JP2013178980A - 燃料電池、燃料電池用ガス拡散層、および、これらの製造方法 - Google Patents

燃料電池、燃料電池用ガス拡散層、および、これらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池において、膜電極接合体とガス拡散層とをホットプレス接合する際の、膜電極接合体とガス拡散層との接着性を向上させる。
【解決手段】燃料電池100は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10との接合面に、微細多孔質層24が形成されたガス拡散層20と、を備える。微細多孔質層24は、導電性微粒子(カーボンブラック24a)と、フッ素樹脂(PTFE)からなる微粒子と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤24bと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池、燃料電池用ガス拡散層、および、これらの製造方法に関するものである。
燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、酸素)との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池には、電解質膜として固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池がある。固体高分子型燃料電池は、一般に、電解質膜の両面に、それぞれ、電極(触媒層)とガス拡散層とをこの順に備える。
そして、従来、電極(触媒層)とガス拡散層との接着性を向上させるための種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に記載された技術では、ガス拡散層上に、増粘剤を含む結着剤層(バッファ層)が設けられ、この結着剤層(バッファ層)上に触媒粒子及び高分子電解質を含む電極触媒層が積層される。つまり、この技術では、結着剤層に含まれる増粘剤によって、ガス拡散層と電極触媒層との接着を行っている。そして、ガス拡散層上に積層された電極触媒層に電解質膜が接合される。
特開2007−317391号公報 特開2005−294123号公報
ところで、電極とガス拡散層との接合は、上述したように、ガス拡散上に電極を積層するのではなく、電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、ガス拡散層とを用意して、これらを接合することによって行われる場合がある。この場合、膜電極接合体とガス拡散層との接合は、一般に、ホットプレス接合によって行われる。そして、膜電極接合体とガス拡散層とのホットプレス接合にも、上記特許文献1に記載された結着剤層を用いることが考えられる。
しかし、上記特許文献1に記載された結着剤層にある程度の熱が加わると、結着剤層に含まれる増粘剤が気化して減少する。このため、上記特許文献1に記載された結着層を用いて、膜電極接合体とガス拡散層とをホットプレス接合を行うと、膜電極接合体とガス拡散層との接着性が低下する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池において、膜電極接合体とガス拡散層とをホットプレス接合する際の、膜電極接合体とガス拡散層との接着性を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、
電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の表面に接合されたガス拡散層であって、前記膜電極接合体との接合面に、微細多孔質層が形成されたガス拡散層と、
を備え、
前記微細多孔質層は、導電性微粒子と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含む、
燃料電池。
適用例1の燃料電池では、微細多孔質層に含まれる接着剤が300(℃)以上の耐熱温度を有するので、膜電極接合体とガス拡散層とをホットプレス接合する際の、膜電極接合体とガス拡散層との接着性を向上させることができる。また、適用例1の燃料電池では、微細多孔質層に含まれる接着剤が水溶性を有するので、発電中に生成された水により、接着剤の接着力が増大し、発電中の膜電極接合体とガス拡散層との接着性を向上させることもできる。なお、膜電極接合体とガス拡散層とのホットプレス接合は、300(℃)未満の加熱温度で行われる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記接着剤は、セラミック系接着剤である、
燃料電池。
適用例2の燃料電池では、接着剤として、セラミック系接着剤を用いることによって、300(℃)以上の耐熱温度を確保することができる。なお、セラミック系接着剤とは、非金属無機固体材料をベースとする接着剤である。
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池であって、
前記微細多孔質層は、さらに、フッ素樹脂からなる微粒子を含み、
前記微細多孔質層における前記接着剤の混合比率は、前記フッ素樹脂からなる微粒子の混合比率以下である、
燃料電池。
適用例3の燃料電池によって、微細多孔質層を撥水層として機能させることができる。なお、本適用例において、混合比率は、重量比率を意味している。
[適用例4]
燃料電池用ガス拡散層であって、
前記燃料電池用ガス拡散層の基材と、
前記基材の表面に形成された微細多孔質層であって、導電性微粒子と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含む微細多孔質層と、
を備える燃料電池用ガス拡散層。
適用例4の燃料電池用ガス拡散層では、微細多孔質層に含まれる接着剤が300(℃)以上の耐熱温度を有するので、膜電極接合体とガス拡散層とをホットプレス接合する際の、膜電極接合体とガス拡散層との接着性を向上させることができる。また、適用例1の燃料電池では、微細多孔質層に含まれる接着剤が水溶性を有するので、発電中に生成された水により、接着剤の接着力が増大し、発電中の膜電極接合体とガス拡散層との接着性を向上させることもできる。なお、膜電極接合体とガス拡散層とのホットプレス接合は、300(℃)未満の加熱温度で行われる。
[適用例5]
適用例4記載の燃料電池用ガス拡散層であって、
前記接着剤は、セラミック系接着剤である、
燃料電池用ガス拡散層。
適用例5の燃料電池用ガス拡散層では、接着剤として、セラミック系接着剤を用いることによって、300(℃)以上の耐熱温度を確保することができる。なお、セラミック系接着剤とは、非金属無機固体材料をベースとする接着剤である。
[適用例6]
適用例4または5記載の燃料電池用ガス拡散層であって、
前記微細多孔質層は、さらに、フッ素樹脂からなる微粒子を含み、
前記微細多孔質層における前記接着剤の混合比率は、前記フッ素樹脂からなる微粒子の混合比率以下である、
燃料電池用ガス拡散層。
適用例6の燃料電池用ガス拡散層によって、微細多孔質層を撥水層として機能させることができる。なお、本適用例において、混合比率は、重量比率を意味している。
[適用例7]
燃料電池の製造方法であって、
導電性微粒子と、増粘剤と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含むペーストを用意する工程と、
前記燃料電池用ガス拡散層の基材の表面に、前記ペーストを塗布する工程と、
前記塗布された前記ペーストを、300(℃)以上の温度で焼成することによって、前記基材の表面に微細多孔質層を形成する工程と、
前記微細多孔質層と、電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体とをホットプレス接合する工程と、
を備える燃料電池の製造方法。
適用例7の燃料電池の製造方法によって、適用例1の燃料電池を製造することができる。なお、適用例7の燃料電池の製造方法では、上記ペーストに含まれる増粘剤の多くは、上記ペーストを焼成する際に、気化して減少する。しかし、上記ペーストが上記接着剤を含むので、増粘剤が減少しても、膜電極接合体とガス拡散層との接着性を確保することができる。
また、適用例7の燃料電池の製造方法において、上記ペーストの焼成条件(温度、時間)を調整することによって、上記ペーストに含まれる増粘剤を完全に気化させ、微細多孔質層に増粘剤が含まれないようにすることもできる。増粘剤は、一般に、親水性であるため、この増粘剤が微細多孔質層の撥水性を阻害するおそれがある。そこで、上記ペーストに含まれる増粘剤を完全に気化させ、微細多孔質層に増粘剤が含まれないようにすれば、微細多孔質層の撥水性を向上させることができる。
[適用例8]
燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
導電性微粒子と、増粘剤と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含むペーストを用意する工程と、
前記燃料電池用ガス拡散層の基材の表面に、前記ペーストを塗布する工程と、
前記塗布された前記ペーストを、300(℃)以上の温度で焼成することによって、前記基材の表面に微細多孔質層を形成する工程と、
を備える燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
適用例8の燃料電池用ガス拡散層の製造方法によって、適用例4の燃料電池用ガス拡散層を製造することができる。なお、適用例8の燃料電池用ガス拡散層の製造方法では、上記ペーストに含まれる増粘剤の多くは、上記ペーストを焼成する際に、気化して減少する。しかし、上記ペーストが上記接着剤を含むので、増粘剤が減少しても、膜電極接合体とガス拡散層との接着性を確保することができる。
また、適用例8の燃料電池用ガス拡散層の製造方法において、上記ペーストの焼成条件(温度、時間)を調整することによって、上記ペーストに含まれる増粘剤を完全に気化させ、微細多孔質層に増粘剤が含まれないようにすることもできる。増粘剤は、一般に、親水性であるため、この増粘剤が微細多孔質層の撥水性を阻害するおそれがある。そこで、上記ペーストに含まれる増粘剤を完全に気化させ、微細多孔質層に増粘剤が含まれないようにすれば、微細多孔質層の撥水性を向上させることができる。
なお、適用例7の燃料電池の製造方法、および、適用例8の燃料電池用ガス拡散層の製造方法においても、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
本発明の一実施例としての燃料電池100の概略構成を示す説明図である。 燃料電池100の製造工程を示す説明図である。 実施例の燃料電池100の効果を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池100の概略構成を示す説明図である。図1(a)に、燃料電池100の断面構造を模式的に示した。また、図1(b)に、微細多孔質層24の構造を模式的に示した。
図1(a)に示したように、燃料電池100は、膜電極接合体10とガス拡散層20とを別々に用意して、膜電極接合体10の両面にガス拡散層20を接合してなる。膜電極接合体10は、電解質膜12の両面に、それぞれ、電極としての触媒層14を接合してなる。ガス拡散層20は、ガス拡散層基材22の表面に、微細多孔質層24を形成してなる。
本実施例では、電解質膜12として、ナフィオン(登録商標)を用いるものとした。電解質膜12として、プロトン伝導性を有する他の固体高分子膜を用いるものとしてもよい。触媒層14は、アイオノマ(例えば、ナフィオン)と、触媒(例えば、白金)を担持した担体(例えば、カーボンブラック)とを含んでいる。また、本実施例では、ガス拡散層基材22として、カーボンペーパー(東レ社製:TGP−60)を用いるものとした。ガス拡散層基材22として、カーボンクロス等、ガス拡散性、および、導電性を有する他の材料を用いるものとしてもよい。
微細多孔質層24は、導電性微粒子としてのカーボンブラック24aと、接着剤24bと、を含んでいる。本実施例では、カーボンブラック24aとして、電気化学工業社製のアセチレンブラックを用いるものとした。導電性微粒子として、他の材料を用いるものとしてもよい。また、本実施例では、接着剤24bとして、米国コトロニクス社製の「Resbond919」を用いるものとした。「Resbond919」は、水溶性を有するセラミック系接着剤であり、マグネシアをベースとし、約1530(℃)の耐熱温度を有する。接着剤24bとして、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する他の接着剤を用いるものとしてもよい。なお、本実施例では、接着剤24bの平均粒径は、カーボンブラック24aの平均粒径の1/5〜1/10の粒径であるものとした。接着剤24bの平均粒径、および、接着剤24bの平均粒径は、例えば、動的光散乱法によって測定される。アセチレンブラック(カーボンブラック24a)の平均粒径は、約35(nm)であり、接着剤24bの平均粒径は、約3.5〜7(nm)である。
図1(b)に示したように、微細多孔質層24では、接着剤24bは、カーボンブラック24aの表面にある空隙に入り込んで接着し、連続構造をなす。そして、この構成がバネ性を有することで、膜電極接合体10と接合したときに微細多孔質層24と膜電極接合体10とがよりなじむようになり、アンカー効果を増大させる作用を持つ。
微細多孔質層24は、フッ素樹脂からなる微粒子(図示省略)も含んでおり、撥水層として機能する。本実施例では、フッ素樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いるものとした。フッ素樹脂として、例えば、PFA等、PTFE以外のフッ素樹脂を用いるものとしてもよい。ただし、微細多孔質層24は、後述するペーストを300(℃)以上の温度で焼成することによって形成されるので、フッ素樹脂として、融点が300(℃)以上のものを用いることが好ましい。
B.燃料電池の製造工程:
図2は、燃料電池100の製造工程を示す説明図である。まず、微細多孔質層24(MPL;Micro Porous Layer)を形成するためのペースト(以下、MPLペーストと言う)を用意する(ステップS100)。MPLペーストは、カーボンブラック24aと、PTFEディスパージョン(PTFEの微粒子を分散させた分散液)と、増粘剤と、接着剤24bと、純水とを混合することによって、調製されている。本実施例では、PTFEディスパージョンとして、三井デュポン・フロロケミカル社製の「31J」を用いるものとした。また、接着剤24bとして、「Resbond919」の溶媒(水)を蒸発させて固形成分のみとし、これを、カーボンブラック24aの平均粒径の1/5〜1/10の粒径となるように解砕して用いた。増粘剤としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)水分散体、ポリオレフィン類、ポリイミド、PTFE粉、フッ素ゴム、熱硬化性樹脂、ポリウレタン、ポロエチレンオキシド(PEO)、ポリアニリン(PAN),ポリビニリデンフロライド(PVdF)、フッ化プロピレン(HFP)、ポリビニルエーテル/メタクリル酸メチル(PVE/MMA)、カゼイン、でんぷん、アルギン酸アンモニウム、ポリビニルアルコール(PVA)、および、ポリアクリル酸アンモニウム等を用いることができる。
次に、ガス拡散層基材22の表面にMPLペーストを塗布して(ステップS110)、塗布されたMPLペーストを焼成する(ステップS120)。本実施例では、300(℃)の温度でMPLペーストの焼成を行うものとした。このとき、MPLペーストに含まれる増粘剤の多くは、熱によって気化して減少する。以上の製造工程によって、ガス拡散層基材22の表面に微細多孔質層24が形成され、燃料電池100に用いられるガス拡散層20が製造される。
そして、ガス拡散層20における微細多孔質層24と膜電極接合体10とをホットプレス接合する(ステップS130)。本実施例では、微細多孔質層24と膜電極接合体10とを、130(℃)の加熱温度、3(MPa)の圧力で、ホットプレス接合するものとした。以上の製造工程によって、燃料電池100が製造される。
C.実施例の効果:
図3は、実施例の燃料電池100の効果を説明するための説明図である。MPLペーストにおける接着剤24bの添加量、および、MPLペーストの焼成温度を変化させて製造した燃料電池(実施例1〜12、比較例1〜3)における膜電極接合体10とガス拡散層20との接着強度についての90度剥離試験の試験結果を示した。この90度剥離試験とは、膜電極接合体10とガス拡散層20との角度が常に90度に保たれた状態で剥離する剥離試験である。
なお、各MPLペーストにおいて、カーボンブラック24aとPTFEとの混合比率(重量比率)は、それぞれ80:20であるものとした。また、接着剤24bの添加量は、カーボンブラック24aとPTFEとの合計重量を100として設定した。また、MPLペーストは、固形成分(カーボンブラック24a、PTFE、接着剤24b)の混合比率(重量比率)が20(%)となるように、溶媒である純水によって調製した。
図3(a)に、MPLペーストの焼成温度を300(℃)とした場合の試験結果を示した。接着剤添加量を0.1(%),1.0(%),5.0(%),10.0(%)としたすべての実施例1〜4の燃料電池において、接着剤添加量を0(%)とした比較例1の燃料電池よりも剥離力が大きくなった。すなわち、MLPペーストに接着剤24bを添加することによって、膜電極接合体10とガス拡散層20との接着性が向上した。
図3(b)に、MPLペーストの焼成温度を310(℃)とした場合の試験結果を示した。接着剤添加量を0.1(%),1.0(%),5.0(%),10.0(%)としたすべての実施例5〜8の燃料電池において、接着剤添加量を0(%)とした比較例2の燃料電池よりも剥離力が大きくなった。すなわち、MPLペーストに接着剤24bを添加することによって、膜電極接合体10とガス拡散層20との接着性が向上した。また、実施例1〜8の燃料電池では、MPLペーストの焼成温度を変化させても、剥離力が変化しなかった。一方、比較例2の燃料電池では、比較例1の燃料電池よりも剥離力が低下した。これは、比較例2の燃料電池では、比較例1の燃料電池よりもMPLペーストの焼成温度が高いため、微細多孔質層24に含まれる増粘剤が気化して減少したからである。
図3(c)に、実施例5〜8、および、比較例2の燃料電池で発電を行い、発電直後の燃料電池(実施例9〜12、比較例3の燃料電池)についての試験結果を示した。なお、発電条件は、以下の通りである。
<発電条件>
冷却水温度:60(℃)
負荷電流密度:0.8(A/cm2)で一定
エアストイキ比:1.5
水素ストイキ比:1.2
保持時間:8時間
接着剤添加量を0(%)とした比較例3の燃料電池では、発電の前後で、剥離力が変化しなかった。一方、接着剤添加量を0.1(%),1.0(%),5.0(%),10.0(%)としたすべての実施例9〜12の燃料電池において、剥離力が、発電前の実施例5〜8の燃料電池の約2倍に増大した。これは、接着剤24bが水溶性であるため、発電によって生成された水により、接着剤24bの接着力が増大したためと考えられる。
以上説明した本実施例の燃料電池100では、微細多孔質層24に含まれる接着剤24bが300(℃)以上の耐熱温度を有するので、微細多孔質層24に含まれる増粘剤が減少しても、膜電極接合体10とガス拡散層20とをホットプレス接合する際の、膜電極接合体10とガス拡散層20との接着性を向上させることができる。また、本実施例の燃料電池100では、微細多孔質層24に含まれる接着剤24bが水溶性を有するので、発電中に生成された水により、接着剤24bの接着力が増大し、発電中の膜電極接合体10とガス拡散層20との接着性を向上させることもできる。
また、本実施例の燃料電池100では、接着剤24bとして、セラミック系接着剤を用いているので、300(℃)以上の耐熱温度を確保することができる。
また、本実施例の燃料電池100では、MPLペースト、微細多孔質層24がPTFEからなる微粒子を含み、接着剤24bの混合比率(重量比率)がPTFEの混合比率(重量比率)以下であるので、微細多孔質層24を撥水層として機能させることができる。
また、本実施例のガス拡散層20の製造工程、および、燃料電池100の製造工程では、MPLペーストの焼成条件(温度、時間)を調整することによって、MPLペーストに含まれる増粘剤を完全に気化させ、微細多孔質層24に増粘剤が含まれないようにすることもできる。増粘剤は、一般に、親水性であるため、この増粘剤が微細多孔質層24の撥水性を阻害するおそれがある。そこで、MPLペーストに含まれる増粘剤を完全に気化させ、微細多孔質層24に増粘剤が含まれないようにすれば、微細多孔質層24の撥水性を向上させることができる。
D.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、MPLペーストの焼成温度を、300(℃)、または、310(℃)としたが、本発明は、これに限られない。MPLペーストの焼成温度は、300(℃)以上の温度であって、ガス拡散層基材22、および、微細多孔質層24が熱によって変質しない範囲内の温度であればよい。例えば、上記実施例では、微細多孔質層24、MPLペーストに、フッ素樹脂としてのPTFEが含まれるので、MPLペーストの焼成温度は、PTFEの融点である327(℃)未満に設定される。
D2.変形例2:
上記実施例では、微細多孔質層24、MPLペーストは、フッ素樹脂(PTFE)からなる微粒子を含むのもとしたが、本発明は、これに限られない。微細多孔質層24、MPLペーストが、フッ素樹脂からなる微粒子を含まないものとしてもよい。
D3.変形例3:
上記実施例では、燃料電池100は、膜電極接合体10の両面にガス拡散層20が接合されるものとしたが、本発明は、これに限られない。膜電極接合体10の一方の表面にガス拡散層20が接合されるものとしてもよい。
100…燃料電池
10…膜電極接合体
12…電解質膜
14…触媒層
20…ガス拡散層
22…ガス拡散層基材
24…微細多孔質層
24a…カーボンブラック
24b…接着剤

Claims (8)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の表面に接合されたガス拡散層であって、前記膜電極接合体との接合面に、微細多孔質層が形成されたガス拡散層と、
    を備え、
    前記微細多孔質層は、導電性微粒子と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含む、
    燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記接着剤は、セラミック系接着剤である、
    燃料電池。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池であって、
    前記微細多孔質層は、さらに、フッ素樹脂からなる微粒子を含み、
    前記微細多孔質層における前記接着剤の混合比率は、前記フッ素樹脂からなる微粒子の混合比率以下である、
    燃料電池。
  4. 燃料電池用ガス拡散層であって、
    前記燃料電池用ガス拡散層の基材と、
    前記基材の表面に形成された微細多孔質層であって、導電性微粒子と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含む微細多孔質層と、
    を備える燃料電池用ガス拡散層。
  5. 請求項4記載の燃料電池用ガス拡散層であって、
    前記接着剤は、セラミック系接着剤である、
    燃料電池用ガス拡散層。
  6. 請求項4または5記載の燃料電池用ガス拡散層であって、
    前記微細多孔質層は、さらに、フッ素樹脂からなる微粒子を含み、
    前記微細多孔質層における前記接着剤の混合比率は、前記フッ素樹脂からなる微粒子の混合比率以下である、
    燃料電池用ガス拡散層。
  7. 燃料電池の製造方法であって、
    導電性微粒子と、増粘剤と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含むペーストを用意する工程と、
    前記燃料電池用ガス拡散層の基材の表面に、前記ペーストを塗布する工程と、
    前記塗布された前記ペーストを、300(℃)以上の温度で焼成することによって、前記基材の表面に微細多孔質層を形成する工程と、
    前記微細多孔質層と、電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体とをホットプレス接合する工程と、
    を備える燃料電池の製造方法。
  8. 燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
    導電性微粒子と、増粘剤と、水溶性および300(℃)以上の耐熱温度を有する接着剤と、を含むペーストを用意する工程と、
    前記燃料電池用ガス拡散層の基材の表面に、前記ペーストを塗布する工程と、
    前記塗布された前記ペーストを、300(℃)以上の温度で焼成することによって、前記基材の表面に微細多孔質層を形成する工程と、
    を備える燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
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