JP2013178029A - 流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法 - Google Patents

流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気相中の非凝縮性ガスの割合が多い蒸気を有効に活用することで、蒸気の潜熱の回収効率の向上を図ることが可能な流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法を提供する。
【解決手段】供給された褐炭が流動化蒸気により流動することで、内部に流動層3が形成される乾燥炉5と、乾燥炉5内に設けられ、供給された褐炭を加熱する伝熱管33と、乾燥炉5から排出される蒸気を圧縮し、圧縮した蒸気を伝熱管33へ向けて供給する蒸気圧縮機135と、を備え、伝熱管33は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、蒸気圧縮機135から供給された蒸気を流通させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、褐炭等の湿潤燃料を流動させながら乾燥させる流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法に関するものである。
従来、褐炭等の低品位炭を、ホッパから乾燥容器へ向けて供給し、乾燥容器内に供給された低品位炭をスチーム(水蒸気)により流動させて乾燥する低品位炭乾燥方法および装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この低品位炭乾燥装置では、乾燥容器から排出されたスチームを部分凝縮器に供給することで、スチームの潜熱を回収している。
特開昭61−250096号公報
ところで、褐炭等の湿潤燃料を流動化蒸気(水蒸気)により流動させながら乾燥する流動層乾燥装置では、流動層乾燥装置から排出された蒸気を再圧縮して利用する場合がある。ここで、流動層乾燥装置では、特に乾燥対象物が粉体の場合、熱交換(乾燥)によって、窒素を含む空気等の非凝縮性ガスの混入を排除することが困難である。このため、再圧縮された蒸気には、非凝縮性ガスが混入する。再圧縮された蒸気は、例えば、湿潤燃料の加熱に利用され、湿潤燃料との間で熱交換が行われる。この場合、再圧縮された蒸気は、湿潤燃料との間で熱交換が行われることで、蒸気のクオリティ(蒸気の全量に対する気相の蒸気の割合)が低下する。蒸気のクオリティが低下すると、蒸気の全量に対する液相の蒸気(すなわち凝縮水)の割合が増大することから、低クオリティとなった蒸気は、気相中に含まれる非凝縮性ガスの割合が増加する。これにより、低クオリティとなった蒸気は、気相中に含まれる非凝縮性ガスの割合が増加することで、蒸気温度が低下してしまう。このため、蒸気温度が低下した低クオリティの蒸気は、有効に活用されず、潜熱の回収効率の向上を図ることが困難であった。
そこで、本発明は、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い蒸気を有効に活用することで、蒸気の潜熱の回収効率の向上を図ることが可能な流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法を提供することを課題とする。
本発明の流動層乾燥装置は、供給された湿潤燃料が流動化蒸気により流動することで、内部に流動層が形成される乾燥炉と、乾燥炉内に設けられ、供給された湿潤燃料を加熱する伝熱部材と、乾燥炉から排出される蒸気を圧縮し、圧縮した蒸気を伝熱部材に供給する圧縮機と、を備え、伝熱部材は、湿潤燃料の流動方向の下流側から上流側へ向けて、圧縮機から供給された蒸気を流通させることを特徴とする。
この場合、伝熱部材の流動方向の上流側を流通する蒸気は、伝熱部材の流動方向の下流側を流通する蒸気に比して、気相中の非凝縮性ガスの割合が多いことが好ましい。
この構成によれば、流動方向の上流側の湿潤燃料を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い蒸気で予熱することができ、また、流動方向の下流側の湿潤燃料を、気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない蒸気で加熱することができる。このとき、上流側の湿潤燃料の温度は、下流側の湿潤燃料の温度に比して低いため、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い蒸気を用いた場合であっても、湿潤燃料の温度と蒸気温度との温度差を好適に確保することができる。これにより、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い蒸気により湿潤燃料を好適に予熱することができるため、蒸気を有効に活用することができ、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
この場合、乾燥炉は、湿潤燃料の流動方向の上流側に設けられる予熱域と、予熱域の下流側に設けられる乾燥域とを有し、予熱域は、乾燥域に比して乾燥炉内の湿潤燃料の温度が低くなっており、伝熱部材は、予熱域に設けられた上流側伝熱部材と、乾燥域に設けられた下流側伝熱部材とを有し、圧縮機から供給された蒸気が、下流側伝熱部材を流通した後、上流側伝熱部材を流通するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、乾燥炉内の湿潤燃料の温度が低い予熱域に上流側伝熱部材を設け、乾燥炉内の湿潤燃料の温度が高い乾燥域に下流側伝熱部材を設け、圧縮機から供給された蒸気を、下流側伝熱部材に流通させた後、上流側伝熱部材に流通させることができる。このため、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い蒸気により、予熱域の湿潤燃料を予熱することができる。
この場合、下流側伝熱部材から流入した蒸気を気液分離して、気相の蒸気を上流側伝熱部材に供給する一方で、液相の蒸気を凝縮水として排出する気液分離装置を、さらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、気液分離装置により下流側伝熱部材を流通した液相の蒸気を凝縮水として排出することで、上流側伝熱部材に供給される蒸気の気相の割合を増加させることができる。つまり、気液分離装置により、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い高クオリティの蒸気とすることができる。これにより、上流側伝熱部材には、液相の蒸気の流入を抑制することができるため、上流側伝熱部材の内側における液膜の形成を抑制でき、熱伝達率の向上を図ることができる。
この場合、乾燥炉は、湿潤燃料の流動方向の上流側に設けられる予熱域と、予熱域の下流側に設けられる乾燥域とを有し、予熱域は、乾燥域に比して乾燥炉内の湿潤燃料の温度が低くなっており、伝熱部材は、予熱域から乾燥域に亘って設けられていることが好ましい。
この構成によれば、乾燥炉内の湿潤燃料の温度の低い予熱域から乾燥炉内の湿潤燃料の温度の高い乾燥域に亘って伝熱部材を設けることができるため、高クオリティから低クオリティとなる蒸気を、予熱域へ向けて流通させることができる。このため、低クオリティの蒸気により、予熱域の湿潤燃料を予熱することができる。
この場合、湿潤燃料を供給する燃料供給装置の内部に設けられ、湿潤燃料を予熱する予熱用伝熱部材をさらに備え、予熱用伝熱部材は、圧縮機から供給された蒸気が、伝熱部材を流通した後、流通するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、燃料供給装置内の湿潤燃料を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気で予熱することができる。このため、予熱された湿潤燃料を流動層乾燥装置へ供給することができるため、流動層乾燥装置の供給側(すなわち、湿潤燃料の流動方向の上流側)において蒸気の再凝縮を抑制することができ、凝縮水による湿潤燃料の凝集を抑制し、流動化不良を抑制することができる。
この場合、乾燥炉内に設けられ、乾燥炉から排出される蒸気を加熱する蒸気加熱用伝熱部材をさらに備え、蒸気加熱用伝熱部材は、圧縮機から供給された蒸気が、伝熱部材を流通した後、流通するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、乾燥炉から排出される蒸気を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気で加熱することができる。このため、加熱された蒸気を圧縮機により圧縮することができるため、再圧縮された蒸気を好適に昇温させることができる。また、乾燥炉から排出される蒸気を加熱することで、乾燥炉と圧縮機とを接続する配管内での蒸気の凝縮を防止し、配管内への飛散粒子の付着、閉塞および圧縮機への水滴混入を防止することが可能となる。
この場合、保温対象物に設けられた保温用伝熱部材をさらに備え、保温用伝熱部材は、圧縮機から供給された蒸気が、伝熱部材を流通した後、流通するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、保温対象物を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気によって保温することができるため、保温対象物からの放熱を抑制することができる。なお、保温対象物としては、乾燥炉と圧縮機とを接続する配管、または乾燥炉の壁面等である。
本発明のガス化複合発電設備は、上記の流動層乾燥装置と、流動層乾燥装置から供給された乾燥後の湿潤燃料を処理してガス化ガスに変換するガス化炉と、ガス化ガスを燃料として運転されるガスタービンと、ガスタービンからのタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービンと、ガスタービンおよび蒸気タービンと連結された発電機とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、流動層乾燥装置において蒸気の潜熱の回収効率の向上を図ることができるため、潜熱を有効活用し、蒸気タービンに連結された発電機の発電効率を向上させることができる。
本発明の乾燥方法は、乾燥炉内に供給された湿潤燃料を流動化蒸気により流動させながら、乾燥炉内に設けられた伝熱部材により湿潤燃料を加熱することで、湿潤燃料を乾燥させる乾燥方法であって、伝熱部材は、湿潤燃料の流動方向の上流側に設けられる上流側伝熱部材と、上流側伝熱部材の下流側に設けられる下流側伝熱部材とを有し、湿潤燃料の乾燥時に発生した蒸気を乾燥炉から排出させる蒸気排出工程と、蒸気排出工程において排出された蒸気を圧縮する蒸気圧縮工程と、蒸気圧縮工程において圧縮した蒸気を、下流側伝熱部材に供給する下流側蒸気供給工程と、下流側蒸気供給工程において下流側伝熱部材から流出した蒸気を気液分離し、液相となった蒸気を凝縮水として排出する一方で、気相となった蒸気を上流側伝熱部材に供給する気液分離工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気が流通する上流側伝熱部材により、流動方向の上流側の湿潤燃料を予熱することができ、また、気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない高クオリティの蒸気が流通する下流側伝熱部材により、流動方向の下流側の湿潤燃料を加熱することができる。このとき、上流側の湿潤燃料の温度は、下流側の湿潤燃料の温度に比して低いため、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気を用いた場合であっても、湿潤燃料の温度と蒸気温度との温度差を好適に確保することができる。これにより、低クオリティの蒸気により湿潤燃料を好適に予熱することができるため、低クオリティの蒸気を有効に活用することができ、低クオリティの蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。また、気液分離工程において、下流側伝熱部材を流通した液相の蒸気を凝縮水として排出することで、上流側伝熱部材に供給される蒸気の気相の割合を増加させることができる。これにより、上流側伝熱部材には、液相の蒸気の流入を抑制することができるため、上流側伝熱部材の内側における液膜の形成を抑制でき、熱伝達率の向上を図ることができる。
本発明の流動層乾燥装置、ガス化複合発電設備および乾燥方法によれば、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気を有効に活用することができるため、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
図1は、実施例1に係る流動層乾燥装置を適用した石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。 図2は、実施例1に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。 図3は、実施例1に係る流動層乾燥装置における乾燥用蒸気のクオリティに関するグラフである。 図4は、実施例2に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。 図5は、実施例3に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。 図6は、実施例4に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。 図7は、実施例5に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。 図8は、実施例6に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る流動層乾燥装置および乾燥方法について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係る流動層乾燥装置を適用した石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。実施例1の流動層乾燥装置1が適用された石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)100は、空気を酸化剤としてガス化炉で石炭ガスを生成する空気燃焼方式を採用し、ガス精製装置で精製した後の石炭ガスを燃料ガスとしてガスタービン設備に供給して発電を行っている。すなわち、実施例1の石炭ガス化複合発電設備100は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備である。この場合、ガス化炉に供給する湿潤燃料として褐炭を使用している。
なお、実施例1では、湿潤燃料として褐炭を適用したが、水分含量の高いものであれば、亜瀝青炭等を含む低品位炭や、スラッジ等の泥炭を適用してもよく、また、高品位炭であっても適用可能である。また、湿潤燃料として、褐炭等の石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
実施例1において、図1に示すように、石炭ガス化複合発電設備100は、給炭装置111、流動層乾燥装置1、微粉炭機113、石炭ガス化炉114、チャー回収装置115、ガス精製装置116、ガスタービン設備117、蒸気タービン設備118、発電機119、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)120を有している。
給炭装置111は、原炭バンカ121と、石炭供給機122と、クラッシャ123とを有している。原炭バンカ121は、褐炭を貯留可能であって、所定量の褐炭を石炭供給機122に投下する。石炭供給機122は、原炭バンカ121から投下された褐炭をコンベアなどにより搬送し、クラッシャ123に投下する。このクラッシャ123は、投下された褐炭を細かく破砕して細粒化する。
詳細は後述するが、流動層乾燥装置1は、給炭装置111から投入された褐炭を水蒸気等の流動化ガスにより流動させると共に、伝熱管33により加熱乾燥することで、褐炭が含有する水分を除去するものである。この流動層乾燥装置1には、排出された乾燥済の褐炭(乾燥炭)を冷却する冷却器131が接続されている。冷却器131には、冷却済の乾燥炭を貯留する乾燥炭バンカ132が接続されている。また、流動層乾燥装置1には、外部へ排出される排出ガスから乾燥炭の粒子を分離する集塵装置139として乾燥炭サイクロン133と乾燥炭電気集塵機134が接続されている。乾燥炭サイクロン133および乾燥炭電気集塵機134において排出ガスから分離された乾燥炭の粒子は、乾燥炭バンカ132に貯留される。なお、乾燥炭電気集塵機134で乾燥炭が分離された排出ガスは、蒸気圧縮機135で圧縮されてから流動層乾燥装置1の伝熱管33に熱媒として供給される。
微粉炭機113は、流動層乾燥装置1により乾燥された褐炭(乾燥炭)を細かい粒子状に粉砕して微粉炭を製造するものである。すなわち、微粉炭機113は、乾燥炭バンカ132に貯留された乾燥炭が石炭供給機136により投下されると、この乾燥炭を所定粒径以下の微粉炭とする。そして、微粉炭機113で粉砕後の微粉炭は、微粉炭バグフィルタ137a,137bにより搬送用ガスから分離され、微粉炭供給ホッパ138a,138bに貯留される。
石炭ガス化炉114は、微粉炭機113で処理された微粉炭が供給されると共に、チャー回収装置115で回収されたチャー(石炭の未燃分)が供給される。
石炭ガス化炉114は、ガスタービン設備117(圧縮機161)から圧縮空気供給ライン141が接続されており、このガスタービン設備117で圧縮された圧縮空気が供給可能となっている。空気分離装置142は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン143が石炭ガス化炉114に接続され、この第1窒素供給ライン143に微粉炭供給ホッパ138a,138bからの給炭ライン144a,144bが接続されている。また、第2窒素供給ライン145も石炭ガス化炉114に接続され、この第2窒素供給ライン145にチャー回収装置115からのチャー戻しライン146が接続されている。更に、酸素供給ライン147は、圧縮空気供給ライン141に接続されている。この場合、窒素は、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用され、酸素は、酸化剤として利用される。
石炭ガス化炉114は、例えば、噴流床形式のガス化炉であって、内部に供給された石炭、チャー、酸化剤(酸素)、またはガス化剤としての水蒸気を燃焼・ガス化すると共に、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(生成ガス、石炭ガス)が発生し、この可燃性ガスをガス化剤としてガス化反応が起こる。なお、石炭ガス化炉114は、微粉炭の混入した異物を除去する異物除去装置148が設けられている。この場合、石炭ガス化炉114は噴流床ガス化炉に限らず、流動床ガス化炉や固定床ガス化炉としてもよい。そして、この石炭ガス化炉114は、チャー回収装置115に向けて可燃性ガスのガス生成ライン149が設けられており、チャーを含む可燃性ガスが排出可能となっている。この場合、ガス生成ライン149にガス冷却器を設けることで、可燃性ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収装置115に供給するとよい。
チャー回収装置115は、集塵装置151と供給ホッパ152とを有している。この場合、集塵装置151は、1つまたは複数のバグフィルタやサイクロンにより構成され、石炭ガス化炉114で生成された可燃性ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された可燃性ガスは、ガス排出ライン153を通してガス精製装置116に送られる。供給ホッパ152は、集塵装置151で可燃性ガスから分離されたチャーを貯留するものである。なお、集塵装置151と供給ホッパ152との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ152を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ152からのチャー戻しライン146が第2窒素供給ライン145に接続されている。
ガス精製装置116は、チャー回収装置115によりチャーが分離された可燃性ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製装置116は、可燃性ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン設備117に供給する。なお、このガス精製装置116では、チャーが分離された可燃性ガス中にはまだ硫黄分(HS)が含まれているため、アミン吸収液によって除去することで、硫黄分を最終的には石膏として回収し、有効利用する。
ガスタービン設備117は、圧縮機161、燃焼器162、タービン163を有しており、圧縮機161とタービン163は、回転軸164により連結されている。燃焼器162は、圧縮機161から圧縮空気供給ライン165が接続されると共に、ガス精製装置116から燃料ガス供給ライン166が接続され、タービン163に燃焼ガス供給ライン167が接続されている。また、ガスタービン設備117は、圧縮機161から石炭ガス化炉114に延びる圧縮空気供給ライン141が設けられており、圧縮空気供給ライン141に昇圧機168が介設されている。従って、燃焼器162では、圧縮機161から供給された圧縮空気とガス精製装置116から供給された燃料ガスとを混合して燃焼し、タービン163にて、発生した燃焼ガスにより回転軸164を回転することで発電機119を駆動することができる。
蒸気タービン設備118は、ガスタービン設備117における回転軸164に連結されるタービン169を有しており、発電機119は、この回転軸164の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ120は、ガスタービン設備117(タービン163)からの排ガスライン170に設けられており、空気と高温の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そのため、排熱回収ボイラ120は、蒸気タービン設備118のタービン169との間に蒸気供給ライン171が設けられると共に、蒸気回収ライン172が設けられ、蒸気回収ライン172に復水器173が設けられている。従って、蒸気タービン設備118では、排熱回収ボイラ120から供給された蒸気によりタービン169が駆動し、回転軸164を回転することで発電機119を駆動することができる。
そして、排熱回収ボイラ120で熱が回収された排ガスは、ガス浄化装置174により有害物質を除去され、浄化された排ガスは、煙突175から大気へ放出される。
ここで、実施例1の石炭ガス化複合発電設備100の作動について説明する。
実施例1の石炭ガス化複合発電設備100において、給炭装置111にて、原炭(褐炭)が原炭バンカ121に貯留されており、この原炭バンカ121の褐炭が石炭供給機122によりクラッシャ123に投下され、ここで所定の大きさに破砕される。そして、破砕された褐炭は、流動層乾燥装置1により加熱乾燥された後、冷却器131により冷却され、乾燥炭バンカ132に貯留される。また、流動層乾燥装置1から排出された排出ガスは、乾燥炭サイクロン133および乾燥炭電気集塵機134により乾燥炭の粒子が分離され、蒸気圧縮機135で圧縮されてから流動層乾燥装置1の伝熱管33に熱媒として戻される。一方、蒸気から分離された乾燥炭の粒子は、乾燥炭バンカ132に貯留される。
乾燥炭バンカ132に貯留される乾燥炭は、石炭供給機136により微粉炭機113に投入され、ここで、細かい粒子状に粉砕されて微粉炭が製造され、微粉炭バグフィルタ137a,137bを介して微粉炭供給ホッパ138a,138bに貯留される。この微粉炭供給ホッパ138a,138bに貯留される微粉炭は、空気分離装置142から供給される窒素により第1窒素供給ライン143を通して石炭ガス化炉114に供給される。また、後述するチャー回収装置115で回収されたチャーが、空気分離装置142から供給される窒素により第2窒素供給ライン145を通して石炭ガス化炉114に供給される。更に、後述するガスタービン設備117から抽気された圧縮空気が昇圧機168で昇圧された後、空気分離装置142から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン141を通して石炭ガス化炉114に供給される。
石炭ガス化炉114では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(石炭ガス)を生成することができる。そして、この可燃性ガスは、石炭ガス化炉114からガス生成ライン149を通して排出され、チャー回収装置115に送られる。
このチャー回収装置115にて、可燃性ガスは、まず、集塵装置151に供給され、集塵装置151は、可燃性ガスに含まれるチャーを分離する。そして、チャーが分離された可燃性ガスは、ガス排出ライン153を通してガス精製装置116に送られる。一方、可燃性ガスから分離した微粒チャーは、供給ホッパ152に堆積され、チャー戻しライン146を通して石炭ガス化炉114に戻されてリサイクルされる。
チャー回収装置115によりチャーが分離された可燃性ガスは、ガス精製装置116にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。そして、ガスタービン設備117では、圧縮機161が圧縮空気を生成して燃焼器162に供給すると、この燃焼器162は、圧縮機161から供給される圧縮空気と、ガス精製装置116から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスによりタービン163を駆動することで、回転軸164を介して発電機119を駆動し、発電を行うことができる。
そして、ガスタービン設備117におけるタービン163から排出された排気ガスは、排熱回収ボイラ120にて、空気と熱交換を行うことで蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン設備118に供給する。蒸気タービン設備118では、排熱回収ボイラ120から供給された蒸気によりタービン169を駆動することで、回転軸164を介して発電機119を駆動し、発電を行うことができる。
その後、ガス浄化装置174では、排熱回収ボイラ120から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排ガスが煙突175から大気へ放出される。
以下、上述した石炭ガス化複合発電設備100における流動層乾燥装置1について詳細に説明する。図2は、実施例1に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。実施例1の流動層乾燥装置1は、給炭装置111により投入された褐炭を、流動化ガスにより流動させながら、加熱乾燥させるものである。
図2に示すように、流動層乾燥装置1は、内部に褐炭が供給される乾燥炉5と、乾燥炉5の内部に設けられたガス分散板6と、を備えている。乾燥炉5は、長方体の箱状に形成されている。ガス分散板6は、乾燥炉5内部の空間を、鉛直方向下方側(図示下側)に位置する風室11と、鉛直方向上方側(図示上側)に位置する乾燥室12とに区分けしている。ガス分散板6には、多数の貫通孔が形成され、風室11には、流動化蒸気(水蒸気)が導入される。
乾燥炉5の乾燥室12は、その内部が予熱域12aと乾燥域12bとに分けられている。予熱域12aは、乾燥室12内の一端側(図示左側)に設けられ、乾燥域12bは、乾燥室12の他端側(図示右側)に設けられており、予熱域12aは、乾燥域12bに比して小さい領域となっている。予熱域12aは、乾燥室12内に投入された褐炭を予熱する領域であり、乾燥域12bは、乾燥室12内に投入された褐炭を乾燥する領域である。ここで、乾燥室12には、風室11を介して流動化蒸気が導入され、乾燥域12bでは、褐炭を乾燥させることから、乾燥域12bにおける乾燥室12内の湿潤燃料の温度は、雰囲気の露点温度に等しく、100℃前後となる。一方で、予熱域12aでは、褐炭を予熱すればよいため、予熱域12aにおける乾燥室12内の湿潤燃料の温度は、100℃よりも小さくなっている。
乾燥炉5の乾燥室12には、褐炭を投入する褐炭投入口31と、褐炭を加熱乾燥した乾燥炭を排出する乾燥炭排出口34と、流動化蒸気および乾燥時に発生する発生蒸気を排出する蒸気排出口35と、褐炭を加熱する伝熱管(伝熱部材)33とが設けられている。
褐炭投入口31は、乾燥室12の予熱域12aにおける一端側(図示左側)の上部に形成されている。褐炭投入口31には、給炭装置111が接続されており、給炭装置111から供給された褐炭が、乾燥室12の予熱域12aに供給される。
乾燥炭排出口34は、乾燥室12の乾燥域12bにおける他端側(図示右側)の下部に形成されている。乾燥炭排出口34からは、乾燥室12において乾燥された褐炭が、乾燥炭として排出され、排出された乾燥炭は上記した冷却器131へ向けて供給される。
蒸気排出口35は、乾燥室12の乾燥域12bにおける他端側の上部に形成されている。蒸気排出口35は、褐炭の乾燥時において、乾燥室12に供給された流動化蒸気と共に、褐炭が加熱されることによって発生する発生蒸気を排出している。なお、蒸気排出口35から排出された流動化蒸気および発生蒸気は、上記した集塵装置139へ向けて供給された後、蒸気圧縮機135に供給される。
伝熱管33は、予熱域12aに設けられた上流側伝熱管(上流側伝熱部材)33aと、乾燥域12bに設けられた下流側伝熱管(下流側伝熱部材)33bとを有している。上流側伝熱管33aおよび下流側伝熱管33bは、それぞれパネル状に構成されており、流動する褐炭の内部に設けられている。伝熱管33には、蒸気圧縮機135の流出側が接続されており、管内に蒸気圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として供給される。具体的に、蒸気圧縮機135の流出側には、下流側伝熱管33bの流入側が接続され、下流側伝熱管33bの流出側には、上流側伝熱管33aの流入側が接続されている。
このため、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、下流側伝熱管33bに流入する。下流側伝熱管33bは、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、乾燥室12の乾燥域12bにおける褐炭を乾燥させる。この後、下流側伝熱管33bを流通した乾燥用蒸気は、上流側伝熱管33aに流入する。上流側伝熱管33aは、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、乾燥室12の予熱域12aにおける褐炭を予熱する。この後、予熱に利用された乾燥用蒸気は、乾燥室12の外部に排出される。
また、上流側伝熱管33aと下流側伝熱管33bとの間には、気液分離器41が設けられ、気液分離器41は、上流側伝熱管33aおよび下流側伝熱管33bが接続されている。気液分離器41は、乾燥炉5の外部に設けられている。このため、気液分離器41に接続される、下流側伝熱管33bの流出側の一部および上流側伝熱管33aの流入側の一部が乾燥炉5の外部に配置される。気液分離器41には、下流側伝熱管33bから乾燥用蒸気が流入する。気液分離器41は、下流側伝熱管33bから流入する乾燥用蒸気を液相と気相とに分離し、気相となった乾燥用蒸気を上流側伝熱管33aに供給する一方で、液相となった乾燥用蒸気を凝縮水として排出する。
従って、褐炭投入口31を介して乾燥室12の予熱域12aに供給された褐炭は、ガス分散板6を介して供給される流動化蒸気により流動することで、乾燥室12内の全域に亘って流動層3を形成すると共に、流動層3の上方にフリーボード部Fを形成する。乾燥室12に形成される流動層3は、その流動方向が、乾燥室12の一端側から他端側へ向かう方向となる。予熱域12aに投入された褐炭は、上流側伝熱管33aにより予熱されることで昇温される。昇温された褐炭は、流動方向に沿って流動することで、乾燥域12bに投入される。乾燥域12bに投入された褐炭は、下流側伝熱管33bにより加熱されることで、褐炭に含まれる水分が発生蒸気となって、流動化蒸気と共に蒸気排出口35から排出される(蒸気排出工程)。蒸気排出口35から排出された蒸気は、集塵装置139で微粉炭が集塵された後、蒸気圧縮機135に供給され、蒸気圧縮機135によって圧縮されることで昇温される(蒸気圧縮工程)。圧縮された蒸気は、乾燥用蒸気として下流側伝熱管33bに供給され、下流側伝熱管33b内を流通する(下流側蒸気供給工程)。この後、下流側伝熱管33b内を流通した乾燥用蒸気は、気液分離器41に流入する。気液分離器41は、乾燥用蒸気を液相と気相とに気液分離し、液相となった蒸気を凝縮水として排出する一方で、気相となった乾燥用蒸気を上流側伝熱管33aに供給する(気液分離工程)。そして、上流側伝熱管33aに供給された乾燥用蒸気は、上流側伝熱管33a内を流通した後、乾燥炉5の外部へ排出される。よって、伝熱管33は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、乾燥用蒸気を流通させる。
次に、図3を参照して、流動層乾燥装置1の伝熱管33に流通する乾燥用蒸気のクオリティについて説明する。図3は、実施例1に係る流動層乾燥装置における乾燥用蒸気のクオリティに関するグラフである。図3に示すグラフは、その横軸が乾燥用蒸気のクオリティであり、その縦軸が乾燥用蒸気の温度である。なお、クオリティとは、蒸気の全量に対する気相の蒸気の割合であり、クオリティが低ければ低いほど、気相の蒸気の割合が少なく、液相の蒸気の割合が多くなる。よって、伝熱管33に供給される乾燥用蒸気は、下流側伝熱管33bを流通した後、上流側伝熱管33aを流通することから、クオリティが高い乾燥用蒸気が下流側伝熱管33bの流入側となり、クオリティが低い乾燥用蒸気が上流側伝熱管33aの流出側となる。
図3のグラフは、乾燥炉5内の雰囲気に含まれる非凝縮性ガスの混入率が、5wt%の場合を示している。このとき、乾燥炉5内の雰囲気の圧力は、0.1MPaとなっている。また、乾燥炉5内の乾燥域12bにおける褐炭の温度T1は、乾燥炉5内の露点温度に等しく、100℃前後となる。
また、図3において、乾燥炉5から排出された蒸気は、蒸気圧縮機135により再圧縮されて伝熱管33に供給されることから、伝熱管33を流通する乾燥用蒸気に含まれる非凝縮性ガスの混入率は、5wt%となっている。このとき、乾燥用蒸気が流通する伝熱管33内の圧力は、0.49MPaとなっている。
図3に示すように、流動層乾燥装置1では、乾燥用蒸気に非凝縮性ガスが混入していることから、乾燥用蒸気のクオリティが低下すると、乾燥用蒸気の気相中における蒸気の割合が少なくなることから、乾燥用蒸気の気相中における非凝縮性ガスの割合がより多くなる。このため、乾燥用蒸気のクオリティが0.2よりも小さくなると、乾燥用蒸気の温度T2が急低下するため、低クオリティの乾燥用蒸気から、潜熱を回収し難くなる。
乾燥域12bでは、乾燥炉5内の褐炭の温度T1が100℃前後であるため、下流側伝熱管33bに供給される乾燥用蒸気の温度T2は100℃以上とする必要があり、褐炭の温度T1と乾燥用蒸気(下流側伝熱管33b)の温度T2との温度差が、所定の温度差ΔT1となる。一方、予熱域12aでは、主として褐炭の予熱が行われるため、上流側伝熱管33aに供給される乾燥用蒸気の温度T2が、褐炭の温度T3よりも高ければよい。このため、予熱域12aにおける褐炭の温度T3と乾燥用蒸気の温度T2との温度差は、所定の温度差ΔT2となる。このとき、所定の温度差ΔT2は、所定の温度差ΔT1よりも高くなる。これにより、上流側伝熱管33aは、乾燥域12bに比して蒸気温度T2が低くなるものの、所定の温度差ΔT2を確保できるため、予熱域12aにおいて褐炭を適切に予熱できる。また、下流側伝熱管33bは、予熱域12aに比して蒸気温度T2を高くできる。これにより、下流側伝熱管33bは、所定の温度差ΔT1を確保しつつ、乾燥域12bにおいて褐炭を適切に加熱乾燥できる。
以上のように、実施例1の構成によれば、予熱域12aを流動する褐炭を、乾燥域12bに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で予熱することができる。一方で、乾燥域12bを流動する褐炭を、予熱域12aに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で加熱乾燥することができる。このとき、予熱域12aでは、褐炭の温度T3と乾燥用蒸気の温度T2との温度差ΔT2を好適に確保することができる。これにより、気相中の非凝縮性ガスの割合が多いために、乾燥用蒸気の温度が低下しても、褐炭を好適に予熱することができるため、蒸気を有効に活用することができ、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
また、実施例1の構成によれば、気液分離器41により下流側伝熱管33bを流通した液相の乾燥用蒸気を凝縮水として排出することで、上流側伝熱管33aに供給される乾燥用蒸気の気相の割合を増加させることができる。つまり、気液分離器41により、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い低クオリティの蒸気を、気相中の非凝縮性ガスの割合が多い高クオリティの蒸気とすることができる。これにより、上流側伝熱管33aには、液相の蒸気(凝縮水)の流入を抑制することができるため、上流側伝熱管33aの内側における液膜の形成を抑制でき、熱伝達率の向上を図ることができる。なお、実施例1では、気液分離器41を設けたが、気液分離器41を省略した構成にしてもよい。
次に、図4を参照して、実施例2に係る流動層乾燥装置200について説明する。図4は、実施例2に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例2では、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例1に係る流動層乾燥装置1は、伝熱管33を、上流側伝熱管33aと下流側伝熱管33bとに分けて構成したが、実施例2に係る流動層乾燥装置200では、伝熱管201が予熱域12aおよび乾燥域12bの全域に亘って設けられている。以下、実施例2に係る流動層乾燥装置200について説明する。
図4に示すように、実施例2の流動層乾燥装置200において、乾燥炉5の乾燥室12は、その内部が予熱域12aと乾燥域12bとに分けられている。この乾燥炉5を挟んで、流動方向の両側には、一対の蒸気チャンバ室202a,202bが設けられ、一対の蒸気チャンバ室202a,202bの間に伝熱管201が複数掛け渡されている。このため、複数の伝熱管201は、予熱域12aおよび乾燥域12bの全域に亘って配置される。
複数の伝熱管201は、一端部(図示左側)が蒸気チャンバ室202aに接続され、他端部(図示右側)が蒸気チャンバ室202bに接続されている。一対の蒸気チャンバ室202a,202bは、その一方の蒸気チャンバ室202aが、乾燥炉の一端側(図示左側)の外側に設けられ、その他方の蒸気チャンバ室202bが、乾燥炉の他端側(図示右側)の外側に設けられている。このため、複数の伝熱管201は、乾燥炉5を流動方向に貫通して配置されている。また、他方の蒸気チャンバ室202bには、蒸気圧縮機135が接続されており、蒸気圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として流入する。
従って、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、他方の蒸気チャンバ室202bに流入する。他方の蒸気チャンバ室202bに流入した乾燥用蒸気は、接続された複数の伝熱管201に供給される。複数の伝熱管201に供給された乾燥用蒸気は、乾燥域12bを流通する。乾燥域12bを流通する乾燥用蒸気は、潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、乾燥室12の乾燥域12bにおける褐炭を乾燥させる。この後、乾燥用蒸気は、予熱域12aを流通する。予熱域12aを流通する乾燥用蒸気は、潜熱を利用して、褐炭を予熱する。
以上のように、実施例2の構成によれば、予熱域12aを流動する褐炭を、乾燥域12bに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で予熱することができる。一方で、乾燥域12bを流動する褐炭を、予熱域12aに比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で加熱乾燥することができる。これにより、乾燥用蒸気の温度が低下しても、温度差ΔT2を確保できるため、褐炭を好適に予熱することができ、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
次に、図5を参照して、実施例3に係る流動層乾燥装置210について説明する。図5は、実施例3に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例3でも、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例1に係る流動層乾燥装置1では、乾燥室12の予熱域12aにおいて褐炭を予熱したが、実施例3に係る流動層乾燥装置210では、給炭装置(燃料供給装置)111の原炭バンカ121において褐炭を予熱している。以下、実施例3に係る流動層乾燥装置210について説明する。
図5に示すように、実施例3の流動層乾燥装置210において、乾燥炉5の乾燥室12は、その内部が乾燥域12bとなっている。このため、褐炭投入口31は、乾燥室12の乾燥域12bにおける一端側(図示左側)の上部に形成されている。
伝熱管33は、パネル状に構成されており、乾燥域12bにおいて流動する褐炭の内部に設けられている。伝熱管33には、蒸気圧縮機135の流出側が接続されており、管内に蒸気圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として供給される。この伝熱管33は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、乾燥用蒸気を流通させる。
また、原炭バンカ121には、予熱用伝熱管(予熱用伝熱部材)211が設けられている。予熱用伝熱管211は、伝熱管33と同様に、パネル状に構成されており、原炭バンカ121の内部に設けられている。予熱用伝熱管211には、伝熱管33の流出側が接続されており、管内に伝熱管33を流通した乾燥用蒸気が供給される。
また、伝熱管33と予熱用伝熱管211との間には、気液分離器41が設けられ、気液分離器41には、伝熱管33と予熱用伝熱管211とが接続される。なお、気液分離器41は、実施例3においても、実施例1および2とほぼ同様の構成であるため説明を省略する。
従って、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、伝熱管33に流入する。伝熱管33は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、乾燥室12の乾燥域12bにおける褐炭を乾燥させる。この後、伝熱管33を流通した乾燥用蒸気は、予熱用伝熱管211に流入する。予熱用伝熱管211は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、原炭バンカ121の内部に貯留された褐炭を予熱する。この後、予熱に利用された乾燥用蒸気は、原炭バンカ121の外部に排出される。
以上のように、実施例3の構成によれば、原炭バンカ121の内部に貯留された褐炭を、伝熱管33に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で予熱することができる。一方で、乾燥域12bを流動する褐炭を、原炭バンカ121の内部での予熱に使われる乾燥用蒸気に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で加熱乾燥することができる。これにより、乾燥用蒸気の温度が低下しても、流動層乾燥装置210への投入前の褐炭との間で、温度差ΔT2を確保できるため、褐炭を好適に予熱することができ、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
なお、実施例3では、原炭バンカ121に貯留された褐炭を予熱したが、クラッシャ123と流動層乾燥装置1との間に燃料貯留ホッパを別途設け、燃料貯留ホッパの内部に予熱用伝熱管211を設けた構成としてもよい。
次に、図6を参照して、実施例4に係る流動層乾燥装置220について説明する。図6は、実施例4に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例4でも、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例1に係る流動層乾燥装置1では、気相中の非凝縮性ガスの割合が多くなった乾燥用蒸気を、褐炭の予熱に用いたが、実施例4に係る流動層乾燥装置220では、気相中の非凝縮性ガスの割合が多くなった乾燥用蒸気を、蒸気排出口35から排出される蒸気の加熱に用いている。以下、実施例4に係る流動層乾燥装置220について説明する。
図6に示すように、実施例4の流動層乾燥装置220において、乾燥炉5の乾燥室12は、その内部が乾燥域12bとなっている。このため、褐炭投入口31は、乾燥室12の乾燥域12bにおける一端側(図示左側)の上部に形成されている。
伝熱管33は、パネル状に構成されており、乾燥域12bにおいて流動する褐炭の内部に設けられている。伝熱管33には、蒸気圧縮機135の流出側が接続されており、管内に蒸気圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として供給される。この伝熱管33は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、乾燥用蒸気を流通させる。
また、乾燥室12には、蒸気加熱用伝熱管(蒸気加熱用伝熱部材)221が設けられている。蒸気加熱用伝熱管221は、伝熱管33と同様に、パネル状に構成されており、乾燥室12の蒸気排出口35の近傍に設けられている。蒸気加熱用伝熱管221には、伝熱管33の流出側が接続されており、管内に伝熱管33を流通した乾燥用蒸気が供給される。
また、伝熱管33と蒸気加熱用伝熱管221との間には、気液分離器41が設けられ、気液分離器41には、伝熱管33と蒸気加熱用伝熱管221とが接続される。なお、気液分離器41は、実施例1とほぼ同様の構成であり、伝熱管33から乾燥用蒸気が流入する。気液分離器41は、伝熱管33から流入する乾燥用蒸気を液相と気相とに分離し、気相となった乾燥用蒸気を蒸気加熱用伝熱管221に供給する一方で、液相となった乾燥用蒸気を凝縮水として排出する。
従って、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、伝熱管33に流入する。伝熱管33は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、乾燥室12の乾燥域12bにおける褐炭を乾燥させる。この後、伝熱管33を流通した乾燥用蒸気は、蒸気加熱用伝熱管221に流入する。蒸気加熱用伝熱管221は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、蒸気排出口35から排出される排出蒸気を加熱する。この後、排出蒸気の加熱に利用された乾燥用蒸気は、乾燥室12の外部に排出される。
以上のように、実施例4の構成によれば、蒸気排出口35から排出される排出蒸気を、伝熱管33に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で加熱することができる。一方で、乾燥域12bを流動する褐炭を、蒸気排出口35から排出される排出蒸気の加熱に使われる乾燥用蒸気に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で加熱乾燥することができる。これにより、非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気を、排出蒸気の加熱に活用することができるため、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
次に、図7を参照して、実施例5に係る流動層乾燥装置230について説明する。図7は、実施例5に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例5でも、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例1に係る流動層乾燥装置1では、気相中の非凝縮性ガスの割合が多くなった乾燥用蒸気を、褐炭の予熱に用いたが、実施例5に係る流動層乾燥装置230では、気相中の非凝縮性ガスの割合が多くなった乾燥用蒸気を、保温対象物の保温に用いている。以下、実施例5に係る流動層乾燥装置230について説明する。
図7に示すように、実施例5の流動層乾燥装置230において、乾燥炉5の乾燥室12は、その内部が乾燥域12bとなっている。このため、褐炭投入口31は、乾燥室12の乾燥域12bにおける一端側(図示左側)の上部に形成されている。
伝熱管33は、パネル状に構成されており、乾燥域12bにおいて流動する褐炭の内部に設けられている。伝熱管33には、蒸気圧縮機135の流出側が接続されており、管内に蒸気圧縮機135で圧縮された蒸気が乾燥用蒸気として供給される。この伝熱管33は、褐炭の流動方向の下流側から上流側へ向けて、乾燥用蒸気を流通させる。
また、蒸気排出口35と蒸気圧縮機135とを接続する配管232には、蒸気トレース管(保温用伝熱部材)231が設けられている。蒸気トレース管231は、配管232の外周に対し螺旋状に巻きつけて設けられており、配管232を保温可能となっている。つまり、実施例5において、保温対象物は配管232となっている。蒸気トレース管231には、伝熱管33の流出側が接続されており、管内に伝熱管33を流通した乾燥用蒸気が供給される。
また、伝熱管33と蒸気トレース管231との間には、気液分離器41が設けられ、気液分離器41には、伝熱管33と蒸気トレース管231とが接続される。なお、気液分離器41は、実施例5においても、実施例1および2とほぼ同様の構成であるため説明を省略する。
従って、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、伝熱管33に流入する。伝熱管33は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、乾燥室12の乾燥域12bにおける褐炭を乾燥させる。この後、伝熱管33を流通した乾燥用蒸気は、蒸気トレース管231に流入する。蒸気トレース管231は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、配管232を保温する。この後、保温に利用された乾燥用蒸気は、流動層乾燥装置230の外部に排出される。
以上のように、実施例5の構成によれば、保温対象物となる配管232を、伝熱管33に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で保温することができる。一方で、乾燥域12bを流動する褐炭を、保温対象物となる配管232の保温に使われる乾燥用蒸気に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で加熱乾燥することができる。これにより、非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気を、配管232の保温に活用することができるため、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
次に、図8を参照して、実施例6に係る流動層乾燥装置240について説明する。図8は、実施例6に係る流動層乾燥装置を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例6でも、重複した記載を避けるべく、実施例5と異なる部分について説明すると共に、実施例5と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例5に係る流動層乾燥装置230では、保温対象物が配管232であったが、実施例6に係る流動層乾燥装置240では、保温対象物が乾燥炉5となっている。以下、実施例6に係る流動層乾燥装置240について説明する。
図8に示すように、実施例6の流動層乾燥装置240において、乾燥炉5の壁面には、蒸気トレース管(保温用伝熱部材)241が設けられている。蒸気トレース管241は、乾燥炉5の壁面に沿って周囲を取り囲むように設けられている。つまり、実施例6において、保温対象物は乾燥炉5となっている。なお、図8では、乾燥炉5の壁面の一部に蒸気トレース管241が設けられた構成を図示している。蒸気トレース管241には、伝熱管33の流出側が接続されており、管内に伝熱管33を流通した乾燥用蒸気が供給される。
また、伝熱管33と蒸気トレース管241との間には、気液分離器41が設けられ、気液分離器41には、伝熱管33と蒸気トレース管241とが接続される。なお、気液分離器41は、実施例6においても、実施例1および2とほぼ同様の構成であるため説明を省略する。
従って、蒸気圧縮機135から乾燥用蒸気が供給されると、供給された乾燥用蒸気は、伝熱管33に流入する。伝熱管33は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、褐炭を加熱し、これにより、流動層3の褐炭中の水分を除去することで、乾燥室12の乾燥域12bにおける褐炭を乾燥させる。この後、伝熱管33を流通した乾燥用蒸気は、蒸気トレース管241に流入する。蒸気トレース管241は、管内に乾燥用蒸気が供給されると、乾燥用蒸気の潜熱を利用して、乾燥炉5を保温する。この後、保温に利用された乾燥用蒸気は、流動層乾燥装置240の外部に排出される。
以上のように、実施例6の構成によれば、保温対象物となる乾燥炉5を、伝熱管33に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気で保温することができる。一方で、乾燥域12bを流動する褐炭を、保温対象物となる乾燥炉5の保温に使われる乾燥用蒸気に比して気相中の非凝縮性ガスの割合が少ない乾燥用蒸気で加熱乾燥することができる。これにより、非凝縮性ガスの割合が多い乾燥用蒸気を、乾燥炉5の保温に活用することができるため、蒸気の潜熱を効率よく回収することができる。
なお、実施例5および実施例6では、保温対象物として、配管232または乾燥炉5の壁面を適用したが、この構成に限定されない。すなわち、実施例5および実施例6を組み合わせた構成でもよく、また、保温対象物として、配管232または乾燥炉5以外の部材であってもよい。
また、実施例3ないし6では、乾燥室12を乾燥域12bだけで構成したが、実施例1および実施例2と同様に、乾燥室12を予熱域12aと乾燥域12bとに分けて構成してもよい。
1 流動層乾燥装置
3 流動層
5 乾燥炉
6 ガス分散板
11 風室
12 乾燥室
12a 予熱域
12b 乾燥域
31 褐炭投入口
33 伝熱管
33a 上流側伝熱管
33b 下流側伝熱管
34 乾燥炭排出口
35 蒸気排出口
41 気液分離器
200 流動層乾燥装置(実施例2)
201 伝熱管
202a,202b 蒸気チャンバ室
210 流動層乾燥装置(実施例3)
211 予熱用伝熱管
220 流動層乾燥装置(実施例4)
221 蒸気加熱用伝熱管
230 流動層乾燥装置(実施例5)
231 蒸気トレース管
232 配管
240 流動層乾燥装置(実施例6)
241 蒸気トレース管
F フリーボード部

Claims (10)

  1. 供給された湿潤燃料が流動化蒸気により流動することで、内部に流動層が形成される乾燥炉と、
    前記乾燥炉内に設けられ、供給された前記湿潤燃料を加熱する伝熱部材と、
    前記乾燥炉から排出される蒸気を圧縮し、圧縮した蒸気を前記伝熱部材に供給する圧縮機と、を備え、
    前記伝熱部材は、前記湿潤燃料の流動方向の下流側から上流側へ向けて、前記圧縮機から供給された蒸気を流通させることを特徴とする流動層乾燥装置。
  2. 前記伝熱部材の流動方向の上流側を流通する蒸気は、前記伝熱部材の流動方向の下流側を流通する蒸気に比して、気相中の非凝縮性ガスの割合が多いことを特徴とする請求項1に記載の流動層乾燥装置。
  3. 前記乾燥炉は、前記湿潤燃料の流動方向の上流側に設けられる予熱域と、前記予熱域の下流側に設けられる乾燥域とを有し、前記予熱域は、前記乾燥域に比して前記乾燥炉内の前記湿潤燃料の温度が低くなっており、
    前記伝熱部材は、前記予熱域に設けられた上流側伝熱部材と、前記乾燥域に設けられた下流側伝熱部材とを有し、前記圧縮機から供給された蒸気が、前記下流側伝熱部材を流通した後、前記上流側伝熱部材を流通するように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の流動層乾燥装置。
  4. 前記下流側伝熱部材から流入した蒸気を気液分離して、気相の蒸気を前記上流側伝熱部材に供給する一方で、液相の蒸気を凝縮水として排出する気液分離装置を、さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の流動層乾燥装置。
  5. 前記乾燥炉は、前記湿潤燃料の流動方向の上流側に設けられる予熱域と、前記予熱域の下流側に設けられる乾燥域とを有し、前記予熱域は、前記乾燥域に比して前記乾燥炉内の前記湿潤燃料の温度が低くなっており、
    前記伝熱部材は、前記予熱域から前記乾燥域に亘って設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の流動層乾燥装置。
  6. 前記湿潤燃料を供給する燃料供給装置の内部に設けられ、前記湿潤燃料を予熱する予熱用伝熱部材をさらに備え、
    前記予熱用伝熱部材は、前記圧縮機から供給された蒸気が、前記伝熱部材を流通した後、流通するように設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流動層乾燥装置。
  7. 前記乾燥炉内に設けられ、前記乾燥炉から排出される前記蒸気を加熱する蒸気加熱用伝熱部材をさらに備え、
    前記蒸気加熱用伝熱部材は、前記圧縮機から供給された蒸気が、前記伝熱部材を流通した後、流通するように設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流動層乾燥装置。
  8. 保温対象物に設けられた保温用伝熱部材をさらに備え、
    前記保温用伝熱部材は、前記圧縮機から供給された蒸気が、前記伝熱部材を流通した後、流通するように設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の流動層乾燥装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の流動層乾燥装置と、
    前記流動層乾燥装置から供給された乾燥後の前記湿潤燃料を処理してガス化ガスに変換するガス化炉と、
    前記ガス化ガスを燃料として運転されるガスタービンと、
    前記ガスタービンからのタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により運転される蒸気タービンと、
    前記ガスタービンおよび前記蒸気タービンと連結された発電機とを備えたことを特徴とするガス化複合発電設備。
  10. 乾燥炉内に供給された湿潤燃料を流動化蒸気により流動させながら、前記乾燥炉内に設けられた伝熱部材により前記湿潤燃料を加熱することで、前記湿潤燃料を乾燥させる乾燥方法であって、
    前記伝熱部材は、前記湿潤燃料の流動方向の上流側に設けられる上流側伝熱部材と、前記上流側伝熱部材の下流側に設けられる下流側伝熱部材とを有し、
    前記湿潤燃料の乾燥時に発生した蒸気を前記乾燥炉から排出させる蒸気排出工程と、
    前記蒸気排出工程において排出された蒸気を圧縮する蒸気圧縮工程と、
    前記蒸気圧縮工程において圧縮した蒸気を、前記下流側伝熱部材に供給する下流側蒸気供給工程と、
    前記下流側蒸気供給工程において前記下流側伝熱部材から流出した蒸気を気液分離し、液相となった蒸気を凝縮水として排出する一方で、気相となった蒸気を前記上流側伝熱部材に供給する気液分離工程と、を備えることを特徴とする乾燥方法。
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