囲にある。また、第1ダクト42の下面42aと下部部材43の上面43aによって挟まれた空間を、第3加工液供給空間S3(内部空間)と言う。第2加工液供給空間S2および第3加工液供給空間S3の内部を、ワイヤ26が走行する。先端部材44の下面44bは、第2加工液供給空間S2の上面を形成する上板として機能する。そして、下部部材43の上面43aは、第2加工液供給空間S2を形成する下板として機能する。さらに、第1ダクト42の下面42aは、第3加工液供給空間S3の上面を形成する上板として機能し、下部部材43の上面43aは、第3加工液供給空間S3を形成する下板として機能する。さらに、先端部材44と下部部材43とによって、開口部がワークWに向けて形成されている。
先端部材44は、ダクト部材40と同様の材料、例えば、金属によって形成されている。先端部材44の先端は、屈曲して鍔状のフランジ部44aとなっている。フランジ部44aは、加工用ローラ24a,24bの間の空間において移動するワークWの対向面W1に対して略平行に設けられている。なお、フランジ部44aは、別部材として先端部材44に取り付けられていてもよい。
これにより、ダクト部材40の先端とワークWの対向面W1との間の隙間から加工液Sが漏れ出してしまう量を抑制して、第2加工液供給空間S2内における加工液の圧力をより効果的に高めることができる。
第2加工液供給空間S2は、ダクト部材40内において、ワイヤ26の走行方向におけるワークWの直上流側に配置されており、ワークWと接触してワークWを切断していくワイヤ26に対して加工液Sを供給する。また、第2加工液供給空間S2は、上述したように、第1ダクト42の下面42aと下部部材43の上面43aと、ワークWの対向面W1とによって囲まれて形成されている。さらに、第2加工液供給空間S2は、ワイヤ26との接触によって形成されたワークWの切断溝内に効果的に加工液Sを入り込ませるために、圧力が付与されている。
第2加工液供給空間S2内に生じる圧力は、上述した加工液供給装置29に含まれるメインポンプ50によって圧送された加工液Sが、第1ダクト42および下部部材43によって形成される第1・第2加工液供給空間S1,S2内に閉じ込められたまま切断開始点47に近接した直上流側まで送られることによって生じる。
さらに、第2加工液供給空間S2内では、表面に加工液Sが付着したワイヤ26が高速走行しており、ワイヤ26の表面に付着した加工液SがワークWの対向面W1と衝突する。このとき、上述したように第2加工液供給空間S2内には圧力が生じており、従来はワークWの対向面W1と衝突して周辺に飛散していた加工液Sが第2加工液供給空間S2に閉じ込められ、周辺に飛散せずに保持される。
これにより、切断開始点47を中心に局所的に圧力の高い局所圧上昇部分が生じる。この局所圧上昇部分は、ワークWの切断溝付近に形成されるため、加工液Sは切断溝の奥まで入り込むことができる。この結果、本実施形態のワイヤソー20では、従来よりもワークWの切断溝の奥まで加工液Sを供給して、ワイヤ26による切断効率を向上させることができる。
さらに、従来のワイヤソーにおいては、ワークを切断する直前のワイヤ周辺の圧力を十分に高くすることができないため、図6(a)に示すように、ワークの切断溝内における加工液Sはワイヤ26の周辺にだけ存在するだけで、量としては少なくなってしまう。このため、従来のワイヤソーでは、ワークWを切断する際に、ワークWの切断溝においてワイヤ26の走行方向における最下流側にまで十分な量の加工液Sを供給することができずに、十分な切断性能を確保することができないおそれがある。
これに対し、本実施形態のワイヤソー20では、上述した第2加工液供給空間S2を形成するダクト部材40を設けたことにより、ワークの切断溝内における加工液Sはワイヤ26の周辺だけでなく、切断溝内に広く存在する。
この結果、本実施形態のワイヤソー20では、ワークWを切断する際に、ワークWの切断溝においてワイヤ26の走行方向における最下流側にまで十分な量の加工液Sを供給することができる。よって、従来のワイヤソーと比較して、大幅にワークWの切断性能を向上させて、例えば、切断効率の向上、加工液供給量の低減等の効果を得ることができる。
以下、各実施例において、ダクト部材40を持たない従来のワイヤソー(以下、従来の構成という)と本実施形態のワイヤソー20(以下、本実施形態の構成という)とを用いて切断実験を行い、本実施形態の構成を採用したことによる各種効果の検証を行う。
<実施例1>
本実施例では、図7に示すようなダクト部材40を用いてワークWの切断を実施する際に、ワークWのワイヤ26に対するフィード速度(以下、ワークWのフィード速度と言う。)、ワイヤ26の走行速度、加工液Sの供給量を変化させた各条件における切断性能を確認する実験を行った。
なお、図7のダクト部材40においては、図5に示したダクト部材40と先端部材44との構造が異なっており、開口部が広い形状となっている。
なお、本実施例では、図7に示すように、第1ダクト42の先端部材44とワークWの対向面W1との距離を7mm、下部部材43とワークWの対向面W1との間の距離を5mm、第2加工液供給空間S2の上板と下板との間の距離を11mmに設定されたダクト部材40を使用した。
具体的な実験条件としては、図8に示すように、まず、あるワークWのフィード速度を基準速度V1、ある加工液Sの流量を基準流量Q1とし、これを条件1とした。そして、条件2は、条件1に対してワークWのフィード速度を15%UPさせた。条件3は、条件1に対してワークWのフィード速度を15%UPさせ加工液Sの流量を半減させた。条件4は、条件1に対してワイヤ26の送り速度を15%downさせた。
(ワイヤ断面積減少率)
まず、切断の前後で、ワイヤ26の断面積がどの程度減少したかを、従来の構成と本実施形態の構成とで比較した。
その結果、図9に示すように、条件1においては、従来のワイヤソーでは減少率が17%であった。以下、これを基準減少率とする。これに対して、本実施形態の構成では、ワイヤ断面積が15%しか減少せず、ワイヤ断面積の減少率(摩耗量)を2%減らすことができた。つまり、上記実施形態に係るダクト部材40を用いることにより、ワイヤ26の寿命を延長することができることが分かった。
条件2においては、条件1に対してワークWのフィード速度を15%UPさせているが、従来の構成ではワイヤ断面積減少率が19%と、基準減少率(17%)から2%増加してしまった。これに対して、本実施例では、ワークWのフィード速度を15%UPさせた場合でも、ワイヤ断面積減少率が17%と、基準減少率と同等であった。換言すれば、上記実施形態に係る構成では、従来と同じワイヤの送り速度、加工液Sの供給量、ワイヤ26の断面積減少率(17%)を維持しつつ、ワークWのフィード速度を15%向上させることができる。これは、ワークWの切断効率を15%向上させられることに相当する。
条件3においては、条件2に対してワークWのフィード速度は同等(条件1から15%UP)のまま加工液Sの供給量を半減させている。従来の構成ではワイヤ断面積減少率が多少減少し、上記実施形態に係る構成では、ワイヤ26の断面積減少率がやや増加した。
条件4においては、条件1に対してワークWのフィード速度を15%downさせているが、従来の構成では、ワイヤ断面積減少率が約19.5%と、基準減少率(17%)から2.5%増加してしまうのに対して、上記実施形態に係る構成では、ワイヤ26の断面積減少率は約17.5%と、基準減少率(17%)から0.5%増加しており、ワークWのフィード速度15%向上程の効果は得られないものの、ワイヤ26の使用量の低減を図れることが分かった。
(走行用モータの出力)
次に、各条件1〜4において、切断加工中におけるワイヤ26を走行させる走行用モータの出力(切断抵抗の大きさ)の変化について調べた結果について、図10を用いて説明する。
各条件1〜4とも、図10に示すように、本実施形態の構成における走行用モータ出力の切断時増加分は、従来の構成と比較して、20%以上低減された。すなわち、本発明によれば、切断抵抗の大きさが小さくなることが分かった。
この要因としては、本実施例の場合、ワークWの切断溝内に十分な量の加工液Sが供給された状態で切断することができているため、加工液切れ等に起因する切断抵抗の増加がなく、切断抵抗の小さい状態で切断を行うことができているためと考えられる。
以上のことから、本実施例によれば、従来と比較して、ワイヤ断面積減少率の低減、切断抵抗の低減等の効果を得ることができ、従来よりも切断性能を向上させることができることが分かった。
<実施例2>
本実施例では、図11および図12(a)〜図12(c)に示すような3種類のダクト部材40を用いてワークWの切断を実施する際に、ワークWのフィード速度、加工液Sの供給量を変化させた各条件における切断性能を確認する実験を行った。
(ダクト)
具体的には、図11に示すように、ダクト1としては、第1ダクト42の先端部材44とワークWの対向面W1との距離を7mm、下部部材43とワークWの対向面W1との間の距離を5mm、第3加工液供給空間S3の上板と下板との間の距離を11mm、ワークWの対向面W1に面する第2加工液供給空間S2の先端開口の高さ距離を23mm、にそれぞれ設定されたダクト部材40を使用した。
また、ダクト2としては、第1ダクト42の先端部材44とワークWの対向面W1との距離を2mm、下部部材43とワークWの対向面W1との間の距離を2mm、第2加工液供給空間S2の上板と下板との間の距離を11mm、ワークWの対向面W1に面する第2加工液供給空間S2の先端開口部の高さ距離を11mm、にそれぞれ設定されたダクト部材40を使用した。
ダクト3としては、第1ダクト42の先端部材44とワークWの対向面W1との距離を3mm、下部部材43とワークWの対向面W1との間の距離を2mm、第3加工液供給空間S3の上板と下板との間の距離を11mm、ワークWの対向面W1に面する第2加工液供給空間S2の先端開口部の高さ距離を23mm、にそれぞれ設定されたダクト部材40を使用した。
(実験条件)
各ダクト1〜3に対する実験条件としては、図13に示すように、あるワークWのフィード速度を基準速度V2、ある加工液Sの流量を基準流量Q2とし、これを条件11とした。そして、条件12は、条件11に対してワークWのフィード速度を15%UPさせて加工液Sの流量を半減させた。
(ワイヤ断面積減少率とダクト)
図14は、条件11および条件12において、従来の構成及び各ダクト1〜3を用いた構成で切断実験を行なった際のワイヤ断面積減少率の比較である。条件11においては、従来の構成では減少率が17%であった。以下、これを基準減少率とする。
条件11においては、従来の構成に比べてダクト1,2を用いた構成の方が、ワイヤ断面積減少率が小さく、ワイヤの摩耗量が抑えられた。ダクト1を用いた構成のワイヤ断面積減少率は、基準減少率(17%)と比較して約1.7%減少し、ダクト2を用いた構成のワイヤ断面積減少率は、基準減少率(17%)と比較して約1.3%減少した。
また、加工液Sの供給量を半減させてワークWのフィード速度を15%UPさせた条件12においては、従来の構成ではワイヤ断面積減少率が約18.8%であったのに対し、ダクト1を用いた構成では約17.3%、ダクト2を用いた構成では約18.4%と、ワイヤ断面積減少率が小さく、ワイヤの摩耗量が抑えられた。ダクト3では、従来とほぼ同等の結果であった。
(走行用モータ出力増加分)
次に、各ダクト1〜3について、条件11および条件12において、切断加工中におけるワイヤ26を走行させる走行用モータの出力(切断抵抗の大きさ)の変化について調べた結果について、図15を用いて説明する。
ここでは、ワークWをワイヤ26に押し当てない状態の運転を空運転と定義し、この空運転時に対して、従来のワイヤソー装置および各ダクト1〜3を使用したワイヤソー装置においてワークWをワイヤ26に押し当てて切断を行なった場合の、走行用モータの出力の増加分を調べた。
図15に示すように、条件11では、従来のワイヤソー装置における、空運転時に対する走行用モータの出力の増加分が、約5.2kwなのに対し、ダクト1,2では、それぞれ約3.9kw、約5kwとなっており、従来と比較して、走行用モータ出力の増加分(空運転時との差)を低減できることが分かった。
また、条件12(ワークWのフィード速度15%UP+加工液Sの供給量半減)においては、従来のワイヤソー装置における、空運転時に対する走行用モータの出力の増加分が、約5.3kwとなっているのに対し、ダクト1〜3では、それぞれ約4kw、約4.7kw、約4.7kwとなっており、各ダクト1〜3ともに、従来と比較して、走行用モータ出力の増加分(空運転時との差)を低減できることが分かった。
さらに、ダクト1〜3の中では、ダクト1の結果が最も走行用モータ出力の増加分(空運転時との差)を低減できることが分かった。
以上の結果から、本実施例のダクト1〜3を用いた場合には、従来よりも切断時の抵抗を低減することができ、中でもダクト1を用いた場合には最も切断時の抵抗を低減することができることが分かった。
<ダクト先端部とワーク対向面との距離>
ここでは、上述した本実施形態に係るダクト部材40を搭載したワイヤソー20において、ダクト部材40の先端部分(フランジ部44a)とワークWの対向面W1との距離に対するワイヤ消費量の低減割合について実験した結果について、図16を用いて説明する。
この結果、図16に示すように、ダクト先端とワーク対向面W1との距離が小さいほど、ワイヤ消費量の低減割合は大きくなることが分かった。
例えば、ダクト先端とワーク対向面W1との距離を9mm以下に設定した場合には、ワイヤ消費低減量の割合を10%以上に増加させることができるため好ましい。
特に、ダクト先端とワーク対向面W1との距離を7mm以下に設定した場合には、ワイヤ消費低減量の割合を約13%以上に増加させることができるためより好ましい。
<第2加工液供給空間S2内における加工液圧力のシミュレーション>
ここでは、上述したダクト部材40を搭載したワイヤソー20における第2加工液供給空間S2内における加工液Sの圧力をシミュレーションによって調べた結果について、図17(a)〜図21を用いて説明する。
(加工液流量と加工液圧力)
まず、図17(a)〜図17(d)は、加工液供給装置29のメインポンプ50による加工液Sの供給量を標準流量、2倍流量、4倍流量、8倍流量と変化させた際の第2加工液供給空間S2内における加工液Sの圧力を示している。なお、この場合の標準流量は、実験条件における基準流量とは無関係である。
これによれば、図26(a)に示すように、加工液Sの流量が標準流量でも、ワイヤ26付近に圧力の高い部分(局所圧上昇部)が生じていることが分かる。これは、ワイヤ26に付着した加工液をワークWの対向面W1に衝突した際に周囲に飛散しないように第2加工液供給空間S2内に閉じ込めているため、加工液Sの圧力が局所的に高い値となっていることを示している。
また、図17(b)〜図17(d)に示すように、加工液Sの流量が2倍流量、4倍流量、8倍流量になると、ワイヤ26付近に生じる圧力の高い部分の範囲が大きくなっていることが分かる。
以上の結果から、加工液供給装置29のメインポンプ50による加工液Sの流量を上昇させると、ワイヤ26による切断開始点47付近における加工液Sの圧力を局所的に高めることができる。この結果、ワイヤ26による切断溝内に、従来よりも大量の加工液Sを効果的に押し込むことができるため、加工液S切れによる切断不良やワイヤ26の摩耗量増加を防止して、切断性能を向上させることができる。
(ワイヤ速度と加工液圧力)
次に、図18(a)〜図18(c)は、ワイヤ26の走行速度を、標準速度、5倍速度、10倍速度と変化させた際の、第2加工液供給空間S2内における加工液Sの圧力を示している。なお、この場合の標準速度は、実験条件における基準速度とは、無関係である。
図19は、図18(a)〜図18(c)の結果を数値化したグラフである。このグラフから分かるように、ワイヤ26の走行速度が大きいほど、第2加工液供給空間S2内における加工液Sの圧力が高くなっている。
(ダクト先端とワーク対向面との距離と加工液圧力)
次に、図20(a)〜図20(c)に、ダクト先端とワーク対向面W1との距離を0mm、1mm、2mmと変化させた際の第2加工液供給空間S2内における加工液Sの圧力を示している。また、図21に、ダクト先端とワーク対向面W1との距離と、切断開始点47近傍の加工液圧力との関係を示している。
これによれば、図20(c)、図20(b)に示すように、ダクト先端とワークWの対向面W1との距離が2mm、1mmの場合には、切断開始点47の周囲に、局所的な圧力(以下、局所圧と言う。)の高い局所圧上昇部が形成される。また、図21に示すように、上記距離が2mmの場合よりも、より距離が小さい1mmの場合の方が、局所圧が大きくなっている。
一方、図20(a)および図21に示すように、ダクト先端とワークの対向面W1との距離がほぼ0の場合には、距離が1mmの場合よりも局所圧が小さくなっている。これは、ワイヤ26に付着した加工液SがワークWの対向面W1に衝突した際に、第2加工液供給空間S2近傍において逆流して渦を巻き、静圧に変らないことを示している。
すなわち、ダクト先端とワークWの対向面W1との距離が約1mmまでは、ダクト先端とワークWの対向面W1との距離が小さいほど切断開始点47における加工液Sの圧力は大きくなるものの、距離を0にしてしまうと局所圧が高くならないことが分かった。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、ダクト部材40の先端部(先端部材44のワークWに最も近い部分)とワークWの対向面W1との距離を含む各部の寸法について、一例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図22(a)に示すように、ダクト部材40の先端部(先端部材44のワークWに最も近い部分)とワークWの対向面W1との距離δ、先端部材44においてワイヤ26と平行となる部分の長さL1、下部部材40の長さL2、第1ダクト42が第2ダクト46に合流して加工液が流れ込む部分の長さL3、第2加工液供給空間S2の上板と下板との距離d1、第2加工液供給空間S2の上板とワイヤ26との距離d2等の寸法については、例えば、ワイヤの送り速度、加工液の材質や粘度、ワークの種類等に応じて適宜最適な寸法に変更すればよい。
また、図22(b)に示すように、ダクト部材140を、加工液貯留部141、第1ダクト142、および第2ダクト143を有する逆T字形状としてもよい。このとき、第1ダクト142と第2ダクト143とは、略垂直とは限らない。このようにしても、加工液Sをメインポンプ50から圧送することによって第2加工液供給空間S2の圧力は上昇し、加えてワイヤ26の引き込みによって局所圧上昇部が切断開始点47の近傍に生じて、加工液は好適に切断溝に供給される。
なお、この場合には第1ダクト142には先端部材が設けられていないが、第2ダクト143の上辺の最もワークWに近い位置143aが、先端部となる。
さらに、第1ダクト142の先端を屈曲させてフランジ部を設けてもよく、第1ダクト142の先端に別部材のフランジ部を取り付けてもよい。
(B)
上記実施形態では、第2加工液供給空間S2内の圧力を保持するために、ダクト部材40の先端部材44の先端に、ワークWの対向面W1に対して略平行にフランジ部44aを設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図23(a)に示すように、上記フランジ部44aの代わりに、ワークWの対向面W1に略垂直な方向に沿って配置されたゴム等の弾性部材からなるシール部材244aをダクト部材140の先端に設けてもよい。なお、シール部材244aは、ワークWに接触してもよく、ワークWに非接触としてもよい。
また、図23(b)に示すように、シール部材244aは、ワークWの対向面W1に対して略垂直な方向とは限らず、斜めになっていてもよい。
さらに、シール部材244aは、図23(c)に示すように、フランジ部44aの先端に略垂直に設けられていてもよいし、フランジ部44aに被せてフランジ部44aを延長するようにしてもよい。さらには、フランジ部44aを、そのままシール部材244aに置き換えてもよい。
あるいは、シール部材244aの代わりに、弾性部材または金属材料等からなるベローズ等のように、ワークの形状変化に対応して形状が変わりやすい部材を用いてもよい。
このときシール部材244aやベローズを用いるメリットは、ワークWに対してダクト部材140を設置する際に、ワークWの対向面W1とダクト部材44の先端部との距離を厳密に合わせなくても、シール部材244aやベローズによって設置後に調整が可能になるという点である。シール部材244aやベローズは、図22(b)に示したようなダクト部材140の先端に取り付けてもよい。
また、図23(d)に示すように、フランジ部44aがワークWの対向面W1に対して斜めに設けられていてもよい。さらには、フランジ部44aがなくてもよく、フランジ部44aを別部材として第1ダクト42の先端に取り付けてもよい。
いずれの場合でも、ダクト部材140の先端とワークWの対向面W1との間の隙間から加工液Sが漏れ出してしまう量を抑制して、第2加工液供給空間S2内における加工液の圧力をより高めることができる。
(C)
上記実施形態では、ワイヤ26の走行方向を切り替えながらワークWの切断を行うワイヤソー20において、ワイヤ26の走行方向において、加工液供給装置29がワークWを挟み込むように、ワークWの両側に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ワイヤを一方向に走行させた状態でワークの切断を行うワイヤソーの場合には、ワークの上流側にのみ加工液供給装置29を設けてもよい。
言い換えれば、本発明は、ワイヤを一方向に走行させながらワークの切断を行うワイヤソー、ワイヤの走行方向を切り替えながらワークの切断を行うワイヤソーの双方に対して適用可能である。
(D)
上記実施形態では、ダクト部材の材質として金属を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、加工液Sが圧送される際の圧力に耐えるものであればよく、樹脂や高分子化合物等の非金属材料でもよい。
(E)
上記実施形態では、加工液圧送装置として、メインポンプ50を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、メインポンプ50とは別にサブポンプを設け、ワークWの対向面W1とワイヤ26との接触部に加工液を圧送するようにしてもよい。
(F)
また、上記実施形態では、遊離砥粒を油剤に混ぜた加工液を用いるタイプのワイヤソーの例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、ダイヤモンド等の砥粒を予めワイヤに付着させ、加工液として遊離砥粒を混ぜない油剤を用いるタイプのワイヤソーに対しても用いることができる。
本発明のワイヤソーは、加工液の周囲への飛散を防止するとともに、加工液を切断溝に十分に供給して切断性能を向上させることができるという効果を奏することから、各種被切断材を切断するためのワイヤソーに対して広く適用可能である。
10 制御盤
11 加工液タンク
12 熱交換器
13 操作盤
20 ワイヤソー
21 基台
22 加工室
23 切断機構
24a,24b 加工用ローラ
25 ワイヤ供給機構
26 ワイヤ
27a,27b リールボビン
28 ワーク支持装置
29 加工液供給装置(加工液圧送装置)
31 ガラスプレート
32 金属プレート
33 被保持体
34 被保持片
34a 被規制面
35 ワーク支持部材
35a 規制面
36 保持部材
37 シリンダ
40 ダクト部材(ワイヤソー用ダクト装置)
41 加工液貯留部
42 第1ダクト
42a 下面
43 下部部材
43a 上面
44 先端部材
44a フランジ部
44b 下面
50 メインポンプ
51 接続配管
140 ダクト部材
141 加工液貯留部
142 第1ダクト
143 第2ダクト
244a シール部材
S 加工液
S1 第1加工液供給空間
S2 第2加工液供給空間(内部空間)
S3 第2加工液供給空間(内部空間)
W ワーク
W1 対向面

Claims (11)

  1. 走行するワイヤに加工液を供給しながら、ワークを前記ワイヤに押し付けて切断するワイヤソーであって、
    前記ワイヤの走行方向における上流側から走行中の前記ワイヤに対して前記加工液を供給する加工液供給部と、
    走行中の前記ワイヤに対して前記ワークを相対的に移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記加工液供給部は、
    前記加工液を圧送する加工液圧送装置と、
    前記ワイヤがその内部を通過するとともに、その先端部が前記ワークに近接して配置され、接続された前記加工液圧送装置から圧送された前記加工液を前記ワイヤと前記ワークの対向面との接触部に供給するダクト部材と、
    を有しているワイヤソー。
  2. 前記ダクト部材の先端部から突出したフランジ部を、さらに備えている、
    請求項1に記載のワイヤソー。
  3. 前記フランジ部は、前記ワークの対向面に対して平行に配置されている、
    請求項2に記載のワイヤソー。
  4. 前記フランジ部は、前記ダクト部材と同一素材によって形成されている、
    請求項2または3に記載のワイヤソー。
  5. 前記ダクト部材の先端部には、弾性部材、あるいはベローズからなるシール部材が設けられている、
    請求項1から4のいずれか1つに記載のワイヤソー。
  6. 前記シール部材は、前記ワークに接触している、
    請求項5に記載のワイヤソー。
  7. 前記ダクト部材の先端部と前記ワークの対向面との間の隙間の大きさは、可変である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のワイヤソー。
  8. 前記ダクト部材の先端部と前記ワークの対向面との間の隙間は、9mm以下である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のワイヤソー。
  9. 前記ダクト部材の先端部と前記ワークの対向面との間の隙間は、7mm以下である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のワイヤソー。
  10. 前記加工液供給部は、前記ワイヤの走行方向における前記ワークの上流側のみ、あるいは上流側および下流側に設けられている、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のワイヤソー。
  11. 走行するワイヤに加工液を供給しながら、ワークを前記ワイヤに押し付けて切断するワイヤソーに装着されるダクト装置であって、
    前記加工液を圧送する加工液供給部に接続される接続部と、
    前記ワークに近接配置される開口部と、
    前記ワイヤが通過する内部空間と、
    を備え、
    前記ワイヤの走行方向における上流側から前記ワークが切断される部分に向けて前記加工液を圧送する、
    ワイヤソー用ダクト装置。
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