JP4096977B2 - 白色発光装置、発光デバイス及び蛍光物質 - Google Patents
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Description
また、近年では、紫外域から可視光の短波長側で効率よく発光可能な発光素子として窒化物半導体を用いたものが開発されている。この発光素子では、窒化物半導体(例えば、InGaN混晶)を活性(発光)層とした量子井戸構造で10カンデラ以上の青色、緑色LEDが開発されて製品化されつつある。
またさらに、このようなLEDチップ(発光素子)からの光と、その光により励起され蛍光を発する蛍光物質との組合せにより白色を含めた混色表示が可能となった。
このような発光ダイオードは例えば、特許文献1(特開平5−152609号)、特許文献2(特開平9−153645号)、特許文献3(特開平10−242513号)などに開示されている。
したがって、2以上の種類の蛍光物質を用いた従来の発光デバイスにおいても、発光素子の発光波長がばらつきが発光デバイスの色度に影響を与えることになり、発光デバイスの色度ズレを十分抑制することは困難であった。
特に、長波長の紫外線領域や可視光の短波長領域で励起することができ、十分な輝度で赤色の発光が可能な蛍光物質は知られていない。
したがって、従来の発光デバイスでは、演色性が良好でかつ色度変化を抑えることができる発光デバイスを提供することが困難であった。
380nm〜485nmの発光ピーク波長と575nm〜630nmの発光ピーク波長との少なくとも2以上の発光ピークを有し、前記2以上の発光ピークのうちの少なくとも2つのピークは補色関係にある第1の蛍光物質と、
前記第1の蛍光物質の発光により励起され、前記発光素子及び前記第1の蛍光物質とは異なる発光スペクトルを有する第2の蛍光物質と、
を有することを特徴とする。
ここで、本発明において、“2つのピークが補色関係にある”とは、その一方のピーク波長の光と他方のピークの波長光を混合した場合に、白色領域の光が得られることをいい、例えば、青色と黄色、青緑色と赤色などである。尚、ここでいう白色領域には、緑みの白、青みの白、紫みの白、赤みの白及び黄みの白を含む。
以上のように構成された本発明に係る第1の発光デバイスは、半導体発光素子の発光スペクトルが製造バラツキにより変化した場合でも、蛍光物質の発光スペクトルがほとんど変化しないので発光色のバラツキを小さくでき、かつ色調むらを改善することができる。
また、本発明に係る第1の発光デバイスでは、前記発光素子の主発光波長が360nmよりも長波長の紫外領域にあることが好ましく、これにより比較的簡単な構成とでき、量産性よく発光デバイスを製造できる。
このようにすると、長波長の成分を比較的容易に取り出すことができると共に演色性の優れた発光デバイスとすることができる。
このようにすると、白色の発光が可能であると共に所望の中間色の光が高輝度に発光可能な発光デバイスとできる。
これにより、少しのずれでも人間が敏感に感ずることができる白色領域の発光色を、微調整できる。
本発明に係る第2の発光デバイスは、発光素子とその発光素子により励起される蛍光物質とを備えた発光デバイスであって、
前記発光素子は紫外領域から可視光の短波長領域に発光スペクトルを有し、
前記蛍光物質はMg、Ca、Ba、Sr、Znからなる群から選択される1種の元素と、Mn、Fe、Cr、Snからなる群から選択される1種の元素とを含むEuで附活されたアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体であることを特徴とする。
この本発明に係る第2の発光デバイスによって、白色系が高輝度に発光可能でかつ量産性の良い発光デバイスを実現できる。
また、本発明に係る第1と第2の発光デバイスにおいて、前記発光素子は、n型コンタクト層を含むn型窒化物半導体層と、発光層と、p型コンタクト層を含むp型窒化物半導体層が順次積層されてなり、前記p型コンタクト層のほぼ全面に金および白金族元素からなる群から選択された1種を含む金属からなる透光性p電極を有しており、該透光性p電極のシート抵抗Rp(Ω/□)と前記n型コンタクト層のシート抵抗Rn(Ω/□)との関係がRp≧Rnとなるように前記透光性p電極の膜厚と前記n型コンタクト層の膜厚がそれぞれ設定されていることが好ましい。
また、上述の構成において、前記透光性p電極のシート抵抗は10(Ω/□)以上であることが好ましく、これにより、Rp≧Rnとなるシート抵抗Rnを有するn型窒化ガリウム系化合物半導体層が比較的容易に得ることができる。
また、透光性p電極が、金および白金族元素の群から選択された1種と、少なくとも1種の他の元素とから成る多層膜または合金で形成されているときは、透光性p電極のシート抵抗の調節は、金および白金族元素の含有量によって調節することが好ましい。また、金および白金族元素は、短波長の吸収係数が高いため、その含有量が少ないほど光の透過率がよくなり好ましく、20%〜50%含有させることが好ましい。
このように、本発明に用いられる半導体発光素子は、透光性p電極とn型コンタクト層のシート抵抗との関係を上述のように調節することにより、外部量子効率が良好となり高出力化が実現できる。
この際、台座電極の形状は特に限定されず、略矩形、円形などを好適に用いることができるが、台座電極が小さくなると台座周辺部が強く発光する現象が生じる。そこで、前記構成では、台座電極から線上延長導電部を設け、強発光領域を増加させたものである。また、n電極は、n型層を露出させるために行う発光面の切り欠き面積を小さくすることが好ましい。また、延長導電部は2本以上ってもよい。
さらに、本発明に係る第1と第2の発光デバイスでは、前記n電極は前記半導体発光素子の1つの隅部に2つの辺に近接するように設けられ、前記台座電極は前記1つの隅部と対角をなす他の隅部に設けられることが好ましい。
本発明に係る第2の発光デバイスでは、前記蛍光物質が少なくともMn及び/又はClを含むEuで附活されたアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体であることが好ましい。この蛍光物質は、耐光性や、耐環境性に優れ、かつ窒化物半導体発光素子から放出された光を効率よく吸収することができ、しかも白色領域を発光可能であると共に組成によってその発光スペクトルを調整することができる。また、この蛍光物質は、長波長の紫外領域を吸収して黄色や赤色を高輝度に発光可能である。そのため、演色性に優れた発光デバイスを構成できる。なお、アルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体にはアルカリ土類金属クロルアパタイト蛍光体が含まれることは言うまでもない。
本発明に係る第2の発光デバイスでは、前記蛍光物質が(M1−x−yEuxM'y)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質であってもよい(ただし、MはMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、M'はMn、Fe、Cr、Snから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦x≦0.5、0.0001≦y≦0.5である。)。
特に、前記QをClとすると、量産性よく混色光が発光可能な発光デバイスとできる。
これによって、色調の微調整が可能であると共に比較的簡単な構成で演色性の高い白色光の発光が可能な発光デバイスを実現できる。
この場合、特に、前記QがClであると、比較的簡単な構成でより演色性の高い白色光の発光が可能な発光デバイスを実現できる。
前記発光素子は紫外領域から可視光の短波長領域に発光スペクトルを有し、
前記蛍光物質はMg、Ca、Ba、Sr、Znからなる群から選択される1種の元素と、Mn、Fe、Cr、Snからなる群から選択される1種の元素とを含むアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体であることを特徴とする。
この第3の発光デバイスにより、量産性良い白色系が高輝度に発光可能な発光デバイスを提供できる。
特に、蛍光物質が、比較的広い範囲の波長の光に対して光子数が変化しない励起スペクトルを有するので、変化が半導体発光素子の発光スペクトルのバラツキによって生ずる色調むらを改善することができる。
また、比較的簡単な構成で量産性よく発光デバイスを作製することが可能となる。また、長波長の成分を比較的容易に取り出すことができると共に演色性の優れた発光デバイスとすることができる。
さらに、白色光を発光でき、所望の中間色が高輝度で得られ、微妙な色調を調整も可能な発光デバイスとできる。
前記発光素子は、紫外領域から可視光の短波長領域に発光スペクトルを有し、
前記蛍光物質は、前記発光素子と異なる発光スペクトルを有する第一の蛍光物質と、
前記発光素子及び前記第一の蛍光物質と異なる発光スペクトルを有する第二の蛍光物質とを有することを特徴とする。
これにより、前記発光素子の発光スペクトルのバラツキによって生ずる色調むらを改善することができる。
本発明に係る第4の発光デバイスにおいて、前記第二の蛍光物質は、前記発光素子の発光と前記第一の蛍光物質の発光の少なくとも一方の発光により励起されるようにしてもよい。
本構成では、半導体発光素子では励起されないものであっても、第一の蛍光物質の発光により励起され得る蛍光物質を第二の蛍光物質として用いることができる。また、本構成では、半導体発光素子の発光スペクトルのバラツキによる影響を少なくでき、色度ばらつきを抑制でき、色調むらを改善することができる。
これにより、色ずれの少なく、かつ演色性に優れた発光デバイスとすることができる。
また、本発明に係る第4の発光デバイスでは、前記第一の蛍光物質を、前記第二の蛍光物質の発光スペクトルにおけるピーク波長と補色関係にあるピーク波長を有する発光スペクトルを有するように調整してもよい。
このようにすると、少しのずれでも人間が敏感に感ずる白色領域の光を発光デバイスにおいて、発光色の微調整が可能となる。
これにより、所望の中間色を高輝度に発光させることができる。
また、本発明に係る第4の発光デバイスでは、第二の蛍光物質としてセリウム付活イットリウムアルミニウム酸化物系蛍光物質を用いることもできる。
この蛍光物質は、耐光性や、耐環境性に優れ、窒化物半導体を用いて構成した発光素子の発光を効率よく吸収することができる。
(1)(M11−a−bEuaL1b)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、L1はMn、Fe、Cr、Snから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。
(2)(M11−aEua)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5である。
(3)(M11−a−bEuaMnb)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。
(4)(M21−a−cEuaBac)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
ただし、M2はMg、Ca、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5、0.10≦c≦0.98である。
(5)M11−aEuaAl2O4で表される蛍光物質、
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5である。
(6)M11−a−bEuaMnbAl2O4で表される蛍光物質、
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。
(7)M31−a−cEuaCacAl2O4で表される蛍光物質、
ただし、M3はMg、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5、0.10≦c≦0.98である。
(8)M41−aEuaMgAl10O17で表される蛍光物質、
ただし、M4はCa、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5である。
(9)M41−aEuaMg1−bMnbAl10O17で表される蛍光物質、
ただし、M4はCa、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。
(10)(M11−aEua)4Al14O25で表される蛍光物質、
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5である。
(11)ZnS:Cuで表される蛍光物質、
(12)(Zn、Cd)S:Cu、Mnで表される蛍光物質、
(13)Re2O2S:Euで表される蛍光物質、
ただし、ReはSc、Y、La、Gd、Luから選択される少なくとも1種を有する。
特に第二の蛍光物質は、半導体発光素子によって励起された第一の蛍光物質からの光によっても励起されることが可能なのとすることにより、より演色性に優れた発光デバイスとする事ができる。また、比較的簡単な構成で量産性の良い発光デバイスを提供できる。本発明に係る第4の発光デバイスは、長波長の成分を比較的容易に取り出すことができると共に演色性の優れた発光デバイスとすることができる。また、白色の発光が可能であると共に所望の中間色が高輝度で発光でき、微妙な色調の調整が可能な発光デバイスとすることもできる。
また、本発明によれば、蛍光物質の組成によって所望の色味に調整できる発光デバイスを提供できる。
実施の形態1.
本発明に係る実施の形態1の発光デバイスは、
(1)紫外領域にある波長の光を発光する半導体発光素子と、
(2)その発光素子からの紫外光により励起され、補色関係にある2つのピークを持った発光スペクトルを有する少なくとも1種類の蛍光物質(第一の蛍光物質)を含む蛍光物質と、
を組み合わせて構成されて、蛍光物質により発光された光を出射する。
以上のように構成された実施の形態1の発光デバイスは、後述するように、発光素子の発光波長のバラツキによる影響をほとんど受けることなく、蛍光物質の発光スペクトルのみにより発光色が決定されるので、色度ばらつきを少なくでき、量産性及び信頼性に優れるという従来例に比較して極めて有利な効果を有する。
したがって、本実施の形態1の発光デバイスでは、発光素子の発光波長がばらついても発光デバイスの色度ズレとして表われることが少ない。
これに対して、発光素子による発光と蛍光物質による発光との混色により所定の発光色を実現している従来の発光デバイスでは、発光素子の発光波長がばらつきが発光デバイスの色度に直接影響を与えることになるので、発光デバイスの色度ズレとして表われることになる。
特に、半導体発光素子はMOCVD法などを用いて形成するため、同一ウエハ内においてもバラツキが生じ、そのバラツキは蛍光物質の発光スペクトルの変動(バラツキ)に比較して極めて大きい。そのため、半導体発光素子からの光をそのまま利用する発光デバイスでは極めてバラツキの大きい発光デバイスとなる場合がある。
以上のように、本発明に係る実施の形態1の発光デバイスは、紫外光により励起され、補色関係にある2つのピークを持った発光スペクトルを有する第一の蛍光物質を用いて構成されているので、色度ばらつきを極めて小さくできる。
さらに、実施の形態1の発光デバイスは、発光素子の発光波長が経年変化しても発光デバイスとしての発光波長は変化することがないので、信頼性にも優れている。
またさらに、本実施の形態1の発光デバイスでは、後述の実施例により明らかにするように、蛍光物質の組成を目的の色度に応じて調整することが可能であり、発光デバイスの色調調節も簡単である。
また、後述するように、例えば、2つのピーク間にピークのある別の蛍光物質をさらに用いることにより、より所望の色調に近い発光色を実現することもできる。
また、本実施の形態1では、後述の種々の蛍光物質を用いることができる。
例えば、本実施の形態1において、蛍光物質8として、少なくともMnを含むEuで附活されたアルカリ土類金属クロルアパタイト蛍光体(第一の蛍光物質)である(Sr0.96,Eu0.01,Mn0.03)10(PO4)6Cl2と、SrAl2O4:Eu蛍光物質とを用いると、図1に示す発光特性が得られる。
図1中約460nm付近のピークと約580nm付近のピークは、(Sr0.96,Eu0.01,Mn0.03)10(PO4)6Cl2蛍光体によるピークであり、その2つのピークは互いに補色関係にある。また、約520nm付近の発光はSrAl2O4:Eu蛍光体の発光スペクトルを示す。本例では、2つのピークを有する(Sr0.96,Eu0.01,Mn0.03)10(PO4)6Cl2蛍光体により、ほぼ所望の色度とし、より所望の色度に近づけるために、緑色の不足分を緑色の蛍光体であるSrAl2O4:Eu蛍光体で補うことにより、色度調整をしている。
(半導体発光素子)
本発明において半導体発光素子としては、蛍光物質を効率よく励起可能な発光波長を有する光を発光できる発光層を有する半導体発光素子を用いる。
このような半導体発光素子の材料として、BN、SiC、ZnSeやGaN、InGaN、InAlGaN、AlGaN、BAlGaN、BInAlGaNなど種々の半導体を挙げることができる。また、これらの元素に不純物元素としてSiやZnなどを含有させて発光中心としたものを用いることもできる。蛍光物質を効率良く励起できる紫外領域から可視光の短波長を効率よく発光可能な発光層の材料として、窒化物半導体(例えば、AlやGaを含む窒化物半導体、InやGaを含む窒化物半導体としてInXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が特に適している。
まず、サファイア基板の上にバッファ層を形成し、そのバッファ層上に、サファイヤ基板のオリフラ面と略垂直にSiO2をストライプ状に形成する。
続いて、MOCVD法により、n型窒化ガリウムからなる第1のコンタクト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムからなる第1のクラッド層、窒化インジウム・アルミニウム・ガリウムからなる井戸層と窒化アルミニウム・ガリウムからなる障壁層を複数積層した多重量子井戸構造の活性層、p型窒化アルミニウム・ガリウムからなる第2のクラッド層、p型窒化ガリウムからなる第2のコンタクト層を順に積層する。
そして、p型層側からエッチングしてn型コンタクト層の一部の表面を露出させて、p型及びn型の各コンタクト層上にそれぞれ電極形成した後、個々のチップに分割する。これにより、LEDチップを作製できる。
また、窒化物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。しかしながら、所望のキャリア濃度等を所定の値に設定する必要があるので、その場合には、n型窒化物半導体を形成するためには、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、p型窒化物半導体を形成する場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープする。また、この際、窒化物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好ましい。
また、p型コンタクト層上のほぼ全面に形成される透光性p電極上の一部にp側台座電極が形成される。
本発明の発光素子において、図13及び図14に示すように、n電極53は半導体発光素子の少なくとも1つの辺に近接するように形成される。図13及び図14に示す例では、その1つの辺の中央部において、p型層及び活性層の一部をエッチングにより除去することによりn型コンタクト層51が露出した切り欠き部51aを設け、その切り欠き部51aにn電極53を形成する。
したがって、本発明では、延長導電部56の周辺部における輝度の高い発光を効果的に利用することがさらに好ましい。
さらに、本発明では、図15及び図16に示すように、n電極63が前記半導体発光素子の1つの隅部に2つの辺に近接するように設けられ、前記台座電極はn電極63が近接する隅部と対角をなす他の隅部に設けられることがさらに好ましい。
さらに、前記延長導電部66と発光層の縁との間隔は、上述したように輝度の高い発光が得られる領域を十分確保するために、20μm以上50μm以下であることが好ましい。
本実施の形態1の発光デバイスにおいて、蛍光物質は、半導体発光素子の発光により励起され、励起光とは異なる波長の光を効率よく発光できるものを用いるが、本実施の形態1においては、蛍光物質は少なくとも励起領域に紫外領域を含むことが好ましい。また、本実施の形態1において、蛍光物質は、360nmよりも長波長の紫外領域にある半導体発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して、2以上の発光ピークを持った発光スペクトルの光を発光する第一の蛍光物質を含む。その第一の蛍光物質の2以上のピークのうち少なくとも2つのピークは互いに補色関係にあることが好ましい。さらに、第一の蛍光物質の発光スペクトルにおいて、補色関係にある2つの発光ピークは、その一方が発光スペクトルにおける最大発光ピークであり、他方がその最大発光ピークの50%以上であることが好ましい。さらにその補色関係にある2つの発光スペクトルのいずれか1つは、赤色の成分を含むことが好ましい。このような条件を満たす具体的な蛍光物質としては、例えば少なくともMn及び/又はClを含むEuで附活されたアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体が挙げられる。
この蛍光物質は紫外線から比較的短波長の可視光(たとえば、主波長が440nm以下)の光によって励起されることにより、可視光である青色から白色系(たとえば、JIS Z8110の慣用色における白色、或いは系統色名図の基本色となる白色)から赤色の発光色を示す。
図3のCIEの色度図には、後述する実施例1,9,17で用いられる蛍光物質をそれぞれ、365.5.0nmの光により励起した時の発光色を示している。この図3から本願発明に用いられる蛍光物質は、その組成比を変えることで、青色系〜白色系〜赤色系に種々変化させ色調を調整することができることが分かる。
即ち、MがSrの場合、450nm付近にピークを持つEu2+の発光により発光色は青色であるが、M‘のMnでyの値を大きくしていくと、Mnの発光により蛍光物質の発光色は青色〜白色系〜赤色系の発光色を示すようになる。MがCaの場合もEu、Mn量に対応して同様な変化を示すが、MがBaの場合は発光色の変化は少ない。
図4の実線は、後述の実施例9で用いられる蛍光物質の365nm励起による発光スペクトルを示したものである。実施例9で用いられる蛍光物質は、約460nmと約600nmの両方にピークを持った比較的ブロードな発光スペクトルを有することがわかる。
これらの蛍光物質を用いた発光デバイスからは紫外線LEDや紫外線LDで励起されて、約460nm付近のピークと約580nm付近ピークの2つのピークを持った発光スペクトルを有する光を発光することができる。この発光スペクトルにおいて、460nm付近のスペクトル成分と580nm付近のスペクトル成分は互いに補色関係にある。本発明において、より演色性を高くしたい場合には、この少なくともMn及び/又はClを含むEuで附活されたアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体に緑色を発光する蛍光物質としてSrAl2O4:Euを加えることによって更に演色性を高めることができる。
また、蛍光物質の粒径は1μm〜100μmの範囲に調整することが好ましく、より好ましくは5μm〜50μmの範囲に調整する。さらに好ましい範囲は、10μmから30μmである。10μmより小さい粒径を有する蛍光物質は、比較的凝集体を形成しやすい傾向にある。また、上記粒径範囲にすることにより、蛍光物質の光吸収率及び変換効率を高くでき、しかも励起波長の幅を広くできる。このように、光学的に優れた特徴を有する大粒径蛍光物質を含有させることにより、発光素子の主波長周辺の波長の光をも良好に変換し発光することができるとともに、凝集を防止できるので発光デバイスの量産性を向上することもできる。
以下、本発明に係る実施の形態2の発光デバイスについて説明する。
実施の形態2の発光デバイスは、蛍光物質が実施の形態1と異なる他は、実施の形態1と同様に構成される。
本実施の形態2の発光デバイスは、発光素子によって励起されて発光する蛍光物質から発光される光のバラツキ変化幅が、発光素子によって発光された光のバラツキ変化幅より小さくなることを利用して、色ずれの小さい発光デバイスを実現したものである。
(蛍光物質)
本実施の形態2の発光デバイスに用いられる蛍光物質は、半導体発光素子からの発光スペクトルによって効率よく発光可能な第一の蛍光物質と、この第一の蛍光物質及び半導体発光素子と異なる発光スペクトルを有する第二の蛍光物質とを有するものである。また、第二の蛍光物質は、第一の蛍光物質からの発光スペクトルによって励起されることにより発光できる蛍光物質であってもよい。第一の蛍光物質及び第二の蛍光物質は、それぞれ単独で用いることも十分可能なものであるが、本実施の形態2では、第一及び第二の蛍光物質の両方を用いることでより色ずれを少なくし、かつ演色性に優れた発光デバイスを構成している。したがって、以下に述べる蛍光物質には、単独で用いることも十分可能な蛍光物質も含んでいる。本実施の形態2の発光デバイスでは、第一及び第二の蛍光物質はそれぞれの励起源となる波長の光を、効率よく用いることができ、しかもそれら2つの蛍光物質の発光の混色光を用いているので、演色性に優れた発光デバイスが実現できる。
本実施の形態2においては、第一の蛍光物質は少なくとも紫外領域から可視光の短波長に励起領域を有することが好ましい。また、第一の蛍光物質は、360nmよりも長波長の紫外領域及び可視光の短波長領域の発光スペクトルを有する半導体発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して発光させることが可能で、その発光スペクトルにおいて、2以上のピークを有し、その少なくとも2つのピークが互いに補色となるものが好ましい。また、第一の蛍光物質自身が、異なる発光スペクトルを有する2つ以上の蛍光物質により構成されていてもよい。これにより、半導体発光素子の光だけでなく、蛍光物質の光を混色させることができる。このような第一の蛍光物質として好ましい蛍光物質として、少なくともMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される一種を含むM1で代表される元素と、少なくともMn、Fe、Cr、Snから選択される一種を含むL1で代表される元素とを有するEuで附活されたアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体があげられる。
(M11−a−bEuaL1b)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
(M11−aEua)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
(M11−a−cEuaMnb)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
(M21−a−bEuaBac)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質、
M11−aEuaAl2O4で表される蛍光物質、
M11−a−bEuaMnbAl2O4で表される蛍光物質、
M31−a−cEuaCacAl2O4で表される蛍光物質、
M41−aEuaMgAl10O17で表される蛍光物質、
M41−aEuaMg1−bMnbAl10O17で表される蛍光物質、
(M11−aEua)4Al14O25で表される蛍光物質、
ZnS:Cuで表される蛍光物質、
(Zn、Cd)S:Cu、Mnで表される蛍光物質、
Re2O2S:Euで表される蛍光物質があげられる。
ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種、M2はMg、Ca、Sr、Znから選択される少なくとも1種、M3はMg、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種、M4はCa、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種、L1はMn、Fe、Cr、Snから選択される少なくとも1種、ReはSc、Y、La、Gd、Luから選択される少なくとも1種であり、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種である。
(M11−aEua)10(PO4)6Q2 、M31−a−cEuaCacAl2O4、M41−aEuaMgAl10O17は、青色系の発光が、
また、(M11−aEua)4Al14O25、(M21−a−cEuaBac)10(PO4)6Q2は、青緑色系の発光が、
また、M41−aEuaMg1−bMnbAl10O17、M11−aEuaAl2O4、ZnS:Cuは、緑色系の発光が、
また、(Zn、Cd)S:Cu、Mnは黄褐色系の発光が、
Re2O2S:Euは赤色系の発光が、
また、(M11−a−bEuaL1b)10(PO4)6Q2、(M11−a−bEuaMnb)10(PO4)6Q2、M11−a−bEuaMnbAl2O4は、白色系の発光がそれぞれ得られる。
そして、本実施の形態2の発光デバイスでは、上述の半導体発光素子と第一の蛍光物質とに加えて、第二の蛍光物質を用いる。第二の蛍光物質としてYAG系蛍光体を用いた場合、(M11−a−bEuaL1b)10(PO4)6Q2、は白色系に発光する。
特に、400nm程度の比較的長波長の紫外線によっても効率よく高輝度に発光可能であると共に赤色成分をも十分含むことから、平均演色性指数Raが80以上の良好な演色性を得ることもできる。
本実施の形態2の発光デバイスにおいて、第二の蛍光物質は、半導体発光素子及び第一の蛍光物質のいずれの発光スペクトルとも異なる発光スペクトルを有するものである。励起源は半導体発光素子、あるいは第一の蛍光物質、または、半導体発光素子と第一の蛍光物質の両方であってもよい。
第二の蛍光物質が、第一の蛍光物質と同様に、半導体発光素子によって励起されて発光可能なものである場合は、特に第一の蛍光物質と第二の蛍光物質とを区別することはないが、本実施の形態2では、後に述べるように半導体発光素子によって励起されて発光可能な第一の蛍光物質を励起源とすることができる蛍光物質を、第一の蛍光物質と区別するために便宜上名称を変えてある。
この蛍光物質は、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起スペクトルのピークを450nm付近にさせることができる。また、発光ピークも、580nm付近にあり700nmまですそを引くブロードな発光スペクトルを持つ。
Yの一部をGdで置換する場合、Gdへの置換を1割未満にし、且つCeの含有(置換)を0.03から1.0にすることが好ましい。Gdへの置換が2割未満では緑色成分が大きく赤色成分が少なくなるが、Ceの含有量を増やすことで赤色成分を補え、輝度を低下させることなく所望の色調を得ることができる。このような組成にすると温度特性が良好となり発光ダイオードの信頼性を向上させることができる。また、赤色成分を多く有するように調整されたフォトルミネセンス蛍光体を使用すると、ピンク等の中間色を発光することが可能な発光デバイスを構成することができる。
第一及び第二の蛍光物質の粒径の好ましい範囲は、実施の形態1で説明したものと同様であり、その範囲に設定する理由も同様である。
また、粒径の測定方法も実施の形態1と同様である。
以上本発明に係る実施の形態の発光デバイスについて説明したが、本発明では以下のような種々の変形が可能である。
本発明において、蛍光物質を配置する場所は発光素子との位置関係及び発光素子の構成を考慮しながら、種々の場所を選択することができる。
例えば、実施の形態1及び2では、色変換部材80を窓部7の内側に形成したが、図10において符号81で示すように、パッケージ5の凹部の側面に形成するようにしてもよい。この場合、LEDチップ1のp側オーミック電極は透光性を有するものではなく、発光層で発光した光を半導体内に反射させる電極とし、LEDチップ1の側面から光を出射するように構成する。
このように、本発明では、蛍光物質を発光素子から離れて配置しても良いし、直接発光素子に載置してもよい。
また、本実施の形態1及び2では、ニトロセルロースを用いて色変換部材80を形成した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、蛍光物質を含む色変換部材は有機材料である樹脂や無機材料であるガラスなど種々のバインダーにより形成することができる。バインダーとして有機物を使用する場合、具体的材料として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーンなどの耐候性に優れた透明樹脂が適している。特にシリコーンを用いると信頼性に優れ且つ蛍光物質の分散性を向上させることができ好ましい。
また、大きい粒径を有する蛍光物質を付着させる場合、融点が高く超微粉体にできる結着剤、例えば、シリカ、アルミナ、あるいは沈殿法で得られる細かい粒度のアルカリ土類金属のピロりん酸塩、正りん酸塩などを使用することが好ましい。これらの結着剤は、単独、若しくは互いに混合して用いることができる。
更に、本発明において、蛍光物質に加えて拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等が好適に用いられる。これによって良好な指向特性を有する発光デバイスが得られる。
ここで本明細書において拡散剤とは、中心粒径が1nm以上5μm未満のものをいう。1μm以上5μm未満の拡散剤は、蛍光物質からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光物質を用いることにより生じやすい色ムラを抑制することができる。一方、1nm以上1μm未満の拡散剤は、発光素子からの光波長に対する干渉効果が低い反面、光度を低下させることなく樹脂粘度を高めることができる。これにより、ポッティング等により蛍光物質含有樹脂などを配置させる場合、シリンジ内において樹脂中の蛍光物質をほぼ均一に分散させその状態を維持することが可能となり、比較的取り扱いが困難である粒径の大きい蛍光物質を用いた場合でも歩留まり良く生産することが可能となる。このように本発明における拡散剤は粒径範囲により作用が異なり、使用方法に合わせて選択若しくは組み合わせて用いることができる。
更に、本発明において、色変換部材中に蛍光物質に加えてフィラーを含有させても良い。具体的な材料は拡散剤と同様であるが、拡散剤と中心粒径が異なり、本明細書においてフィラーとは中心粒径が5μm以上100μm以下のものをいう。このような粒径のフィラーを透光性樹脂中に含有させると、光散乱作用により発光デバイスの色度バラツキが改善される他、透光性樹脂の耐熱衝撃性を高めることができる。これにより高温下での使用においても、発光素子と外部電極とを電気的に接続しているワイヤーの断線や前記発光素子底面とパッケージの凹部底面と剥離等を防止することができ、信頼性の高い発光デバイスが得られる。更には樹脂の流動性を長時間一定に調整することが可能となり所望とする場所に封止部材を形成することができ歩留まり良く量産することが可能となる。
例えば、蛍光物質及びフィラーは、共に中心粒径が15μm〜50μm、より好ましくは20μm〜50μmとする。このように粒径を調整することにより、各粒子間に好ましい間隔を設けて配置することができる。これにより光の取り出し経路が確保され、フィラー混入による光度低下を抑制しつつ指向特性を改善することができる。
パーフルオロアルキル基(CnF2n+1;n=1〜22)、パークロロアルキル基(CnCl2n+1;n=1〜22)などの直鎖又は分枝を有するパーハロゲン化アルキル基、具体的には、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタクロロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタクロロイソプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナクロロブチル、ノナフルオロブチル、ノナクロロイソブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデカクロロペンチル、ウンデカフルオロペンチル、ウンデカクロロイソペンチル、ウンデカフルオロイソペンチル、トリデカクロロヘキシル、トリデカフルオロヘキシル、トリデカクロロイソヘキシル、トリデカフルオロイソヘキシル、ペンタデカクロロヘプチル、ペンタデカフルオロヘプチル、ペンタデカクロロイソヘプチル、ペンタデカフルオロイソヘプチル、ヘプタデカクロロオクチル、ヘプタデカフルオロオクチル、ヘプタデカクロロイソオクチル、ヘプタデカフルオロイソオクチル、ノナデカクロロノニル、ノナデカフルオロノニル、ノナデカクロロイソノニル、ノナデカフルオロイソノニル、ヘンイコサクロロデシル、ヘンイコサフルオロデシル、ヘンイコサクロロイソデシル、ヘンイコサフルオロイソデシル、トリコサクロロウンデシル、トリコサフルオロウンデシル、トリコサクロロイソウンデシル、トリコサフルオロイソウンデシル、ペンタコサクロロドデシル、ペンタコサフルオロドデシル、ペンタコサクロロイソドデシル、ペンタコサフルオロイソドデシル、ヘプタコサクロロトリデシル、ヘプタコサフルオロトリデシル、ヘプタコサクロロイソトリデシル、ヘプタコサフルオロイソトリデシルなど;
パーフルオロアルケニル基(パーフルオロビニル基、パーフルオロアリル基、パーフルオロブテニル基等)、パークロロアルケニル基などの直鎖又は分枝を有するC2〜C22パーハロゲン化アルケニル基、好ましくは、トリフルオロエチニル、トリクロロエチニル、ペンタフルオロプロペニル、ペンタクロロプロペニル、ヘプタフルオロブテニル、ヘプタクロロブテニルなど;
パーフルオロアルキニル基、パークロロアルキニル基などの直鎖又は分枝を有するC2〜C22パーハロゲン化アルキニル基;
パーフルオロシクロアルキル基(CnF2n-1;n=3〜22、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜6)、パークロロシクロアルキル基(CnCl2n-1;n=3〜22、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜6)などのC3〜C22パーハロゲン化シクロアルキル基、好ましくは、ペンタクロロシクロプロピル、ペンタフルオロシクロプロピル、ヘプタクロロシクロブチル、ヘプタフルオロシクロブチル、ノナクロロシクロペンチル、ノナフルオロシクロペンチル、ウンデカクロロシクロヘキシル、ウンデカフルオロシクロヘキシル、トリデカクロロシクロヘプチル、トリデカフルオロシクロヘプチル、ペンタデカクロロシクロオクチル、ペンタデカフルオロシクロオクチルなど;
パーフルオロシクロアルケニル基(パーフルオロシクロペンテニル基、パーフルオロシクロヘキセニル基など)、パークロロシクロアルケニル基などのC3〜C22、好ましくはC3〜C8、より好ましくはC3〜C6のパーハロゲン化シクロアルケニル基;及び
パーフルオロベンジル基、パーフルオロフェネチル基などのパーハロゲン化アラルキル基が挙げられる。
水素原子を含まないヘテロ環基におけるヘテロ環基としてはピリジル、チエニル、ピロリル、ピリミジニル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、ベンゾフラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ビフェニルなどが挙げられ、これら芳香族基及びヘテロ環基の全ての水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、C1〜C4のパーハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル等)、C1〜C4のパーハロゲン化アルコキシ基(トリフルオロメトキシ等)、C2〜C5のパーハロゲン化アルキルカルボニル基(トリフルオロアセチル等)、C1〜C4のパーハロゲン化アルキレンジオキシ基(ジフルオロメチレンジオキシ等)、C2〜C5のパーハロゲン化アルケニル基(パーハロゲン化ビニル等)、パーハロゲン化フェノキシ基、C2〜C22パーハロゲン化アルキルカルボニルオキシなどの水素原子を含まない置換基で置換されている。水素原子を含まない芳香族基の具体例としては、パーフルオロフェニル基、パークロロフェニル基、パーフルオロナフチル基、パークロロナフチル基、パーフルオロアントラニル基、パークロロアントラニル基、パーフルオロフェナントリル基、パークロロフェナントリル基が挙げられ、水素原子を含まないヘテロ環基としては、パーハロゲン化2−ピリジル基などが挙げられる。
また、C1〜C22パーハロゲン化アルキル基、C2〜C22パーハロゲン化アルケニル基、C2〜C22パーハロゲン化アルキニル基の任意の位置のC−C単結合の間に−O−、−COO−、−CO−、を1個または複数個介在させて、エーテル、エステルまたはケトン構造としてもよい。
X1およびX2は、C、Si、Ge、Sn、PbなどのIVA族原子、P、As、Sb、Biなどの窒素を除くVA族原子、S、Se、Te、Poなどの酸素を除くVIA族原子のいずれかを示し、好ましくはC、S、PまたはSe、より好ましくはCまたはSを示す。
X3は、Si、Ge、Sn、PbなどのIVA族原子、P、As、Sb、Biなどの窒素を除くVA族原子、S、Se、Te、Poなどの酸素を除くVIA族原子のいずれかを示し、好ましくはSを示す。
YはC−Z’(Z’は前記に同じ)、N、P、As、SbまたはBi、好ましくはC−Z’(Z’は前記に同じ)、NまたはPを示す。
Z’は重水素、ハロゲン原子または水素原子を含まないC1〜C22の脂肪族基、好ましくは重水素または直鎖又は分枝を有するC1〜C22のパーハロゲン化アルキル基を示す。
Z''は、H又はZ’を示す。
n1は2または3、好ましくは3を示す。
n2は2〜4、好ましくは2または3、特に3を示す。
n3、n4、n5は0または1である。特にX1、X2またはX3がSの時、n3、n4またはn5は1が好ましく、X1またはX2がCのとき、n3またはn4は0である。
この(1)〜(6)で表される蛍光物質は、例えば、実施の形態1の発光デバイスにおける蛍光物質としては第一の蛍光物質に加えて用いられ、例えば、実施の形態2の発光素子における蛍光物質としては、第一の蛍光物質又は第二の蛍光物質として用いることができる。
LEDチップ1の素子構造としてはサファイア基板上に、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、n型クラッド層となるSiが含有されたAlGaN層、次に発光層として井戸層を構成するAlInGaN層、井戸層よりもAl含有量が多いバリア層となるAlInGaN層を1セットとし5セット積層させた多重量子井戸構造とする。発光層上にはMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、静電耐圧を高めるGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させて構成する。なお、サファイヤ基板上には低温でGaN層を形成させバッファ層とさせてある。また、p型半導体は、成膜後400℃以上でアニールする。
次に、 1辺10μmの正三角形のフォトマスクを使用し、正三角形の一辺がオリフラと垂直になるようにフォトマスクをあわせ、正三角形の各辺をサファイアの(1−100)面、(01−10)面、(−1010)面、すなわちM面にほぼ平行になるようし、図11B、図11Cに示されるようにSiO2膜30とサファイア基板10をRIEで約1μmエッチングした後、図11Dに示されるようにSiO2膜30を除去すると、サファイア基板10の表面部分には凹部20の繰り返しパターンが形成される。
ここで、上記括弧内におけるバー(−)は、そのバーの直後に位置する数字の上に付すべきバーを意味する。
次に、n型コンタクト層、およびn型窒化ガリウム系化合物半導体層を形成する。まず、1050℃で、同じく原料ガスTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを4.5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn型コンタクト層を2.25μmの膜厚で成長させる。次に、シランガスのみを止め、1050℃で、TMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaN層を75Åの膜厚で成長させ、続いて同温度にてシランガスを追加しSiを4.5×1018/cm3ドープしたGaN層を25Åの膜厚で成長させる。このようにして、75ÅのアンドープGaNからなるA層と、SiドープGaN層を有する25ÅのB層とからなるペアを成長させる。そしてペアを25層積層して2500Å厚として、超格子構造の多層膜よりなるn型窒化ガリウム系化合物半導体層を成長させる。
次に、アンドープGaNよりなる障壁層を250Åの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用いアンドープIn Ga Nよりなる井戸層を30Åの膜厚で成長させる。そして、障壁+井戸+障壁+井戸+……+障壁の順で障壁層を7層、井戸層を6層、交互に積層して、総膜厚1930Åの多重量子井戸構造よりなる活性層を成長させる。
次に、p側多層膜クラッド層及びp型コンタクト層からなるp型層を形成する。まず、温度1050℃でTMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第3の窒化物半導体層を40Åの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたIn0.03Ga0.97Nよりなる第4の窒化物半導体層を25Åの膜厚で成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第3+第4のい順で交互に5層ずつ積層し、最後に第3の窒化物半導体層を40Åの膜厚で成長させた超格子構造の多層膜よりなるp側多層膜クラッド層を365Åの膜厚で成長させる。続いて1050℃で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層を700Åの膜厚で成長させる。
サファイア基板10に対し、GaNの格子は30度ずれて成長するので、サファイア基板10につけた凹部20の繰り返しパターンはGaNのA面(11−20)、(1−210)、(−2110)面にほぼ平行の辺を持ち、GaNの成長安定面(1−100)、(01−10)、(−1010)に頂点が在り、GaNの成長安定面(1−100)、(01−10)、(−1010)、すなわちM面に平行な直線のない多角形になる。
次に、エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。具体的には、ウェーハを反応容器から取り出し、表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応イオンエッチング)装置にてp型窒化ガリウム系化合物半導体層側からエッチングを行い、n型コンタクト層の表面を露出させる。
各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いて正負各台座電極をそれぞれ形成させる。なお、p型窒化物半導体上の全面には金属薄膜を透光性電極として形成させた後に、透光性電極の一部に台座電極を形成させてある。具体的には、エッチング後、p型層のほぼ全面を覆うように、膜厚110Åの透光性p電極(Ni/Au=60/50)と、そのp電極の上に膜厚0.5μmのAuよりなり、延長導線部を3本有する台座電極を発光素子の角部に辺に沿って形成する。一方、エッチングにより露出させたn側コンタクト層の表面には、前記台座電極と対向するようにWとAlを含むn電極を形成する。
次にn電極を形成するために、MgドープのGaNからp型半導体層と活性層及びn型半導体層の一部までをエッチングし、SiドープのGaN層を露出させる。
次に1辺5μmの正三角形であって、図12に示すような正三角形が単位面積当たりで最も密に充填されるようなパターニングのフォトマスクを使用し、Ni/Auからなる透光性のp電極を、p型半導体層表面のほぼ全面に正三角形の形状で形成する。
さらに透光性のp電極上において、n型半導体層の露出面と対向する位置にPt/Auからなるpパッド電極を形成し、n型半導体層の露出面にTi/Alからなるn電極およびPt/Auからなるnパッド電極を形成する。
これによって得られる半導体発光素子は、p電極の周縁近傍が他の部分よりも強く光という性質から、発光出力が向上した。
異なる実施の形態としては、基板の加工及びn型半導体層からp型半導体層までの積層は、上述と同様である。
次に1辺5μmの正三角形であって、図12に示すような正三角形が単位面積当たりで最も密に充填されるようなパターニングのフォトマスクを使用し、Rhからなるp電極104を、p型半導体層表面のほぼ全面に正三角形の形状で形成する。
さらにp電極104上において、n型半導体層の露出面と対向する位置にPt/Auからなるpパッド電極105を形成し、n型半導体層の露出面にTi/Alからなるn電極及びPt/Auからなるnパッド電極103を形成する。
最後にウエハをチップ化し、半導体発光素子を得る。この発光素子を上面から見ると図12に示すようになる。
原料を秤量しボールミル等の混合機によって乾式で充分に混合する。この混合原料をSiC、石英、アルミナなどの坩堝に詰め、N2,H2の還元雰囲気中にて960℃/hrで1200℃まで昇温し、恒温部1200℃で3時間焼成する。得られた焼成品を水中で粉砕、分散、篩過、分離、水洗、乾燥して目的の蛍光体粉末を得る。
本発明の蛍光物質にかえて、同じ色度を出すために発光色が青色のBaMg2Al16O27:Eu、発光色が緑色のBaMg2Al16O27:Eu:Mn、発光色が赤色のY2O2S:Euを混合して、実施例1と同じ色度にしたものを100%とした以外は実施例1と同様にして発光デバイスを構成し、発光輝度を比較する。比較例1の発光輝度を100%とすると400nmの励起による実施例1の発光デバイスでは約237%となる。365nmの励起による発光デバイスでは赤みの白色を発光し発光輝度は約157%となる。
実施例2〜17では、実施例1の蛍光物質を表1に示す蛍光物質に代えた以外は実施例1と同様にして発光デバイスを作製した。
その結果を、表2に示す。
また、実施例9〜16では、原料としてCaHPO4、CaCO3、Eu2O3、MnCO3、NH4Clを用いて、表1に示す蛍光物質の組成となるように調整した。
例えば、実施例9では、CaHPO4:1000g、CaCO3:441.4g、Eu2O3:21.6g、MnCO3:47.5g、NH4Cl:157.3gとなるように、上記原料を秤量してボールミル等の混合機によって乾式で充分に混合する。そして、この混合した原料をSiC、石英、アルミナなどの坩堝に詰め、N2,H2の還元雰囲気中にて960℃/hrで1200℃まで昇温し、恒温部1200℃で3時間焼成する。得られた焼成品を水中で粉砕、分散、篩過、分離、水洗、乾燥して目的の蛍光体粉末を得る。
また、実施例10〜16では、実施例9のCaCO3、MnCO3の量を変えた以外は実施例9と同様にして蛍光物質を作製した。
さらに、実施例17では、原料としてBaHPO4、BaCO3、Eu2O3、MnCO3、NH4Clを用い、表1に示した組成になるように調整した。
また、実施例18〜25では、実施例1の蛍光物質を表3に示す蛍光物質に代えた以外は実施例1と同様にして発光デバイスを作製した。
その結果を、表4に示す。
具体的には、実施例18の例では、SrHPO4:1000g、SrCO3:134.0g、BaCO3:376.2g、CaCO3:45.4g、Eu2O3:16.0g、MnCO3:35.2g、NH4Cl:116.5gとなるように、原料を秤量して、ボールミル等の混合機によって乾式で充分に混合する。
この混合した原料をSiC、石英、アルミナなどの坩堝に詰め、N2,H2の還元雰囲気中にて960℃/hrで1200℃まで昇温し、恒温部1200℃で3時間焼成する。得られた焼成品を水中で粉砕、分散、篩過、分離、水洗、乾燥して目的の蛍光体粉末を得る。
その結果を、表6に示す。
また、実施例28では、SrHPO4、SrCO3、BaCO3、CaCO3、Eu2O3、MnCO3、NH4Cl、Cr2O3を原料として用い、その原料を表5に示す組成となるように秤量して、以下、実施例26と同様にして蛍光物質を得た。
また、実施例29では、SrHPO4、SrCO3、BaCO3、CaCO3、Eu2O3、MnCO3、NH4Cl、Cr2O3を原料として用い、その原料を表5に示す組成となるように秤量して、以下、実施例26と同様にして蛍光物質を得た。
実施例30では、実施例1と同じ蛍光物質が50wt%含有されたシリコーンを用いて色変換部材を構成する以外は実施例1と同様にして発光デバイスを形成する。
この実施例30の発光デバイスは、実施例1と比較して時間と共に出力低下が生じやすいものの量産性よく形成することができる。
実施例31では、実施例1と同じ蛍光物質が50wt%含有されたシリカ−ゲルを塗布して色変換部材を形成する以外は実施例1と同様にして発光デバイスを形成する。
この実施例31の発光デバイスは、実施例1と同様の効果を得ることができる。
さらに、実施例32〜43では、実施例1の蛍光物質を表7に示す蛍光物質に代えた以外は実施例1と同様にして発光デバイスを作製した。
その結果を、表8に示す。
実施例32の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Brに変更して調整した。
実施例33の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの全部をNH4Brに変更し調整した。
実施例34の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Fに変更し調整した。
実施例35の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの全部をNH4Fに変更し調整した。
実施例36の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Iに変更し調整した。
実施例37の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4FとNH4Brに変更し調整した。
実施例38の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4FとNH4Iに変更し調整した。
実施例39の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4BrとNH4Iに変更し調整した。
実施例40の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4F,NH4BrとNH4Iに変更し調整した。
実施例41の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4FとNH4Brに変更し調整した。
実施例42の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4FとNH4Iに変更し調整した。
実施例43の蛍光物質は、実施例7の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4IとNH4Brに変更し調整した。
その結果を、表10に示す。
実施例44の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの全部をNH4Brに変更し調整した。
実施例46の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Fに変更し調整した。
実施例47の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの全部をNH4Fに変更し調整した。
実施例48の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Iに変更し調整した。
実施例49の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4FとNH4Brに変更し調整した。
実施例50の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4FとNH4Iに変更し調整した。
実施例51の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4BrとNH4Iに変更し調整した。
実施例52の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4F, NH4BrとNH4Iに変更し調整した。
実施例53の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4FとNH4Brに変更し調整した。
実施例54の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4FとNH4Iに変更し調整した。
実施例55の蛍光物質は、実施例15の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4IとNH4Brに変更し調整した。
その結果を、表12に示す。
実施例56の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Brに変更し調整した。
実施例57の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの全部をNH4Brに変更し調整した。
実施例58の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Fに変更し調整した。
実施例59の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの全部をNH4Fに変更し調整した。
実施例60の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの半分をNH4Iに変更し調整した。
実施例61の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4FとNH4Brに変更し調整した。
実施例62の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4FとNH4Iに変更し調整した。
実施例63の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4BrとNH4Iに変更し調整した。
実施例64の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4Clの一部をNH4F,NH4BrとNH4Iに変更し調整した。
実施例65の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4FとNH4Brに変更し調整した。
実施例66の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4FとNH4Iに変更し調整した。
実施例67の蛍光物質は、実施例24の蛍光物質を作製する際に用いる原料のうち、NH4ClをNH4IとNH4Brに変更し調整した。
実施例68.
実施例68では、実施例9の(Ca0.93,Eu0.5,Mn0.02)10(PO4)6Cl2蛍光体に、第2の蛍光体として発光色が緑色のSrAl2O4:Eu蛍光体を加え用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例69.
実施例69では、実施例68の2種類の蛍光体に、第3の蛍光体として発光色が青色の(Ca0.93,Eu0.5)10(PO4)6Cl2蛍光体を加え用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例70.
実施例70では、実施例69の3種類の蛍光体に、第4の蛍光体として発光色が赤色のLa2O2S:Eu蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例71.
実施例71では、実施例68の2種類の蛍光体に、第3の蛍光体として発光色が青色の(Sr0.93,Eu0.5)10(PO4)6Cl2蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例72.
実施例72では、実施例71の3種類の蛍光体に、第4の蛍光体として発光色が赤色のLa2O2S:Eu蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例73.
実施例73では、原料としてCaHPO4、CaCO3、Eu2O3、MnCO3、NH4Clを用い(Ca0.88,Eu1.0,Mn0.02)10(PO4)6Cl2の組成比となるように調整、混合して得られた蛍光体と、第2の蛍光体として発光色が青緑色のSr4Al14O25:Eu蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例74.
実施例74では、実施例73の2種類の蛍光体に、第3の蛍光体として(Ca0.93,Eu0.5)10(PO4)6Cl2蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例75.
実施例75では、実施例74の3種類の蛍光体に、第4の蛍光体として発光色が赤色のLa2O2S:Eu蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例76.
実施例76では、実施例73の2種類の蛍光体に、第3の蛍光体として発光色が青色の(Sr0.93,Eu0.5)10(PO4)6Cl2蛍光体を加え用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
実施例77.
実施例77では、実施例71の3種類の蛍光体に、第4の蛍光体として発光色が赤色のLa2O2S:Eu蛍光体を加えて用いた以外は同様にして発光デバイスを作製する。
この表14の第一の蛍光物質の欄において、例えば、実施例1と記載されている欄は、実施例1と同一の蛍光物質を用いていることを示している。
表14に示すように、実施例78〜154はそれぞれ、実施例1〜77と同一の蛍光物質を第一の蛍光物質として用い、その第一の蛍光物質に対してさらに、第二の蛍光物質として、Y3Al5O12:Ce(YAG:Ce)を用いて構成した発光デバイスである。
また、第二の蛍光物質は、原料酸化物であるY2O3、Gd2O3、CeO2と、フッ化物などのフラックスを乾式混合して坩堝に詰め、還元雰囲気中で1400℃で3〜7時間焼成して得られる焼成品をボールミルして、洗浄、分離、乾燥工程を経て最後に篩を通して得られる。
以上のようにして作製された実施例78の発光デバイスは、図9のような発光スペクトルを有し、表14に示すように、色度座標が(x,y)=(0.360、0.370)の白色系発光であり、20mAで作動時の発光輝度は24(lm/W)である。
表14には、実施例78〜154の各実施例の特性(色度座標と20mAで作動時の発光輝度)を示す。
以上の実施例1〜154では、365nm励起の時の色度のみを示したが、実施例1〜154ではそれぞれ、400nm励起の場合の色度も、365nm励起の時の色度とほぼ同様の値を示した。
以上の実施例で説明したように、本発明によれば、演色性が良好でかつ色度変化を抑えることができる発光デバイスを提供できる。
また、本発明によれば、紫外域から可視光の短波長側の光で蛍光物質を励起した場合において、蛍光物質の組成によって所望の色味に調整できる。
したがって、本発明によれば、信号灯、照明、ディスプレイ、インジケータや各種光源などに使用可能な優れた発光デバイスを提供できる。
Claims (10)
- 340nm〜440nmの波長領域に発光ピークを有する発光素子と、
380nm〜485nmの発光ピーク波長と575nm〜630nmの発光ピーク波長との少なくとも2以上の発光ピークを有し、前記2以上の発光ピークのうちの少なくとも2つのピークは補色関係にある第1の蛍光物質と、
前記第1の蛍光物質の発光により励起され、前記発光素子及び前記第1の蛍光物質とは異なる発光スペクトルを有する第2の蛍光物質と、
を有することを特徴とする白色発光装置。 - 前記白色発光装置が放出する白色光が、前記発光素子が放出する可視光成分を含まないことを特徴とする請求項1に記載の白色発光装置。
- 前記発光素子は、InGaN活性層を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の白色発光装置。
- 前記第1の蛍光物質は、EuとMnが含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の少なくともいずれか一項に記載の白色発光装置。
- 前記第1の蛍光物質は、Mg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種が含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の少なくともいずれか一項に記載の白色発光装置。
- 発光素子とその発光素子が発光する光により励起される蛍光物質とを備えた発光デバイスであって、
前記発光素子は340nmから440nmの紫外領域から可視光の短波長領域に発光スペクトルを有し、
前記蛍光物質は、
一般式(M1 1−a−b Eu a L1 b ) 10 (PO 4 ) 6 Q 2 (ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種、L1はMn、Fe、Cr、Snから選択される少なくとも1種、QはF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種であり、0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。)で表される組成を有する第1の蛍光物質と、
前記第1の蛍光物質の発光により励起され、前記発光素子及び前記第1の蛍光物質とは異なる発光スペクトルを有する第2の蛍光物質とを有することを特徴とする発光デバイス。 - 前記発光デバイスは、さらに、Mg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Alと、Euと、を有する酸化物の蛍光物質を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
- 前記発光デバイスは、さらに、
(1)(M11−a−bEuaL1b)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質(ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、L1はMn、Fe、Cr、Snから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。)、
(2)(M11−aEua)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質(ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5である。)、
(3)(M11−a−bEuaMnb)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質(ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。)、
(4)(M21−a−cEuaBac)10(PO4)6Q2で表される蛍光物質(ただし、M2はMg、Ca、Sr、Znから選択される少なくとも1種と、Qはハロゲン元素のF、Cl、Br、Iから選択される少なくとも1種とを有する。0.0001≦a≦0.5、0.10≦c≦0.98である。)、
(5)M11−aEuaAl2O4で表される蛍光物質(ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5である。)、
(6)M11−a−bEuaMnbAl2O4で表される蛍光物質(ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。)、
(7)M31−a−cEuaCacAl2O4で表される蛍光物質(ただし、M3はMg、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5、0.10≦c≦0.98である。)、
(8)M41−aEuaMgAl10O17で表される蛍光物質(ただし、M4はCa、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5である。)、
(9)M41−aEuaMg1−bMnbAl10O17で表される蛍光物質(ただし、M4はCa、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5、0.0001≦b≦0.5である。)、
(10)(M11−aEua)4Al14O25で表される蛍光物質(ただし、M1はMg、Ca、Ba、Sr、Znから選択される少なくとも1種を有する。0.0001≦a≦0.5である。)、
(11)ZnS:Cuで表される蛍光物質、
(12)(Zn、Cd)S:Cu、Mnで表される蛍光物質、
(13)Re2O2S:Euで表される蛍光物質(ただし、ReはSc、Y、La、Gd、Luから選択される少なくとも1種を有する。)、
からなる群から選択される少なくとも1つの蛍光物質を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。 - 前記(M11−a−bEuaL1b)10(PO4)6Q2の蛍光物質は少なくとも2つのピークを有しており、この2つのピークの間の光を補う別の蛍光物質を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
- 前記発光デバイスは、さらに、Y又はTbを含むアルミニウム酸化物蛍光物質を含むことを特徴とする請求項6に記載の発光デバイス。
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