JP2013172837A - 機能性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】香料などの揮発性物質を放散可能な状態で装身具や備品などに対して簡単に脱着することができる物品を、提供すること。
【解決手段】揮発性物質を放散可能に担持した樹脂シートからなることを特徴とする機能性シートであり、樹脂シートの一面又は両面が凹凸加工されているのが好ましく、揮発性物質が香料であるのが好ましく、樹脂シートが、更に、着色剤を担持しているのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば香料や殺虫剤などの揮発性物質を放散するという機能を有するシート、及び、そのようなシートを製造する方法、に関する。
本発明の類似技術を示す文献としては、例えば、特許文献1〜4を挙げることができる。
特許第3602331号公報 特開2004−201811号公報 特開2007−054988号公報 実用新案登録第3028129号公報
香料などの揮発性物質を放散可能な状態で装身具や備品などに対して簡単に脱着することができる物品があれば、お洒落などの観点から、大きな利点がある。しかも、当該物品を隠した状態で香料などを常時放散できれば、更なる美的要求を満たすことができる。
本発明は、そのようなことが可能な機能性シート、及び、その製造方法を、提供することを目的としている。
本発明の機能性シートは、揮発性物質を放散可能に担持した樹脂シートからなることを特徴としている。
なお、本発明の樹脂シートは、更に、次の構成を採用するのが好ましい。
(i)樹脂シートの一面又は両面が凹凸加工されている。
(ii)揮発性物質が香料である。
(iii)樹脂シートが、更に、着色剤を担持している。
(iv)樹脂シートが、エチレン酢酸ビニル樹脂シート、ポリエチレン樹脂シート、ポリスチレン樹脂シート、又はポリプロピレン樹脂シートである。
本発明の機能性シートの製造方法は、揮発性物質を放散可能に担持した樹脂シートからなる機能性シートを、製造する方法であって、
有機溶媒に揮発性物質を溶解して有機溶液を調製する調製工程と、
前記有機溶液に前記樹脂シートを浸漬する浸漬工程と、
前記樹脂シートを前記有機溶液から取り出して洗浄した後に乾燥させる仕上げ工程と、
を有していることを特徴としている。
なお、本発明の樹脂シートの製造方法は、更に、次の構成を採用するのが好ましい。
(v)浸漬工程の前に、樹脂シートの一面又は両面を凹凸加工する加工工程を、有している。
(vi)揮発性物質として香料を用いる。
(vii)調製工程において、有機溶媒に更に着色剤を溶解する。
(viii)樹脂シートとして、エチレン酢酸ビニル樹脂シート、ポリエチレン樹脂シート、ポリスチレン樹脂シート、又はポリプロピレン樹脂シートを、用いる。
本発明の機能性シートは、装身具や備品などに簡単にしのばせることができる。したがって、本発明の機能性シートによれば、香料などの揮発性物質を放散可能な状態で装身具や備品などに対して簡単に脱着することができるので、例えばお洒落などの種々の用途に有効に使用できる。
前記構成(i)によれば、凹凸によって樹脂シートの表面積を増大できるので、樹脂シートに担持できる揮発性物質の量を増大でき、それ故、機能性を向上できる。また、多数枚の機能性シートを積層して保管する際に、シート同士が密着して剥がれにくくなるのを、防止できる。
前記構成(ii)によれば、芳香性を呈することができる。
前記構成(iii)によれば、着色剤の色を呈することができる。それにより、揮発性物質の種類と着色剤の色とを関連付けることができ、機能性シートの識別性を向上でき、それ故、樹脂シートの使い勝手を向上できる。
前記構成(iv)によれば、所望の機能性シートを安価に得ることができる。
本発明の機能性シートの製造方法によれば、簡単な作業で機能性シートを得ることができる。
前記構成(v)によれば、表面積が増大した樹脂シートに揮発性物質を担持させることができる。
前記構成(vi)によれば、芳香性を呈することができる機能性シートを得ることができる。
前記構成(vii)によれば、着色剤の色を呈することができる機能性シートを得ることができる。
前記構成(viii)によれば、機能性シートを安価に且つ確実に得ることができる。
本発明の機能性シートは、揮発性物質を放散可能に担持した樹脂シートからなっている。
また、本発明の機能性シートの製造方法は、次の工程を有している。
(a)有機溶媒に揮発性物質を溶解して有機溶液を調製する調製工程、
(b)有機溶液に樹脂シートを浸漬する浸漬工程、
(c)樹脂シートを有機溶液から取り出して洗浄した後に乾燥させる仕上げ工程。
揮発性物質としては、香料や殺虫剤などを、使用できる。香料としては、天然香料及び合成香料のいずれも使用できる。天然香料としては、ペパーミントオイル、ラベンダーオイル、ローズオイル、ジャスミンオイル、フェンネルオイル、アニスオイル、レモングラスオイル、ゼラニウムオイル、サンダルウッドオイル、セダーウッドオイル、オレンジオイル、ローズマリーオイル、ユーカリオイル、ティートゥリーオイル、パチュリオイルなどを、好ましく使用できる。合成香料としては、特に、製品名「LOVE CHLOFANTASIE J.62851」(ヴェ・マン・フィス香料株式会社製)、製品名「PRINTEMPS IC-1499」(曽田香料株式会社製)、製品名「FRAGRANCE TJP-K-002616」(高砂香料株式会社製)などを、好ましく使用できる。
樹脂シートとしては、エチレン酢酸ビニル樹脂シート、ポリエチレン樹脂シート、ポリスチレン樹脂シート、又はポリプロピレン樹脂シートを、好ましく使用できる。特に、エチレン酢酸ビニル樹脂シートが好ましい。
樹脂シートの形態及び寸法は、任意である。例えば、名刺又はカードと略同じ形態及び寸法を採用すれば、名刺入れの中に入れて名刺に芳香性などを持たせたり、胸ポケットに入れて服装に芳香性などを持たせたりすることができる。また、押入の棚に敷設できる形態及び寸法を採用すれば、押入内に敷設して殺虫性や消臭性などを発揮できる。また、机の引き出し内に敷設できる形態及び寸法を採用すれば、机の引き出し内に敷設して殺虫性や消臭性などを発揮できる。
有機溶媒としては、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、トリエチルシトレート、メタノール、エタノール、多価アルコールなどを、使用できる。
樹脂シートには、揮発性物質の他に、着色剤を担持させるのが好ましい。これによれば、揮発性成分の種類と着色剤の色とを関連付けることができ、機能性シートの識別性を向上でき、それ故、樹脂シートの使い勝手を向上できる。着色剤としては、青色1号、黄色4号、赤色102号、赤色103号、赤色104号などを、使用でき、また、塩基性染料、直接染料なども、使用できる。着色剤は、揮発性物質と共に有機溶媒に溶解する。
浸漬工程(b)において、有機溶媒は、常温より少し高めの温度、具体的には40℃±3℃に、設定するのが好ましい。また、浸漬時間は、1〜3時間が好ましい。
仕上げ工程(c)において、洗浄は、洗剤を含んだ水で行った後にエタノールで行うのが、好ましい。また、乾燥は、風乾で行うのが好ましい。乾燥時間は、2〜3時間が好ましい。
浸漬工程の前に、樹脂シートの一面又は両面を凹凸加工する加工工程を、採用するのが好ましい。凹凸加工すれば、樹脂シートの表面積を増大できるので、樹脂シートに担持できる揮発性物質の量を増大でき、それ故、機能性を向上できる。また、多数枚の機能性シートを積層して保管する際に、シート同士が密着して剥がれにくくなるのを、防止できる。凹凸加工としては、エンボス加工、梨地加工などを採用できる。
本発明の製造方法によって得られた機能性シートは、揮発性物質を紙類や発泡樹脂類などに含浸させてなるものに比して、揮発性物質を良好に担持している。揮発性物質を紙類や発泡樹脂類などに含浸させてなるものにおいては、強い圧力を加えたり切断したりした場合に、含浸された揮発性物質が染み出す恐れがある。しかるに、本発明の機能性シートでは、そのような場合でも揮発性物質が染み出すことはない。したがって、本発明の機能性シートは、次のような利点も有している。
(1)今まで使用しにくかった所でも、使用できる。例えば、名刺入れ、財布、ポケットなどに入れることができる。このような所で揮発性物質が染み出すようなものは、商品として成立し得ないが、本発明の機能性シートは、そのようなことがないので、商品価値が非常に高い。
(2)挟みやカッターなどで所望の形状に切断できる。したがって、様々な所に自在に使用でき、この点からも、商品価値が非常に高い。
[実施例1]
次のようにして、芳香性と緑色を呈する機能性シートを得た。
(a)20重量部の着色剤と50重量部の香料とを、30重量部のジプロピレングリコールに、攪拌しながら溶解した。これにより、機能性付与用の有機溶液を得た。着色剤としては、青色1号の0.06%ジプロピレングリコール溶液と黄色4号の0.10%ジプロピレングリコール溶液とを用いた。香料としては、製品名「LOVE CHLOFANTASIE J.62851」を用いた。
(b)50重量部のエチレン酢酸ビニル樹脂シートを、前記工程(a)で得た有機溶液に、浸漬した。樹脂シートの形態は、平面視矩形であり、寸法は、厚さ0.5mm×幅50mm×長さ75mmであった。有機溶液の温度は、40℃±3℃に設定した。浸漬時間は、2時間とした。
(c)樹脂シートを有機溶液から取り出し、室温下で、洗剤を含む水で洗浄し、更に、100重量部のエタノールで洗浄し、その後、乾燥した。乾燥は、2〜3時間風乾することによって行った。
こうして機能性シートを得た。機能性シートは、ナイロンポリ袋に保管した。
得られた機能性シートは、開放状態で3ヶ月間、緑色を呈するとともに香料を十分に放散して芳香性を呈した。また、その間、シート表面が濡れてくることはなかった。
[実施例2]
次のようにして、芳香性と赤色を呈する機能性シートを得た。
(a)15重量部の着色剤と50重量部の香料とを、35重量部のジプロピレングリコールに、攪拌しながら溶解した。これにより、機能性付与用の有機溶液を得た。着色剤としては、赤色104号の0.1%ジプロピレングリコール溶液を用いた。香料としては、製品名「PRINTEMPS IC-1499」を用いた。
(b)50重量部のエチレン酢酸ビニル樹脂シートを、前記工程(a)で得た有機溶液に、浸漬した。樹脂シートの形態は、平面視矩形であり、寸法は、厚さ0.5mm×幅50mm×長さ75mmであった。有機溶液の温度は、40℃±3℃に設定した。浸漬時間は、2時間とした。
(c)樹脂シートを有機溶液から取り出し、室温下で、洗剤を含む水で洗浄し、更に、100重量部のエタノールで洗浄し、その後、乾燥した。乾燥は、2〜3時間風乾することによって行った。
こうして機能性シートを得た。機能性シートは、ナイロンポリ袋に保管した。
得られた機能性シートは、開放状態で3ヶ月間、赤色を呈するとともに香料を十分に放散して芳香性を呈した。また、その間、シート表面が濡れてくることはなかった。
[実施例3]
次のようにして、芳香性と紫色を呈する機能性シートを得た。
(a)35重量部の着色剤と50重量部の香料とを、15重量部のジプロピレングリコールに、攪拌しながら溶解した。これにより、機能性付与用の有機溶液を得た。着色剤としては、赤色104号の0.1%ジプロピレングリコール溶液を15重量部用いるとともに、青色1号の0.1%ジプロピレングリコール溶液を20重量部用いた。香料としては、製品名「FRAGRANCE TJP-K-002616」を用いた。
(b)50重量部のエチレン酢酸ビニル樹脂シートを、前記工程(a)で得た有機溶液に、浸漬した。樹脂シートの形態は、平面視矩形であり、寸法は、厚さ0.5mm×幅50mm×長さ75mmであった。有機溶液の温度は、40℃±3℃に設定した。浸漬時間は、3時間とした。
(c)樹脂シートを有機溶液から取り出し、室温下で、洗剤を含む水で洗浄し、更に、100重量部のエタノールで洗浄し、その後、乾燥した。乾燥は、2〜3時間風乾することによって行った。
こうして機能性シートを得た。機能性シートは、ナイロンポリ袋に保管した。
得られた機能性シートは、開放状態で3ヶ月間、紫色を呈するとともに香料を十分に放散して芳香性を呈した。また、その間、シート表面が濡れてくることはなかった。
本発明の機能性シートは、香料などの揮発性物質を放散可能な状態で装身具や備品などに対して簡単に脱着することができるので、例えばお洒落などの種々の用途に有効に使用でき、産業上の利用価値が大である。

Claims (11)

  1. 揮発性物質を放散可能に担持した樹脂シートからなることを特徴とする機能性シート。
  2. 前記樹脂シートの一面又は両面が凹凸加工されている、請求項1記載の機能性シート。
  3. 前記揮発性物質が香料である、請求項1又は2に記載の機能性シート。
  4. 前記樹脂シートが、更に、着色剤を担持している、請求項1〜3のいずれか1つに記載の機能性シート。
  5. 前記樹脂シートが、エチレン酢酸ビニル樹脂シート、ポリエチレン樹脂シート、ポリスチレン樹脂シート、又はポリプロピレン樹脂シートである、請求項1〜4のいずれか1つに記載の機能性シート。
  6. 前記樹脂シートが、名刺又はカードと略同じ形態及び寸法を有している、請求項1〜5のいずれか1つに記載の機能性シート。
  7. 揮発性物質を放散可能に担持した樹脂シートからなる機能性シートを、製造する方法であって、
    有機溶媒に揮発性物質を溶解して有機溶液を調製する調製工程と、
    前記有機溶液に前記樹脂シートを浸漬する浸漬工程と、
    前記樹脂シートを前記有機溶液から取り出して洗浄した後に乾燥させる仕上げ工程と、
    を有していることを特徴とする機能性シートの製造方法。
  8. 前記浸漬工程の前に、前記樹脂シートの一面又は両面を凹凸加工する加工工程を、有している、請求項7記載の機能性シートの製造方法。
  9. 前記揮発性物質として香料を用いる、請求項7又は8に記載の機能性シートの製造方法。
  10. 前記調製工程において、前記有機溶媒に更に着色剤を溶解する、請求項7〜9のいずれか1つに記載の機能性シートの製造方法。
  11. 前記樹脂シートとして、エチレン酢酸ビニル樹脂シート、ポリエチレン樹脂シート、ポリスチレン樹脂シート、又はポリプロピレン樹脂シートを、用いる、請求項7〜10のいずれか1つに記載の機能性シートの製造方法。
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