JP2013177909A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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【課題】出力歯車に噛み合う従動歯車のギヤ反力を利用して、トロイダル型無段変速機を倒すようにこのトロイダル型無段変速機にかかる力の少なくとも一部を相殺することができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】このトロイダル型無段変速機では、入力側ディスク2および一体型出力側ディスク3Aからパワーローラ11に作用するトラクション力に基づいて、変速機全体を傾ける力が作用する。出力歯車4Aにギヤ反力を作用させる従動歯車72が、上述の傾ける力を相殺する方向にギヤ反力が作用する出力歯車4Aとの噛合位置73の範囲内で、出力歯車4Aと噛み合っている。これにより、トロイダル型無段変速機を傾ける方向に力が作用するのを防止して、変速制御を安定させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機は、図4及び図5に示すように構成されている。図に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車群4を構成する第1の出力歯車4Aが回転自在に支持されている。この第1の出力歯車4Aの中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車群4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図10の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。図5に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し、捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、パワーローラ11を支持する支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸(支持軸)23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、ラジアルニードル軸受99を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。
また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車群4より取り出される。
入力軸1と出力歯車群4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車群4との間の変速比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車群4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上記構成のトロイダル型無段変速機の運転時には、パワーローラ11と各ディスク2,3との間で動力を伝達するためのトラクション接触部にそれぞれ接線方向の力Ft(トラクション力)が発生する。これらの接線力の合力2Ft(トラクション力に基づく力)がパワーローラ11に働く。その2Ftを支えるために、油圧ピストンで2Ftと逆向きの力(駆動装置32の駆動力)を発生させる。しかし、それぞれの力の作用線がずれているため、モーメントが発生して、トロイダル型無段変速機のヨークに力が作用し、この力が後述の一体型ポスト69等を介してトロイダル型無段変速機の他の部材に伝達され、トロイダル型無段変速機全体が倒れようとして、トロイダル型無段変速機に余分な負荷がかかるとともに、トロイダル型無段変速機が不安定になる。
ここで、図6〜図9に示すように、トラニオン15、ヨーク23A,23B、一体型ポスト69等の部品をモジュール化して組み立てるようにしたトロイダル型無段変速機において、上述の2Ftの作用によりトロイダル型無段変速機全体に倒れるような力(傾ける力)がかかることをより詳細に説明する。
図6から図9に示すように、このトロイダル型無段変速機は、基本的に、上述の図4および図5に示すトロイダル型無段変速機と同様の構成要素を有するものであり、図6〜図9において、図4および図5に示す構成要素と同様の構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。
ただし、図7に示すように、ダルブルキャビティ型でハーフ型のこのトロイダル型無段変速機においては、二つの出力側ディスク3が背面どうしを接合した状態に一体に設けられ、二つの出力側ディスク3を備える一体型出力側ディスク3Aの外周部に歯車の歯が形成されることにより、出力歯車4Aが一体型出力側ディスク3Aの外周部に設けられている。
また、図8に示すように、このトロイダル型無段変速機においては、上側のヨーク23Aを揺動自在に支持する上側の球面ポスト64と、下側のヨーク23Bを揺動自在に支持する下側の球面ポスト68とが、下側の駆動装置32から上側の固定部材52まで上下に延在する一体型ポスト69として一体に形成されている。すなわち、一体型ポスト69の上端部に球面ポスト64が設けられ、一体型ポスト69の下端部に球面ポスト68が設けられた構成になっている。また、一体型ポスト69は、入力軸1と交差する位置に配置されており、一体型ポスト69の中央部を入力軸1が貫通するように貫通孔が形成されている。
また、上述の例では、パワーローラ11とパワーローラ11を内輪するとともに外輪28等を備えるスラスト球軸受24が変位軸23によりトラニオン15の支持板部16に揺動自在にされていた。しかし、この例では、変位軸23は、パワーローラ11を回転自在に支持する先端部23bの部分だけが、軸23cとして外輪28に一体に設けられ、パワーローラ11を外輪28に対して回転自在に支持している。したがって、上述のトラニオン15に支持されるとともに、外輪28およびパワーローラ11等を揺動自在に支持している変位軸23の基端部23aは設けられておらず、パワーローラ11等が変位軸23の基端部23a周りに揺動する構造になっていない。
その代わりに、トラニオン15の支持板部16が板状ではなく、枢軸14と軸方向が平行な略柱状とされるとともにパワーローラ11側の面が円弧面状の凸面とされている。また、外輪28のトラニオン15側の面が円弧面状の凹面とされている。トラニオン15の凸面に外輪28の凹面が回転自在に嵌り合った状態になっている。これにより、外輪28およびパワーローラ11を含むスラスト球軸受24が、トラニオン15の支持板部16の円弧面状の凸面の円弧の上下方向に沿った中心軸周りに揺動自在となっている。
これにより、変位軸23の基端部23aを用いた場合とほぼ同様に、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
図8に示すように、このトロイダル型無段変速機においても、上述の場合と同様に、パワーローラ11と各ディスク2,3との間で動力を伝達するためのトラクション接触部にそれぞれ接線方向の力Ft(トラクション力)が発生する。これらの接線力の合力2Ft(F1,F2)がパワーローラ11に働く。その2Ftを支えるために、駆動装置32(油圧ピストン)で符号R1,R2で示す2Ft(F1,F2)と逆向きの駆動力を発生させる。
しかし、符号F1,R1及び符号F2,R2で示すように、それぞれの力(2Ftと駆動装置の駆動力)の作用線がずれているため、偶力が符号F1の力とR1の力及び符号F2の力とR2の力の間で働き、モーメントMt1,Mt2が発生し、例えば、トロイダル型無段変速機のヨーク23Aに図中左方向に向かう力が作用する。この場合に、トロイダル型無段変速機全体に上述の力の方向(矢印の方向)に倒れように(傾くように)傾ける力F3がかかる。例えば、図9に示すように、トロイダル型無段変速機に力F3が作用すると、トロイダル型無段変速機全体が力F3の方向に傾くように変形することになる。
なお、図9は、トロイダル型無段変速機の傾きが分かり易いように、傾きの変形量を実際より強調して図示したものである。
上述の2Ftにより、トロイダル型無段変速機に余分な荷重がかかることにより、トロイダル型無段変速機が変形するような場合に、トロイダル型無段変速機における変速比の制御が不安定になる。
また、図8に示すように、トロイダル変速機の一方の側面側から入力軸方向を見た場合に、傾ける力F3が左方向となる場合には、二つの入力側ディスク2が右回転(時計周り)し、二つの出力側ディスクが左回転(反時計周り)していることになる。図8とは逆に、トロイダル変速機の一方の側面側から入力軸方向を見た場合に、傾ける力F3が右方向となる場合には、二つの入力側ディスク2が左回転(反時計周り)し、二つの出力側ディスクが右回転(時計周り)していることになる。したがって、傾ける力F3の方向と、出力側ディスクの回転の周り方向がほぼ同じになる。
また、従来、このようなトロイダル型無段変速機において、押圧装置12により、出力側ディスク3にかかる押圧力(スラスト力)を、例えば、出力側ディスク3を回転自在に支持し、スラスト荷重とラジアル荷重を受けるアンギュラ軸受で受けているものが知られている。
このアンギュラ軸受にかかる力を出力歯車4Aとしてスラスト力を生じるはすば歯車を用いることで低減し、アンギュラ軸受の長寿化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1では、出力側ディスク3と同軸上に配置されるとともに出力側ディスク3と一体に回転して、変速された回転駆動力を出力する出力歯車4Aとしてスラスト力を生じるはすば歯車を用い、はすば歯車によるスラスト力の方向を押圧装置12の押圧力と反対にすることにより、出力側ディスク3のアンギュラ軸受にかかるスラスト力を低減して、アンギュラ軸受の長寿化を図っている。
また、出力歯車4Aには、例えば、第2の出力歯車4B等の他の歯車が噛み合うことになるが、この際に他の歯車からのギヤ反力を受けることで、入力軸1に曲げ応力が生じることになる。そこで、出力歯車4Aに二つの歯車を噛み合わせることで、ギヤ反力を相殺し、入力軸1の曲げ応力を低減することが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
実開昭63−30656号公報 実公平3−2041号公報
しかしながら、特許文献1のようにスラスト力を生じるはすば歯車を出力歯車4Aやその他の歯車に用いても、入力軸1と略直交する方向に作用する上述の2Ftに基づいて、入力軸と直交する方向にトロイダル型無段変速機を傾ける力F3を低減することができない。
また、特許文献2の方法によれば、上述の力F3の一部を低減できる可能性があるが、入力軸に平行な二つの回転軸を配置し、出力歯車にこれら2本の回転軸にそれぞれ設けた歯車を両方噛み合わせるとともに、これら2本の回転軸に伝動された力をまとめて、さらに他の回転軸に伝動する構成にすると、構成が煩雑になる。これにより、トロイダル型無段変速機のコストの増加や、トロイダル型無段変速機の大型化を招く虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、出力歯車に噛み合う従動歯車のギヤ反力を利用して、トロイダル型無段変速機を倒すようにこのトロイダル型無段変速機にかかる力の少なくとも一部を相殺することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記トラニオンの前記一対の枢軸をそれぞれ傾転自在かつ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、前記出力側ディスクとともに回転する出力歯車と、前記出力歯車に噛み合う従動歯車とを備え、
前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクから前記パワーローラに作用するトラクション力に基づく力の作用線と、前記パワーローラから前記トラニオンに伝達される前記トラクション力に基づく力を支えるために前記駆動装置で発生させられるとともに、前記トラクション力に基づく力と略逆向きになる駆動力の作用線がずれていることによって、全体を傾ける力が作用することになるトロイダル型無段変速機において、
前記出力歯車にギヤ反力を作用させる前記従動歯車が、前記傾ける力を相殺する方向に前記ギヤ反力が作用する前記出力歯車との噛合位置の範囲内で、前記出力歯車と噛み合っていることを特徴とする。
本発明においては、上述のようにトラクション力に基づいて生じるトロイダル型無段変速機全体を傾ける力に対して出力歯車に噛み合う従動歯車によるギヤ反力が上述の傾ける力を相殺する方向に作用するので、傾ける力を低減することができる。
すなわち、ギヤ反力に、傾ける力と逆向きになる方向成分が生じる出力歯車との噛合位置に従動歯車を噛み合わせることによって、傾ける力の少なくとも一部が相殺される。
これにより、トラクション力に基づく傾く力の影響を低減することにより、この傾ける力によってトロイダル型無段変速機に生じるひずみ等の発生を防止し、トロイダル型無段変速機による変速制御が不安定になるのを防止できる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、トラクション力により変速機全体を傾けるような力を抑制して、変速制御を安定させることができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の出力歯車に従動歯車を噛み合わせる際の従動歯車を噛み合わせる位置の範囲を説明するためにヨークや入力ディスク等を取り外したトロイダル型無段変速機を示す斜視図である。 前記トロイダル型無段変速機を示す斜視図である。 前記トロイダル型無段変速機の変形例を示す斜視図である。 従来のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 図4のA−A線断面図である。 従来の別のトロイダル型無段変速機を示す斜視図である。 従来の別のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。 図7のB−B線断面図である。 図8のトロイダル型無段変速機が傾むくように変形した状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の特徴は、2Ftに基づいて変速機全体を倒す方向にかかる傾ける力F3(図8に図示)が、出力側ディスク3の出力歯車4Aの従動歯車72との噛合位置73で発生するギヤ反力により少なくとも一部が相殺されるように、出力側ディスク3への従動歯車72の噛合位置73を調整する構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図1〜図3に、図4〜図9と同一の符号を付して、説明を省略する。
駆動歯車と従動歯車とにおいては、駆動歯車から従動歯車に駆動力を伝達する際に、従動歯車から駆動歯車にギヤ反力が作用する。ギヤ反力は、駆動歯車と従動歯車との噛合位置における歯と歯の接触位置で発生し、ほぼ所定方向を向く力になる。したがって、駆動歯車と従動歯車との噛合位置が変わると、トロイダル型無段変速機におけるギヤ反力の方向が変わる。この実施形態では、このギヤ反力を利用し、上述の傾ける力F3の少なくとも一部をギヤ反力で相殺し、傾ける力によるトロイダル型変速機への悪影響を低減するようになっている。
図1には、一体型出力側ディスク3Aの外周部に設けられた出力歯車4Aにおいて、出力歯車4Aから駆動力が伝達されて回転する従動歯車72(図2に図示)の噛合位置の範囲74を示すものである。
ここでは、図8に示す力F3の方向に対して、上述のギヤ反力の方向成分には、力F3の反対方向(逆方向)となる方向成分が含まれる必要がある。図1に示される従動歯車72の噛合位置の範囲74のいずれかの位置で出力歯車4Aに従動歯車72が噛み合った場合に、上述の力F3を相殺する方向の力成分がギヤ反力に含まれることになる。
基本的に噛合位置の範囲74は、上述の力F3が向く方向側の出力歯車4Aの半分になる。出力歯車4Aは、一方の側面から入力軸方向に沿って見た場合に力F3の方向が右なら出力歯車4Aの右側半分が従動歯車72との噛合位置の範囲になり、力F3の方向が左ならば出力歯車4Aの左側半分が従動歯車72の噛合位置になる。
なお、力F3の方向が例えば左方向の場合に、出力歯車4Aの右側に従動歯車72を噛み合わせると、ギヤ反力に力F3と同じ方向成分の力が生じ、力F3を一部でも相殺するこができない。左右逆の場合も同様である。
また、出力歯車4Aの歯の部分(出力歯車4Aの外周)の右部分と左部分との境目となる上端部(白抜きの丸S1で示す)と下端部(白抜きの丸S2で示す)とにおいては、ギア反力の力F3と同方向(逆方向)となる方向成分の力が小さく、上述の噛合位置の範囲74から除くようになっている。なお、この噛合位置の範囲74の両端部の部分をどの程度の範囲で除くかは、例えば、力F3の大きさ、ギヤ反力の大きさ、歯車の仕様等を考慮して、実験やシミュレーションにより決定する。
図2は、上述の噛合位置の範囲72内の一か所として、出力歯車4Aの左端となる位置を従動歯車72の噛合位置73にしたものである。この際の出力歯車4Aに作用するギヤ反力をX方向成分の力と、Y方向成分の力とに分けて図2に図示している。なお、この場合の従動歯車72から出力歯車4Aに作用するギヤ反力の方向は、右斜め上となっている。X方向は、枢軸14の軸方向と、入力軸1の軸方向との両方向に直交する方向で、上述の左右の方向と同じ方向になる。また、Y方向は、枢軸14の軸方向と平行になる方向で、上述の上下の方向と同じ方向になる。また、X方向は、図8に示す力F3と略逆向きの方向になる。
出力歯車4Aは、上述のギア反力のX方向成分の力を受けた際に、出力歯車4Aと一体に設けられた出力側ディスク3が、ヨーク23Aに連結されたトラニオン15に支持されているパワーローラ11を直接押すことになる。
すなわち、図7に示すように、パワーローラ11と出力側ディスク3とが潤滑油を介して接触するトラクション面は、上述のX方向成分の力(入力軸1に対して直角方向の力)に対して斜めになっている。したがって、出力側ディスク3にX方向成分の力が作用すると、出力側ディスク3にトラクション面で接触するパワーローラ11に、このトラクション面に直交する方向の力(X方向成分を有する力)が作用する。
したがって、出力側ディスク3と一体の出力歯車4Aにギア反力としてX方向成分の力が作用した場合に、上述の力F3の少なくとも一部がギア反力(X方向成分の力)により相殺され、力F3による変速機全体の倒れ方向への変位を軽減することができる。
出力歯車A4の噛合位置の範囲74に対して、従動歯車72を実際に噛合可能は位置は、ヨーク23A、ヨーク23B、駆動装置32等により制限されることになり、図2に示すようにヨーク23Aとヨーク23Bとの間になる位置か、後述するように、ヨーク23Aの上側の位置で、出力歯車4Aの上端より左側の位置になる。
したがって、図3に示すように、従動歯車72を出力歯車4Aのヨーク23Aより上側で、出力歯車4Aの上端より左側にずれた位置に噛み合わせるものとしてもよい。この場合も、従動歯車72のギヤ反力により上述の力F3の少なくとも一部を相殺することができる。
このようなトロイダル型無段変速機においては、トラクション力に基づく2Ftの力によって、トロイダル型無段変速機にかかり、トロイダル型無段変速機を倒れるように(傾ける)ように作用する力F3による悪影響を、力F3の少なくとも一部を出力歯車4Aに噛合う歯車(従動歯車72)からのギヤ反力により相殺することによって、低減することができる。
これにより、例えば、ヨーク23Aにかかる荷重2Ftが出力歯車4Aの噛合位置73で発生するギヤ反力により相殺されるように、噛合位置を調節しているので、ヨーク23Aにかかる荷重を軽減して、パワーローラ11の姿勢を安定的に保つことができる。また、トロダル型無段変速機において、変速比の制御が不安定になるのを防止できる。
なお、上述の噛合位置の範囲74における従動歯車72の噛合位置は、図2および図3に示す位置に限られるものではなく、出力歯車4Aの噛合位置の範囲74内の従動歯車72を噛み合わせ可能な位置ならば、いずれの位置に従動歯車72を噛み合わせてもよい。
なお、トロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型に限らず、シングルキャビティ型にも適用できる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
4A 出力歯車
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
23A ヨーク
23B ヨーク
72 従動歯車
73 噛合位置
74 噛合位置の範囲

Claims (1)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記トラニオンの前記一対の枢軸をそれぞれ傾転自在かつ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、前記出力側ディスクとともに回転する出力歯車と、前記出力歯車に噛み合う従動歯車とを備え、
    前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクから前記パワーローラに作用するトラクション力に基づく力の作用線と、前記パワーローラから前記トラニオンに伝達される前記トラクション力に基づく力を支えるために前記駆動装置で発生させられるとともに、前記トラクション力に基づく力と略逆向きになる駆動力の作用線がずれていることによって、全体を傾ける力が作用することになるトロイダル型無段変速機において、
    前記出力歯車にギヤ反力を作用させる前記従動歯車が、前記傾ける力を相殺する方向に前記ギヤ反力が作用する前記出力歯車との噛合位置の範囲内で、前記出力歯車と噛み合っていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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