JP2013177502A - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ又は発色濃度の高い画像を記録できるインクジェット記録用インクを提供すること。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録インクは、中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料と、樹脂と、を含む複合粒子が分散されてなり、前記炭素粒子が、下記(A)リグニンを熱分解して得られること、または下記(B)表面が多孔質構造を有すること、の少なくとも一方の特徴を有し、前記炭素粒子の平均一次粒子径(D1)と、前記インクジェット記録用インク中における前記複合粒子の体積平均粒子径(D2)と、の比(D2/D1)が、2以上400以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インクに関する。
従来、インクジェット記録用ヘッドのノズルから吐出させた微小なインク滴によって画像や文字を記録する、いわゆるインクジェット記録方法が知られている。このようなインクジェット記録方法に用いられるインクは、所望の色彩を備えた画像を得るために、着色剤(例えば、染料、顔料等)を含有する。特に、耐光性および耐ガス性等に優れるという観点から、上記の着色剤の中でも顔料が広く用いられている。
しかしながら、上記顔料はインク中で凝集や沈降等を生じやすいため、インクの保存安定性が低下する場合がある。また、インク中で顔料の凝集や沈降等が発生すると、得られる画像の発色濃度(OD値)が低下してしまい、色再現性に優れない場合がある。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、特定のパラメーターを満たすカーボンブラックを使用して、樹脂エマルジョンおよびカーボンブラックの粒子径の関係を規定することで、OD値の高い画像を記録できることが記載されている。また、特許文献2には、着色剤および樹脂を着色樹脂粒子として水中に分散させることで、保存性に優れたインクジェット記録用インクが得られることが記載されている。
特開2007−56168号公報 特開2008−222982号公報
しかしながら、上記のようなインクは、これに含まれる顔料の分散性が十分とはいえず、インクの保存中に顔料の凝集や沈降が発生して、保存安定性に優れない場合があった。また、インク中での顔料の凝集や沈降を十分に低減させることができず、記録される画像の発色濃度が低下する場合があった。
本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、保存安定性に優れ又は発色濃度の高い画像を記録できるインクジェット記録用インクを提供することにある。
本発明は、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット記録用インクの一態様は、
中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料と、樹脂と、を含む複合粒子が分散されてなる。
適用例1のインクジェット記録用インクによれば、保存安定性に優れ、かつ、発色濃度の高い画像を記録することができる。
[適用例2]
適用例1において、
前記炭素粒子が、下記(A)または下記(B)の少なくとも一方の特徴を有することができる。
(A)リグニンを熱分解して得られること
(B)表面が多孔質構造を有すること
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記炭素粒子の平均一次粒子径(D1)と、前記インクジェット記録用インク中における前記複合粒子の体積平均粒子径(D2)と、の比(D2/D1)が、2以上400以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記炭素粒子の平均一次粒子径(D1)が、1nm以上400nm未満であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記インクジェット記録用インク中における前記複合粒子の体積平均粒子径(D2)が、0.05μm以上2μm以下であることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記インクジェット記録用インクは、インクジェット記録装置のノズルから吐出され、
前記ノズルの開口部の直径が、15μm以上30μm以下であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、
さらに、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤、およびグリコールエーテル類から選択される少なくとも一種を含有することができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
前記樹脂は、アクリル系樹脂であり、
前記アクリル系樹脂は、酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、中和率が80%未満であることができる。
[適用例9]
適用例8において、
前記アクリル系樹脂が2種以上含まれることができる。
[適用例10]
適用例9において、
前記アクリル系樹脂のうち、第1のアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が40℃以上80℃以下であり、第2のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)が−10℃以上15℃以下であることができる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インクに含有可能な中空構造を有する炭素粒子の一例を示す模式図。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インクを適用可能なプリンターの構成を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インクを適用可能なプリンターのノズル面を示す概略図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクジェット記録用インク
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料と、樹脂と、を含む複合粒子が分散されてなる。
以下、本実施形態に係るインクジェット記録用インクに含まれる成分について、詳細に説明する。
1.1.複合粒子
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、複合粒子を含有する。複合粒子は、中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料と、樹脂と、を含むものである。複合粒子は、樹脂と、中空構造を有する2つ以上の炭素粒子と、が結合(あるいは吸着)した状態にあればどのような形態であってもよい。例えば、樹脂の表面に炭素粒子が結合(あるいは吸着)した形態(例えば米国特許第6544705号明細書に記載された顔料)や、樹脂の内部に複数の炭素粒子が取り込まれた形態や、炭素粒子の一部分が樹脂内部に取り込まれた形態や、これらの形態が2つ以上組み合わされた形態等が挙げられる。これらの中でも、複合粒子のより好ましい構造は、樹脂の内部に複数の黒色顔料が内包された形態の粒子である。
複合粒子は、樹脂および黒色顔料を含むため、黒色顔料および樹脂をインク中で分散させた(黒色顔料および樹脂を複合化させずにインク中に加える)場合における黒色顔料よりも、粒子径が大きくなる。そのため、複合粒子を含むインクを用いて記録媒体に画像を形成した場合、複合粒子に含まれる黒色顔料が記録媒体の内部に浸透しにくくなる。これにより、OD値の高い発色性に優れた画像を記録できる。
また、複合粒子とすることで、黒色顔料を構成する炭素粒子同士が凝集することを低減できるので、長期保存した場合における分散安定性(保存安定性)に優れたインクが得られる。
複合粒子の体積基準の平均粒子径としては、0.05μm以上2.5μm以下であることが好ましく、0.05μm以上2μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがさらに好ましい。であることが特に好ましい。複合粒子の平均粒子径が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、記録媒体の内部に複合粒子が浸透することを低減でき、記録媒体の表面に複合粒子を付着させることができるので、OD値の高い発色性に優れた画像が得られる。また、複合粒子の平均粒子径が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、インク中での複合粒子の沈降を低減できるので、保存安定性に優れたインクが得られる。
複合粒子の体積基準の平均粒子径は、複合粒子を含有する本実施形態に係るインクジェット記録用インクを用いて、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)が挙げられる。
複合粒子において、黒色顔料[M1(質量%)]と、樹脂[M2(質量%)]との質量比(M2/M1)は、0.2以上3以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。上記範囲内にあることで、MEK(油相)中の顔料分散性が良好であり、尚且つ脱溶後の水分散性が良好である効果が得られる。
複合粒子の含有量は、所望により適宜設定することができるが、インクジェット記録用インクの全質量に対して、1.0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
1.1.1.黒色顔料
本実施形態に係るインクジェット記録用インクに含まれる複合粒子は、中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料を含有する。中空構造とは、殻で囲まれ内部が完全な空洞状態であるものだけに限定されず、図1のように、顔料内部まで溝による空洞が複数形成された多孔質構造をも含む。図1の構造を有する顔料としては、下記に記載するケッチェンブラックが挙げられる。
中空構造を有する炭素粒子は、同等の粒子径を有する通常のカーボンブラック(中空構造を有さないもの)よりも比重が小さいので、インク中で沈降しにくくなり、インクの保存安定性を向上できる。
また、後述する合一工程により複合粒子を大粒径化させた(例えば、0.2μm以上にする)場合であっても、炭素粒子が中空構造を有しているので、インク中で大粒径化した複合粒子が沈降することを低減できる。このように、大粒径化した複合粒子を用いた場合であっても、保存安定性に優れたインクが得られる。
中空構造を有する炭素粒子としては、例えば、リグニンを熱分解して得られる炭素粒子(以下、「リグニンブラック」ともいう。)や、ケッチェンブラック等が挙げられる。
リグニンブラックとしては、特に限定されないが、例えば特開2009−155199号公報に記載の方法で得られたものを用いることができる。リグニンブラックの製造方法の一例を次に示す。まず、木材や、パルプの製造工程で排出される廃液からリグニンを含む有機材料を分離する。そして、リグニンを含む有機材料および任意で無機物質(例えば、金属酸化物、水酸化物、および炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩の水溶性塩等)を含む水溶液を調製する。このようにして得られた水溶液をスプレードライにより微小液滴化し、当該微小液滴を300℃〜1200℃で熱分解することによって、当該微小液滴が炭素化する。このようにして、リグニン由来の中空構造を有する炭素粒子が得られる。なお、リグニンには、アルカリリグニン、加水分解リグニンおよびリグニンスルホン酸等を含む。また、リグニン由来の中空構造を有する炭素粒子は、製造方法を適宜調製することによって、その表面に複数の凹凸形状を備えた多孔質構造とすることもできる。
ケッチェンブラックとしては、市販品を用いることができ、例えば、ケッチェンブラック EC300J、EC600JD(ライオン株式会社製)等が挙げられる。ケッチェンブラックは、中空構造を有し、かつ、その表面が賦活処理された多孔質構造を有する。当該顔料は、比表面積が大きく嵩高い特性を有しているため単位重量当りの粒子数が通常のファーネス及びチャンネル製法により製造されるカーボンブラックに比べ多いという利点がある。
表面に多孔質構造を有する炭素粒子は、多孔質の表面を有さない炭素粒子と比べて、その表面に照射された光を乱反射できるので、漆黒の色味を有する画像を記録することができる。
中空構造を有する炭素粒子からなる黒色顔料のうち、リグニンブラックは、パルプ廃液や、木材および農産物の廃棄物等から得られるリグニンから製造することができるので、通常の化石資源を原料として得られる炭素粒子よりも、環境面において好ましく用いることができる。
中空構造を有する炭素粒子の粒子径(一次粒子径)(D1)と、上述した複合粒子の体積基準の平均粒子径(D2)と、の比(D2/D1)が、2以上400以下であることが好ましく、2以上100以下であることがより好ましく、2以上20以下であることがさらに好ましく、4以上20以下であることが一層好ましく、4以上10以下であることが特に好ましい。上記比(D2/D1)が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、OD値の高い発色性に優れた画像が得られる。また、上記比(D2/D1)が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、インク中における複合粒子の沈降を低減できるので、保存安定性に優れたインクが得られる。
中空構造を有する炭素粒子の粒子径(一次粒子径)は、1nm以上400nm未満であることが好ましく、1nm以上300nm以下であることがより好ましく、1nm以上200nm以下であることがより一層好ましく、1nm以上100nm以下であることがさらに好ましく、1nm以上50nm以下であることが特に好ましい。中空構造を有する炭素粒子の一次粒子径が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、炭素粒子同士の凝集が少なく、取扱いが容易になる傾向にある。また、中空構造を有する炭素粒子の一次粒子径が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、炭素粒子のインク中における沈降を低減できる。
中空構造を有する炭素粒子の粒子径(一次粒子径)は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)を用いて測定できる。透過型電子顕微鏡としては、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型顕微鏡HT7700を用いることができる。
1.1.2.樹脂
本実施形態に係るインクジェット記録用インクに含まれる複合粒子は、樹脂を含有する。複合粒子に含まれる樹脂は、黒色顔料を構成する炭素粒子同士の凝集を低減させる機能を備えるため、インクの保存安定性を向上させることができる。
複合粒子に含まれる樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等)、アクリル系樹脂(ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロル(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等)、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン変性エポキシ系樹脂、シリコーン変性エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、フェニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。複合粒子に2種以上の樹脂が含まれる場合には、複合粒子に樹脂毎の特性を付与できる点で好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれか一方を意味する。
これらの中でも、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂は、透明性が高いので、黒色顔料が有する色調を十分に表現することができる。したがって、このような樹脂を含む複合粒子を含有するインクを用いることによって、記録媒体へのインクの付着量を比較的少ないものとしても、高濃度の印刷を行うことができる。
また、後述する転相乳化工程を容易に行えるという観点から、酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下の樹脂を用いることが好ましく、酸価が10mgKOH/g以上110mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を用いることがより好ましい。
また、後述する合一工程が容易に行えるという観点から、樹脂の中和率は、80%未満であることが好ましく、10%以上80%未満であることがより好ましい。
複合粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、0℃以上100℃以下であることが好ましく、5℃以上85℃以下であることがより好ましい。複合粒子に含まれる樹脂のTgが上記範囲内にあると、複合粒子同士の凝集を低減することができる。これにより、インクの保存安定性が一層良好になる場合がある。
例えば、複合粒子に2種以上の樹脂が含まれる場合において、Tgが40℃以上80℃以下の第1の樹脂(例えばアクリル系樹脂)と、Tgが−10℃以上15℃以下の第2の樹脂(例えばアクリル系樹脂)とを含むことで、第1の樹脂によってインクの保存安定性を向上させることができ、第2の樹脂によってインクの定着性を確保することができる。このように、異なる性質の樹脂を2種以上含む複合粒子を用いることで、本実施形態に係るインクジェット記録用インクの特性を一層向上できる場合がある。
なお、複合粒子に2種以上の樹脂が含まれる場合、上記Tg(℃)は、下記連立方程式の解として求められるTgの値を採用することができる。
100/T=w1/T1+w2/T2+・・・
Tg=T−273
ただし、上記式中、樹脂を構成する各樹脂成分(第1の成分、第2の成分、・・・)のガラス転移温度を、それぞれ、絶対温度表示でT1[K]、T2[K]、・・・とし、樹脂Aを構成する樹脂成分全体に占める各成分(第1の成分、第2の成分、・・・)の含有率を、それぞれ、w1[質量%]、w2[質量%]、・・・とする。
1.1.3.その他の成分
複合粒子は、上記黒色顔料および上記樹脂の他に、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩、ワックス等を含んでいてもよい。
1.1.4.複合粒子の製造方法
本実施形態に係るインクジェット記録用インクに含有される複合粒子は、特に限定されないが、例えば以下の方法で製造することができる。
(1)乳化懸濁液調製工程
まず、少なくとも上記樹脂および上記黒色顔料を含む分散質が分散媒中に分散した乳化懸濁液を調製する。乳化懸濁液は、いかなる方法で調製してもよく、例えば、樹脂、黒色顔料および有機溶剤(有機溶媒)を含む混合液を、水性媒体と混合することにより調製することができる。
上記樹脂および黒色顔料を含む分散質は、液滴状(粒子状)であることができる。つまり、分散媒体中には、分散質からなる複数の液滴(粒子)が分散しているといえる。
(混合液の調製工程)
上記混合液は、樹脂、黒色顔料および有機溶剤を含む材料を、攪拌機(例えば、高速攪拌機)により混合することにより得ることができる。このようにして得られた混合液中では、樹脂および黒色顔料が有機溶剤に分散または溶解している。なお、混合液は、例えば、樹脂および黒色顔料を含む材料を予め混練することで得られた混練物と、有機溶剤とを混合することにより調製してもよい。
また、混合液の調製においては、調製すべき混合液の構成成分をすべて同時に混合してもよいし、予め調製すべき混合液の構成成分のうち一部を混合して混合物(マスター)を得た後、当該混合物(マスター)を他の成分と混合してもよい。例えば、黒色顔料および樹脂を混合(混練)して顔料混合物(顔料マスター)を得た後、当該顔料混合物と樹脂成分(追加樹脂)と有機溶剤とを混合することにより、混合液を調製してもよい。これにより、混合液を構成する各成分がより均一に混ざり合う。また、混合液の構成成分としてワックスを用いる場合、例えば、ワックスと、樹脂と、有機溶剤とを含む材料を混合してワックスマスターを得て、当該ワックスマスターを顔料マスター、樹脂(追加樹脂)および有機溶剤と混合することにより、混合液を調製してもよい。また、ワックスマスターの調製においては、ワックスの粒子が水性分散媒中に分散したワックス分散液(いわゆる、ワックスエマルジョン)を用いてもよい。
混合液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモデスパー2.5型翼(プライミクス社製)等が挙げられる。攪拌機を用いた混合時における翼先端速度は、例えば、4m/sec以上30m/sec以下であるのが好ましく、10m/sec以上25m/sec以下であるのがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、樹脂の有機溶剤への溶解、分散を効率良く行うことができるとともに、混合液中における黒色顔料の分散をより均一にできる。
また、攪拌時における材料温度は、20℃以上60℃以下であるのが好ましく、30℃以上50℃以下であるのがより好ましい。
混合液中における固形分の含有率は、特に限定されないが、40質量%以上75質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上73質量%以下であるのがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であるのがさらに好ましい。固形分の含有率が前記範囲内にあると、後述する乳化懸濁液を構成する分散質を、より球形度の高いもの(真球に近い形状もの)とすることができ、最終的に得られる複合粒子の形状をより好適なものとすることができる。
上記の有機溶剤(有機溶媒)としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、四塩化炭素等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
有機溶剤としては、25℃での100質量部の水に対する溶解度が、5質量部以上45質量部以下であるのが好ましく、5質量部以上40質量部以下であるのがより好ましい。
また、有機溶剤の回収を効率良く行えるという観点から、有機溶剤の標準沸点は、水の標準沸点よりも低いことが好ましい。
上記のような条件を満たす有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等が挙げられる。中でも、メチルエチルケトン、酢酸エチルは、樹脂成分(特に、スチレン−アクリル酸エステル共重合体)の溶解性および分散性が高いため好ましい。
上記の混合液は、乳化剤(分散剤)を含有してもよい。これにより、後述する乳化懸濁液中の分散質の分散性を容易に向上させることができる。
乳化剤としては、一般に、分散剤、分散安定剤、界面活性剤として用いられているものを適用することができる。乳化剤として適用することのできる具体的な材料としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、各種プルロニック系等のノニオン系乳化剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系乳化剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質の分散性を特に優れたものとしつつ、最終的な複合粒子中に乳化剤が残存した場合であっても、複合粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのを効果的に抑制することができるとともに、TVOC(揮発性有機化合物)量が増大するのを効果的に抑制することができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩が有するアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられるが、ドデシル基が好ましい。すなわち、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ドデシルベンゼンスルホン酸塩であるのが好ましい。これにより、乳化懸濁液中における分散質の分散性をさらに優れたものとしつつ、最終的な複合粒子中に乳化剤が残存した場合であっても、複合粒子の帯電特性に対して悪影響を及ぼすのをより効果的に抑制することができるとともに、TVOC(揮発性有機化合物)量が増大するのをより効果的に抑制することができる。
使用する乳化剤の量は、混合液中の固形分含有量に対し0.1質量%以上3.0質量%以下であるのが好ましく、0.3質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましく、0.3質量%以上1.5質量%以下であるのがさらに好ましい。使用する乳化剤の量が上記範囲内、とりわけ上記下限値以上であることで、粗大粒子発生に対する抑制効果が十分に得られる場合がある。また、使用する乳化剤の量が上記範囲内、とりわけ上限値を超えずにあることで、後述する合一工程において、分散質の合一が十分に進行し、所定粒径より小さい粒子が残存しにくくなり、複合粒子の収率が良好になる場合がある。
(中和工程)
上記の混合液の調製工程後、混合液に含まれる樹脂を中和する中和工程を含んでいてもよい。中和工程は、中和剤を用いて行うことができる。中和工程により、例えば複合粒子を構成する樹脂が有する官能基(例えばカルボキシル基)を中和できる。これにより、乳化懸濁液中における分散質の形状およびサイズをより均一にすることができ、分散質の分散性がより一層優れたものになる。また、中和剤を用いることにより、乳化剤の使用量を低減あるいは乳化剤を全く用いなくても、分散質の分散性を十分に優れたものとすることができる。
中和剤は、例えば、混合液に添加されるものであってもよいし、水性媒体に添加されるものであってもよい。また、中和剤は、乳化懸濁液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。例えば、混合液に対して中和剤を添加した後に、当該混合液(中和剤が添加された混合液)と水性媒体とを混合し、さらにその後、混合液中に中和剤を添加してもよい。これにより、混合液と水性媒体との混合時における液体の粘度上昇を効果的に抑制しつつ、分散質が均一かつ微細に分散した乳化懸濁液を容易に得ることができる。
中和剤としては、塩基性化合物を用いることができ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン等の有機塩基等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、中和剤は、上記のような化合物を含む水溶液であってもよい。
また、塩基性化合物の使用量は、複合粒子に含まれる樹脂が有する官能基(例えば、全てのカルボキシル基)を中和するために必要な量の0.2〜1倍に相当する量(0.2〜1当量)が好ましく、0.3〜0.6倍に相当する量(0.3〜0.6当量)が好ましい。これにより、異形の分散質が形成されるのを効果的に抑制することができ、また、後に詳述する合一工程において得られる粒子の粒度分布をよりシャープなものとすることができる。
(乳化懸濁液の調製工程(転相乳化工程))
上記のようにして得られた混合液と、水性媒体と混合することにより乳化懸濁液を調製する。これにより、上記黒色顔料および上記樹脂を含む分散質が、水性媒体中に分散した乳化懸濁液が得られる。
乳化懸濁液の調製は、いかなる方法で行うものであってもよいが、転相乳化法によって行われることが好ましい。転相乳化法は、目的の型と反対の型のエマルションを調製しておき、種々の操作によって当該エマルションを転相させて、目的の型のエマルションを得る方法である。具体的には、攪拌機等により上記混合液(油相)に剪断を加えつつ、当該混合液に水性媒体を徐々に添加(滴下)していくことにより、W/O型のエマルションを経て、O/W型のエマルションに転相させることができる。これにより、黒色顔料および樹脂を含む分散質(液滴)が均一かつ微細に分散した乳化懸濁液を容易に得ることができる。
乳化懸濁液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモデスパー2.5型翼(プライミクス社製)、スラッシャ(三井鉱山社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)等の高速攪拌機、あるいは高速分散機等が挙げられる。
攪拌機を用いた混合時における翼先端速度は、例えば、4m/sec以上30m/sec以下であるのが好ましく、10m/sec以上25m/sec以下であるのがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、乳化懸濁液を効率良く得ることができるとともに、乳化懸濁液中における分散質の形状・大きさのばらつき等を特に小さいものとすることができ、分散質の均一分散性を特に優れたものとすることができる。
また、攪拌時における材料温度は、20℃以上60℃以下であるのが好ましく、20℃以上50℃以下であるのがより好ましい。
水性媒体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。また、水性媒体は、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100質量部の水に対する溶解度が、50質量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。また、水性媒体は、乳化剤(分散剤)を含むものであってもよい。
(2)合一工程
複合粒子の製造において、上記乳化懸濁工程後、乳化懸濁液に含まれる複数個の分散質(複数の液滴)を合一させて合一粒子を得る合一工程を含んでいてもよい。分散質の合一は、乳化懸濁液に含まれる複数個の分散質(複数の液滴)が衝突することによって、分散質同士が融着して進行する。
樹脂および黒色顔料を含む複数個の分散質を合一させることによって、大粒径化した複合粒子が容易に得られる。複合粒子を大粒径化することで、記録媒体の内部に複合粒子が浸透することを低減でき、記録媒体の表面に複合粒子を付着させることができるので、OD値の高い発色性に優れた画像が得られる。また、通常のカーボンブラックと同様の発色性を備えた画像を得られればよいのであれば、複合粒子の使用量を通常のカーボンブラックを用いる場合よりも節約することができる。
従来のインクジェット記録用インクでは、中空構造を備えないカーボンブラックを大粒径化させるとインク中で沈降しやすいので、カーボンブラックを大粒径化させずに使用している。その結果、従来のカーボンブラックを含有するインクでは、当該カーボンブラックが紙に用いられているパルプ内に浸透してしまうため、レーザープリンター等で印刷された印刷物から再生紙を得るための脱墨方法を適用することが困難である。
一方、本実施形態に係る複合粒子は、中空構造を有する炭素粒子を含有するので、大粒径化させても分散安定性に優れる。このように、本実施形態に係るインクジェット記録用インクでは、大粒径化させた複合粒子を用いることができるので、複合粒子の紙への浸透が生じにくい。そのため、本実施形態に係るインクジェット記録用インクでは、大粒径化させた複合粒子を用いることで、レーザープリンター等によって印刷された印刷物から再生紙を作製するための脱墨方法を利用して、再生紙を製造することが容易になる。
複数個の分散質を合一させる方法としては、特に限定されないが、例えば、乳化懸濁液中に電解質を添加する方法、上述の混合液の調整工程において有機溶剤中の樹脂を凝集させる方法、が挙げられる。乳化懸濁液中に電解質を添加する方法により、容易に合一粒子を得ることができる。また、電解質の濃度や添加量を適宜調節することによって、合一粒子の粒子径を制御することができる。
電解質の添加は、複数回に分けて行ってもよい。これにより、所望の大きさの合一粒子を得ることが容易になるとともに、合一粒子の円形度を十分に大きいものとすることができる。
本工程で添加される電解質の量は、特に限定されないが、電解質が添加される乳化懸濁液の固形分100質量部に対し、0.1質量部以上20質量部以下であるのが好ましく、0.2質量部以上10質量部以下であるのがより好ましい。
また、電解質は、水溶液の状態で添加されるのが好ましい。これにより、速やかに乳化懸濁液全体に電解質を拡散させることができるとともに、電解質の添加量を容易に制御することができる。
電解質としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸ナトリウム等の塩や、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等の酸性物質等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、1価のカチオンの硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム)、炭酸塩が好ましい。
本工程における処理温度は、特に限定されないが、10℃以上50℃以下であるのが好ましく、15℃以上40℃以下であるのがより好ましく、20℃以上35℃以下であるのがさらに好ましい。処理温度が上記範囲内、とりわけ下限値を下回らずにあることで、合一が十分に進行し、合一粒子の生産性が向上する場合がある。また、処理温度が上記範囲内、とりわけ上限値を超えずにあることで、凝集物や粗大粒子が発生しにくくなる。
本工程は、分散液を攪拌した状態で行うのが好ましい。これにより、粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さい合一粒子を得ることができる。
本工程では、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼等の攪拌翼を用いることができるが、中でも、マックスブレンド翼、フルゾーン翼が好ましい。これにより、分散質を効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子が崩壊するのを一層抑制できる。その結果、粒子間での形状、粒径のばらつきの小さい合一粒子を効率良く得ることができる。
攪拌翼の翼先端速度は、例えば、0.1m/sec以上10m/sec以下であるのが好ましく、0.2m/sec以上8m/sec以下であるのがより好ましく、0.2m/sec以上6m/sec以下であるのがさらに好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、分散質をより効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子が崩壊するのをより一層抑制できる。その結果、粒子間での形状、粒径のばらつきが特に小さい合一粒子を効率良く得ることができる。
合一工程において、合一粒子が所望の粒径に達したら合一を停止させる。これにより、所望の粒径の合一粒子を得ることができる。
合一を停止させる方法としては、例えば、攪拌速度を上げる方法、合一粒子が分散した乳化懸濁液の温度を低下させる方法、合一粒子が分散した乳化懸濁液中に水を添加する方法や、これらのうち2つ以上を組み合わせた方法等が挙げられる。これらの中でも、合一を停止させる方法としては、合一粒子が分散した乳化懸濁液中に水を添加する方法を用いるのが好ましい。これにより、不本意な合一粒子の更なる合一や崩壊等を低減しつつ、速やかに分散質の合一を停止させることができる。その結果、所望の粒径を有し、粒度分布がシャープ(単分散)な複合粒子を得ることができる。なお、乳化懸濁液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、添加した水により分散質中に含まれる有機溶剤が抽出され、分散質粒子が硬くなる。その結果、合一が停止するとともに、合一粒子の崩壊がより一層抑制されると考えられる。
分散液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、添加する水は、乳化懸濁液中に含まれる有機溶剤100質量部に対して、乳化懸濁液中に含まれる水の総量が、400質量部以上となるように加えるのが好ましく、500質量部以上となるように加えるのがより好ましい。
また、乳化懸濁液中に水を添加することにより合一を停止させる場合、水の添加後(合一の停止後)に、固形分の含有率が18〜25質量%となるように、水を加えるのが好ましい。これにより、複合粒子製造時における有機溶剤、水の使用量を十分に抑制しつつ、大きさ、形状のばらつきの小さい好適な複合粒子を製造することができる。
(3)脱溶剤工程
上記合一工程後(合一工程を行わない場合には、乳化懸濁液調製工程後)に、乳化懸濁液中に含まれる有機溶剤を除去する脱溶剤工程を含んでいてもよい。本工程により、水性媒体に分散した黒色顔料および樹脂を含む複合粒子が得られる。
有機溶剤の除去は、いかなる方法で行ってもよく、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂成分等の構成材料の変性等を十分に抑制しつつ、効率良く有機溶剤を除去することができる。
また、本工程での処理温度は、複合粒子に含まれる樹脂のガラス転移点(Tg)よりも低い温度であるのが好ましい。
また、本工程は、乳化懸濁液に消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶剤を除去することができる。
消泡剤としては、例えば、鉱物油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤のほか、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、リン酸エステル類等を用いることができる。
消泡剤の使用量は、特に限定されないが、乳化懸濁液中に含まれる固形分に対して、質量比で、20ppm以上300ppm以下であるのが好ましく、30ppm以上100ppm以下であるのがより好ましい。
本工程では、有機溶剤とともに、少なくとも一部の水性媒体が除去されてもよい。また、本工程においては、有機溶剤とともに、分散液中に含まれる未反応原料(モノマー等)を除去することができる。その結果、最終的に得られる複合粒子における、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶剤(分散液中に含まれる有機溶剤の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する洗浄工程、乾燥工程において残存する有機溶剤を十分に除去することができる。
1.2.その他の成分
1.2.1.水
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、水を含有してもよい。本実施形態に係るインク組成物に含まれる水は、主たる分散媒として機能し、イオン交換水、限外濾
過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインクの長期保存を可能にする点で好ましい。
インクジェット用インクが水を含むことにより、複合粒子の分散安定性等を特に優れたものとすることができ、また、インクジェット記録ヘッドのノズル付近でのインクジェット記録用インクの不本意な乾燥(分散媒の蒸発)を防止しつつ、インクジェット記録用インクが付与される記録媒体上での乾燥を速やかに行うことができるため、所望の画像の高速記録を長期間にわたって好適に行うことができる。
1.2.2.湿潤剤
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、湿潤剤を含有してもよい。これにより、インク吐出ヘッドのノズル部近傍での目詰まりを効果的に低減できる。
湿潤剤として、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソブチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、並びにグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、およびマルトトリオース等の糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、および尿素類等のいわゆる固体湿潤剤、並びにエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、およびイソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、並びに2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、およびスルホラン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
1.2.3.浸透促進剤
本実施形態に係るインクジェット用インクは、浸透促進剤を含有してもよい。浸透促進剤は、記録媒体に対するインクの濡れ性をさらに向上させて均一に塗らす作用を備える。これにより、記録された画像のインクの濃淡ムラや滲みをさらに低減させることができ、画像の発色濃度を一層向上させることができる。
このような浸透促進剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類ともいう)および1,2−アルキルジオールが挙げられ、これらのうち少なくとも一方を好ましく用いることができる。多価アルコールのアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。1,2−アルキルジオールとしては、例えば1,2−ペンタンジオール、および1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの他に、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、および1,8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中のにおいて、グリコールエーテル類は濡れ性が高く好ましい。これらの中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
1.2.4.界面活性剤
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、界面活性剤を含有していても良い。界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン系、ノニオン系、カチオン系のいずれも用いることができる。本願発明においては、濡れ広がり性の高い界面活性剤を用いることが好ましく、アセチレングリコール系、ポリオルガノシロキサン系、フッ素系から選択される一種以上を含むが好ましい。より好ましくは、ポリオルガノシロキサン系又はフッ素系である。
アセチレングリコール系界面活性剤を含有してもよい。アセチレングリコール系界面活性剤は、アセチレン基を中央に持ち、左右対称の構造をした非イオン系界面活性剤で、泡立ちにくい濡れ剤として各方面の水性材料に応用されている。アセチレングリコール系界面活性剤は、濡れ、消泡、及び分散といった機能に優れている。分子構造としても非常に安定したグリコールで、分子量も小さく、水の表面張力を下げる効果があるため、インクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御でき、記録媒体に対するインクの定着性を高めることができる。また、界面活性剤は、画像の定着性を向上させることができる。特に、上記の合一工程を行って複合粒子を製造する場合には、合一工程を行わない場合と比べて、インクが濡れ拡がりにくくなったり、画像の埋まりが低下したりすることがあり、これにより記録される画像に筋むら等が発生する場合がある。このような場合において、インク中に界面活性剤を含有させることで、記録される画像の筋ムラ等の発生を効果的に抑制することができる。
アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフィノール104(シリーズ)、420、440、465、485(商品名、エアープロダクツ社製)、オルフィン STG、PD−001、SPC、E1004、E1010(商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E40、E100、LH(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
また、インクジェット記録用インクは、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤を含有してもよい。ポリオルガノシロキサン系界面活性剤は、記録媒体表面への濡れ性や、記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御でき、記録媒体に対するインクの定着性を向上できる。
ポリオルガノシロキサン系界面活性剤としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、オルフィンPD−501、オルフィンPD−502、オルフィンPD−570(いずれも、日信化学工業株式会社製)、BYK−347、BYK−348(いずれも、ビックケミー株式会社製)等が挙げられる。
また、インクジェット記録用インクは、フッ素系界面活性剤を含有してもよい。フッ素系界面活性剤は、記録媒体表面への濡れ性や、記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御でき、記録媒体に対するインクの定着性を向上できる。
フッ素系界面活性剤としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、メガファックF−479(DIC株式会社製)、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
界面活性剤は、合一工程に伴って生じる場合がある画像の筋ムラ等の発生を効果的に抑制することができる。
1.2.5.その他の成分
本実施形態に係る各インクは、さらに、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態に係る各インクは、これらの化合物を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
1.3.インクジェット記録用インクの調製方法
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、前述した成分を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。
各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
1.4.インクジェット記録用インクの物性
本実施形態に係るインクジェット記録用インクの25℃での表面張力は、40mN/m以下であるのが好ましい。これにより、インクジェット記録用ヘッドでの目詰まりを効果的に抑制でき、吐出安定性に特に優れたインクとなる。また、均一な大きさの液滴を安定的に吐出することができ、記録画像の記録濃度をより均一なものとすることができる。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、本実施系形態に係るインクジェット記録用インクの25℃における粘度は、特に限定されないが、5mPa・s以上20mPa・s以下であるのが好ましい。これにより、インクの分散安定性は特に優れたものとなり、インクジェット記録用ヘッドでの目詰まりを効果的に抑制でき、吐出安定性に特に優れたインクとなる。また、均一な大きさの液滴を安定的に吐出することができ、記録画像の記録濃度をより均一なものとすることができる。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、25℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
2.インクジェット記録装置
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、インクジェット記録装置のノズルから吐出されることにより、記録媒体上に画像を形成することができる。
本実施形態に係るインクジェット記録用インクを使用可能なインクジェット記録装置としては、従来公知のプリンターをいずれも使用でき、特に限定されるものではない。このようなプリンターの一例としては、図2に示すようなインクジェットプリンターが挙げられる。
図2は、本実施形態におけるプリンター1の構成を示す斜視図である。図2に示すように、プリンター1は、ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、ヘッド2の下方に配設され記録媒体6が搬送されるプラテン5と、キャリッジ4を記録媒体6の媒体幅方向(主走査方向S)に移動させるキャリッジ移動機構7と、記録媒体6を媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。加えて、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御部CONTを有している。このように、プリンター1は、シリアルヘッドタイプのプリンターである。
ヘッド2は、インクを微少粒径の液滴にしてノズル開口部23から吐出して、記録媒体P上に付着させる。ヘッド2は、上記の機能を有すれば特に限定されず、どのようなインクジェット記録方式を用いてもよい。ヘッド2のインクジェット記録方式としては、例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に吐出させ、インクの液滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏光電極に与えて記録する方式またはインクの液滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して吐出させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を吐出させる方式、インクに圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インクの液滴を吐出・記録させる方式(ピエゾ方式)、インクを印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を吐出・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
図3は、本実施形態に係るヘッド2のノズル面21を示す概略図である。図3に示すように、ヘッド2は、ノズル面21を備える。インクの吐出面でもあるノズル面21には、複数のノズル列22(ノズル列22A、ノズル列22B、ノズル列22C、ノズル列22D)が配列されている。複数のノズル列22は、ノズル列毎に、インクを吐出するためのノズル開口部23を複数有する。本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、ノズル開口部23から吐出される。
ノズル開口部23(ノズル孔)の直径は、特に限定されないが、15μm以上30μm以下であることができる。このように開口部の直径の小さいノズルを用いても、本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、これに含まれる複合粒子の分散性に優れるので、ノズルの目詰まり等を引き起こしにくく、良好に吐出される。特に、従来のカーボンブラックの粒子径よりも平均粒子径が大きい複合粒子(例えば、0.05μm以上2.5μm以下)を使用する場合であっても、当該複合粒子がインク中における分散性に優れるので、ノズルの目詰まりの発生が生じにくくなる。
上述のようにシリアルヘッドタイプのプリンターを中心に説明したが、この態様に限定されない。具体的には、記録ヘッドが固定化され副走査方向に順に配列されているラインヘッドタイプのプリンター、特開2002−225255号公報に記載されたようなX方向、Y方向(主走査方向、副走査方向)移動する機構が設けられたヘッド(キャリッジ)を備えるラテラルタイプのプリンターであってもよい。
記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、紙、厚紙、繊維製品、皮革、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
本実施形態に係るインクジェット記録用インクは、上記の複合粒子を含むことにより、発色濃度の高い画像を記録することができる。
3.実験例
以下、本発明を実験例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
3.1.複合粒子の作製
複合粒子は、次のようにして作製した。
(顔料混合物の作製)
まず、顔料および樹脂を2Lヘンシェルミキサーへ投入し、回転速度:700rpmで2分間攪拌し、混合物を得た。該混合物をオープンロール連続押し出し混練機を用いて混錬し顔料混合物MB−1K〜MB−8Kを得た。各顔料混合物の組成および組成比(固形分比)を表1に示す。
Figure 2013177502
なお、表1の各成分は、次の通りである。
・顔料1(商品名「ケッチェンブラック EC300J」、ライオン株式会社製、平均一次粒子径40nm、BET比表面積800m/g、賦活処理を行っており、多孔質表面を有し、比表面積が高い炭素粒子)
・顔料2(商品名「ケッチェンブラック EC600JD」、ライオン株式会社製、平均一次粒子径40nm、BET比表面積1400m/g、賦活処理を行っており、多孔質表面を有し、比表面積が高い炭素粒子)
・顔料3(特開2009−155199号明細書の段落0066に記載の製造方法に準じて作成した。平均一次粒子径29nm、中空構造を有する炭素ナノセル型リグニンブラック)
・顔料4(商品名「カラーブラック S170」、デグサ社製、平均一次粒子径17nm、BET比表面積200m/g、ガスブラック方式により製造されたカーボンブラック)
・樹脂1(商品名「JONCRYL611」、BASF社製、分子量:8100、Tg:50℃、酸価:53mgKOH/g、スチレン−アクリル酸共重合体)
・樹脂2(商品名「JONCRYL586」、BASF社製、分子量:4600、Tg:60℃、酸価:108mgKOH/g、スチレン−アクリル酸共重合体)
・樹脂3(分子量:78000、Tg:5℃、酸価:100mgKOH/g、ポリメタクリル酸ベンジル)
・樹脂4(商品名「VS−1063」、星光PMC株式会社製、分子量:5500、Tg:100℃、酸価:0mgKOH/g、スチレン−アクリル酸共重合体)
(混合液の作製)
次に、ステンレス容器に有機溶剤:100質量部、顔料混合物:100質量部、乳化剤:0.5質量部を蒸留水:1質量部に溶解した水溶液を仕込み、攪拌機の回転数777rpm(翼先端速度:8.5m/sec)で2時間撹拌し、各成分の溶解、分散を行った。その後、固形分含有量が50質量%になるようにさらにメチルエチルケトンを追加投入した。このようにして、混合液OP−1K〜OP−8Kを得た。
各混合液の組成を表2に示す。
Figure 2013177502
なお、表2の各成分は、次の通りである。
・MEK(メチルエチルケトン、有機溶剤)
・ネオゲンSC−F(商品名、第一工業製薬株式会社製、乳化剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
(中和工程)
次に、翼径230mmの攪拌翼を有する攪拌機(アサダ鉄工所製ディスパー)を備えた円筒形の容器に上記混合液:200質量部を仕込み、次いで塩基性物質として、1Nの水酸化ナトリウムを混合液の全酸価に対する中和率分加えて、777rpmにて十分に攪拌した後、温度を30℃に調整した。これにより、ミルベースに含まれる樹脂が中和された混合液OPN−1K〜OPN−3Kおよび混合液OPN−5K〜OPN−8Kを得た。各混合液中の樹脂の中和率を表3に示す。
なお、混合液OPN−4Kに関しては、用いた樹脂(樹脂4)の酸価が0のため、樹脂の中和ができなかった。
Figure 2013177502
(転相乳化工程)
次いで、攪拌速度を1100rpmに変更して、蒸留水を1.0質量部/minの速度で上記混合液OPN−1K〜OPN−9K中に滴下した。このときの攪拌翼の翼先端速度は13.2m/secであった。このようにして、乳化懸濁液OPNP−1K〜OPNP−8Kを得た。各分散液中における混合液と水の割合を表4に示す。
なお、乳化懸濁液OPNP−1K〜OPON−3Kおよび乳化懸濁液OPNP−5K〜OPNP−8Kに関しては、蒸留水を添加していくにつれて、系の粘度は上昇していったが、蒸留水は滴下と同時に系内に取り込まれ、攪拌混合を均一に行うことができた。また、蒸留水を100質量部滴下した段階で、系の粘度が急激に低下する転相点が観察された。この段階での分散液中におけるメチルエチルケトン(有機溶剤)の含有率は、29.0質量%であった。またこの分散液を光学顕微鏡で観察すると、樹脂および顔料を含む粒子が分散している状態が観察された。この分散液中において、分散性の悪い粗大粒子の存在は認められなかった。
一方、OPNP−4Kは、樹脂の酸価が低すぎて中和ができなかったため、乳化することができなった。また、OPNP−9Kは、中和率が高すぎたため、樹脂が水中に溶けてしまい、樹脂および顔料を含む粒子を水中に分散させることができなかった。
Figure 2013177502
(合一工程)
翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)付属の円筒容器に、上記の乳化懸濁液を移送した後、攪拌速度を85rpmに保持したまま、温度を25℃に調整した。その後回転数を120rpmに調整し、濃度3.5質量%の硫酸ナトリウム水溶液:50質量部を1質量部/minで滴下し、滴下終了5分後、回転数85rpmで5分間、65rpmで5分間攪拌し、47rpmで20分間攪拌を継続した。このときの攪拌翼の翼先端速度は0.47m/secであった。引き続き、回転数を120rpmに調整し、濃度5.0質量%の硫酸ナトリウム水溶液を1g/minで2.5質量部滴下し、滴下終了5分後、回転数85rpmで5分間、65rpmで5分間攪拌し、その後、47rpmで20分間攪拌した。このようにして、分散液1〜9、分散液11を得た。なお、分散液10については、合一工程を行わなかった。
ここで、分散液1〜11の観察を行った。その結果、分散液1〜3、分散液5〜8および分散液11に関しては、分散質が複数個合一された合一粒子(複合粒子)を多数確認できた。加えて、顔料粒子は、樹脂を含む材料で構成された分散質中に微分散した状態で取り込まれていた。また、分散液10に関しては、顔料粒子が樹脂を含む材料で構成された分散質(複合粒子)中に微分散した状態で取り込まれていることが確認できた。
一方、分散液4および分散液9に関しては、それぞれOPNP−4KおよびOPNP−9Kを用いていたため、合一を行うことができなかった。
各分散液の合一工程の有無を表5に示す。
Figure 2013177502
(脱溶剤工程)
その後、シリコーン系消泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、BY22−517):0.006質量部を添加し、反応に用いた容器を密閉し、真空ポンプを取り付けた。次に、室温(25℃)にて、真空ポンプを用いて真空度2.7kPaの減圧度で30分間減圧を行い、脱溶剤を行った。このようにして得られた脱溶剤後の分散液1〜11の顔料固形分、樹脂と顔料の固形分比率を、表6に示す。
Figure 2013177502
3.2.インクの調製
上記の「3.1.複合粒子の作製」で得られた脱溶剤後の分散液1〜11を用いて、表7に示す材料組成にて実験例1〜実験例14の各インクを調製した。各インクは、表7に示す材料を容器中に入れ、マグネチックスターラーにて2時間混合撹拌した後、孔径10μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより調製した。なお、表7中、数値は質量%を示し、「水」との記載には分散液中の水を含めていない。
また、各インクの表面張力を、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定した。各インクの表面張力を表8に示す。
また、各インクに含まれる複合粒子の体積基準の平均粒子径を、粒度分布測定装置(商品名「マイクロトラックUPA」、日機装株式会社製)を用いて測定した。各インクに含まれる複合粒子の体積基準の平均粒子径を表8に示す。
Figure 2013177502
表7に示す成分のうち、商品名で記載した成分は、以下の通りである。
・BYK−348(商品名、ビックケミー株式会社製、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤)
・メガファックF−479(商品名、DIC株式会社製、フッ素系界面活性剤)
・オルフィンE1010(商品名、日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤)
・プロキセルXL−2(商品名、アビシア株式会社製、防腐剤)
3.3.評価試験
3.3.1.発色濃度
実験例1〜実験例14の各インクを、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)のインクカートリッジに充填して、当該プリンターに装着した。そして、プリンターのノズルからインクを吐出させて、NPI上質紙(日本製紙社製)に2cm×2cmのベタパターン画像を記録した。このようにして得られたベタパターン画像の発色濃度(OD値)を、反射濃度計RD−191(サカタインクスエンジニアリング株式会社製)を用いて測定した。評価結果を表8に示す。なお、OD値が高いと発色性に優れた画像が得られているといえる。また、表8中、発色濃度の評価における「×」は、ノズルからインクを吐出することができず、評価不能であったことを示す。
3.3.2.保存安定性
実験例1〜実験例14の各インクを温度60℃の環境下に1週間静置した。その後、各インクの状態を目視にて確認した。評価基準は次の通りである。また、評価結果を表8に示す。
○:インク中の複合粒子の凝集(沈降)が全く認められない。
△:インク中の複合粒子の凝集(沈降)が僅かに認められる。
×:インク中の複合粒子の凝集(沈降)がはっきりと認められる。
3.3.3.定着性
上記「3.3.1.発色濃度」と同様にして得られた画像に、透明粘着テープ(商品名:透明美色、住友スリーエム株式会社製)を貼り付け、その後テープを手で剥がした時の画像の剥がれやテープへの移り状態を目視により観察することにより、画像の定着性を評価した。評価基準は次の通りである。また、評価結果を表8に示す。
○:画像の剥がれ・テープへの移りが認められなかった
△:画像の剥がれはないが、テープへの移りがわずかに認められた
×:画像の剥がれが認められた
3.3.4.評価結果
以上の評価試験の結果を表8に示す。
Figure 2013177502
表8に示すように、実験例1〜3、実験例5〜7、実験例9〜13の各インクは、中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料と、樹脂と、を含む複合粒子を含有する。このような複合粒子を含有することにより、インクの保存安定性に優れ、発色性に優れた画像を記録できることが示された。なお、実験例9のインクは、複合粒子の合一化を行っていないため、合一化を行った他のインクと比較して、発色濃度が低いことが示された。
一方、実験例4および実験例8のインクは、中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料を含有しているが、これを複合粒子として含有していない。そのため、インクの保存安定性が著しく低下した。また、インクをノズルから吐出することができず、発色濃度を測定することができなかった。
また、実験例14のインクは、従来のカーボンブラック(中空構造を備えていないもの)と、樹脂と、を含む複合粒子を含有する。実験例14のインクは、従来のカーボンブラックを用いたため、複合粒子の大粒径化に伴う沈降の発生を抑制できなかった。そのため、インクの保存安定性が著しく低下した。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プリンター、2…ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…プラテン、6…記録媒体、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、21…ノズル面、22…複数のノズル列、22A,22B,22C,22D…ノズル列、23…ノズル開口部

Claims (10)

  1. 中空構造を有する炭素粒子を含む黒色顔料と、樹脂と、を含む複合粒子が分散されてなる、インクジェット記録用インク。
  2. 請求項1において、
    前記炭素粒子が、下記(A)または下記(B)の少なくとも一方の特徴を有する、インクジェット記録用ブラックインク組成物。
    (A)リグニンを熱分解して得られる熱分解して得られること
    (B)表面が多孔質構造を有すること
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記炭素粒子の平均一次粒子径(D1)と、前記インクジェット記録用インク中における前記複合粒子の体積平均粒子径(D2)と、の比(D2/D1)が、2以上400以下である、インクジェット記録用インク。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記炭素粒子の平均一次粒子径(D1)が、1nm以上400nm未満である、インクジェット記録用インク。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記インクジェット記録用インク中における前記複合粒子の体積平均粒子径(D2)が、0.05μm以上2μm以下である、インクジェット記録用インク。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記インクジェット記録用インクは、インクジェット記録装置のノズルから吐出され、
    前記ノズルの開口部の直径が、15μm以上30μm以下である、インクジェット記録用インク。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    さらに、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオルガノシロキサン系界面活性剤およびグリコールエーテル類から選択される少なくとも一種を含む、インクジェット記録用インク。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記樹脂は、アクリル系樹脂であり、
    前記アクリル系樹脂は、酸価が10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、かつ、中和率が80%未満である、インクジェット記録用インク。
  9. 請求項8において、
    前記アクリル系樹脂が2種以上含まれる、インクジェット記録用インク。
  10. 請求項9において、
    前記アクリル系樹脂のうち、第1のアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が40℃以上80℃以下であり、第2のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)が−10℃以上15℃以下である、インクジェット記録用インク。
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