JP2013172477A - 電力供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】商用電源から電力が供給されなくなった場合にも発電ユニットの性能を十分に発揮させることが可能な電力供給システムを提供する。
【解決手段】発電ユニット1と、蓄電ユニット3と、負荷4に電力に供給するために設けられた電力供給回路Raと、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を制御するPCS側コントローラ11と、を備えた電力供給システムにおいて、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が商用電源2とともに電力供給回路Raに接続されている。PCS側コントローラ11は、商用電源2から電力が供給されなくなると、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を中断し、電力供給回路Raの所定位置に電流が流れると、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開する。蓄電ユニット1は、商用電源2から電力が供給されなくなると、電力供給回路Raの所定位置に電流が流れるように放電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自然エネルギーを利用して発電する発電ユニットを備えた電力供給システムに係り、特に、発電ユニットが商用電源と連系し、発電ユニットや商用電源から供給される電力を蓄電する蓄電ユニットを更に備えた電力供給システムに関する。
太陽光エネルギー等の自然エネルギーを利用して発電する発電ユニットを備え、この発電ユニットを商用電源に連系させて、発電ユニット及び商用電源の双方から負荷に電力を供給する電力供給システムとは、既に知られている。また、発電ユニットの中には、停電時のように商用電源から電力が供給されなくなると、商用電源から切り離された回路を通じて電力を供給する機能(自立運転機能)を備えているものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、発電ユニット等の電源装置を配電系統に連系して負荷に給電する系統連系装置が記載されており、かかる系統連系装置は、停電の状態を示す停電状態情報を受信すると、配電系統から解列した電源装置から、配電系統から切り離された回路を通じて負荷に給電する自立運転を行うことが可能である。
特許文献2には、商用電力供給源と連系した発電源及び蓄電手段とを有する電力貯蔵システムが記載されており、かかる電力貯蔵システムは、商用電力供給源が異常状態であると、発電源及び蓄電手段を商用電力供給電源から解列し、発電源から充電回路を経由して蓄電手段へ至る新たな電気的接続ルートを確立して発電源の電力を上記の充電回路により蓄電手段に充電することが可能である。
特開2008−187837号公報 特許第4468881号公報
ところで、特許文献1や2のように、停電等の原因によって商用電源から電力が供給されなくなった際に、商用電源から切り離された回路を通じて発電ユニットからの電力を負荷や蓄電手段に給電しようとすると、発電ユニットの出力が定格値(商用電源と連系している際の最大出力)を下回る結果、発電ユニットがその性能を十分に発揮できなくなってしまう虞がある。例えば、発電ユニットの構成要素としてパワーコンディショナが搭載されている電力供給システムでは、停電等により商用電源から電力が供給されなくなってパワーコンディショナが自立運転した場合、パワーコンディショナからの出力電力が所定の大きさ(一般的には1.5kW)に制限される。かかる出力電力は、発電ユニットが本来供給可能な電力(例えば、3kW以上)を下回るため、自立運転では発電ユニットの性能(電力供給能力)を十分に発揮できないことになってしまう。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、停電等の原因によって商用電源から電力が供給されなくなった場合にも発電ユニットの性能を十分に発揮させることが可能な電力供給システムを提供することである。
前記課題は、本発明の電力供給システムによれば、自然エネルギーを利用して発電して電力を供給する発電ユニットと、電力を蓄電するとともに、蓄電した電力を放電する蓄電ユニットと、負荷に電力を供給するために設けられた電力供給回路と、該電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給を制御するコントローラと、を備えた電力供給システムであって、前記発電ユニット及び前記蓄電ユニットは、商用電源と連系するために、該商用電源とともに前記電力供給回路に接続されており、前記コントローラは、前記商用電源から電力が供給されなくなると、前記電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給を中断するとともに、前記商用電源から電力が供給されない期間中に前記電力供給回路の所定位置に電流が流れると、前記電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給を再開し、前記蓄電ユニットは、前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記電力供給回路の前記所定位置に電流が流れるように放電することにより解決される。
上記の電力供給システムでは、発電ユニット及び蓄電ユニットが電力供給回路を介して商用電源と連系している。そして、商用電源からの電力が供給されなくなると、上記の電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給が中断され、電力供給回路の所定位置に電流が流れるようになると、上記の電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給が再開されるようになる。発電ユニットの電力供給が再開されるのは、通常、商用電源が復旧して再び商用電源からの電力が電力供給回路を通じて供給されることにより当該電力供給回路の所定位置に電流が流れるようになった場合である。ここで、本発明では、商用電源から電力が供給されない期間中、蓄電ユニットが電力供給回路の所定位置に電流が流れるように放電するので、蓄電ユニットの放電を商用電源からの電力供給の再開と擬制することにより、電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給を再開することが可能となる。この結果、停電等の原因によって商用電源から電力が供給されなくなった場合であっても、発電ユニットは、上記の電力供給回路を通じて電力を供給することが可能であるため(換言すると、上述した商用電源と切り離された回路を用いずに電力を供給することが可能となるため)、発電ユニットの性能(電力供給能力)を十分に発揮させることが可能となる。
また、上記の電力供給システムにおいて、前記商用電源は、前記発電ユニットよりも上流側で前記電力供給回路に接続されており、前記電力供給回路の前記所定位置は、前記電力供給回路において前記発電ユニットが接続された位置よりも上流側に位置し、前記蓄電ユニットは、放電電力を前記電力供給回路を通じて供給するために、2つの接続位置にて前記電力供給回路に接続されており、前記2つの接続位置のうち、一方の接続位置は、前記電力供給回路において前記発電ユニットが接続された位置よりも下流側にあり、他方の接続位置は、前記電力供給回路において前記電力供給回路の前記所定位置よりも上流側にあり、前記商用電源から電力が供給されている期間中、前記蓄電ユニットは、前記蓄電ユニットと前記一方の接続位置との間に設けられた第1回路、及び、前記蓄電ユニットと前記他方の接続位置との間に設けられた第2回路のうち、前記第1回路のみを通じて放電し、前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記蓄電ユニットは、前記第1回路及び前記第2回路のうち、前記第2回路のみを通じて放電すれば、好適である。
上記の構成であれば、商用電源から電力が供給されない期間中に蓄電ユニットが放電すると、電力供給回路の所定位置に電流が確実に流れるようになるため、商用電源から電力が供給されない期間中に電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給を適切に再開させることが可能になる。
また、上記の電力供給システムにおいて、前記発電ユニットは、前記電力供給回路を通じて交流電力を供給し、前記蓄電ユニットは、直流電力を蓄電する蓄電池と、前記電力供給回路に接続され、前記発電ユニットが供給する交流電力を前記蓄電池に蓄電するにあたり、該交流電力を直流電力に変換する充電器と、前記電力供給回路に接続され、前記蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、を有し、前記第1回路は、前記インバータと前記一方の接続位置との間に設けられた回路であり、前記第2回路は、前記インバータと前記他方の接続位置との間に設けられた回路であることとしてもよい。
さらに、上記の電力供給システムにおいて、前記蓄電池は、並列状態で複数設けられ、前記商用電源から電力が供給されない期間中、複数の前記蓄電池のうち、少なくとも一部の蓄電池が放電状態にあり、前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給が前記コントローラによって再開された後には、複数の前記蓄電池のうち、放電していない前記蓄電池の一部又は全部に、前記発電ユニットが前記電力供給回路を通じて供給する電力中、前記負荷にて消費されない余剰電力が蓄電されれば、好適である。
上記の構成であれば、商用電源から電力が供給されない期間中、発電ユニットの供給電力を電力供給回路を通じて負荷に電力を供給することが可能となることに加え、上記の余剰充電を蓄電池に蓄電しておくことが可能である。これにより、商用電源から電力が供給されない期間において、発電ユニットの性能を更に有効に発揮させることが可能となる。また、蓄電池を複数設けていれば、一つの蓄電池で蓄電と放電を同時に行う運転を回避することができるため、かかる運転に起因する劣化の進行を抑制することが可能となる。さらに、蓄電池を複数設けていれば、放電/蓄電の切り替えが頻繁に繰り返される現象、いわゆるチャタリングを防止することができ、これにより、蓄電池が1台のみ備えている場合に上記チャタリングを回避するために要する無放電時間を省くことができる。
また、上記の電力供給システムにおいて、前記商用電源よりも下流側に位置し、かつ、前記電力供給回路において前記発電ユニットが接続された位置よりも上流側に位置する第1スイッチが設けられ、前記蓄電ユニットは、前記第1回路及び前記第2回路の間で前記蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路を切り換えるための第2スイッチを有し、前記第1スイッチは、前記商用電源から電力が供給されている期間中は閉じており、前記商用電源から電力が供給されない期間中は開いており、前記第2スイッチは、前記第1スイッチが閉状態である間、前記蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路を前記第1回路とする状態にあり、前記第1スイッチが開状態である間、前記蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路を前記第2回路とする状態にあれば、好適である。
上記の構成であれば、商用電源から電力が供給されなくなると、上記の第1スイッチが開くことにより、発電ユニット及び蓄電ユニットは自動的に商用電源から解列される結果、商用電源から電力が供給されない期間中に発電ユニットや蓄電ユニットからの電力が商用電源に向けて逆流するのを防止することが可能となる。さらに、第2スイッチは第1スイッチに連動して切り換わり、第1スイッチが閉状態から開状態に切り換わると、蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路が第1回路から第2回路と切り換わるようになる。これにより、商用電源から電力が供給されなくなった際には、蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路が自動的に第2回路に設定されるようになるので、商用電源から電力が供給されない期間中に電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給を再開させることがより容易になる。
また、上記の電力供給システムにおいて、前記負荷は、優先的に電力が供給されるものとして予め指定された特定負荷と、該特定負荷以外の非特定負荷とによって構成され、前記商用電源から電力が供給されている期間中、前記電力供給回路を通じて前記特定負荷及び前記非特定負荷の双方に電力が供給され、前記商用電源から電力が供給されていない期間中、前記電力供給回路中、前記非特定負荷に向かう部分が遮断され、前記特定負荷にのみ電力が供給されれば、好適である。
上記の構成のように、商用電源から電力が供給されていない期間中の電力供給先を特定負荷に限定しておけば、商用電源から電力が供給されない状況であっても十分に電力供給することが可能となる。
また、上記の電力供給システムにおいて、前記発電ユニットは、自然エネルギーを利用して直流電力を発電する発電装置と、前記電力供給回路に接続され、前記発電装置が発電した直流電力を前記電力供給回路を通じて出力するにあたり該直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナと、を有し、該パワーコンディショナは、前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記商用電源から切り離して前記パワーコンディショナと前記負荷とをつなぐ自立運転回路を通じて、前記発電装置が発電した直流電力を変換して得た交流電力を出力することが可能であり、前記パワーコンディショナが前記自立運転回路を通じて出力する際の交流電力の上限値は、前記パワーコンディショナが前記電力供給回路を通じて出力する際の交流電力の上限値よりも小さいと、本発明の効果が有意義なものとなる。
具体的に説明すると、商用電源から電力が供給されていない期間中、上記の自立運転回路を通じて発電ユニットから負荷に電力を供給せざるを得ない構成では、パワーコンディショナが自立運転回路を通じて出力する際の交流電力の上限値が、本来の出力電力の上限値よりも小さいので、発電ユニットの性能を十分に発揮させることが困難である。これに対して、本発明の構成であれば、商用電源から電力が供給されていない期間中、自立運転回路ではなく、上記の電力供給回路(発電ユニットを商用電源と連系させるための回路)を通じて発電ユニットから負荷に電力を供給するので、パワーコンディショナが出力可能な交流電力の上限値が、本来の出力電力の上限値となる。つまり、商用電源から電力が供給されなくなった場合にも発電ユニットの性能を十分に発揮させる効果が、有効に発揮されることとなる。
また、上記の電力供給システムにおいて、前記パワーコンディショナが前記電力供給回路を通じて交流電力を出力する際の、前記パワーコンディショナからの出力電圧は、前記蓄電ユニットに電力を蓄電するにあたり必要な前記蓄電ユニットへの入力電圧以上であり、前記パワーコンディショナが前記自立運転回路を通じて交流電力を出力する際の、前記パワーコンディショナからの出力電圧は、前記蓄電ユニットに電力を蓄電するにあたり必要な前記蓄電ユニットへの入力電力を下回れば、好適である。
かかる構成であれば、商用電源から電力が供給されない期間中、発電ユニットが自立運転回路ではなく、上記の電力供給回路を通じて電力を供給する構成がより有意義なものとなる。すなわち、パワーコンディショナが自立運転回路を通じて交流電力を出力する際の出力電圧が、蓄電ユニットに電力を蓄電するにあたり必要な入力電力を下回っている場合において、商用電源から電力が供給されていない期間中、発電ユニットが自立運転回路を通じて電力を供給せざるを得ない構成では、同期間中、発電ユニットからの供給電力を蓄電ユニットに蓄電しておくことが困難である。これに対して、本発明の構成であれば、商用電源から電力が供給されない期間においても発電ユニットが自立運転回路ではなく、電力供給回路を通じて電力を供給する。そして、パワーコンディショナが電力供給回路を通じて交流電力を出力する際の出力電圧が、蓄電ユニットに電力を蓄電するにあたり必要な入力電圧以上となっているので、発電ユニットの供給電力の余剰分を蓄電ユニットに適切に蓄電することが可能となる。
本発明の電力供給システムによれば、発電ユニット及び蓄電ユニットが電力供給回路を介して商用電源と連系しており、商用電源からの電力が供給されなくなると、上記の電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給が中断され、その後に電力供給回路の所定位置に電流が流れるようになると、上記の電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給が再開されるようになる。そして、本発明では、商用電源からの電力が供給されない期間中、蓄電ユニットが電力供給回路の所定位置に電流が流れるように放電する。この結果、蓄電ユニットの放電が商用電源からの電力供給の再開と擬制されて、電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給が再開されるようになる。すなわち、本発明の電力供給システムであれば、停電等の原因によって商用電源から電力が供給されない期間中にも、発電ユニットが上記の電力供給回路を通じて電力を供給することが可能であり、結果として、発電ユニットの性能を十分に発揮させることが可能となる。
本実施形態に係る電力供給システムの全体構成図である。 本実施形態に係る電力供給システムの運転フローを示す図である(その1)。 本実施形態に係る電力供給システムの運転フローを示す図である(その2)。 本実施形態に係る電力供給システムが連系運転を行っている状態の図である。 本実施形態に係る電力供給システムの運転形態として、商用電源から電力が供給されていない期間における運転形態を示す図である(その1)。 本実施形態に係る電力供給システムの運転形態として、商用電源から電力が供給されていない期間における運転形態を示す図である(その2)。 本実施形態に係る電力供給システムの運転形態として、商用電源から電力が供給されていない期間における運転形態を示す図である(その3)。 従来の電力供給システムの構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る電力供給システムについて、図1〜図7を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電力供給システムの全体構成図である。図2A及び2Bは、本実施形態に係る電力供給システムの運転フローを示す図である。図3は、本実施形態に係る電力供給システムが連系運転を行っている状態の図である。図4乃至6は、本実施形態に係る電力供給システムの運転形態として、商用電源から電力が供給されていない期間における運転形態を示す図であり、図4、5、6の順に遷移する。図7は、従来の電力供給システムの構成を示す図である。
なお、図4乃至6の各図では、図示された回路中、通電状態となっている部分が太線にて示されている。
<<本実施形態に係る電力供給システムの構成>>
本実施形態に係る電力供給システム(以下、本システムSとも言う)は、負荷4(電力負荷)に対して電力を供給するものである。本システムSは、図1に示すように、商用電源2から電力(系統電力)を受電して負荷4に供給するとともに、発電ユニット1及び蓄電ユニット3を備え、これらのユニットから供給される電力を負荷4に供給することが可能である。すなわち、本システムSでは、分散電源である発電ユニット1、及び、蓄電ユニット3が商用電源2と連系しており、これらの電源(具体的には、発電ユニット1、商用電源2及び蓄電ユニット3)が負荷4への電力の供給源として併用される。
本実施形態では、負荷4が2種類の負荷によって構成され、一つは、電力が優先的に供給されるものとして予め指定された特定負荷6であり、もう一つは、特定負荷6以外の非特定負荷5である。なお、特定負荷6の指定は、例えば、本システムSのユーザ(具体的には、負荷4の発生場所となる建物の利用者)が所定の基準に従って行うこととしてもよく、若しくは、電力供給会社(換言すると、商用電源2の保有者)側で強制的に指定されることとしてもよい。
次に、本システムSの構成について説明する。本システムSは、図1に示すように、上述した発電ユニット1及び蓄電ユニット3、負荷4に電力を供給するために設けられた電力供給回路Ra、並びに、電力供給回路Raと結線された各回路Ra1〜Ra5を主たる構成要素として有する。以下、本システムSの各構成要素について説明する。
発電ユニット1は、自然エネルギーとしての太陽光エネルギーを利用して発電して電力を供給するものである。この発電ユニット1は、回路Ra1を介して電力供給回路Raに接続されており、電力供給回路Raを通じて交流電力を供給する。
より具体的に説明すると、発電ユニット1は、発電装置としての太陽電池モジュール10とパワーコンディショナ11(図1ではPCSと表示)を備えている。太陽電池モジュール10は、太陽光エネルギーを利用して直流電力を発電し、発電電力をパワーコンディショナ11に向けて出力する。パワーコンディショナ11は、回路Ra1を介して電力供給回路Raに接続されており、太陽電池モジュール10が発電した直流電力を電力供給回路Raを通じて出力するにあたり当該直流電力を交流電力に変換するものである。そして、パワーコンディショナ11から出力された交流電力が、発電ユニット1の供給電力として供給されるようになる。
ここで、本実施形態において、太陽電池モジュール10は最大3kWまで発電することが可能であり、これに応じて、パワーコンディショナ11のスペックについては、その最大出力電力が3kWとなっている。すなわち、本実施形態に係る発電ユニット1の供給電力は、最大で3kWである。
また、パワーコンディショナ11からの出力電圧は、発電ユニット1の供給電力を蓄電ユニット3に蓄電可能とするために、定格で200Vとなっている。
その他、パワーコンディショナ11に関する構成については後に詳述する。
蓄電ユニット3は、発電ユニット1や商用電源2が供給する電力を蓄電するとともに、負荷4の状況(大きさ)に応じて蓄電した電力を適宜放電するものである。この蓄電ユニット3は、回路Ra3,Ra4,Ra5を介して電力供給回路Raに接続されている。すなわち、発電ユニット1や商用電源2からの電力を蓄電ユニット3に蓄電する場合、並びに、蓄電ユニット3が放電して負荷4に向けて電力を供給する場合には、電力供給回路Raが用いられることとなる。
より具体的に説明すると、蓄電ユニット3は、図1に示すように、蓄電池21と、充電器22と、インバータ23とを有している。蓄電池21は、直流電力を蓄電するものであり、本実施形態ではリチウムイオン二次電池(図1ではLiBと表示)により構成されている。また、本実施形態において、蓄電池21に電力を蓄電する際に必要な、蓄電池21への入力電圧は、200Vである。なお、蓄電池21の種類については、リチウムイオン電池に限定されるものではなく、例えば、鉛蓄電池、Nas電池、ニッケル水素電池であってもよく、キャパシタ等も利用可能である。
充電器22は、回路Ra4を介して電力供給回路Raに接続されており、発電ユニット1の供給電力や系統電力を蓄電池21に蓄電するにあたり、これらの電力を電力供給回路Raを通じて受電し、さらに交流電力から直流電力に変換して、当該直流電力を蓄電池21に向けて出力する。
インバータ23は、回路Ra3やRa5を介して電力供給回路Raに接続されており、蓄電池21から放電された直流電力を交流電力に変換して出力するものであり、本実施形態では片方向インバータ(図1では片方向INVと表示)により構成されている。そして、インバータ23から出力された交流電力が、蓄電ユニット3の供給電力として負荷4に供給されるようになる。
そして、蓄電池21の蓄電及び放電の切り換えは、蓄電池21の一次側(充電器22側)に設けられたスイッチSW5、及び、二次側(インバータ23側)に設けられたスイッチSW4の開閉を調整することによって行う。つまり、蓄電池21に蓄電する際には、スイッチSW5を閉じてスイッチSW4を開き、反対に、蓄電池21から放電する際には、スイッチSW4を閉じてスイッチSW5を開く。
また、本実施形態では、蓄電池21が並列状態で複数(図1に示すケースでは、3つ)設けられている。このように複数の蓄電池21が並列状態で設けられていれば、一部の蓄電池21が放電している間、残りの蓄電池21に電力を蓄電することも可能となる。なお、蓄電池21の個数については、少なくとも2個以上備えた構成であれば、任意に設定することが可能である。
また、本実施形態では、並列状態で複数設けられた蓄電池21に対して、充電器22及びスイッチSW4,SW5を蓄電池21別に設けている。一方で、インバータ23については、1個のみ設けられており、蓄電池21間で共用されている。なお、インバータ23の構成については後に詳述する。
電力供給回路Raは、負荷4に電力を供給するために設けられたものであり、同回路Raには、発電ユニット1、商用電源2及び蓄電ユニット3が接続されている。すなわち、発電ユニット1及び蓄電ユニット3は、商用電源2と連系するために、商用電源2とともに電力供給回路Raに接続されている。
より具体的に説明すると、商用電源2は、回路Ra2を介して電力供給回路Raに接続されており、その接続位置は、発電ユニット1が回路Ra1を介して電力供給回路Raに接続された位置(図1中、地点X1)よりも上流側に位置する。
蓄電ユニット3では、発電ユニット1の供給電力や系統電力を電力供給回路Raを通じて受電して蓄電池21に蓄電するために、蓄電池21別に設けられた充電器22の各々が、回路Ra4を介して電力供給回路Raに接続されており、その接続位置(図1中、地点X2)は、電力供給回路Raにおいて商用電源2よりも下流側に位置し、かつ、発電ユニット1が接続された位置X1よりも上流側に位置している。
また、蓄電ユニット3では、放電電力を電力供給回路Raを通じて供給するために、インバータ23が、互いに異なる2つの回路Ra3,Ra5を介して電力供給回路Raに接続されている。換言すると、本実施形態では、蓄電ユニット3が、放電電力を電力供給回路Raを通じて供給するために、互いに異なる2つの接続位置(図1中、地点X3、X4)にて電力供給回路Raに接続されている。
上記2つの接続位置のうち、一方の接続位置X3は、電力供給回路Raにおいて発電ユニット1が接続された位置X1よりも幾分下流側にある。他方の接続位置X4は、電力供給回路Raにおいて商用電源2が接続されている位置よりは下流側にあり、かつ、発電ユニット1が接続された位置X1よりは上流側にある。
そして、蓄電ユニット3は、通常、蓄電ユニット3と一方の接続位置X3との間に設けられた回路Ra3、及び、蓄電ユニット3と他方の接続位置X4との間に設けられた回路Ra5のうち、前者の回路Ra3のみを通じて放電する。一方、本実施形態において、蓄電ユニット3は、例えば停電等のように系統電力が供給されない期間中、上記2つの回路Ra3,Ra5のうち、回路Ra5のみを通じて放電する。
以上のように本実施形態では、系統電力の供給の有無に応じて、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路Ra3,Ra5が切り換わることとなっている。かかる内容については後に詳しく説明する。なお、2つの回路Ra3,Ra5のうち、蓄電ユニット3と一方の接続位置X3との間に設けられた回路Ra3が第1回路に相当し、蓄電ユニット3と他方の接続位置X4との間に設けられた回路Ra5が第2回路に相当する。
<<解列時の電力供給構造>>
本システムSでは、前述したように、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が商用電源2と連系しているため、発電ユニット1や蓄電ユニット3の供給電力を系統電力と併用して負荷4への電力供給を行う運転、すなわち連系運転が可能である。なお、連系運転時(換言すると、系統電力が供給されている期間中)には、電力供給回路Raを通じて、負荷4を構成する特定負荷6及び非特定負荷5の双方に電力が供給される。
一方、停電等により系統電力が供給されなくなると、発電ユニット1及び蓄電ユニット3は、商用電源2から解列する。発電ユニット1が商用電源2から解列すると、発電ユニット1が発電可能な状態であっても、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1からの電力供給が中断する。
ここで、従来の一般的な電力供給システムの場合、系統電力が供給されない期間中には、発電ユニットのパワーコンディショナの自立運転機能によって負荷4への電力供給を行う。
従来の電力供給システムSbについて図7を参照しながら具体的に説明すると、従来の電力供給システムSbについても、本実施形態に係る電力供給システム(すなわち、本システムS)と同様に、発電ユニット101及び蓄電ユニット102を備え、これらのユニット101,102が商用電源2と連系している。このような従来の電力供給システムSbでは、連系運転時、発電ユニット101、商用電源2及び蓄電ユニット102が接続されている電力供給回路Raを通じて、上記の電源(すなわち、発電ユニット101、商用電源2及び蓄電ユニット102)から負荷4に電力が供給される。
すなわち、連系運転時には、図7中、実線にて示された回路が通電状態となっており、系統電力が電力供給回路Raを通じて負荷4に供給されるとともに、太陽電池モジュール110の発電電力がパワーコンディショナ111(図7ではPCSと表示)にて直流電力から交流電力に変換され、変換後の電力(交流電力)が電力供給回路Raを通じて負荷4に供給される。
また、連系運転時には、系統電力や発電ユニット101からの供給電力を、リチウムイオン二次電池(図7ではLiBと表示)等からなる蓄電池121に蓄電し、必要により蓄電した電力を放電し、当該放電電力が電力供給回路Raを通じて負荷4に供給される。なお、図7に示すように、蓄電池121と電力供給回路Raの間には、インバータ122としての双方向インバータ(図7では双方向INVと表示)が介在している。このインバータ122により、発電ユニット101や商用電源2から蓄電池121に向かう電力が交流電力から直流電力に変換され、また、蓄電池121からの放電電力が直流電力から交流電力に変換されて負荷4に供給されるようになる。
一方、停電等により系統電力が供給されなくなると、発電ユニット101及び蓄電ユニット102は、商用電源2から解列する。発電ユニット101は、商用電源2から解列すると、発電可能な状態であっても、電力供給回路Raを通じた電力供給を中断する。ここで、発電ユニット101のパワーコンディショナ111に備えられた自立運転機能を利用すると、発電ユニット1が商用電源2から解列された状態においても、発電ユニット101から負荷4への電力供給を行うことが可能である。
より詳しく説明すると、商用電源2から切り離された自立運転回路Rbによりパワーコンディショナ111を負荷4に直接つなぐことにより、発電ユニット1は、上記の自立運転回路Rbを通じて負荷4に電力を供給することが可能である。すなわち、従来の電力供給システムSbでは、系統電力が供給されない間、図7中、破線にて示された回路を通じて発電ユニット101の供給電力を負荷4に給電する自立運転が可能である。
なお、自立運転では、通常、負荷4のうち、特定負荷6のみに電力が供給され、特定負荷6のみへの電力供給を実現するために、特定負荷6の一次側に切り換えスイッチSW10が設けられている。この切り換えスイッチSW10に設けられた2つの接点のうち、一方の接点(図7中、記号cが付された接点)が閉じると、特定負荷6が電力供給回路Raに接続されて非特定負荷5と連絡するようになり、他の接点(図7中、記号dが付された接点)が閉じると、特定負荷6が自立運転回路Rbに接続されて非特定負荷5から切り離されるようになる。
ところで、発明が解決しようとする課題の項で説明した通り、自立運転における発電ユニット101の供給電力は、連系運転における供給電力を下回ってしまうため、この結果、発電ユニット101がその性能を十分に発揮できなくなってしまう虞がある。具体的に説明すると、太陽電池モジュール110が最大3kWまで発電することが可能であったとしても、自立運転の際(換言すると、系統電力が供給されない間)には、パワーコンディショナ111からの出力電力が1.5kWに制限されるので、発電ユニット101の電力供給能力が十分に発揮されないことになる。
さらに、自立運転におけるパワーコンディショナ111からの出力電圧(換言すると、パワーコンディショナ111が自立運転回路Rbを通じて交流電力を出力する際の、パワーコンディショナ111からの出力電圧)は、通常100Vであり、蓄電ユニット102に電力を蓄電するにあたり必要な蓄電ユニット102への入力電圧(具体的には200V)を下回っている。したがって、自立運転中は、例え発電ユニット101の電力供給量が負荷(厳密には特定負荷6)における電力要求量を上回って余剰電力が発生したとしても、当該余剰電力を蓄電ユニット102に蓄電することが困難となる。
これに対して、本実施形態に係る電力供給システム、すなわち、本システムSでは、停電等により系統電力が供給されなくなって発電ユニット1が商用電源2から解列されている期間中においても、発電ユニット1の電力供給能力を十分に発揮させることが可能である。以下では、上記の効果を実現するために本システムSに備えられている構成について説明する。
本実施形態では、図1に示すように、発電ユニット1のパワーコンディショナ11に、変換部11aと、検出部11bと、コントローラとしてのPCS側コントローラ11cと、が内蔵されている。変換部11aは、太陽電池モジュール10から出力された直流電力を受電し、当該直流電力を交流電力に変換して出力する部分である。
検出部11bは、電力供給回路Raの所定位置に流れる電流を検出する部分であり、本実施形態では、電力供給回路Raにおいて発電ユニット1の一次側(すなわち、発電ユニット1が接続された位置X1よりも上流側)に電流が流れた際に、当該電流を検出する。
より具体的に説明すると、本実施形態では、検出部11bによる電流検出位置が、蓄電ユニット3が放電電力を電力供給回路Raを通じて供給するために電力供給回路Raに接続されている2つの接続位置のうち、より上流側の接続位置X4から発電ユニット1が接続されている位置X1までの範囲にある。
PCS側コントローラ11cは、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を制御する。PCS側コントローラ11cによる電力供給制御について詳しく説明すると、PCS側コントローラ11cは、系統電力が供給されなくなると、変換部11aを制御して、変換部11aから電力供給回路Raを通じて交流電力が出力されるのを停止する。すなわち、PCS側コントローラ11cは、系統電力が供給されなくなると、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を中断する。
一方、PCS側コントローラ11cは、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を中断した後に、電力供給回路Raの所定位置に電流が流れているのを前述の検出部11bが検出すると、変換部11aを制御して、変換部11aからの交流電力の出力を再開する。つまり、PCS側コントローラ11cは、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を中断した後、電力供給回路Raの所定位置に電流が流れるようになると、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開する。
したがって、例えば、商用電源2が復旧して系統電力が再び供給されると、電力供給回路Raの所定位置に電力が流れるようになるので、その後、発電ユニット1を商用電源2に再連系するための所要時間(「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」に則って設定された時間であり、具体的には約5分間)が経過した時点で、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開する。
ところで、本実施形態に係るパワーコンディショナ11は、従来の電力供給システムSbにおけるパワーコンディショナ111と同様、自立運転機能を有している。つまり、本実施形態に係るパワーコンディショナ11についても、系統電力が供給されていない期間中、商用電源2から切り離してパワーコンディショナ11と負荷4とをつなぐ自立運転回路Rb(図1中、破線にて示した回路)を通じて、太陽電池モジュール10が発電した直流電力を変換して得た交流電力を、負荷4に向けて出力することが可能である。
ただし、本実施形態では、系統電力が供給されていない期間中、自立運転(換言すると、自立運転回路Rbを通じて発電ユニット1の電力を供給する形態)ではなく、電力供給回路Raを通じて発電ユニット1の電力を供給することが可能である。具体的に説明すると、本実施形態では、系統電力が供給されていない期間中、電力供給回路Raを通じて発電ユニット1の電力を供給するために、同期間中、蓄電ユニット3が電力供給回路Raの所定位置に電流が流れるように放電することとしている。この結果、電力供給回路Raの所定位置を流れる電流を検出部11bが検出するようになるので、系統電力が供給されない期間であっても、PCS側コントローラ11cは、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開するようになる。
系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じて発電ユニット1の電力を供給するための構成について、図1を参照しながら詳しく説明する。
本実施形態では、前述したように、商用電源2が回路Ra2を介して電力供給回路Raに接続されているが、図1に示すように、回路Ra2と電力供給回路Raとの間には解列スイッチSW1が設けられている。この解列スイッチSW1は、第1スイッチに相当し、商用電源2よりも下流側に位置し、かつ、電力供給回路Raにおいて発電ユニット1が接続された位置X1よりも上流側に位置しており、系統電力が供給されている期間中は閉じている。
一方で、停電等により系統電力が供給されなくなると、解列スイッチSW1が開き、これにより、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が商用電源2から解列されるようになる。なお、本実施形態では、解列スイッチSW1の一次側(商用電源2により近い側)に、電圧センサ7が設置されている。そして、商用電源2に異常が生じて系統電力が供給されなくなって電圧センサ7の測定電圧が異常値になると、電圧センサ7から制御信号が出力され、当該信号に基づいて解列スイッチSW1が閉状態から開状態に自動的に切り換わるようになっている。
以上のような構成の解列スイッチSW1が設けられていることにより、停電等により商用電源2から電力が供給されなくなった場合には、解列スイッチSW1の開動作により、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が自動的に商用電源2から解列されるようになる。そして、解列スイッチSW1が開いている限り、商用電源2から電力が供給されない期間中に発電ユニット1や蓄電ユニット3からの電力が商用電源2に向けて逆流するのを防止することが可能となる。
また、電力供給回路Raの下流側端部は、2つの分岐回路に分かれており、一方の分岐回路には、負荷4中の非特定負荷5が接続されており、他方の分岐回路には特定負荷6が接続されている。そして、非特定負荷5が接続されている方の分岐回路には、図1に示すように、スイッチ(以下、非特定負荷側スイッチ)SW2が設けられている。この非特定負荷側スイッチSW2は、通常時には閉じており、解列スイッチSW1が開くと、これに連動して開くようになっている。
そして、系統電力が供給されている期間中は、非特定負荷5が接続されている分岐回路、及び、特定負荷6が接続されている分岐回路の双方が導通状態となるので、電力供給回路Raを通じて、非特定負荷5及び特定負荷6の双方に電力が供給されることとなる。
一方で、系統電力が供給されない期間中は、非特定負荷側スイッチSW2が開くために、非特定負荷5が接続されている分岐回路(換言すると、電力供給回路Ra中、非特定負荷5に向かう部分)が遮断される。この結果、系統電力が供給されない期間中に、電力供給回路Raを通じて負荷4に電力を供給すると、特定負荷6にのみ電力が供給されることとなる。
さらに、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じて発電ユニット1の電力を供給するための構成として、本実施形態に係る蓄電ユニット3が、上記の期間中、電力供給回路Raの所定位置(詳しくは、パワーコンディショナ11の検出部11bが電流を検出する位置)に電流が流れるように放電する構成となっている。
より詳しく説明すると、蓄電ユニット3は、前述したように、放電電力を電力供給回路Raを通じて供給するために2つの接続位置にて電力供給回路Raに接続されている。これにより、本実施形態では、蓄電ユニット3の電力(すなわち、放電電力)を電力供給回路Raを通じて供給する際に用いられる回路が2つ(具体的には、回路Ra3,Ra5)存在することになる。
また、蓄電ユニット3のインバータ23には、図1に示すように、変換部23aとインバータ内スイッチSW3とが内蔵されている。変換部23aは、蓄電池21から放電された直流電力を交流電力に変換して出力するものである。インバータ内スイッチSW3は、変換部23aから出力された交流電力の供給経路を切り換えるための切り換えスイッチである。すなわち、インバータ内スイッチSW3は、第2スイッチに相当し、上述した2つの回路Ra3,Ra5の間で、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路を切り換えるためのものである。
ここで、インバータ内スイッチSW3に設けられた2つの接点のうち、一方の接点(図1中、記号aが付された接点)が閉じると、回路Ra3に蓄電ユニット3(詳しくは、インバータ23)が接続されるようになる。回路Ra3は、前述したように、第1回路に相当する回路であり、蓄電ユニット3が放電電力を電力供給回路Raを通じて供給するために電力供給回路Raに接続されている2つの接続位置のうち、より下流側に位置する接続位置X3とインバータ23との間に設けられている。
一方、インバータ内スイッチSW3に設けられた2つの接点のうち、もう一つの接点(図1中、記号bが付された接点)が閉じると、回路Ra5に蓄電ユニット3(詳しくは、インバータ23)が接続されるようになる。回路Ra5は、前述したように、第2回路に相当する回路であり、蓄電ユニット3が放電電力を供給するために電力供給回路Raに接続されている2つの接続位置のうち、より上流側に位置する接続位置X4とインバータ23との間に設けられている。
なお、本実施形態において、上記の地点X4は、電力供給回路Raにおいて検出部11bによる電流検出位置よりも上流側にあり、より具体的には、前述の解列スイッチSW1の上流側端子が配置された位置となっている(図1参照)。
以上のような構造のインバータ内スイッチSW3は、解列スイッチSW1と連動しており、解列スイッチSW1が閉状態である間、接点aが閉じた状態(換言すると、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路を回路Ra3とする状態)にある。反対に、解列スイッチSW1が開状態である間、インバータ内スイッチSW3は、接点bが閉じた状態(換言すると、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路を回路Ra5とする状態)にある。
したがって、停電等により系統電力が供給されなくなって解列スイッチSW1が閉状態から開状態に切り換わると、インバータ内スイッチSW3における閉接点が接点aから接点bに切り換わり、結果として、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路が回路Ra3から回路Ra5に切り換わるようになる。このように本実施形態では、インバータ内スイッチSW3が設けられていることで、系統電力が供給されなくなると、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路が自動的に回路Ra5に設定されるようになる。
以上までに説明してきた構成により、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じて発電ユニット1の電力を供給することが可能となる。すなわち、系統電力が供給されなくなると、解列スイッチSW1が閉状態から開状態に切り換わり、これに伴って非特定負荷側スイッチSW2が開き、さらに、インバータ内スイッチSW3では、閉接点が接点aから接点bに切り換わる。
そして、インバータ内スイッチSW3において閉接点が接点aから接点bに切り換わることにより、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路が、回路Ra3から回路Ra5に切り換わるようになる。その後、蓄電ユニット3が回路Ra5を通じて放電すると、当該放電電力が回路Ra5を経由した後に電力供給回路Raを通じて負荷4(厳密には、特定負荷6)に向かうようになる。ここで、回路Ra5と電力供給回路Raとの接続位置X4は、電力供給回路Raの所定位置、詳しくは、検出部11bの電流検出位置よりも上流側に位置しているので、蓄電ユニット3が回路Ra5を通じて放電すると、上記の電流検出位置よりも上流側から電流が流れ、当該電流は、電力供給回路Raに沿って流れ、上記の電流検出位置を流れて最終的に特定負荷6に到達するようになる。
以上のように電力供給回路Raの所定位置に電流が流れて、検出部11bが当該電流を検出する結果、PCS側コントローラ11cは、電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給を再開するようになる。このように本実施形態では、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路を通じた発電ユニットの電力供給を再開する上で、蓄電ユニット3からの放電を商用電源2からの電力供給の再開と擬制する。
より分かり易く説明すると、前述したように、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開する上で、電力供給回路Raの所定位置に電流が流れる必要がある。そして、本実施形態では、上記の所定位置に電流を流すために、商用電源2を復旧して系統電力の供給を再開させる代わりに、上記の所定位置に電流が流れるように蓄電ユニット3に放電させることとしている。これにより、システム各部、特にパワーコンディショナ11が、あたかも商用電源2が復旧して系統電力の供給が再開されたかのように動作するようになる。
以上の結果、本実施形態では、系統電力の供給が未だ再開されない期間中でも電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開することが可能となる。そして、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開することにより、発電ユニット1の性能を十分に発揮させることが可能となる。すなわち、本システムSでは、系統電力が供給されない期間中に自立運転を実行して負荷4(具体的には、特定負荷6)に電力を供給する構成と異なり、パワーコンディショナ11からの出力電力が制限されることがなく、系統電力が供給されない期間中であっても、パワーコンディショナ11からの出力電力を連系運転時の大きさのままで維持しておくことが可能である。
ここで、本実施形態において蓄電ユニット3は、放電電力を供給するために、2つの回路Ra3,Ra5を介して電力供給回路Raに接続されており、系統電力が供給されない期間中には回路Ra5を通じて放電するようになるが、回路Ra5と電力供給回路Raとの接続位置X4は、前述したように、検出部11bの電流検出位置よりも上流側に位置している。したがって、系統電力が供給されない期間中に蓄電ユニット3が放電すると、電力供給回路Raの所定位置である検出部11bの電流検出位置に電流が確実に流れるようになる。この結果、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を適切に再開させることが可能である。
なお、本実施形態では、パワーコンディショナ11が自立運転機能を備えており、パワーコンディショナ11が自立運転回路Rbを通じて出力する際の交流電力の上限値が、パワーコンディショナ11が電力供給回路Raを通じて出力する際の交流電力の上限値よりも小さくなっている。かかる構成であれば、上述した本システムSの効果がより有意義なものとなる。
具体的に説明すると、系統電力が供給されない期間中、自立運転回路Rbを通じて発電ユニット1から負荷4に電力を供給せざるを得ない構成では、パワーコンディショナが自立運転回路Rbを通じて出力する際の交流電力の上限値が、本来の出力電力(すなわち、連系運転時の出力電力)の上限値よりも小さいので、発電ユニット1の性能を十分に発揮させることが困難である。
これに対して、本システムSの構成であれば、系統電力が供給されない期間中、自立運転回路Rbではなく、電力供給回路Raを通じて発電ユニット1から負荷4に電力を供給するので、パワーコンディショナ11が出力可能な交流電力の上限値が、本来の出力電力の上限値のままで維持される。つまり、系統電力が供給されなくなった場合にも発電ユニット1の性能を十分に発揮させる効果が、有効に発揮されることとなる。
さらに、系統電力が供給されない期間中、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を持続するためには、電力供給回路Raの所定位置に電流を流し続ける必要があるので、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中、複数の蓄電池21のうち、少なくとも一部の蓄電池21が放電状態にあることになっている。一方、同期間中、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給がPCS側コントローラ11cによって再開された後、複数の蓄電池21のうち、放電していない蓄電池21の一部または全部には、発電ユニット1が電力供給回路Raを通じて供給する電力のうち、負荷4(詳しくは、特定負荷6)にて消費されない余剰電力が蓄電される。
以上のように、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中、発電ユニット1の供給電力を電力供給回路Raを通じて負荷4に電力を供給することが可能であることに加え、発電ユニット1の供給電力のうちの余剰電力を蓄電池21に蓄電しておくことが可能である。この結果、発電ユニット1は、系統電力が供給されない期間であっても最大出力にて電力を供給することができる。つまり、系統電力が供給されない期間中において発電ユニット1の性能を更に有効に発揮させることが可能となる。
なお、本実施形態では、前述したように、パワーコンディショナ11が自立運転機能を備えており、パワーコンディショナ11が自立運転回路Rbを通じて交流電力を出力する際の、パワーコンディショナ11からの出力電圧(本実施形態では、約100V)については、蓄電ユニット3に電力を蓄電するにあたり必要な蓄電ユニット3への入力電力(本実施形態では、約200V)を下回っている。
一方、パワーコンディショナ11が電力供給回路Raを通じて交流電力を出力する際の、パワーコンディショナ11からの出力電圧(本実施形態では、約200V)については、蓄電ユニット3に電力を蓄電するにあたり必要な蓄電ユニット3への入力電圧以上となっている。
以上の関係においては、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じて発電ユニット1の電力を供給することを可能とする本実施形態の構成が、より有意義なものとなる。すなわち、パワーコンディショナ11が自立運転回路Rbを通じて交流電力を出力する際の出力電圧が、蓄電ユニット3に電力を蓄電するにあたり必要な入力電力を下回っているのであれば、系統電力が供給されない期間中、発電ユニット1が自立運転回路Rbを通じて電力を供給せざるを得ない構成では、同期間中、発電ユニット1の供給電力を蓄電ユニット3に蓄電することが困難となる。
これに対して、本システムSの構成であれば、系統電力が供給されない期間中であっても、発電ユニット1が自立運転回路Rbではなく、電力供給回路Raを通じて電力を供給することになる。つまり、本実施形態では、系統電力が供給されない間、パワーコンディショナ11は電力供給回路Raを通じて交流電力を出力する。
そして、パワーコンディショナ11が電力供給回路Raを通じて交流電力を出力する際の出力電圧が、蓄電ユニット3に電力を蓄電するにあたり必要な入力電圧以上となる。この結果、系統電力が供給されない期間であっても、発電ユニット1の供給電力を適切に蓄電ユニット3に蓄電することが可能となる。
<<本実施形態に係る電力供給システムの動作>>
次に、以上までに説明してきた構成の本システムSの動作として、本システムSによる負荷4への電力供給について説明する。
本システムSによる電力供給は、図2A及び図2Bに図示した流れに従ってなされる。具体的に説明すると、商用電源2から正常に電力が供給される状態では、連系運転が実行される(S001)。つまり、図3に示すように、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が商用電源2と連系しており、発電ユニット1の供給電力及び系統電力が、電力供給回路Raを通じて負荷4に供給される。
さらに、負荷4の大きさに応じて、蓄電ユニット3が放電し、その放電電力は、電力供給回路Raを通じて負荷4に供給される。この時点では、蓄電ユニット3のインバータ23に内蔵されたインバータ内スイッチSW3の閉接点が接点aとなっている。したがって、連系運転において、蓄電ユニット3は、インバータ23が接続されている2つの回路Ra3,Ra5のうち、回路Ra3のみを通じて放電する。
なお、本実施形態において、連系運転時(換言すると、系統電力が供給されている期間中)には、非特定負荷側スイッチSW2が閉状態にあるので、負荷4を構成する非特定負荷5及び特定負荷6の双方に電力が供給されることになる。
そして、商用電源2に異常が生じない限り(換言すると、正常に系統電力が供給され続ける限り)、連系運転が継続される(S002でNo,S003)。一方で、商用電源2に異常が生じて系統電力が供給されなくなると(S002でYes)、パワーコンディショナ11のPCS側コントローラ11cが、変換部11aを制御して、パワーコンディショナ11からの出力を停止(オフ)する(S004)。これにより、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給が中断する。
商用電源2に異常が生じた場合の流れについて詳しく説明すると、先ず、電圧センサ7の測定電圧が異常電圧となり、電圧センサ7が、解列スイッチSW1に向けて制御信号を出力する。当該制御信号を受信した解列スイッチSW1は、閉状態から開状態に切り換わり(S005)、これによって、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が商用電源2から解列される。また、解列スイッチSW1の開動作に連動して、非特定負荷側スイッチSW2が閉状態から開状態に切り換わり(S006)、インバータ内スイッチSW3の閉接点が接点aから接点bに切り換わる(S007)。
インバータ内スイッチSW3の閉接点が接点aから接点bに切り換わると、蓄電ユニット3が放電し始める(S008)。蓄電ユニット3に備えられた複数の蓄電池21のうち、少なくとも一部の蓄電池21のうち、少なくとも一部の蓄電池21が放電状態となる。
インバータ内スイッチSW3の閉接点が接点aから接点bに切り換わったことにより、蓄電ユニット3は、放電電力を供給するために設けられた2つの回路Ra3,Ra5のうち、回路Ra5のみを通じて放電することとなる。このため、蓄電ユニット3が放電した際に流れる電流が、図4に示すように、回路Ra5を経由して、発電ユニット1の一次側から負荷4に向かって流れるようになる。また、本実施形態では、インバータ内スイッチSW3の閉接点が接点aから接点bに切り換わると(換言すると、系統電力が供給されなくなると)、蓄電ユニット3の放電電力が、負荷4のうち、特定負荷6のみに供給されるようになる。
なお、複数の蓄電池21のうち、放電する蓄電池21の台数は、特定負荷6における電力需要量、各蓄電池21における蓄電量等によって決定される。また、複数の蓄電池21のうち、いずれの蓄電池21から放電するかについては、所定量の電力を蓄電した蓄電池21である限り、任意に指定することが可能であり、例えば、蓄電量が大きい蓄電池21から優先的に放電することとしてもよい。
ところで、回路Ra5と電力供給回路Raとの接続位置X4については、前述したように、電力供給回路Raにおいてパワーコンディショナ11の検出部11bの電流検出位置よりも上流側にあり、より具体的には、解列スイッチSW1の上流側端子が配置された位置となっている。このような位置関係により、蓄電ユニット3が回路Ra5を通じて放電すると、上記の検出部11bが、電力供給回路Raの所定位置に流れる電流を検出するようになる(S009)。
そして、検出部11bが上記の電流を検出する結果、PCS側コントローラ11cが、検出部11bによる電流検出から所定の時間(前述した再連系に要する時間に相当し、具体的には約5分間)が経過することを条件として(S010)、パワーコンディショナ11からの出力を再開(オン)する(S011)。すなわち、PCS側コントローラ11cは、電力供給回路Raにおいて検出部11bの電流検出位置に電流が流れたことを単著として、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開する。
この結果、図5に示すように、系統電力が供給されない期間中であっても、発電ユニット1が電力供給回路Raを通じて負荷4(厳密には、特定負荷6)に電力を供給するようになる。
以上のように本実施形態では、蓄電ユニット3からの放電を商用電源2からの電力供給の再開と擬制することにより、系統電力の供給が未だ再開されない期間中でも電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開することが可能である。
また、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中は、非特定負荷側スイッチSW2が開状態にあるので、系統電力が供給さない期間中における負荷4への電力供給は、負荷4のうち、特定負荷6のみに電力が供給されるように行われることになる。したがって、系統電力が供給されない期間中では、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給が再開された後でも、特定負荷6のみに電力が供給されることになる。このように系統電力が供給されない期間中の電力供給先を特定負荷に限定しておけば、系統電力が供給されない状況においても(発電ユニット1及び蓄電ユニット3だけでも)十分に電力供給することが可能となる。
また、系統電力が供給されない期間中に、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を継続するためには、電力供給回路Raにおける検出部11bの電流検出位置に電流を流し続ける必要がある。このため、系統電力が供給されない期間中には、上記の電流検出位置に電流を流し続けるべく、蓄電ユニット3に備えられた複数の蓄電池21のうち、少なくとも一部の蓄電池21を放電させて、放電電力を供給し続けなければならない。したがって、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中、少なくとも蓄電ユニット3の放電が行われることになる。
さらに、系統電力が供給されない期間中、発電ユニット1が電力供給回路Raを通じて電力を供給していると、負荷4(厳密には特定負荷6)にて消費されない余剰電力が生じる場合がある(S012でYes)。かかる場合には、図6に示すように、複数の蓄電池21のうち、放電していない蓄電池21の全部または一部に上記の余剰電力が蓄電される(S013)。
このように、本実施形態では、系統電力が供給されない期間中、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給が再開された後、発電ユニット1が電力供給回路Raを通じて供給する電力に余剰電力が発生した場合、蓄電ユニット3は、放電するとともに上記の余剰電力を蓄電するようになる。
他方、発電ユニット1が電力供給回路Raを通じて供給する電力に上記の余剰電力がなければ(S012でNo)、蓄電ユニット3は、放電のみを行うこととなる(S014)。
その後、商用電源2が復旧すると(S015)、解列スイッチSW1が開状態から閉状態に戻り(S016)、これに連動して、非特定負荷側スイッチSW2が開状態から閉状態に切り換わり(S017)、インバータ内スイッチSW3における閉接点が接点bから接点aに切り換わる(S018)。その後、発電ユニット1及び蓄電ユニット3が商用電源2と再連系し、連系運転が再開される(S019)。
連系運転が再開されると、発電ユニット1や蓄電ユニット3の供給電力に加えて、系統電力が電力供給回路Raを通じて負荷4に供給されるようになる。なお、この時点では、非特定負荷側スイッチSW2が閉状態に戻っているので、各電源(具体的には、発電ユニット1、商用電源2及び蓄電ユニット3)からの電力は、再び非特定負荷5及び特定負荷6の双方に供給されることとなる。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の電力供給システムについて、一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、本発明の電力供給システムには、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給の中断及び再開を制御するコントローラが設けられており、上記の実施形態では、当該コントローラがパワーコンディショナ11に内蔵されていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、上記のコントローラがパワーコンディショナ11とは別体をなしたものであることとしてもよい。
また、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給が中断された状態において、電力供給回路Raの所定位置に電流が流れるようになると、コントローラ(上記の実施形態では、PCS側コントローラ11c)が、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開することとした。ここで、上記の実施形態では、上記の所定位置が、電力供給回路Raにおいて発電ユニット1が接続された位置よりも上流側に位置することとした。しかし、これに限定されるものではなく、電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開する上で電流が流れるように設定された位置が、電力供給回路Raにおいて発電ユニット1が接続された位置よりも下流側に位置することとしてもよい。
ただし、商用電源2が電力供給回路Raにおいて発電ユニット1よりも上流側に接続された構成、特に電流検出機構(上記の実施形態では検出部11b)がパワーコンディショナ11に内蔵されている構成においては、蓄電ユニット3の放電を商用電源2からの電力供給の再開と擬制する上で、系統電力及び蓄電ユニット3の放電電力が発電ユニット1から見て同じ側(上流側)から供給される方がよい。かかる点においては、上記の実施形態の方が望ましい。
また、上記の実施形態では、蓄電ユニット3に複数の蓄電池21が並列状態で設けられていることとした。しかし、これに限定されるものではなく、蓄電池21が1個のみ設けられていることとしてもよい。
ただし、蓄電池21が1個のみである場合、フロート充電のように蓄電と放電を同時に行う運転を行う場合には、上記1個のみの蓄電池で対応しなければならなくなり、このような運転形態では蓄電池21の劣化を促進させてしまう。このような傾向は、特にリチウムイオン二次電池の場合において顕著である。これに対して、蓄電池21を複数設けていれば、一つの蓄電池21で蓄電と放電を同時に行う運転を回避することができるため、かかる運転に起因する劣化の進行を抑制することが可能となる。以上の点においては、複数の蓄電池21を備えている上記の実施形態の方が望ましい。
また、蓄電池21が1つのみ設けられているシステムでは、蓄電池21を蓄電状態から放電状態へ切り替える際、インバータ23の性能上、放電/蓄電の切り替えが頻繁に繰り返される現象、いわゆるチャタリングが発生する虞がある。このチャタリングを防止するために、所定の時間だけ、蓄電池21からの放電を待機しておくことがあり、このような無放電時間中には商用電源2から電力を購入することになるため、不必要に買電量を増やしてしまうことになる。これに対して、蓄電池21が複数設けられていれば、いずれかの蓄電池21の状態を放電状態に維持しておくことができ、換言すると、インバータ23の運転状態を持続できるため、上記のチャタリングを防止することができる。この結果、蓄電池21が1台のみ備えている場合に上記チャタリングを回避するために要する無放電時間を省くことができ、不必要に買電量を増やしてしまうのを防止することが可能である。以上の点においても、複数の蓄電池21を備えている上記の実施形態の方が望ましい。
また、上記の実施形態では、系統電力が供給されない期間中、負荷4のうち、特定負荷6のみに電力を供給することとしたが、これに限定されるものではなく、系統電力が供給されない期間中であっても、非特定負荷5及び特定負荷6の双方に電力を供給することとしてもよい。ただし、かかる場合には発電ユニット1及び蓄電ユニット3が供給できる電力以上に負荷4が大きくなるために負荷4への電力供給が停止してしまう虞がある。これに対して、上記の実施形態のように、系統電力が供給されていない期間中の電力供給先を特定負荷6に限定しておけば、系統電力が供給されない状況においても(発電ユニット1及び蓄電ユニット3だけでも)十分に電力供給することが可能となる。かかる点においては、上記の実施形態の方が望ましい。
また、上記の実施形態では、インバータ23が2つの回路Ra3,Ra5を介して電力供給回路Raに接続されており、上記2つの回路Ra3,Ra5の間で蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路を切り替えるためのスイッチ(上記の実施形態では、インバータ内スイッチSW3)がインバータ23に内蔵されていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、上記のスイッチがインバータ23とは別体をなしていることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、インバータ内スイッチSW3が解列スイッチSW1に連動して切り換わり、解列スイッチSW1が閉状態から開状態に切り換わると、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路が回路Ra3から回路Ra5と切り換わるようになる。これにより、系統電力が供給されなくなった際には、蓄電ユニット3が放電する際に用いられる回路が自動的に回路Ra3から回路Ra5に設定されるようになるので、系統電力が供給されない期間中に電力供給回路Raを通じた発電ユニット1の電力供給を再開させることがより容易になる。
ただし、これに限定されるものでなく、インバータ内スイッチSW3の動作を解列スイッチSW1に連動させないこととしてもよい。
また、上記の実施形態では、発電ユニット1の一例として、太陽光エネルギーを利用して発電するものについて説明したが、他の自然エネルギー(例えば、風力エネルギーや地熱エネルギー)を利用して発電する発電ユニット1を備えている電力供給システムについても本発明は適用可能である。
S 本システム
1,101 発電ユニット
2 商用電源
3,102 蓄電ユニット
4 負荷
5 非特定負荷
6 特定負荷
7 電圧センサ
10,110 太陽電池モジュール
11,111 パワーコンディショナ
11a 変換部
11b 検出部
11c PCS側コントローラ
21,121 蓄電池
22 充電器
23,122 インバータ
23a 変換部
Ra 電力供給回路
Ra1,Ra2,Ra3,Ra4,Ra5 回路
Rb 自立運転回路
Sb 従来の電力供給システム
SW1 解列スイッチ
SW2 非特定負荷側スイッチ
SW3 インバータ内スイッチ
SW4 スイッチ
SW5 スイッチ
SW10 切り替えスイッチ

Claims (8)

  1. 自然エネルギーを利用して発電して電力を供給する発電ユニットと、
    電力を蓄電するとともに、蓄電した電力を放電する蓄電ユニットと、
    負荷に電力を供給するために設けられた電力供給回路と、
    該電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給を制御するコントローラと、を備えた電力供給システムであって、
    前記発電ユニット及び前記蓄電ユニットは、商用電源と連系するために、該商用電源とともに前記電力供給回路に接続されており、
    前記コントローラは、前記商用電源から電力が供給されなくなると、前記電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給を中断するとともに、前記商用電源から電力が供給されない期間中に前記電力供給回路の所定位置に電流が流れると、前記電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給を再開し、
    前記蓄電ユニットは、前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記電力供給回路の前記所定位置に電流が流れるように放電することを特徴とする電力供給システム。
  2. 前記商用電源は、前記発電ユニットよりも上流側で前記電力供給回路に接続されており、
    前記電力供給回路の前記所定位置は、前記電力供給回路において前記発電ユニットが接続された位置よりも上流側に位置し、
    前記蓄電ユニットは、放電電力を前記電力供給回路を通じて供給するために、2つの接続位置にて前記電力供給回路に接続されており、
    前記2つの接続位置のうち、一方の接続位置は、前記電力供給回路において前記発電ユニットが接続された位置よりも下流側にあり、他方の接続位置は、前記電力供給回路において前記電力供給回路の前記所定位置よりも上流側にあり、
    前記商用電源から電力が供給されている期間中、前記蓄電ユニットは、前記蓄電ユニットと前記一方の接続位置との間に設けられた第1回路、及び、前記蓄電ユニットと前記他方の接続位置との間に設けられた第2回路のうち、前記第1回路のみを通じて放電し、
    前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記蓄電ユニットは、前記第1回路及び前記第2回路のうち、前記第2回路のみを通じて放電することを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 前記発電ユニットは、前記電力供給回路を通じて交流電力を供給し、
    前記蓄電ユニットは、
    直流電力を蓄電する蓄電池と、
    前記電力供給回路に接続され、前記発電ユニットが供給する交流電力を前記蓄電池に蓄電するにあたり、該交流電力を直流電力に変換する充電器と、
    前記電力供給回路に接続され、前記蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、を有し、
    前記第1回路は、前記インバータと前記一方の接続位置との間に設けられた回路であり、
    前記第2回路は、前記インバータと前記他方の接続位置との間に設けられた回路であることを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。
  4. 前記蓄電池は、並列状態で複数設けられ、
    前記商用電源から電力が供給されない期間中、複数の前記蓄電池のうち、少なくとも一部の蓄電池が放電状態にあり、
    前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記電力供給回路を通じた前記発電ユニットの電力供給が前記コントローラによって再開された後には、複数の前記蓄電池のうち、放電していない前記蓄電池の一部又は全部に、前記発電ユニットが前記電力供給回路を通じて供給する電力中、前記負荷にて消費されない余剰電力が蓄電されることを特徴とする請求項3に記載の電力供給システム。
  5. 前記商用電源よりも下流側に位置し、かつ、前記電力供給回路において前記発電ユニットが接続された位置よりも上流側に位置する第1スイッチが設けられ、
    前記蓄電ユニットは、前記第1回路及び前記第2回路の間で前記蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路を切り換えるための第2スイッチを有し、
    前記第1スイッチは、前記商用電源から電力が供給されている期間中は閉じており、前記商用電源から電力が供給されない期間中は開いており、
    前記第2スイッチは、前記第1スイッチが閉状態である間、前記蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路を前記第1回路とする状態にあり、前記第1スイッチが開状態である間、前記蓄電ユニットが放電する際に用いられる回路を前記第2回路とする状態にあることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電力供給システム。
  6. 前記負荷は、優先的に電力が供給されるものとして予め指定された特定負荷と、該特定負荷以外の非特定負荷とによって構成され、
    前記商用電源から電力が供給されている期間中、前記電力供給回路を通じて前記特定負荷及び前記非特定負荷の双方に電力が供給され、
    前記商用電源から電力が供給されていない期間中、前記電力供給回路中、前記非特定負荷に向かう部分が遮断され、前記特定負荷にのみ電力が供給されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力供給システム。
  7. 前記発電ユニットは、
    自然エネルギーを利用して直流電力を発電する発電装置と、
    前記電力供給回路に接続され、前記発電装置が発電した直流電力を前記電力供給回路を通じて出力するにあたり該直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナと、を有し、
    該パワーコンディショナは、前記商用電源から電力が供給されない期間中、前記商用電源から切り離して前記パワーコンディショナと前記負荷とをつなぐ自立運転回路を通じて、前記発電装置が発電した直流電力を変換して得た交流電力を出力することが可能であり、
    前記パワーコンディショナが前記自立運転回路を通じて出力する際の交流電力の上限値は、前記パワーコンディショナが前記電力供給回路を通じて出力する際の交流電力の上限値よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電力供給システム。
  8. 前記パワーコンディショナが前記電力供給回路を通じて交流電力を出力する際の、前記パワーコンディショナからの出力電圧は、前記蓄電ユニットに電力を蓄電するにあたり必要な前記蓄電ユニットへの入力電圧以上であり、
    前記パワーコンディショナが前記自立運転回路を通じて交流電力を出力する際の、前記パワーコンディショナからの出力電圧は、前記蓄電ユニットに電力を蓄電するにあたり必要な前記蓄電ユニットへの入力電力を下回ることを特徴とする請求項7に記載の電力供給システム。
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