JP2013178151A - 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法 - Google Patents

電波修正時計及び電波修正時計の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013178151A
JP2013178151A JP2012041895A JP2012041895A JP2013178151A JP 2013178151 A JP2013178151 A JP 2013178151A JP 2012041895 A JP2012041895 A JP 2012041895A JP 2012041895 A JP2012041895 A JP 2012041895A JP 2013178151 A JP2013178151 A JP 2013178151A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
local oscillation
unit
radio wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012041895A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiko Fujisawa
照彦 藤澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012041895A priority Critical patent/JP2013178151A/ja
Publication of JP2013178151A publication Critical patent/JP2013178151A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)

Abstract

【課題】受信感度を向上できる電波修正時計及び電波修正時計の制御方法を提供すること。
【解決手段】電波修正時計は、標準電波に応じた受信信号を出力する受信部(アンテナ21及び同調回路221)と、局部発振信号を生成する局部発振部224と、局部発振信号及び受信信号を混合して、局部発振信号の周波数と受信信号の周波数との差分である中間周波数の中間信号を生成するミキサー部(ミキサー回路225)と、中心周波数を中心とする所定帯域幅の信号を中間信号から抽出する水晶フィルター2261と、抽出された信号に基づいて時刻情報を取得する時刻情報取得部と、標準電波に応じた局部発振信号の周波数を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された局部発振信号の周波数に基づいて、水晶フィルター2261の中心周波数と中間周波数とが一致するように、局部発振部224により生成される局部発振信号の周波数を調整する発振周波数調整部22Bと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電波修正時計及び電波修正時計の制御方法に関する。
従来、時刻情報を含む標準電波を受信し、当該標準電波から取得された時刻情報に基づいて内部時刻を修正する電波修正時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の電波修正時計は、いわゆるスーパーヘテロダイン方式の電波修正時計である。この電波修正時計では、アンテナにより受信された標準電波に応じた受信信号と、局部発振回路により生成された局部発振信号とがMIX回路により混合され、当該受信信号の周波数と局部発振信号の周波数との差分となる中間周波数の中間信号が生成される。この際、局部発振信号は、中間周波数が水晶フィルターのIF周波数と一致する値となる周波数で発振される。この水晶フィルターにより、当該IF周波数の信号のみが抽出され、抽出された信号を検波した検波信号から時刻情報が取得される。
特許第3502376号公報
ところで、水晶フィルターには個体ごとにばらつきがあるため、中心周波数が所定値となるように製造された水晶フィルターであっても、実際の中心周波数は当該所定値からずれる場合がある。
一方、水晶フィルターは、通過帯域幅を狭くでき高感度に構成できるが、選択度が高いため中心周波数からずれた周波数の信号が入力された場合には、水晶フィルターにより抽出される信号の強度(水晶フィルターを通過する信号の強度)が著しく低下するという特性がある。
例えば、中心周波数が30kHzとなるように製造された水晶フィルターが採用されている場合で、搬送周波数が40kHzの標準電波を受信する場合、アッパーヘテロダイン方式では70kHzの局部発振信号が生成される。しかしながら、水晶フィルターの製造ばらつき等により、中心周波数が30.002kHzにずれていると、30kHzの中間信号から抽出される信号の強度は数デシベル低下する。このような信号強度の低下は、電波修正時計では特に問題となる。
このため、水晶フィルターの個体差を補完でき、当該水晶フィルターにより抽出される信号の強度を高めて、標準電波の受信感度を向上できる構成が要望されてきた。
本発明の目的は、受信感度を向上できる電波修正時計及び電波修正時計の制御方法を提供することである。
本発明の電波修正時計は、時刻情報を含む標準電波を受信して、受信された前記標準電波に応じた受信信号を出力する受信部と、局部発振信号を生成する局部発振部と、前記局部発振信号及び前記受信信号を混合して、前記局部発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差分である中間周波数の中間信号を生成するミキサー部と、中心周波数を中心とする所定帯域幅の信号を前記中間信号から抽出する水晶フィルターと、前記水晶フィルターにより抽出された信号に基づいて、前記時刻情報を取得する時刻情報取得部と、前記標準電波に応じた前記局部発振信号の周波数を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記局部発振信号の周波数に基づいて、前記水晶フィルターの中心周波数と前記中間周波数とが一致するように、前記局部発振部により生成される前記局部発振信号の周波数を調整する発振周波数調整部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、発振周波数調整部により参照される記憶部が設けられていることから、水晶フィルターにより抽出された信号の強度に基づいて決定された局部発振信号の周波数を記憶部に予め記憶させておくことができる。すなわち、電波修正時計の出荷前の段階で、局部発振信号の周波数を変動させて得られる中間信号から水晶フィルターにより抽出された信号の信号強度を予め測定し、当該信号強度が最大となる場合の局部発振信号の周波数を、記憶部に予め記憶させておくことができる。そして、発振周波数調整部が、当該記憶部に記憶された局部発振信号の周波数に基づいて、水晶フィルターの中心周波数と中間周波数とが一致するように、局部発振部により生成される局部発振信号の周波数を調整することで、生成される局部発振信号の周波数を適切な周波数に確実に調整できる。
例えば、水晶フィルターの実際の中心周波数が30.002kHzである場合には、発振周波数調整部による周波数調整により、局部発振部は、70.002kHzの局部発振信号を生成することができる。これによれば、中間信号の中間周波数を、水晶フィルターの中心周波数である30.002kHzに合わせることができる。
従って、水晶フィルターにより抽出される信号の強度を高めることができ、標準電波の受信感度を高めることができる。
また、中間信号の周波数を、個々の水晶フィルターの実際の中心周波数に合わせることができるので、高価で高精度な水晶フィルター(設定された中心周波数と実際の中心周波数とが一致する水晶フィルター)を採用せずとも、当該水晶フィルターにより抽出される信号の強度を高めることができる。従って、比較的安価な水晶フィルターを採用でき、電波修正時計の製造コストを低減できる。
本発明では、前記受信部は、それぞれ搬送周波数が異なる複数種類の前記標準電波を受信可能に構成され、前記記憶部は、前記標準電波の種類ごとに前記局部発振信号の周波数を記憶し、前記発振周波数調整部は、前記受信部により受信される前記標準電波の種類に応じた周波数の前記局部発振信号を、前記局部発振部に生成させることが好ましい。
このような構成によれば、受信部により受信される標準電波の種類に応じた周波数の局部発振信号を生成できる。従って、受信される標準電波が変更される場合でも、当該標準電波の受信信号から時刻情報を適切に取得でき、内部時刻を適切に修正できる。
本発明では、所定周波数の基準信号を生成する水晶発振部と、前記基準信号に基づいて、内部時刻を計時する計時部とを備え、前記局部発振部は、前記基準信号に基づいて前記局部発振信号を生成することが好ましい。
なお、水晶発振部が生成する基準信号の周波数としては、32.768kHzを採用できる。また、計時部が当該基準信号に基づいて内部時刻を計時する際には、当該基準信号を分周した信号(例えば1Hzの信号)に基づいて、内部時刻を計時する構成としてもよい。
このような構成によれば、計時部が内部時刻を計時する際に利用する基準信号を生成するための水晶発振部と、局部発振部が局部発振信号を生成する際に利用する基準信号を生成するための水晶発振部とをそれぞれ個別に設ける必要がない。従って、水晶発振部をそれぞれ個別に設ける場合に比べ、電波修正時計の構成の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる他、電波修正時計の消費電力を低減できる。
ここで、局部発振部が基準信号に基づいて局部発振信号を生成する場合、当該局部発振部は、基準信号の周波数が比較的高い方が、標準電波に応じた受信信号の周波数(標準電波の搬送周波数)及び水晶フィルターの中心周波数に応じた局部発振信号を精度よく生成できる。このため、比較的高い周波数である32.768kHzの基準信号に基づいて、局部発振部が局部発振信号を生成する場合には、設定された周波数の局部発振信号を精度よく生成できる。従って、標準電波の受信感度を確実に向上できる。
本発明では、前記局部発振部は、前記基準信号を分周して前記局部発振信号を生成し、前記発振周波数調整部は、前記局部発振部の分周比を調整して、当該局部発振部に生成させる前記局部発振信号の周波数を調整することが好ましい。
なお、基準信号を分周して局部発振信号を生成する局部発振部の構成としては、PLL(Phase Locked Loop)回路及びVCO(Voltage Controlled Oscillators)の組み合わせを例示できる。この場合、発振周波数調整部により調整される局部発振部の分周比は、PLL回路を構成するプログラマブルカウンター及び基準カウンターの各分周比が挙げられる。
このような構成によれば、局部発振信号を生成する構成として、比較的簡易な構成を採用できるので、電波修正時計の構成の簡略化を図ることができる。また、PLL回路は比較的安価であるので、当該PLL回路が採用される場合には、電波修正時計の製造コストの上昇を抑制できる。
また、本発明の電波修正時計の制御方法は、時刻情報が含まれる標準電波を受信する受信ステップと、局部発振信号を生成する局部発振信号生成ステップと、受信された前記標準電波に応じた受信信号と前記局部発振信号とを混合して、前記局部発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差分である中間周波数の中間信号を生成する中間信号生成ステップと、水晶フィルターにより、当該水晶フィルターの中心周波数を中心とする所定帯域幅の信号を前記中間信号から抽出する信号抽出ステップと、抽出された前記所定帯域幅の信号に基づいて前記時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、を含み、前記局部発振信号生成ステップでは、前記標準電波に応じて予め記憶部に記憶された周波数に基づいて、前記中心周波数と前記中間周波数とが一致するように周波数が調整された前記局部発振信号を生成することを特徴とする。
このような構成によれば、前述の電波修正時計と同様の効果を奏することができる。
本発明では、前記記憶部には、前記局部発振信号の周波数を変動させて得られる前記中間信号から前記水晶フィルターにより抽出された信号の信号強度が予め測定され、当該信号強度が最大となる場合の前記局部発振信号の周波数が記憶されていることが好ましい。
このような構成によれば、水晶フィルターにより抽出された信号の信号強度(振幅)の測定結果に基づいて決定された局部発振信号の周波数、すなわち、当該信号強度が最大となる場合の局部発振信号の周波数が、電波修正時計の記憶部に記憶される。このため、生成される局部発振信号の周波数を、水晶フィルターの実際の中心周波数と中間信号の中間周波数とを一致させるための周波数に確実に調整できる。従って、標準電波の受信感度を確実に高めることができる。
なお、局部発振信号が、前述の水晶発振部により発振された基準信号から局部発振信号を生成する構成である場合、当該水晶発振部にも個体差があり、生成される基準信号の周波数がばらつく可能性もあることから、生成される局部発振信号の周波数、ひいては、中間信号の中間周波数もばらつく可能性がある。これに対し、水晶フィルターにより抽出された信号の信号強度(振幅)の測定結果に基づいて設定された局部発振信号の周波数を記憶部に記憶させ、記憶された周波数に基づいて調整された周波数の局部発振信号を生成することにより、当該水晶発振部の個体差も補完できる。従って、標準電波の受信感度を確実に向上できる。
本発明の第1実施形態に係る電波修正時計の構成を示すブロック図。 前記第1実施形態における制御回路の構成を示すブロック図。 前記第1実施形態における受信回路の構成を示すブロック図。 前記第1実施形態におけるPLL回路の構成を示すブロック図。 前記第1実施形態における水晶フィルターの特性を示す図。 前記第1実施形態における中心周波数と中間周波数とがずれている場合の受信感度の差分の一例を示す図。 前記第1実施形態における局部発振信号の周波数設定方法を示すフローチャート。 前記第1実施形態における時刻修正処理を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る電波修正時計の局部発振部の構成を示すブロック図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電波修正時計1の回路構成を示す図である。
本実施形態に係る電波修正時計1は、時刻情報が重畳された長波標準電波(以下、標準電波と略す場合がある)を受信し、抽出された時刻情報に基づいて内部時刻を修正するものである。この電波修正時計1は、図1に示すように、アンテナ21、受信回路22、制御回路23、表示部24、表示制御回路25、針位置検出回路26、二次電池27、太陽電池28、電源制御回路29及び外部操作部材30とを備える。
アンテナ21は、標準電波を受信して、受信した標準電波に応じた受信信号を受信回路22に出力する。
受信回路22は、アンテナ21から入力される受信信号に基づいて、TCO(Time Code Out:タイムコード出力)信号を復調し、当該TCO信号を制御回路23に出力する。なお、受信回路22の構成は、後に詳述する。
制御回路23は、受信回路22の動作を制御する他、当該受信回路22から入力されるTCO信号をデコードして時刻情報であるTC(Time Code)を取得し、当該TCに基づいて内部時刻を修正する。この制御回路23の構成も、後に詳述する。
表示部24は、表示制御回路25による制御の下、内部時刻を表示する。この表示部24として、本実施形態では、文字板と、秒針、分針及び時針を含む指針と、当該指針を回転させるステップモーター及び複数の歯車とを備える構成が採用されている。しかしながら、これに限らず、液晶パネル等の表示手段を採用することも可能である。
表示制御回路25は、制御回路23により計時されている内部時刻を取得して、当該内部時刻を表示部24に表示させる。
針位置検出回路26、時刻表示部28の指針の針位置を検出し、検出結果を制御回路23に出力する。
二次電池27は、電源制御回路29を介して、受信回路22、制御回路23及び表示制御回路25等に駆動電力を供給する。この二次電池27は、太陽電池28による発電が十分でない場合に、駆動電力を供給する。このような二次電池27は、例えば、チタニウム−リチウムイオン二次電池により構成される。
太陽電池28は、入射される光により発電し、発電電流を電源制御回路29に出力する。この太陽電池28には、それぞれ入射光に応じて発電する複数のセル(図示省略)が設けられている。
電源制御回路29は、太陽電池28から入力される発電電流を、電波修正時計1を構成する電子部品(例えば、受信回路22、制御回路23及び表示制御回路25)に供給する他、当該発電電流を二次電池27に供給して、当該二次電池27を充電する。更に、電源制御回路29は、入力される発電電流の電圧値が十分に高くない場合には、二次電池27から供給される電流を当該電子部品に供給する。
外部操作部材30は、例えば、電波修正時計1の外部に露出したリューズや操作ボタン等により構成され、利用者により操作されることで、制御回路23に所定の操作信号を出力する。このような操作信号として、例えば、アンテナ21で受信される標準電波の種類(例えば、日本における標準電波JJY、アメリカ合衆国における標準電波WWVB、イギリスにおける標準電波MSF、及び、ドイツにおける標準電波DCF77等)を示す信号や、標準電波を受信して内部時刻を修正させる旨の信号等が挙げられる。
[制御回路の構成]
図2は、制御回路23の構成を示すブロック図である。
制御回路23は、電波修正時計1全体の動作を制御する。例えば、制御回路23は、受信回路22を起動させるパワーオン信号を出力する他、受信回路22を制御するための制御信号を出力する。また、制御回路23は、後述する局部発振部224に基準信号を出力する。更に、制御回路23は、受信回路22から入力されるTCO信号をデコードして得られたTCに基づいて、内部時刻を修正する。
このような制御回路23は、図2に示すように、発振回路231、分周回路232、論理緩急制御部233、TCOデコード部234、記憶部235、中央制御部236及びシリアルインターフェイス部(以下、シリアルIF部と略す場合がある)237を備える。
発振回路231は、水晶発振部2311を有し、当該水晶発振部2311により発振される所定の基準クロック周波数(本実施形態では32.768kHz)の基準信号を出力する。この発振回路231により発振された基準信号は、分周回路232に出力される。
分周回路232は、発振回路231から入力される基準信号を分周して1Hzの信号を生成し、当該信号を中央制御部236に出力する。また、分周回路232は、周波数を変更せずに、入力された基準信号を受信回路22に出力する。
論理緩急制御部233は、分周回路232の分周比を周期的に変化させて、水晶発振部2311の水晶ばらつき等による基準信号の周波数の誤差を調整する。
TCOデコード部234は、受信回路22から入力されるTCO信号をデコードして、当該TCO信号からTCを抽出する。このTCには、日付情報及び時刻情報等が含まれる。そして、TCOデコード部234は、抽出したTCを中央制御部236に出力する。
なお、本実施形態では、TCOデコード部234は、日本の標準電波JJY(搬送周波数:40kHz,60kHz)の他、アメリカ合衆国の標準電波WWVB(搬送周波数:60kHz)、イギリスの標準電波MSF(搬送周波数:60kHz)、ドイツの標準電波DCF77(搬送周波数:77.5kHz)、及び、中国の標準電波BPC(搬送周波数:68.5kHz)等、複数種類の標準電波のTCをデコード可能に構成されている。
記憶部235は、フラッシュメモリー及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリーにより構成され、制御回路23における制御処理に必要な各種プログラム及びデータを記憶する。例えば、記憶部235には、標準電波を受信する際に、当該標準電波の搬送周波数にアンテナ21を同調させるためのデータ(すなわち、受信回路22の後述する同調回路221のコンデンサーの設定データ)が記憶されている。また、当該記憶部235には、受信回路22の後述する局部発振部224により生成される局部発振信号の周波数が、受信可能な標準電波の種類ごとに記憶されている。
中央制御部236は、制御回路23の各構成を制御し、ひいては、電波修正時計1全体を制御する。この中央制御部236は、CPU(Central Processing Unit)等を備える。この中央制御部236は、当該CPUが記憶部235に記憶されたプログラムを実行することにより、計時部2361、時刻修正部2362及び受信制御部2363として機能する。
計時部2361は、分周回路232から入力される1Hzの信号に基づいて、電波修正時計1における内部時刻を計時する。
時刻修正部2362は、TCOデコード部234から入力されるTCに基づいて、内部時刻を修正する。
受信制御部2363は、受信回路22を制御する。例えば、受信制御部2363は、外部操作部材30が操作される等して、標準電波を受信して内部時刻を修正する際に、受信回路22を起動させるパワーオン信号を当該受信回路22に出力する。また、受信制御部2363は、受信される標準電波に応じた前述の設定データを記憶部235から取得し、受信回路22が起動された後に、当該設定データをシリアルIF部237を介して、受信回路22に出力する。更に、受信制御部2363は、受信される標準電波に応じた局部発振信号の周波数を記憶部235から取得し、当該周波数を示すデータをシリアルIF部237を介して、受信回路22に出力する。
シリアルIF部237は、受信回路22の後述するデコード回路229とシリアル通信線を介して電気的に接続されており、受信制御部2363から入力される制御信号を、当該シリアル通信線を介してデコード回路229に出力する。
なお、シリアルIF部237とデコード回路229との間で、双方向通信が可能な2線の同期式インターフェイスを用いた双方向シリアル通信を行うように構成してもよい。このような場合、シリアルIF部237を介して受信制御部2363から制御信号が入力された受信回路22が、受信及び認識した制御信号を当該シリアルIF部237を介して受信制御部2363に再度転送(フィードバック)してもよい。これによれば、受信制御部2363が、出力した制御信号と入力された制御信号との差異を確認することで、より信頼性の高いシリアル通信を実施できる。
[受信回路の構成]
図3は、受信回路22の構成を示すブロック図である。
受信回路22は、前述のように、アンテナ21から入力される受信信号からTCO信号を復調し、当該TCO信号を制御回路23に出力する。この受信回路22は、図3に示すように、同調回路221、第1増幅回路222、AGC(Auto Gain Control)回路223、局部発振部224、ミキサー回路225、第2増幅回路226、検波回路227、二値化回路228、デコード回路229、レジスター22A及び発振周波数調整部22Bを備える。
これらのうち、デコード回路229は、制御回路23から入力される制御信号をデコードして、当該制御信号により示される制御内容を取得する。この制御内容は、レジスター22Aに記憶される。
同調回路221は、コンデンサーを備えて構成され、アンテナ21とともに並列共振回路を構成し、特定の周波数の電波をアンテナ21に受信させる。これら同調回路221及びアンテナ21は、本発明の受信部に相当し、本発明の受信ステップを実施する。このような同調回路221により、アンテナ21で受信された標準電波が電圧信号に変換され、受信信号として第1増幅回路222に出力される。
具体的に、外部操作部材30に対する操作に応じて、受信される標準電波の種類を示す信号が制御回路23に入力されると、受信制御部2363から、当該標準電波を受信させる制御信号(記憶部235に記憶されている設定データのうち、該当する標準電波を受信する際の設定データが含まれる制御信号)が、デコード回路229に入力される。この制御信号に含まれる設定データは、デコード回路229によりデコードされてレジスター22Aに記憶される。そして、同調回路221が、当該設定データを読み出して、コンデンサーを設定し、標準電波を受信可能な状態にアンテナ21を設定する。
なお、本実施形態では、外部操作部材30に対する操作に応じて、受信される標準電波の種類が切り替えられる構成としたが、例えば、受信する周波数を順次切り替えて、受信可能な標準電波を自動的に検出する構成としてもよい。
また、本実施形態では、受信回路22は、標準電波JJY、WWVB、MSF、DCF77及びBPCを受信可能とするが、他の標準電波を受信可能としてもよい。
第1増幅回路222は、同調回路221から入力される受信信号を一定の振幅に増幅する。また、AGC回路223は、検波回路227にて生成される包絡線信号の信号レベルに基づいて、第1増幅回路222のゲインを調整する。
局部発振部224は、ミキサー回路225に出力されて受信信号と混合される局部発振信号を生成する。すなわち、局部発振部224は、本発明の局部発振信号生成ステップを実施する。このような局部発振部224は、PLL(Phase Locked Loop:位相同期)回路2241及びVCO(Voltage Controlled Oscillators:電圧制御発振器)2246を備える。
これらのうち、VCO2246は、PLL回路2241により調整された発振周波数の局部発振信号をミキサー回路225及びPLL回路2241に出力する。
図4は、PLL回路2241の構成を示すブロック図である。
PLL回路2241は、制御回路23から入力される基準信号と、電圧に応じて発振周波数が変化するVCO2246から入力されるフィードバック信号との位相差を当該VCO2246に出力することにより、入力信号と出力信号の位相を同期させて、VCO2246の発振周波数を調整する。このPLL回路2241は、図4に示すように、プログラマブルカウンター2242、基準カウンター2243、位相比較回路2244及びループフィルター2245を備える。
プログラマブルカウンター2242及び基準カウンター2243は、分周器である。
これらのうち、プログラマブルカウンター2242は、VCO2246から入力される局部発振信号をカウントし、カウント値が所定の第1基準値と一致すると、第1比較信号を位相比較回路2244に出力する。
基準カウンター2243は、制御回路23から入力される基準信号をカウントし、カウント値が所定の第2基準値と一致すると、第2比較信号を位相比較回路2244に出力する。
位相比較回路2244は、第1比較信号及び第2比較信号の位相を比較して、位相誤差を示す誤差信号をループフィルター2245に出力する。
ループフィルター2245は、位相比較回路2244から入力される電圧信号をフィルタリングするローパスフィルターであり、不要な短周期の変動を遮断する。このループフィルター2245を通過した信号は、VCO2246に入力される。
このようなPLL回路2241では、プログラマブルカウンター2242及び基準カウンター2243の分周比は、レジスター22Aに記憶された局部発振信号の周波数(記憶部235に記憶され、受信対象の標準電波に応じた局部発振信号の周波数)に応じて、発振周波数調整部22Bにより調整される。これにより、VCO2246の発振周波数を調整することができ、記憶部235に標準電波ごとに記憶された周波数のうち、受信対象の標準電波に応じた局部発振信号を、VCO2246がミキサー回路225に出力できる。
このようにして発振周波数が調整されたVCO2246は、標準電波に応じた受信信号の周波数と局部発振信号の周波数との差分である中間周波数が、後述する水晶フィルター2261の中心周波数と一致する際の周波数の局部発振信号を、ミキサー回路225に出力する。
例えば、水晶フィルター2261の中心周波数が30kHzであり、40kHzの標準電波が受信される際には、VCO2246は、70kHzの局部発振信号を出力する。また、60kHzの標準電波が受信される際には、VCO2246は、90kHzの局部発振信号を出力する。
図3に戻り、ミキサー回路225は、第1増幅回路222から入力される受信信号と、局部発振部224から入力される局部発振信号とを混合した中間信号を生成する。すなわち、ミキサー回路225は、本発明のミキサー部に相当し、本発明の中間信号生成ステップを実施する。この中間信号は、第2増幅回路226に出力される。この中間信号の周波数は、水晶フィルター2261の中心周波数と同じ周波数とされる。
第2増幅回路226は、水晶フィルター2261を備え、当該水晶フィルター2261の中心周波数を中心とする所定帯域幅の信号を抽出する(通過させる)とともに、抽出信号を固定のゲインで更に増幅して、検波回路227に出力する。すなわち、水晶フィルター2261は、本発明の信号抽出ステップを実施する。この水晶フィルター2261は、本実施形態では、中心周波数が30kHzとなるように製造されたものである。
図5は、水晶フィルター2261の特性を示す図である。
このような水晶フィルター2261では、中心周波数と一致する中間信号が入力された場合の抽出信号の信号強度に対する差分が3dB以内である帯域幅は、図5に示すように、5Hz(150ppm)程度である。このように、水晶フィルター2261では、通過帯域幅を非常に狭くすることができるので、抽出信号のSN比を高めることができる。なお、このような通過帯域幅は、当該水晶フィルターに対して直列に接続されたダンピング抵抗(図示省略)の抵抗値を変更することで調整できる。
逆に、中心周波数と中間周波数とが一致しない場合には、これら各周波数が一致する場合に比べて、抽出信号の信号強度が著しく低下する。そして、一般的に水晶フィルターには製造ばらつき等の個体差があり、中心周波数が30kHzとなるように製造されても、水晶フィルター2261の実際の中心周波数は数Hzずれる場合がある。
図6は、中心周波数と中間周波数とがずれている場合の受信感度の差分の一例を示す図である。なお、図6において、菱形のポイントは実測値を示し、曲線は、これら実測値の近似曲線を示している。
例えば、図6においてずれ量が2Hzである場合のように、実際の中心周波数が30.002kHzであると、生成された中間信号の中間周波数が30kHzであっても、中心周波数が30kHzである場合に比べて抽出信号の信号強度は略2dB低下する。更に、各周波数のずれ量が4Hzである場合には、抽出信号の信号強度は略7dB低下する。このように、水晶フィルター2261には、中心周波数と中間周波数とがずれた場合に受信感度が急激に低下する特性があり、抽出信号のSN比を高めるために水晶フィルター2261を狭帯域とすることは、素子ばらつきの影響を受けやすくしてしまう。
このため、実際の中心周波数に中間周波数を一致させるために、後述する発振周波数調整部22Bが、局部発振部224を調整して、局部発振信号の周波数を調整する。これについては、後に詳述する。
図3に戻り、検波回路227は、整流器及びLPF(Low-Pass Filter)(ともに図示省略)を備え、第2増幅回路226から入力される抽出信号を整流及びろ波し、得られた包絡線信号を二値化回路228に出力する。
二値化回路228は、検波回路227から入力される包絡線信号の信号レベルと、所定の基準電圧の電圧レベルとを比較して、二値化信号であるTCO信号を生成し、当該TCO信号を前述のTCOデコード部234に出力する。すなわち、検波回路227、二値化回路228及びTCOデコード部234は、本発明の時刻情報取得部に相当し、これらにより、本発明の時刻情報取得ステップが実施される。なお、二値化回路228は、例えば、二値化コンパレーターで構成される。
発振周波数調整部22Bは、前述のように、水晶フィルター2261の実際の中心周波数に、当該水晶フィルター2261に入力される中間信号の中間周波数を一致させるために、受信される標準電波の種類に応じて局部発振部224を調整して、局部発振信号の周波数を調整する。具体的に、発振周波数調整部22Bは、PLL回路2241を構成するプログラマブルカウンター2242及び基準カウンター2243の分周比を調整して、VCO2246により生成される局部発振信号の周波数を調整する。
この際、発振周波数調整部22Bは、レジスター22Aに記憶された制御内容、すなわち、記憶部235に標準電波ごとに記憶された局部発振信号の周波数に基づいて、各カウンター2242,2243の分周比を調整して、当該周波数の局部発振信号がVCO2246により生成されるように調整する。
[局部発振信号の周波数の設定]
図7は、局部発振部224により生成される局部発振信号の周波数設定手順を示すフローチャートである。
記憶部235に標準電波ごとに記憶される局部発振信号の周波数は、以下の設定手順により設定されて、当該記憶部235に記憶される。この設定手順は、電波修正時計1の出荷前の段階で、受信可能な標準電波の種類ごとに行われる。
この設定手順では、図7に示すように、電波修正時計1の記憶部235に対して、各標準電波を受信する際のコンデンサーの設定データを書き込む他、局部発振部224により生成される局部発振信号の周波数を示す初期データを書き込む(ステップSA1)。
次に、受信回路22を起動させて、受信対象の標準電波を実際に受信させ、第2増幅回路226から出力された抽出信号の信号強度を測定する(ステップSA2)。
具体的に、ステップSA2では、ステップSA1で書き込まれた初期データに基づく周波数の局部発振信号を局部発振部224に生成させ、この局部発振信号と、受信された標準電波に応じた受信信号とをミキサー回路225にて混合させた前述の中間信号を生成させる。そして、当該中間信号から第2増幅回路226の水晶フィルター2261により抽出された抽出信号をスイープして、当該抽出信号の信号強度(振幅)を測定する。
このステップSA2の後、測定された抽出信号の信号強度が最大であるか否かを判定する(ステップSA3)。この際、中心周波数及び中間周波数がそれぞれ一致する場合における抽出信号の理論上の信号強度と、測定された抽出信号の信号強度とを比較して、それぞれの差異が所定の規定値以下であれば、測定された抽出信号の信号強度が最大であると判定する。
このステップSA3にて、測定された抽出信号の信号強度が最大ではないと判定されると、記憶部235に記憶されている局部発振信号の周波数を補正した補正データを当該記憶部235に書き込む(ステップSA4)。この補正データは、例えば、既に記憶されている局部発振信号の周波数に所定値を加算或いは減算した周波数とされる。このステップSA4の後、処理はステップSA2に戻され、ステップSA2〜SA4は、測定された抽出信号の信号強度が最大と判定されるまで繰り返される。
一方、ステップSA3にて、測定された抽出信号の信号強度が最大であると判定されると、局部発振信号の周波数の設定手順は終了される。このような設定手順により、水晶フィルター2261の中心周波数と中間信号の中間周波数とを一致させる周波数に、局部発振信号の周波数を設定できる。
このような局部発振信号の周波数設定方法により、例えば、中心周波数が30kHzとなるように製造された水晶フィルター2261の実際の中心周波数が30.002kHzであり、40kHzの標準電波が受信される場合に、当該水晶フィルター2261による抽出信号の信号強度が最大となる場合の局部発振信号の周波数は70.002kHzと求められる。この周波数(70.002kHz)が、40kHzの標準電波を受信する際の局部発振信号の周波数として、記憶部235に記憶される。
このようにして記憶された局部発振信号の周波数を参照して、発振周波数調整部22Bが、局部発振部224の分周比を調整することで、当該局部発振部224は、70.002kHzの局部発振信号を生成することとなる。これにより、40kHzの標準電波に応じた受信信号と局部発振信号とを混合した中間信号の周波数を、水晶フィルター2261の実際の中心周波数である30.002kHzとすることができる。
[時刻修正処理]
図8は、電波修正時計1による時刻修正処理を示すフローチャートである。
電波修正時計1は、標準電波を受信してTC(すなわち時刻情報)を取得し、内部時刻を修正する際に、以下に示す時刻修正処理を実行する。この時刻修正処理は、使用者により外部操作部材30が操作された場合や、予め定められた時刻に内部時刻が達した場合に実行される。
この時刻修正処理では、図8に示すように、まず、受信制御部2363が、受信回路22にパワーオン信号を出力して、当該受信回路22を起動させる(ステップSB01)。
そして、受信回路22が起動されると、受信制御部2363が、シリアルIF部237に、記憶部235に記憶された制御内容を受信回路22に出力させる(ステップSB02)。この制御内容には、前述のように、受信される標準電波の種類に応じた設定データや、生成される局部発振信号の周波数が含まれる。この制御内容は、デコード回路229によりデコードされ、レジスター22Aに記憶される。
次に、同調回路221が、レジスター22Aに記憶された設定データに基づいて、アンテナ21により受信される標準電波を選局する(ステップSB03)。
また、発振周波数調整部22Bが、レジスター22Aに記憶された周波数に基づいて、プログラマブルカウンター2242及び基準カウンター2243の分周比を調整し、局部発振部224により発振される局部発振信号の周波数を調整する(ステップSB04)。
この後、制御回路23は、所定時間(例えば1分)が経過したか否かを判定し(ステップSB05)、経過していないと場合には、当該所定時間が経過するまで待機する。
一方、制御回路23は、所定時間が経過したと判定した場合には、受信回路22から入力されるTCO信号を取得する(ステップSB06)。
そして、制御回路23の中央制御部236は、TCOデコード部234に入力されたTCO信号の立ち上がりタイミングが1秒間隔になったかを確認して、秒同期を確立できたか否かを判定する(ステップSB07)。この判定処理にて、秒同期を確立できないと判定されると、処理はステップSB10に移行される。
ステップSB07の判定処理にて、中央制御部236は、秒同期を確立できたと判定すると、TCO信号に含まれるマーカーを検出する等して、分同期(フレーム同期)を確立できたか否かを判定する(ステップSB08)。この判定処理にて、分同期を確立できないと判定されると、処理はステップSB10に移行される。
一方、分同期を確立できたと判定されると、中央制御部236は、TCOデコード部234によりデコードされたTCを取得し、当該TCが整合しているか否かを判定する(ステップSB09)。すなわち、TCが、受信対象の標準電波のフォーマットに合致したものであるか否かを判定する。この判定処理にて、整合していないと判定されると、処理はステップSB10に移行され、整合していると判定されると、処理はステップSB11に移行される。
ステップSB10では、適正なTCを取得できない状態にあると判断され、受信制御部2363が、受信回路22による標準電波の受信処理を終了させ(ステップSB10)、時刻修正処理が終了される。
ステップSB11では、適性なTCを取得できたと判断され、受信制御部2363が、受信回路22による標準電波の受信処理を終了させる(ステップSB11)。そして、時刻修正部2362が、取得されたTCに基づいて、計時部2361により計時されている内部時刻を修正する(ステップSB12)。この後、時刻修正処理が終了される。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る電波修正時計1によれば、以下の効果がある。
記憶部235には、水晶フィルター2261による抽出信号の信号強度に基づいて決定された局部発振信号の周波数が予め記憶されている。すなわち、電波修正時計1の出荷前の段階で、局部発振信号の周波数を変動させて得られる中間信号から水晶フィルター2261により抽出された抽出信号の信号強度を予め測定し、当該信号強度が最大となる場合の局部発振信号の周波数が、記憶部235に予め記憶されている。そして、発振周波数調整部22Bが、当該記憶部235に記憶された局部発振信号の周波数に基づいて、水晶フィルター2261の中心周波数と中間周波数とが一致するように、局部発振部224により生成される局部発振信号の周波数を調整する。これにより、生成される局部発振信号の周波数を適切な周波数に確実に調整できる。従って、水晶フィルター2261により抽出される信号の強度を高めることができ、標準電波の受信感度を高めることができる。
中間信号の周波数を、個々の水晶フィルター2261の実際の中心周波数に合わせることができるので、高価で高精度な水晶フィルターを採用せずとも、抽出信号の信号強度を高めることができる。従って、周波数ばらつきの大きい比較的安価な水晶フィルターを採用でき、電波修正時計1の製造コストを低減できる。
記憶部235には、受信部としてのアンテナ21及び同調回路221により受信可能な標準電波の種類ごとに、局部発振信号の周波数が記憶されている。これによれば、局部発振部224が、受信される標準電波の種類に応じた周波数の局部発振信号を確実に生成できる。従って、受信される標準電波が変更される場合でも、当該標準電波の受信信号から時刻情報を適切に取得でき、内部時刻を適切に修正できる。
水晶発振部2311により発振された基準信号に基づいて、計時部2361が内部時刻を計時する他、局部発振部224が局部発振信号を生成する。これによれば、それぞれ個別に水晶発振部を設ける必要がない。従って、水晶発振部をそれぞれ個別に設ける場合に比べ、電波修正時計1の構成の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる他、電波修正時計1の消費電力を低減できる。
局部発振部224は、水晶発振部2311が発振する比較的高い周波数(32.768kHz)の基準信号に基づいて局部発振信号を生成するので、設定された周波数の局部発振信号を精度よく生成できる。従って、標準電波の受信感度を確実に向上できる。
また、水晶フィルターと同様に水晶発振部にも個体差があり、生成される基準信号の周波数もばらつく可能性がある。例えば、水晶発振部2311の素子ばらつきによっては、基準信号が0.3Hz(10ppm)程度ばらつく。このことから、水晶発振部2311に起因する中間周波数のばらつきが生じる場合がある。しかしながら、論理緩急制御部233で補正される前の高い周波数(32.768kHz)を局部発振部224の基準信号に用いるため、個々の水晶発振部2311によって生じる基準信号のばらつきは補正できない。
これに対し、水晶フィルター2261による抽出信号の信号強度を予め測定した結果に基づいて設定された周波数の局部発振信号を局部発振部224が生成することにより、水晶発振部2311の個体差も補完できる。従って、標準電波の受信感度を確実に向上できる。
局部発振信号は、PLL回路2241及びVCO2246により構成された局部発振部224により生成される。これによれば、当該局部発振信号を生成する構成として、比較的簡易な構成を採用できるので、電波修正時計1の構成を簡略化できる。また、PLL回路は比較的安価であるので、局部発振部224にPLL回路2241を採用することにより、電波修正時計1の製造コストの上昇を抑制できる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る電波修正時計は、局部発振部の構成が前述の電波修正時計1と異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る電波修正時計が備える局部発振部22Cの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る電波修正時計は、局部発振部224に代えて局部発振部22Cを備える他は、前述の電波修正時計1と同様の構成及び機能を有する。
この局部発振部22Cは、局部発振部224と同様に、発振周波数調整部22Bにより調整された周波数の局部発振信号を生成して、当該局部発振信号をミキサー回路225に出力する。すなわち、局部発振部22Cは、本発明の局部発振信号生成ステップを実施する。このような局部発振部22Cは、図9に示すように、PLL回路22C1、VCO22C2及びDDS(Direct Digital Synthesizer)回路22C3を備え、当該DDS回路22C3は、ラッチ22C4、加算器22C5、メモリー22C6、コンバーター22C7及びLPF(Low Pass Filter)22C8を備える。
PLL回路22C1及びVCO22C2は、前述のPLL回路2241及びVCO2246と同様に、制御回路23から入力される基準信号から所定周波数の信号を生成し、当該信号をラッチ22C4に出力する。この信号は、局部発振部22Cにおいては、クロック信号となる。
ラッチ22C4及び加算器22C5は、累積加算器(アキュムレーター)を構成する。これらラッチ22C4及び加算器22C5は、VCO22C2から入力されるクロック信号に同期して周波数設定値Mを累積する。これにより、当該周波数設定値Mに比例した速度のノコギリ波(デジタルデータ)が生成される。このノコギリ波のデータは、出力波形の位相に相当し、メモリー22C5のアドレスとして使用される。
メモリー22C6は、予め波形データ(例えば1/4周期分の波形データ)が書き込まれたROM(Read Only Memory)である。この波形データが前述のアドレスに基づいて呼び出されることで、SIN波形が得られる。
コンバーター22C7は、D/A変換回路(Digital to Analog Converter)であり、得られたSIN波形をアナログ変換して、LPF22C8に出力する。
LPF22C8は、コンバーター22C7から入力される出力波形からクロック成分を除去し、これにより、発振周波数調整部22Bにより調整された周波数の局部発振信号が生成される。この局部発振信号は、ミキサー回路225に出力され、当該ミキサー回路225により、受信信号と混合される。
なお、加算器22C5のビット数を「n」とすると、DDS回路22C3の発振周波数は、以下の式(1)で表される。
[数式]
発振周波数=(周波数設定値M)×(クロック信号の周波数)/2 …(1)
このため、発振周波数調整部22Bが入力信号の周波数(すなわち、ラッチ22C4に入力される信号の周波数)及び加算器22C5のビット数を適宜調整することで、所望の発振周波数の局部発振信号を、局部発振部22C(DDS回路22C3)からミキサー回路225に出力できる。従って、局部発振部22Cにより生成される局部発振信号の周波数を、水晶フィルター2261の中心周波数と中間信号の中間周波数とを一致させる周波数とすることができる。
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る電波修正時計によれば、前述の電波修正時計1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果がある。
局部発振部22Cが、DDS回路22C3を備えていることから、前述の局部発振部224に比べて構成は複雑となるが、より高感度及び高精度な局部発振信号の周波数調整を実施できる。
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、電波修正時計は、局部発振部224,22Cは、受信される標準電波に応じた受信信号の周波数より高い周波数の局部発振信号を生成するアッパーヘテロダイン方式が採用されていたが、本発明はこれに限らない。すなわち、局部発振部が、当該受信信号の周波数より低い周波数の局部発振信号を生成するロアーヘテロダイン方式を採用してもよい。
前記各実施形態では、標準電波の種類ごとに、上記局部発振信号の周波数設定を行うとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、更に温度に応じた周波数設定を行ってもよい。この場合、局部発振信号を変動させるとともに環境温度を変動させて、水晶フィルター2261による抽出信号の信号強度を測定し、環境温度ごとに、当該信号強度が最も高くなる場合の局部発振信号の周波数を、記憶部235に記憶させる。そして、電波修正時計に温度センサーを設け、受信制御部2363が、受信される標準電波、及び、温度センサーにより検出された温度に応じた局部発振信号の周波数を、記憶部235から読み出して受信回路22に出力するように構成すればよい。
前記各実施形態では、電波修正時計は、複数種類の標準電波を受信可能に構成されているとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、使用する地域が予め定まっている場合等においては、1種類の標準電波のみ受信可能な構成としてもよい。また、上記種類の標準電波から選択された標準電波を受信可能に構成してもよく、他の標準電波を受信可能に構成してもよい。
前記各実施形態では、計時部2361による内部時刻の計時に利用される基準信号(分周回路232により分周されて1Hzの信号となる基準信号)と、局部発振部224,22Cによる局部発振信号の生成に利用される基準信号は、水晶発振部2311により発振されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、それぞれ個別に水晶発振部を設けてもよい。
前記各実施形態では、記憶部235には、局部発振部224,22Cに生成させる局部発振信号の周波数が記憶されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、それぞれの標準電波の搬送周波数と、水晶フィルター2261の中心周波数とが記憶されていてもよい。この場合、発振周波数調整部22Bが、受信対象の標準電波の搬送周波数と、水晶フィルター2261の中心周波数とを加算して、生成させる局部発振信号の周波数を算出し、当該周波数に基づいて局部発振部224,22Cを調整してもよい。
前記各実施形態では、第2増幅回路226から出力されて検波回路227に入力される抽出信号の信号強度(振幅)を測定して、局部発振信号の周波数を設定するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、検波回路227から出力される包絡線信号の信号レベルに基づいて第1増幅回路222のゲインを調整するAGC回路223の出力電圧を測定し、当該出力電圧に基づいて、局部発振信号の周波数を設定してもよい。このような構成によれば、AGC回路223から第1増幅回路222への出力電圧が安定するまでに時間を要するため、局部発振信号の周波数設定に要する時間が長くなるが、抽出信号の信号強度を測定する場合に比べて、測定対象(当該出力電圧)の測定を容易に実施できる。
1…電波修正時計、21…アンテナ(受信部)、221…同調回路(受信部)、224,22C…局部発振部、225…ミキサー回路(ミキサー部)、227…検波回路(時刻情報取得部)、228…二値化回路(時刻情報取得部)、22B…発振周波数調整部、234…TCOデコード部(時刻情報取得部)、235…記憶部、2261…水晶フィルター、2311…水晶発振部、2361…計時部。

Claims (6)

  1. 時刻情報を含む標準電波を受信して、受信された前記標準電波に応じた受信信号を出力する受信部と、
    局部発振信号を生成する局部発振部と、
    前記局部発振信号及び前記受信信号を混合して、前記局部発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差分である中間周波数の中間信号を生成するミキサー部と、
    中心周波数を中心とする所定帯域幅の信号を前記中間信号から抽出する水晶フィルターと、
    前記水晶フィルターにより抽出された信号に基づいて、前記時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
    前記標準電波に応じた前記局部発振信号の周波数を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記局部発振信号の周波数に基づいて、前記水晶フィルターの中心周波数と前記中間周波数とが一致するように、前記局部発振部により生成される前記局部発振信号の周波数を調整する発振周波数調整部と、を備える
    ことを特徴とする電波修正時計。
  2. 請求項1に記載の電波修正時計において、
    前記受信部は、それぞれ搬送周波数が異なる複数種類の前記標準電波を受信可能に構成され、
    前記記憶部は、前記標準電波の種類ごとに前記局部発振信号の周波数を記憶し、
    前記発振周波数調整部は、前記受信部により受信される前記標準電波の種類に応じた周波数の前記局部発振信号を、前記局部発振部に生成させる
    ことを特徴とする電波修正時計。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電波修正時計において、
    所定周波数の基準信号を生成する水晶発振部と、
    前記基準信号に基づいて、内部時刻を計時する計時部とを備え、
    前記局部発振部は、前記基準信号に基づいて前記局部発振信号を生成する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  4. 請求項3に記載の電波修正時計において、
    前記局部発振部は、前記基準信号を分周して前記局部発振信号を生成し、
    前記発振周波数調整部は、前記局部発振部の分周比を調整して、当該局部発振部に生成させる前記局部発振信号の周波数を調整する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  5. 時刻情報が含まれる標準電波を受信する受信ステップと、
    局部発振信号を生成する局部発振信号生成ステップと、
    受信された前記標準電波に応じた受信信号と前記局部発振信号とを混合して、前記局部発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差分である中間周波数の中間信号を生成する中間信号生成ステップと、
    水晶フィルターにより、当該水晶フィルターの中心周波数を中心とする所定帯域幅の信号を前記中間信号から抽出する信号抽出ステップと、
    抽出された前記所定帯域幅の信号に基づいて前記時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、を含み、
    前記局部発振信号生成ステップでは、前記標準電波に応じて予め記憶部に記憶された周波数に基づいて、前記中心周波数と前記中間周波数とが一致するように周波数が調整された前記局部発振信号を生成する
    ことを特徴とする電波修正時計の制御方法。
  6. 請求項5に記載の電波修正時計の制御方法において、
    前記記憶部には、
    前記局部発振信号の周波数を変動させて得られる前記中間信号から前記水晶フィルターにより抽出された信号の信号強度が予め測定され、当該信号強度が最大となる場合の前記局部発振信号の周波数が記憶されている
    ことを特徴とする電波修正時計の制御方法。
JP2012041895A 2012-02-28 2012-02-28 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法 Withdrawn JP2013178151A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012041895A JP2013178151A (ja) 2012-02-28 2012-02-28 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012041895A JP2013178151A (ja) 2012-02-28 2012-02-28 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013178151A true JP2013178151A (ja) 2013-09-09

Family

ID=49269920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012041895A Withdrawn JP2013178151A (ja) 2012-02-28 2012-02-28 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013178151A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004282425A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Casio Comput Co Ltd 電波受信装置、電波時計及び同調容量設定方法
JP2011069822A (ja) * 2009-09-22 2011-04-07 Swatch Group Research & Development Ltd タイムベース調整用の電波同期信号受信器および該受信器の作動方法
JP2011237239A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Seiko Epson Corp 計時機能付き電子機器およびその制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004282425A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Casio Comput Co Ltd 電波受信装置、電波時計及び同調容量設定方法
JP2011069822A (ja) * 2009-09-22 2011-04-07 Swatch Group Research & Development Ltd タイムベース調整用の電波同期信号受信器および該受信器の作動方法
JP2011237239A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Seiko Epson Corp 計時機能付き電子機器およびその制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009036750A (ja) 電波修正時計、およびその制御方法
JP5627090B2 (ja) タイムベース調整用の電波同期信号受信器および該受信器の作動方法
US7710833B2 (en) Radio-controlled timepiece and method of changing the waveform discrimination standard
JPWO2011118820A1 (ja) 電波時計
JP6387860B2 (ja) 電波時計および電波時計の制御方法
JP2004340749A (ja) 標準電波受信時刻装置
JP2013178151A (ja) 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法
JP5408028B2 (ja) 計時機能付き電子機器およびその制御方法
US10466655B1 (en) Electronic timepiece and control method of electronic timepiece
JP5978784B2 (ja) 電波修正時計及び電波修正時計の制御方法
JP2004279107A (ja) 電波修正時計およびその制御方法
JP2011214871A (ja) 時刻受信装置、電波修正時計および時刻受信装置の制御方法
JP7375447B2 (ja) 電波修正時計及び電波修正時計の時刻修正方法
JP5751280B2 (ja) 電波時計
JP5667462B2 (ja) 電波修正時計
JP5929242B2 (ja) 受信回路及び電波修正時計
JP7021585B2 (ja) 電波修正時計
JP6191653B2 (ja) 電波時計
JP2002217713A (ja) 基準周波数発生装置
JP6323210B2 (ja) 標準電波受信装置及び電波時計
JP2004294357A (ja) 計時装置
JP6123216B2 (ja) 電波修正時計
JP2007263887A (ja) 電波修正時計、電子機器および時刻修正方法
JP2013019723A (ja) 時刻受信装置、電波修正時計およびタイムコード種別判別方法
JP2018155687A (ja) 電波修正時計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20160704