JP4075321B2 - 集積型窒化物半導体発光素子 - Google Patents

集積型窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大面積の色変換型窒化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化ガリウム系化合物半導体を用いて構成された発光素子を用いて、白色発光光源が開発され、使用されるようになってきている。
【0003】
例えば、それぞれ赤色、緑色、青色の光が発光可能な3種類の発光ダイオードを載置し、これらの混色により白色光を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの発光素子がそれぞれ異なる材料を用いて形成されている場合、各発光素子の駆動電力等が異なり個々に所定の電圧を印可する必要があり、駆動回路が複雑になる。また、発光素子が半導体発光素子であるため、個々に温度特性や経時変化が異なり、色調が使用環境によって変化する。更には、各発光素子によって発生される光を均一に混色させることが極めて困難であり、色むらを生ずる場合がある。また、各素子の配置精度の違いにより指向特性が変化したり、色むらを抑制するために互いの素子を近接に配置させるにも限界があり、良好な光学特性が得られにくかった。
【0005】
そこで近年、窒化ガリウム系化合物半導体を用いて構成された発光素子チップと蛍光体とを組み合わせた、白色光の発光が可能な発光光源(白色発光ダイオード)が開発され使用されている。この白色発光ダイオードは、例えば、青色光を発光する発光素子チップと、前記青色光の一部を吸収し波長変換することが可能な蛍光体とを組み合わせ、前記青色光と蛍光体により波長変換された光との混色により、白色の光を発光させるものである。
【0006】
しかしながら、照明用発光素子が求められている現在において、前記のような白色発光ダイオードは発光面積が小さく、更に広い発光面積を有する発光素子が求められている。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題を解決し、大面積で均一に発光し、且つ混色性に優れた集積型窒化物半導体発光素子を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子は、同一基板上に複数の発光素子が並置されており、前記複数の発光素子はそれぞれ同一の材料からなる半導体層を有し、前記半導体層は、前記同一基板上に形成されたn型窒化ガリウム系化合物半導体層が分離溝によって分離されてなる長方形のn層と、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層と、p型窒化ガリウム系化合物半導体からなるp層とにより構成されてなる集積型窒化物半導体発光素子であって、前記n層の一方の長辺と2つの短辺は、それぞれ前記発光層及び前記p層の一方の長辺と2つの短辺と近接しており、前記n層の他方の長辺と前記p層の他方の長辺との間のn層上に前記p層の長辺と実質的に同一の長さを有するn側オーミック電極を、前記p層上のほぼ全面にp側オーミック電極を、前記p側オーミック電極上にpパッド電極をそれぞれ備え、前記p層の一方の長辺と前記n側オーミック電極との間隔が250μm以下であり、前記発光層は青色の光を発光し、前記発光素子は、基板上に3個設けられ、半導体層側の上面に、前記発光層から発光される光の少なくとも一部を吸収して赤色に発光することが可能な赤色の蛍光体が設けられた第1の発光素子と、半導体層側の上面に前記発光層から発光される光の少なくとも一部を吸収して緑色に発光することが可能な緑色蛍光体が設けられた第2の発光素子と、発光層で発光した波長の光が取り出される該第3の発光素子とを有し、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子との間に前記第3の発光素子が配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子は、前記複数の発光素子は、前記pパッド電極上と前記n側オーミック電極上にスルーホールを有する絶縁性保護膜によって覆われており、前記スルーホールを介して複数の発光素子のn側オーミック電極間が第1接続電極によって接続され、前記スルーホールを介して複数の発光素子のpパッド電極間が第2接続電極によって接続されることを特徴とする。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子は、信頼性に優れ、且つ大面積において高輝度且つ均一に発光することが可能である。本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子においては、発光の均一性及び発光効率を劣化させることなく、各発光素子を一方向(長手方向)に十分長くすることができるので、発光面積を大きくでき且つ発光効率を高くできる。
【0010】
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子では、各発光素子においてより均一な発光を可能にし且つより発光効率を高くするために、前記p層の一方の長辺と前記n側オーミック電極との間隔を220μm以下に設定することがさらに好ましい。
【0011】
請求項2に記載の集積型窒化物半導体素子は、同一基板上に発光素子が3個一組で配置されており、前記1組から異なる3色の画素が得られることを特徴とする。
【0012】
これにより、演色性に優れた発光素子が得られる。また、それぞれの発光素子に配置される蛍光体の種類及び量を調整することにより、あらゆる中間色の光を容易に得ることができる。
【0013】
更に、本発明の集積型窒化物半導体発光素子において、1つの発光素子のp層の一方の長辺と、隣り合う他の発光素子のp層の他方の長辺との間隔は50μm〜150μmであり、より好ましくは50μm〜100μmである。このように本発明の集積型窒化物半導体発光素子は、異なる光を発光する素子をアレイ状に配置させた場合に比べ、各発光素子の発光面はそれぞれ飛躍的に近接している。また、前記各発光素子の配置精度は等しいので、良好な指向特性及び混色性が得られる。
【0014】
また、前記各発光素子の画素を、それぞれ赤色、青色、緑色とすると、これら3原色の光混合により、演色性に優れた白色光が得られる。
【0015】
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子において、前記発光層を青色の光を発光するように構成すると、蛍光体の種類や量を調整するだけで、所望とする様々な中間色を容易に得ることができる。
【0016】
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子において、前記発光層を紫外領域の光を発光するように構成すると、蛍光体の発光のみが観測されるため、色むらを防止することができる。
【0017】
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子は、前記複数個の発光素子を直列に接続するように構成してもよい。このように構成することにより、前記素子端面から発光された光は、直列に接続するために形成された接続電極にて反射され、上面方向に取り出される。これにより、高い信頼性を有しつつ各画素間を最小限にすることができ、各画素が異なる色を発光する場合、混色性に優れた集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0018】
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子では、前記複数の発光素子を並列に接続するように構成してもよい。このように構成すると、蛍光体を各素子のp層端面からn層端面にかけて配置させることができ好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者は、集積型窒化物半導体素子に色変換層を設けた際に生じる色むらは、個々の素子間の色バラツキが原因と考え、これを解決するため単に1つの素子の発光面積を大きくしたところ、以下のような問題が生じた。
【0020】
窒化物半導体発光素子は、通常、サファイア基板の上にn型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体発光層、p型窒化ガリウム系化合物半導体層が順次積層され、p側の層及び発光層の一部を除去して露出させたn型窒化ガリウム系化合物半導体層上にn側オーミック電極が形成され、p型窒化ガリウム系化合物半導体層上にp側オーミック電極が形成されて構成される。
【0021】
ここで、特に窒化物半導体発光素子では、p型窒化ガリウム系化合物半導体の抵抗が比較的高いために、p型窒化ガリウム系化合物半導体層のほぼ全面にp側のオーミック電極を形成することにより発光層全体に電流が注入されるように構成している。また、窒化物半導体発光素子では、上述のようにn型窒化ガリウム系化合物半導体層上の一部にn側の電極を形成する必要がある。このため、発光層全体に電流が注入されるようにn型窒化ガリウム系化合物半導体層の1つの隅部にn側のオーミック電極を形成し、その1つの隅部と対角を成すp側オーミック電極の他の隅部にp側のパッド電極を形成している。
【0022】
すなわち、窒化物半導体発光素子では、絶縁性のサファイア基板を用いて構成されていること、及びp型窒化ガリウム系化合物半導体の抵抗値が比較的大きいという、例えば、GaAs系等の他の発光素子とは異なる事情があるために、p側オーミック電極をp型窒化ガリウム系半導体層のほぼ全面に設けかつn側のオーミック電極とp側のパッド電極とが対角を成す位置に形成されるという独特の構成により、発光層全体に電流が注入されるようにしている。
【0023】
しかしながら、上述の構成(電極構成)は、1つの発光素子チップが、例えば、300μm×300μm以下の大きさである場合には発光層にほぼ均一に電流を注入することができるが、300μm×300μmを越える大きさになると発光層に注入される電流が不均一になるという問題点が明らかになった。このため、上記構成を相似形で大きくすることによって大面積の発光素子を構成し、前記大面積の発光素子と蛍光体とを組み合わせて白色発光ダイオードを形成しても、均一な発光は得られなかった。
【0024】
そこで、本発明は、上記課題を解決し、大面積且つ均一に発光することが可能な集積型窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態の集積型窒化物半導体発光素子について説明する。
【0026】
本実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子は、図1に示すように、例えば、1000μm×1000μmのサファイア基板11上に長方形である第1発光素子1,第2発光素子2,及び第3発光素子3を互いに平行に配置し且つ各発光素子の幅をある一定の値以下に設定されている。これにより、各素子の発光層に均一に電流が流れる。このような発光素子の半導体層側に蛍光体を配置させることにより、全体としての発光効率を向上させ大面積にて均一に発光することが可能な色変換型発光素子が得られる。
【0027】
これらの構成部材について、以下に詳述する。
実施の形態1
(発光素子1,2,3)
本実施の形態の集積型窒化物半導体発光素子100は、1つの同一基板上に第1発光素子1、第2発光素子2、及び第3発光素子3が並置されてなる。これらの発光素子は同一材料からなる半導体層を有し、種々の蛍光体物質を効率よく励起できる比較的バンドエネルギーが高い半導体発光素子が好適に挙げられる。このような半導体素子としては、MOCVD法等により形成された窒化物系化合物半導体が用いられる。窒化物系半導体はInnAlmGa1-n-mN(但し0≦n、0≦m、n+m≦n)を発光層として有する。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルヘテロ構造のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体発光層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多量子井戸構造とすることもできる。
【0028】
本発明の集積型半導体発光素子おいて、白色系を発光させる場合は、蛍光体との補色関係や樹脂の劣化等を考慮して発光素子の主発光ピークは400nm以上530以下が好ましく、より好ましくは420nm以上490nm以下である。発光素子と蛍光体との効率をそれぞれ向上させるためには450nm以上475nm以下に主発光ピークを有する発光素子を用いることが更に好ましい。
【0029】
一方、比較的紫外線に強い樹脂やガラス等を使用し、400nm付近の短波長域を主発光ピークとする紫外線が発光可能な発光素子を用いることもできる。
【0030】
また、本発明の集積型窒化物半導体素子の構成は、窒化ガリウム系化合物半導体の特有の構成において、次のような知見に基づいて改善されたものである。
【0031】
すなわち、窒化ガリウム系化合物半導体を用いて構成された発光素子は、上記したように従来の技術において、n層上の一部にn側オーミック電極を形成し、そのn側オーミック電極に近接してn層上に発光層を介してp層を形成し、さらにそのp層の上のほぼ全面にp側オーミック電極を形成するという独特の構造を有する。
【0032】
このような独特の構成においては、n側オーミック電極から250μm以内の距離にある発光層に注入される電流はほぼ一定であるが、250μm以上離れると急激に減少するわかった。実際には220μmより離れると発光層に注入される電流は徐徐に減少しはじめるが、250μmまでは電流値は実質的に一定とみなすことができる。
【0033】
また、この現象(発光層が250μm以上離れると注入される電流が急激に減少するという現象)は、n層の抵抗値に起因して生じると考えられるが、通常、用いられるn層の抵抗値の範囲においては、変わらないことが確認されている。
【0034】
上述の知見から次のことが言える。
【0035】
n型窒化ガリウム系化合物半導体層の上に、一方向に長い長方形の発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層を形成し発光面積を拡大した場合であっても、n側オーミック電極からの距離を250μm以内とすれば、発光層全体にほぼ均一に電流を注入することができる。
【0036】
具体的には、長方形の発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層の1つの長辺に沿って発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層と同じ長さのn側オーミック電極を形成し、そのn側オーミック電極と発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層の他の長辺との間の距離を250μm以下、より好ましくは220μm以下にすれば、発光層にほぼ均一に電流を注入することができる。
【0037】
本実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子は、上述の考えに基いて構成されたものである。
【0038】
詳細に説明すると、実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子の発光素子1,2,3において、各半導体層及び電極はそれぞれ以下のように形成される。
【0039】
(1)n型窒化ガリウム系化合物半導体層12(n層12)は、例えば、サファイアからなる基板11上のほぼ全面に成長されたn型窒化ガリウム系化合物半導体層が分離溝41により分離されて、平面形状が長方形になるように形成される。
【0040】
ここで、本実施の形態1において、n型窒化ガリウム系化合物半導体層12(n層12)は、好ましくは、図3に示すように、サファイア基板11上に形成された膜厚1.5μmのアンドープGaN層121、膜厚2.2μmのSiドープGaN層122、膜厚3000ÅのアンドープGaN層123、膜厚300ÅのSiドープGaN層124、膜厚50ÅのアンドープGaN層125、多層膜層126の積層構造とする。このようにn層12を上記積層構造とすることにより、順方向電圧Vfを低くできかつ発光効率を良くできる。尚、多層膜層126は、好ましくは、アンドープGaNよりなり膜厚40Åの第1の層と、アンドープIn0.13Ga0.87Nよりなり膜厚20Åの第2の層を交互にそれぞれ10層になるように積層することにより構成する。
【0041】
また、本実施の形態1の積層構造のn層12全体としての抵抗率は、実質的には膜厚2.2μmのSiドープGaN層122により決まり、本実施の形態1においてはこの層122の抵抗率を5.5〜7.2×10−3Ωcmの範囲でかつ膜厚が2.0μm以上に設定することが好ましく、このようにすると発光層10全体により均一に電流を注入することができ、より均一な発光が得られる。
【0042】
尚、GaN層において、3×1018〜6×1018cm−3の範囲でSiをドープすることにより、抵抗率が5.5〜7.2×10−3Ωcmの範囲のSiドープGaN膜を構成できる。
【0043】
(2)発光層10は、n層12とほぼ同一の長さとn層12より狭い幅を有する長方形であって、その1つの長辺がn層12の1つの長辺に実質的に一致するようにn層12上に形成される。このように形成することにより、n層12上に発光層10に沿ってn側オーミック電極を形成するための領域が確保される。
【0044】
ここで、本実施の形態1では、発光層10の幅は、n側オーミック電極から離れた側に位置する長辺とn側オーミック電極との距離L1,L2,L3が220μmになるように設定した。
【0045】
また、本実施の形態1において、発光層10はGaNの一部をInで置き換えたInGa1−xN層により構成することができる。また、発光層10は、InGa1−xN層を少なくとも1層含むように構成することもできる。このようにすると、InGa1−xN層におけるInの含有量を変化させることにより発光波長を変えることができる。
【0046】
(3)n側オーミック電極14(14)は、発光層10とほぼ同一の長さを有し、n層12上に、発光層10に沿ってかつ発光層10と近接して形成される。更にこのn側オーミック電極14と発光層10との間の間隔は、製造上の制約により10〜20μmに設定されるが、本発明においては間隔を10μm以下にすることが好ましく、このようにすると、均一に電流を注入することができる幅を大きくすることができる。
【0047】
すなわち、n側オーミック電極14と発光層10との間隔を20μmにすると、均一に電流を注入することができる発光層の幅は最大で200μmであるが、n側オーミック電極14と発光層10との間隔を5μmにすると、均一に電流を注入することができる発光層の幅は最大で215μmにできる。
【0048】
また、n側オーミック電極14(14)は、n層12とのオーミック接触を良好にするために、WとAlを含む層とすることが好ましく、さらに好ましくは、W層(200Å)、Al層(1000Å)、W層(500Å)、Pt層(3000Å)、Ni層(60Å)を順次積層することにより形成する。
【0049】
(4)p型窒化ガリウム系半導体層13は、発光層10と同一平面形状を有し発光層10上に重ねて形成される。
【0050】
実際には、発光層10及びp型窒化ガリウム系半導体層13は、n層12上に発光層10及びp層13を重ねて形成した後、n側オーミック電極14を形成するn層12表面を露出させるために一括してエッチングすることにより形成する。
【0051】
尚、本実施の形態1では、p型窒化ガリウム系半導体層13は1500Åの厚さに形成した。
【0052】
(5)p側オーミック電極15は、p型窒化ガリウム系半導体層13上のほぼ全面に形成され、p層13と良好なオーミック接触を得るために、Ni層とPt層とを積層することにより構成することが好ましく、より好ましくは、Ni層100ÅとPt層500Åを積層することにより構成する。
【0053】
(6)そして、pパッド電極16は、例えば、膜厚3000ÅのPtからなり、p側オーミック電極15上において、n側オーミック電極14とは離れた側に位置するp側オーミック電極15の長辺に沿って形成される。
【0054】
このようにして構成された発光素子において、各電極間の距離はいずれの場所においても一定であるので、発光層10全体に電子を均一に供給することができ、1つの発光層上において、配置される蛍光体の光吸収率を全ての粒子においてほぼ等しくすることができる。また、半導体層側において発光する箇所を1カ所とし且つほぼ長方形とすることができる。これにより、1つの基板上において各素子から得られる画素の混色性が良好となり、色むらの少ない集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
(直列接続)
本実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子において、上述のように構成された発光素子1,2,3は、絶縁保護膜17により素子間が分離され、接続電極21により以下のように接続される。
【0055】
絶縁保護膜17は、各発光素子のpパッド電極16上及びn側オーミック電極14上を除いて素子全体を覆うように形成される。
【0056】
接続電極21は、発光素子1のn側オーミック電極14上、分離溝41に形成された絶縁膜17上及び第2発光素子2のp側オーミック電極16上に連続して形成され、これにより、第1発光素子1のn側オーミック電極14と第2発光素子2のp側オーミック電極16が接続される。
【0057】
また、接続電極21は、第2発光素子2と第3発光素子3との間においても同様に形成され、これにより、第2発光素子2のn側オーミック電極14と第3発光素子3のp側オーミック電極16が接続される。接続電極21は、Pt又はAu等、種々の金属で構成することができるが、p及びnパッド電極との密着性を良好にするために、Ti(例えば、400Å)、Pt(例えば、6000Å)、Au(例えば、1000Å)、Ni(例えば、60Å)を順に積層した構造とすることが好ましい。
【0058】
尚、本実施の形態1ではさらに、発光素子1のpパッド電極16上に接続電極21と同様の材料からなる外部接続用電極26が形成され、発光素子3のnパッド電極14上に接続電極21と同様の材料からなる外部接続用電極24が形成される。
【0059】
以上のように構成された実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子の各発光素子1,2,3は、長方形の発光層10を有し、発光層10の一方の長辺に沿って近接するようにn側オーミック電極が形成され、発光層10の他方の長辺とn側オーミック電極との距離L1,L2,L3を220μmに設定されているので、発光層10の上面に配置された蛍光体全体に略均一に光を供給することができる。
【0060】
このように構成したことにより、本実施の形態1の集積型窒化物半導体素子は、各発光素子1,2,3の発光層10全体に渡って均一に発光させることができるので、各発光素子における発光効率を高くすることができ、全体としての発光効率をよくできる。
【0061】
また、本実施の形態1の集積型窒化物半導体素子においては、一方向のみに互いに平行な分離溝41を形成することにより各素子を分離しているので、格子状に溝を形成して各素子を分離した従来例に比較して、基板11全体の面積に対する分離溝41の占める面積の割合を少なくすることができる。
【0062】
これにより、集積型窒化物半導体素子の全体の面積に対する発光層10が占める面積(発光素子1,2,3の発光層10を合計した面積)の割合を増加させることができ、発光効率及び発光の均一性を向上させることができる。
【0063】
また、各素子の端面を接続電極21にて被覆するため、前記端面から発光される光は前記接続電極にて反射され発光面側から取り出される。これにより、素子端面での光吸収が抑制され素子の信頼性が向上されると共に、発光素子からの光を効率よく蛍光体にて色変換することができる。
【0064】
また、素子の静電耐圧特性を良くするために、SiドープGaN層122を4.2μmになるように形成し、かつp層13を3500Åの厚さとしてもよい。
(蛍光体71,72,73,74)
本発明の集積型窒化物半導体発光素子は、上記のように構成された複数個の発光素子の少なくとも一部に、前記発光素子の発光層から発光される光の少なくとも一部を吸収して他の波長の光を発光することが可能な蛍光体を有する。前記蛍光体の種類及び塗布箇所を調整するだけで所望とする色調を容易に設定できる。また、各発光面は大面積であり且つ近接しているため、各発光面同士の光の混色性が向上され、均一に発光することが可能な集積型窒化物半導体素子が得られる。
【0065】
本実施の形態1の集積型窒化物半導体素子は、青色の光を発光することが可能な発光層を有し、前記発光層の上面に、前記発光層から発光される光を励起させて発光できるセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体をベースとした蛍光体が塗布されている。
【0066】
具体的なイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体としては、YAlO:Ce、YAl12Y:Ce(YAG:Ce)やYAl:Ce、更にはこれらの混合物などが挙げられる。イットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体にBa、Sr、Mg、Ca、Znの少なくとも一種が含有されていてもよい。また、Siを含有させることによって、結晶成長の反応を抑制し蛍光体の粒子を揃えることができる。
【0067】
本明細書において、Ceで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体は特に広義に解釈するものとし、イットリウムの一部あるいは全体を、Lu、Sc、La、Gd及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素に置換され、あるいは、アルミニウムの一部あるいは全体をBa、Tl、Ga、Inの何れが又は両方で置換され蛍光作用を有する蛍光体を含む広い意味に使用する。
【0068】
更に詳しくは、一般式(YzGd1-z3Al512:Ce(但し、0<z≦1)で示されるフォトルミネッセンス蛍光体や一般式(Re1-aSma3Re’512:Ce(但し、0≦a<1、0≦b≦1、Reは、Y、Gd、La、Scから選択される少なくとも一種、Re’は、Al、Ga、Inから選択される少なくとも一種である。)で示されるフォトルミネッセンス蛍光体である。
【0069】
この蛍光体は、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起スペクトルのピークを450nm付近にさせることができる。また、発光ピークも、580nm付近にあり700nmまですそを引くブロードな発光スペクトルを持つ。
【0070】
またフォトルミネセンス蛍光体は、結晶中にGd(ガドリニウム)を含有することにより、460nm以上の長波長域の励起発光効率を高くすることができる。Gdの含有量の増加により、発光ピーク波長が長波長に移動し全体の発光波長も長波長側にシフトする。すなわち、赤みの強い発光色が必要な場合、Gdの置換量を多くすることで達成できる。一方、Gdが増加すると共に、青色光によるフォトルミネセンスの発光輝度は低下する傾向にある。さらに、所望に応じてCeに加えTb、Cu、Ag、Au、Fe、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Ti、Euらを含有させることもできる。
【0071】
しかも、ガーネット構造を持ったイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体の組成のうち、Alの一部をGaで置換することで発光波長が短波長側にシフトする。また、組成のYの一部をGdで置換することで、発光波長が長波長側にシフトする。
【0072】
Yの一部をGdで置換する場合、Gdへの置換を1割未満にし、且つCeの含有(置換)を0.03から1.0にすることが好ましい。Gdへの置換が2割未満では緑色成分が大きく赤色成分が少なくなるが、Ceの含有量を増やすことで赤色成分を補え、輝度を低下させることなく所望の色調を得ることができる。このような組成にすると温度特性が良好となり発光ダイオードの信頼性を向上させることができる。また、赤色成分を多く有するように調整されたフォトルミネセンス蛍光体を使用すると、ピンク等の中間色を発光することが可能となり、演色性に優れた集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0073】
このようなフォトルミネセンス蛍光体は、Y、Gd、Al、及びCeの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ceの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化バリウムやフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450°Cの温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、つぎに焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。
【0074】
本願発明の発光ダイオードにおいて、このようなフォトルミネセンス蛍光体は、2種類以上のセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体や他の蛍光体を混合させてもよい。
【0075】
また、本発明で用いられる蛍光体の粒径は10μm〜50μmの範囲が好ましく、より好ましくは15μm〜30μmである。これにより、光の隠蔽を抑制し集積型窒化物半導体発光素子の輝度を向上させることができる。また上記の粒径範囲の蛍光体は、光の吸収率及び変換効率が高く且つ励起波長の幅が広い。このように、光学的に優れた特徴を有する大粒径蛍光体を含有させることにより、発光素子の主波長周辺の光をも良好に変換し発光することができ、集積型窒化物半導体発光素子の量産性が向上される。
【0076】
これに対し、15μmより小さい粒径を有する蛍光体は、比較的凝集体を形成しやすく、液状樹脂中において密になって沈降する傾向にあり、光の透過効率を減少させてしまう。
【0077】
ここで本発明において、粒径とは、体積基準粒度分布曲線により得られる値である。前記体積基準粒度分布曲線は、レーザ回折・散乱法により粒度分布を測定し得られるもので、具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、濃度が0.05%であるヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に各物質を分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000A)により、粒径範囲0.03μm〜700μmにて測定し得られたものである。この体積基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値を中心粒径と定義すると、本発明で用いられる蛍光体の中心粒径は15μm〜50μmの範囲であることが好ましい。また、この中心粒径値を有する蛍光体が頻度高く含有されていることが好ましく、頻度値は20%〜50%が好ましい。このように粒径のバラツキが小さい蛍光体を用いると色むらを抑制することができ良好な色調を有する集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0078】
一方、400nm付近の短波長域を主発光ピークとする紫外線が発光可能な発光素子と、このような短波長の光により可視光を発光することが可能な赤、青、及び緑に蛍光可能な蛍光体とを組み合わせることにより、均一に発光することが可能な集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0079】
具体的には、赤色蛍光体としてYS:Eu、青色蛍光体としてSr(POCl:Eu、及び緑色蛍光体として(SrEu)O・Alを比較的紫外線に強い樹脂やガラスに含有させ、短波長発光の発光素子の表面に色変換薄膜層として塗布することにより、白色光を得ることができる。
【0080】
前記蛍光体の他、赤色蛍光体として3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、MgAs11:Mn、Gd:Eu、LaOS:Eu、青色蛍光体としてRe(POCl:Eu(ただしReはSr、Ca、Ba、Mgから選択される少なくとも一種)、BaMgAl1627:Eu等を好適に用いることができる。これらの蛍光体を用いることにより高輝度に発光可能な白色発光ダイオードを得ることができる。
【0081】
前記色変換薄膜層が、2種類以上の蛍光体を混合したものにより構成される場合、各種の蛍光体の中心粒径及び形状は類似していることが好ましい。これにより、各種蛍光体から発光される光の混色性が向上され、色むらを抑制することができる。
【0082】
また、1種類の蛍光体を有する単層を多重にして配置させてもよい。3原色を得る場合、各蛍光体の紫外光透過率を考慮して、素子上に赤色蛍光体層、緑色蛍光体層、及び青色蛍光体層と順に積層させると、全ての層に紫外光を好ましく吸収させることができ好ましい。更に、このような色変換多重層は、下層から上層にかけて各層中に含有された蛍光体の粒径が小さくなるように積層されていることが好ましい。これにより、最上層まで良好に紫外光を透過させることができると共に、前記色変換多重層中にて紫外光をもれなく吸収させることができ好ましい。そのほか、ストライプ状、格子状、またはトライアングル状となるように各色変換層を素子上に配置させることもできる。
【0083】
本発明において、前記蛍光体は、少なくとも前記各発光素子の露出しているp側オーミック電極上に塗布されていればよいが、各発光素子の側面に渡って前記蛍光体を塗布すると、前記側面から発光される光を効率良く色変換することができ、色むらが抑制される。また、紫外発光素子を用いる場合、素子の周囲を全て覆うように色変換薄膜層を配置させることが好ましく、これにより紫外光が外部に放出されるのを抑制することできる。
【0084】
また、透光性基板の一方の主面に前記発光素子を設け、前記発光素子をフリップ実装して前記透光性基板側から光を取り出す場合、前記透光性基板の他方の主面上に蛍光体を塗布することにより、大面積で発光することが可能な色変換型発光素子が得られる。
【0085】
本発明において、蛍光体の塗布方法は特に限定されず、直接蛍光体のみを真空蒸着やCVD法等により塗布しても良いし、また、バインダーとともに蛍光体を付着させても良い。前記バインダーの材質は特に限定されず、有機物及び無機物のいずれをも用いることができる。
【0086】
バインダーとして有機物を使用する場合、具体的材料として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーンなどの耐光性に優れた透明樹脂が好適に用いられる。
【0087】
また、バインダーに無機物を用いると、大電流を投下しても信頼性を維持できる集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0088】
具体的塗布方法として、沈降法やゾル−ゲル法等が挙げられる。例えば、蛍光体、シラノール(Si(OEt)OH)、及びエタノールを混合してスラリーを形成し、該スラリーをノズルから前記集積型窒化物半導体層のp側オーミック電極側に吐出させ、加熱エアを吹き付けて乾燥させる。これによりシラノールはゾル化されSiOとなり、前記蛍光体を固着させることができる。
【0089】
また、無機物である結着剤をバインダーとして用いることもできる。結着剤とは、いわゆる低融点ガラスであり、微細な粒子で且つ紫外から可視領域のふく射線に対して吸収が少なくバインダー中にて極めて安定であることが好ましく、沈殿法により得られた細かい粒子であるアルカリ土類のほう酸塩が適している。また、大きい粒径を有する蛍光体を付着させる場合、融点が高くても粒子が超微粉体である結着剤、例えば、デグサ製のシリカ、アルミナ、あるいは沈殿法で得られる細かい粒度のアルカリ土類金属のピロりん酸塩、正りん酸塩などを使用することが好ましい。
【0090】
これらの結着剤は、単独、若しくは互いに混合して用いることができる。
【0091】
ここで、前記結着剤の塗布方法について述べる。結着剤は、ビヒクル中に湿式粉砕しスラリー状にして用いると、結着効果を十分に高めることができ好ましい。前記ビヒクルとは、有機溶媒あるいは脱イオン水に少量の粘結剤を溶解して得られる高粘度溶液である。例えば、有機溶媒である酢酸ブチルに対して粘結剤であるニトロセルロースを1wt%含有させることにより、有機系ビヒクルが得られる。
【0092】
このようにして得られた結着剤スラリーに蛍光体を含有させて塗布液を作製する。前記塗布液中の蛍光体量に対して、前記スラリー中の結着剤の総量は1〜3%wt程度が好ましく、これにより前記蛍光体を良好に固着させることができ且つ光束維持率を保つことができる。結着剤の添加量が多すぎると光束維持率が低下する傾向にあるため、結着剤の使用量は最小限の使用にとどめることが好ましい。
【0093】
前記塗布液を半導体層上に塗布後、温風あるいは熱風を吹き込み乾燥させる。これにより前記窓部の表面に蛍光体層が前記結着剤にて付着される。
(拡散剤)
更に、本発明において、上記の色変換部材中に蛍光体に加えて拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等が好適に用いられる。これによって良好な指向特性を有する集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0094】
ここで本明細書において、拡散剤とは、中心粒径が1nm以上5μm未満のものをいう。1μm以上5μm未満の拡散剤は、発光素子及び蛍光体からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光体を用いることにより生じやすい色むらを抑制することができ好ましい。また、発光スペクトルの半値幅を狭めることができ、色純度の高い集積型窒化物半導体発光素子が得られる。一方、1nm以上1μm未満の拡散剤は、発光素子からの光波長に対する干渉効果が低い反面、光度を低下させることなく樹脂粘度を高めることができる。これにより、ポッティング等により色変換部材を配置させる場合、シリンジ内において樹脂中の蛍光体をほぼ均一に分散させその状態を維持することが可能となり、比較的取り扱いが困難である粒径の大きい蛍光体を用いた場合でも歩留まり良く生産することが可能となる。このように本発明における拡散剤は粒径範囲により作用が異なり、使用方法に合わせて選択若しくは組み合わせて用いることができる。
(フィラー)
更に、本発明において、色変換部材中に蛍光体に加えてフィラーを含有させても良い。具体的な材料は拡散剤と同様であるが、拡散剤と中心粒径が異なり、本明細書においてフィラーとは中心粒径が5μm以上100μm以下のものをいう。このような粒径のフィラーを色変換部材中に含有させると、光散乱作用により集積型窒化物半導体発光素子の色度バラツキが改善される他、色変換部材の透光性樹脂の耐熱衝撃性を高めることができる。これにより信頼性の高い集積型窒化物半導体発光素子が得られる。
【0095】
また、液体状のバインダーと蛍光体との混合液を塗布液とする場合、前記塗布液中に前記フィラーを添加することにより、前記液体状のバインダーの流動性を長時間一定に保つことが可能となる。これにより、前記塗布液を精度良く所望とする場所に配置させることができ歩留まりが向上される。
【0096】
また、フィラーは蛍光体と類似の粒径及び/又は形状を有することが好ましい。ここで本明細書において、類似の粒径とは、各粒子のそれぞれの中心粒径の差が20%未満の場合をいい、類似の形状とは、各粒径の真円との近似程度を表す円形度(円形度=粒子の投影面積に等しい真円の周囲長さ/粒子の投影の周囲長さ)の値の差が20%未満の場合をいう。このようなフィラーを用いることにより、蛍光体とフィラーが互いに作用し合い、バインダー中にて蛍光体を良好に分散させることができ色むらが抑制される。更に、蛍光体及びフィラーは、共に中心粒径が15μm〜50μm、より好ましくは20μm〜50μmであると好ましく、このように粒径を調整することにより、各粒子間に好ましい間隔を設けて配置させることができる。これにより光の取り出し経路が確保され、フィラー混入による光度低下を抑制しつつ指向特性を改善させることができる。
(画素)
本明細書において、画素とは、集積型窒化物半導体素子に電流を流した際にそれぞれの発光面から近距離にて観測される色調を示す。
実施の形態2
本実施の形態2に係る集積型窒化物半導体発光素子を図4に示す。前記集積型窒化物半導体素子は、青色の光を発光することが可能な発光層を有している。また、第1発光素子1には前記青色の光の一部を吸収して赤色に発光することが可能な赤色蛍光体72が半導体層側に塗布され、第3発光素子3には同じく前記青色の光の一部を吸収して緑色の波長を発光することが可能な緑色蛍光体74が塗布されている。これにより、第1の発光素子1は赤色の画素を、第2の発光素子2は青色の画素を、そして第3の発光素子3は緑色の画素を有する。
【0097】
上記の集積型窒化物半導体素子は、同一基板上にて3原色の画素を有するので、演色性の優れた白色系発光素子が得られる。本発明で用いられる各発光素子は、同一材料からなる半導体層を有し、且つ発光層全体にほぼ均一に電流を注入されるため、前記発光層上に配置された蛍光体に均一に光を供給できる。これにより、発光ムラのない均一な画素を得ることができる。また、本発明に集積型窒化物半導体素子は、各発光素子間の距離は50μm〜150μmが好ましく、より好ましくは50μm〜100μm、更に好ましくは50μm〜80μmである。また、このような分離溝はストライプ状に形成され、一方方向に長い発光層を有するため、各画素を均一に混色することができる。
【0098】
また、各素子において蛍光体の塗布量を調整することにより、今まで困難であった微妙な中間色を容易に得ることができる。
実施形態3:並列接続
次に、本発明に係る実施の形態3の集積型窒化物半導体発光素子について、図6を参照しながら説明する。
【0099】
本実施の形態3の集積型窒化物半導体発光素子は、以下の点で実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子と異なる。
【0100】
相違点1.
実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子において、接続電極21及び外部接続電極24,26を形成することなく、素子全体を覆うように絶縁保護膜30を形成し、発光素子1,2,3のpパッド電極上にそれぞれ絶縁保護膜30を貫通するスルーホール61を形成し、発光素子1,2,3の各n側オーミック電極上にそれぞれ絶縁保護膜30を貫通するスルーホール62を形成する。
【0101】
相違点2.
絶縁保護膜30に形成されたスルーホール61を介して、発光素子1,2,3のpパッド電極間を互いに接続電極51で接続する。
【0102】
相違点3.
絶縁保護膜30に形成されたスルーホール62を介して、発光素子1,2,3のn側オーミック電極間を互いに接続電極52で接続する。
【0103】
以上の相違点1,2,3以外は、実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子と同様に構成する。
【0104】
すなわち、実施の形態3の集積型窒化物半導体発光素子は、実施の形態1の素子において発光素子1,2,3を並列に接続したものである。
【0105】
以上のように構成された実施の形態3の集積型窒化物半導体発光素子は、実施の形態1と同様、発光効率を向上させることができる。
【0106】
以上の実施の形態1,2,3では、発光素子が3つの場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、2つの発光素子を用いて構成した物であっても良いし、3以上の発光素子で構成したものであってもよい。
【0107】
また、実施の形態1,2,3では、最も好ましい例として、発光層10(p層13)の外側の長辺とn側オーミック電極との距離L1,L2,L3を220μmに設定した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、250μm以下、好ましくは220μm以下に設定すればよい。
【0108】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例を示す。尚、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
(基板11)
サファイア(C面)よりなる基板11をMOVPEの反応容器内にセットし、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。この基板11としては他にR面、A面を主面とするサファイア基板、スピネル(MgAl)のような絶縁性基板などでもよい。
(n型窒化ガリウム系化合物半導体層12)
基板をクリーニング後、n型窒化ガリウム系化合物半導体層12を次の構成で成長させる。
【0109】
基板の温度を510℃まで下げ、基板11上にGaNよりなるバッファ層を100Å成長させる。
【0110】
次にバッファ層成長後、温度を1050℃まで上昇させ、アンドープGaN層121を1.5μmの膜厚で成長させる。
【0111】
続いて1050℃で、Siを4.5×1018/cmドープしたGaN層122を2.2μmの膜厚で成長させる。
【0112】
続いて1050℃で、アンドープGaN層123を3000Åの膜厚で、さらにSiを4.5×1018/cmドープしたGaN層124を300Å、さらにアンドープGaN層125を50Åの膜厚で成長させる。
【0113】
続いて同様の温度で、アンドープGaNよりなる第1の層を40Å、温度を800℃にして、続いてアンドープIn0.13Ga0.87Nよりなる第2の層を20Åの膜厚で成長させ、これらの操作を繰り返し、第1+第2+の順で交互に10層ずつ積層させ、最後に第1の層を積層させた、n型多層膜層126を成長させる。
(発光層10)
次にn型窒化ガリウム系化合物半導体層12を成長後、アンドープGaNよりなる障壁層を200Åの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、Siを5×1017/cmドープしたIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を30Åの膜厚で成長させる。そして障壁+井戸+障壁+井戸・・・・の順で障壁層を6層と、井戸層5層を交互に積層して、総膜厚1350Åの多重量子井戸よりなる発光層10を積層させる。
(p型窒化ガリウム系化合物半導体層13)
発光層10成長後、p型窒化ガリウム系化合物半導体13を次の構成で成長させる。
【0114】
次に1050℃で、Mgを5×1019/cmドープしたp型Al0.1Ga0.9Nよりなる第3の層を25Åの膜厚で成長させ、続いてアンドープGaNよりなる第4の層を25Åの膜厚で成長させ、これらの操作を繰り返し、第3+第4の順で交互に4層ずつ積層した超格子よりなるp型多層膜層を200Åの膜厚で成長させる。
【0115】
続いて1050℃で、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなる層を2700Åの膜厚で成長させる。
【0116】
反応終了後、温度を室温まで下げ、窒素雰囲気中で700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化する。
【0117】
以上のようにして窒化ガリウム系化合物半導体を成長させたウエハーを反応容器から取り出し、分離溝を形成する部分を除きウエハ全体にSiOマスクを形成し、RIEによって、サファイア基板に到達するまでエッチングを行うことにより分離溝を形成する。
【0118】
さらに分離溝の形成に用いたSiOマスクを剥離し、n型窒化ガリウム系化合物半導体層12を露出するために、露出させる部分を除くp型窒化ガリウム系化合物半導体層13の上にSiOマスクを形成し、RIEによって、エッチングを行い、n型窒化ガリウム系化合物半導体層12(SiドープGaN層122)の表面を露出させる。
【0119】
次にp型窒化ガリウム系化合物半導体層13のほぼ全面を開口させ、他の部分を覆うようにレジスト塗布し、開口させたp型窒化ガリウム系化合物半導体層上にNiを100Å、Ptを500Å積層後、アニールしてp側オーミック電極15を形成する。さらにp側オーミック電極の一部にPtを3000Å、Niを60Åからなるp側パッド電極16を形成する。
【0120】
次にレジストを除去し、今度はn型窒化ガリウム系化合物半導体層上にWを200Å、Alを1000Å、Wを500Å、Ptを3000Å、Niを60Åの順で積層したn側オーミック電極14を形成する。
【0121】
次に全面にSiOよりなる絶縁保護膜17を1.5μmの膜厚で形成し、p側パッド電極とn側オーミック電極の一部をRIEにより露出させる。
【0122】
さらに表面に接続電極を形成する部分を開口させるようにマスク形成して分離溝を挟むp側パッド電極とn側オーミック電極とを電気的に接続する接続電極として、Tiを400Å、Ptを6000Å、Auを1000Å、Niを60Åの膜厚で形成する。
【0123】
最後にSiOからなる絶縁保護膜30を1.5μmの膜厚で形成し、外部と電気的に接続できるように接続電極24、26上の絶縁保護膜30をRIEでエッチングすることにより除去して集積型窒化物半導体素子を完成させる。
(蛍光体塗布)
次に、前記p側オーミック電極の露出している部分に、(Y0.995Gd0.0052.750Al12:Ce0.250蛍光体71を結着剤にて固着させる。
【0124】
このようにして作製された複数の素子領域を有するサファイア基板(ウエハ)を、スクライビング及びダイシングし、1000μm×1000μmの第1発光素子、第2発光素子、及び第3発光素子からなる3つの窒化物半導体素子が直列に接続された図1の素子を作製する。
【0125】
このような構成を有する集積型窒化物半導体素子は、動作電圧が10.5V、従来の300μm×300μm(動作電圧3.5V)と同等の発光効率を示す。また、各素子の発光面においてほぼ均一な発光が得られる。これにより大面積にて高輝度で且つ均一な白色光が得られる。また、この素子は、動作電圧が10.5Vであるために、抵抗等の制御装置を介することでバッテリー電源(12V)での使用が可能になる。
[実施例2]
実施例1において、第1発光素子1の上面及び端面に、前記青色発光素子からの光を吸収して赤色光を発光することが可能な赤色蛍光体72を結着剤にて固着させ、同様にして、第3発光素子3の上面及び端面に、前記青色発光素子からの光を吸収して緑色光を発光することが可能な緑色蛍光体74を結着剤にて固着させる以外は実施例1と同様に構成すると、実施例1と同様の効果が得られ且つ演色性に優れた白色光が得られる。
[実施例3]
実施例2において、
(1)青色発光が可能な発光素子に代えて、紫外領域が発光可能な発光素子チップを用いる。
(2)蛍光体として、紫外領域の光を吸収して発光することが可能な、赤色蛍光体72、青色蛍光体73、及び緑色蛍光体74を発光することが可能な3種の蛍光体を、それぞれ第1発光素子1、第2発光素子2、及び第3発光素子3の半導体層側に固着させる。
【0126】
以外は、実施例1と同様に構成すると、実施例1と同様の効果が得られる。また、本実施例は、蛍光体が発光する光のみにより発光色が得られるため、混色性に優れ色バラツキの少ない白色光が得られる。
【0127】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子は、前記p層の一方の長辺と前記n側オーミック電極との間隔を250μm以下に設定しているので、各発光素子の発光層全体にほぼ均一に電流を注入することができる。これにより、発光面に配置される蛍光体全体に均一に光を供給することができ、各発光素子における発光効率を良好にできる。
【0128】
また、本発明に係る集積型窒化物半導体発光素子においては、均一発光及び発光効率を劣化させることなく、各発光素子を一方向(長手方向)に十分長くすることができるので、発光面積を大きくできかつ発光効率を高くできるので、大面積でかつ発光効率の良い窒化物半導体発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1の集積型窒化物半導体発光素子の模式的平面図である。
【図2】 図1のA−A’線についての模式的断面図である。
【図3】 n型窒化ガリウム系化合物半導体層の積層構造を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る実施例2の集積型窒化物半導体発光素子の平面図である。
【図5】 本発明に係る実施例3集積型窒化物半導体発光素子の平面図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態3の集積型窒化物半導体発光素子の平面図である。
【符号の説明】
1,2,3…発光素子、
10…発光層、
11…サファイア基板、
12…n型窒化ガリウム系化合物半導体層、
13…p型窒化ガリウム系半導体層、
14…n側オーミック電極、
15…p側オーミック電極、
16…pパッド電極、
17…絶縁保護膜、
71,72,73,74…蛍光体
21,51,52…接続電極、
24,26…外部接続電極、
30…絶縁保護膜、
61,62…スルーホール、
41…分離溝、
121…アンドープGaN層、
122…SiドープGaN層、
123…アンドープGaN層、
124…SiドープGaN層、
125…アンドープGaN層、
126…多層膜層。

Claims (2)

  1. 同一基板上に複数の発光素子が並置されており、
    前記複数の発光素子はそれぞれ同一の材料からなる半導体層を有し、前記半導体層は、前記同一基板上に形成されたn型窒化ガリウム系化合物半導体層が分離溝によって分離されてなる長方形のn層と、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層と、p型窒化ガリウム系化合物半導体からなるp層とにより構成されてなる集積型窒化物半導体発光素子であって、
    前記n層の一方の長辺と2つの短辺は、それぞれ前記発光層及び前記p層の一方の長辺と2つの短辺と近接しており、
    前記n層の他方の長辺と前記p層の他方の長辺との間のn層上に前記p層の長辺と実質的に同一の長さを有するn側オーミック電極を、前記p層上のほぼ全面にp側オーミック電極を、前記p側オーミック電極上にpパッド電極をそれぞれ備え、
    前記p層の一方の長辺と前記n側オーミック電極との間隔が250μm以下であり、
    前記発光層は青色の光を発光し、
    前記発光素子は、基板上に3個設けられ、半導体層側の上面に、前記発光層から発光される光の少なくとも一部を吸収して赤色に発光することが可能な赤色の蛍光体が設けられた第1の発光素子と、半導体層側の上面に前記発光層から発光される光の少なくとも一部を吸収して緑色に発光することが可能な緑色蛍光体が設けられた第2の発光素子と、発光層で発光した波長の光が取り出される該第3の発光素子とを有し、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子との間に前記第3の発光素子が配置されることを特徴とする集積型窒化物半導体発光素子。
  2. 前記複数の発光素子は、前記pパッド電極上と前記n側オーミック電極上にスルーホールを有する絶縁性保護膜によって覆われており、前記スルーホールを介して複数の発光素子のn側オーミック電極間が第1接続電極によって接続され、前記スルーホールを介して複数の発光素子のpパッド電極間が第2接続電極によって接続されることを特徴とする請求項1に記載の集積型窒化物半導体発光素子。
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