JP2013172326A - 非可逆回路装置、及び、通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の非可逆回路素子を備える構成において、平面占有面積縮小化、組み立ての容易化、及び、非可逆回路素子間の磁気的分離を図り、個別的特性調整を可能にした非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供すること。
【解決手段】ケース1に設けられた第1収納空間101及び第2収納空間102は、外壁部104によって包囲され、仕切り部103によって互いに上下に区画されている。第1収納空間101は、仕切り部103の上方に位置し、仕切り部103と向き合う上方が開放している。第2収納空間102は、仕切り部103の下方に位置し、仕切り部103と向き合う下方が開放されている。第1非可逆回路素子3は、第1収納空間101に収納されており、第2非可逆回路素子5は第2収納空間102に収納されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子を含む非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置に関する。
アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子は、携帯電話、無線機等の移動体通信装置や、その基地局等に用いられており、その一般的な構造は、例えば、特許文献1に記載されているように、ヨークとして機能する金属ケースの内部に、永久磁石、及び、磁気回転子を含む組立体を収容して構成される。
近年、この種の非可逆回路素子では、移動体通信装置における形状の小型化とともに、アイソレーション性能の向上が強く望まれている。アイソレーション性能の向上は、別々の非可逆回路素子を主基板上で接続することによって実現を図ることもできるが、装置の小型化のため、複数の非可逆回路素子を実装する面積を確保することが難しく、また、非可逆回路素子同士の十分なインピーダンス整合を実現することが難しいという問題があった。
そこで、特許文献2に開示されているように、中央導体が互いに接続されたアイソレータと、サーキュレータとを、単一の導体基板に実装した小型の非可逆回路装置が、よく用いられる。
しかしながら、アイソレータとサーキュレータを単一の導体基板に平面状に実装するので、占有平面積が大きくなり、小型化の要請から、占有平面積が制限されている場合には対応することができない。
また、アイソレータとサーキュレータは、同一の構成を有しているものの、製造時のばらつきがあるために、装置全体のインピーダンス特性を微調整する必要がある。この装置の場合、微調整にあたって、上記の誘電体や平板部を切削して調整を行う方法しか取り得ないため、大変な労力を要し、生産効率の低下要因となっていた。
特開2007−288701号公報 特開2007−081502号公報
本発明の課題は、複数の非可逆回路素子を備える構成において、平面占有面積の小さな非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、複数の非可逆回路素子を備える構成において、組み立ての容易な非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、複数備えられる非可逆回路素子間を磁気的に分離し、個別的な特性調整を可能にした非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る非可逆回路装置は、ケースと、第1非可逆回路素子と、第2非可逆回路素子とを含む。前記ケースは、磁性体でなり、外壁部と、仕切り部とを含み、内側に第1収納空間及び第2収納空間を有している。前記第1収納空間及び第2収納空間は、前記外壁部によって包囲され、前記仕切り部によって互いに上下に区画されている。前記第1収納空間は、前記仕切り部の上方に位置し、前記仕切り部と向き合う上方が開放されており、前記第2収納空間は、前記仕切り部の下方に位置し、前記仕切り部と向き合う下方が開放されている。前記第1非可逆回路素子は、前記第1収納空間に収納されており、前記第2非可逆回路素子は、前記第2収納空間に収納されている。なお、本発明において、「上」、「下」とは、単に、方向を示す用語として用いる。例えば、一方向を「上」もしくは「上方向」とした場合、その逆の他方向は、「下」もしくは「下方向」となる。
上述したように、本発明に係る非可逆回路装置において、ケースは、内側に第1収納空間と、第2収納空間とを含み、第1収納空間及び第2収納空間は、外壁部によって包囲され、仕切り部によって互いに上下に区画されており、第1非可逆回路素子は第1収納空間に収納されており、第2非可逆回路素子は第2収納空間に収納されているから、第1非可逆回路素子及び第2非可逆回路素子を、ケースの内部で縦積みする構造となる。このため、2つの非可逆回路素子を平面配置する従来技術と対比して、平面占有面積の小さな非可逆回路装置が得られる。
また、第1収納空間及び第2収納空間は、外壁部によって包囲され、仕切り部によって上下に区画されていて、仕切り部の上方に位置する第1収納空間は、仕切り部と向き合う上方が開放されており、仕切り部の下方に位置する第2収納空間は、仕切り部と向き合う下方が開放されているから、上方開放部をとおして、第1収納空間に第1非可逆回路素子を挿入し、第1非可逆回路素子を仕切り部によって支持するとともに、下方開放部を通して第2収納空間に第2非可逆回路素子を挿入し、第2非可逆回路素子を仕切り部によって支持することができる。このため、ケースに対する第1非可逆回路素子及び第2非可逆回路素子の組み立てが容易になり、組み立て効率が向上する。
更に、ケースは、磁性体でなり、外壁部と、仕切り部とを含んでおり、第1収納空間及び第2収納空間は、外壁部によって包囲され、仕切り部によって上下に区画されているから、仕切り部を境界にして、ケースの上方に、仕切り部及び外壁部の上半部を通る第1非可逆回路素子の第1磁路が形成され、下方に、仕切り部及び外壁部の下半部を通る第2非可逆回路素子の第2磁路が形成される。第1磁路及び第2磁路は、仕切り部を共通にするが、全体としては、仕切り部を境にして、実質的に上下に分離されるのである。このため、第1非可逆回路素子及び第2非可逆回路素子の間において、相互的な磁気的影響が緩和されるから、第1非可逆回路素子及び第2非可逆回路素子のうちの何れかに加えられた特性調整によって、他方が影響を受けるのを極力抑えることができる。
しかも、第1収納空間は、仕切り部と向き合う上方が開放されており、第2収納空間は、仕切り部と向き合う下方が開放されているから、特性調整に当たり、第1非可逆回路素子及び第2非可逆回路素子に対して、上方開放部及び下方開放部を通して、特性を調整するための操作を加えることができる。このため、第1非可逆回路素子及び第2非可逆回路素子を縦積みしながらも、それらの特性を個別的に調整することができるという効果を奏する。
前記第1非可逆回路素子及び前記第2非可逆回路素子は、具体的には、永久磁石、及び、磁気回転子を積層したものでなる。この場合、前記ケースは、好ましくは、前記上方開放部に結合される可動の上部蓋部材と、前記下方開放部に結合される可動の下蓋部材とを有する構造とする。前記上部蓋部材は、前記第1非可逆回路素子を積層方向に押圧し、前記下蓋部材は、前記第2非可逆回路素子を積層方向に押圧する。この構造によれば、上部蓋部材を可変調整することにより、第1非可逆回路素子に対する押圧力を変え、磁気回路定数等を調整し、第1非可逆回路素子の特性を調整することができる。同様に、下蓋部材を可変調整することにより、第2非可逆回路素子に対する押圧力を変え、磁気回路定数等を調整し、第2非可逆回路素子の特性を調整することができる。
好ましくは、前記上部蓋部材及び前記下蓋部材は、外面が前記ケースの端面よりは外に出ないようにする。この構成によれば、実質的にケース外寸法によって支配された形状を有する非可逆回路装置が得られる。
前記上部蓋部材及び前記下蓋部材のそれぞれは、リング状の外枠体と、その内部に嵌めこまれる可動体とを含むことが好ましい。この構造によれば、前記外枠体により、前記第1非可逆回路素子又は前記第2非可逆回路素子を押圧固定するとともに、可動体を調整することにより、第1非可逆回路素子又は第2非可逆回路素子に対する磁気回路を調整することができるので、第1非可逆回路素子又は第2非可逆回路素子の特性調整が容易になる。
本発明に係る非可逆回路装置は、送信部または受信部とを組み合わせて、通信装置を構成するために用いられる。この通信装置は、上述した非可逆回路装置の有する利点を全て享有する。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)複数の非可逆回路素子を備える構成において、平面占有面積の小さな非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供することができる。
(b)複数の非可逆回路素子を備える構成において、組み立ての容易な非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供することができる。
(c)複数備えられる非可逆回路素子間を磁気的に分離し、個別的な特性調整を可能にした非可逆回路装置、及び、これを用いた通信装置を提供することができる。
本発明に係る非可逆回路装置の分解斜視図である。 本発明に係る非可逆回路装置の外観斜視図である。 本発明に係る非可逆回路装置を底面側からみた斜視図である。 図1〜図3に示した非可逆回路装置の断面図である。 本発明に係る非可逆回路装置の別の実施の形態を示す図である。 本発明に係る非可逆回路装置を用いた通信装置のブロック図である。
図1〜図4に図示された非可逆回路装置は、ケース1と、第1非可逆回路素子3と、第2非可逆回路素子5とを含む。ケース1は、鉄等の磁性体でなり、外壁部104と、仕切り部103とを含み、内側に第1収納空間101及び第2収納空間102を有している。
第1収納空間101及び第2収納空間102は、外壁部104によって包囲され、仕切り部103によって互いに上下に区画されている。第1収納空間101は、仕切り部103の上方に位置し、仕切り部103と向き合う上方が開放されている。第2収納空間102は、仕切り部103の下方に位置し、仕切り部103と向き合う下方が開放されている。外壁部104には、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5の中心導体を引き出すためのスリット105が設けられている。実施例において、上方及び下方とは、図1〜図4の配置からみた位置関係である。
第1非可逆回路素子3は、第1収納空間101に収納されており、第2非可逆回路素子5は、第2収納空間102に収納されている。第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5は、同じような構造となっている。
まず、第1非可逆回路素子3は、第1収納空間101内において、仕切り部103の上に、第1永久磁石35、第1磁気回転子33、及び、上部蓋部材31を順次に積層したものである。
第1磁気回転子33は、仕切り部103の一面に配置された第1永久磁石35の上に、第1下部磁極板331、第1下部フェライト板332、第1中心導体333、第1上部フェライト板334及び第1上部磁極板335を順次に重ねたものである。第1永久磁石35は、第1磁気回転子33に直流磁界を印加する。この直流磁界によって、上部蓋部材31及びケース1を巡る閉ループφ1(図4参照)の磁気回路が形成される。第1上部磁極板335と第1下部磁極板331は、厚さ0.1〜0.3(mm)程度の導体板であり、例えば、鉄とニッケルとの合金、または、銅、鉄等からなる。
第1下部フェライト板332及び第1上部フェライト板334は、イットリウム/鉄/ガーネット(YIG)等の軟磁性材料からなる円板状フェライト部341、343と、その外周に設けられた円環板状の誘電体部342、344を有している。もっとも、フェライト板の形状は、これに限定されず、角板等であってもよい。
第1中心導体333は、好ましくは、厚さが0.05〜0.3mm程度の銅板を加工した導体板あって、外周に第1〜第3の端子を突設した周知の形状、構造となっている。第1中心導体333は、第1下部フェライト板332と、第1上部フェライト板334とにより挟持されている。
上部蓋部材31は、第1磁気回転子33を積層方向に押圧する。その具体的構造として、図示の上部蓋部材31は、リング状の第1外枠体311と、その内部に嵌めこまれる第1可動体312とを含んでいる。第1外枠体311は、ケース1の内周面に、例えば、ネジ、凹凸の嵌めあい等によって結合されている。第1可動体312は、第1外枠体311の面内に設けられた貫通孔内に、前進または後退できるように、例えば、ネジなどによって結合されている。第1外枠体311は、第1磁気回転子33の第1上部磁極板335を押圧し、固定する。第1可動体312は、その位置を可変することにより、第1磁気回転子33の磁気回路定数を調整する。上部蓋部材31は、外面がケース1の端面よりは外に出ないようにしてある。
次に、第2非可逆回路素子5は、第2収納空間102内において、仕切り部103の下に、第2永久磁石55、第2磁気回転子53、及び、下部蓋部材51を順次に積層したものである。第2磁気回転子53は、仕切り部103の下面に配置された第2永久磁石55の下に、第2上部磁極板531、第2上部フェライト板532、第2中心導体533、第2下部フェライト板534及び第2下部磁極板535を順次に重ねたものである。第2下部フェライト板534及び第2上部フェライト板532は、イットリウム/鉄/ガーネット(YIG)等の軟磁性材料からなる円板状フェライト部541、543と、その外周に設けられた円環板状の誘電体部542、544を有している。上述した各構成部分の詳細は、第1非可逆回路素子3のそれと同じであるので、重複説明は省略する。
下部蓋部材51は、第2磁気回転子53を積層方向に押圧する。その具体的構造として、図示の下部蓋部材51は、リング状の第2外枠体511と、その内部に嵌めこまれる第2可動体512とを含んでいる。第2外枠体511は、ケース1の内周面に、例えば、ネジ又は凹凸の嵌めあい等によって結合されている。第2可動体512は、第2外枠体511の面内に設けられた貫通孔内に、前進または後退できるように、例えば、ネジなどによって結合されている。第2外枠体511は、第2磁気回転子53の第2上部磁極板531を押圧し、固定する。第2可動体512は、その位置を可変することにより、第2磁気回転子53の磁気回路定数を調整する。下部蓋部材51は、外面が、ケース1の端面よりは外に出ないようにしてある。
ケース1は、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5を組み込んだ状態で、回路基板7に取り付けることができる。この場合、ケース1の第2収納部102と重なる位置において、回路基板7の基体71に、孔72を設けておくことが好ましい。
上述したように、図1〜図4に図示された非可逆回路装置において、ケース1は、内側に第1収納空間101と、第2収納空間102とを含み、第1収納空間101及び第2収納空間102は、外壁部104によって包囲され、仕切り部103によって互いに上下に区画されており、第1非可逆回路素子3は第1収納空間101に収納されており、第2非可逆回路素子5は第2収納空間102に収納されているから、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5を、ケース1の内部で縦積みする構造となる。このため、2つの非可逆回路素子3、5を平面配置する従来技術と対比して、平面占有面積の小さな非可逆回路装置が得られる。
また、第1収納空間101及び第2収納空間102は、外壁部104によって包囲され、仕切り部103によって上下に区画されていて、仕切り部103の上方に位置する第1収納空間101は、仕切り部103と向き合う上方が開放しており、仕切り部103の下方に位置する第2収納空間102は、仕切り部103と向き合う下方が開放しているから、図1の図示から明らかなように、上方開放部をとおして、第1収納空間101の内部に第1非可逆回路素子3を、矢印F1で示すように挿入し、第1非可逆回路素子3を仕切り部103によって支持するとともに、下方の開放部を通して第2収納空間102に第2非可逆回路素子5を、矢印F2で示すように挿入し、第2非可逆回路素子5を仕切り部103によって支持することができる。このため、ケース1に対する第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5の組み込が容易になり、組み立て効率が向上する。
更に、ケース1は、磁性体でなり、外壁部104と、仕切り部103とを含んでおり、第1収納空間101及び第2収納空間102は、外壁部104によって包囲され、仕切り部103によって上下に区画されているから、仕切り部103を境界にして、ケース1の上方に、仕切り部103及び外壁部104の上半部を通る第1非可逆回路素子3の第1磁路φ1が形成され、下方に、仕切り部103及び外壁部104の下半部を通る第2非可逆回路素子5の第2磁路φ2(図4参照)が形成される。第1磁路φ1及び第2磁路φ2は、仕切り部103を共通にするが、全体としては、仕切り部103を境にして、実質的に上下に分離される。このため、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5が、磁気的に分離されることになるから、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5のうちの何れかに加えられた特性調整によって、他方が影響を受けるのを極力抑えることができる。
しかも、第1収納空間101は、仕切り部103と向き合う上方が開放されており、第2収納空間102は、仕切り部103と向き合う下方が開放されているから、特性調整に当たり、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5に対して、上方開放部及び下方開放部を通して、特性を調整するための操作を加えることができる。このため、第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5を縦積みしながらも、それらの特性を個別的に調整することが可能になる。
第1非可逆回路素子3は、第1永久磁石35、及び、第1磁気回転子33を積層したものでなり、上方開放部に可動の上部蓋部材31が結合されている。上部蓋部材31は、第1非可逆回路素子3を積層方向に押圧する。この構造によれば、上部蓋部材31を可変調整することにより、第1非可逆回路素子3に対する押圧力を変え、磁気回路定数等を調整し、第1非可逆回路素子3の特性を調整することができる。
同様に、第2非可逆回路素子5は、第2永久磁石55、及び、第2磁気回転子53を積層したものでなり、下方開放部に可動の下部蓋部材51が結合されている。したがって、下部蓋部材51を可変調整することにより、第2非可逆回路素子5に対する押圧力を変え、磁気回路定数等を調整し、第2非可逆回路素子5の特性を調整することができる。
上部蓋部材31及び下部蓋部材51は、外面がケース1の端面よりは外に出ないようにする。この構成によれば、実質的にケース1外寸法によって支配された形状を有する非可逆回路装置が得られる。
上部蓋部材31は、リング状の第1外枠体311と、その内部に嵌めこまれる第1可動体312とを含んでいる。この構造によれば、第1外枠体311により、第1非可逆回路素子3の第1磁気回転子33を押圧固定することができるほか、第1可動体312を調整することにより、第1非可逆回路素子3に対する磁気回路を調整することができるので、第1非可逆回路素子3の特性調整が容易になる。
同様に、下部蓋部材51は、リング状の第2外枠体511と、その内部に嵌めこまれる第2可動体512とを有している。この構造によれば、第2外枠体511により、第2非可逆回路素子5の第1磁気回転子53を押圧固定することができるほか、第2可動体512を調整することにより、第2非可逆回路素子5に対する磁気回路を調整することができるので、第2非可逆回路素子5の特性調整が容易になる。
第1非可逆回路素子3及び第2非可逆回路素子5を組み込んだ状態で、ケース1を回路基板7に取り付けるあたり、ケース1の第2収納部102と重なる位置において、回路基板7の基体71に、孔72を設けておくと、ケース1を回路基板7に取り付けた後も、孔72を通して、第2非可逆回路素子5の特性調整を行うことができる。また、回路基板7にケース1を取り付けた後に、ケース1の内部に第2非可逆回路素子5を組み込むこともできる。なお、図1及び図2の参照符号R0は、アイソレータとして用いる場合の終端抵抗器を示している。
図5は、本発明に係る非可逆回路装置の別の実施の形態を示す図である。図において、図1〜図4に現れた構成部分と対応する部分については、同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。この実施の形態では、上部蓋部材31の第1外枠体311の内部に嵌めこまれる第1可動体312の位置を調整することにより、第1非可逆回路素子3の第1磁気回転子33を押圧するとともに、第1非可逆回路素子3に対する磁気回路を調整するようになっている。同様に、下部蓋部材51の第2外枠体511の内部に嵌めこまれる第2可動体512の位置を調整することにより、第2非可逆回路素子5の第1磁気回転子53を押圧するとともに、第2非可逆回路素子5に対する磁気回路を調整するようになっている。
図6は本発明に係る非可逆回路装置を用いた通信装置のブロック図である。この通信装置は、例えば、移動通信システムにおける基地局に備えられるものであって、受信部9と、送信部8とを含み、両者は、送受信用アンテナ80に接続されている。受信部9は、受信用増幅回路92と、受信された信号を処理する受信回路91とを含んでいる。送信部8は、音声信号、映像信号などを生成する送信回路81と、電力増幅回路82とを含んでいる。上述した通信装置において、アンテナ80から受信部9及び送信部8に到る回路や、電力増幅回路82の出力段に、本発明に係る非可逆回路装置83、84が用いられる。非可逆回路装置83はサーキュレータとして機能し、非可逆回路装置84は終端抵抗器R0を有するアイソレータとして機能する。
本発明に係る通信装置によると、上述した非可逆回路装置を含むので、既に述べた内容と同様の作用効果が得られる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは、自明である。
1 ケース
101 第1収納空間
102 第2収納空間
103 仕切り部
104 外壁部
3 第1非可逆回路素子
5 第2非可逆回路素子

Claims (5)

  1. ケースと、第1非可逆回路素子と、第2非可逆回路素子とを含む非可逆回路装置であって、
    前記ケースは、磁性体でなり、外壁部と、仕切り部とを含み、内側に第1収納空間及び第2収納空間を有しており、
    前記第1収納空間及び第2収納空間は、前記外壁部によって包囲され、前記仕切り部によって互いに上下に区画されており、
    前記第1収納空間は、前記仕切り部の上方に位置し、前記仕切り部と向き合う上方が開放されており、
    前記第2収納空間は、前記仕切り部の下方に位置し、前記仕切り部と向き合う下方が開放されており、
    前記第1非可逆回路素子は、前記第1収納空間に収納されており、
    前記第2非可逆回路素子は、前記第2収納空間に収納されている、
    非可逆回路装置。
  2. 請求項1に記載された非可逆回路装置であって、
    前記第1非可逆回路素子は、第1永久磁石、及び、第1磁気回転子を、前記仕切り部の上側に積層したものでなり、
    前記第2非可逆回路素子は、第2永久磁石、及び、第2磁気回転子を、前記仕切り部の下側に積層したものでなり、
    前記ケースは、前記上方開放部に結合される可動の上部蓋部材と、前記下方開放部に結合される可動の下蓋部材とを有しており、
    前記上部蓋部材は、前記第1磁気回転子を積層方向に押圧し、
    前記下蓋部材は、前記第2磁気回転子を積層方向に押圧する、
    非可逆回路装置。
  3. 請求項2に記載された非可逆回路装置であって、前記上部蓋部材及び前記下蓋部材は、外面が前記ケースの端面よりは外に出ない、非可逆回路装置。
  4. 請求項2又は3に記載された非可逆回路装置であって、前記上部蓋部材及び前記下蓋部材のそれぞれは、リング状の外枠体と、その内部に嵌めこまれる可動体とを含み、
    前記可動体は、前記第1非可逆回路素子又は前記第2非可逆回路素子を押圧し、その磁気回路を調整する、
    非可逆回路装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載された非可逆回路装置と、送信部または受信部とを含む通信装置であって、
    前記非可逆回路装置は、前記送信部または前記受信部と電気的に組み合わされている、
    通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023157069A1 (ja) * 2022-02-15 2023-08-24 Tdk株式会社 非可逆回路素子及び非可逆回路素子の製造方法

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WO2023157069A1 (ja) * 2022-02-15 2023-08-24 Tdk株式会社 非可逆回路素子及び非可逆回路素子の製造方法

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