JP7021585B2 - 電波修正時計 - Google Patents
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Description
これに対し、2つの異なる基準電圧を用いて受信信号の変化を検出し、各々の検出信号を合成することにより、受信信号におけるノイズの影響を受けにくくし、復調信号の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングを実際の信号に近づけ、より正確な復調信号を生成できるようにした受信回路が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、電界強度が低く、受信が成功しづらい環境では、受信した信号を解析して得られる二値化信号の信号幅(立ち上がりから立ち下がりまでの時間長さ)のばらつきが大きく、信号が示す情報を誤って取得してしまう。例えば、JJY(日本)やWWVB(アメリカ)の標準電波信号は、異なる符号を示す信号の信号幅の差が300ms(ミリ秒)と大きく、受信信号が劣化した場合でも互いに取り違える可能性は低い。しかし、DCF77(ドイツ)やMSF(イギリス)の信号は、異なる符号の信号幅の差が100msと小さく、受信信号が劣化した場合には、どちらの符号か識別できず、その結果、受信データにエラーが発生してしまう可能性があった。
このような問題から、時刻信号の判定精度を向上できる構成が要望されてきた。
その結果、時刻信号の判定精度を向上でき、符号を特定しにくい劣化した受信信号についても復調信号を生成でき、最終的に時計そのものの受信感度レベルを向上させることができる。
この際、本発明では、複数の基準電圧について受信信号との比較及び計測時間の測定を行うが、各々の処理に対してハードウェアの大幅な追加などが不要であり、構成の簡略化が可能となる。
本発明では、計測時間の時間量ではなく、比率で判定する点が異なるが、前述した本発明の電波修正時計と同様に、符号を特定しにくい劣化した受信信号についても復調信号を生成でき、時刻信号の判定精度を向上でき、最終的に時計そのものの受信感度レベルを向上させることができる。
この際、時間の絶対量ではなく比率で判定することにより、周りの環境や標準電波送信局との距離などにより電界強度が変化し、受信信号の波形、とくに信号幅が一律に細くなったり、太くなったりした場合でも、精度のよい信号判定が可能となる。
なお、基準電圧ごとの計測時間の比率に基づく判定は、全ての基準電圧の計測時間について行うものに限らず、一部の基準電圧については比率で判定、他の基準電圧については時間量での判定のように組み合わせてもよい。例えば、信号幅の判定が明瞭な領域に関しては時間量による足切りを行っておき、信号幅の判定が不明瞭になる領域については比率による判定を行う等としてもよい。
その結果、信号判定精度が向上し、符号を特定しにくい劣化した受信信号についても復調信号を生成でき、最終的に時計そのものの受信感度レベルを向上させることができる。
この際、本発明では、第1基準電圧及び第2基準電圧について受信信号との比較ないし第1計測時間及び第2計測時間の計測を行うが、各々の処理に対してハードウェアの大幅な追加などが不要であり、構成の簡略化が可能となる。とくに、本発明では、閾値の数を最低限である2つ(第1基準電圧及び第2基準電圧)にすることで、前述した複数の基準電圧を用いる本発明の電波修正時計に比べても高い処理能力が不要になり、ハードウェア構成の簡略化、高速クロックの解消による消費電流の低下、製品の小型化を実現できる。
本発明において、アクティブ信号及びノンアクティブ信号は、二値化信号である時刻信号の2つの値であり、例えば受信信号から復調されたTCO信号のH信号及びL信号に相当する信号とすればよい。
この際、周りの環境や標準電波送信局との距離などにより電界強度が変化し、受信信号の波形、とくに信号幅が一律に細くなったり、太くなったりした場合でも、時間の絶対量ではなく比率で判断することにより、精度良く信号判定が可能となる。
本発明において、信号種類が明らかに判定可能とは、例えば第2計測時間が時刻信号における最短の信号幅より短い場合、あるいは、最長の信号幅より長い場合などである。
〔第1実施形態〕
[電波修正時計の全体構成]
図1は、本実施形態に係る時計1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る時計1は、標準電波を受信して、当該標準電波に含まれるTCO(Time Code Out)信号を復調し、当該TCO信号に基づいて内部時刻情報を修正する電波修正時計である。この時計1は、図1に示すように、アンテナ2、受信回路3、制御回路4及び表示手段5と、電源(図示省略)とを備えて構成されている。
また、表示手段5は、時刻を表示する。このような表示手段5として、時刻をデジタル表示する場合には液晶、有機EL(Electroluminescence)及び電気泳動等の各種ディスプレイを採用でき、アナログ表示する場合には指針、モーター、輪列等を例示できる。
受信回路3は、受信手段31及び復調手段32を備えて構成されている。
受信手段31は、詳しい図示を省略するが、同調回路、増幅回路、バンドパスフィルター及び包絡線検波回路を備えて構成されている。
同調回路は、アンテナ2とともに並列共振回路を構成し、特定の周波数の電波をアンテナ2で受信させる。この同調回路により、アンテナ2は、前述の標準電波(例えば「DCF77」)を受信可能となる。増幅回路は、アンテナ2で受信した標準電波に基づく受信信号を増幅及び整流する。バンドパスフィルターは、受信信号を濾波し、当該受信信号から搬送波成分以外の成分(例えば、ノイズ成分)を除去する。包絡線検波回路は、入力された受信信号を整流及び濾波して、得られた包絡線信号を復調手段32に出力する。
なお、基準電圧VREF1は、本発明の第1基準電圧に相当し、当該基準電圧VREF1の電圧値は、受信信号(包絡線信号)がハイレベルにあるときの電圧値より低い。また、当該基準電圧VREF1より電圧値が低い基準電圧VREF2は、本発明の第2基準電圧に相当し、当該基準電圧VREF2の電圧値は、当該受信信号がローレベルにあるときの電圧値より高く、かつ第1基準電圧の電圧値よりも低い。
これらの基準電圧VREF1,VREF2の値としては、例えば、VREF2は、ノイズ判別用として、ノイズレベルを参照して設定することが好ましい。また、VREF1は、波形判別用として、試験的な受信動作など様々な検証を行った後、波形判別に効果的な値に設定することが好ましい。
制御回路4は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備えて構成され、時計1全体を制御する。例えば、制御回路4は、受信回路3の動作を制御する他、表示手段5に時刻等を表示させる。このような制御回路4は、発振手段41、分周手段42及び時刻修正手段43を備える。
具体的に、発振手段41は、水晶振動子等の図示しない基準信号源が接続されており、当該発振手段41は、基準信号源を高周波発振させ、当該高周波発振により発生する発振信号を分周手段42に出力する。
分周手段42は、入力される発振信号を分周する。この分周手段42は、所定の基準信号(例えば、1Hzのパルス信号)を、時刻修正手段43に出力する。
これらのうち、記憶部436は、フラッシュメモリー等により構成され、時刻修正手段43の動作に必要な各種プログラム及び情報を記憶する。このようなプログラムとして、後述するTCO信号の生成処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。また、記憶部436は、計時中の内部時刻についての情報である内部時刻情報を保持する。
また、時間計測部432は、受信回路3から入力される第2信号TCO2の電圧レベルを監視し、第2信号TCO2の電圧レベルがローレベルからハイレベルに切り替わる時点、及び、第2信号TCO2の電圧レベルがハイレベルからローレベルに切り替わる時点を検出する。そして、時間計測部432は、各々の時点に基づいて第2計測時間TA2、つまり、第2信号TCO2の電圧がハイレベルになってからローレベルに戻るまでの時間(受信信号の電圧が基準電圧VREF2を超えた後、再び基準電圧VREF2を下回るまでの時間)を計測する。
なお、標準電波では、1秒(1000ms)毎にビットデータ(符号データ)が送信されるため、前記所定の期間は、通常、1000msに設定すればよい。ただし、標準電波の種類によっては、500ms等のより短い期間に設定してもよい。例えば、DCF77では、符号「0」、「1」、「符号なし(無信号)」の信号幅が100ms、200ms、0msであり、秒同期後であれば、前記所定の期間を500msに設定しても各符号を判別できる。このように、時間計測の期間を1000msより短くすることで、余計な動作や演算時間を減らし、受信時の消費電流を下げる効果が期待できる。
具体的に、種類判定部433は、受信回路3から入力される第2信号TCO2の電圧レベルに基づき、第2信号TCO2の電圧レベルがローレベル(受信信号の電圧が基準電圧VREF2以下)であれば、TCO信号(時刻信号)をノンアクティブ信号(L信号)とし、第2信号TCO2の電圧レベルがハイレベル(受信信号の電圧が基準電圧VREF2を超えている)であれば、TCO信号をアクティブ信号(H信号)とする。
DCF77の符号判定にあたっては、以下の第1判定値ないし第4判定値を用いる。
本実施形態における第1判定値ないし第4判定値の値は、DCF77における符号「0」、「1」、符号なしの信号幅(100ms、200ms、0ms)を前提に設定されている。
第2計測時間TA2が第3判定値以上かつ第2判定値未満の信号としては、符号「0」の信号幅100msが劣化して第2計測時間TA2が長くなった信号と、符号「1」の信号幅200msが劣化して第2計測時間TA2が短くなった信号との両方の可能性があり、第2計測時間TA2だけでは100msか200msかの判定が難しい。そこで、第2基準電圧VREF2よりも高い第1基準電圧VREF1での第1計測時間TA1を用いて判定するために第4判定値を設定した。ここで、第1基準電圧VREF1は、前述したように、受信試験などで検証した結果で波形判別に効果的な値に設定され、本実施形態では、100msの信号の場合は、第1計測時間TA1が50ms未満となる可能性が高く、200msの信号の場合は、第1計測時間TA1が50ms以上となる可能性が高いレベルに設定した。このため、本実施形態では、第4判定値を、第1基準電圧VREF1の設定レベルに応じた50msに設定した。種類判定部433は、第1信号TCO1のH信号の信号幅が、第4判定値未満であれば信号幅100msの符号「0」であると判定し、第4判定値以上であれば信号幅200msの符号「1」と判定する。
時刻情報取得部434は、入力されるTCO信号から時刻情報を取得する。
計時部435は、前述の基準信号に基づいて内部時刻を計時する。この計時部435による内部時刻の計時は、記憶部436を利用して行われる。また、計時部435は、時刻情報取得部434により取得された時刻情報に基づいて、計時中の内部時刻を修正する。
表示制御部437は、記憶部436を参照して内部時刻を取得し、当該内部時刻が表示されるように、表示手段5の表示状態を制御する。
以下、本実施形態におけるTCO信号の生成処理について説明する。なお、本実施形態では、標準電波としてDCF77を受信している場合の処理について説明する。
図2は、TCO信号の生成処理における理想信号、受信信号及び基準電圧、並びに、TCO信号の波形を示す。
図2のうち、(A)部は標準電波の理想信号SI(元々の信号)の波形を示し、(B)部は、当該理想信号SIに対応する受信信号SRの波形及び基準電圧VREF1,VREF2を示している。また、(C)部は、第1信号TCO1及び第2信号TCO2の波形をそれぞれ示し、(D)部は、生成されるTCO信号の波形を示している。
図3は、図2の(C)部の第1信号TCO1及び第2信号TCO2から、(D)部のTCO信号を生成する際の信号種類の判定手順を示すフローチャートである。
図4は、図3の判定手順のうち、ステップS17~S19における信号種類の判定の一例である。
例えば、図2の(A)部の理想信号SIにおいては、ハイレベル状態となる矩形の波形SI1,SI3が信号幅100ms(符号「0」)、波形SI2が信号幅200ms(符号「1」)とされている。
復調手段32は、不明瞭な受信信号SRに対して基準電圧VREF1,VREF2との比較を行うことで、立ち上がり及び立ち下がりが明瞭な第1信号TCO1及び第2信号TCO2を生成する。
その結果、図2の(C)部の第1信号TCO1では、理想信号SIの波形SI2に対応する位置に、ハイレベル状態となる矩形の波形TCO12が表れる。
同様に、第2信号TCO2は、受信信号SRと基準電圧VREF2との比較により生成される。すなわち、受信信号SRが基準電圧VREF2より小さいとき、第2信号TCO2はローレベルとされ、受信信号SRが基準電圧VREF2を超えた際には、第2信号TCO2はハイレベルとされる。
その結果、図2の(C)部の第2信号TCO2では、理想信号SIの波形SI1~SI3に対応する位置に、それぞれハイレベル状態となる矩形の波形TCO21,TCO22,TCO23が表れる。
例えば、図2の(C)部において、第1信号TCO1の波形TCO12では、第1計測時間TA12=50msが計測される。第1信号TCO1において、理想信号SIの波形SI1,SI3に対応する部分には、ハイレベルの波形がないため、該当部位の第1計測時間TA11=0ms及び第1計測時間TA13=0msとなる。
また、第2信号TCO2の波形TCO21,TCO22,TCO23では、それぞれ第2計測時間TA21=90ms、第2計測時間TA22=150ms、第2計測時間TA23=90msが計測される。
第1計測時間TA1(TA11~TA13)及び第2計測時間TA2(TA21~TA23)が計測されたら、種類判定部433が、図3の判定手順によって各々の信号種類を判定し、その判定結果から(D)部に示すTCO信号が生成される。
第2信号TCO2のH信号の信号幅(第2計測時間TA2)が50ms未満の場合には、TCO信号の該当部分はローレベル(L信号、ノンアクティブ信号)が連続し、H信号の長さが0msの信号つまりL信号であり「符号なし」と判定する(ステップS12)。
ステップS11でH信号の信号幅が50ms以上の場合、第2信号TCO2のH信号の信号幅が200ms(第2判定値)以上であるかを判定する(ステップS13)。
ステップS13でH信号の信号幅が200ms以上の場合には、TCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)であると判定する(ステップS14)。
なお、ステップS14において、理想信号SIに信号幅300ms以上のH信号を用いる信号形式などでは、これを識別するための処理を行えばよい。
ステップS13でH信号の信号幅が200ms未満であれば、第2信号TCO2のH信号の信号幅が100ms(第3判定値)未満か否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15でH信号の信号幅が100ms未満である場合には、TCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)であると判定する(ステップS16)。
そこで、種類判定部433は、第1計測時間TA1を参照し、先に計測された第1計測時間TA1(TA11~TA13)からハイレベル(H信号)の持続が50ms(第4判定値)未満か否かを判定する(ステップS17)。
第1信号TCO1のH信号の信号幅(第1計測時間TA1)が50ms未満である場合には、TCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)であると判定する(ステップS18)。
ステップS18でH信号の信号幅が50ms以上の場合には、TCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)であると判定する(ステップS19)。
図4の(A)(B)の信号波形(TCO1,TCO2)は、それぞれ異なる符号(符号なし、「0」、「1」)から検出されたものであるが、いずれも第2信号TCO2のH信号の信号幅(第2計測時間TA2)が150msであったものとする。
図3で説明した通り、第2信号TCO2で第2計測時間TA2が150msである場合、図3のステップS11で「YES」、ステップS13で「NO」、ステップS15で「NO」となり、ステップS17において第1計測時間TA1と第4判定値との判定が行われる。
図4の(A)部の場合、第1信号TCO1におけるH信号の第1計測時間TA1は0msであるため、ステップS17で「YES」と判定され、ステップS18によりTCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)と判定される。
図4の(B)部の場合、第1信号TCO1におけるH信号の第1計測時間TA1は50msであるため、ステップS17で「NO」と判定され、ステップS19によりTCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)と判定される。
このように、ステップS17~S19の処理により、理想信号SIにおける信号幅200msの信号及び信号幅100msの信号が劣化した信号のいずれもが含まれる可能性がある第2信号TCO2のH信号の信号幅が100ms~200msの範囲についても、第1信号TCO1の第1計測時間TA1を参照して信号種類を判定することが可能である。
図2の(C)部において、第2信号TCO2の波形TCO21については、第2計測時間TA21=90msであるため、図3のステップS16により信号幅100msと判定される。その結果、図2の(D)部において、TCO信号の該当部分には信号幅100msの波形TCO01が生成される。
同様に、第2信号TCO2の波形TCO22については、第2計測時間TA22=150ms及び第1計測時間TA12=50msであるため、図3のステップS19により信号幅200msと判定される。その結果、図2の(D)部において、TCO信号の該当部分には信号幅200msの波形TCO02が生成される。
なお、第2信号TCO2の波形TCO22において、例えば第2計測時間TA22=200msであれば、図3のステップS13~S14により、ステップS15以降を実行することなく、信号幅200msと判定され、TCO信号には信号幅200msの波形TCO02が生成される。
さらに、第2信号TCO2の波形TCO23については、前述した波形TCO21と同様に判定され、図2の(D)部において、TCO信号の該当部分には信号幅100msの波形TCO03が生成される。
以上により生成されたTCO信号は、それぞれ信号幅100ms,200ms,100msの波形TCO01~TCO03を有し、これらは理想信号SIの波形SI1~SI3と対応したものとなる。
以上説明した本実施形態に係る時計1によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、受信信号SRに対して2つの基準電圧VREF1,VREF2(第1基準電圧及び第2基準電圧)との比較を行い、得られた第1信号TOC1及び第2信号TCO2から第1計測時間TA1及び第2計測時間TA2を計測することで、受信信号SRの波形の特定、とくに符号(例えばDCF77では「0」「1」または符号なし)を示す信号幅の判定を行うための情報を増やすことができる。
すなわち、受信信号SRの電圧が基準電圧VREF2以下の場合及び第2計測時間TA2が第1判定値より短い場合に、時刻信号であるTCO信号の該当部分はノンアクティブ信号(時刻情報無しまたはノイズ)とされる(図3のステップS12)。一方、受信信号SRが基準電圧VREF2を超えた場合は、TCO信号の該当部分がアクティブ信号(時刻情報となる符号に該当)とされ、第2計測時間TA2及び第1計測時間TA1を参照することで、アクティブ信号とされたTCO信号の該当部分(時刻情報)を適切に判定することができる(ステップS13~S19)。
これらのステップS13~S19により、各符号の信号幅の差が100msと小さいDCF77であっても、TCO信号の該当部分の時刻情報の信号種類を適切に判定することができる。
図5の(A)部に示す理想信号SIは、図2の(A)部と同一であり、波形SI1,SI3は信号幅100ms、波形SI2は信号幅200msとされている。
図5の(B)部において、受信信号SRが基準電圧VREFを超えた部分を取り出すことで、図5の(C)部に示すTCO信号が得られる。
図5の(C)部において、得られたTCO信号では、理想信号SIに対応した波形TCO01,TCO02,TCO03が表れる。各々の信号幅が、例えば80ms,140ms,80msだったとする。
このうち、信号幅80msの波形TCO01,TCO03は、理想信号SIにおける短い方の信号幅100msより短いため、信号幅100msと判定することができる。
しかし、信号幅140msの波形TCO02は、理想信号SIにおける2つの信号幅100msと200msとの間の値であり、どちらの波形であったのかを判別することができない。
従って、単一の基準電圧VREFを用いる従来方式では、理想信号SIにおける2つの信号幅100msと200msとの間の値の判定が困難となる。これに対し、前述した本実施形態では、ステップS13~S19により、TCO信号の該当部分の信号種類を適切に判定することができる。
その結果、信号判定精度が向上し、符号を特定しにくい劣化した受信信号SRについても復調信号(時刻信号であるTCO信号)を生成でき、時刻信号の判定精度を向上でき、時計としての受信感度レベルを向上させることができる。
これに対し、不要の場合、つまり第2計測時間TA2だけで信号種類が特定できるときには情報量を減らし、処理を省略することができ、消費電流の削減が期待できる。
具体的には、第2計測時間TA2が最大値つまり長い方の信号幅200msを超えた際には信号幅200msと判定し(ステップS13,S14)、その後、第2計測時間TA2が第3判定値つまり信号幅100ms未満のとき信号幅100msと判定した(ステップS15,S16)。これにより、第2計測時間TA2が100ms未満または200ms以上の場合には、第1計測時間TA1を用いた処理(図3のステップS17~S19)を省略したので、消費電流を削減できる。
図6から図8により、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の基本構成は前述した第1実施形態(図1~図4参照)と同様であり、復調手段32及び時刻信号生成部431における処理のみが異なる。このため、共通部分の説明は省略し、以下には異なる部分について説明する。
前述した第1実施形態では、信号比較部である復調手段32において、2つの基準電圧VREF1,VREF2を用いて第1信号TCO1,第2信号TCO2を生成し、時間計測部432において、各信号でハイレベルとなる第1計測時間TA1,第2計測時間TA2を計測し、種類判定部433において、各計測時間の時間量に基づいて、時刻信号であるTCO信号における時刻情報の信号種類を判定していた。
これに対し、本実施形態では、信号比較部である復調手段32は、複数(3つ)の基準電圧VREF1,VREF2,VREF3を用いて第1信号TCO1,第2信号TCO2,第3信号TCO3を生成する。時間計測部432は、各信号でハイレベルとなる第1計測時間TA1,第2計測時間TA2,第3計測時間TA3を計測する。種類判定部433は、各計測時間の時間量に基づいて、時刻信号であるTCO信号における時刻情報の信号種類を判定する。
本実施形態において、復調手段32における第3信号TCO3の生成、時間計測部432における第3計測時間TA3の計測は、それぞれ第1信号TCO1、第2信号TCO2の生成、第1計測時間TA1、第2計測時間TA2の計測と同様に行うことができる。
具体的に、種類判定部433は、受信回路3から入力される第3信号TCO3の電圧レベルに基づき、第3信号TCO3の電圧レベルがローレベル(受信信号SRの電圧が基準電圧VREF3以下)であれば、TCO信号(時刻信号)をノンアクティブ信号(L信号)とし、第3信号TCO3の電圧レベルがハイレベル(受信信号SRの電圧が基準電圧VREF3を超えている)であれば、TCO信号をアクティブ信号(H信号)とする。
判定にあたっては、以下に示す第5判定値ないし第8判定値を用いる。
本実施形態における第5判定値ないし第8判定値の値は、第1実施形態と同じく、DCF77における符号「0」、「1」、符号なしの信号幅(100ms、200ms、0ms)を前提に設定されている。
第5判定値は、第1実施形態の第1判定値と同じく、符号なしを判定する判定値であり、本実施形態でも50msに設定されている。種類判定部433は、第3信号TCO3のH信号の信号幅(第3計測時間TA3)が第5判定値未満であれば、符号なしを示す0msのアクティブ信号つまりL信号と判定する。一方、第3信号TCO3のH信号の信号幅が第5判定値以上の場合は、100msまたは200msの信号のいずれかであるため、他の判定値を用いて判定する。
第6判定値は、第1実施形態の第2判定値と同じく、符号「1」を判定する判定値であり、本実施形態でも200msに設定されている。種類判定部433は、第3信号TCO3のH信号の信号幅(第3計測時間TA3)が第6判定値以上であれば、符号「1」と判定する。
第8判定値は、第2基準電圧VREF2よりも高い第1基準電圧VREF1での第1計測時間TA1を用いて判定する判定値である。第1基準電圧VREF1は、前述したように、受信試験などで検証した結果で波形判別に効果的な値に設定され、本実施形態では、100msの信号の場合は、第1計測時間TA1が50ms未満となる可能性が高く、200msの信号の場合は、第1計測時間TA1が50ms以上となる可能性が高いレベルに設定した。このため、本実施形態では、第8判定値を、第1基準電圧VREF1の設定レベルに応じた50msに設定した。種類判定部433は、第1信号TCO1のH信号の信号幅が、第8判定値未満であれば信号幅100msの符号「0」であると判定し、第8判定値以上であれば信号幅200msの符号「1」と判定する。
図6は、TCO信号の生成処理における理想信号、受信信号及び基準電圧、並びに、TCO信号の波形を示す。
図6のうち、(A)部は標準電波の理想信号SI(元々の信号)の波形を示し、(B)部は、当該理想信号SIに対応する受信信号SRの波形及び基準電圧VREF1,VREF2,VREF3を示している。また、(C)部は、第1信号TCO1、第2信号TCO2及び第3信号TCO3の波形をそれぞれ示し、(D)部は、生成されるTCO信号の波形を示している。
図7は、図6の(C)部の第1信号TCO1、第2信号TCO2及び第3信号TCO3から、(D)部のTCO信号を生成する際の信号種類の判定手順を示すフローチャートである。
図8は、図7の判定手順のうち、ステップS27~S29における信号種類の判定の一例である。
例えば、図6の(A)部の理想信号SIにおいては、ハイレベル状態となる矩形の波形SI1,SI3が信号幅100ms(符号「0」)、波形SI2が信号幅200ms(符号「1」)とされている。
復調手段32は、不明瞭な受信信号SRに対して基準電圧VREF1~VREF3との比較を行うことで、立ち上がり及び立ち下がりが明瞭な第1信号TCO1、第2信号TCO2及び第3信号TCO3を生成する。
その結果、図6の(C)部の第1信号TCO1では、理想信号SIの波形SI2に対応する位置に、ハイレベル状態となる矩形の波形TCO12が表れる。
同様に、第2信号TCO2は、受信信号SRと基準電圧VREF2との比較により生成される。すなわち、受信信号SRが基準電圧VREF2より小さいとき、第2信号TCO2はローレベルとされ、受信信号SRが基準電圧VREF2を超えた際には、第2信号TCO2はハイレベルとされる。
その結果、図6の(C)部の第2信号TCO2では、理想信号SIの波形SI1~SI3に対応する位置に、それぞれハイレベル状態となる矩形の波形TCO21,TCO22,TCO23が表れる。
同様に、第3信号TCO3は、受信信号SRと基準電圧VREF3との比較により生成される。すなわち、受信信号SRが基準電圧VREF3より小さいとき、第3信号TCO3はローレベルとされ、受信信号SRが基準電圧VREF2を超えた際には、第3信号TCO3はハイレベルとされる。
その結果、図6の(C)部の第3信号TCO3では、理想信号SIの波形SI1~SI3に対応する位置に、それぞれハイレベル状態となる矩形の波形TCO31,TCO32,TCO33が表れる。
例えば、図6の(C)部において、第1信号TCO1の波形TCO12では、第1計測時間TA12=50msが計測される。第1信号TCO1において、理想信号SIの波形SI1,SI3に対応する部分には、ハイレベルの波形がないため、該当部位の第1計測時間TA11=0ms及び第1計測時間TA13=0msとなる。
また、第2信号TCO2の波形TCO21,TCO22,TCO23では、それぞれ第2計測時間TA21=30ms、第2計測時間TA22=100ms、第2計測時間TA23=30msが計測される。
さらに、第3信号TCO3の波形TCO31,TCO32,TCO33では、それぞれ第3計測時間TA31=100ms、第3計測時間TA32=160ms、第3計測時間TA33=100msが計測される。
第1計測時間TA1(TA11~TA13)、第2計測時間TA2(TA21~TA23)及び第3計測時間TA3(TA31~TA33)が計測されたら、種類判定部433が、図7の判定手順によって各々の信号種類を判定し、その判定結果から(D)部に示すTCO信号が生成される。
第3信号TCO3のH信号の信号幅(第3計測時間TA3)が50ms未満の場合には、TCO信号の該当部分はローレベル(L信号、ノンアクティブ信号)が連続し、H信号の長さが0msの信号つまりL信号であり「符号なし)と判定する(ステップS22)。
ステップS21でH信号の信号幅が50ms以上の場合、第3信号TCO3のH信号の信号幅が200ms(第6判定値)以上であるかを判定する(ステップS23)。
ステップS23でH信号の信号幅が200ms以上の場合には、TCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)であると判定する(ステップS24)。
なお、ステップS24において、理想信号SIに信号幅300ms以上のH信号を用いる信号形式などでは、これを識別するための処理を行えばよい。
ステップS23でH信号の信号幅が200ms未満であれば、第2信号TCO2のH信号の信号幅(第2計測時間TA2)を参照し、H信号の信号幅が30ms(第7判定値)未満であるか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25でH信号の信号幅が30ms未満であれば、ステップS22と同じく、TCO信号の該当部分はH信号の長さ0ms(符号なし)と判定する(ステップS26)。
そこで、種類判定部433は、第1計測時間TA1を参照し、先に計測された第1計測時間TA1(TA11~TA13)からハイレベル(H信号)の持続が50ms(第8判定値)未満か否かを判定する(ステップS27)。
第1信号TCO1のH信号の信号幅(第1計測時間TA1)が50ms未満である場合には、TCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)であると判定する(ステップS28)。
ステップS28でH信号の信号幅が50ms以上の場合には、TCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)であると判定する(ステップS29)。
図8の(A)(B)(C)の信号波形(TCO1~TCO3)は、それぞれ異なる符号(符号なし、「0」、「1」)から検出されたものであるが、いずれも第3信号TCO3のH信号の信号幅(第3計測時間TA3)が150msであったものとする。
図7で説明した通り、第3信号TCO3で第3計測時間TA3が150msである場合、図7のステップS21で「YES」、ステップS23で「NO」となり、ステップS25において第2計測時間TA2と第7判定値との判定が行われる。
図8の(A)部の場合、第2計測時間TA2は0msであるため、ステップS25で「YES」と判定され、ステップS26によりTCO信号の該当部分はローレベル(L信号、ノンアクティブで符号なし)と判定される。
図8の(B)部の場合、第2計測時間TA2は30msであるため、ステップS25で「NO」と判定され、ステップS27での判定が行われる。第1信号TCO1におけるH信号の第1計測時間TA1が0msであるため、ステップS27で「YES」と判定され、ステップS28によりTCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)と判定される。
図8の(C)部の場合、第2計測時間TA2は80msであるため、ステップS25で「NO」と判定され、ステップS27での判定が行われる。第1信号TCO1におけるH信号の第1計測時間TA1が50msであるため、ステップS27で「NO」と判定され、ステップS29によりTCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)と判定される。
このように、ステップS27~S29の処理により、理想信号SIにおける信号幅200msの信号及び信号幅100msの信号が劣化した信号のいずれもが含まれる可能性がある第2信号TCO2のH信号の信号幅が100ms~200msの範囲についても、第1信号TCO1の第1計測時間TA1を参照して信号種類を判定することが可能である。
図6の(C)部において、第3信号TCO3の波形TCO31については、第2計測時間TA21=30ms及び第1計測時間TA11=0msであるため、図7のステップS28により信号幅100msと判定される。その結果、図6の(D)部において、TCO信号の該当部分には信号幅100msの波形TCO01が生成される。
同様に、第3信号TCO3の波形TCO32については、第3計測時間TA32=160ms、第2計測時間TA22=100ms及び第1計測時間TA12=50msであるため、図7のステップS29により信号幅200msと判定される。その結果、図6の(D)部において、TCO信号の該当部分には信号幅200msの波形TCO02が生成される。
なお、第2信号TCO2の波形TCO22において、例えば第3計測時間TA32=200msであれば、図7のステップS23~S24により、ステップS25以降を実行することなく、信号幅200msと判定され、TCO信号には信号幅200msの波形TCO02が生成される。
さらに、第3信号TCO3の波形TCO33については、前述した波形TCO31と同様に判定され、図6の(D)部において、TCO信号の該当部分には信号幅100msの波形TCO03が生成される。
以上により生成されたTCO信号は、それぞれ信号幅100ms,200ms,100msの波形TCO01~TCO03を有し、これらは理想信号SIの波形SI1~SI3と対応したものとなる。
さらに、本実施形態では、それぞれ3つの基準電圧VREF1,VREF2,VREF3、第1信号TCO1,第2信号TCO2,第3信号TCO3、第1計測時間TA1,第2計測時間TA2,第3計測時間TA3を用いて、時刻信号であるTCO信号における時刻情報の信号種類を判定した。このため、これらを2つずつ用いる前述した第1実施形態よりも精度よく復調信号を生成することができる。
とくに、本実施形態では、第3信号TCO3を基準電圧とする第3計測時間TA3に基づくローレベル判定(ステップS21)の後、別の基準電圧である第2信号TCO2による第2計測時間TA2の判定(ステップS25)によって改めてローレベル判定(ステップS26)を行うことができ、ローレベルの判定(ノイズの判定)の精度を高めることができる。
図9により、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態の基本構成は前述した第1実施形態(図1~図4参照)と同様であり、種類判定部433における判定処理のみが異なる。このため、共通部分の説明は省略し、以下には異なる部分について説明する。
前述した第1実施形態では、信号比較部である復調手段32において、2つの基準電圧VREF1,VREF2を用いて第1信号TCO1,第2信号TCO2を生成し、時間計測部432において、各信号でハイレベルとなる第1計測時間TA1,第2計測時間TA2を計測し、種類判定部433において、各計測時間の時間量に基づいて、時刻信号であるTCO信号における時刻情報の信号種類を判定していた。
これに対し、本実施形態では、時間計測部432における判定の最終段階(信号幅100ms及び200msの判別)において、第1計測時間TA1及び第2計測時間TA2の比率に基づく判定を行う。
前述した第1実施形態においては、ステップS17において、第1信号TCO1を参照し、先に計測された第1計測時間TA1(TA11~TA13)からハイレベル(H信号)の持続が50ms(第4判定値)未満か否かを判定していた。
これに対し、本実施形態では、第1計測時間TA1(第1信号TCO1のH信号の持続時間)と、第2計測時間TA2(第2信号TCO2のH信号の持続時間)との比率が50%未満か否かを判定する。
そして、比率が50%未満である場合には、TCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)であると判定する(ステップS38)。
また、比率が50%未満でない場合には、TCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)であると判定する(ステップS39)。
さらに、本実施形態では、信号種類の判定の一部(図ステップ)を、前述した第1実施形態のように計測時間の時間量ではなく、計測時間の比率により行うことで、周りの環境や標準電波送信局との距離などにより電界強度が変化し、受信信号SRの波形、とくに信号幅が一律に細くなったり、太くなったりした場合でも、精度のよい信号判定が可能となる。
図10により、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態の基本構成は前述した第2実施形態(図6~図8参照)と同様であり、種類判定部433における判定処理のみが異なる。このため、共通部分の説明は省略し、以下には異なる部分について説明する。
前述した第2実施形態では、信号比較部である復調手段32において、3つの基準電圧VREF1,VREF2,VREF3を用いて第1信号TCO1,第2信号TCO2,第3信号TCO3を生成していた。また、時間計測部432において、各信号でハイレベルとなる第1計測時間TA1,第2計測時間TA2,第3計測時間TA3を計測し、種類判定部433において、各計測時間の時間量に基づいて、時刻信号であるTCO信号における時刻情報の信号種類を判定していた。
これに対し、本実施形態では、時間計測部432における判定の一部において、第1計測時間TA1、第2計測時間TA2及び第3計測時間TA3の比率に基づく判定を行う。
前述した第2実施形態においては、ステップS25において、第2計測時間TA2を参照し、H信号の信号幅が30ms(第7判定値)未満であるか否かを判定していた。
これに対し、本実施形態のステップS45では、第2計測時間TA2(第2信号TCO2のH信号の持続時間)と、第3計測時間TA3(第3信号TCO3のH信号の持続時間)との比率が15%未満か否かを判定する。
ここで、比率が15%未満であれば、TCO信号の該当部分はローレベル(L信号、ノンアクティブ信号)が連続し、H信号の長さ0ms(符号なし)、と判定する(ステップS46)。
一方、比率が15%以上であれば、ステップS47へ進む。
これに対し、本実施形態のステップS47では、第1計測時間TA1(第1信号TCO1のH信号の持続時間)と、第2計測時間TA2(第2信号TCO2のH信号の持続時間)との比率が50%未満か否かを判定する。
そして、比率が50%未満である場合には、TCO信号の該当部分は信号幅100msの信号(符号「0」)であると判定する(ステップS48)。
また、比率が50%未満でない場合には、TCO信号の該当部分は信号幅200msの信号(符号「1」)であると判定する(ステップS49)。
さらに、本実施形態では、信号種類の判定の一部(図10のステップS45,S47)を、前述した第2実施形態のように計測時間の時間量ではなく、計測時間の比率により行うことで、周りの環境や標準電波送信局との距離などにより電界強度が変化し、受信信号SRの波形、とくに信号幅が一律に細くなったり、太くなったりした場合でも、精度のよい信号判定が可能となる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、信号比較部としての復調手段32において、受信信号SRが複数の基準電圧(VREF1など)を超えた際にハイレベルとなる複数の二値化信号(第1信号TCO1など)を生成し、時間計測部432で複数の二値化信号のハイレベル時間(第1計測時間TA1など)をそれぞれ計測し、その結果に基づいて種類判定部433で信号種類(「0」「1」など)を判定し、時刻信号としてのTCO信号を生成していた。
しかしながら、本発明はこのような構成に限らない。すなわち、信号比較部が出力する基準電圧との比較結果は、当該第1信号TCO1及び第2信号TCO2の形式でなくともよい。例えば、信号比較部が、受信信号SRの電圧が基準電圧を超えた旨、及び、下回った旨を示す制御信号を、時刻信号生成部431に出力し、当該制御信号に基づいて、時刻信号生成部が基準電圧を超えていた時間を計測し、時刻信号を生成するように構成してもよい。
前記実施形態では、アンテナ2及び受信回路3は、日本、イギリス、ドイツ、米国及び中国の標準電波「JJY」、「MSF」、「DCF77」、「WWVB」及び「BPC」を受信可能に構成されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、これら標準電波のうち、少なくともいずれかを受信可能に構成されていればよい。さらに、他の標準電波を受信可能に構成してもよく、或いは、これら標準電波に代えて当該他の標準電波を受信可能に構成してもよい。
そして、時刻信号において判定する信号種類も、実施形態において例示したDCF77の符号「1」「0」または符号なしに限らず、WWVBにおける符号「P」「1」「0」など、受信する他の標準電波に応じた信号種類に対応することができる。
前記実施形態では、制御回路4(時刻修正手段43)は、CPU等を有し、前述の制御プログラムを実行することにより、TCO信号の生成処理を実施するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該プログラムを実行する演算処理回路を用いない回路として構成してもよい。
Claims (5)
- 標準電波を受信して時刻を修正する電波修正時計であって、
前記標準電波に基づく受信信号と、複数の基準電圧との比較結果を出力する信号比較部と、
前記信号比較部の比較結果に基づいて時刻信号を生成する時刻信号生成部と、を備え、
前記時刻信号生成部は、
複数の前記基準電圧について、前記受信信号の電圧が前記基準電圧を超えていた時間を計測して計測時間とし、
得られた前記基準電圧ごとの前記計測時間の組み合わせにより前記時刻信号の信号種類を判定する
ことを特徴とする電波修正時計。 - 標準電波を受信して時刻を修正する電波修正時計であって、
前記標準電波に基づく受信信号と、複数の基準電圧との比較結果を出力する信号比較部と、
前記信号比較部の比較結果に基づいて時刻信号を生成する時刻信号生成部と、を備え、
前記時刻信号生成部は、
複数の前記基準電圧について、前記受信信号の電圧が前記基準電圧を超えていた時間を計測して計測時間とし、
得られた前記基準電圧ごとの前記計測時間の比率により前記時刻信号の信号種類を判定する
ことを特徴とする電波修正時計。 - 標準電波を受信して時刻を修正する電波修正時計であって、
前記標準電波に基づく受信信号と、予め設定された第1基準電圧及び当該第1基準電圧より電圧値が低い第2基準電圧との比較結果を出力する信号比較部と、
前記信号比較部の比較結果に基づいて時刻信号を生成する時刻信号生成部と、を備え、
前記時刻信号生成部は、
前記受信信号の電圧が前記第1基準電圧を超えた後、前記第1基準電圧を下回るまでの第1計測時間と、前記受信信号の電圧が前記第2基準電圧を超えた後、前記第2基準電圧を下回るまでの第2計測時間とを計測し、
前記受信信号の電圧が前記第2基準電圧を超えた場合は、前記時刻信号をアクティブ信号とし、かつ、前記第1計測時間及び前記第2計測時間の時間量に基づいて、前記アクティブ信号の信号種類を判定する
ことを特徴とする電波修正時計。 - 標準電波を受信して時刻を修正する電波修正時計であって、
前記標準電波に基づく受信信号と、予め設定された第1基準電圧及び当該第1基準電圧より電圧値が低い第2基準電圧との比較結果を出力する信号比較部と、
前記信号比較部の比較結果に基づいて時刻信号を生成する時刻信号生成部と、を備え、
前記時刻信号生成部は、
前記受信信号の電圧が前記第1基準電圧を超えた後、前記第1基準電圧を下回るまでの第1計測時間と、前記受信信号の電圧が前記第2基準電圧を超えた後、前記第2基準電圧を下回るまでの第2計測時間とを計測し、
前記受信信号の電圧が前記第2基準電圧を超えた場合は、前記時刻信号をアクティブ信号とし、かつ、前記第1計測時間に対する前記第2計測時間の比率に基づいて、前記アクティブ信号の信号種類を判定する
ことを特徴とする電波修正時計。 - 請求項3または請求項4に記載の電波修正時計において、
前記第2計測時間が、時刻情報の最大の時間幅より長いか、または、時刻情報の最小の時間幅より短い場合に、前記第1計測時間は使用しないことを特徴とする電波修正時計。
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