JP2013170858A - マイクロ流路チップの製造方法およびマイクロ流路チップ - Google Patents

マイクロ流路チップの製造方法およびマイクロ流路チップ Download PDF

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Abstract

【課題】貫通孔の開口近傍において基板同士を十分に接着することができ、基板間に間隙が生じず、試料が漏れるといったことが効果的に防止できるマイクロ流路チップの製造方法およびその方法で作製したマイクロ流路チップを提供する。
【解決手段】本発明のマイクロ流路チップの製造方法は、流路溝が形成された第1接合面を有する第1基板と、厚さ方向に貫通孔を有し、貫通孔の一端の開口が形成された第2接合面を有する第2基板とを用意する第1の工程と、第1接合面と第2接合面を、流路溝と貫通孔とが連通するように接合し圧着する第2の工程とを含む。貫通孔は内部に係合部を有し、第2の工程において貫通孔の他端の開口から押圧冶具を挿入し、押圧冶具を係合部に係合させ押圧することにより圧着する。
【選択図】図7

Description

本発明は、マイクロ流路チップの製造方法およびマイクロ流路チップに関する。
近年、マイクロリアクターやマイクロアナリシスシステムと呼ばれる化学反応システムや分析システムの微小化の研究が盛んになっている。システムの微小化の利点として、微量の検体量で試験が可能となること、廃液の排出量が軽減されることなどが挙げられる。また、省スペースで持ち運び可能であり、かつ、安価なシステムを構築することができる。このようなシステムは、核酸、タンパク質、糖鎖などの分析や合成、微量化学物質の迅速分析、医薬品・薬物のハイスループットスクリーニングへの応用が期待されている。また、体積に対する表面積の比率が向上することにより、熱移動・物質移動の高速化が実現でき、その結果、反応や分離の精密な制御、高速・高効率化、副反応の抑制が期待される。
このようなシステムをとして、マイクロ流路を持つマイクロ流路チップを用いる検討がなされている。一般的にマイクロ流路チップは2枚の基板部材を貼り合わせることにより製造されている。この基板部材の少なくとも一方には微細加工が施され、マイクロ流路を形成している。これまではマイクロ流路チップの基板材料として、主にガラスが用いられてきた。ガラス基板でマイクロ流路を作るためには、例えば、基板に金属、フォトレジスト樹脂をコーティングし、マイクロ流路のパターンを露光、現像した後にエッチング処理を行う方法がある(例えば非特許文献1)。しかし、ガラスのエッチング処理にはフッ酸などの非常に危険な薬品を用いることや、1枚ごとに露光、現像、そしてエッチング処理を行うため非常に効率が悪く、高コストであることが問題である。
一方、これらのマイクロ流路チップは、種々の樹脂材料を使用することもでき、射出成形により製造することが可能である。射出成形では、型キャビティ内へ溶融させた熱硬化性樹脂材料を導入し、型キャビティを冷却させて樹脂を硬化させることで、効率良く経済的にマイクロ流路チップを製造することが可能であり、大量生産に適している。この場合、2枚の樹脂材料の基板の接合には、主に熱プレス機を用いて貼り合わせる熱圧着が行なわれている(例えば特許文献1)。
特開2006−349509号公報
本田宣昭、化学工学、第66巻、第2号、P71−74(2002)
しかしながら、特許文献1の方法では開口部近傍において流路が形成された基板との接着が不十分である場合がある。すなわち、特許文献1の図3に示されるように、開口部が流路に向かって縮径していると、開口部の流路側の縁部には圧力が十分に加わらない。このため、開口部近傍において基板間に間隙が生じ、試料が漏れるといった不具合が生じることがあった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、貫通孔の開口近傍の接合を確実にし、この部分で基板間に間隙を生じさせず接着することができるマイクロ流路チップの製造方法およびこの方法により製造されたマイクロ流路チップを提供するものである。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1)流路溝が形成された第1接合面を有する第1基板と、厚さ方向に貫通孔を有し、前記貫通孔の一端の開口が形成された第2接合面を有する第2基板とを用意する第1の工程と、前記第1接合面と前記第2接合面を、前記流路溝と前記貫通孔とが連通するように接合し圧着する第2の工程とを含むマイクロ流路チップの製造方法であって、前記貫通孔は内部に係合部を有し、前記第2の工程において前記貫通孔の他端の開口から押圧冶具を挿入し、前記押圧冶具を前記係合部に係合させ押圧することにより圧着することを特徴とするマイクロ流路チップの製造方法。
(2)前記押圧冶具の先端部分は、弾性体により構成されている(1)に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(3)前記貫通孔の前記第2接合面側の部分は、横断面の面積が前記第2接合面に向かって漸減する形状をなしており、前記漸減する形状をなす部分が前記係合部である(1)または(2)に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(4)前記押圧冶具の先端部分は、前記漸減する形状をなす部分と面接触するように形成されている(3)に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(5)前記第2の工程において、前記第2基板の前記係合部以外の部分を押圧する圧着冶具により前記第1基板と前記第2基板を圧着する(1)ないし(4)のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(6)前記第2の工程は、加熱および加圧により前記第1基板と前記第2基板を圧着する(1)ないし(5)のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(7)前記第1基板および前記第2基板は、軟化点またはガラス転移温度が70℃〜200℃の熱可塑性樹脂で構成される(1)ないし(6)のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(8)前記第2基板は、前記第2接合面と反対の面に突設部を有し、前記圧着冶具は、前記突設部に対応する位置に前記突設部を収納可能な凹部または孔部を有している(5)ないし(7)のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
(9)(1)ないし(8)のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法により製造されるマイクロ流路チップ。
本発明によれば、押圧冶具により貫通孔内の係合部を直接押圧することから、貫通孔の流路溝側の縁部にも十分な圧力を加えることができる。このため、貫通孔の開口近傍において基板同士を十分に接着することができ、基板間に間隙が生じず、試料が漏れるといったことが効果的に防止できる。
本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップにおいて一部切り欠いた状態を示した図である。 図1のII−II断面図である。ただし、図1において切り欠いて図示を省略した部分についても表している。 本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップの係合部の他の変形例を示した図であり、第2基板の注入ポート近傍を表した図である。 本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップの製造工程で用いる圧着冶具の(a)斜視図、および、(b)A−A断面図である。 本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップの製造工程で用いる押圧冶具の(a)斜視図、および、(b)B−B断面図である。 本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップの製造工程の説明図である。 本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップの製造工程の説明図である。
以下、本発明のマイクロ流路チップおよびその製造方法の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップにおいて一部切り欠いた状態を示した図である。また、図2は、図1のII−II断面図である。ただし、図2では、図1において切り欠いて図示を省略した部分についても表している。
本実施形態のマイクロ流路チップ1は、供給された試料を内部のマイクロ流路内で反応させ、または分析するための器具である。
図1、図2に示すように、本実施形態のマイクロ流路チップ1は、第1基板2と第2基板3とを備え、これらが第1接合面21、第2接合面31で接合されている。
第1基板2は、板状の部材であり、その一方の面である第1接合面21に流路溝23が形成されている。また、流路溝23の一方の端部には第1接合面と反対の面22に向かって第1基板2を貫通する排出ポート24が形成されている。
流路溝23は、供給した試料を反応させ、または分析する部分である。本実施形態では、流路溝23は、第1基板2の長手方向に沿って1本形成されている。また、流路溝23の横断面形状は、矩形をなしている。
なお、流路溝の横断面形状は矩形に限られず、マイクロ流路チップの使用目的に応じて三角形や五角形などの多角形、半円や長円などに形成することができる。また、流路溝の本数も1本に限られず複数本形成してもよい。
流路溝23の表面は、親水化処理や表面処置官能基の形成処理等の表面処理を施してもよい。このような表面処理として、含酸素官能基を導入する処理が行われる。含酸素官能基を導入することにより、樹脂表面の親水性が向上し、スムーズな試料の送液が可能になる。導入される含酸素官能基としては例えば、アルデヒド基やケトン基などのカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、エーテル基、パーオキサイト基、エポキシ基などの極性を有した官能基群が挙げられる。また、その導入処理としては例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、エキシマレーザー処理、フレーム処理などを用いることができる。
排出ポート24は、流路溝23の下流側の端部に設けられている。排出ポート24は、第1基板2を貫通して形成されており、流路溝23が設けられた第1接合面21側から反対の面22側に廃液を排出する。排出ポート24の形状は特に限定されず角柱状や円柱状であってもよく、角錐台形状や円錐台形状であってもよい。
第1基板2としては、マイクロ流路チップ1の使用目的に適合する限りいかなる材料を用いることもできる。このような材料として例えば、樹脂材料やSUS等の金属材料が挙げられる。特に、流路溝23の加工のしやすさの面からは樹脂材料を使用することが好ましい。
第1基板2の樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)などのポリオレフィン、ポリスチレンなどのポリビニル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリル、シクロオレフィンポリマー(COP)やシクロオレフィンコポリマー(COC)などを用いることができる。特に、成形性や成形した基板の硬度、耐薬液性の点からCOPや、COCを用いることが好ましい。
第2基板3は、板状の部材であり、第1基板2の第1接合面21と接合する第2接合面31を有する。また、第2接合面と反対の面32には、円筒状の突設部34が設けられている。そして、第2基板3から突設部34まで貫通する注入ポート33が設けられている。つまり、注入ポート33は第2接合面31に開口331、突設部34の端面に開口332を有する貫通孔である。
注入ポート33は、マイクロ流路チップ1に試料を供給する部分である。注入ポート33は、第2基板3を貫通し、第1基板2と第2基板3を接合したときに流路溝23と連通する位置に形成されている。特に流路溝23の上流側の端部と連通する位置に形成すると、流路溝23を最大限に利用できるため好ましい。注入ポート33の形状は特に限定されず角柱状や円柱状、角錐台形状や円錐台形状、またはこれらの結合であってもよい。
注入ポート33は、内部に係合部333を有している。本実施形態では、図2に示すように、注入ポート33は、第2接合面31に向かって内径が縮径した部分を有している。すなわち注入ポート33は円錐台と円柱を組み合わせた形状をなしている。そして、円錐台の側面に当たるテーパー面が係合部333である。このような構成とすることで、供給する試料を一度に溜めおくことができるとともに、注入ポート33から流路溝23に過度に試料が供給されることを防止することができる。
なお、係合部333の形状はこれに限られず、図3に示すような種々の変形例としてもよい。図3(a)は、注入ポート33が大径の円柱と小径の円柱を組み合わせた形状をなしており、係合部333は2つの円柱の直径差に相当する段差部分である。また、図3(b)は、円柱状の貫通孔内に板片が突設されており、この板片が係合部333となっている。
突設部34は、第2基板3の面32から外方に向かって形成された円筒状の部材である。突設部34は、機器やチューブといった外部装置との接続口や、あるいは単に外部装置などに装着する際の係止部として用いられる。なお、突設部34は円筒状に限られず内腔を有する円錐や円錐台、多角柱や多角錐・多角錐台、半球状などとしてもよい。また、本実施形態では突設部34を第2基板3にのみ形成したが、第1基板2の排出ポート23についても同様の突設部を設けてもよい。また、特に必要がなければ突設部は設けなくてもよい。
第2基板3としては、マイクロ流路チップ1の使用目的に適合する限りいかなる材料を用いることもでき、例えば前述した第1基板2と同様の材料が挙げられる。後に説明するように第1基板2と第2基板3を熱圧着により一体化する場合にはこれらには同じ材料を用いることが好ましい。
ここで本実施形態のマイクロ流路チップ1の代表的な寸法例について説明する。第1基板2および第2基板3はそれぞれ縦10mm以上30mm以下程度、横10mm以上100mm以下程度であり、厚さは0.5mm以上3.0mm以下程度である。排出ポート24の径は0.5mm以上10mm以下程度である。注入ポート33は、第2接合面側の開口331の径が0.5mm以上10mm以下程度、これと反対側の面の開口332の径が0.5mm以上10mm以下程度である。また、円錐台の高さに相当する部分の長さは1mm以上10mm以下程度である。突設部34は内径0.5mm以上10mm以下程度、外径1mm以上10mm以下程度であり、高さは5mm以上100mm以下程度である。
流路溝23の大きさは、用途によって適宜設計することができる。流路溝23の幅はマイクロメートル単位でもミリメートル単位でもよく、サンプルや試薬の使用量または廃液の排出量の低減、熱移動・物質移動の高速化の観点からは、1μm以上1000μm以下が好ましく、100μmから300μmがさらに好ましい。また、流路溝23の深さは、10μm以上100μm以下が好ましい。
なお、本実施形態のマイクロ流路チップには、膜体、ポンプ、バルブ、センサー、モーター、ミキサー、ギア、クラッチ、マイクロレンズ、電気回路等を組み合わせて複合化させることも可能であり、種々の用途に用いることができる。
次に、図4ないし図7に基づいて本実施形態のマイクロ流路チップ1の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、第1基板2と第2基板3を用意する工程(第1の工程)と、第1基板2と第2基板3を圧着する工程(第2の工程)とを含む。以下では各工程について詳細に説明する。
(第1の工程)
まず、第1基板2および第2基板3を用意する。それぞれの基板は例えば射出成型により作製すればよい。このときあらかじめ流路溝23や排出ポート24、注入ポート33や突設部34に対応する部分を成形型に形成しておくことにより、これらを同時に一体成型することができるので、大量生産に適しする。なお、流路溝23を後加工する場合は、ドリル等の機械加工、ホットエンボスによる加工、レーザーによる加工、ドライエッチングパターン加工、ウェットエッチングパターン加工等の加工方法を選択すればよい。
(第2の工程)
次いで、第1基板2と第2基板3とを圧着する。まず、第1基板2の第1接合面21と第2基板3の第2接合面31を向かい合わせて接合する。このとき、流路溝23が注入ポート33の第2接合面31側の開口331と連通するように位置合わせをする。特に流路溝23の上流側の端部が開口331と連通するように位置合わせをすると流路溝23を最大限に利用でき好ましい。さらに注入ポート33の開口331が流路溝23に包含されていると試料の導入が円滑となり好ましい。この状態で圧着を行い、第1基板2と第2基板3を一体化してマイクロ流路チップ1を作製する。
ここで圧着には、例えば熱プレス機(図示せず)による熱圧着を用いることができる。また、第1基板2と第2基板3の間に接着剤を塗布し圧着してもよい。特に流路溝23が微小である場合は流路溝23に影響を与えないよう製造条件のコントロールが容易な熱圧着を用いることが好ましい。以下では熱圧着を例として説明を進める。
熱圧着では、熱プレス機を用いて一定時間、基板に用いられる樹脂の軟化点またはガラス転移温度付近の温度をかけることで接合を行う。このときの温度条件としては、用いる樹脂材料によって異なるが70℃以上200℃以下の温度で接合を行うことが好ましい。例えば、第1基板2および第2基板3の材料としてシクロオレフィンポリマーを用いた場合、温度80℃以上100℃以下程度、圧力1MPa以上10MPa以下程度、時間5分以上20分以下程度が好ましい。温度、圧力および時間のいずれかが上記下限を下回ると基板同士が十分に圧着されないことがあり、基板間に隙間が残る場合がある。また、温度、圧力および時間のいずれかが上記上限を上回ると、基板が過度に溶融し流路溝23や開口331の端部で精密な接合が行われず、寸法誤差が生じることがある。
本実施形態では、第1基板2と第2基板3の圧着を補助するため、圧着冶具4および押圧冶具5を用いる。
圧着冶具4は、第2基板3の第2接合面と反対の面32を押圧する冶具である。図4に示すように、本実施形態では、圧着冶具4は平板状をなしている。そして、厚さ方向に貫通した孔部41が設けられている。孔部41は、本実施形態では円形をなしており、第2基板3に圧着冶具4を積層したときに、突設部34に対応する位置に、突設部34の外径より大きい径で形成されている。したがって、積層時に突設部34は孔部41に挿入されることとなり、押圧を妨げることはない。このような圧着冶具4を用いることで第1基板2と第2基板3の接合に際し、第2接合面と反対の面32全面を均一に加圧することができる。なお、孔部41は突設部34が挿入可能な大きさであれば円形に限らず多角形等任意の形状としてもよい。
圧着冶具4としては、加圧に耐えうるものであればいかなる材料を用いてもよい。さらに、熱圧着を行う場合には耐熱性や熱伝導性を加味して材料を選択する。このような点から圧着冶具4には金属を用いることが好ましく、特にステンレスが好ましい。
圧着冶具4は、第1基板2および第2基板3よりも大きいことが好ましい。特に縦横の寸法はそれぞれ第1基板2、第2基板3よりも10mm以上程度大きく形成すると均一な加圧ができ、かつ、作業の邪魔にもならないため好ましい。また、圧着冶具4の厚さは突設部34の高さよりも大きければよく、2mm以上大きければ加圧によって突設部34を破損することがないため好ましい。
圧着冶具4の孔部41の径は上述のように突設部34の外径より大きければよい。特に突設部34の外径より1mm以上2mm以下大きくすれば、突設部34の近傍部でも十分な加圧を行うことができるため好ましい。
また、圧着冶具4の表面は平滑処理がなされていてもよい。特に第2基板3と接する面(当接面42)は鏡面加工されていることが好ましい。これにより圧着冶具4の表面の凹凸の第2基板3への転写が抑えられるため、例えば光を用いた分析をする場合に基板表面で光が散乱することを防止することができる。
なお、本実施形態では圧着冶具4に貫通した孔部41を形成したが、貫通しない有底の凹部としてもよい。このとき凹部の深さは突設部34の高さよりも大きければよく、特に1mm以上2mm以下程度大きいことが好ましい。また、孔部41は圧着冶具4の側面に連通していてもよい。すなわち、孔部41は圧着冶具4の側壁から設けられた切り欠きであってもよい。
また、プレス機や手作業のみで均一な加圧が可能であれば圧着冶具4を使用しなくてもよい。
押圧冶具5は、注入ポート33の内部の係合部333と係合して、これを押圧する冶具である。図5に示すように、押圧冶具5は、先端側の当接部51と基端側の本体部52とを有している。係合部333の周辺は流路の連通部であり、注入ポート33と流路溝23が連通する部分である。したがって、液漏れなどが生じないように確実に接合されていることが要求される。本実施形態では、前述のように突設部34があるため開口331の周囲は圧着冶具4で押圧することができない。そこで、本実施形態では押圧冶具5を注入ポート33に挿入することで、開口331の周囲である係合部333を直接押圧することができ、第2基板3の注入ポート33の近傍部を第1基板2と十分に圧着することができる。
当接部51は、押圧冶具5の先端側にあって、係合部333と当接する部分である。当接部51は係合部333と適合する形状であればよく、本実施形態では外径が先端に向かって漸減する円錐台形状をなしている。なお、本実施形態では当接部51のテーパー角度を一定としているが、本発明はこれに限られず、当接部51は例えば球面形状などにしてもよい。
当接部51としては、押圧時に変形することで係合部333と面接触可能な程度の弾性を有する材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えばシリコーンゴムやウレタンゴムなどのゴムや熱可塑性エラストマーなどの軟質樹脂が挙げられる。これらは適度な弾性を有することで押圧時に圧力が分散し、係合部333を破壊することなく押圧することができる。
当接部51の外径のテーパー角度は係合部333の内径のテーパー角度の−10%〜+10%程度の範囲内にあることが好ましい。テーパー角度の大小関係が上記の範囲内であれば前述のように当接部51が変形することにより係合部333と確実に面接触することができる。
本体部52は押圧冶具5の基端側にあって、押圧時の圧力が作用する部分である。本体部52はいかなる形状をとることもできるが、本実施形態では注入ポート34に挿通可能な円筒状をなしている。
本体部52としてはいかなる材料を用いることもでき、例えば樹脂や金属などが挙げられる。特に加工のしやすさからは当接部51と同じ材料で一体として成型することが好ましい。
押圧冶具5の寸法は注入ポート33および係合部333に併せて適宜設計される。本実施形態のように圧着冶具4を用いる場合であって、孔部41が形成されているときは、さらにこれらの寸法も考慮する。具体的には押圧冶具5はこれらに挿入可能な大きさであればよい。また、押圧冶具5を注入ポート33に挿入したときに、押圧冶具5の基端が圧着冶具4の孔部41の開口とほぼ水平か1mm以上2mm以下程度外部に突出する長さであることが好ましい。このような寸法とすることで圧着冶具4と押圧冶具5を同時に押圧したときに全体を均一に押圧することができる。
上述の圧着冶具4および押圧冶具5を用いた第1基板2と第2基板3の接合について説明する。
図6に示すように、第1基板2の第1接合面21と第2基板3の第2接合面31を向かい合わせて積層する。そして、第2基板3の第2接合面と反対の面32に、圧着冶具4を当接面42を第2基板側に向けて配置する。
次いで、図7に示すように、圧着冶具4の孔部41を通して押圧冶具5を挿入し、係合部333に当接部51を当接させる。このとき押圧冶具5の基端面は、圧着冶具4の当接面と反対の面43とほぼ水平の位置にあるか、押圧冶具5の基端面がやや突出した状態にある。これにより圧着冶具4と押圧冶具5を同時に押圧することができる。このように配置した状態で例えば前述の条件下で熱プレス機によって加圧して第1基板2と第2基板3を接合する。
以上により、本実施形態のマイクロ流路チップ1を製造することができる。
本実施形態の方法で製造したマイクロ流路チップ1は、第2基板3のほぼ全体を圧着冶具4で加圧していることから第1基板2と第2基板3はほぼ全面にわたって良好に接合される。さらに、圧着冶具4によって直接押圧されない係合部333も押圧冶具5により直接押圧されるため、注入ポート33の第2接合面31側の開口331近傍でも第1基板2と第2基板3の接合は良好になされる。結果、第1基板2と第2基板3は隙間なく接合され注入ポート33から注入した試料の漏れが効果的に防止できる。
1 マイクロ流路チップ
2 第1基板
21 第1接合面
22 第1接合面と反対の面
23 流路溝
24 排出ポート
3 第2基板
31 第2接合面
32 第2接合面と反対の面
33 注入ポート
331 開口
332 開口
333 係合部
34 突設部
4 圧着冶具
41 孔部
42 当接面
43 当接面と反対の面
5 押圧冶具
51 当接部
52 本体部

Claims (9)

  1. 流路溝が形成された第1接合面を有する第1基板と、厚さ方向に貫通孔を有し、前記貫通孔の一端の開口が形成された第2接合面を有する第2基板とを用意する第1の工程と、
    前記第1接合面と前記第2接合面を、前記流路溝と前記貫通孔とが連通するように接合し圧着する第2の工程とを含むマイクロ流路チップの製造方法であって、
    前記貫通孔は内部に係合部を有し、前記第2の工程において前記貫通孔の他端の開口から押圧冶具を挿入し、前記押圧冶具を前記係合部に係合させ押圧することにより圧着することを特徴とするマイクロ流路チップの製造方法。
  2. 前記押圧冶具の先端部分は、弾性体により構成されている請求項1に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  3. 前記貫通孔の前記第2接合面側の部分は、横断面の面積が前記第2接合面に向かって漸減する形状をなしており、前記漸減する形状をなす部分が前記係合部である請求項1または2に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  4. 前記押圧冶具の先端部分は、前記漸減する形状をなす部分と面接触するように形成されている請求項3に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  5. 前記第2の工程において、前記第2基板の前記係合部以外の部分を押圧する圧着冶具により前記第1基板と前記第2基板を圧着する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  6. 前記第2の工程は、加熱および加圧により前記第1基板と前記第2基板を圧着する請求項1ないし5のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  7. 前記第1基板および前記第2基板は、軟化点またはガラス転移温度が70℃〜200℃の熱可塑性樹脂で構成される請求項1ないし6のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  8. 前記第2基板は、前記第2接合面と反対の面に突設部を有し、
    前記圧着冶具は、前記突設部に対応する位置に前記突設部を収納可能な凹部または孔部を有している請求項5ないし7のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法により製造されるマイクロ流路チップ。
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