JP2013175679A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】m面InGaN−LEDを蛍光体の励起源として用いた発光装置において、光量調節に伴い発光効率が低下することを防止するのに役立つ技術を提供する。
【解決手段】この発光装置は、紫LEDと、その光量を制御する制御システムと、蛍光体とを備えている。制御システムは、紫LEDに供給される電流を所定レベルに調整する電流値制御回路と、電流のオン時間とオフ時間の比率を調整するデューティ比制御回路とを有する。紫LEDの光量は、デューティ比制御回路により上記比率を調整することにより調節される。紫LEDは、発光スペクトルのピーク波長を395〜410nmの範囲内に有するm面InGaN−LEDであり、蛍光体には、Eu付活アルミン酸塩系青蛍光体、Eu付活ハロリン酸塩系青蛍光体およびEuおよびMn付活アルミン酸塩系緑蛍光体から選ばれる一種以上の蛍光体が含まれる。
【選択図】図5

Description

本発明は、紫LEDまたは青LEDと、該LEDの光量を制御する制御システムと、該LEDにより励起される蛍光体とを備える発光装置に関する。
一般式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表されるGaN系半導体(窒化物半導体、III族窒化物系化合物半導体などとも呼ばれる)を用いて発光構造を形成してなるGaN系LEDが実用化されている。特に、InGaN−LEDと呼ばれる、InGaNを用いて構成された活性層(例えば、InGaN井戸層を含むMQW活性層)を備えるダブルヘテロpn接合型のGaN系LED素子は発光効率が高いことから、インジケータのような用途に留まらず、ディスプレイ、照明などの用途にも使用されている。
ディスプレイや照明の用途において重要なInGaN−LEDは、発光ピーク波長が395〜415nmの紫LEDと、発光ピーク波長が440〜470nmの青LEDである。紫LEDは主として青、緑および赤の蛍光体を用いた高演色の白色LEDに用いられる。青LEDは主として緑、黄および赤の蛍光体を用いた高効率の白色LEDに用いられる。発光ピーク波長が415nmより長波長かつ440nmより短波長であるLEDは、青蛍光体を十分に励起させることができないので高演色の白色LEDに適さず、また、視感度が高くないため高効率の白色LEDにも適していない。
最近では、量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)が誘起されないように、非極性基板であるm面GaN基板(しばしばオフ角が付与される)を用いてn型層、活性層およびp型層を六方晶のm軸方向に積層したm面InGaN−LEDの研究開発が進められている(非特許文献1〜3)。QCSEがなければ、印加する順方向電流を大きくしてもLEDの発光特性が変わらないことが期待される。このことを調べるため、非特許文献1ではメサの面積(≒活性層の面積)が300×300μmのLEDに最大100mAの順方向電流が印加されている。非特許文献2でも同様に、活性領域の面積が300×300μmのLEDに最大100mAの順方向電流が印加されている。非特許文献3では、300×300μmのLEDに最大300mAもの順方向電流(電流密度では330A/cmに相当)が印加されている。
CW(Continuous Wave)駆動した場合に色度が順方向電流に依存して変化する白色LEDを用いた発光装置において、その白色LEDに供給する電流のオン時間とオフ時間の比率を変化させることにより光量制御すると、調光に伴う色度変化を抑制できることが知られている(特許文献1)。
特開2002−324685号公報
Kuniyoshi Okamoto et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 45, No. 45, 2006, pp. L1197-L1199 Mathew C. Schmidt et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 46, No. 7, 2007, pp. L126-L128 Shih-Pang Chang et al., Journal of The Electrochemical Society, 157 (5) H501-H503 (2010)
QCSEが生じないとの期待にもかかわらず、本発明者等がm面GaN基板を用いた紫および青のm面InGaN−LED(350×340μm)を試作し発光特性を評価したところ、図6および図8にそれぞれ示すように、印加する順方向電流に応じて発光スペクトルに看過できない変化が生じることが判明した。これは、m面InGaN−LEDを蛍光体の励起源として用いた発光装置では、順方向電流を変化させて光量調節を行うと蛍光体の励起効率の変化に起因して発光効率が低くなる場合があることを意味する。それは、蛍光体の中に、m面InGaN−LEDの発光スペクトル変化が生じる波長領域において励起効率が波長依存性を有するものが含まれる場合である。
そこで、本発明は、m面InGaN−LEDを蛍光体の励起源として用いた発光装置において、光量調節に伴い発光効率が低下することを防止するのに役立つ技術を提供することを、主たる目的とする。
本発明の発光装置は、m面InGaN−LEDと、該m面InGaN−LEDの光量を制御する制御システムと、該m面InGaN−LEDにより励起される蛍光体とを備えるものであって、該制御システムが該LEDに供給される電流を所定レベルに調整する電流値制御回路と、該LEDに供給される電流のオン時間とオフ時間の比率を調整するデューティ比制御回路とを備え、該LEDの光量が、該デューティ比制御回路により該比率を調整することにより調節されるように構成される。
かかる構成によれば、蛍光体の中に、m面InGaN−LEDの発光スペクトル変化が生じる波長領域において励起効率が波長依存性を有するものが含まれる場合であっても、m面InGaN−LEDの発光スペクトルを蛍光体の励起効率が低くならないように設定することができる。
この発光装置の具体的な実施形態には次のようなものがある。
(1)紫LEDと、該紫LEDの光量を制御する制御システムと、該紫LEDにより励起される蛍光体とを備える発光装置において、
該制御システムは、該紫LEDに供給される電流を所定レベルに調整する電流値制御回路と、該紫LEDに供給される電流のオン時間とオフ時間の比率を調整するデューティ比制御回路とを備え、
該紫LEDの光量は、該デューティ比制御回路により該比率を調整することにより調節され、
該紫LEDは、該所定レベルの電流が印加されたときの発光スペクトルのピーク波長を395〜410nmの範囲内に有するm面InGaN−LEDであり、
該蛍光体には、Eu付活アルミン酸塩系青蛍光体、Eu付活ハロリン酸塩系青蛍光体およびEuおよびMn付活アルミン酸塩系緑蛍光体から選ばれる一種以上の蛍光体が含まれる、
ことを特徴とする発光装置。
(2)青LEDと、該青LEDの光量を制御する制御システムと、該青LEDにより励起される蛍光体とを備える発光装置において、
該制御システムは、該青LEDに供給される電流を所定レベルに調整する電流値制御回路と、該青LEDに供給される電流のオン時間とオフ時間の比率を調整するデューティ比制御回路とを備え、
該青LEDの光量は、該デューティ比制御回路により該比率を調整することにより調節され、
該青LEDはm面InGaN−LEDであり、
該所定レベルの電流が該青LEDに供給されるときの該青LEDの活性層における電流密度が117A/cm以上であり、
該蛍光体には、該所定レベルの電流が供給されるときの該青LEDの発光スペクトルの短波長側の半値波長をλ1、長波長側の半値波長をλ2としたとき、励起スペクトルのλ1における強度がλ2における強度よりも高い蛍光体が含まれる、
ことを特徴とする発光装置。
(3)励起スペクトルのλ1における強度がλ2における強度よりも高い蛍光体が、Euを付活剤に含む蛍光体を含む、前記(2)に記載の発光装置。
(4)前記m面InGaN−LEDが、m面GaN系半導体基板を用いたm面InGaN−LEDである、請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の発光装置。
なお、本発明および本明細書にいうm面InGaN−LEDとは、発光構造を構成するn型層、活性層およびp型層の積層方向が、これらの層を構成する六方晶のGaN系半導体結晶のm軸との間でなす角度が10度以内であるInGaN−LEDをいうものとする。
本発明によれば、m面InGaN−LEDを蛍光体の励起源として用いた発光装置において、光量調節に伴い発光効率が低下することを防止するのに役立つ技術が提供される。
m面InGaN−LEDの一形態の構成を模式的に示す断面図である。 m面InGaN−LEDの他の形態の構成を模式的に示す断面図である。 m面InGaN−LEDの別の形態の構成を模式的に示す断面図である。 m面InGaN−LEDの具体的な構成例を示す図である。 制御システムのブロック図である。 m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDの発光スペクトルである。 m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDの発光スペクトルである。 m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDの発光スペクトルである。 m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDにおける順方向電流と発光スペクトルのピーク波長との関係を示す図である。 m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDにおける順方向電流と発光スペクトルの半値幅との関係を示す図である。 m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDの発光スペクトルである。 m面InGaN−LEDの発光スペクトルの解析結果を示すグラフである。
(好ましい実施形態)
以下、本発明について実施形態を例示して説明する。
本発明の発光装置に使用することのできるm面InGaN−LEDの形態は様々であり、例えば、図1〜図4にそれぞれ示すものが挙げられる。なお、図2〜図4においては、図1と同様の構造部に同一または対応する符号を付し、重複する説明は省略している。各図に表された層構造に関して、単一の層として描かれているものが複数の半導体層で構成されていてもよいし、複数の層として描かれているものが単一の半導体層で構成されていてもよい。
図1のm面InGaN−LEDは、m面GaN系半導体基板10と、その基板の主面(図示上面)10a上に形成された積層構造20とを備えている。積層構造20は、この例では、基板10側から順に、n型クラッド層23、活性層25、およびp型クラッド層27を有している。図1のm面InGaN−LEDは、また、GaN系半導体基板10の裏面に形成されたn側電極E1と、積層構造20上に形成されたp側電極E2とを有している。n側電極E1は、図示するようにGaN系半導体基板10の裏面の一部のみに形成されている。
図2のm面InGaN−LEDは、図1に示すLEDと同様、m面GaN系半導体基板110と、その基板上に形成された積層構造120とを備えている。積層構造120は、一例として、基板110側から順に、n型クラッド層123、活性層125、第1のp型クラッド層127A、第2のp型クラッド層127B、およびp型コンタクト層129を有しており、その積層構造120上にはp側電極E2が形成されている。n側電極E1は、積層構造120の一部をエッチングにより除去することでm面GaN系半導体基板110の露出した部分110sに直接形成されている。
図3のm面InGaN−LEDは、図2のLEDの電極配置と類似しているが、n側電極E1が基板に直接設けられていない点で相違している。すなわち、図3のLEDは、エピタキシャル層としてn型クラッド層兼コンタクト層23′を有しており、n側電極E1はこの層23′上の一部に形成されている。
図4に示すm面InGaN−LEDも、また、コンタクト層の表面にn側電極E1を設けた構造を有している。この図4のLEDは、m面GaN基板210と、その基板上に形成された積層構造220とを備えている。積層構造220は、基板210側から順に、第1のアンドープGaN層221、n型GaNコンタクト層222、第2のアンドープGaN層223、n型クラッド層224、活性層225、p型クラッド層226、および、p型コンタクト層227を有している。
積層構造220上には、オーミック性の透光性導電補助層E2bと、その層上の一部に形成されたp側メタル電極E2aとが設けられている。n側電極E1は、積層構造220の一部をエッチングにより除去することでコンタクト層222が露出した部分222sに形成されている。
図1〜図4のm面InGaN−LEDにおいて、m面GaN系半導体基板はケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、酸素(O)のようなn型不純物でドープすることが好ましく、そのキャリア濃度(≒不純物濃度)は2.5×1017cm−3以上、好ましくは5×1017cm−3以上とされる。このようなキャリア濃度を有する基板を用いると、基板が良好な電流経路として働くので、LEDの順方向電圧の上昇を招くことなくn側電極の面積を小さくすることができる。電極に用いられる金属材料は紫や青の光を吸収するので、その面積を小さくすることで光取出し効率を改善することができる。
一方、エピタキシャル成長のベースであることを考慮すると、m面GaN系半導体基板のキャリア濃度は5×1018cm−3以下、更には1×1018cm−3以下に抑えることが望ましい。不純物の過剰な添加は結晶性を低下させるからである。結晶性を低下させないことは、基板の熱伝導率を低下させないためにも重要である。
活性層の構造は特に限定されるものではなく、従来から公知の構造を採用することができる。代表的なものとして、InGaNからなる井戸層とGaN、InGaN、AlGaNまたはAlGaInNからなる障壁層とが交互に積層されたMQW(多重量子井戸)構造を挙げることができる。
n型クラッド層としては、n型不純物でドープしたGaN系半導体を用いることができる。あるいは、GaN系半導体はアンドープの状態でもn型の導電性を示すので、n型クラッド層はアンドープのGaN系半導体で形成してもよい。p型クラッド層には、p型不純物でドープしたGaN系半導体を用いることができる。
n側電極E1およびp側電極E2も、従来から公知の材料で形成することが可能であり、コンタクト抵抗が小さくなるような金属材料が選ばれる。n側電極E1には、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、バナジウム(V)、クロム(Cr)などを好ましく用いることができる。p側電極E2については、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、金(Au)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などを好ましく用いることができる。図4のLEDにおいてp型コンタクト層上に設けられたオーミック性の透光性導電補助層は、ITO(インジウム錫酸化物)のような透明導電性酸化物を用いて形成することができる。
上記各形態のm面InGaN−LEDは、セラミックパッケージ、樹脂パッケージ、スラグ、リードフレーム、ユニット基板などに実装された形で、本発明の発光装置に組み込まれる。また、本発明の発光装置は、SMD型LEDパッケージ(チップ型LEDと呼ばれることがある)、砲弾型ランプ、パワーLED、チップオンボード(COB)型ユニットなどを備え、その内部に上記各形態のm面InGaN−LEDを含むものであり得る。
更に、本発明の発光装置は、m面InGaN−LEDが放出する光の一部を吸収して、異なる波長の光に変換する蛍光物質を備える。従って、本発明の発光装置は白色LEDを含むものであり得る。蛍光物質としては、従来より白色LEDに使用されている無機蛍光体を制限なく使用することができる他、有機蛍光体を使用することも可能である。
好ましい青蛍光体には、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:EuのようなEu付活アルミン酸塩系青蛍光体と、(Sr,Ca,Ba,Mg)(PO(Cl,F):EuのようなEu付活ハロリン酸塩系青蛍光体がある。BAM(BaMgAl1017:Eu)はEu付活アルミン酸塩系青蛍光体の一種、SCA[Sr5(PO43Cl:Eu]はEu付活ハロリン酸塩系青蛍光体の一種である。
好ましい緑蛍光体には、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,MnのようなEuおよびMn付活アルミン酸塩系緑蛍光体、Ba,Ca,Sr)3Si6122:Eu、(Ba,Ca,Sr)3Si694:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si222:EuのようなEu付活アルカリ土類ケイ窒化物系緑蛍光体、(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:EuのようなEu付活アルカリ土類ケイ酸塩系緑蛍光体、βサイアロン:Eu、Sr5Al5Si21235:Eu、Sr3Si13Al3221:EuのようなEu付活サイアロン系緑蛍光体、Ca3(Sc,Mg)2Si312:Ce、CaSc24:CeのようなCe3+を付活剤とする緑蛍光体がある。
好ましい黄蛍光体には、(Y,Gd)3Al512:Ce、Tb3Al512:CeのようなCe付活ガーネット系黄蛍光体、La3Si611:Ce、Ca1.5xLa3-xSi611:CeのようなCe付活ランタンケイ素窒化物系黄蛍光体がある。
好ましい赤蛍光体には(Ca,Sr,Ba)AlSiN3:Eu、(CaAlSiN31-x(Si(3n+2)/4NnO)x:Eu、(Ca,Sr,Ba)2Si58:Eu、SrAlSi47:EuのようなEu付活アルカリ土類ケイ窒化物系赤蛍光体、KSiF:Mn、KTiF:MnのようなMn付活フッ化物錯体系蛍光体、LaS:Eu、Mg(F)GeO:Mn、αサイアロン:Eu、(Sr,Ba)3SiO5:Euがある。
図5は、本発明の発光装置が好適に備えることのできる、LEDの光量を調節するための制御システムのブロック図である。この制御システムは、LED駆動用電流源1、電流値制御回路2、パルス幅変調発生回路(PWM発生回路)3、スイッチ4、デューティ比制御回路5を有しており、LED6の光量を調節するものである。
LED駆動用電流源1は、LED6に電流を供給するためのものであり、スイッチ4を介してLED6に接続されている。LED駆動用電流源1からLED6に供給される電流は、電流値制御回路2によって所定レベルに設定される。スイッチ4のオン/オフは、PWM発生回路3からの信号によって制御され、そのオン時間またはオフ時間はPWMのパルス幅によって制御される。PWMのパルス幅はデューティ比制御回路5によって制御される。
すなわち、デューティ比制御回路5によってPWM発生回路3から供給されるPWMのパルス幅が調整され、そのパルス幅とスイッチ4のオン時間とを相関させることで、デューティ比に応じて定まるスイッチ4のオン時間の間だけ、電流値制御回路2で定められる所定レベルの電流がLED駆動用電流源1からLED6に供給される。よって、LED6の光量(単位時間当たりにLED6から放出される光の量)はデューティ比に比例することになる。
LED6の光量が最も多くなるのはスイッチ4が連続オン状態となったときであり、最も少なくなるのはスイッチ4が連続オフ状態となったときである。LED6が順方向電流に依存して発光スペクトルが変化するという発光特性を有していたとしても、電流値制御回路2によってLED駆動用電流源1からLED6に供給される電流レベルは一定とされているので、光量調節に伴う発光スペクトル変化は起こらない。
なお、この制御システムを具現化する回路構成は特に限定されるものではなく、例えば特許文献1に記載された回路構成等を適宜用いることができる。
電流値制御回路により定められる電流レベルは、m面GaN基板を用いたm面InGaN−LEDを用いる場合であれば、活性層における電流密度が510A/cmとなるまで高くすることができる。m面GaN基板を用いた活性層面積68400μmのm面InGaN−LEDが約350mAの順方向電流の印加(電流密度510A/cm)により破壊しないことを本発明者等は確認している。ただし、必要以上に高くすることはLEDの寿命低下をもたらすので、この電流レベルは発光装置に要求される光量の最大値に応じて定めることが望ましい。
(実験結果)
図4に示したm面InGaN−LEDの試作および評価の結果を以下に記す。LEDの平面形状は350μm×340μmの矩形とした。積層構造の形成は、n型不純物としてSiが添加されたn型導電性のm面GaN基板上に、常圧MOVPE法を用いて複数のGaN系半導体層をエピタキシャル成長させることにより行った。III族原料にはTMG(トリメチルガリウム)、TMI(トリメチルインジウム)およびTMA(トリメチルアルミニウム)、V族原料にはアンモニア、Si原料にはシラン、Mg原料にはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)Mg)を用いた。
各層の膜厚、添加した不純物、不純物の濃度を表1に示す。
Figure 2013175679
アンドープInGaN井戸層を成長する際には、発光色が紫、青紫または青となるようにInGaN組成を調整した。p型AlGaNクラッド層およびp型AlGaNコンタクト層に添加したMgの活性化は、p型AlGaNコンタクト層を所定時間成長させた後、MOVPE装置の成長炉内で基板温度が室温まで降下する間に、該成長炉内に流す窒素ガスおよびアンモニアガスの流量を制御する方法を用いて行った。
半導体積層体をエピタキシャル成長により形成した後、その表面(p型AlGaNコンタクト層の表面)に、電子ビーム蒸着法によりITO膜を形成した。続いて、フォトリソグラフィとエッチングの技法を用いて、このITO膜を所定の形状にパターニングして、透光性電極を形成した。
このITO膜を熱処理した後、リフトオフ法を用いて、n側電極とp側メタル電極を同時に所定のパターンに形成した。これらの電極(メタルパッド)は、TiW層の上にAu層を積層した積層構造とした。その後、露出した半導体積層体の表面および透光性電極の表面に、SiOからなるパッシベーション膜を形成した。最後にスクライブおよびブレーキングを行うことによりウェハを分断し、LEDをチップにした。
上記手順で作製した紫、青紫および青のm面InGaN−LEDの発光スペクトルを、図6〜図8にそれぞれ示す。図6は紫LED(LED−A)、図7は青紫LED(LED−B)、図8は青LED(LED−C)の発光スペクトルであり、いずれも、LEDチップ(活性層面積:68400μm)にCWモードで電流印加して測定したものである。各図には、順方向電流が10mA、20mA、40mA、60mA、80mA、100mA、120mAのときの発光スペクトル(ピーク強度で規格化したもの)を表示している。
図6〜図8が示すように、順方向電流の変化に伴う発光スペクトルの変化の仕方は発光波長によって異なっている。
LED−A(紫LED)では、図6に示すように、順方向電流の増加とともにスペクトル全体が長波長側にシフトしている。LED−B(青紫LED)では、図7に示すように、順方向電流の増加とともにスペクトルから長波長成分が減少し、それに伴い半値幅が狭くなっている。LED−C(青LED)では、図8に示すように、順方向電流の増加とともに短波長成分が増加し、それに伴い半値幅が広くなっている。
図9は、LED−A、LED−BおよびLED−Cにおける、順方向電流と発光スペクトルのピーク波長との関係を示す。図10は、順方向電流と発光スペクトルの半値幅(FWHM)との関係を示す。
LED−B(青紫LED)とLED−C(青LED)の発光スペクトルを解析したところ、順方向電流1mA〜120mAの全範囲において良い2成分ガウシアンピーク分離が可能であった。図12に、一例として、LED−Bに1mAの順方向電流を印加した場合を示す。2成分ガウシアンピーク分離が可能ということは、換言すれば、スペクトルがダブルピークになっているということである。このことは、順方向電流に応じた発光スペクトルの変化が、2つの光学遷移モードに基づく発光の間の相対的な強度比が変化することによって起こっていることを示唆している。
(応用例)
図9および図10が示すように、LED−A(紫LED)では順方向電流の増加に伴う発光スペクトルのピーク波長および半値幅の変化は緩やかに見える。しかし、LED−Aを青色蛍光体の励起源として用いるとき、この発光スペクトルの変化がもたらす影響は決して小さいものではない。なぜなら、BAMやSCAといった汎用の青蛍光体は波長395〜415nmの範囲で励起スペクトルの傾きが負であり、特に410nm以上では励起スペクトル強度が波長とともに急激に低下するからである。つまり、これらの蛍光体の励起効率は、紫LEDの発光ピークが長波長側に僅かにシフトすることにより大きく低下する。
励起スペクトルに関するこのような傾向は、BAMとSCAだけではなくEu付活アルミン酸塩系青蛍光体とEu付活ハロリン酸塩系青蛍光体に共通している。また、EuおよびMn付活アルミン酸塩系緑蛍光体[一般式(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn]の励起スペクトルも同様の傾向を有している。
このことから、Eu付活アルミン酸塩系青蛍光体、Eu付活ハロリン酸塩系青蛍光体またはEuおよびMn付活アルミン酸塩系緑蛍光体の励起源として紫発光するm面InGaN−LEDを用いる発光装置では、光量調節したときにLEDの発光ピーク波長が長波長シフトしないように、前述の制御システムを好ましく採用することができる。その場合は電流値制御回路により定められる所定レベルの電流を印加したときの発光ピーク波長が395〜410nm、好ましくは395〜405nmの範囲内となるように、活性層のInGaN組成が設定されたm面InGaN−LEDを用いる。
一方、青発光するm面InGaN−LEDが放出する光の場合には、図8のLED−Cの例が示すように、発光ピーク波長より長波長の成分(「長波長成分」)は順方向電流が変化しても実質的に変化しないが、発光ピーク波長より短波長の成分(「短波長成分」)は順方向電流の増加とともに増加する。このことは、かかるLEDを、当該LEDが発する光の長波長成分よりも短波長成分によってより強く励起される蛍光体の励起源として用いる場合に問題となり得る。このような蛍光体の励起効率は、該短波長成分の増減により強く影響されるからである。
従って、この場合もLEDの光量調節に前述の制御システムを用いて、LEDの放出光に常に短波長成分が十分に含まれるようにすることが望ましい。LED−Cを用いる場合を例にすると、図8から、電流値制御回路によってLEDに供給する電流のレベルを80mA以上、より好ましくは100mA以上に設定する。活性層における電流密度に換算すると、80mA以上は117A/cm以上、100mA以上は146A/cm以上に相当する。
LEDが発する光の長波長成分よりも短波長成分によってより強く励起される蛍光体とは、例えば、該LEDの発光スペクトルの短波長側の半値波長をλ1、長波長側の半値波長をλ2としたとき、励起スペクトルのλ1における強度がλ2における強度よりも高い蛍光体である。ここで、λ1、λ2は電流値制御回路によって設定される所定レベルの電流をLEDに供給したときの値である。
青発光するm面InGaN−LEDの発光ピーク波長は440〜470nmであるから、波長440〜470nmの範囲における励起スペクトルの平均的な傾きが負である蛍光体は大抵この条件を満たすであろう。また、Euを付活剤に含む蛍光体の多くは、励起スペクトルの強度が近紫外波長域から可視波長域にかけて低下する傾向を持つので、青LEDの発する光の長波長成分よりも短波長成分によってより強く励起される場合が多い。
青色LEDの発光波長域は、視感度が波長とともに著しく増加する波長域である。別の言い方をすれば、青色LEDの出す光には、視感度が低い短波長成分と、視感度の高い長波長成分とが含まれているともいえる。そのため、白色LEDへの応用においては、青色LEDの長波長成分よりも短波長成分によってより強くされる蛍光体を用いることが好ましい。そのような蛍光体を用いると、視感度の高い長波長成分が蛍光体の励起のために消費され難く、かつ、視感度の低い短波長成分が蛍光体の励起に有効活用されることになるからである。
このような蛍光体を用いて白色LEDを構成するときには、青色LEDの光が短波長成分を豊富に含むことが好ましい。LED−Cを高い電流密度で駆動したときのように、である。豊富な短波長成分が蛍光体によって波長の長い、視感度の高い光に変換されるので、明るい白色LEDが得られる。
図11は上記手順により作製した発光ピーク波長約440nmのm面InGaN−LED(活性層面積:68400μm)である青LED(LED−D)に、パルス電流を印加したときの発光スペクトルである。パルス周期は100msec、パルスオン時にLEDに印加される順方向電流は100mAで、パルス幅は1msecから90msecまで変化させている。
図11に示すLED−Dの発光スペクトルは、青LEDであるという点で共通(ただし、発光ピーク波長は異なる)するLED−CにCWモードで電流印加した場合(図8)とは対照的である。図11ではパルス幅が10msec(平均電流10mA)と90msec(平均電流90mA)のときの発光スペクトルの短波長側の半値波長は同じ426nmであるのに、LED−CにCWモードで10mAと80mAの電流を印加したときの発光スペクトルの短波長側の半値波長はそれぞれ441nmと434nmである。
図11における発光スペクトルの変化の傾向は、LED−Dを定電流駆動しながら環境温度を上昇させたときの変化とよく似ていた。このことは、図11における発光スペクトルの変化にはパルス幅の変化だけではなく、それに伴う素子温度の変化が寄与している可能性を示唆している。ヒートシンクの容量を大きくする、あるいは、冷却機構を用いることによって、LEDの温度変化をより小さく抑えれば、光量変化に伴う発光スペクトルの変化はより小さくなる可能性がある。
10、110、210 m面GaN基板
20、120、220 積層構造
E1 n側電極
E2、E2a、E2b p側電極

Claims (4)

  1. 紫LEDと、該紫LEDの光量を制御する制御システムと、該紫LEDにより励起される蛍光体とを備える発光装置において、
    該制御システムは、該紫LEDに供給される電流を所定レベルに調整する電流値制御回路と、該紫LEDに供給される電流のオン時間とオフ時間の比率を調整するデューティ比制御回路とを備え、
    該紫LEDの光量は、該デューティ比制御回路により該比率を調整することにより調節され、
    該紫LEDは、該所定レベルの電流が印加されたときの発光スペクトルのピーク波長を395〜410nmの範囲内に有するm面InGaN−LEDであり、
    該蛍光体には、Eu付活アルミン酸塩系青蛍光体、Eu付活ハロリン酸塩系青蛍光体およびEuおよびMn付活アルミン酸塩系緑蛍光体から選ばれる一種以上の蛍光体が含まれる、
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 青LEDと、該青LEDの光量を制御する制御システムと、該青LEDにより励起される蛍光体とを備える発光装置において、
    該制御システムは、該青LEDに供給される電流を所定レベルに調整する電流値制御回路と、該青LEDに供給される電流のオン時間とオフ時間の比率を調整するデューティ比制御回路とを備え、
    該青LEDの光量は、該デューティ比制御回路により該比率を調整することにより調節され、
    該青LEDはm面InGaN−LEDであり、
    該所定レベルの電流が該青LEDに供給されるときの該青LEDの活性層における電流密度が117A/cm以上であり、
    該蛍光体には、該所定レベルの電流が供給されるときの該青LEDの発光スペクトルの短波長側の半値波長をλ1、長波長側の半値波長をλ2としたとき、励起スペクトルのλ1における強度がλ2における強度よりも高い蛍光体が含まれる、
    ことを特徴とする発光装置。
  3. 励起スペクトルのλ1における強度がλ2における強度よりも高い蛍光体が、Euを付活剤に含む蛍光体を含む、請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記m面InGaN−LEDが、m面GaN系半導体基板を用いたm面InGaN−LEDである、請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置。
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