JP2013173884A - 有機物質のガス化方法並びに有機物質のガス化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を改質反応器内で有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化した生成物を生成させ、前記改質反応器から出た生成物の蒸気を蒸留して気体生成物と液体生成物とに分離し、気体生成物を回収するとともに、液体生成物を前記改質反応器に還流させる。
【選択図】図1
Description
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。
また、特許文献2には、石油の流動接触触媒(FCC)を熱媒体兼触媒として用い、温度350〜500℃で廃プラスチックを分解して液体燃料に変換する方法が開示されている。
また、特許文献3には、RDFや木材などを熱分解するにあたり、熱分解で生成したガスを水蒸気改質し、この水蒸気改質により水素濃度を高くしたガスを熱分解部に循環し、水素濃度を高くしたガス雰囲気で熱分解を行う方法が開示されている。
まず、特許文献1に関しては、COG中の水素濃度が60vol%以上となるのは石炭乾留工程のうちでも乾留末期に限られるので、特許文献1の方法では、乾留末期のタイミングでガス流路を切替え、多量のダストを含む600℃以上のCOGを廃プラスッチク水素化分解反応器に供給する必要がある。しかし、このような過酷な条件で、流路切替弁を長期間安定して作動させ続けることは困難であり、この意味で実現性に乏しい技術であると言える。さらに、廃プラスチックの効率的なガス化のためには、60vol%以上の水素を含有するCOGを連続的に水素化分解反応器に供給することが必要であるが、このためには炭化室毎に水素濃度計と流路切替弁を設置する必要があり、設備コストが増大する。
また、特許文献3の方法で生成するガスは、H2、CO、CO2が主体で、燃焼熱が冶金炉発生排ガスのそれよりやや低い1800kcal/Nm3程度のものであり、気体燃料としての価値は限定的なものとなる。
[1]冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を改質反応器内で有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化した生成物を生成させ、前記改質反応器から出た生成物の蒸気を蒸留して気体生成物と液体生成物とに分離し、気体生成物を回収するとともに、液体生成物を前記改質反応器に還流させることを特徴とする有機物質のガス化方法。
[3]上記[1]または[2]の方法において、混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする有機物質のガス化方法。
[4]上記[3]の方法において、混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする有機物質のガス化方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの方法において、改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質のガス化方法。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかの方法で得られた気体生成物を、製鉄所内で燃料または/および還元剤として利用することを特徴とする製鉄所の操業方法。
また、実施設備に関しても、特別な計測器や流路切替弁などが必要なく、しかも比較的低い反応温度でも有機物質のガス化を行うことができるので、比較的簡易な設備で実施することができる。また、シフト反応によって生成するCO2は、有機物質の改質中に炭酸ガス改質反応でCOに変化するため、有機物質のケミカルリサイクルをCO2発生量を増加させることなく実施することが可能となる。
なお、排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加するとは、シフト反応で消費されない余剰の水蒸気が混合ガス(g)中に残存するように水蒸気を添加するという意味である。
一般に廃プラスチックなどの高分子量有機物質は、300〜400℃以上で加熱すると熱分解が始まることが知られているが、この時、軽質化とともに重質化も進行してしまう。熱分解時に水素を共存させると、炭化水素種への水素付加反応と水素化分解反応が進行するため、重質化抑制と低分子化に有効である。しかしながら、水素化分解に高温が必要であり、且つ水素消費量が多くなることが問題である。
さらに、本発明では、改質で生成した液体生成物を改質反応器に還流させることにより、高効率で気体生成物を得ることができる。
なお、前記水素化反応としては、炭化水素種への水素付加反応だけではなく、メタンなどの軽質炭化水素を生成するCOやCO2への水素付加反応も進行していることが気体生成物の分析結果から示唆される。本発明の説明では簡単のため、COやCO2への水素付加反応を炭化水素種への水素化反応と区別することなく、単に水素化(または水素化反応)として記述した。
CO+H2O→H2+CO2 …(1)
本発明法では、排ガス(g0)に過剰の水蒸気が添加されるので、シフト反応後の混合ガス(g)には、シフト反応により生成したH2、CO2と過剰添加分のH2Oが含まれることになる。そして、このシフト反応生成ガス(g)による有機物質の改質(低分子化)では、各ガス成分による水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質の4反応が同時進行するものと考えられる。
なお、シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的であり、その場合、シフト反応器長さや触媒充填量は、ほぼ平衡まで反応を進行させる場合の1/2〜1/4程度とすればよい。なお、シフト反応は、通常、ほぼ平衡まで反応が進行することはよく知られている。
本発明において、シフト反応させる排ガス(g0)として冶金炉発生排ガスを用いる理由は、冶金炉発生排ガスは比較的高濃度に一酸化炭素を含有し、且つ不要な窒素の濃度が低いためである。一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガス(g0)としては、任意のものが使用できる。最も代表的なものは、鉄鋼製造プロセスの脱炭工程が行われる転炉から発生する転炉ガスであるが、それ以外にも、例えば、溶銑予備処理炉、溶融還元炉、シャフト炉などから発生する排ガスを例示することができ、これらの1種または2種以上の混合ガスを用いることができる。
冶金プロセスで生成する一酸化炭素が、さらに酸化されて二酸化炭素が生成する割合である二次燃焼率(CO2/(CO+CO2)×100)は、一般に10〜50%程度に過ぎない。また、排ガス(g0)中には水素と窒素も含まれるが、H2濃度は冶金プロセスに応じて変化し、0〜20vol%程度である。窒素は、炉内撹拌や煙道保安などのために供給されており、通常、排ガス(g0)中の濃度は10〜30vol%程度である。
CO:80〜25vol%(二次燃焼率10〜50%に相当)
CO2:10〜25vol%(二次燃焼率10〜50%に相当)
N2:10〜30vol%
H2:0〜20vol%
シフト反応には一酸化炭素が必要であるが、ガスの組成が上記の範囲であれば、排ガス(g0)の組成に特段の問題はない。ここで、窒素は本発明で生じる化学反応(シフト反応、水素化、水素化分解、水蒸気改質、炭酸ガス改質)には何ら寄与せず、一方において、製造される気体生成物を希釈し、低位燃焼熱(以下、「LHV」という)を低下させる。特に、窒素濃度が50vol%を超えると、気体生成物のLHVの低下が顕著になるとともに、シフト反応速度も低下する傾向になる。このため窒素濃度は上記組成範囲内であることが好ましい。
本発明では、製鉄所内で使用されている一般的なガスホルダーに貯蔵されているような比較的CO濃度が高い排ガスであっても、上記のような一般的な冶金炉発生排ガスの組成であっても、排ガス(g0)として利用することができる。
窒素分離をするのが好ましい代表的な排ガスとしては、高炉ガスを挙げることができるが、この他にも電炉や窒素濃度が高くなる条件で操業しているシャフト炉の発生排ガスなどを挙げることができる。なお、転炉ガスなどのように、比較的高濃度の一酸化炭素を含有する排ガスについて窒素の分離を行い、一酸化炭素濃度をさらに高めた上で、シフト反応を行うこともできる。
なお、本発明のようなシフト反応を行うことなく、冶金炉発生排ガス(g0)に水蒸気、水素、炭酸ガスをそれぞれ添加すれば、本発明のシフト反応で得られる有機物質改質用の混合ガス(g)と同等の組成のガスを得ることはできるが、このような方法では、水蒸気に加えて、高価な水素ガスと炭酸ガスを添加しなければならず、コスト高となる。
また、有機物質の分解率を確保する観点から、混合ガス(g)の水素濃度および炭酸ガス濃度はともに5vol%以上が好ましい。
本発明において、改質による低分子化の対象となる有機物質に特別な制限はないが、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスなどが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。
また、廃プラスチックがポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂を含んでいると、改質反応器内で塩素が発生し、この塩素が気体生成物や液体生成物中に含有されてしまう恐れがある。したがって、廃プラスチックが塩素含有樹脂を含む恐れがある場合には、改質反応器内にCaOなどのような塩素吸収剤を投入し、塩素分が生成する気体生成物中に含有されないようにすることが好ましい。
有機物質が水を含んでいる場合には、改質反応器内で水蒸気が発生するので、その分を考慮してシフト反応で添加する水蒸気の過剰割合を決定する。
また、廃プラスチックおよび/またはバイオマスと含油スラッジおよび/または廃油からなる混合物を対象とする場合には、上述した点から、反応温度は400〜800℃程度が適当である。圧力の影響はほとんど認められないので、常圧または数kg/cm2程度の微加圧で改質反応器を運転することが経済的である。
また、本発明では有機物質の改質に特に触媒を必要としないが、触媒を充填して反応を行ってもよい。触媒としては、水蒸気改質活性、炭酸ガス改質活性、水素化活性、水素化分解活性をそれぞれ有する1種または2種以上の触媒を用いることができる。具体例としては、Ni系改質触媒、Ni系水素化触媒、Pt/ゼオライト系石油精製触媒などを挙げることができる。また、微細なFe粒子からなることが知られている転炉発生ダストも、改質触媒や水素化分解触媒として用いることができる。
図2は、本発明のガス化装置の一実施形態を模式的に示したものである。
本発明のガス化装置は、冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせるためのシフト反応器1(シフト反応装置)と、このシフト反応器1で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)を有機物質に接触させて改質する改質反応器2(改質反応装置)と、この改質反応器2から出た生成物の蒸気を気体生成物と液体生成物とに分離し、液体生成物を改質反応器2に還流させる蒸留装置3を備える。
本実施形態の蒸留装置3は、改質反応器2から独立して設けられる蒸留塔30と、この蒸留塔30の下流側(蒸留塔の上部)に設けられる水冷コンデンサー31と、この水冷コンデンサー31で気体生成物から分離された液体生成物を改質反応器2に還流させるための配管32などを備えている。また、この配管32は、液体生成物の一部を蒸留塔30に還流させるための分岐配管320を有している。
なお、還流比の制御のため、図2には示されていない流量調整弁等の還流比制御機構を配管32に設置する。また、多段蒸留塔については特に制約はなく、充填塔でも棚段塔でもよい。
図3は、本発明のガス化装置の他の実施形態を模式的に示したものであり、改質反応器2の上部に蒸留部30aを連設し、改質反応器2と蒸留塔を一体化したものであり、所謂反応蒸留装置に該当する。この実施形態では、改質反応器2を出て上昇した生成物の蒸気が蒸留部30aに入るまでは図2の実施形態と同様であるが、図2と異なるのは水冷コンデンサー31で凝縮した成分は全てが蒸留部30aに還流される、所謂全還流状態となっているところである。水冷コンデンサー31で凝縮した液体生成物は、配管33を通じて蒸留部30aに還流される。また、蒸留部30a内の液体生成物は改質反応器2に流下し、さらに改質がなされる。この実施形態の利点は、還流比制御のための流量調節弁が不要で、配管や制御方法が簡素なことである。水冷コンデンサー31で分離された気体生成物は、製品ガスとして回収される。
気体生成物中のLHVは約6〜10Mcal/Nm3であり、天然ガス並みのLHVである。それにも拘わらず、一酸化炭素濃度が高いので、天然ガスよりも燃焼性が高いことが特徴である。一酸化炭素濃度が高く且つ燃焼性が高いことから、家庭用都市ガスとして供給するよりも、製鉄所などのような冶金炉を有する工場の都市ガス代替燃料として利用する方が安全性の点から好ましい。また、気体生成物を燃料としてではなく、高炉などの還元剤として用いることもできる。
すなわち、製鉄所の操業方法として、本発明法で得られた気体生成物を製鉄所内で燃料または/および還元剤として利用することができる。
このようなガス組成の限定理由は、さきに述べた本発明法における限定理由と同様である。本発明法以外でこのような組成の混合ガスを得るには、例えば、ベースとなるガスに水蒸気、水素、炭酸ガスの1種以上を添加する。
この混合ガスによる有機物質の改質(低分子化)条件は、さきに述べた本発明法における改質(低分子化)条件と同様である。
[i]水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%である混合ガスを改質反応器内で有機物質に接触させことにより、有機物質を改質して低分子化した生成物を生成させ、前記改質反応器から出た生成物の蒸気を蒸留して気体生成物と液体生成物とに分離し、気体生成物を回収するとともに、液体生成物を前記改質反応器に還流させることを特徴とする有機物質のガス化方法。
[ii]上記[i]の方法において、混合ガスは、水蒸気濃度が25〜65vol%、水素濃度が15〜35vol%、炭酸ガス濃度が15〜35vol%であることを特徴とする有機物質のガス化方法。
[iii]上記[i]または[ii]の方法において、改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質のガス化方法。
転炉ガスを一時貯留するガスホルダーのガス払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにした。この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、予熱器(転炉ガスとスチームの混合ガス用)、シフト反応器(円筒竪型)、改質反応器(外熱式ロータリーキルン)、上部に水冷コンデンサーを設置した単蒸留塔を、この順に配置した。また、水冷コンデンサーから改質反応器への液体分還流配管を設けるとともに、この液体分還流配管から単蒸留塔への分岐配管を設けた。前記改質反応器の入側には、スクリューコンベア方式の廃プラスチック定量投入装置を設置した。また、シフト反応器の出側配管とガス冷却器の冷却後ガスの出側配管には、サンプリングポートと流量計を設置した。なお、単蒸留塔全体は空冷した。
なお、ガス化率とは、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(kg/h)に対する気体生成物の生成量(kg/h)の割合であり、気体生成物の定義はH2からC4までとした。
水冷コンデンサーと単蒸留塔をバイパスし、液体生成物を改質反応器に還流させることなくポリエチレンを改質した以外は、発明例1と同様にして実験を行い、気体生成物を分析し、生成量、組成、LHVを求めるとともに、ポリエチレンのガス化率を求めた。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、本発明例では、液体生成物を改質反応器に還流させることにより、比較例に較べて有機物質のガス化率を大幅に向上させることができる。
発明例1と同様の設備において、シフト反応器に供給するスチーム流量を種々変化させたこと、並びにポリエチレンの改質反応温度を800℃と500℃の2水準とした以外は発明例1と同様にして、転炉ガスのシフト反応とシフト反応生成ガスによるポリエチレンの改質反応実験を行った。その結果を表2に示す。
図5は、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:800℃)におけるガス化率および液化率との関係を示したものである。なお、上述したようにガス化率とは、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(kg/h)に対する気体生成物の生成量(kg/h)の割合であり、気体生成物の定義は表1に示すようにH2からC4までとした。同様に、液化率とは、供給したシフト反応生成ガスとポリエチレンの合計量(kg/h)に対する液体生成物の生成量(kg/h)の割合であり、液体生成物の定義は表1に示すようにC5からC24までとした。図6は、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:800℃)で得られた気体生成物および液体生成物のLHVとの関係を示したものである。ここで、液体生成物のLHVは、液体生成物の気体換算の標準状態における体積当たりのLHVで表した。図7は、シフト反応生成ガスの水蒸気濃度と、ポリエチレンの改質によるポリエチレン分解率との関係を示したもので、特に、反応温度500℃と800℃においてポリエチレン分解率が同等であることを示したものである。図8は、シフト反応生成ガスの炭酸ガス濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:800℃)で得られた気体生成物の水素濃度との関係を示したものである。図9は、シフト反応生成ガスの水素濃度と、ポリエチレンの改質(反応温度:500℃)で得られた気体生成物の炭酸ガス濃度との関係を示したものである。
一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガスとして高炉ガスを用いた。高炉ガスの脱硫・乾燥処理後の組成は、H2:3vol%、CO:23vol%、CO2:21vol%、N2:53vol%であったので、以下に述べるPSA法によって窒素分離を行い、一酸化炭素の濃度を高めた。
PSA法による窒素分離では、吸着剤としてCu+担持活性炭を400kg充填した吸着塔に、上記高炉ガスを常圧で136Nm3/h供給した。脱着は7kPa(絶対圧)で行い、脱着ガス(=一酸化炭素を濃縮した高炉ガス)の組成はH2:<1vol%、CO:47vol%、CO2:37vol%、N2:16vol%、流量は58Nm3/hであった。この一酸化炭素を濃縮した高炉ガス58Nm3/hと水蒸気として圧力10kg/cm2Gのスチーム73Nm3/hをスチーム混合器に供給し、発明例1と同様にしてシフト反応を行った。その結果、ガス組成がH2:19vol%、CO:2vol%、CO2:35vol%、H2O:37vol%、N2:7vol%のガス(シフト反応生成ガス)が得られた。
水蒸気と水素濃度がともに低いガスによるポリエチレンの改質反応効率を調べるために、H2:1vol%、CO:61vol%、CO2:19vol%、H2O:1vol%、N2:18vol%なる組成の標準ガスを作り、このガスによりポリエチレンの改質反応実験を行った。その結果、温度800℃においてもポリエチレン分解率は16%、ガス化率10%、液化率5%に過ぎず、低分子化はほとんど進行しなかった。
2 改質反応器
3 蒸留設備
30 蒸留塔
30a 蒸留部
31 水冷コンデンサー
32 配管
320 分岐配管
33 配管
Claims (7)
- 冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を改質反応器内で有機物質に接触させることにより、有機物質を改質して低分子化した生成物を生成させ、前記改質反応器から出た生成物の蒸気を蒸留して気体生成物と液体生成物とに分離し、気体生成物を回収するとともに、液体生成物を前記改質反応器に還流させることを特徴とする有機物質のガス化方法。
- 排ガス(g0)が、冶金炉で発生した一酸化炭素と窒素を含有する排ガスから窒素の少なくとも一部を分離することで一酸化炭素濃度を高めた排ガスであることを特徴とする請求項1に記載の有機物質のガス化方法。
- 混合ガス(g)の水蒸気濃度が5〜70vol%であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機物質のガス化方法。
- 混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、炭酸ガス濃度が10〜40vol%であることを特徴とする請求項3に記載の有機物質のガス化方法。
- 改質される有機物質が、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機物質のガス化方法。
- 冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせるためのシフト反応器(1)と、該シフト反応器(1)で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)を有機物質に接触させて改質する改質反応器(2)と、該改質反応器(2)から出た生成物の蒸気を気体生成物と液体生成物とに分離し、液体生成物を改質反応器(2)に還流させる蒸留装置(3)を備えることを特徴とする有機物質のガス化装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のガス化方法で得られた気体生成物を、製鉄所内で燃料または/および還元剤として利用することを特徴とする製鉄所の操業方法。
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