JP2013174675A - 光反射体 - Google Patents

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一也 田中
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Abstract

【課題】
特に短波長(405nm)における優れた反射特性を有し、且つ優れた耐熱変色性や耐紫外線変色性をも有する光反射体及びこれを用いたLEDパッケージを提供すること。
【解決手段】
シリコーン樹脂(A)に無機フィラー(B)を含有してなる光反射性樹脂成形体からなる光反射体であって、光反射性樹脂成形体における無機フィラー(B)の割合が、40質量%以上80質量%以下であり、無機フィラー(B)がモース硬度2以上5.5未満で且つその平均粒径が0.3μm以上2.0μm以下であることを特徴とする光反射体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、反射率に優れた光反射材に関する。特に短波長405nmにおける優れた反射特性を有し、且つ優れた耐熱変色性や耐紫外線変色性をも有する、光反射体及びこれを用いたLEDパッケージに関する。
発光ダイオード(以下、「LED」ということがある。)は小型、軽量、省エネルギーなどの特長を有しており、青色LED素子と蛍光体を組み合わせた白色LEDの実用化によってパソコン、テレビ、携帯電話等のバックライト光源や各種表示灯光源として数多く採用されている。
LEDは一般的に、LED素子を、電極部材や光反射部材、LED素子封止樹脂部材等から構成されたLEDパッケージとして使用し、これを配線基板等に実装する。LEDパッケージの構造としては、砲弾型、表面実装型、COB型、パワーLED型など種々のものがあるが、その中でも表面実装型パッケージは一般的な半導体パッケージと同様に半田リフロー工程を経ることでプリント基板等に実装できるという特長があり、広く使用されている。
近年、LEDの高輝度化技術の著しい向上により、LED素子自体の発熱量が増大している。これに伴い、プリント配線基板等周辺にかかる熱負荷が増大し、LED素子周辺温度が100℃を超える場合がある。またLEDパッケージの製造工程においては、LED素子封止樹脂における熱硬化処理工程や、鉛フリー半田を採用した場合の半田リフロー工程において、200〜300℃ 程度の高温環境下に配線基板が曝される場合もある。
また一方で、近紫外LEDに赤・緑・青の3色の蛍光体を組み合わせた白色LEDは、演色性に優れている点から一般照明用途への展開が期待されているが、新たな課題が出てきている。即ち、この近紫外LED素子を組み合わせたLED調色方式では、励起光源の波長が405nm(青色LEDの波長は460nm)となるので、この短波長での反射特性が重要になるだけでなく、長期間反射特性が低下しないこと(耐光性)が重要となっている。
従来から広く使用されてきた、LEDパッケージ用光反射体材料としては、ポリフタルアミドと酸化チタンからなる材料があげられる。この材料は420nm以上の波長域における反射特性は優れるものの、半田リフロー工程や、使用時における発熱等により高温環境下に曝された場合や、近紫外LEDを使用した場合には、熱や光による変色が生じ、反射特性が大幅に低下する場合があった。
一方、セラミックスからなるLEDパッケージ用光反射体材料は、耐熱性、耐光性の点では優れているものの、硬く脆い性質から小型化、薄型化には限界があり、一般照明用途や、ディスプレー用途向けのLEDパッケージ用光反射材料として採用するのは困難であった。この様な状況において、耐熱性、耐光性に優れたLEDパッケージ用光反射体材料の開発が求められていた。
そこで、これらの課題に対しては、例えばシリコーン系樹脂からなる光反射材料が提案されている。具体的には、シリコーン樹脂、又は、シリコーンゴムに対して酸化チタンを配合してなる反射材が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、融点が40〜130℃の熱硬化性ポリオルガノシロキサン、白色顔料(特に酸化チタン)、白色顔料を除く無機充填材、及び、硬化触媒からなる白色樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。更に、熱硬化性ポリオルガノシロキサン、白色顔料(特に酸化マグネシウム)、白色顔料を除く無機充填剤、硬化触媒からなる白色樹脂組成物も提案されている(例えば特許文献3参照)。
国際公開第2010/150880号パンフレット 特開2009−155415号公報 特開2010−21533号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、酸化チタンによる短波長域の光の吸収を生じるため、十分な反射特性(厚み0.4mmにおける波長405nmの反射率が90%以上)を発現することが困難であった。また特許文献3に記載の技術では、酸化マグネシウムを配合することにより短波長光に対する反射特性を向上させているものの、具体的に例示されている粒径(0.2μm)の酸化マグネシウムを用いた場合には、十分な反射特性を付与できないと言う問題があった。
本発明の目的は、このような従来技術の課題に鑑み、短波長においても優れた反射特性を有し、且つ耐熱性、耐光性にも優れた光反射体を提供することにある。
本発明の発明者は上述の目的に鑑みて、シリコーン樹脂(A)に無機フィラー(B)を含有してなる光反射性の樹脂成形体からなる光反射体について検討した。そして無機フィラー(B)として特定の低いモース硬度、具体的にはモース硬度2以上5.5未満のものを用いた際に、優れた反射特性を有する、これらの課題を解決できる光反射体を見出した。
そしてこの光反射体における反射率を向上すべく、無機フィラー(B)の粒径に着目して更に検討した結果、一般的には無機フィラーの粒径を小さくすると表面積が増加し光反射率が向上するが、意外にも、この光反射性樹脂成形体においては平均粒径が特定以下になると反射率が低下するという事を見出した。
そして更に、LEDパッケージにおける光反射体の様に、極めて肉薄の樹脂成形体とした状態でも、具体的には厚み0.4mmにおいても、波長405nmの光に対する反射率が88%以上という極めて優れた短波長光に対する光反射特性を有し、且つ耐熱性、耐光性にも優れた光反射体となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、 シリコーン樹脂(A)に無機フィラー(B)を含有してなる光反射性樹脂成形体からなる光反射体であって、無機フィラー(B)がモース硬度2以上5.5未満で且つその平均粒径が0.3μm以上2.0μm以下であることを特徴とする光反射体、及びこれを用いてなるLEDパッケージ基体用光反射体、並びにLEDパッケージに関する。
本発明の光反射体は優れた反射特性、耐熱性、耐光性を有するので、高温環境下や、長期間の使用においても反射特性がほとんど低下することがないため、LEDパッケージ用光反射材料として、各種照明器具や、パソコン、テレビ、携帯電話等のバックライト光源や各種表示灯光源等として、広く使用することができる。
[シリコーン樹脂(A)]
本発明に用いるシリコーン樹脂(A)は、従来公知の任意のシリコーン樹脂を使用することが出できる。例えば、式(1)に記載のシロキサン骨格を有する化合物を架橋してなる樹脂であり、具体的には例えば、分子内に炭素-炭素不飽和結合(特にビニル基)、ケイ素−水素結合及びオキセタニル基を有するポリオルガノシロキサンがあげられる。
Figure 2013174675
上記式(1)におけるRは、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基;フェニル基等の炭化水素基、又は、フルオロアルキル基等のハロゲン置換炭化水素基を示す。具体的には例えば、上記式(1)中のRが、全てメチル基であるポリジメチルシロキサンや、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が上記炭化水素基、又は、上記ハロゲン置換炭化水素基の一種又は複数種によって置換された、各種のポリオルガノシロキサンが挙げられる。なお、本発明に用いるシリコーン樹脂(A)は、1種類を単独で用いても、任意の割合からなる2種類以上の混合物共重合物を用いてもよい。
また本発明に用いるシリコーン樹脂(A)は架橋されていてもよい。その架橋基や架橋方法は特に限定されるものではなく、従来公知の任意の架橋基、架橋方法を用いることができる。例えば架橋基としては、ポリオルガノシロキサンのメチル基又はビニル基をラジカル反応で架橋する方法や、シラノール末端ポリオルガノシロキサンと、加水分解可能な官能基を有するシラン化合物との縮合反応で架橋する方法、あるいは、ビニル基へのヒドロシリル基の付加反応によって架橋する方法などが挙げられる。この中でも特に、硬化の際に副生成物を生じることがない付加反応により架橋することが好ましい。
そしてシリコーン樹脂(A)の架橋方法としては、具体的には例えば、硬化触媒を添加し、高温加熱する方法が挙げられる。硬化触媒としては、アミノシラン系、ニッケル塩系、アンモニウム塩系の触媒や、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛などのオクチル酸塩、ナフテン酸塩などの金属石鹸類、白金触媒などが挙げられる。またその反応条件としては、具体的には例えば、前記触媒を添加した際、100℃〜180℃で1秒〜30分程度加熱することにより硬化し、シリコーン樹脂(A)が得られる。
また、本発明に用いるシリコーン樹脂(A)としては、メチル基、フェニル基の一部を変性したシリコーンを用いてもよい。具体的な変性シリコーンとしては、例えばアルキル変性、アラルキル変性、フルオロアルキル変性、ポリエーテル変性、アミノ変性、アクリル変性、エポキシ変性等の各種シリコーン樹脂が挙げられる。
本発明に用いるシリコーン樹脂(A)の形態は任意であり、適宜選択して決定すればよい。具体的には例えば、ゴム、ミラブル、ワニス、レジン、エラストマー、ゲルなどの形態が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、シリコーン樹脂を溶剤に溶かして、溶液タイプとして使用してもよい。溶剤には、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテートなどのエステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いるシリコーン樹脂(A)としては、具体的には例えば、信越化学工業社製の商品名「KEG−2000シリーズ」、「KEG−2001シリーズ」、「KE−1950シリーズ」等や、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名「LSR−2670」、「LSR−7070」、「XE13−0810」等や、東レ・ダウコーニング社製の商品名「JCR6101UP」等が挙げられる。
[無機フィラー(B)]
本発明に用いる無機フィラー(B)としては、モース硬度が2以上、5.5未満であり、平均粒径が0.3μm以上、2.0μm以下であることが重要である。モース硬度のより好ましい範囲は、2以上5.1未満であり、さらに好ましい範囲は、2以上、4.6未満である。
モース硬度がかかる範囲内であれば、前記シリコーン樹脂(A)との混合時や、混合物の成形時において、設備の摩耗を抑制することができ、不純物の混入、設備の劣化を抑制することができるので好ましい。また、平均粒径のより好ましい範囲は0.4μm以上、1.8μm以下であり、さらに好ましい範囲は0.5μm以上、1.6μm以下である。無機フィラー(B)の平均粒径がかかる範囲内であれば、本発明の光反射体に短波長光に対する優れた反射特性を付与することができる。
なお、本発明におけるモース硬度とは、以下の10種の鉱物(モース硬度1:滑石、モース硬度2:石膏、モース硬度3:方解石、モース硬度4:蛍石モース硬度5:燐灰石、モース硬度6:正長石、モース硬度7:石英、モース硬度8:トパーズ、モース硬度9:コランダム、モース硬度10:ダイヤモンド)を標準物質として、これらと比較した硬さを評価する方法により、得られる値である。
モース硬度の評価方法としては、標準物質とサンプルをこすりあわせ、引っ掻き傷が付いた方を硬度が低いものとして判定を行う。なお、モース硬度を直接測定することが困難な場合、組成分析から組成を求め、同じ組成の物質のモース硬度から判断してもよい。また本発明における無機フィラーの平均粒径とは、レーザー回折法により測定されるD50の値を示す。
本発明に用いる無機フィラー(B)としては、具体的には例えば炭酸カルシウム(モース硬度:3)、炭酸マグネシウム(モース硬度:3.5〜4.5)、炭酸バリウム(モース硬度:3〜3.5)などの炭酸塩、硫酸カルシウム(モース硬度:2)、硫酸マグネシウム(モース硬度:2〜3)、硫酸バリウム(モース硬度:3〜3.5)などの硫酸塩、塩化ナトリウム(モース硬度:2〜2.5)、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物、クレー、マイカ(モース硬度:2.5〜3)などのケイ酸塩、ベーマイト(モース硬度:3.5〜4)、酸化マグネシウム(モース硬度:4)、酸化亜鉛(モース硬度:4〜5)、酸化カルシウム(モース硬度:4)、チタン酸バリウム(モース硬度:4.5)等が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、短波長光吸収が少ない酸化亜鉛、チタン酸バリウム、ベーマイト、酸化マグネシウム等が好ましい。なお本発明に用いる無機フィラー(B)は、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
また、本発明に用いる無機フィラー(B)としては、シリコーン樹脂(A)への分散性を向上するために、シロキサン化合物、シランカップリング剤等の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコール等の有機化合物を用いて表面処理を施してもよい。
本発明の光反射体としての光反射性樹脂成形体においては、無機フィラー(B)の含有量が40質量%以上であり、中でも40質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、45質量%以上、75質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上、70質量%以下であることがさらに好ましい。かかる範囲で無機フィラー(B)を含有することで、シリコーン樹脂(A)の機械特性を低下させることなく、優れた反射特性を付与することができるので好ましい。
さらに本発明においては、前記シリコーン樹脂(A)、及び、無機フィラー(B)以外の成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、シリコーン樹脂(A)以外の樹脂や無機フィラー(B)以外の各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を配合してもよい。
[光反射体の用途]
本発明の光反射体は、優れた反射特性、耐熱性、耐光性を有するので、高温環境下や、長期間の使用においても反射特性の低下が抑制され、また、様々な形状(例えば、フィルム、プレート、及び、成形品等)に成形が可能であるため、LEDパッケージ用光反射材料として、各種照明器具や、パソコン、テレビ、携帯電話等のバックライトや、光反射性能を有するLED搭載基板等に広く使用することができる。
[製造方法]
本発明の光反射体の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記シリコーン樹脂(A)、無機フィラー(B)、及び、その他添加剤をプラネタリーミキサー、ディソルバー、ロールミル、各種ニーダー等の従来公知の任意の混合・攪拌機を用いることで均一に混合した後、同様に従来公知の任意の成形機を用いてシリコーン樹脂の組成、粘度等を考慮した上で、最適な成形機を選定し、各種用途に最適な形状へ成形することができる。成形方法の具体例としては、リキッドインジェクションモールド(LIM)成形法等の射出成形法、注型成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法等があげられる。この中でも特に、成形体の形状の自由度が高く、連続成形が可能な点からLIM成形法を採用することが好ましい。
前記方法にて成形した光反射体は、100〜200℃、より好ましくは120〜190℃、さらに好ましくは140℃〜180℃に加熱した状態で、1秒〜30分、より好ましくは3秒〜10分、さらに好ましくは5秒〜2分程度保持することにより耐熱性に優れた硬化物が得られる。なお、金型内で加熱・硬化させても、金型から取り出した後に加熱・硬化させてもどちらでも構わないが、成形品の寸法安定性、生産性を考慮すると金型内で硬化させることが好ましい。
本発明の光反射体は、LEDパッケージにおける光反射体の様に、極めて薄肉の、又は薄肉部分を有する樹脂成形体とした状態でも、具体的には厚み0.4mmの様な薄肉部においても、波長405nmの光に対する反射率が88%以上という極めて優れた特性を有する。
そしてこの様な薄肉形状を有する光反射体は、光反射体を、260℃で10分間熱処理した後(加熱試験後)においても、波長405nmの光に対する反射率は、88%以上と優れている。中でもこの熱処理加熱試験後の反射率は89%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。加熱試験後の反射率が88%以上であれば、半田リフロー工程や、使用時における発熱等により高温環境下にさらされた場合においても光反射体の反射性能が低下することなく、長期間の使用が可能な光反射体となるので好ましい。
本発明において、厚み0.4mmにおける波長405nmの光に対する反射率を88%以上の光反射体を得るためには、上述した成分(A)、(B)として、その好ましい範囲のものを選択し組み合わせる事により得ることが出来る。
また本発明の光反射体は、岩崎電気社製アイスーパーUVテスターSUV−W151を用い、50時間紫外線を照射した後の、厚み0.4mmにおける波長405nmの光に対する反射率は、88%以上であることが好ましく、中でも89%以上、特に90%以上であることが好ましい。紫外線照射後における反射率が88%以上であれば、近紫外LEDを使用した場合においても光反射体の反射性能が低下することなく、長期間の使用が可能となる。
加えて、本発明の光反射体は、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が、1MPa以上、50MPa以下であることが好ましく、中でも2MPa以上、40MPa以下、特に5MPa以上、30MPa以下であることが好ましい。光反射体の貯蔵弾性率がかかる範囲内であれば、成形時、あるいは、使用時にかかる荷重に対しても追従が可能であり、かつ、十分な剛性も保持しているため過剰な変形も抑制することができる。
以下に実施例、比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の光反射体は、以下の方法により評価した。
(1)反射特性
厚み0.4mmの光反射体サンプルを日立製作所社製の分光光度計U−4000に積分球を取りつけ、アルミナ白板の反射率を100%としたときの反射率を、波長300nm〜800nmの範囲にわたって0.5nm間隔で測定し、波長405nmにおける反射率を読み取った。
(2)耐熱性
大栄科学精器製作所製社製ベーキング試験装置DKS−5Sを用い、厚み0.4mmの光反射体サンプルを装置内に静置し、260℃で10分間加熱した後の反射率を測定した。加熱試験後の波長405nmにおける反射率が88%以上であるものを合格とした。
(3)耐光性
岩崎電気社製アイスーパーUVテスターSUV−W151を用い、厚み0.4μmの光反射体サンプルを装置内に静置し、50時間紫外線を照射した後の反射率を測定した。
(4)剛性
動的粘弾性測定機(アイティ計測社製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)を用いて、振動周波数:1Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E’)を−100℃から200℃まで測定し、得られたデータから、20℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取った。
(5)摩耗性
A4サイズのステンレス板(材質:SUS304、モース硬度:6)を固定し、厚み0.4mmの光反射体サンプルをΦ10mmの丸棒に巻き付け、1秒間に1往復する速度でステンレス板と成形体を10秒間擦り付けた。擦り付けた後の光反射体サンプルの状態を以下の判断基準に基づいて評価した。
○:光反射体サンプルが変色していない。
×:光反射体サンプルが黒く変色、かつ、摩耗が認められる。
本発明の光反射体の製造に用いた原料等は、以下の通りである。
[樹脂(A)]
(A)−1:メチルシリコーン樹脂(信越化学(株)の商品名:KEG−2000−40)
(A)−2:メチルシリコーン樹脂(信越化学(株)の商品名:KEG−2000−70)
[無機フィラー(B)]
(B)−1:酸化亜鉛(堺化学工業社製 商品名:1085、モース硬度:5、平均粒径:0.6μm)
(B)−2:酸化亜鉛(堺化学工業社製 商品名:LPZINC−2、モース硬度:5、平均粒径:2.0μm)
(B)−3:ベーマイト(大明化学工業社製 商品名:C06、モース硬度:4、平均粒径:0.7μm)
(B)−4:酸化マグネシウム(神島化学工業社製 商品名:スターマグPSF、モース硬度:4、平均粒径:1.1μm)
(実施例1)
東洋精機社製ラボプラストミル20C200を用いて、約20℃の温度で(A)−1、及び、(B)−1を質量比50:50の割合で用い、混練した。次いで、得られた混合物を井元製作所製社製加熱プレスIMC−18DAを用いて、温度150℃、圧力20MPaの条件で3分間保持し、厚み0.4mmの成形体を作製した。得られたサンプルについて反射特性、耐熱性、耐光性、剛性、摩耗性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(A)−1及び(B)−2を質量比50:50の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
(A)−1及び(B)−3を質量比50:50の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
(A)−1及び(B)−4を質量比50:50の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
(A)−1及び(B)−1を質量比60:40の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
(A)−1及び(B)−1を質量比30:70の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
(A)−2及び(B)−1を質量比50:50の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
無機フィラー(B)の代わりに、日本軽金属社製 商品名SA−32(アルミナ、モース硬度:9、平均粒径:1.1μm、以下(N)−1と省略する。)を用い、(A)−1及び(N)−1を質量比50:50の割合で使用した以外は、実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
無機フィラー(B)の代わりに、和光純薬工業社製 商品名酸化マグネシウム(酸化マグネシウム、モース硬度:4、平均粒径:0.2μm、以下(N)−2と省略する。)を用い、(A)−1及び(N)−2を質量比50:50の割合で使用した以外は、実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
無機フィラー(B)の代わりに、堺化学工業社製 商品名R−25(ルチル型酸化チタン、モース硬度:7、平均粒径:0.2μm、以下(N)−3と省略する。)を用い、(A)−1及び(N)−3を質量比50:50の割合で使用した以外は、実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
無機フィラー(B)の代わりに、堺化学工業社製 商品名酸化亜鉛1825(酸化亜鉛、モース硬度:5、平均粒径:0.29μm、以下(N)−4と省略する。)を用い、(A)−1及び(N)−4を質量比50:50の割合で使用した以外は、実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
(A)−1及び(B)−1を質量比80:20の割合で使用した以外は実施例1と同様に光反射体サンプルの作製、及び評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2013174675
表1に示した結果から分かるように、本発明の実施例1〜7の光反射体は、反射率が良好であり、加熱試験後や紫外線照射試験後においても、反射率変化の少ない、そして他の特性に於いても優れた光反射体であることが判る。一方、比較例においては、モース硬度が高すぎたり(比較例1)、または平均粒径が小さすぎたり(比較例2〜4)、そして無機フィラー含有量が少なすぎる(比較例5)の場合には、反射率や他の物性が劣るものであることが判る。

Claims (9)

  1. シリコーン樹脂(A)に無機フィラー(B)を含有してなる光反射性樹脂成形体からなる光反射体であって、光反射性樹脂成形体における無機フィラー(B)の割合が、40質量%以上80質量%以下であり、無機フィラー(B)がモース硬度2以上5.5未満で且つその平均粒径が0.3μm以上2.0μm以下であることを特徴とする光反射体。
  2. 厚み0.4mmにおける波長405nmの光に対する反射率が88%以上であることを特徴とする請求項1記載の光反射体。
  3. 光反射性樹脂成形体における無機フィラー(B)の割合が、50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光反射体。
  4. 無機フィラー(B)が、酸化マグネシウム、ベーマイト、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光反射体。
  5. 無機フィラー(B)の平均粒径が0.5μm以上、2.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光反射体。
  6. 260℃、10分間熱処理した後の厚み0.4mmにおける波長405nmの光に対する反射率が88%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光反射体。
  7. 動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が、1MPa以上50MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光反射体。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の光反射体を用いてなるLEDパッケージ基板用光反射体。
  9. 請求項8に記載の光反射体を用いたLEDパッケージ。
JP2012038128A 2012-02-24 2012-02-24 光反射体 Pending JP2013174675A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017165943A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 東莞市天凱電子有限公司 硬化可能な有機ポリシロキサン組成物及びその応用

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