JP2013172033A - 分離方法及び積層構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板からサポートプレートを容易に分離する。
【解決手段】積層体1からサポートプレート2を分離するときに、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を前記光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材7を、前記光出射面とサポートプレート2とが対向するように、積層体1に隣接して設置し、光拡散部材7を介して積層体1に光を照射する。
【選択図】図1
【解決手段】積層体1からサポートプレート2を分離するときに、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を前記光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材7を、前記光出射面とサポートプレート2とが対向するように、積層体1に隣接して設置し、光拡散部材7を介して積層体1に光を照射する。
【選択図】図1
Description
本発明は積層体の分離方法及び積層構造体に関する。
特許文献1及び特許文献2には、支持体上に固定された被研削基材(ウエハ基板)を、支持体から剥離するための技術が記載されている。特許文献1及び2に記載の積層体は、支持体、光熱変換層、接合層及び被研削基材が、この順番に積層されて形成されており、支持体側からレーザー光を照射することによって、光熱変換層を変質させ、支持体から被研削基材を剥離する。
近年、ICカード、携帯電話などの電子機器の薄型化、小型化、軽量化などが要求されている。これらの要求を満たすためには、組み込まれる半導体チップについても薄型の半導体チップを使用しなければならない。このため、半導体チップの基となるウエハ基板の厚さ(膜厚)は現状では125μm〜150μmであるが、次世代のチップ用には25μm〜50μmにしなければならないといわれている。したがって、上記の膜厚のウエハ基板を得るためには、ウエハ基板の薄板化工程が必要不可欠である。
ウエハ基板は、薄板化により強度が低下するので、薄板化したウエハ基板の破損を防ぐために、製造プロセス中は、ウエハ基板にサポートプレートを貼り合わされた状態で自動搬送しながら、ウエハ基板上に回路等の構造物を実装する。そして、製造プロセス後に、ウエハ基板をサポートプレートから分離する。したがって、製造プロセス中は、ウエハ基板とサポートプレートとが強固に接着していることが好ましいが、製造プロセス後には、サポートプレートからウエハ基板を円滑に分離できることが好ましい。
ウエハ基板とサポートプレートとを強固に接着した場合、接着材料によっては、ウエハ基板上に実装した構造物を破損させることなく、ウエハ基板からサポートプレートを分離することは困難である。したがって、製造プロセス中にはウエハ基板とサポートプレートとの強固な接着を実現しつつ、製造プロセス後にはウエハ基板上に実装した素子を破損させることなく分離するという、非常に困難な仮止め技術の開発が求められている。
特許文献1及び2に記載の積層体においては、光熱変換層にレーザー光を照射して、支持体からウエハ基板を分離するが、光熱変換層へのレーザー光の照射が十分でない場合には、光熱変換層が十分に変質せず、支持体とウエハ基板との分離が容易に行えないという問題がある。光熱変換層を十分に変質させるためには、レーザー強度の高いレーザー光を照射すればよいが、レーザー強度の高いレーザー光を照射すると、光熱変換層においてレーザー光を吸収しきれず、ウエハ基板にまでレーザー光が到達してしまい、ウエハ基板や、これに実装した素子がダメージを受けてしまう。
したがって、支持体とウエハ基板との分離を容易に行うことが可能であり、かつ分離時にウエハ基板にダメージを与えることがないような、分離方法の開発が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造プロセス中には基板と支持体との強固な接着を実現しつつ、製造プロセス後には光照射により支持体と基板との分離を容易に行うことが可能であると共に、分離時に基板にダメージを与えることがない基板と支持体との分離方法を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る分離方法は、光透過性の支持体と、前記支持体によって支持される基板と、前記支持体と前記基板との間に設けられており、前記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層と、前記基板と前記分離層との間に設けられており、前記基板と前記支持体とを接着する接着層とを備えた積層体の上記支持体を分離する方法であって、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を前記光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材を、前記光出射面と前記支持体とが対向するように、積層体に隣接して設置し、前記光拡散部材を介して前記積層体に光を照射する照射工程を包含していることを特徴としている。
また、本発明に係る積層構造体は、光透過性の支持体、前記支持体によって支持される基板、前記支持体と前記基板との間に設けられており、前記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層、及び前記基板と前記分離層との間に設けられており、前記基板と前記支持体とを接着する接着層を有する積層体と、前記支持体における前記分離層に接する面に背向する面上に、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を前記光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る分離方法及び積層構造体は、製造プロセス後には光照射により容易に基板と支持体とを分離可能であるとともに、光による基板への悪影響を防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔積層構造体10〕
本発明に係る積層構造体は、光透過性の支持体、支持体によって支持される基板、支持体と基板との間に設けられており、支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層、及び基板と分離層との間に設けられており、基板と支持体とを接着する接着層を有する積層体と、支持体における分離層に接する面に背向する面上に、その光入射面から入射した光を拡散し、拡散光を光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る積層構造体は、光透過性の支持体、支持体によって支持される基板、支持体と基板との間に設けられており、支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層、及び基板と分離層との間に設けられており、基板と支持体とを接着する接着層を有する積層体と、支持体における分離層に接する面に背向する面上に、その光入射面から入射した光を拡散し、拡散光を光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る積層構造体の一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る積層構造体を示す図である。積層構造体10は、積層体1及び光拡散部材7を備えている。
(積層体1)
積層体1は、基板5、接着層4、分離層3及びサポートプレート(支持体)2をこの順番に積層してなる。すなわち、サポートプレート2と基板5とは、分離層3及び接着層4を介して接着している。
積層体1は、基板5、接着層4、分離層3及びサポートプレート(支持体)2をこの順番に積層してなる。すなわち、サポートプレート2と基板5とは、分離層3及び接着層4を介して接着している。
(基板5)
基板5は、サポートプレート2に支持された状態で、薄化、実装等のプロセスに供されるものである。基板5としては、ウエハ基板に限定されず、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等の任意の基板を使用することができる。
基板5は、サポートプレート2に支持された状態で、薄化、実装等のプロセスに供されるものである。基板5としては、ウエハ基板に限定されず、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等の任意の基板を使用することができる。
(サポートプレート2)
サポートプレート2は、基板5を支持する支持体であり、光透過性を有している。そのため、積層体1の外からサポートプレート2に向けて光が照射されたときに、当該光がサポートプレート2を通過して分離層3に到達する。また、サポートプレート2は、必ずしも全ての光を透過させる必要はなく、分離層3に吸収されるべき(所望の波長を有している)光を透過させることができればよい。
サポートプレート2は、基板5を支持する支持体であり、光透過性を有している。そのため、積層体1の外からサポートプレート2に向けて光が照射されたときに、当該光がサポートプレート2を通過して分離層3に到達する。また、サポートプレート2は、必ずしも全ての光を透過させる必要はなく、分離層3に吸収されるべき(所望の波長を有している)光を透過させることができればよい。
サポートプレート2は、基板5を支持するものであり、基板5の薄化、搬送、実装等のプロセス時に、基板5の破損又は変形を防ぐために必要な強度を有していればよい。以上のような観点から、サポートプレート2としては、ガラス、シリコン、アクリルからなるもの等が挙げられる。
(分離層3)
分離層3は、サポートプレート2を介して照射される光を吸収することによって変質する。本明細書において、分離層3が「変質する」とは、分離層3をわずかな外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層3と接する層との接着力が低下した状態にさせる現象を意味する。また、分離層3の変質は、吸収した光のエネルギーによる(発熱性又は非発熱性の)分解、架橋、立体配置の変化又は官能基の解離(そして、これらにともなう分離層の硬化、脱ガス、収縮又は膨張)等であり得る。分離層3の変質は、分離層3を構成する材料による光の吸収の結果として生じる。よって、分離層3の変質の種類は、分離層3を構成する材料の種類に応じて変化し得る。
分離層3は、サポートプレート2を介して照射される光を吸収することによって変質する。本明細書において、分離層3が「変質する」とは、分離層3をわずかな外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層3と接する層との接着力が低下した状態にさせる現象を意味する。また、分離層3の変質は、吸収した光のエネルギーによる(発熱性又は非発熱性の)分解、架橋、立体配置の変化又は官能基の解離(そして、これらにともなう分離層の硬化、脱ガス、収縮又は膨張)等であり得る。分離層3の変質は、分離層3を構成する材料による光の吸収の結果として生じる。よって、分離層3の変質の種類は、分離層3を構成する材料の種類に応じて変化し得る。
分離層3は、サポートプレート2における、接着層4を介して基板5が貼り合わされる側の表面に設けられている。すなわち、分離層3は、サポートプレート2と接着層4との間に設けられている。
分離層3の厚さは、例えば、0.05〜50μmであることがより好ましく、0.1〜10μmの厚さであることがさらに好ましい。分離層3の厚さが0.05〜50μmの範囲内に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射によって、分離層3を所望のように変質させることができる。また、分離層3の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲内に収まっていることがより好ましい。
なお、積層体1において、分離層3とサポートプレート2との間に他の層がさらに形成されていてもよい。この場合、他の層は光を透過する材料から構成されていればよい。これによって、分離層3への光の入射を妨げることなく、積層体1に好ましい性質などを付与する層を、適宜追加することができる。分離層3を構成している材料の種類によって、用い得る光の波長が異なる。よって、他の層を構成する材料は、すべての光を透過させる必要はなく、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を透過させることができる材料から適宜選択し得る。
また、分離層3は、光を吸収する構造を有する材料のみから形成されていることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、光を吸収する構造を有していない材料を添加して、分離層3を形成してもよい。
分離層3は、以下に示すような分離層3を構成する材料を予めフィルム状に形成したものをサポートプレート2に貼り合わせて用いてもよいし、サポートプレート2上に分離層3を構成する材料を塗布してフィルム状に固化したものを用いてもよい。サポートプレート2上に分離層3を構成する材料を塗布する方法は、分離層3を構成する材料の種類に応じて、従来公知の方法から適宜選択することができる。
分離層3は、レーザーから照射される光を吸収することによって変質するものであってもよい。すなわち、分離層3を変質させるために分離層3に照射される光は、レーザーから照射されたものであってもよい。分離層3に照射する光を発射するレーザーの例としては、YAGレーザー、リビーレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザー、色素レーザー等の液体レーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、Arレーザー、He−Neレーザー等の気体レーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー等のレーザー光、又は、非レーザー光等が挙げられる。分離層3に照射する光を発射するレーザーは、分離層3を構成している材料に応じて適宜選択することが可能であり、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を照射するレーザーを選択すればよい。
<光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体>
分離層3は、光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。当該重合体は、光の照射を受けて変質する。当該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。分離層3は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
分離層3は、光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。当該重合体は、光の照射を受けて変質する。当該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。分離層3は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
光吸収性を有している上記構造は、光を吸収して、繰返し単位として当該構造を含んでいる重合体を変質させる化学構造である。当該構造は、例えば、置換もしくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含んでいる原子団である。より詳細には、当該構造は、カルド構造、又は上記重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造もしくはジフェニルアミン構造であり得る。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在する場合、当該構造は以下の式によって表され得る。
式中、Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ハロゲン、水酸基、ケトン基、スルホキシド基、スルホン基又はN(R4)(R5)であり(ここで、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)、Zは、存在しないか、又はCO−、−SO2−、−SO−もしくは−NH−であり、nは0又は1〜5の整数である。
また、上記重合体は、例えば、以下の式のうち、(a)〜(d)のいずれかによって表される繰返し単位を含んでいるか、(e)によって表されるか、又は(f)の構造をその主鎖に含んでいる。
式中、lは1以上の整数であり、mは0又は1〜2の整数であり、Xは、(a)〜(e)において上記の“化1”に示した式のいずれかであり、(f)において上記の“化1”に示した式のいずれかであるか、又は存在せず、Y1及びY2はそれぞれ独立して、−CO−又はSO2−である。lは好ましくは10以下の整数である。
上記の“化1”に示されるベンゼン環、縮合環及び複素環の例としては、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、アントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオリム、置換フルオリム、フルオリモン、置換フルオリモン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾール、ジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナンスレン、置換フェナンスレン、ピレン及び置換ピレンが挙げられる。例示した置換基が置換を有している場合、その置換基は、例えば、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルアミノ及びアリールアミノから選択される。
上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO2−である場合の例としては、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2‐ヒドロキシフェニル)スルホン、及びビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。
上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシドなどが挙げられる。
上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−C(=O)−である場合の例としては、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,5,6’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,6‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、4‐アミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジエチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐4’‐メトキシ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン、及び4‐ジメチルアミノ‐3’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在している場合、上記構造を含んでいる繰返し単位の、上記重合体に占める割合は、分離層3の光の透過率が0.001〜10%になる範囲にある。当該割合がこのような範囲に収まるように重合体が調製されていれば、分離層3が十分に光を吸収して、確実かつ迅速に変質し得る。すなわち、積層体1からのサポートプレート2の除去が容易であり、当該除去に必要な光の照射時間を短縮させることができる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な光の波長は、100〜2000nmであることがより好ましい。この範囲のうち、上記構造が吸収可能な光の波長は、より短波長側であり、例えば、100〜500nmである。例えば、上記構造は、好ましくは約300〜370nmの波長を有している紫外光を吸収することによって、当該構造を含んでいる重合体を変質させ得る。
上記構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長:254nm〜436nm)、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)、F2エキシマレーザー(波長:157nm)、XeClレーザー(308nm)、XeFレーザー(波長:351nm)もしくは固体UVレーザー(波長:355nm)から発せられる光、又はg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)もしくはi線(波長:365nm)などである。
上述した分離層3は、繰り返し単位として上記構造を含んでいる重合体を含有しているが、分離層3はさらに、上記重合体以外の成分を含み得る。当該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート2の分離性を向上し得る成分などが挙げられる。これらの成分は、上記構造による光の吸収、及び重合体の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
<無機物>
分離層3は、無機物からなっていてもよい。分離層3は、無機物によって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
分離層3は、無機物からなっていてもよい。分離層3は、無機物によって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
上記無機物は、光を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上の無機物を好適に用いることができる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物を指し、例えば、金属酸化物、金属窒化物であり得る。このような無機物の例示としては、これに限定されるものではないが、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO2、SiN、Si3N4、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上の無機物が挙げられる。なお、カーボンとは炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えば、ダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等であり得る。
上記無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いた無機物が吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、上記無機物を好適に変質させ得る。
無機物からなる分離層3に照射する光としては、上記無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザー、リビーレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザー、色素レーザー等の液体レーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、Arレーザー、He−Neレーザー等の気体レーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー等のレーザー光、又は、非レーザー光を適宜用いればよい。
無機物からなる分離層3は、例えばスパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、サポートプレート2上に形成され得る。無機物からなる分離層3の厚さは特に限定されず、使用する光を十分に吸収し得る膜厚であればよいが、例えば、0.05〜10μmの膜厚とすることがより好ましい。また、分離層3を構成する無機物からなる無機膜(例えば、金属膜)の両面又は片面に予め接着剤を塗布し、サポートプレート2及び基板5に貼り付けてもよい。
なお、分離層3として金属膜を使用する場合には、分離層3の膜質、レーザー光源の種類、レーザー出力等の条件によっては、レーザーの反射や膜への帯電等が起こり得る。そのため、反射防止膜や帯電防止膜を分離層3の上下又はそのどちらか一方に設けることで、それらの対策をとることが好ましい。
<赤外線吸収性の構造を有する化合物>
分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。当該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。分離層3は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレートを持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。当該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。分離層3は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレートを持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
赤外線吸収性を有している構造又は赤外線吸収性を有している構造を含む化合物としては、例えば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコール及びフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタン及びチオフェノール及びチオール酸などの硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A1結合(A1は、H、C、O又はハロゲン)、P−A2結合(A2は、H、C又はO)、又はTi−O結合であり得る。
上記炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば、−CH2Cl、−CH2Br、−CH2I、−CF2−、−CF3、−CH=CF2、−CF=CF2、フッ化アリール、及び塩化アリールなどが挙げられる。
上記Si−A1結合を含む構造としては、SiH、SiH2、SiH3、Si−CH3、Si−CH2−、Si−C6H5、SiO脂肪族、Si−OCH3、Si−OCH2CH3、Si−OC6H5、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF2、及びSiF3などが挙げられる。Si−A1結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格及びシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記P−A2結合を含む構造としては、PH、PH2、P−CH3、P−CH2−、P−C6H5、A3 3−P−O(A3は脂肪族又は芳香族)、(A4O)3−P−O(A4はアルキル)、P−OCH3、P−OCH2CH3、P−OC6H5、P−O−P、P−OH、及びO=P−OHなどが挙げられる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1μm〜20μmの範囲内であり、2μm〜15μmの範囲内をより好適に吸収することができる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合及びTi−O結合である場合には、9μm〜11μmの範囲内であり得る。なお、各構造が吸収できる赤外線の波長は当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁〜第151頁の記載を参照することができる。
分離層3の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解でき、固化されて固層を形成できるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層3における化合物を効果的に変質させ、サポートプレート2と基板5との分離を容易にするには、分離層3における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層3に赤外線を照射した際の赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層3における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
一例を挙げて説明すれば、シロキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂、あるいは下記式(1)で表される繰り返し単位及びアクリル系化合物由来の繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
(式(2)中、R1は、水素、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基である)
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位の共重合体であるtert−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位の共重合体であるtert−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。
また、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記式(4)で表される繰り返し単位及び下記式(5)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
(式(4)中、R2は、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であり、式(5)中、R3は、炭素数1以上、10以下のアルキル基、又はフェニル基である)
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特許文献3:特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特許文献4:特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特許文献5:特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)及び特許文献6:特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用できる。
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特許文献3:特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特許文献4:特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特許文献5:特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)及び特許文献6:特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用できる。
中でも、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、下記式(6)で表される繰り返し単位及び下記式(7)で表される繰り返し単位の共重合体がより好ましく、下記式(6)で表される繰り返し単位及び下記式(7)で表される繰り返し単位を7:3で含む共重合体がさらに好ましい。
シルセスキオキサン骨格を有する重合体としては、ランダム構造、ラダー構造、及び籠型構造があり得るが、何れの構造であってもよい。
また、Ti−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、及びチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレートなどのアルコキシチタン、(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、及びプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などのキレートチタン、(iii)i−C3H7O−[−Ti(O−i−C3H7)2−O−]n−i−C3H7、及びn−C4H9O−[−Ti(O−n−C4H9)2−O−]n−n−C4H9などのチタンポリマー、(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、及び(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタンなどのアシレートチタン、(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタンなどの水溶性チタン化合物などが挙げられる。
中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC4H9)2[OC2H4N(C2H4OH)2]2)が好ましい。
上述した分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有しているが、分離層3はさらに、上記化合物以外の成分を含み得る。当該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート2の分離性を向上し得る成分などが挙げられる。これらの成分は、上記構造による赤外線の吸収、及び化合物の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
<フルオロカーボン>
分離層3は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層3は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
分離層3は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層3は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
また、一つの観点からいえば、分離層3を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD法によって好適に成膜され得る。なお、フルオロカーボンは、CxFy(パーフルオロカーボン)及びCxHyFz(x、y及びzは自然数)を含み、これらに限定されないが、例えば、CHF3、CH2F2、C2H2F2、C4F8、C2F6、C5F8等で有り得る。また、分離層3を構成するために用いるフルオロカーボンに対して、必要に応じて窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス、酸素、アルカン、アルケンなどの炭化水素、及び、二酸化炭素、水素を添加してもよい。また、これらのガスを複数混合して用いてもよい(フルオロカーボン、水素、窒素の混合ガス等)。また、分離層3は、単一種のフルオロカーボンから構成されていてもよいし、2種類以上のフルオロカーボンから構成されていてもよい。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、分離層3における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。
分離層3に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザー、リビーレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザー、色素レーザー等の液体レーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、Arレーザー、He−Neレーザー等の気体レーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー等のレーザー光、又は、非レーザー光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の範囲のものを用いることができる。
<赤外線吸収物質>
分離層3は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。分離層3は、赤外線吸収物質を含有して構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
分離層3は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。分離層3は、赤外線吸収物質を含有して構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート2と基板5とを分離することができる。
赤外線吸収物質は、赤外線を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を分離層3に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
(接着層4)
なお、接着層4は、基板5をサポートプレート2に接着固定すると同時に、基板5の表面を覆って保護する構成である。よって、接着層4は、基板5の加工又は搬送の際に、サポートプレート2に対する基板5の固定、及び基板5の保護すべき面の被覆を維持する接着性及び強度を有している必要がある。一方で、製造プロセス後などサポートプレート2に対する基板5の固定が不要になったときに、基板5から容易に分離又は除去され得る必要がある。
なお、接着層4は、基板5をサポートプレート2に接着固定すると同時に、基板5の表面を覆って保護する構成である。よって、接着層4は、基板5の加工又は搬送の際に、サポートプレート2に対する基板5の固定、及び基板5の保護すべき面の被覆を維持する接着性及び強度を有している必要がある。一方で、製造プロセス後などサポートプレート2に対する基板5の固定が不要になったときに、基板5から容易に分離又は除去され得る必要がある。
したがって、接着層4は、通常は強固な接着性を有し、何らかの処理によって接着性が低下するか、又は特定の溶剤に対する可溶性を有する接着材料を含むことが好ましい。
接着層4の厚さは、例えば、1〜150μmであることがより好ましく、10〜100μmであることがさらに好ましい。
〔接着材料〕
上記接着材料として、例えばアクリル系、ノボラック系、ナフトキサン系、炭化水素系、ポリイミド系等の、当該分野において公知の種々の接着材料が、本実施の形態に係る接着層4を構成する接着材料として使用可能である。以下では、本実施の形態における接着材料が含有する樹脂等の組成について説明する。
上記接着材料として、例えばアクリル系、ノボラック系、ナフトキサン系、炭化水素系、ポリイミド系等の、当該分野において公知の種々の接着材料が、本実施の形態に係る接着層4を構成する接着材料として使用可能である。以下では、本実施の形態における接着材料が含有する樹脂等の組成について説明する。
接着材料としては、接着性を備えたものであれば特に限定されないが、例えば、炭化水素樹脂、エラストマー、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂等、又はこれらの組み合わせたものなどが挙げられる。
<炭化水素樹脂>
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、ならびに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、ならびに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた重合体等が挙げられる。
樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエンなどの三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロペンタジエン三量体などの五環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)置換体、アルケニル(ビニルなど)置換体、アルキリデン(エチリデンなど)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチルなど)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、α−オレフィンなどが挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制するうえで好ましい。
単量体成分を重合する際の重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス社製の「TOPAS」、三井化学社製の「APEL」、日本ゼオン社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR社製の「ARTON」などが挙げられる。
樹脂(A)のガラス転移点(Tg)は、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移点が60℃以上であると、接着層が高温環境に曝されたときに軟化をさらに抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂が好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることがより好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃以上であると、接着層が高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃以下であると、基板から接着剤を剥離する際の剥離速度が良好なものとなる。
樹脂(B)の分子量は特に限定されないが、300〜3000であることがより好ましい。樹脂(B)の分子量が300以上であると、耐熱性が充分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の分子量が3000以下であると、基板から接着剤を剥離する際の剥離速度が良好なものとなる。なお、本実施形態における樹脂(B)の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性及び剥離速度が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、剥離速度、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
<エラストマー>
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましい。本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲であることが好ましい。さらに、本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であることが好ましい。
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましい。本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲であることが好ましい。さらに、本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であることが好ましい。
エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、エチレン−プロピレンターポリマー(EPT)、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、及び、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)等が挙げられる。
<アクリル−スチレン系樹脂>
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
<マレイミド系樹脂>
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドなどのアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドなどのアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
例えば、下記式(8)で表される繰り返し単位及び下記式(9)で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマーを接着成分の樹脂として用いることができる。
(式(9)中、nは0又は1〜3の整数である。)
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層4を形成することが好ましい。これは、光硬化性樹脂が、接着層4の分離又は除去の後に、基板5の微小な凹凸の周辺に残渣として残ってしまう場合があり得るからである。特に、特定の溶剤に溶解する接着剤が接着層4を構成する材料として好ましい。これは、基板5に物理的な力を加えることなく、接着層4を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層4の除去に際して、強度が低下した基板5からでさえ、基板5を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層4を除去することができる。
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層4を形成することが好ましい。これは、光硬化性樹脂が、接着層4の分離又は除去の後に、基板5の微小な凹凸の周辺に残渣として残ってしまう場合があり得るからである。特に、特定の溶剤に溶解する接着剤が接着層4を構成する材料として好ましい。これは、基板5に物理的な力を加えることなく、接着層4を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層4の除去に際して、強度が低下した基板5からでさえ、基板5を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層4を除去することができる。
上述した分離層、接着層を形成する際の希釈溶剤として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数3〜15の分岐状の炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
(その他の成分)
接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
(光拡散部材7)
本発明において、積層構造体10が備える光拡散部材7は、基板5からサポートプレート2を分離するときに、分離層3を変質させるために照射する光を拡散するものである。すなわち、光拡散部材7は、サポートプレート2における分離層3に接する面に背向する面上に設けられ、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を光入射面に背向する光出射面から出射するものである。
本発明において、積層構造体10が備える光拡散部材7は、基板5からサポートプレート2を分離するときに、分離層3を変質させるために照射する光を拡散するものである。すなわち、光拡散部材7は、サポートプレート2における分離層3に接する面に背向する面上に設けられ、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を光入射面に背向する光出射面から出射するものである。
本発明においては、光拡散部材7を介して積層体1に光が照射されるので、積層体1に入射する光が分散され、分布が均一な光が積層体1に照射される。これにより、分離層3全体に均一に光が照射されるので、分離層3全体が十分に変質する。その結果、積層体1からサポートプレート2を適切に分離することができる。
従来の分離方法によって、サポートプレート2から基板5を分離するために、サポートプレート2側から光を照射するとき、光の強度が高くない場合には、分離層3の変質が十分に行われずに、サポートプレート2から基板5を容易に分離できないことがある。その理由は、通常、光はエネルギー分布に偏りを有しているためである。
従来の分離方法においては、光拡散部材7を設けていないため、サポートプレート2側から積層体1に光を照射した場合、光が集光している部分には、分離層3を変質させるに十分なエネルギーが照射されるが、光が集光していない部分には、分離層3を変質させるに十分なエネルギーが照射されない。そのため、分離層3全体に変質させるに十分なエネルギーが照射されないため、分離層3が十分に変質せず、サポートプレート2から基板5を容易に分離することができない。
従来の分離方法においても、照射する光の強度を高めることによって、分離層3全体を変質させることが可能であるが、この場合には、分離層3において光を吸収しきれず、一部の光が基板5に到達してしまい、基板5自体又は基板5に形成されている保護されるべき微細構造がダメージを受けてしまうおそれがある。光によるダメージとしては、基板5に実装されている素子の分解、基板5の損傷等が挙げられる。そのため、サポートプレート2側から照射する光の強度を高めることなく、分離層3を十分に変質させて、サポートプレート2から基板5を分離する方法が求められている。
本発明においては、光拡散部材7は、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を、光入射面に背向する光出射面から出射する。分離層3を変質させて基板5からサポートプレート2を分離するとき、光拡散部材7を介してサポートプレート2側から分離層3に光が照射される。したがって、サポートプレート2側から分離層3に照射される光は、光拡散部材7により拡散されている。
そのため、光拡散部材7は、光のエネルギー分布の偏りを解消することができる。光拡散部材7は、その光入射面から入射した光を拡散、乱反射等することにより当該光のエネルギー分布の偏りを解消し、当該光のエネルギー分布を均等に近づける。
このように、光拡散部材7を介して光を照射することによって、光のエネルギー分布の偏りが解消されるため、分離層3全体にエネルギー分布がほぼ均等な光が照射される。その結果、分離層3全体が十分に変質し、サポートプレート2から基板5を容易に分離することができる。
さらに、分離層3に照射される光はエネルギー分布がほぼ均等であるため、分離層3において吸収されなかった光の一部が基板5に到達したとしても、高エネルギーを有する光が局所的に照射されることがない。したがって、基板5に実装された電気回路、表示素子等への悪影響を防止することができる。
光拡散部材7としては、光を拡散するように処理されたガラス、散光フィルム、オパールガラス、シェーディング補正板等を好適に使用可能であるが、入射した光を拡散することが出来る部材であれば、任意の構成を採用することができる。
光を拡散するように処理されたガラスとしては、例えば、ガラスの表面を研磨剤により研磨する処理を施したものが挙げられる。
表面が研磨剤により研磨されたガラスは、一般にすりガラスと称されることもある。その研磨面の表面粗さは、0.5Ra以上であることが好ましい。表面が研磨剤により研磨されたガラスに入射した光は、研磨面において拡散又は乱反射し、エネルギーが分散して均等化された拡散光として当該ガラスから出射される。ガラスの研磨面が粗いほど、入射した光がより拡散される。
研磨面の表面粗さは、(i)拡散した光が分離層3に到達したときに、分離層3を変質させるのに十分なエネルギーを有するように、光を拡散させることが可能であり、かつ(ii)一部の光が基板5に到達しても基板5に悪影響を及ぼさないように、入射する光のエネルギーを分散して均等化できるような粗さであればよい。研磨面の表面粗さは、使用する研磨剤の粒径により制御することができる。例えば、研磨剤の粒径を小さくすることにより、表面粗さが増し、研磨面を粗くすることができる。
表面が研磨剤により研磨されたガラスを光拡散部材7として用いる場合、光入射面のみ又は光出射面のみが研磨されていてもよく、光入射面及び光出射面の両方が研磨されていてもよい。
光拡散部材7として用いられる散光フィルムとしては、ポリエステル等の材料を縦横2方向に延伸して構成したものであってもよく、このような材料を用いることによってコストを低減することができる。
光拡散部材7として用いられるオパールガラスとは、乳白色ガラスの表面をファイアポリッシュしたものが意図され、散光フィルムと比較して高価であるが、耐熱性が優れている。
光拡散部材7として用いられるシェーディング補正板とは、円形のガラス板の中心部をミラーコートして、光量の多すぎる部分を遮光したものであり得る。
このように、本実施の形態に係る積層構造体10によれば、光拡散部材7を備えているので、基板5からサポートプレート2を分離するときに、分離層3を変質させるために照射する光が拡散され、製造プロセス後には光照射により容易に基板と支持体とに分離可能であるとともに、光による基板への悪影響を防止することができるという効果を奏する。
〔積層体の分離方法〕
本発明に係る分離方法は、光透過性の支持体と、支持体によって支持される基板と、支持体と基板との間に設けられており、支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層と、基板と分離層との間に設けられており、基板と支持体とを接着する接着層とを備えた積層体の支持体を分離する方法であって、その光入射面から入射した光を拡散し、拡散光を光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材を、光出射面と支持体とが対向するように、積層体に隣接して設置し、光拡散部材を介して積層体に光を照射する照射工程を包含していることを特徴としている。
本発明に係る分離方法は、光透過性の支持体と、支持体によって支持される基板と、支持体と基板との間に設けられており、支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層と、基板と分離層との間に設けられており、基板と支持体とを接着する接着層とを備えた積層体の支持体を分離する方法であって、その光入射面から入射した光を拡散し、拡散光を光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材を、光出射面と支持体とが対向するように、積層体に隣接して設置し、光拡散部材を介して積層体に光を照射する照射工程を包含していることを特徴としている。
本発明に係る分離方法において使用される積層体及び光拡散部材の一実施形態は、上述した積層構造体10が備える積層体1及び光拡散部材7であるため、本発明に係る分離方法において使用される積層体及び光拡散部材の説明については、上述した積層体1及び光拡散部材7の説明を援用する。
本発明に係る分離方法の一実施形態について、図2を参照して説明する。図2はサポートプレートの分離工程を示す図である。
まず、図2(1)に示すように、積層構造体10を構成する光拡散部材7の入射面側から積層体1に光を照射する(照射工程)。光拡散部材7は、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を、光入射面に背向する光出射面から出射するものであるため、照射された光は光拡散部材7にて分散されてエネルギー分布がより均等な拡散光になる。そして、当該拡散光は、光拡散部材7の光出射面から出射し、サポートプレート2を透過して、分離層3に照射される。
なお、光拡散部材7は、積層体1に一体形成されて積層構造体10として構成されていなくてもよく、積層体1において、基板5からサポートプレート2を分離するときに、サポートプレート2に対向するように設置されてもよい。つまり、図1において、光拡散部材7は、積層体1のサポートプレート2と接触しているが、光拡散部材7はサポートプレート2も必ずしも接触していなくてもよい。
光拡散部材7からの拡散光が、サポートプレート2を介して分離層3に照射されることによって、図2(2)に示すように、分離層3全体が変質する。
次に、図2(3)に示すように、基板5からサポートプレート2を分離する。変質した分離層3は、その強度が著しく低下している。したがって、例えば、わずかな外力を加えてサポートプレート2を引き上げることによって、分離層3が容易に破壊されて、サポートプレート2が積層体1から分離される。
以上のように、積層体1には、光拡散部材7において拡散した光が照射されるので、照射される光のエネルギー分布が均等化されている。よって、積層体1からサポートプレート2を適切に分離することができる。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔実施例1〕
積層体を以下のように作成した。
積層体を以下のように作成した。
(積層体の作成)
まず、接着剤組成物を膜厚50μmになるようにウエハ基板(厚さ700μm)表面にスピン塗布し、100℃、160℃及び220℃にて3分間ずつベークして接着層を形成した。次に、流量400sccm、圧力700mTorr、高周波電力2500W及び成膜温度240℃の条件下において、反応ガスとしてC4F8を使用したCVD法により、フルオロカーボン膜(1μm)をサポートプレート(ガラス、厚さ700μm)上に形成し、分離層とした。
まず、接着剤組成物を膜厚50μmになるようにウエハ基板(厚さ700μm)表面にスピン塗布し、100℃、160℃及び220℃にて3分間ずつベークして接着層を形成した。次に、流量400sccm、圧力700mTorr、高周波電力2500W及び成膜温度240℃の条件下において、反応ガスとしてC4F8を使用したCVD法により、フルオロカーボン膜(1μm)をサポートプレート(ガラス、厚さ700μm)上に形成し、分離層とした。
そして、接着層を介して、分離層が形成されたサポートプレートとウエハ基板とを貼り合わせることによって、ウエハ基板、接着層、分離層及びサポートプレートをこの順番に積層した積層体を作成した。
積層体のサポートプレート上に、光拡散部材としてすりガラス(表面粗さ1.0Ra、)を設置して、積層構造体を作成した。そして、すりガラス側から積層構造体に、532nmの波長を有するレーザーを照射し、積層体に照射される光に及ぼす、すりガラスの影響について調べた。また、すりガラスを設置していない積層体を用意し、同じ条件でレーザー光を照射した。
すりガラスを有する積層構造体及びすりガラスを有していない積層体に、レーザー出力6W、デフォーカス0mm、走査速度6000mm/秒の条件で、レーザー光を照射した。
その結果、すりガラスの有無にかかわらず、分離層はレーザー光の照射を受けて変質し、サポートプレートは積層体から容易に分離した。なお、すりガラスを設置していない場合には、0.2〜1.0kgfの力でサポートプレートを積層体から分離することができ、すりガラスを設置した場合には、2.52kgfの力でサポートプレートを積層体から分離することができた。
レーザー光照射後のガラス表面の状態については、すりガラスの有無によって、特に大きな相違点は見られなかった。一方、レーザー光照射後の接着層表面の状態については、すりガラスの有無によって、接着層の中央の状態に大きな相違が見られた。つまり、すりガラスを設置せずにレーザー光を照射した場合には、接着層にレーザー光による損傷が見られたが、すりガラスを用いた場合には、接着層にレーザー光による損傷は特に見られなかった。
〔実施例2〕
次に、銅をウエハ基板に実装される素子、電気回路等の代わりに使用し、ウエハ基板、銅、接着層、分離層及びサポートプレートをこの順番に積層してなる積層体を作成した。実施例1と同様にして積層体を形成したため、積層体の作成についての説明は省略する。なお、銅(厚さ2000Å)は、スパッタにてウエハ基板上に成膜した。
次に、銅をウエハ基板に実装される素子、電気回路等の代わりに使用し、ウエハ基板、銅、接着層、分離層及びサポートプレートをこの順番に積層してなる積層体を作成した。実施例1と同様にして積層体を形成したため、積層体の作成についての説明は省略する。なお、銅(厚さ2000Å)は、スパッタにてウエハ基板上に成膜した。
積層構造体に照射するレーザー光の出力条件を変化させて、銅及びサポートプレートに及ぼす影響を調べた。また、すりガラスを設置していない積層体を用意し、同じ条件でレーザー光を照射した。
すりガラスを有する積層構造体に照射するレーザー光の照射条件が、STD条件(レーザー出力30%)、Power(レーザー出力)100%条件、及びPower100%デフォーカス0mm条件である場合において、銅表面及びガラス表面の状態を調べた。
ここで、STD条件では、レーザー出力1.8W、デフォーカス5mm、走査速度6000mm/秒でレーザー光照射を行った。また、Power100%条件では、レーザー出力6W、デフォーカス5mm、走査速度6000mm/秒でレーザー光照射を行った。さらに、Power100%デフォーカス0mm条件では、レーザー出力6W、デフォーカス0mm、走査速度6000mm/秒でレーザー光照射を行った。
上記レーザー光照射とともに、漏れ光量の測定を、銅を有するウエハ基板の代わりにガラス基板を用いてそれぞれ行った。まず、ガラス基板(ウエハ基板の代わり)、接着層、分離層及びサポートプレートをこの順番に積層してなる積層体を作成した。次に、分離層に接するサポートプレートにおいて、分離層に接する面に背向する面上にすりガラス(表面粗さ1.0Ra)を設置し、STD条件、Power100%条件、及びPower100%デフォーカス0mm条件のそれぞれでレーザー光を照射した。同様に、すりガラスを設置せずに、上記条件のそれぞれでレーザー光を照射した。このときに、ウエハ基板の代わりに用いたガラス基板から漏れる光の光量を測定し、その値を漏れ光量として記載した。
すりガラスを設置した場合、STD条件でレーザー光を照射したときの、漏れ光量は、15.6mWであった。なお、すりガラスを設置していない場合、STD条件でレーザー光を照射したときの漏れ光量は、39.2mWであった。すりガラスを設置した場合には、照射されるレーザー光が拡散されるため、すりガラスを設置していない場合と比較して漏れ光量は小さくなった。
また、すりガラスを設置してSTD条件でレーザー光を照射した場合、漏れ光による銅への影響は特に見られなかったが、すりガラスを設置せずに同様の条件でレーザー光を照射した場合には、銅表面にレーザー光によるスポットが多く形成されていた。
次に、すりガラスを設置してPower100%条件でレーザー光を照射した場合、漏れ光量は、40.8mWであった。すりガラスを設置せずに同じ条件でレーザー光を照射した場合、漏れ光量は、85.5mWであった。
次に、すりガラスを設置してPower100%デフォーカス0mm条件でレーザー光を照射した場合、漏れ光量は、39.9mWであった。すりガラスを設置せずに同じ条件でレーザー光を照射した場合、漏れ光量は、90.8mWであった。
すりガラスを設置してPower100%条件及びPower100%デフォーカス0mm条件でレーザー光を照射したときの漏れ光量は、すりガラスを設置せずにSTD条件でレーザー光を照射したときの漏れ光量とほぼ同じであったが、すりガラスを設置してPower100%条件及びPower100%デフォーカス0mm条件でレーザー光を照射した場合、漏れ光による銅への影響は特に見られなかった。
この違いは、積層体にすりガラスを設置したことによって、レーザー光のエネルギー分布の偏りが解消されたためであると言える。つまり、すりガラスが設置されていない場合には、照射されたレーザー光は拡散されず、エネルギー分布に偏りがあるレーザー光が銅に到達するため、エネルギーが高いレーザー光が照射された箇所にスポットが生じた。一方、すりガラスを設置した場合には、すりガラスにより照射されたレーザー光は拡散され、エネルギー分布の偏りが解消された漏れ光が銅に到達するため、漏れ光量の多少に関わらず、銅の損傷が低減されたと言える。
〔比較例1〕
次に、銅(厚さ2000Å)に直接レーザー光を照射して、レーザー光が銅表面に及ぼす影響を調べた。具体的には、STD(Power30%/Defocus5mm)条件、Power100%条件及びPower100%デフォーカス0mm条件のそれぞれにおいて、銅にレーザー光を照射した。なお、レーザー光の照射条件については、実施例2と同様であるため、その説明を省略する。
次に、銅(厚さ2000Å)に直接レーザー光を照射して、レーザー光が銅表面に及ぼす影響を調べた。具体的には、STD(Power30%/Defocus5mm)条件、Power100%条件及びPower100%デフォーカス0mm条件のそれぞれにおいて、銅にレーザー光を照射した。なお、レーザー光の照射条件については、実施例2と同様であるため、その説明を省略する。
STD条件でレーザー光を照射した場合、銅の表面にレーザー光により生じた薄いスポットが確認できた。
Power100%及びPower100%デフォーカス0mm条件でレーザー光を照射した場合には、銅の表面にレーザー光により生じた多くのスポットが見られた。
本発明は、様々な製品の製造時に使用される仮止めした積層体を分離することが可能である。
1 積層体
2 サポートプレート(支持体)
3 分離層
4 接着層
5 基板
7 光拡散部材
10 積層構造体
2 サポートプレート(支持体)
3 分離層
4 接着層
5 基板
7 光拡散部材
10 積層構造体
Claims (4)
- 光透過性の支持体と、
前記支持体によって支持される基板と、
前記支持体と前記基板との間に設けられており、前記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層と、
前記基板と前記分離層との間に設けられており、前記基板と前記支持体とを接着する接着層とを備えた積層体の上記支持体を分離する方法であって、
その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を前記光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材を、前記光出射面と前記支持体とが対向するように、積層体に隣接して設置し、前記光拡散部材を介して前記積層体に光を照射する照射工程
を包含していることを特徴とする分離方法。 - 前記光拡散部材は、拡散処理されたガラス、散光フィルム、オパールガラス、シェーディング補正板であることを特徴とする請求項1に記載の分離方法。
- 前記光拡散部材の前記光出射面は、前記支持体に接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載の分離方法。
- 光透過性の支持体、
前記支持体によって支持される基板、
前記支持体と前記基板との間に設けられており、前記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層、及び
前記基板と前記分離層との間に設けられており、前記基板と前記支持体とを接着する接着層を有する積層体と、
前記支持体における前記分離層に接する面に背向する面上に、その光入射面から入射した光を拡散し、当該拡散光を前記光入射面に背向する光出射面から出射する光拡散部材とを備えていることを特徴とする積層構造体。
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