JP2013177325A - 多色化粧品の製造方法及び多色化粧品 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数色の化粧料を見栄えよく隣接して薄膜状に塗布することのできる多色化粧品の製造方法及びそれを用いた多色化粧品を提供する。
【解決手段】基材上に薄膜状の第1の化粧料層を形成する形成工程(S1)と、第1の化粧料層が形成された基材に、メッシュからなるスクリーン膜が第1の化粧料層に重なるようにスクリーン版を配置して、第1の化粧料層とは異なる色の化粧料をスラリー状にしてスクリーン印刷を行い、第2の化粧料層を形成する印刷工程(S2,S3)とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、多色化粧品の製造方法及び多色化粧品に係り、詳しくはファンデーション、チーク、アイシャドウ、コンシーラ、口紅等の化粧料を薄膜状に多色配置する技術に関する。
従来から、ファンデーションやアイシャドウ等の化粧料が試供品や携帯用化粧品として提供されている。このような化粧品は薄型化とすることが求められており、例えばプラスチックフィルムや厚紙といったシート状基材に少量の化粧料を充填、固形化して薄膜の化粧料を形成して提供される。
このような化粧品では、単色の化粧料だけがシート状基材に形成されることもあれば、複数色の化粧料が形成されることもある。複数色の化粧料をシート状基材に形成する場合に各化粧料を所定幅離間して形成すると、シート状基材に形成できる化粧料の色の数やデザインが制限されてしまう。このため、複数色の化粧料をシート状基材に隣接して形成する方法が求められてきた。
複数色の化粧料を隣接して形成する方法として、例えば、静電スクリーン印刷を用いて2色以上の化粧料を基材に塗布する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2010−202614号公報
しかしながら、上記特許文献1では、化粧料層の形成に静電スクリーン印刷を用いているため、複数色の化粧料を同一基材上に形成すると、各化粧料層の厚さに変動が生じやすく、化粧料層間に段差が発生してしまうため、好ましくない。また、基材上に化粧料を塗布する位置の調整が難しく、化粧料層間に隙間ができやすいという問題もある。
さらに、静電スクリーン印刷で基材に塗布した化粧料を基材に固定するためのプレス工程が必要であり、化粧品の製造工程が煩雑になってしまう。そして、化粧料は接着剤層を介して基材に固定されるため、化粧料を使い切ることができなくなってしまう。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、複数色の化粧料を見栄えよく隣接して薄膜状に塗布することのできる多色化粧品の製造方法及びそれを用いた多色化粧品を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1の多色化粧品の製造方法は、基材上に薄膜状の第1の化粧料層を形成する形成工程と、前記第1の化粧料層が形成された基材に、メッシュからなるスクリーン膜が前記第1の化粧料層に重なるようにスクリーン版を配置して、前記第1の化粧料層とは異なる色の化粧料を用いてスクリーン印刷を行い、第2の化粧料層を形成する印刷工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2の多色化粧品の製造方法は、請求項1において、前記第1の化粧料層は、スクリーン印刷、静電スクリーン印刷、または滴下充填で形成されることを特徴とする。
請求項3の多色化粧品の製造方法は、請求項1または2において、前記第1の化粧料層の厚さは、前記スクリーン膜の厚さ以下に形成されることを特徴とする。
請求項4の多色化粧品の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記第1の化粧料層及び前記第2の化粧料層は、それぞれ粉体化粧料及び油性化粧料のいずれか一方からなることを特徴とする。
請求項5の多色化粧品の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記印刷工程は、複数回繰り返されることを特徴とする。
請求項6の多色化粧品の製造方法は、請求項5において、前記印刷工程は、前記基材上に印刷された第2の化粧料層の表面が湿っている間に、再度前記印刷工程を行うことを特徴とする。
請求項7の多色化粧品は、請求項1乃至6のいずれかに記載の多色化粧品の製造方法で製造されることを特徴とする。
請求項8の多色化粧品は、請求項7において、前記第1の化粧料層は、前記第2の化粧料層で覆われて形成されることを特徴とする。
請求項1の多色化粧品の製造方法によれば、第1の化粧料層を覆うようにスクリーン版を配置し、第1の化粧料層とは異なる色の化粧料をスクリーン印刷する。既に基材上に形成された第1の化粧料層の上にスクリーン版を配置すると、第1の化粧料層がスクリーン版に形成された開口部、即ちスクリーン膜のメッシュ内に入り込むため、第2の化粧料層を形成する元となる化粧料はメッシュから押し出され、スクリーン印刷する際に掻き取られる。
従って、スクリーン印刷した後、基材上には第1の化粧料層に段差なく隣接して第2の化粧料層を形成することができ、薄膜状の見栄えのよい多色化粧品を得ることができる。
また、化粧料を印刷した後に第1の化粧料層及び第2の化粧料層をプレス機等で処理する必要はなく、多色化粧品の製造工程の効率を向上させることができる。
さらに、第1の化粧料層及び第2の化粧料層を基材上に形成する際に基材に付着させるための接着剤等は不要なので、化粧料を全て使い切ることができる。
請求項2の多色化粧品の製造方法によれば、第1の化粧料層は、スクリーン印刷、静電印刷、または滴下充填で形成されるので、多色化粧品に用いられる化粧料の種類やデザイン等に応じて適切な手法を選択することができる。
請求項3の多色化粧品の製造方法によれば、第1の化粧料層の厚さは、第2の化粧料層の厚さ以下に形成されるので、スクリーン印刷を行ってもスクリーン版の上部に第1の化粧料層がはみ出てしまうことによるにじみが発生することはなく、見栄えのよい多色化粧品を得ることができる。
請求項4の多色化粧品の製造方法によれば、第1の化粧料層及び第2の化粧料層は、それぞれ油性化粧料及び粉体化粧料のいずれか一方からなることにより、様々な種類の多色化粧品を製造することができる。
請求項5の多色化粧品の製造方法によれば、印刷工程を複数回行うので、第1の化粧料層がスクリーン版のメッシュ内に入り込んでしまう場合でも、第1の化粧料層を再度基材上に塗布することができる。第1の化粧料層が粉体化粧料から形成されていると、第2の化粧料層をスクリーン印刷するスクリーン膜のメッシュ内に第1の化粧料層が入り込んで充填され、スクリーン版を基材から離した際に第1の化粧料層もスクリーン版と共に基材からはぎ取られてしまう。このため、印刷工程を複数回行うことで、第2の化粧料層を形成する化粧料がスラリー状の化粧料である場合、スクリーン版のメッシュ内に入り込んだ第1の化粧料層が、第2の化粧料層となる化粧料に含まれる揮発性溶媒を吸収してスラリー状となり、第1の化粧料層を再度基材に印刷することができる。一方、第2の化粧料層を形成する化粧料が練ってペースト状とした化粧料、または加熱溶解してペースト状若しくは液体状とした化粧料である場合でも、スクリーン版のメッシュ内に入り込んだ第1の化粧料層はスキージによって押し出され、第1の化粧料層を再度基材に印刷することができる。
請求項6の多色化粧品の製造方法によれば、第2の化粧料層が湿っている間にスクリーン印刷を繰り返す。つまり、第2の化粧料層が乾いてしまってからスクリーン印刷を行うと、第2の化粧料層がスクリーン膜のメッシュ内に入り込んで充填され、スクリーン版を基材から離す際に第2の化粧料層もスクリーン版と共に剥がれてしまう。このため、第2の化粧料層が湿っている間にスクリーン印刷を複数回行うことによって、第2の化粧料層が剥がれてしまうことを防止することができる。
請求項7の多色化粧品によれば、基材上に多色の化粧料が、薄膜状に段差なく隣接して形成されるので、見栄えのよい多色化粧品を得ることができる。
請求項8の多色化粧品によれば、第1の化粧料層は第2の化粧料層に覆われて形成されるので、種々の用途に適した多色化粧品を得ることができる。
本発明の実施形態に係る多色化粧品の一例を示す概略図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係る多色化粧品の製造方法を示すフローチャートである。 基材上に塗布された化粧料の一例を示す上面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ開口部が形成されたスクリーン版を示す上面図である。 図4のVI-VI線に沿う断面図である。 開口部が形成された他のスクリーン版を示す上面図である。 化粧料が充填されたスクリーン版の、図7のVIII-VIIIに沿う断面図である。 スクリーン版を部分的に拡大した断面図である。 化粧料を基材にスクリーン印刷する工程を示す概略図である。 化粧料をスクリーン印刷した後の状態を示す概略図である。 化粧料をスクリーン版に充填した状態の一例を示す概略図である。 化粧料をスクリーン印刷する工程を示す概略図である。 本発明の実施形態の変形例に係るスクリーン版の断面図である。 図14に示したスクリーン版で化粧料を印刷する工程を示す概略図である。 本発明の実施形態の変形例に係る多色化粧品の断面図である。 (A)はスクリーン版に形成された開口部を示す拡大上面図、(B)はスクリーン版に形成された他の開口部を示す拡大上面図、(C)は本発明の実施例1に係る多色化粧品の上面図である。 (A)はスクリーン版に形成された開口部を示す拡大上面図、(B)は(A)とは異なるスクリーン版に形成された他の開口部を示す拡大上面図、(C)は(A)、(B)とは異なるスクリーン版に形成されたさらに他の開口部を示す拡大上面図、(D)は(A)〜(C)とは異なるスクリーン版に形成された他の開口部を示す拡大上面図、(E)は本発明の実施例2に係る多色化粧品の上面図である。 (A)は基材上に塗布された化粧料の概略を示す上面図、(B)はスクリーン版に形成された開口部を示す拡大上面図、(C)は本発明の実施例3に係る多色化粧品の上面図である。 (A)はスクリーン版に形成された開口部を示す拡大上面図、(B)は(A)と異なるスクリーン版に形成された他の開口部を示す拡大上面図、(C)は本発明の実施例4に係る多色化粧品の上面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る多色化粧品の一例を示す概略図である。多色化粧品1は、シート状の基材2上にそれぞれ異なる色で薄膜状に形成された化粧料層3〜6が保持されている。なお、多色化粧品1のデザインや化粧料の色の数は、これに限られるものではない。
図2に図1のII-II線に沿う断面図を示すように、基材2上に化粧料層3〜5と化粧料層6とは隣接して保持されている。化粧料層3〜6の厚さはそれぞれ略等しく、0.01〜1mmの厚さで形成されるのが好ましい。
(基材)
基材2は、スクリーン印刷が可能な平面状の基材であれば特に限られないが、例えば樹脂フィルム、紙、不織布等のシート状基材や、樹脂や金属等からなる容器等が挙げられる。
このような基材2に対し、エンボス加工やサンドマット加工等を施して基材2表面に凹凸を形成したり、化粧料をスラリー化するために用いられる溶媒や、加熱することによって接着性を発現する接着剤を基材2に塗布したりすることにより、基材2上に保持される化粧料の欠落や脱落を防止することができる。
(化粧料)
基材2に保持される化粧料として、例えば、ファンデーション、フェイスパウダー、頬紅、アイカラー等の粉体を主体とした粉体化粧料、またはコンシーラ、口紅、リップクリーム等の油剤を主体とした油性化粧料が挙げられる。
本発明の化粧料に用いられる粉体は、通常、化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状や煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、または多孔質、無孔質等の粒子構造等によって特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等を使用することができる。具体的な粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、カーボンブラック、黒色酸化チタン、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、二酸化珪素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の樹脂積層末のラメ剤、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉体、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、またはさらにアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等を例示することができる。なお、これらの粉体は、フッ化系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の中の1種または2種以上を用いて表面処理を施していてもよい。
この中でも、発色性のある着色顔料を配合することで、色彩による美しさを演出することができるため好ましい。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末等の光輝性粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の樹脂積層末のラメ剤、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム、またはアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、またはさらにアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等を例示することができる。なお、これらの粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の中の1種または2種以上を用いて表面処理を施していてもよい。
化粧料中の粉体の含有量は、特に限定されず、所望する化粧料や化粧料を基材2に保持させる場合の状態にもよるが、例えば、油剤を主体とした化粧料を練ってペースト状にして保持させる場合または加熱溶解してペースト状若しくは液体状にして保持させる場合は、化粧料中の0.1〜50%が好ましく、さらに1〜30%が好ましい。また、粉体を主体とした化粧料を揮発性の溶媒と混合して保持させる場合は、化粧料中の50%〜100%が好ましく、さらに70〜90%が好ましい。油剤を主体とした化粧料を揮発性の溶媒と混合して保持させる場合は、化粧料中の0.1〜50%が好ましく、さらに1〜30%が好ましい。この範囲であると、化粧料の取れや肌への付着性の面で特に優れた効果を得ることができる。
また、化粧料において粉体が主体となる場合は、タルク、マイカ、セリサイト等を含むことが好ましい。これらの粉体を配合することで、取れや強度の面で特に優れた効果を得ることができる。
本発明に用いられる化粧料は、さらに、油剤、界面活性剤、水性成分、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、美容成分等の通常化粧料に汎用される成分の配合が可能である。油ゲル化剤、水溶性高分子、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、水性成分、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等の成分を配合することも可能である。
油剤としては、通常、化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されない。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプシュワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブテン、ポリブテン等の炭化水素類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、ホホバ油、セチルイソオクタネート、パルミチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン化合物類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
化粧料中の油剤の含有量は、特に限定されず、所望する化粧料や化粧料を基材2に保持させる場合の状態にもよるが、例えば、油剤を主体とした化粧料を練ってペースト状にして保持させる場合または化粧料を加熱溶解してペースト状若しくは液体状にして保持させる場合は、化粧料中の50〜99.9%が好ましく、さらに70〜99%が好ましい。また、油剤を主体として揮発性の溶媒と混合して保持させる場合は、化粧料中の50〜99.9%が好ましく、さらに70〜99%が好ましい。粉体を主体とした化粧料を揮発性の溶媒と混合して保持させる場合は、化粧料中の0〜50%が好ましく、さらに10〜30%が好ましい。この範囲であると、化粧料の取れや肌への付着性の面で特に優れた効果を得ることができる。
また、油剤を主体とした化粧料を練ってペースト状にして保持させる場合または化粧料を加熱してペースト状若しくは液体状として保持させる場合、全油剤中の固形油剤、半固形油剤は、1〜50%が好ましく、さらに5〜30%が好ましい。また、全油剤中の液状油剤は、50〜99%が好ましく、さらに70〜95%が好ましい。この範囲であると、化粧料の取れや肌への付着性の面で特に優れた効果を得ることができる。
界面活性剤としては、化粧料に用いられている界面活性剤であれば何れのものでも使用することができ、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。このような界面活性剤を化粧料に配合する配合量は0.001〜10%が好ましく、より好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、外観の発色がよく、この点で特に優れた効果を得ることができる。
水性成分はモイスチャー効果を付与する目的で用いることができ、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のPABA系、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル等のケイ皮酸系、サリチル酸系等、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メチレンビスベンゾトリアゾルテトラメチルビチルフェノール、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等の紫外線吸収剤が挙げられ、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等があげられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられ、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等のグリコール類等が挙げられる。
水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系の物質、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系の物質、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系の物質を挙げることができる。
(多色化粧品の製造方法)
上述したような本発明の実施形態に係る多色化粧品の製造方法について、図3〜図13を参照しながら以下に説明する。図3は多色化粧品1の製造工程を示すフローチャート、図4は基材2上に塗布された化粧料の一例を示す概略図、図5(A)〜(C)は開口部が形成されたスクリーン版をそれぞれ示す上面図、図6は図4のVI-VI線に沿う断面図、図7は開口部が形成された他のスクリーン版を示す上面図、図8は化粧料6aが充填されたスクリーン版の、図7のVIII-VIII線に沿う断面図、図9はスクリーン版を部分的に拡大した断面図、図10は化粧料6aを基材2に塗布する工程を示す概略図、図11は化粧料をスクリーン印刷した後の状態を示す概略図、図12は化粧料をスクリーン版に充填した状態の一例を示す概略図、図13は化粧料をスクリーン印刷する工程を示す概略図である。まず、図3に示す製造工程のフローチャートに基づいて、以下に説明する。
ステップS1では、基材2上に第1の化粧料層を塗布する(形成工程)。化粧料は単色でもよく、複数色としてもよい。本実施形態では図4に示すように、3色の化粧料3a、4a、5aを基材2に塗布するものとして、以下に説明する。化粧料を塗布する方法としては、スクリーン印刷、静電スクリーン印刷、滴下充填等が挙げられる。
(スクリーン印刷)
スクリーン印刷では、化粧料を練ってペースト状にした化粧料3a、4a、5a、加熱溶解してペースト状若しくは液体状にした化粧料3a、4a、5a、または化粧料を揮発性溶媒に分散させてスラリー状の化粧料3a、4a、5aを調製するといういずれかの方法で化粧料3a、4a、5aを準備し、スクリーン版を用いて基材2上に化粧料3a、4a、5aを印刷する。化粧料をスラリー状にするための揮発性溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、低沸点炭化水素、低沸点シリコーン油、環状シリコーン、水、またはこれらの混合物が挙げられる。化粧料と揮発性溶媒との混合比率は、化粧料の構成やスクリーン印刷の印刷条件に応じて適宜調整される。
化粧料を揮発性溶媒に分散させてスラリー状としてスクリーン印刷する場合、化粧料3a、4a、5aに含まれる揮発性溶媒は、基材2にスクリーン印刷された後、熱風や赤外線ヒータ等の乾燥装置で除去される。
スクリーン印刷に用いられるスクリーン版は、40〜300メッシュのものを用いるのが好ましい。当該スクリーン版は所定の厚さの乳剤で被覆されており、被覆された乳剤に所望の印刷パターンが形成された開口部が設けられ、本実施形態では、例えば図5(A)〜(C)に示すスクリーン版7a〜7cを用いて印刷するようにしてもよい。詳しくは、スクリーン版7aには開口部8a、スクリーン版7bには開口部8b、スクリーン版8cには開口部8cがそれぞれ形成されている。このようなスクリーン版7aを用いて化粧料3aを基材2に印刷し、スクリーン版7bを用いて化粧料4aを基材2に印刷し、スクリーン版7cを用いて化粧料5aを基材2に印刷するようにしてもよい。なお、スクリーン版7a〜7cは、後述するスクリーン版7dと同様の構成である。また、乳剤厚は10〜500μmとするのが好ましい。
(静電スクリーン印刷)
静電スクリーン印刷では、図示しないが静電スクリーン印刷機等を用いて基材2上に化粧料が印刷される。詳しくは、静電スクリーン印刷機の印刷台に基材2を配置し、基材2の上部に静電界が発生可能な間隔離間してスクリーン版を配置して、印刷台及びスクリーン版に高電圧を印加する。これにより、印刷台とスクリーン版との間には静電界が発生し、所望の印刷パターンが形成されたスクリーン版の開口部を介して化粧料が基材2上に印刷されて保持される。本実施形態では、例えば図5(A)〜(C)に示すスクリーン版7a〜7cを用いて、化粧料3a、4a、5aが基材2にそれぞれ印刷されるようにしてもよい。なお、静電スクリーン印刷で印刷可能な化粧料は、ファンデーションやフェイスパウダー等の粉体化粧料である。
この印刷台とスクリーン版との間に印加される電圧は3〜6kVとするのが好ましい。また、印刷台とスクリーン版との間隔は1〜10mmとするのが好ましい。
静電スクリーン印刷に用いられるスクリーン版は、60〜400メッシュのものを用いるのが好ましい。
(滴下充填)
滴下充填では、化粧料を揮発性溶媒に分散させてスラリー状とし、定量吐出装置やスポイト等を用いて所望する量のスラリーを基材に滴下した後、上述した乾燥装置を用いて揮発性溶媒を除去する。
また、化粧料を基材に滴下する際に、手動或いはロボット等を用いてノズルと基材とを相対的に移動することによって、化粧料で文字や図形を描画することも可能である。なお、油性化粧料は、練ってペースト状にしたり、加熱溶解してペースト状または液体状として滴下するようにしてもよい。
上述した方法のうちのいずれかを用いて、基材2上に化粧料3a、4a、5aが塗布されて、化粧料層3〜5(第1の化粧料層)が基材2上に保持される。このように、化粧料3a、4a、5aの塗布方法は、スクリーン印刷、静電スクリーン印刷、及び滴下充填から選択されるので、多色化粧品1の種類やデザインに応じて適切な方法を選択することができる。
図6に図4のVI-VI線に沿う断面図を示す。基材2に塗布された化粧料層3〜5の厚さは、後述するスクリーン版7dの版厚d以下とするのが好ましい。
次に、第2の化粧料層を形成する印刷工程(ステップS2、S3)について以下に説明する。
ステップS2では、スキージ12を用いてスクリーン膜9のメッシュに化粧料6aを充填する。化粧料6aは化粧料を揮発性溶媒に分散させてスラリー状としてもよいし、化粧料を練ってペースト状としたものや、加熱溶解してペースト状または液体状としてもよい。図7にスクリーン版7dの概略図を示すように、スクリーン版7dは、スクリーン膜9と、スクリーン膜9を被覆する被覆部11と、所定の印刷パターンが形成された開口部8dとからなる。スクリーン版7dを構成するスクリーン膜9の周囲は、枠部10で囲繞されている。図8に図7のVIII-VIII線に沿う断面図を示すように、スクリーン膜9は厚さdを有する。被覆部11は乳剤からなり、スクリーン膜9の厚さdと略等しくなるように形成されている。詳しくは図9に示すように、スクリーン版7dの版厚dとは、スクリーン膜9即ち紗厚と、乳剤厚とを合わせた厚さである。図示しないが、スクリーン膜9はメッシュで構成されており、基材2に塗布する化粧料6aの種類に応じて適切な細かさのメッシュが選択される。このようなスクリーン版7dを用いて、スキージ12を化粧料6aと共にスクリーン膜9上で摺動させると、スクリーン膜9のメッシュには化粧料6aが充填される。
ステップS3では、基材2上に化粧料6aを印刷する。詳しくは図10に示すように、化粧料6aで充填されたスクリーン版7dを基材2上に配置し、スキージ12で化粧料6aを基材2上に印刷する。当該ステップにおいて、基材2上に塗布された化粧料3a、4a、5aに、化粧料6aが充填されたスクリーン膜9を重ねると、化粧料3a、4a、5aの位置に対応するスクリーン膜9のメッシュから化粧料6aが押し出され、化粧料3a、4a、5aがスクリーン膜9のメッシュ内に入り込んで充填される。スクリーン膜9から押し出された化粧料6aは、スキージ12で掻き取られる。
上述したように、化粧料3a、4a、5aがスクリーン膜9の厚さdよりも厚く形成されていると、当該ステップS3でスクリーン膜9を基材2上に重ねた際に、スクリーン膜9の上方、即ちスキージ12が摺動する面に化粧料3a、4a、5aがはみ出してしまう。このはみ出した化粧料3a、4a、5aをスキージ12で掻き取ると、スキージ12の進行方向に沿って化粧料3a、4a、5aが広がってしまい、化粧料のにじみが発生してしまう。このため隣接する化粧料に他の色の化粧料の色が移ってしまうので、色混じりのある多色化粧品1が形成されてしまい、見た目や色合いが劣ってしまうため、好ましくない。
ステップS4では、基材2からスクリーン版7dを離し、化粧料3a、4a、5aが全て基材2上に転移していることを確認する。化粧料3a、4a、5aが粉体化粧料である場合、上記ステップS3でスクリーン膜9のメッシュ内にこれらの化粧料が一旦充填されるため、図11に示すように、基材2からスクリーン版7dを離すと、化粧料6aは化粧料層6(第2の化粧料層)として基材2上に保持されるが、化粧料3a、4a、5aはスクリーン版7dと一緒に基材2から剥がれてしまう。一方、化粧料3a、4a、5aが油性化粧料である場合、化粧料3a、4a、5aはスクリーン膜9に転移しないので、基材2からスクリーン版7dを離すと、基材2には図2に示すように、化粧料層3〜5と化粧料層6とが隣接して基材2上に保持される。
当該ステップで化粧料3a、4a、5aが全て基材2上に転移していることが確認できると、ステップS5の後処理工程を行う。
ステップS5では、乾燥装置を用いて、化粧料6aに含まれる揮発性溶媒を除去する。このように乾燥させることで、化粧料3a、4a、5aが粉体化粧料の場合には、化粧料3a、4a、5aに含まれる揮発性溶媒も除去される。また、油性化粧料を基材2に保持させた場合には、表面のつや出しをするために必要に応じて加熱処理を行ってもよい。このような工程を経て、本発明の多色化粧品の製造工程は終了する。
一方、化粧料3a、4a、5aが基材2上に全て転移していないことが確認されると、上記ステップS2に戻り、基材2に化粧料3a、4a、5aが全て転移したことが確認できるまでスクリーン印刷を繰り返し行う。なお、化粧料6aをスラリー状として上記ステップS3のスクリーン印刷を繰り返し行う場合には、基材2に塗布されたスラリー状の化粧料6aが湿っている間に行う必要がある。これにより、基材2に塗布されたスラリー状の化粧料6aがスクリーン膜9のメッシュ内に充填されて剥がれてしまうことを防止することができる。
図12に、図11で示したスクリーン版7dを用いて再度基材2に化粧料3a、4a、5aを充填する工程を示す。スラリー状の化粧料を基材2に印刷する場合、化粧料6aと共にスクリーン版7dのスクリーン膜9上でスキージ12を摺動させると、化粧料3a、4a、5aで充填されているスクリーン膜9のメッシュ以外のメッシュに化粧料6aが充填される。スラリー状の化粧料6aがスクリーン膜9のメッシュ内に充填されると、スクリーン膜9のメッシュ内に充填されていた化粧料3a、4a、5aは、化粧料6aに含まれる揮発性溶媒を吸収してスラリー状になる。
図13には、図12で示したスクリーン版7dを用いて、スキージ12をスクリーン版7d上で摺動させて基材2に印刷する工程を示している。スラリー状になった化粧料3a、4a、5aは、矢印の方向にスキージ12を摺動させることによって、化粧料6aと共に基材2に印刷される。また、基材2上には既に化粧料6aが保持されているため、基板2にスクリーン版7dを重ねると、基材2に塗布されている化粧料6aの位置に対応するスクリーン膜9のメッシュ内に充填されていた化粧料6aは、スキージ12が摺動する面側へ押し出される。押し出された化粧料6aは、スキージ12によって掻き取られる。
一方、化粧料を練ってペースト状とした化粧料6a、または化粧料を加熱溶解してペースト状若しくは液体状にした化粧料6aで再度上記ステップS2を繰り返し行うと、図12に示すように、化粧料3a、4a、5aで充填されているスクリーン膜9のメッシュ以外のメッシュに化粧料6aが充填される。そして、図13に示すように、スクリーン膜9のメッシュに充填されている化粧料3a、4a、5aは、スキージ12を摺動させることによって押し出され、基材2に印刷される。
化粧料3a、4a、5aの少なくともいずれか1つが粉体化粧料からなる場合、上記ステップS2及びステップS3を繰り返し行うことによって、図2に示す多色化粧品1を得ることができる。図2に示すように、異なる色の化粧料層3〜5及び化粧料層6は混ざり合うことなく、また段差なく互いに隣接して基材2上に保持されており、見た目にも美しい多色化粧品1を得ることができる。
このように、本実施形態では、基材2上に化粧料3a、4a、5aを塗布した後に化粧料とは異なる色の化粧料6aを、化粧料3a、4a、5aと重なるようにスクリーン膜9を配置して基材2にスクリーン印刷する。化粧料3a、4a、5aが保持された基材2に化粧料6aが充填されたスクリーン版7dを重ねると、スクリーン膜9のメッシュに化粧料3a、4a、5aが充填される。そして、化粧料3a、4a、5aの位置に対応するスクリーン膜9に充填されていた化粧料6aは、スキージ12が摺動する面側に押し出され、スキージ12によって掻き取られる。
従って、スクリーン印刷した後の基材2には、異なる色の化粧料層3〜5と化粧料層6とが段差なく、また互いに色が混ざることなく隣接して保持されるので、見栄えのよい薄膜状の多色化粧料1を得ることができる。
なお、上述した実施形態を、以下に説明する多色化粧品101に適用してもよい。
図14に、上記実施形態の変形例で用いるスクリーン版107の断面図を示す。図14に示すように、スクリーン版107は厚さdのスクリーン膜109と、スクリーン膜109の厚さdよりも厚い被覆部111とを備える。
図15に、化粧料103a、104a、105aが塗布された基材102上にスクリーン版107を重ねて化粧料106aを充填した場合の断面図を示す。化粧料106aが基材102上に印刷されると、スクリーン膜109を被覆する被覆部111の乳剤の厚さがスクリーン膜109の厚さdよりも厚いため、化粧料103a、104a、105aは化粧料106aで被覆される。スクリーン版107を基材102から離すと、図16に示すように、化粧料層103、104、105が化粧料層106で覆われた多色化粧品101を得ることができる。
以下に本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
化粧料A(ファンデーション)55質量部をイソプロピルアルコール45質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーA1を調製した。厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)を基材2として準備し、印刷パターンとして図17(A)に示すような縞模様の開口部8eが形成された40メッシュ、乳剤厚15μmのスクリーン版7eを用いて化粧料スラリーA1を基材2に印刷し、乾燥機内で乾燥させた。
化粧料Aとは異なる色の化粧料B(ファンデーション)55質量部をイソプロピルアルコール45質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーB1を調製した。化粧料スラリーA1が塗布された基材2に、印刷パターンとして図17(B)に示す直径rが34mmの開口部8fが形成された40メッシュ、乳剤厚15μmのスクリーン版7fを用いて化粧料スラリーB1を化粧料スラリーA1とスクリーン版とが重なるように3回印刷した。なお、化粧料スラリーB1の印刷工程では、基材2に保持された化粧料スラリーB1が湿っている間に、再度化粧料スラリーB1を基材2に印刷するようにした。その後、化粧料スラリーA1と化粧料スラリーB1とが保持された基材2を80℃の送風乾燥機で2分間乾燥させた。
図17(C)に示すように、2色の化粧料A、Bで縞模様が形成された薄膜状の多色化粧料1aを得た。
<実施例2>
厚さ250μmのPETフィルムを基材2として準備し、印刷パターンとして図18(A)に示すような直径r1が4mmの開口部8g1、及び直径r2が3mmの開口部8g2が形成された200メッシュのスクリーン版7gを静電スクリーン印刷機に設置し、スクリーン版7g及び印刷台間に印加される電圧を3.5kV、スクリーン版7gと基材2との間隔を4mmとして、化粧料C(赤色のフェイスパウダー)を基材2に印刷した。図18(B)に示すような直径r2が3mmの開口部8hが形成された200メッシュのスクリーン版7hを静電スクリーン印刷機に設置し、同様の印刷条件で化粧料D(緑色のフェイスパウダー)を基材2に印刷した。次に、図18(C)に示すような直径r2が3mmの開口部8iが形成された200メッシュのスクリーン版を静電スクリーン印刷機に設置し、同様の印刷条件で化粧料E(紫色のフェイスパウダー)を基材2に印刷した。
化粧料F(ベージュのフェイスパウダー)50質量部をイソプロピルアルコール50質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーF1を調製した。基材2に塗布された化粧料C〜Eと重なるように、図18(D)に示すような直径r3が34mmの開口部8jが形成された60メッシュ、乳剤厚15μmのスクリーン版7jで化粧料スラリーF1を基材2に6回印刷した。なお、化粧料スラリーF1の印刷工程では、基材2に保持された化粧料スラリーF1が湿っている間に、再度化粧料スラリーF1を基材2に印刷するようにした。その後、スラリー化した化粧料C〜E及び化粧料スラリーF1が保持された基材2を80℃の送風乾燥機で2分間乾燥させた。
図18(E)に示すように、4色の化粧料C〜Fで花火模様が形成された薄膜状の多色化粧品1bを得た。
<実施例3>
化粧料G(赤色のアイカラー)40質量部をイソプロピルアルコール60質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーG1を調製した。化粧料H(黄色のアイカラー)40質量部をイソプロピルアルコール60質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーH1を調製した。化粧料I(青色のアイカラー)40質量部をイソプロピルアルコール60質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーI1を調製した。厚さ250μmのPETフィルムを基材2として準備し、図19(A)に示すように、化粧料スラリーG1、H1、I1を滴下充填装置を用いて基材2上に直径rが8mmの円形に滴下し、乾燥機内で乾燥させた。
化粧料J(灰色のアイカラー)50質量部をイソプロピルアルコール50質量部に加えて撹拌し、化粧料スラリーJ1を調製した。基材2に塗布された化粧料スラリーG1、H1、I1と重なるように、印刷パターンとして図19(B)に示すような縦の長さhが15mm、横の長さwが38mmの開口部8kが形成された40メッシュ、乳剤厚50μmのスクリーン版7kを用いて、化粧料スラリーJ1を6回印刷した。なお、化粧料スラリーJ1の印刷工程では、基材2に保持された化粧料スラリーJ1が湿っている間に、再度化粧料スラリーJ1を基材2に印刷するようにした。その後、化粧料スラリーG1、H1、I1、J1が保持された基材2を80℃の送風乾燥機で2分間乾燥させた。
図19(C)に示すように、4色の化粧料G〜Jで信号機模様が形成された薄膜状の多色化粧品1cを得た。
<実施例4>
厚さ250μmのPETフィルムを基材2として準備し、化粧料K(赤色の口紅)を練り込んでペースト状とし、印刷パターンとして図20(A)に示すような縦の長さh1が15mm、横の長さw1が32mmの開口部8mが形成された100メッシュ、乳剤厚15μmのスクリーン版7mを用いて、基材2に化粧料Kを印刷した。化粧料Kが保持された基材2を80℃に設定された乾燥機内で1分間加熱処理を行い、化粧料Kのつや出し加工を行った。
化粧料L(乳白色のリップクリーム)を練り込んでペースト状とし、印刷パターンとして図20(B)に示すような縦の長さh2が23mm、横の長さw2が41mmの開口部8nが形成された60メッシュ、乳剤厚50μmのスクリーン版7nを用いて、基材2に塗布された化粧料Kと重なるように化粧料Lを印刷した。その後、化粧料K、Lが保持された基材2を、80℃に設定された乾燥機内で1分間加熱処理を行い、つや出し加工を行った。
図20(C)に示すように、基材2の中央に2色の化粧料K、Lでハート型の模様が形成された薄膜状の多色化粧品1dを得た。
1、101 多色化粧品
2、102 基材
3〜6、103〜106 化粧料層
3a、4a、5a、6a、103a、104a、105a、106a 化粧料
7a〜7d、107 スクリーン版
9、109 スクリーン膜

Claims (8)

  1. 基材上に薄膜状の第1の化粧料層を形成する形成工程と、
    前記第1の化粧料層が形成された基材に、メッシュからなるスクリーン膜が前記第1の化粧料層に重なるようにスクリーン版を配置して、前記第1の化粧料層とは異なる色の化粧料を用いてスクリーン印刷を行い、第2の化粧料層を形成する印刷工程と、
    を備えることを特徴とする多色化粧品の製造方法。
  2. 前記第1の化粧料層は、スクリーン印刷、静電スクリーン印刷、または滴下充填で形成されることを特徴とする請求項1に記載の多色化粧品の製造方法。
  3. 前記第1の化粧料層の厚さは、前記スクリーン膜の厚さ以下に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の多色化粧品の製造方法。
  4. 前記第1の化粧料層及び前記第2の化粧料層は、それぞれ粉体化粧料及び油性化粧料のいずれか一方からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多色化粧品の製造方法。
  5. 前記印刷工程は、複数回繰り返されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多色化粧品の製造方法。
  6. 前記印刷工程は、前記基材上に印刷された第2の化粧料層の表面が湿っている間に、再度前記印刷工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の多色化粧品の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の多色化粧品の製造方法で製造されることを特徴とする多色化粧品。
  8. 前記第1の化粧料層は、前記第2の化粧料層で覆われて形成されることを特徴とする請求項7に記載の多色化粧品。
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