次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
[表示形態]
図1から図3を参照して、この発明の一実施例に従う、運転者に、より燃費を向上させる運転操作を指導することが可能な表示形態について説明する。
図1(a)は、運転席から見たときの車両のインスツルメントパネル10を概略的に表した図であり、図1(b)は、運転席の側方から見たときのインスツルメントパネル10の概略的な形状を表した図である。この実施例では、インスツルメントパネル10は、上段10Uと下段10Lからなる二分割パネルとなっており、上段10Uには第1表示部13が設けられ、下段10Lには第2表示部15が設けられている。
(a)および(b)に示すように、運転者20が運転席に着座しているとき、運転者20には、上段10Uがハンドル22の上部に位置しているように見える。したがって、運転者20は、ハンドル22に遮られることなく、上段10Uの第1表示部13を視認することができる。また、(b)に示すように、上段10Uは、下段10Lに比べて、運転者20の視点からの距離が長く、車両のより先頭側に設けられている。ここで、矢印24は、運転者20が前方の視界を捉えながら運転しているときに上段10Uを視認するための視線の移動量を表しており、矢印26は、運転者20が前方の視界を捉えながら運転しているときに下段10Lを視認するための視線の移動量を表している。矢印24と26を比較して明らかなように、上段10Uの上記のような配置により、運転者20は、下段10Lの第2表示部15に比べて、より少ない量の視線移動で、上段10Uの第1表示部13を視認することができる。
しかしながら、代替形態として、上記のような二分割パネルのインスツルメントパネル10を用いることなく、運転しながら視認することのできる位置に第1および第2表示部13および15を配置するようにしてもよい。
この実施例では、インスツルメントパネル10の下段10Lの、車両先頭に向かって左側には、表示装置(ディスプレイ)17が設けられている。表示装置17は、この実施例では、タッチパネルを備えるディスプレイである。表示装置17には、様々な情報を表示することができる。この実施例では、車両にナビゲーションシステムが搭載されており、該システムから提供される地図情報等の情報が、表示装置17に表示される。
図2(a)は、図1に示す第1表示部13の表示例を示し、図2(b)は、図1に示す第2表示部15の表示例を示す。第1および第2表示部13および15は、任意の適切な表示器によって実現されることができ、たとえば液晶表示器によって実現されることができる。
第1表示部13は、車両の運転状態を表す情報31を表示するよう構成されており、該情報は、この実施例では該車両の速度(車速)である。すなわち、第1表示部13は、速度計の役割を果たしている。しかしながら、表示すべき情報31は、車速に限定されず、他の情報(たとえば、車両のエンジン回転数等)であってもよい。
第1表示部13は、表示される情報31の背景の色33が、第1の色と第2の色との間で変化することができるように構成されている。この実施例では、第1の色は緑であり、第2の色は青であるが、本願発明はこの配色に限定されるものではない。色の変化は任意の手法で実現されることができる。たとえば、第1表示部13の表示面の背部に、光源として、第1の色の発光ダイオード(LED)と第2の色の発光ダイオードを設け、周知の階調制御(たとえば、PWM制御により、各LEDの輝度を制御することができる)によって、第1の色と第2の色との間で色を変化させることができる。
第1の色は、燃費の良好な運転操作を表す色として設定され、第2の色は、燃費の非良好な運転操作を表す色として設定されている。ここで、燃費は、急加速、急減速および高すぎる車速に至るような運転操作を行うと低下する。したがって、第1の色は、急加速、急減速および高すぎる車速に至らない運転操作を表す色として設定されている。そして、このような運転操作はより安全性の高い運転状態と言えるので、第1の色は、第2の色に比べてより安全性の高い運転操作を表す色といえる。
背景色33は、運転者の車両を駆動する操作および(または)車両を制動させる操作に応じた燃費の状態に従って変更される。
この実施例では、車両を駆動する操作(以下、アクセル操作と呼ぶ)は、車両を定速走行させる操作および車両を加速させる操作を含む。したがって、運転者のアクセルペダルに対する操作だけでなく、運転者による何らかの操作に応じて、車両に搭載された制御装置が車両を駆動させる操作も含まれる。たとえば、アクセルペダルを操作することなく車両を自動的に定速走行させることができるオートクルーズ装置が搭載されている場合、該装置をたとえばスイッチ操作によって起動させることによって定速走行制御を行うことも含まれる。
また、この実施例では、車両を制動させる操作(以下、ブレーキ操作と呼ぶ)は、車両を減速走行させる操作を示す。したがって、運転者のブレーキペダルに対する操作だけでなく、たとえばエンジンブレーキが作動するような運転操作によって車両を減速させる操作も含まれる。
背景色33は、燃費の良好な運転操作であると判断されるほど第1の色に近づき、燃費の非良好な運転操作であると判断されるほど第2の色に近づくよう制御される。したがって、運転者は、背景色33を視認することにより、自身の運転操作が、燃費の良い運転操作であるかどうかを確認することができる。さらに、運転者は、背景色33が第2の色に近づかないよう運転操作に注意を払うことにより、燃費向上のための運転操作を習得していくことができる。また、燃費が良好と判断される運転操作は、後述するように、急加速、急減速および高すぎる車速にならないような運転操作であるから、運転者は、背景色33が第2の色に近づかないように注意することにより、より安全な運転操作を行うことができる。
前述したように、この実施例では、第1表示部13は、インスツルメントパネル10の上段10Uに設けられるので、運転者は、車両前方を視認しながら運転しているとき、より少ない量の視線移動で該第1表示部13を視認することができる。したがって、運転者は、より容易に背景色33を視認することができるので、より容易に、自身の運転操作を燃費の観点から評価することができる。
第2表示部15は、上部にスコア表示領域35を有し、下部にコーチング領域37を有している。スコア表示領域35は、詳細は後述されるように、車両の運転操作を燃費の観点から評価したスコア(点数)を表示する領域であり、この実施例では「葉」の枚数によってスコアの値を表す。図の例では、葉の枚数は5である。表示されている葉の数が多いほどスコアが高いことを示し、よって燃費が良好な運転操作が継続的に行なわれていることを示す。
コーチング表示領域37は、基準位置Rに対して、右側にアクセル領域Arおよび左側にブレーキ領域Brを有している。基準位置Rにはバー39が設けられており、バー39は、アクセル領域Arおよびブレーキ領域Brに向けて伸長可能である。アクセル領域Arは、アクセル操作(前述したように、車両を駆動する操作)について用いられる領域であり、ブレーキ領域Brは、ブレーキ操作(前述したように、車両を制動させる操作)について用いられる領域である。
アクセル領域Arは、さらに、ハッチングされていない領域(非ハッチング領域)すなわちアクセル第1領域Ar1と、ハッチングされた領域(ハッチング領域)すなわちアクセル第2領域Ar2とに二分されている。ブレーキ領域Brについても同様であり、非ハッチング領域すなわちブレーキ第1領域Br1と、ハッチング領域すなわちブレーキ第2領域Br2とに二分されている。
この実施例では、アクセル第1領域Ar1とアクセル第2領域Ar2の横軸方向の長さは同じであり、ブレーキ第1領域Br1とブレーキ第2領域Br2の横軸方向の長さは同じである。しかしながら、アクセルおよびブレーキのいずれについても、第1領域と第2領域の横軸方向の長さを異ならせてもよい。
アクセルおよびブレーキのいずれについても、第1領域は、良好な燃費の運転操作を表す領域として設定され、第2領域は、非良好な燃費の運転操作を表す領域として設定されている。ここで、燃費は、前述したように、急加速、急減速および高すぎる車速に至るような運転操作を行うと低下する。したがって、第1領域は、急加速、急減速および高すぎる車速に至らない運転操作を表す領域として設定されている。そして、このような運転操作はより安全性の高い運転操作であるから、第1領域は、第2領域に比べてより安全性の高い運転操作を表す領域といえる。
基準位置Rから伸長するバー39の長さは、アクセル操作およびブレーキ操作に応じた燃費の状態に従って変更される。バー39の長さは、燃費の状態が良好な運転操作であると判断されるほど短くなるよう制御される。したがって、運転者は、バー39の長さを視認することにより、自身の運転操作が、燃費の良い運転操作であるかどうかを確認することができる。さらに、運転者は、バー39の先端が第2領域に近づかないよう運転操作に注意を払うことにより、燃費向上のための運転操作を習得していくことができる。また、燃費が良好と判断される運転操作は、後述するように、急加速、急減速および高すぎる車速にならないような運転操作であるから、運転者は、バー39の先端が第2領域に近づかないように注意することにより、より安全な運転操作を行うことができる。
さらに、アクセル領域Arとブレーキ領域Brが別個に設けられ、バー39は、アクセル操作とブレーキ操作とで異なる方向に伸長する。したがって、運転者は、アクセル操作とブレーキ操作を、個別に、視覚的に容易に評価することができる。したがって、アクセル操作とブレーキ操作のそれぞれについて、個別に、燃費向上のための運転操作を習得していくことが容易となる。
この実施例では、基準位置Rに対して右側をアクセル操作について用い、左側をブレーキ操作について用いたが、当然ながら、左側をアクセル操作について用い、右側をブレーキ操作について用いてもよい。
また、この実施例では、第1領域および第2領域をハッチングの有無によって区別しているが、両領域は、視覚的に区別可能なように表示されればよく、ハッチングでなくてもよい。たとえば、色で視覚的に区別可能なように表示してもよいし、両領域の境界に線を描写することによって視覚的に区別可能なようにしてもよい。
また、この実施例では、基準位置Rに対して左右の方向に、アクセル領域Arおよびブレーキ領域Brを設定している。しかしながら、本願発明は、左右方向に限定されず、左右とは異なる他の方向を用いてもよい。たとえば、基準位置Rに対して上方向にアクセル領域Arを設定し、下方向にブレーキ領域Brを設定してもよい。
また、バー39は、長さを可変に変更することができるような表示図形でよく、任意の形状の図形として実現されることができ、図に示すような形状に限定されるものではない。たとえば、矢印、実線、点線、三角形(たとえば、基準位置に底辺を持つ二等辺三角形)等を、表示図形として用いることができ、表示図形の大きさも任意に設定することができる。また、アクセル領域Arに伸長する場合とブレーキ領域Brに伸長する場合とで、表示図形の形状および(または)色を異ならせてもよい。
さらに、コーチング表示領域37は、図に示すような四角の形状に限定されるものではなく、任意に設定されることができる。たとえば、半円を、円の中心を通る半径で二分割した所を基準位置Rとし、基準位置Rに対して一方の四分の一円をアクセル領域Arとして使用し、他方の四分の一円をブレーキ領域Brとして使用してもよい。バー39は、基準位置Rから、円周に平行な曲線となるよう、アクセル領域Arおよびブレーキ領域Brに向けて伸長させることができる。
上で述べたように、第1表示部13の背景色33と、第2表示部15のバー39の長さは、いずれも、運転者のアクセル操作およびブレーキ操作について燃費の良い運転操作であるかどうかを運転者に認識させることができるようになっている。すなわち、両者は連動しており、この連動性を、図3を参照して説明する。図の右側には、第1表示部13上の表示が示され、図の左側には、第2表示部15のコーチング表示領域37の表示が示されている。なお、第1表示部13の背景色の違いは、図では網掛けの種類の違いによって表されている。
状態(A)は、車両がクルーズ走行している状態を示し、たとえばアクセルペダルを少し踏み込んだ状態である。車速が、この例では時速60キロメートルと表示されているが、これは単なる一例である。アクセル操作が行われたので、バー39は右方向へ伸長する。燃費が良好なアクセル操作と判断され、その結果、バー39は、非ハッチング領域であるアクセル第1領域Ar1内に収まるように伸長している。運転者は、バー39が、非ハッチング領域内に収まっていることを視認することにより、自身のアクセル操作が低燃費で、より安全性の高い運転操作であることを認識することができる。また、燃費が良好なアクセル操作と判断されているので、第1表示部13の背景色33は第1の色(この実施例では、緑)である。運転者は、第1表示部13の背景色33が第1の色であることを視認することにより、自身のアクセル操作が低燃費で、より安全性の高い運転操作であることを認識することができる。
状態(B)は、車両に対する制動力が小さい状態を示し、たとえばブレーキペダルを少しだけ踏みこんだ状態である。ブレーキ操作が行われたので、バー39は左方向へ伸長する。燃費が良好なブレーキ操作と判断され、その結果、バー39は、非ハッチング領域であるブレーキ第1領域Br1内に収まるように伸長している。運転者は、バー39が、非ハッチング領域内に収まっていることを視認することにより、自身のブレーキ操作が低燃費で、より安全性の高い運転操作であることを認識することができる。また、燃費が良好なブレーキ操作と判断されているので、第1表示部13の背景色33は、状態(A)と同様に第1の色である。運転者は、背景色33が第1の色であることを視認することにより、自身のブレーキ操作が低燃費で、より安全性の高い運転操作であることを認識することができる。
状態(C)は、車両が穏やかに加速する状態を示し、たとえばアクセルペダルの踏み込み量が状態(A)よりも多い状態を示す。車速が、この例では、時速60キロメートルと表示されているが、これは単なる一例である。アクセル操作が行われたので、バー39は右方向へ伸長する。状態(A)に比較すると燃費状態が低下した(すなわち、燃料消費が大きい)運転操作であるが、良好な燃費の運転操作であって、非良好な燃費の運転操作には至らないと判断される。その結果、バー39は、非ハッチング領域であるアクセル第1領域Ar1内に収まるように伸長しているが、状態(A)よりは長く伸長している。運転者は、バー39が、非ハッチング領域内に収まっていることを視認することにより、自身のアクセル操作が、比較的低燃費の運転操作であることを認識することができる。また、状態(A)に比べると燃費状態が低下した運転操作であると判断されているので、第1表示部13の背景色33は第1の色と第2の色(この実施例では、青)の中間色(この実施例では、緑と青とが混じった色(青緑色))をしている。運転者は、背景色33が中間色であることを視認することにより、自身のアクセル操作が、比較的低燃費の運転操作であることを認識することができる。
状態(D)は、車両が穏やかに減速する状態を示し、たとえばブレーキペダルの踏み込み量が状態(B)よりも多い状態を示す。ブレーキ操作が行われたので、バー39は左方向へ伸長する。状態(B)に比較すると燃費状態が低下した(すなわち、燃料消費が大きい)運転操作であるが、良好な燃費の運転操作であって、非良好な燃費の運転操作には至らないと判断される。その結果、バー39は、非ハッチング領域であるブレーキ第1領域Br1内に収まるように伸長しているが、状態(B)よりは長く伸長している。運転者は、バー39が、非ハッチング領域内に収まっていることを視認することにより、自身のブレーキ操作が、比較的低燃費の運転操作であることを認識することができる。また、状態(B)に比べると燃費状態が低下した運転操作であると判断されているので、第1表示部13の背景色33は、状態(C)と同様に、第1の色と第2の色の中間色(前述したように、この実施例では青緑色)をしている。運転者は、背景色33が中間色であることを視認することにより、自身のブレーキ操作が、比較的低燃費の運転操作であることを認識することができる。
状態(E)は、車両が急加速する状態を示し、たとえばアクセルペダルの踏み込み量が、状態(C)よりも多い状態を示す。なお、ここでの第1表示部13の車速の例は、以下の状態(F)の場合の一例であり、急加速した場合の車速を示すものではない。アクセル操作が行われたので、バー39は右方向へ伸長する。状態(C)に比較すると燃費状態が低下し(すなわち、燃料消費が大きい)、燃費が大きい)、非良好な燃費の運転操作に至っていると判断される。その結果、バー39は、状態(C)よりもさらに長く伸長し、ハッチング領域であるアクセル第2領域Ar2内に進入している。運転者は、バー39が、ハッチング領域内に伸長していることを視認することにより、自身のアクセル操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。また、非良好な燃費の運転操作であると判断されているので、第1表示部13の背景色33は第2の色(この実施例では、青)をしている。運転者は、背景色33が第2の色であることを視認することにより、自身のアクセル操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。
状態(F)は、車両が急減速する状態を示し、たとえばブレーキペダルの踏み込み量が、状態(D)よりも多い状態を示す。ブレーキ操作が行われたので、バー39は左方向へ伸長する。状態(D)に比較すると燃費状態が低下し(すなわち、燃料消費が大きい)、非良好な燃費の運転操作に至っていると判断される。その結果、バー39は、状態(D)よりもさらに長く伸長し、ハッチング領域であるブレーキ第2領域Br2内に進入している。運転者は、バー39が、ハッチング領域内に伸長していることを視認することにより、自身のブレーキ操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。また、非良好な燃費の運転操作であると判断されているので、第1表示部13の背景色33は第2の色(この実施例では、青)をしている。運転者は、背景色33が第2の色であることを視認することにより、自身のブレーキ操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。
このように、第1表示部13の背景色33および第2表示部15のコーチング表示領域37のバー39の長さは、運転者に、背景色33が第2の色に変化しないように、またはバー39が第2の領域内にまで伸長しないように、アクセル操作およびブレーキ操作を行うよう促すことができる。
従来は、現在の燃費を計算して表示するものにとどまっていた。このような燃費表示を視認することにより、運転者は、燃費の良否をある程度判断することはできる。しかしながら、燃費表示は、運転操作の結果としての燃費を運転者にフィードバックしているにすぎない。燃費表示だけでは、運転者は、どのような運転操作を行えば燃費を改善することができるかどうか判断することが困難である。本実施例によれば、運転者は、アクセル操作を行うたびに、またはブレーキ操作を行うたびに、背景色が第2の色であるかどうかを視認することにより、またはバーが第2領域に伸長するかどうかを視認することにより、自身の運転操作が燃費の良好な運転操作かどうかを確認することができる。背景色が第2の色に変わらないような、またはバーが第2領域に進入しないような運転操作を心がけることにより、加速だけでなく減速についても、より低燃費の運転操作技術を自然と習得していくことができる。
なお、この実施例では、第1および第2表示部13および15を設けて、背景色33とバー39の長さの両方を、運転操作に応じて変化させるようにしているが、いずれか一方でも、運転者に上記のような運転操作技術を習得させることができる。したがって、これら両方を必ずしも設けなくてもよい。
また、この実施例では、アクセル操作およびブレーキ操作の両方について、上記のような背景色33および(または)バー39の長さを制御しているが、代替的に、アクセル操作およびブレーキ操作のいずれか一方について、このような制御を行うようにしてもよい。
さらに、この実施例では、第1表示部13に表示される情報31の背景色33(図2(a)参照)を変化させているが、このような変化の対象は、第1表示部13に表示される色であればよく、背景色には限定されない。たとえば、情報31の色を変化させるようにしてもよい。上記実施例では、情報31は、車両の運転状態を表す情報であるが、これに限定されるものではなく、運転状態とは異なる情報(たとえば、外気温等)を表示するものでもよい。また、第1表示部13に何らかの標示(たとえば、何らかの図形、記号、文字等)を表示させ、該標示の色を変化させるようにしてもよい。また、第1表示部13上の所定の表示領域の色を変化させるようにしてもよい。情報31の色、標示の色、および所定の表示領域(たとえば、第1表示部13の表示面の端(たとえば、上端)に設定された所定範囲の領域等)の色についても、背景色33について上記述べたのと同様に制御されることができ、これにより、燃費向上のための運転技術を運転者に指導することができる。
さらに、アクセル操作とブレーキ操作とで、第1表示部13に表示される色を異ならせるようにしてもよい。たとえば、アクセル操作については、第1の色を緑にすると共に第2の色を青にし、ブレーキ操作については、第1の色を黄色にすると共に第2の色を赤にすることができる。こうすることにより、運転者は、アクセル操作については青にならないように心がけると共に、ブレーキ操作については赤にならないように心がけることにより、いずれの操作についても、より低燃費の運転操作技術を習得することができる。
[制御形態]
次に、この発明の一実施例に従う、上記表示形態を実現するための制御手法について説明する。
図4は、この発明の一実施例に従う、車両に搭載され、前述したような運転者による運転操作に応じて第1および第2表示部13および15の表示を制御するための制御装置のブロック図である。該装置は、制御部40を備えており、制御部40は、電子制御装置(ECU)に実現されることができる。ECUは、中央処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである。制御部40の各機能ブロックは、該メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより実現されることができる。
運転状態検出部41は、車両のアクセル操作(前述したように、車両を駆動する操作)が行われたかどうか、および、車両のブレーキ操作(前述したように、車両を制動させる操作)が行われたかどうかを検出する。車両には、各種センサ65が搭載されており、運転状態検出部41は、センサ65の検出値に基づいて、これらの操作が行われたことを検出する。該検出は、任意の適切な手法により行われることができる。たとえば、車速センサを用い、車両が定速走行および加速走行しているならば、車両のアクセル操作が行われていると判断し、減速走行しているならば、車両のブレーキ操作が行われていると判断することができる。代替的に、アクセルペダルおよびブレーキペダルに対する操作を検出するセンサを用いてもよく、この場合には、アクセルペダルを介したアクセル操作およびブレーキペダルを介したブレーキ操作が行われたことを検出することができる。
運転状態検出部41は、アクセル操作が行われたことを検出したならば、該アクセル操作に応じた車両の運転状態を、センサ65の検出値に基づいて検出する。一実施例では、該運転状態は、エンジン回転数およびスロットルバルブの開度である。エンジン回転数は、車両に設けられたクランク角センサ(クランク軸の回転角度を検出するセンサ)に基づいて算出されることができる。スロットルバルブは、車両のエンジンへの吸入通路に設けられており、スロットル開度センサによって該スロットルバルブの開度(スロットル開度と呼ぶ)を検出することができる。
運転状態検出部41は、さらに、ブレーキ操作が行われたことを検出したならば、該ブレーキ操作に応じた車両の運転状態を、センサ65の検出値に基づいて検出する。一実施例では、該運転状態は、車速および加速度(減速であるので、負の値により表される)である。車速および加速度は、車両に設けられた車速センサにより検出されることができる。代替的に、各種センサ65として加速度センサを設け、該加速度センサにより、車両の加速度を検出してもよい。
アクセル操作に応じた制御
アクセル操作採点部43は、アクセル操作に応じて検出された運転状態に基づいて、燃費の観点から該アクセル操作を評価することにより、前述したバー39の長さおよび背景色33を決定すると共に、該アクセル操作に対するスコア(点数)を算出する。この手法を、より詳細に説明する。
図5を参照すると、(a)には、制御部40のメモリに予め記憶されたマップの一例が示されている。該マップの横軸はエンジン回転数(rpm)を示し、縦軸はスロットル開度(deg)を示す。太い実線で表される線111は、正味燃料消費率と呼ばれるBSFC(Brake Specific Fuel Consumption、単位は[g/kWh])の所定の最適値、すなわち最も良好な燃費として設定される値を実現するための運転状態を表す線であり、これは、車両のエンジンの特性により、該エンジンの回転数およびスロットル開度ごとに予め決められている。たとえば、エンジン回転数が3000rpmであるとき、符号112の点で示されるように、スロットル開度が約40degであれば、最適な正味燃料消費率を実現することができる、ということを表している。
図では、エンジン回転数が約800rpmより小さい領域について示されていないが、これは、エンジンがアイドリング運転状態にある領域であり、アイドリング運転状態にあるときの制御については後述される。
図において、回転数が同じであるとき、スロットル開度が高くなるほど燃費は低下する。そこで、この実施例では、良好状態、非良好状態、および良好と非良好の間の状態からなる3つの燃費状態を設定するため、運転領域が、縦軸方向に3つの領域に分けられる。具体的には、BSFCの線111近傍の領域と、該領域よりも下の領域と、該領域よりも上の領域とに分けられており、これらの領域が、線113および115により区切られている。線113よりも下を第1領域、線113から線115までの領域を第2領域、線115よりも上を第3領域とする。第1領域は、燃費が良好な領域として設定され、第3領域は、燃費が非良好な領域として設定され、第2の領域は、燃費が比較的良好であり、非良好には至っていない領域として設定される。
なお、第3領域は、急加速をもたらすアクセル操作が行われたり、車速が高すぎるアクセル操作が行われる運転領域に相当する。第2領域は、穏やかな加速をもたらすアクセル操作の運転領域に相当し、第1領域は、クルーズ走行を行うようなアクセル操作が行われる運転領域に相当する。したがって、第1および第2領域は、より安全性の高い運転領域に相当する。
こうして、3つの領域が予め設定されてメモリに記憶されたマップを、アクセル操作採点部43は、アクセル操作に応じて検出されたエンジン回転数(NEで表す)および検出されたスロットル開度(THで表す)に基づいて参照し、前述したバー39の長さおよび背景色33を決定する。この手法を説明するために、仮に、検出されたエンジン回転数NEが2000rpmであるとする。2000rpmの回転数を示す線117が、縦軸方向に示されている。線117と線113の交点C1に対応するスロットル開度をTH1、線117と線115の交点C2に対応するスロットル開度をTH2、およびスロットル開度の最大値(図の例では、90度)をTH3とする。
他方、図5(b)には、図2(b)を参照して説明したコーチング領域37のアクセル領域Arが示されており、アクセル領域Arの横軸方向の位置は、基準位置Rに対して表される。前述したように、非ハッチング領域であるアクセル第1領域Ar1は燃費の良好なアクセル操作の状態を表し、ハッチング領域であるアクセル第2領域Ar2は燃費の非良好なアクセル操作の状態を表す。また、アクセル第1領域Ar1内に所定の第1位置PA1を設定し、アクセル第1領域Ar1と第2領域Ar2の境界近傍であって、第2領域Ar2内に所定の第2位置PA2を設定し、アクセル第2領域Ar2の右端の位置を第3位置PA3に設定する。これらの位置は、予め設定された固定位置である。基準位置から第1〜第3位置PA1〜PA3までの距離を、それぞれ、LA1、LA2およびLA3で表す。
ここで、(a)のマップの第1から第3領域と、アクセル領域Arとの間の割り振りを説明すると、基準位置Rから第1位置PA1までの範囲を、マップの第1領域に対応させ、第1位置PA1から第2位置PA2までの範囲を、マップの第2領域に対応させ、第2位置PA2から第3位置PA3までの範囲を、マップの第3領域に対応させる。したがって、回転数NEが2000rpmであるとき、スロットル開度がゼロからTH1の範囲は、位置Rから位置PA1の範囲に割り振られ、スロットル開度がTH1からTH2の範囲は、位置PA1から位置PA2の範囲に割り振られ、スロットル開度がTH2からTH3の範囲は、位置PA2から位置PA3の範囲に割り振られる。
アクセル操作採点部43は、検出されたエンジン回転数NEおよびスロットル開度THで表される運転状態が、マップのどの領域に存在するかを判断する。第1領域に存在するならば、LA1×TH/(TH1−0)により、バー39の長さを算出する。第2領域に存在するならば、LA1+(LA2―LA1)×(TH―TH1)/(TH2−TH1)により、バー39の長さを算出し、第3領域に存在するならば、LA2+(LA3−LA2)×(TH―TH2)/(TH3−TH2)により、バー39の長さを算出する。
図4の第2表示制御部52は、こうして算出された長さのバー39を、コーチング領域37のアクセル領域Ar上に表示する。こうして、アクセル操作に応じた運転状態がマップのどこに位置するかを見極めることにより、該アクセル操作が、燃費の良好な操作状態であるかどうかが評価され、該評価の結果を表す長さを有するように、バー39は変更される。
アクセル操作に応じた運転状態が第1領域内にあれば、運転者は、バー39が非ハッチング領域内にとどまることを視認する。これにより、自身のアクセル操作が、燃費の良い運転操作であることを認識することができる。他方、アクセル操作に応じた運転状態が第3領域内にあれば、運転者は、バー39がハッチング領域内に伸長することを視認する。これにより、自身のアクセル操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。また、アクセル操作に応じた運転状態が第2領域内にあれば、運転者は、バー39が、非ハッチング領域とハッチング領域との境界付近に伸長することを視認する。これにより、運転者は、燃費を低下させる運転状態にならないよう、より注意してアクセル操作を行うべきであることを認識することができる。
さらに、アクセル操作採点部43は、検出された回転数NEおよびスロットル開度THにより表される運転状態が、図5(a)のマップの第1から第3領域のいずれにあるかを判断する。該運転状態が第1領域にあれば、第1表示部13の背景色33として第1の色を選択し、第3領域にあれば、背景色33として第2の色を選択し、第2領域にあれば、該第1の色と第2の色の中間色を選択する。これが、図5(c)に示されており、検出された回転数NEが2000rpmの場合、検出されたスロットル開度THがゼロからTH1の間にあれば第1の色が選択され、TH1からTH2の間にあれば中間色が選択され、TH2からTH3の間にあれば第2の色が選択される。
図4の第1表示制御部51は、こうして選択された色の背景色33が表示されるよう、第1表示部13の光源を制御する。こうして、アクセル操作に応じた運転状態に基づいて、該アクセル操作が燃費の観点から評価され、その結果を表す色に背景色33は変更される。
アクセル操作に応じた運転状態が第1領域内にあれば、運転者は、背景色33が第1の色であることを視認する。これにより、自身のアクセル操作が燃費の良い運転操作であることを認識することができる。他方、アクセル操作に応じた運転状態が第3領域にあれば、背景色33は第2の色となる。運転者は、背景色33が第2の色になったことを視認することにより、自身のアクセル操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。また、アクセル操作に応じた運転状態が第2領域内にあれば、背景色33は、第1の色と第2の色の間の中間色になる。運転者は、該中間色を視認することにより、第2の色にならないよう、より注意してアクセル操作を行うべきであることを認識することができる。
前述したように、この実施例では、第1の色から第2の色の間に1つの中間色を設定しているが、代替的に、異なる輝度値を持つ複数の中間色を設定してもよい。たとえば、図6には、図5と同様の図が示されており、(a)は両図とも同じである。(b)を参照すると、上の三角形は、三原色(RGB)のうちの緑の輝度値がゼロから255の値を取ることを示し、下の三角形は、三原色のうちの青の輝度値がゼロから255の値を取ることを示す。第1の色は、緑の輝度値が255であって青の輝度値がゼロ(すなわち、緑色)であり、第2の色は、青の輝度値が255であって緑の輝度値がゼロ(すなわち、青色)である。この場合、第1の色から第2の色の間に256色を生成することができる。
第1の色から、所定の第1の中間色までを、マップの第1領域に対応させ、第1の中間色から所定の第2の中間色までを、マップの第2領域に対応させ、第2の中間色から第2の色までを、マップの第3領域に対応させることにより、前述したバーの長さを算出する手法と同様に、表示すべき背景色を求めることができる。ここで、第1の中間色および第2の中間色は予め決められており、第1の中間色の緑の輝度値をI11で表すと共に青の輝度値をI21で表し、第2の中間色の緑の輝度値をI12で表すと共に青の輝度値をI22で表す。
たとえば検出された回転数NEが2000rpmである場合、検出されたスロットル開度THが第1領域内にあれば、緑の輝度値については、255−((255−I11)×TH/TH1)として算出されることができ、青の輝度値については、I21×TH/TH1として算出されることができる。スロットル開度THが第2領域内にあれば、緑の輝度値については、I11−((I11−I12)×(TH―TH1)/(TH2−TH1))により算出され、青の輝度値については、I21+((I22−I21)×(TH―TH1)/(TH2―TH1))により算出され、第3領域内にあれば、緑の輝度値については、I12−(I12×(TH―TH2)/(TH3―TH2))により算出され、青の輝度値については、I22+((255−I22)×(TH―TH2)/(TH3−TH2))により算出されることができる。
第1表示制御部51は、青および緑についてそれぞれ決定された輝度値に従い、青の光源と緑の光源をそれぞれ制御して、背景色33を表示する。
なお、上記実施例の輝度値は一例であり、256階調に代えて、他の階調数を用いてもよい。また、緑および青という色も一例であり、他の色を用いてもよい。この実施例では、緑の光源と青の光源をそれぞれ制御することにより中間色を生成しているが、色の混合手法は任意であり、たとえばフィルタを用いることによって中間色を生成するようにしてもよい。また、前述したように、背景色33に代えて情報31の色を変化させる場合、第1表示制御部51は、上記のように決定された色の輝度値の情報を表示するように、該情報を形成する画素の値等、色を構成する要素を制御すればよい。標示および所定の表示領域の色を変化させる場合も同様である。
なお、図5(a)のマップは、アクセル操作を燃費の観点から評価するための運転状態としてエンジン回転数およびスロットル開度を用いたが、これに限定されるものではない。該マップは、アクセル操作によって、良好な燃費の運転状態が実現されたかどうかを調べるものであるから、燃費の指標となりうる他の任意の適切な運転状態パラメータを用いることができる。たとえば、加速重力(加速G)、アクセルペダルのストローク量、燃料消費量、エンジンの負圧の大きさ等を用いてマップを作成してもよい。
また、図5(a)のマップでは、良好な燃費状態を表す第1領域と非良好な燃費状態を表す第3領域との間に第2領域を設けており、これにより、運転操作の技術レベルのステージアップ(後述される)を図ることができるようにしている。しかしながら、このような第2領域を設けることなく、良好な燃費状態を表す領域と非良好な燃費状態を表す領域の2つをマップ上で設定するようにしてもよい。
アクセル操作採点部43は、さらに、算出されたバー39の長さに基づいて、図7のようなマップを参照し、今回のアクセル操作に対するスコア(点数)を求める。該マップは、制御部40のメモリに予め記憶されることができる。この例では、スコアの取りうる範囲はゼロから100点であり、100点は基準位置Rに対応し、ゼロ点は、基準位置Rから長さLA3の所(アクセル領域Arの右端であり、図5(b)の第3位置PA)に対応する。図の例では、バー39の長さに応じたスコアは90点である。図に示されるように、バー39の長さが短いほど、すなわち燃費が良好なアクセル操作を行うほど、より高いスコアが得られる。
なお、この実施例では、スコアは整数で表される。したがって、バー39の長さに応じたスコアが小数点であるときには、たとえば四捨五入によって整数に丸められる。
この実施例では、符号121で示すように、アクセル第1領域Ar1のアクセル第2領域Ar2に近接した部分に対応するスコア範囲において、スコア値の変化が大きくなるよう設定されている。これは、図5(a)のマップを参照して説明したように、該マップの第3領域に進入しないように、第1〜第2領域内でアクセル操作を行うよう運転者を促すためである。しかしながら、代替的に、バーの長さ39に応じて線形に変化するようスコアを割り振ってもよい。
なお、図2(a)のような表示は行うが、図2(b)のコーチング領域37のような表示を行わない実施形態の場合には、図5(a)のマップから算出されたバー39の長さを、スコアを求めるための値として用いればよい。また、図6を参照したような階調制御を行う場合には、図7の横軸を、図6のような第1の色から第2の色までの間の範囲の中間色とすれば、それぞれの中間色に対応するスコアを求めることができる。
こうして、アクセル操作が行われるたびに、アクセル操作採点部43により、該アクセル操作を燃費の観点から評価したスコアが算出される。このスコアを、アクセルスコアと呼ぶ。
ブレーキ操作に応じた制御
次に、図4のブレーキ操作採点部44について説明する。ブレーキ操作採点部44は、ブレーキ操作に応じて検出された運転状態に基づいて、燃費の観点から該ブレーキ操作を評価することにより、前述したバー39の長さおよび背景色33を決定すると共に、該ブレーキ操作に対するスコア(点数)を算出する。この手法を、より詳細に説明する。
図8を参照すると、(a)には、制御部40のメモリに予め記憶されたマップの一例が示されている。該マップの横軸は車速(km/h)を示し、縦軸は加速度(m/sec2)を示し、減速であるので負の値を持つ。太い実線で表される線131は、通常走行しているとき(この例では、車速が約15km/hより大きいとき)に、所定の急ブレーキ操作が行われたときの加速度を表す値であり、これは、シミュレーション等を介して予め決定される。この実施例では、−6m/sec2に設定されているが、これは一例であり、この値に限定されるものではない。
図において、車速が同じであるとき、加速度の絶対値が大きいほど燃費は低下する。そこで、この実施例では、アクセル操作の場合と同様に、良好状態、非良好状態、良好と非良好の間の状態からなる3つの燃費状態を設定するため、運転領域が、縦軸方向に3つの領域に分けられる。具体的には、燃費が非良好な領域として、線131を含む第3領域が、線133より下に設定され、第3領域は、急減速をもたらすブレーキ操作が行われる運転領域に相当する。また、燃費が良好な領域として、第1領域が、線135より上に設定され、これは、車間距離を十分取っていれば車両を停止させることのできる強さのブレーキ操作が行われる運転領域に相当する。燃費が比較的良好であり、非良好には至っていない領域として、線133と線135の間に第2領域が設定される。より好ましくは、第1領域および第2領域は、さらに、これらの領域でのブレーキ操作であれば、低μ路(静止摩擦係数μの低い路面)において、スリップをより確実に避けることのできる運転領域であるよう設定される。このように、第1および第2領域は、急減速が行われない運転領域であり、よって、より安全性の高い運転領域と考えることができる。第1から第3領域を区切る線133および135は、シミュレーション等を介して予め決定される。
なお、エンジンと電気モータを組み合わせて走行するいわゆるハイブリッド車の場合には、回生ブレーキが用いられるが、回生ブレーキによる回生量が所定の上限値に達しない範囲のブレーキ操作が、上記第1および第2領域に収まるように、上記マップを作成するのが好ましい。こうすることにより、よりエネルギー効率のよい運転を運転者に促すことができる。
こうして、3つの領域が予め設定されてメモリに記憶されたマップを、ブレーキ操作採点部44は、ブレーキ操作に応じて検出された車速(VPで表される)および検出された加速度(DRで表される)に基づいて参照し、前述したバー39の長さおよび背景色33を決定する。この手法について説明するために、仮に、検出された車速VPが70km/hであるとする。70km/hの車速を示す線137が、縦軸方向に示されている。線137と線131の交点D3に対応する加速度をDR3、線137と線133の交点D2に対応する加速度をDR2、線137と線135の交点D1に対応する加速度をDR1とする。
他方、図8(b)には、図2(b)を参照して説明したコーチング領域37のブレーキ領域Brが示されており、ブレーキ領域Brの横軸方向の位置は、基準位置Rに対して表される。前述したように、非ハッチング領域であるブレーキ第1領域Br1は燃費の良好なブレーキ操作の状態を表し、ハッチング領域であるブレーキ第2領域Br2は燃費の非良好なブレーキ操作の状態を表す。また、ブレーキ第1領域Br1内に所定の第1位置PB1を設定し、ブレーキ第1領域Br1と第2領域Br2の境界近傍であって、第2領域Br2内に所定の第2位置PB2を設定し、ブレーキ第2領域Br2の左端の位置を第3位置PB3に設定する。これらの位置は、予め設定された固定位置である。基準位置から第1〜第3位置PB1〜PB3までの距離を、それぞれ、LB1、LB2およびLB3で表す。
ここで、(a)のマップの、線131より上にある第1から第3領域と、ブレーキ領域Brとの間の割り振りを説明すると、基準位置Rから第1位置PB1までの範囲を、マップの第1領域に対応させ、第1位置PB1から第2位置PB2までの範囲を、マップの第2領域に対応させ、第2位置PB2から第3位置PB3までの範囲を、マップの第3領域に対応させる。したがって、検出された車速VPが70km/hであるとき、加速度がゼロからDR1の範囲は、位置Rから位置PB1の範囲に割り振られ、加速度がDR1からDR2の範囲は、位置PB1から位置PB2の範囲に割り振られ、加速度がDR2からDR3の範囲は、位置PB2から位置PB3の範囲に割り振られる。
ブレーキ操作採点部44は、検出された車速VPおよび検出された加速度DRで表される運転状態が、マップのどの領域に存在するかを判断する。第1領域に存在するならば、LB1×|DR|/|DR1| により、バー39の長さを算出する。ここで、||は絶対値を表している。また、加速度DRが第2領域に存在するならば、LB1+(LB2―LB1)×(|DR|―|DR1|)/(|DR2|−|DR1|)により、バー39の長さを算出し、加速度DRが第3領域に存在するならば、LB2+(LB3−LB2)×(|DR|―|DR2|)/(|DR3|−|DR2|)により、バー39の長さを算出する。
なお、この実施例では、上の割り振りに示されるように、線131と線137の交点D3を、ブレーキ領域Brの左端(位置PB3)に設定しているので、点D3に対応する加速度DR3より大きさの大きい減速をもたらすブレーキ操作が行われると、バー39は、ブレーキ領域Brの左端に張り付いた状態になる。これにより、運転者に、加速度DR3以上の減速をもたらすブレーキ操作を抑制するよう促すことができる。
図4の第2表示制御部52は、こうして算出された長さのバー39を、コーチング領域37のブレーキ領域Br上に表示する。こうして、ブレーキ操作に応じた運転状態がマップのどこに位置するかを見極めることにより、該ブレーキ操作が、燃費の良好な操作状態であるかどうかが評価され、該評価の結果を表す長さを有するように、バー39は変更される。
ブレーキ操作に応じた運転状態が第1領域内にあれば、運転者は、バー39が非ハッチング領域内にとどまることを視認する。これにより、自身のブレーキ操作が、燃費の良い運転操作であることを認識することができる。他方、ブレーキ操作に応じた運転状態が第3領域内にあれば、運転者は、バー39がハッチング領域内に伸長することを視認する。これにより、自身のブレーキ操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。また、ブレーキ操作に応じた運転状態が第2領域内にあれば、運転者は、バー39が、非ハッチング領域とハッチング領域との境界付近に伸長することを視認する。これにより、燃費を低下させる運転操作にならないよう、より注意してブレーキ操作を行うべきであることを認識することができる。
さらに、ブレーキ操作採点部44は、検出された車速VPおよび加速度DRにより表される運転状態が、マップの第1から第3領域のいずれにあるかを判断する。該運転状態が第1領域にあれば、第1表示部13の背景色33として第1の色を選択し、第3領域にあれば、背景色33として第2の色を選択し、第2領域にあれば、該第1の色と第2の色の中間色を選択する。これが、図8(c)に示されており、検出された車速VPが70km/hの場合、加速度DRの大きさがゼロからDR1の間にあれば第1の色が選択され、DR1からDR2の間にあれば中間色が選択され、DR2より大きければ第2の色が選択される。
図4の第1表示制御部51は、こうして選択された色の背景色33が表示されるよう、第1表示部13の光源を制御する。こうして、ブレーキ操作に応じた運転状態に基づいて、該ブレーキ操作が燃費の観点から評価され、その結果を表す色に背景色33は変更される。
ブレーキ操作に応じた運転状態が第1領域内にあれば、運転者は、背景色33が第1の色であることを視認する。これにより、自身のブレーキ操作が燃費の良い運転操作であることを認識することができる。他方、ブレーキ操作に応じた運転状態が第3領域にあれば、背景色33は第2の色となる。運転者は、背景色33が第2の色になったことを視認することにより、自身のブレーキ操作が、燃費を低下させる運転操作であることを認識することができる。また、ブレーキ操作に応じた運転状態が第2領域内にあれば、背景色33は、第1の色と第2の色の間の中間色になる。運転者は、該中間色を視認することにより、第2の色にならないよう、より注意してブレーキ操作を行うべきであることを認識することができる。
また、アクセル操作について図6を参照して説明したように、ゼロからDR3の間の加速度範囲を、第1の色から第2の色までの中間色範囲に割り振り、図6を参照して説明したのと同様の手法で、緑の輝度値および青の輝度値を算出することにより、背景色33として表示すべき色を決定してもよい。
なお、図8(a)のマップは、ブレーキ操作を燃費の観点から評価するための運転状態として車速および加速度を用いたが、これらに限定されるものではない。該マップは、ブレーキ操作によって、良好な燃費状態が実現されたかどうかを調べるものであるから、燃費の指標となりうる他の任意の適切な運転状態パラメータを用いることができる。たとえば、加速重力(加速G)、ブレーキの油圧値、ブレーキペダルのストローク量等を用いて、図8(a)のようなマップを作成するようにしてもよい。また、ハイブリッド車の場合には、ブレーキ操作によって電気エネルギーが回生されるので、回生量を用いるようにしてもよい。
また、図8(a)のマップでは、アクセル操作用のマップと同様に、良好な燃費状態を表す第1領域と非良好な燃費状態を表す第3領域との間に第2領域を設けているが、このような第2領域を設けることなく、良好な燃費状態を表す領域と非良好な燃費状態を表す領域の2つをマップ上で設定するようにしてもよい。
ブレーキ操作採点部44は、さらに、算出されたバー39の長さに基づいて、図9のようなマップを参照して、今回のブレーキ操作に対するスコア(点数)を求める。該マップは、制御部40のメモリに予め記憶されることができる。この例では、スコアの取りうる範囲はゼロから100点であり、100点は基準位置Rに対応し、ゼロ点は、基準位置Rから長さLB3の所(ブレーキ領域Brの左端であり、図8(b)の第3位置PB3)に対応する。この図の例では、バー39の長さに応じたスコアは70点である。図に示されるように、バー39の長さが短いほど、すなわち燃費が良好なブレーキ操作を行うほど、より高いスコアが得られる。
この実施例では、スコアは整数で表される。したがって、バー39の長さに応じたスコアが小数点であるときには、たとえば四捨五入によって整数に丸められる。
この実施例では、符号141で示すように、ブレーキ第1領域Br1のブレーキ第2領域Br2に近接した部分に対応するスコア範囲において、スコア値の変化が大きくなるよう設定されている。これは、図8(a)のマップを参照して説明したように、マップの第3領域に進入しないように、第1〜第2の領域内でブレーキ操作を行うよう運転者を促すためである。しかしながら、代替的に、バーの長さ39に応じて線形に変化するようスコアを割り振ってもよい。
なお、図2(a)のような表示は行うが、図2(b)のコーチング領域37のような表示を行わない実施形態の場合には、図8(a)のマップから算出されたバー39の長さを、スコアを求めるための値として用いればよい。また、図6を参照したような階調制御を行う場合には、図9の横軸を、図6のような第1の色から第2の色までの中間色範囲とし、それぞれの中間色に対応するスコアを求めることができる。
こうして、ブレーキ操作が行われるたびに、ブレーキ操作採点部44により、該ブレーキ操作を燃費の観点から評価したスコアが算出される。このスコアを、ブレーキスコアと呼ぶ。
なお、上記実施例では、燃費が良好なほどバー39が短くなるように、図5(a)および図8(a)のマップをコーチング領域37のアクセル領域Arおよびブレーキ領域Brにそれぞれ割り振っているが、燃費が良好なほどバー39が長くなるように割り振りを行ってもよい。この場合も、燃費が良好なアクセル操作であると判断されるほど、バー39(前述した表示図形でよい)の伸長する先端部分が、アクセル第1領域(燃費の良好な操作状態を表す領域)およびアクセル第2領域(燃費の非良好な操作状態を表す領域)の境界から、該アクセル第1領域側に離れるように、バー39の長さが制御される点は同じである。ブレーキ操作についても同様である。
アイドリング運転に応じた制御
図4に戻り、運転状態検出部41は、好ましくは、車両におけるアイドリング運転状態を検出する。1運転サイクルにおいてアイドリング運転が最初に開始されたとき、アイドル運転採点部45は、アイドリングスコアに初期値を設定する。また、アイドル運転採点部45は、アイドリング運転が検出されるたびに、該アイドリング運転の経過時間を計測するためのタイマ(図示せず)を始動させ、アイドリング運転が開始されてから所定時間が経過した後、アイドリングスコアを、所定の時間間隔で所定値だけ減点していく。
ここで、図10を参照して、アイドリングスコアの減点手法を説明する。時点t0において運転サイクルが開始されると共に、アイドリング運転が開始する。アイドリングスコアには初期値(この実施例では、100点)が設定される。アイドリング運転が開始してから所定時間(たとえば、1分)が経過した時点t1から、アイドリング運転が終了する時点t2まで、所定の時間間隔でアイドリングスコアを所定値だけデクリメントしていく。ここで、所定時間は、車両の一時停止や信号待ち等において必要とされるアイドリング運転の持続時間に相当するよう設定されるのが好ましく、シミュレーションや経験値等に基づいて設定されることができる。こうして、車両の一時停止や信号待ち等における通常の持続時間を有するアイドリング運転については、アイドリングスコアを減点しないようにすることができる。所定時間以上の持続時間のアイドリング運転は、たとえば、何らかの所用(たとえば、店舗への立ち寄り)のための駐車等が考えられるので、アイドリング運転の持続時間が長くなるほど、アイドリングスコアの値は減らされる。
アイドリング運転が終了した時点t2におけるアイドリングスコアの値は、たとえば制御部40のメモリに記憶されて維持される。再び、時点t3においてアイドリング運転が開始すると、該開始から上記所定時間が経過した時点t4で、メモリに維持されていたアイドリングスコアの値(すなわち、時点t2におけるアイドリングスコア値)を読み出し、アイドリング運転が終了する時点t5まで、所定の時間間隔で、該アイドリングスコアを所定値だけデクリメントしていく。こうして、1運転サイクル中、アイドリング運転の持続時間に従って、アイドリングスコアは小さくされる。
アイドリング運転の一形態として、アイドルストップを実行することができる車両(たとえば、ハイブリッド車)がある。アイドルストップは、周知の如く、車両を一時停止させるときにエンジンを停止し、モータで補機を駆動する運転状態である。アイドルストップ状態である場合には、該アイドルストップ状態の経過時間は上記所定時間に含まれないのが好ましい。アイドルストップ状態は、燃料を消費していないからである。アイドルストップ状態は、運転状態検出部41(図4)により検出されることができる。
なお、この実施例では、アイドルストップではないアイドリング運転(これは、燃料を消費する)が行われている間、第2表示制御部52は、図2(b)のようなコーチング領域37のバー39を基準位置Rに位置づけて、伸長させない。また、第1表示制御部51は、図2(a)の第1表示部13の背景色33として、該アイドリング運転が行われている間にわたり、第2の色を表示する。
他方、アイドルストップであるアイドリング運転が行われている間、好ましくは、第1表示制御部51は、第1表示部13の背景色33として、第1の色を表示する。第2表示制御部52は、バー39を、基準位置Rに位置づけて伸長しないようにすることができる。
こうして、アイドルストップであるアイドリング運転から、アイドルストップではないアイドリング運転に移行したならば、第1表示制御部51は、背景色33を、第1の色から第2の色に変化させる。こうして、運転者は、燃料を消費しているアイドリング運転であるか否かを、背景色33を視認することにより認識することができる。
この実施例では、アイドリングスコアを、アイドリングの持続時間に基づいて算出しているが、代替的に、他の運転状態パラメータに基づいて算出してもよい。たとえば、アイドリング運転が行われている間の燃料消費量(これは、たとえば燃料噴射量に基づいて算出されることができる)に基づいて、アイドリングスコアを算出してもよい、燃料消費量が多くなるにつれて、アイドリングスコアを初期値から減らしていくことができる。
スコアの積算および平均スコアの算出
図4に戻り、積算部47は、アクセル操作採点部43により算出されたアクセルスコア、ブレーキ操作採点部44により算出されたブレーキスコア、アイドル運転採点部45により算出されたアイドリングスコアを、所定の時間間隔で積算していく。該積算は、この実施例では、車両のエンジンの始動から停止(すなわち、イグニションのオンからオフ)までの1運転サイクルごとに行われる。すなわち、各運転サイクルの開始時に積算値はゼロにセットされ、該運転サイクル中に算出されたアクセルスコア、ブレーキスコア、アイドリングスコアを、該運転サイクルが終了するまで積算する。
平均スコア算出部48は、積算部47によって積算されたスコアすなわちスコア積算値を、運転サイクルの開始からの経過時間によって除算する。これにより、運転サイクルを開始してから現時点までの、スコア積算値の平均値が得られる。該平均値を、平均スコアと呼ぶ。平均スコアは、運転サイクルの開始から現時点までの、平均の燃費状態を表している。平均スコアが高いほど、良好な燃費の運転操作が行われていることを示す。この実施例では、平均スコアは、算出されるたびに、制御部40のメモリに設けられた、たとえばリングバッファに順に格納される。
ここで、図11を参照して、スコアの積算手法および平均スコアの算出手法を、より具体的に説明する。時点t0において、イグニションがオンにされて運転サイクルが開始する。運転サイクルの開始と共に、アイドリング運転が開始する。アイドリングスコアには、初期値(たとえば、100点)が設定される。図10を参照して説明したように、アイドリング運転が開始してから所定時間経過後、時間の経過に従ってアイドリングスコアはデクリメントされる。時点t1においてアイドリング運転が終了すると共に、たとえばアクセルペダルが踏み込まれることにより、アクセル操作が行われて車速が上昇する。アクセル操作が行われている間、前述したように、アクセルスコアが所定時間間隔で算出される。時点t2において、アクセル操作が終了すると共に、たとえばブレーキペダルの踏み込みが開始されることにより、ブレーキ操作が開始する。ブレーキ操作が行われている間、前述したように、ブレーキスコアが所定の時間間隔で算出される。時点t3でブレーキ操作が終了し、車速はゼロになって車両は停止し、アイドリング運転が再び始まる。所定時間経過後に、アイドリングスコアの前回値からのデクリメントが開始される。デクリメント処理は、時間の経過に従って繰り返し行われる。時点t4において、再びアクセル操作が開始される。
運転サイクルの開始時点t0において、積算値はゼロである。時点t0から、運転サイクルが終了する時点t11まで、アクセルスコア、ブレーキスコアおよびアイドリングスコアのいずれかが各時点で算出されるが、これらのスコアが算出されるたびに、該スコアが前回の積算値に加算されて、今回の積算値が算出される。図の「積算値」は、この積算処理をイメージで表しており、時間t0〜t1においてはアイドリングスコアが積算され、これが面積S1によって表されている。時間t1〜t2においてはアクセルコアが積算され、これが面積S2によって表されている。時点t2におけるスコア積算値は、S1+S2である。時間t2〜t3においてはブレーキスコアが積算され、これが面積S3によって表されている。時点t3におけるスコア積算値は、S1+S2+S3である。
積算処理が行われるたびに、運転サイクルの開始t0から現時点までの経過時間で除算することにより、平均スコアが算出される。たとえば、時点t2における平均スコアは、(S1+S2)/(t2―t0)により算出される。
1運転サイクルが終了したときの平均スコアは、該運転サイクルで積算されたスコア積算値を、該運転サイクルの時間長Tdc(タイマで計測されることができ、秒で表される)で除算することにより算出される。図の例では、(S1+S2+.....+S11)/Tdcにより算出される。したがって、運転サイクルの終了時には、該運転サイクルにおける単位時間あたり(たとえば、1秒)のスコアが算出され、これを、総合スコアと呼ぶ。総合スコアは、該運転サイクルの平均の燃費状態を表している。該総合スコアは、制御部40のメモリに記憶される。
図4の第2表示制御部52は、平均スコアが算出されるたびに、図2(b)のスコア表示領域35に、該平均スコアを葉の枚数に変換して表示する。平均スコアの上限値は、図7および図9のマップに示されるように、この実施例では100点である。したがって、10枚の葉を表示可能な場合、葉の1枚は10点に相当する。図2(b)に示される平均スコアは、50点を示している。なお、図7および図9に示すように、たとえば55点というような10で割り切れない平均スコアが算出された場合には、この実施例では、四捨五入して60点とし、これを、葉の枚数に変換している。しかしながら、四捨五入に代えて、切り上げてもよいし、切り下げてもよい。こうして、運転者は、第2表示部15のスコア表示領域35に表示された葉の枚数を視認することにより、今回の運転サイクルにおける運転操作によって得られた燃費状態を随時認識することができる。
この実施例では、スコア表示領域35は、葉の枚数によってスコア値を表しているが、このような図形表示により、運転者がスコア値を認識しやすいようにしている。また、図2(b)に示すように、「茎」が5本表示されていることにより、運転者は、10枚の葉が満点であることを視覚的に認識しやすい。そして、運転者は、現時点の葉の枚数が5であるから、現在のスコア値が満点の半分である、ということを視覚的に容易に認識することができる。このように、現在のスコア値だけでなく満点の値を、視覚的に認識しやすいように表示するのが好ましい。
しかしながら、スコアの表示形態は、任意に設定されることができ、たとえば、葉とは異なる図形(単なる四角形や円でもよい)で表してもよい。また、スコア値を、数値(たとえば、50という数値)によって表示するようにしてもよい。この場合、満点の数値を共に表示するようにしてもよい。
また、図2(b)に示されるような平均スコア等の表示に加え、第2表示部15に、今回の運転サイクル開始から現時刻までの走行距離等の他の情報を表示するようにしてもよい。
上記実施例では、アクセル操作、ブレーキ操作、アイドリング運転となる運転操作のそれぞれについてスコアを算出している。代替的に、バー39および(または)背景色33の表示を行うけれども、スコア算出は、これら3つの運転操作のうちの1つまたは2つの運転操作のみについて行うようにしてもよい。また、上記実施例では、アクセル操作、ブレーキ操作、アイドリング運転となる運転操作のすべてについてのスコアを積算して平均スコアを算出している。代替的に、これら3つの運転操作のうちの1つまたは2つの運転操作についてのスコアのみを積算して、その平均値(時間平均)を算出するようにしてもよい。たとえば、アクセルスコアのみを積算してアクセルスコア積算値を算出し、これを、アクセル操作が行われた時間で除算することにより、平均アクセルスコアを算出し、これを表示するようにしてもよい。ブレーキスコアおよびアイドリングスコアについても、それぞれ、平均ブレーキスコアおよび平均アイドリングスコアを算出することができる。
生涯スコアの算出
総合スコアは、前述したように、各運転サイクルの平均の燃費状態を表しており、これは、該運転サイクルにおいて良好な燃費の運転操作が行われているかどうかを示している。生涯スコアは、総合スコアの積算値であり、燃費に関する運転操作の技術レベルを表している。生涯スコアの算出手法を説明する。
図4の生涯スコア算出部49は、各運転サイクルを終えるたびに、今回の運転サイクルの総合スコアを、図12のようなマップを参照して総合スコア換算値に換算する。該マップは、制御部40のメモリに予め記憶されることができる。50点以上の総合スコアは、燃費に関する運転操作が良好であるので、正の値を持つ総合スコア換算値に換算される。50点より低い総合スコアは、燃費に関する運転操作がまだ良好とはいえないので、負の値を持つ総合スコア換算値に換算される。
この実施例では、該マップは、総合スコアのゼロ近傍、50点近傍、および100点近傍において、対応する総合スコア換算値の変化が小さくなっている。こうすることにより、燃費に関する運転操作の技術レベルをより正確に反映した総合スコア換算値に総合スコアを変換することができる。しかしながら、総合スコアの変化に対して総合スコア換算値を線形に変化させるようにしてもよい。
また、この実施例では、総合スコア換算値の最大値(この例では、+5)の絶対値と最小値(この例では、−5)の絶対値とが同じであるが、両者を異ならせるよう設定してもよい。たとえば、最小値の絶対値を最大値の絶対値より大きくすることができ(たとえば、―10と+5)、後述する生涯スコアの減点量を加点量よりも大きくして、運転操作技術をより堅実に向上させるようにすることができる。
この実施例では、総合スコア換算値は整数で表される。したがって、総合スコアに対応する総合スコア換算値が小数点で求められるときには、たとえば四捨五入によって整数に丸められる。代替的に、図2(b)を参照して前述した「葉」の枚数で表した、すなわち10点単位の総合スコアを用いる場合には、0,10,20,、、、100点の総合スコアに対応する整数値の総合スコア換算値をテーブルに規定してメモリに記憶すればよい。
なお、代替形態では、上記のような換算を行わなくてもよく、その場合には、総合スコアを、負の値から正の値(たとえば−50点から50点の間の値)を持つよう設定するのが好ましい。これにより、後述する生涯スコアを、燃費に関する運転技術に応じて増減させることができる。この場合、総合スコアの、たとえば−50点〜50点の範囲を、0枚〜10枚の葉に線形に対応させることにより、前述したような図形表示を行うことができる。
生涯スコア算出部49は、好ましくは、こうして求めた総合スコア換算値を、今回の運転サイクルの走行距離を乗算することによって補正する。走行距離が長いほど、運転の経験量が多いことを示す。走行距離を乗算することにより、生涯スコアを、経験を反映した値とすることができる。したがって、今回の運転サイクルの総合スコア換算値は、図12のマップで得られた総合スコア換算値×今回の運転サイクルの走行距離(km)によって算出される。
また、1回の運転サイクルごとに算出される該総合スコア換算値に、上限値を設けるのが好ましい。この実施例では、走行距離で補正された総合スコア換算値の上限値として、200点を設定している。これは、以下に説明するように、運転者に、徐々に生涯スコアの値を増やしながら、燃費向上のための運転技術を磨いてもらうためである。
生涯スコア算出部49は、今回の運転サイクルで算出された総合スコア換算値を、生涯スコアの前回値に加算することにより、生涯スコアの今回値を算出する。なお、生涯スコアの初期値はゼロである。こうして、運転サイクルが実施されるたびに、生涯スコアは更新される。燃費に関する運転操作の技術レベルが向上するにつれ、生涯スコアの値は大きくなる。
ここで図13を参照すると、生涯スコアの推移の一例が示されている。横軸は時間を示し、縦軸は生涯スコアの値を示す。
この実施例では、生涯スコアの値に応じて、3つのステージを設定している。生涯スコアがゼロから9999点の間は第1ステージであり、1万点から19999点の間は第2ステージであり、2万点から29999点の間は第3ステージである。第1から第3ステージに向けてステージアップするほど、燃費の運転操作技術が向上していることを示す。他方、総合スコア換算値は、前述したように負の値を持つことがあるので、第3から第1ステージに向けてダウンすることもありえる。
第1ステージは、いわば初級レベルであり、このステージで、アクセルおよびブレーキ操作について、燃費向上のための基本的な操作の習得を行う。第2ステージは中級者レベルであり、より燃費を向上させるための運転操作の習得を行う。第3ステージは上級者レベルであり、燃費の観点から、より完璧な運転操作の習得を行う。
時間T0では、生涯スコアの初期値はゼロである。どの時点で生涯スコアの初期値をゼロにするかは、任意に決定されることができる。たとえば、表示画面上で運転者による所定の操作が行われたことに応じて初期値を設定するようにしてよい。また、生涯スコアは、車両ごとに設定してもよいし、運転者ごとに設定することができるようにしてもよい。
期間T1において、生涯スコアは第1ステージに位置している。この場合、符号151に示すように、図2(b)のスコア表示領域35に表示される葉は1段である。期間T2において、生涯スコアは一時的に第2ステージに入っている。第2のステージに入ると、符号153に示すように、図2(b)のスコア表示領域35に表示される葉は2段になる。期間T3において、生涯スコアは第3ステージに入っている。第3ステージに入ると、符号155に示すように、図2(b)のスコア表示領域35に表示される葉は2段であると共に花が表示される。このように、スコア表示領域35に表示される葉の枚数によってスコア値が表されるが、該葉の形態はステージ毎に変化する。これにより、運転者は、自身がどのステージに位置しているのかを認識することができる。また、ステージが上がるほど、葉の形態も成長していくようになっているので、運転者は、運転操作技術の向上を視覚的に認識しやすい。
時間T4において、生涯スコアは3万点以上となり、第3ステージを超えている。これは、燃費の運転操作技術が十分上達したことを示す。この実施例では、符号157に示すようなエンブレムを、たとえばスコア表示領域35に表示する。このように、ステージアップの達成感を運転者に持たせることにより、運転者は、ゲームを楽しむような感覚で、燃費向上のための運転技術を習得することができる。なお、符号151〜157で示される図形形状は一例であり、他の図形形状を用いてもよいし、また、図形に代えて、たとえば文字や数値でステージを表示するようにしてもよい。
前述したように、この実施例では、総合スコア換算値について上限値(200点)を設けている。したがって、最も燃費の良い運転をした場合でも、運転サイクルが50回以上でない限り、次のステージには上がらないようになっている。上限値の設定やステージ間の点数の設定は任意であるが、ある程度の走行距離および運転サイクルを経験しながら徐々にステージアップするように設定されるのが好ましい。こうすることで、運転者に、長期にわたって、燃費を意識した運転を促すことができる。
図4の第2表示制御部52は、イグニションがオフにされた後、今回の運転サイクルで算出された総合スコアと生涯スコアを、第2表示部15に表示する。図14は、この表示の一例であり、図2(b)のような表示に代えて、このような画面が表示される。領域71は総合スコアを示している。領域71の表示形態は、図2(b)のスコア表示領域35の表示形態と同じであり、総合スコアを葉の枚数に換算して表示したものである。領域73は、現在のステージと生涯スコアを示している。領域73aは第1ステージに対応し、領域73bは第2ステージに対応し、領域73cは第3ステージに対応する。第1ステージであることを示すよう1段の葉が示され、第2ステージであることを示すよう2段の葉が示され、第3ステージであることを示すよう2段の葉と花が示されている。
領域73a〜73cのそれぞれの横軸方向の長さは、各ステージのスコア範囲(この実施例では、1万点)に対応している。バー75は、生涯スコアの値を表している。たとえば生涯スコアが5000点であるとき、図に示されるように、バー75は、第1ステージの領域73aの中央まで伸長するよう表示される。こうして、運転者は、エンジンを切った後、今回の運転サイクルにおける自身の運転操作を燃費の観点から評価した結果と、自身の生涯スコアすなわち燃費に関する運転技術レベルがどのステージのどの程度にまで達しているかを認識することができる。
図14のような画面に、今回の運転サイクルの走行距離などの他の情報を表示してもよい。また、図14のような画面を、車両の走行中、第2表示部15または表示装置17(図1)上に、たとえば運転者による所定の操作(たとえば、所定のボタン操作)に応じて適宜表示するようにしてもよい。この場合、前回の運転サイクル終了時に算出された総合スコア、生涯スコアおよびステージを表示することができる。
ステージ制御
この実施例では、第1ステージから第3ステージに向けてステージを上がるほど、燃費に関する運転技術をさらに向上させるため、上記アクセルスコアおよびブレーキスコアの採点を厳しくしている。この手法を、図15および図16を参照してアクセル操作について説明し、図17および図18を参照してブレーキ操作について説明する。
図15を参照すると、アクセル操作について用いられるマップが示されており、(a)は、図5(a)と同じマップである。BSFCを表す線111と、第1から第3領域を区切る線113および115が示されている。このマップは、第1ステージ用のマップであり、アクセル操作採点部43は、生涯スコアが第1ステージ内に位置しているならば、該第1ステージ用のマップを参照して、前述したようにバーの長さおよび背景色を決定する。
(b)は第2ステージ用のマップであり、(c)は第3ステージ用のマップを示す。第2および第3ステージ用のマップは、第1ステージ用のマップと、第1領域の大きさは変化しない。参考のため、BSFCを表す線111が示されているが、この線の位置も変化していない。しかしながら、ステージが上がるほど、第2領域の縦軸方向の幅が狭められると共に、第3領域の縦軸方向の幅が広められる。すなわち、(b)では、第2領域の下部を画定する線113は、第1ステージ用のマップと同じ位置に存在するが、第2領域の上部を画定する線115は、BSFCの線111と重なっており、結果として、第1ステージに比べて、第2領域が狭くなり、第3領域が広くなっている。
(c)では、第2領域の下部を画定する線113は、第1ステージ用のマップと同じ位置に存在するが、第2領域の上部を画定する線115は、BSFCの線111より下に位置しており、結果として、第2ステージに比べて、さらに第2領域が狭くなり、さらに第3領域が広くなっている。
アクセル操作採点部43は、図5(a)を参照して説明したように、検出された回転数NEに基づいて求められたスロットル開度のゼロからTH1の範囲を、アクセル領域Arの位置Rから位置PA1の範囲に割り当て、TH1からTH2の範囲を、位置PA1からPA2の範囲に割り当て、TH2からTH3の範囲を、位置PA2からPA3の範囲に割り当てる。ステージが上がるほど、第2領域の幅が狭くなることにより、TH2の値が小さくなるので、同じアクセル操作でも、ステージが上がるほど、第3領域の燃費状態の運転操作と判断されやすくなる。
たとえば、エンジン回転数がNExであり、スロットル開度がTHxである、符号161で示される運転状態を考える。図15(a)に示すように、第1ステージでは第2領域の幅W1の中央より少し上に位置しており、よって、図16(a)に示すように、バー39は、位置PA1とPA2の中央より少し右に伸長している。図15(b)に示すように、運転状態161は、第2ステージでは、第2領域の幅W2(<W1)のほぼ上限に位置しており、よって、図16(b)に示すように、バー39は、位置PA2にほぼ達している。図15(c)に示すように、第3ステージでは、運転状態161は第3領域内に位置しており、よって、図16(c)に示すようにバー39は、位置PA2とPA3の間に伸長している。
こうして、アクセル操作による運転状態が第1領域以外にあるときには、同じアクセル操作を行っても、ステージが上がるほどバー39の長さは長くなり、よって、図7のマップに示されるようにアクセルスコアの値がより下がる。運転者は、ステージが上がるにつれて、スコアを上げるためにより慎重なアクセル操作を行うようになり、よって、燃費向上のための運転技術をより向上させることができる。
図16では、ステージ毎のバー39の長さの例が示されているが、背景色33についても、バー39と同様に、ステージが上がるにつれて、同じアクセル操作を行っても、より第2の色に近い色が背景色33として決定される。
図17の(a)から(c)は、ブレーキ操作に用いられるマップである。(a)は、図8(a)のマップと同じであり、第1ステージ用のマップである。所定の急ブレーキとみなす運転状態を表す線131と、第1から第3領域を区切る線133および135が示されている。ブレーキ操作採点部44は、生涯スコアが第1ステージ内に位置しているならば、該第1ステージ用のマップを参照して、前述したようにバーの長さおよび背景色を決定する。
(b)は第2ステージ用のマップであり、(c)は第3ステージ用のマップを示す。ステージが上がるにつれて、線131を、縦軸方向の上方に移動させる。どの程度移動させるかは、任意に設定されることができる。ここで、各ステージにおいて、線131より上の第1領域の縦軸方向の幅W1、第2領域の縦軸方向の幅W2、第3領域の縦軸方向の幅W3の比率は一定である(ここでの「幅」は、図8(a)に示すように車速が約時速15km以上の場合の領域の幅を示している)。したがって、線131を上方に移動するにつれ、各領域の幅は狭められる。
ブレーキ操作採点部44は、図8(a)を参照して説明したように、検出された車速VPに基づいて求められた加速度のゼロからDR1の範囲を、ブレーキ領域Brの位置RからPB1の範囲に割り当て、DR1からDR2の範囲を、位置PB1からPB2の範囲に割り当て、DR2からDR3の範囲を、位置PB2からPB3の範囲に割り当てる。ステージが上がるほど各領域の幅が狭くなるので、同じブレーキ操作でも、ステージが上がるほど、燃費に関する運転操作の判定が厳しくなる。
たとえば、車速がVPxであり、加速度がDRxである運転状態が符号171により示されている。図17(a)に示すように、第1ステージでは、運転状態171は第1の領域に位置しており、よって、図18(a)に示すように、バー39は、位置RとPB1の範囲内に伸長している。図17(b)に示すように、第2ステージでは、運転状態171は、第2領域の上限にほぼ位置しており、よって、図18(b)に示すように、バー39は位置PB1にほぼ到達している。図17(c)に示すように、第3ステージでは、運転状態171は第3領域内にあり、よって、図18(c)に示すように、バー39は、位置PB2とPB3の範囲内にまで伸長している。
こうして、ステージが上がるほど、同じブレーキ操作を行っても、バー39の長さは長くなり、よって、図9のマップに示されるようにブレーキスコアの値がより下がる。運転者は、ステージが上がるにつれて、スコアを上げるためにより慎重なブレーキ操作を行うようになり、よって、燃費向上のための運転技術をより向上させることができる。
図18では、ステージ毎のバー39の長さの例が示されているが、背景色33についても、バー39と同様に、ステージが上がるにつれて、同じブレーキ操作を行っても、より第2の色に近い色が背景色33として決定される。
なお、上記実施例では、生涯スコアの値に応じて複数のステージを設定しているが、このようなステージ設定を行わなくてもよい。この場合でも、生涯スコアに応じて、図17および図18を参照して説明したように異なるマップを用い、生涯スコアの値が高くなるほど、アクセルスコアおよびブレーキスコアの採点を厳しくすればよい。また、ステージの数は、この実施例では3であり、対応して用意されるマップも3であるが、この数は一例であり、他の任意の数のステージを設定することができる。また、ステージ設定の有無にかかわらず、アクセル操作およびブレーキ操作のそれぞれについて用意されるマップの数を任意に設定することができる。また、アクセル操作とブレーキ操作とで、参照されるマップの数を異ならせてもよい。
制御フロー
図19は、制御部40により実行される、燃費に関する運転操作を運転者に指導することのできるような表示を行うための制御プロセスのフローの一例である。該プロセスは、所定の時間間隔(たとえば、100ミリ秒)で実行される。
ステップS1においてイグニションスイッチがオンであれば、該プロセスが実行される。ステップS2において、アクセル操作、ブレーキ操作、またはアイドリング運転のいずれかを検出する。
アクセル操作が検出されると、ステップS3において、現在の生涯スコアの値が属するステージに応じて、図17の(a)から(c)のいずれかのマップをメモリから選択する。ステップS4において、該選択されたマップを、検出されたエンジン回転数NEおよび検出されたスロットル開度THに基づいて参照し、バーの長さおよび(または)背景色を決定して表示すると共に、ステップS5において、図7に示すようなマップを参照してアクセルスコアを求める。前述したように、図17の(a)から(c)のマップは、エンジン回転数およびスロットル開度に基づいて作成されているが、該マップは他の運転状態パラメータに基づいて作成されてもよい。また、図6を参照して説明したように、背景色については、さらに精細な階調制御を行うようにしてもよい。
ステップS2においてブレーキ操作が検出されると、ステップS6において、現在の生涯スコアの値が属するステージに応じて、図18の(a)から(c)のいずれかのマップをメモリから選択する。ステップS7において、該選択されたマップを、検出された車速VPおよび検出された加速度DRに基づいて参照し、バーの長さおよび背景色を決定すると共に、ステップS8において、図9に示すようなマップを参照してブレーキスコアを求める。前述したように、図18の(a)から(c)のマップは、車速および加速度に基づいて作成されているが、該マップは他の運転状態パラメータに基づいても作成されることができる。また、図6を参照して説明したように、背景色については、さらに精細な階調制御を行うようにしてもよい。
ステップS2においてアイドリング運転が検出されたならば、ステップS9において、今回のアイドリング運転開始から所定時間が経過したかどうかを判断する。経過していなければ、ステップS10において、前回のアイドリング運転状態の終了時のアイドリングスコアの値をそのまま維持する。経過していれば、ステップS11において、アイドリングスコアを、所定値だけデクリメント(減算)する。前述したように、運転サイクルの開始時のアイドリングスコアには、初期値が設定される。
ステップS12において、前回の積算値に、今回算出されたアクセルスコア、ブレーキスコアまたはアイドリングスコアを加算し、今回の積算値を算出する。ステップS13において、該今回の積算値を、運転サイクル開始からの経過時間で除算することにより平均スコアを算出し、該平均スコアを、第2表示部15のスコア表示領域35(図2(b))に表示する。前述したように、この実施例では、平均スコアを葉の枚数で表しているが、他の図形を用いて表示してもよいし、また、平均スコアを数値で表示してもよい。
こうして、運転サイクルの期間にわたり、平均スコアは所定の時間間隔で算出されて表示される。運転サイクルの最後に算出された平均スコアは、総合スコアとしてメモリに記憶され、該総合スコアに基づいて、前述したように生涯スコアを算出する。
この実施例では、アクセルスコア等の算出の時間間隔と平均スコアの算出の時間間隔とが同じであるが、後者を前者よりも長く設定するようにしてもよい(たとえば、前者を100ミリ秒とし、後者を1分とする)。この場合、アクセルスコア等の算出の時間間隔に合わせて、バー39の長さおよび(または)背景色33を更新すると共に、平均スコア等の算出の時間間隔に合わせて、スコア表示領域35の更新を行うようにしてもよい。また、この実施例では、総合スコアおよび生涯スコアは運転サイクル期間単位で算出されるが、他の所定期間単位で算出されるようにしてもよい。
なお、上記の実施例では、第1表示部13および第2表示部15を、図1に示すように、インスツルメントパネル上の表示器として実現しているが、これらの表示部は、任意の表示装置上に実現されてもよく、たとえば、図1の表示装置17上に、図2(a)および(b)に示すような表示を行ってもよい。また、図14のような表示も、表示装置17上に行ってもよい。
以上のように、この発明の特定の実施形態について説明したが、本願発明は、これら実施形態に限定されるものではない。また、上記では、ハイブリッド車について言及している部分があるが、本願発明は、ガソリン車、ディーゼル車等の様々な車両に適用可能である。