JP2013170786A - パイプスリーブ及びその取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外壁の貫通孔内に、屋外側からの作業だけで簡単確実に固定することができ、部品構成も簡素化し得るパイプスリーブと、その取付構造を提供する。
【解決手段】 本発明のパイプスリーブ1は、パイプ部11の一端にフランジ12が設けられてなるスリーブ本体10と、スリーブ本体10の外側に設けられたスリーブ固定手段とを具備する。スリーブ固定手段は、フランジ12に形成された固定ネジ挿通孔に挿入されてパイプ部11の外側に保持される複数本の固定ネジ20と、各固定ネジ20に螺合される固定スライダ30とを含む。固定スライダ30は、パイプ部11の径方向外側に弾性的に張り出す固定フック33を備え、固定ネジ20の回動操作に連動して平行移動する。この固定フック33とフランジ12との間に外壁材90をはさむようにしてスリーブ本体10を貫通孔91内に固定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、建物の外壁に形成した貫通孔内に挿入されて固定されるパイプスリーブと、その取付構造に関する。
建物の屋内外方向に連通する換気経路や各種配管・配線用経路を設ける場合、建物の外壁に形成した貫通孔内に筒状のパイプスリーブを挿入する構造がよく用いられる。かかるパイプスリーブ、あるいはその取付構造としては、例えば特許文献1、2等に開示されたものが公知である。
実用新案登録第3157093号公報 実用新案登録第2599184号公報
前記従来のようなパイプスリーブを外壁の貫通孔に取り付けるに際しては、外壁の屋内側と屋外側の両方からパイプスリーブを貫通孔内に位置決めして固定している。そのため2人の作業者が必要になったり、あるいは1人の作業者が屋外側と屋内側とを行き来しながら作業したりする手間がかかっている。
また、前記従来のパイプスリーブの取付構造では、部品点数が多く、製品コストが嵩むという問題もあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、屋外側からの作業だけで簡単かつ確実に貫通孔内に位置決めして固定することができるとともに、取り付けのための部品点数も極力、少なくして製品コストを削減することができるパイプスリーブと、その取付構造を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するため、本発明のパイプスリーブは、パイプ部の一端にフランジが設けられてなるスリーブ本体と、前記スリーブ本体の外側に設けられたスリーブ固定手段と、を具備するパイプスリーブであって、前記スリーブ固定手段は、複数本の固定ネジと、各固定ネジに螺合された固定スライダとを含み、前記固定ネジの軸部は、前記フランジに形成された固定ネジ挿通孔に前記パイプ部の一端側から他端側に向けて挿通されて、前記パイプ部の軸と平行にパイプ部の外側に保持され、前記固定スライダは、前記パイプ部の径方向外側に弾性的に張り出す固定フックを備え、前記固定ネジを回動させる操作に連動して、前記固定スライダが前記固定ネジに沿って前記パイプ部の軸と平行に移動し得るように構成される。
このように構成されたパイプスリーブは、固定フックをパイプ部側に向けて弾性的に変形させながら、建物の外壁に形成された貫通孔に挿入して、固定ネジを回動させて固定スライダを引き寄せることにより、フランジと固定フックとの間に外壁を挟み込んで固定することができる。つまり、外壁の片側からの操作だけでパイプスリーブを外壁の貫通孔内に取り付けることができるので、作業員は一人で足り、従来に比して格段に施工性が改善される。
さらに、本発明のパイプスリーブは、前記固定スライダが、雌ネジ孔が形成されて前記固定ネジに螺合されるスライドナットと、前記スライドナットのパイプ部側の縁部から前記パイプ部の外周面に沿うように前記パイプ部の軸と平行に延設されたスライドガイドとを備え、前記スライドガイドの延設端は、前記パイプ部の径方向外側に湾曲して前記固定フックに連続するとともに、該湾曲部分に形成された遊孔を前記固定ネジに挿装させた状態で前記固定ネジに取り付けられていることを特徴とする。
固定スライダにかかる構成を採用することにより、固定スライダの構造を簡素化することができるとともに、固定スライダを固定ネジに沿って円滑に移動させることができる。
さらに、本発明のパイプスリーブは、前記パイプ部の外周面上に固定ネジ保持部が設けられ、前記固定ネジの軸部が前記固定ネジ保持部に形成された軸受孔に挿通されて回動自在に、かつ抜け出し不能に保持されるとともに、前記固定スライダが前記フランジと前記固定ネジ保持部との間に保持されていることを特徴とする。
固定ネジをこのように保持することにより、保持状態が安定し、固定スライダの移動も一層、円滑になる。
さらに、本発明のパイプスリーブは、前記固定ネジ保持部またはその近傍箇所に庇状部が設けられ、前記固定スライダが前記固定ネジ保持部に近接したときに前記庇状部が前記固定フックに干渉して該固定フックを前記パイプ部側に折り込むように構成されている、との構成を採用することができる。
この構成によれば、固定スライダを固定ネジ保持部側に戻すことによって、パイプ部の外側に張り出している固定フックをパイプ部側に折り込んで、全体の外寸を小さくすることができるので、メンテナンスや設備更新等に際して貫通孔に固定されたパイプスリーブを容易に抜き出すことができる。
さらに、本発明のパイプスリーブは、前記フランジにおける前記パイプ部の他端側に向いた側面に、前記フランジの全周にわたって防水シール材が貼着されるとともに、前記フランジの周縁部の少なくとも一部には、シール押えリブが、前記パイプ部の他端側に向けて延設されていることを特徴とする。
この構成によれば、固定ネジを締めてフランジと固定フックとの間に外壁を挟み込む際に、防水シール材の過剰な圧潰が規制されて、その圧縮厚さが適正に保持されるとともに、圧縮された防水シール材がフランジの外側にはみ出すことも抑えられるので、フランジと外壁との隙間が精度よく止水される。
また、同様に、前記フランジにおける前記パイプ部の他端側に背向した側面と、前記固定ネジの頭部との間にOリングが介装されるとともに、前記フランジまたは前記固定ネジの頭部の少なくともいずれか一方には、前記Oリングの外周を囲むようにして、Oリング押えリブが形成されている、との構成を採用することもできる。
この構成によっても、固定ネジを締め込む際に、Oリングの過剰な圧潰が規制されて、その圧縮厚さが適正に保持されるとともに、圧縮されたOリングが固定ネジの頭部の外側にはみ出すことも抑えられるので、フランジに形成された固定ネジ挿通孔の周囲が精度よく止水される。
さらに、本発明のパイプスリーブは、前記フランジにおける前記パイプ部の他端側に向いた側面に、前記パイプ部よりも大径の同心面に沿ってセンタリングガイドが突設されていることを特徴とする。
この構成は、パイプ部の軸を貫通孔の中心に合致させやすくするためのものである。パイプ部の外側にパイプ部と同心状に突設されたセンタリングガイドを貫通孔に挿入することによって、パイプ部が貫通孔の中心近傍に位置決めされる。
また、本発明のパイプスリーブの取付構造は、前記各構成にかかるパイプスリーブが建物の外壁に形成された貫通孔内に屋外側から挿入され、前記固定ネジの回動操作によって前記固定スライダが屋外側に引き寄せられ、前記固定フックの先端が、外壁を構成する壁材の屋内側の表面または前記貫通孔の内周面に食い込むことにより、前記パイプスリーブが貫通孔内に固定されたことを特徴とする。
この取付構造によれば、簡単な取り付け作業で、パイプスリーブが、その軸心を貫通孔の軸心に概ね合致させた状態で、軸方向(屋内外方向)に移動不能に固定される。
なお、本発明における「外壁」とは、建物の屋内外方向に連通する換気経路や各種配管・配線用経路等が設けられる壁体を包括的に呼ぶものであって、必ずしも屋内外を明確に区画する壁体(屋外側が風雨にさらされる壁体)に限定されるわけではない。一定形状の貫通孔を形成することが可能でありさえすれば、壁体の構造や材質も任意である。
上述のように構成される本発明のパイプスリーブは、外壁に形成した貫通孔内に、屋外側からの作業のみで、簡単迅速に、かつ確実に固定することができる。
さらに、本発明のパイプスリーブは、簡素な部品で構成されており、外壁材の厚み(貫通孔の長さ)が変わっても、それぞれの長さに応じたスリーブ本体と固定ネジさえ用意すれば、固定スライダは共用することができる。これにより、部品の製造や管理にかかるコストを大幅に下げることができる。
また、本発明のパイプスリーブの取付構造は、簡単な取り付け作業でパイプスリーブを精度よく貫通孔に固定することができるとともに、止水性を確保するのも容易である。
本発明の第1実施形態に係るパイプスリーブの屋外側斜視図である。 前記第1実施形態に係るパイプスリーブの屋内側斜視図である。 前記第1実施形態に係るパイプスリーブに備えられる固定スライダの拡大斜視図であって(a)は固定フックを拡げた状態、(b)は固定フックを折り曲げた状態を示す。 前記第1実施形態に係るパイプスリーブを外壁の貫通孔に固定する手順(1)〜(4)を示す斜視図である。 前記第1実施形態に係るパイプスリーブを外壁の貫通孔に固定する手順(1)〜(4)を示す、パイプスリーブ及び貫通孔の軸方向部分縦断面図である。 図5(4)中に示したフランジ周辺の止水構造の変形例を示す軸方向部分縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るパイプスリーブの要部を構成する固定ネジ保持部の拡大斜視図であって(a)は固定フックを拡げた状態、(b)は固定フックが庇状部に押し当てられて折り畳まれた状態を示す。 前記第2実施形態に係るパイプスリーブを外壁の貫通孔から抜き取る手順(1)〜(3)を示す、パイプスリーブ及び貫通孔の軸方向部分縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るパイプスリーブに備えられる固定スライダの拡大斜視図である。 前記第3実施形態に係るパイプスリーブを外壁の貫通孔に固定する手順(1)〜(2)を示す、パイプスリーブ及び貫通孔の軸方向部分縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係るパイプスリーブの構成を示す。本発明のパイプスリーブ1は、スリーブ本体10と、その外側に設けられたスリーブ固定手段と、によって構成される。
(スリーブ本体)
例示形態に係るスリーブ本体10は、両端が開口した略円筒状のパイプ部11と、該パイプ部11の一端からパイプ部11の全周にわたって径方向外側に張り出す円環状のフランジ12とを有している。スリーブ本体10は、例えばABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂その他の合成樹脂材料、あるいはステンレス合金、アルミ合金その他の金属材料からなり、パイプ部11とフランジ12とが一体的に形成されている。
フランジ12における、パイプ部11の他端側(フランジ12のない側、以下同じ。)に向いた側面には、パイプ部11よりも大径の短筒状をなすセンタリングガイド13が、パイプ部11の同心面に沿って突設されている。このセンタリングガイドの外径は、後述する外壁9の貫通孔91(図4〜5)の内径よりもやや小さくなるように設定されている。
さらに、フランジ12におけるセンタリングガイド13の外側部分には、フランジ12の全周にわたって防水シール材41が貼着されている。防水シール材41は、例えば軟質ポリウレタンフォームやEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)フォームその他の合成樹脂材料を、一定の厚さの円環状に成形してなる部材である。
また、フランジ12の周縁部には、シール押えリブ14が形成されている。シール押えリブ14は、フランジ12の全周にわたり、パイプ部11の他端側に向けて延設されている。その延設長さは、防水シール材41の厚みの半分程度に設定されている。
(スリーブ固定手段)
スリーブ固定手段は、スリーブ本体10の外側に配される複数本の固定ネジ20と、各固定ネジ20に1個ずつ螺合される固定スライダ30とを含んで構成される。例示形態では、固定ネジ20及び固定スライダ30は、スリーブ本体10の周方向において略等間隔となる3箇所に配設されている。
固定ネジ20は、軸部21の径が一様の細長い雄ネジで、その軸長はスリーブ本体10の全長よりもやや短くなるように設定されている。固定ネジ20の頭部22は、なべ、あるいはトラス、六角など座面が平らな(軸方向に直交する)形状をなし、頭部22の頂面には、例えば十字孔や六角孔その他の工具係合部23が形成されている。
固定ネジ20は、フランジ12の3箇所に形成された固定ネジ挿通孔15に、パイプ部11の一端側(フランジ12のある側、以下同じ。)から他端側に向けてそれぞれ挿通されている。固定ネジ挿通孔15は、固定ネジ20の軸径よりも僅かに大径の通し孔であって、センタリングガイド13よりもやや内側(パイプ部11の軸心側)の位置か、あるいはセンタリングガイド13に部分的に重なる位置に形成されている。固定ネジ挿通孔15がセンタリングガイド13に重ならない場合は、センタリングガイド13は全周にわたって連続するように形成されるのが好ましいが、固定ネジ挿通孔15がセンタリングガイド13に干渉する部分は、センタリングガイド13側の該干渉部分が切り欠かれる。固定ネジ20の頭部22とフランジ12との間には、固定ネジ挿通孔15を止水するために、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等からなるOリング42が挿装される。
固定ネジ20の軸部21の先端は、パイプ部11の他端寄りの外周面上に設けられた固定ネジ保持部16によって保持される。固定ネジ保持部16は、フランジ12に形成された各固定ネジ挿通孔15に対してパイプ部11の軸と平行に相対するように、パイプ部11の径方向外側に突設されている。固定ネジ保持部16には軸受孔17が形成されて、その軸受孔17に固定ネジ20の軸部21が挿通される。軸受孔17も、固定ネジ20の軸径より僅かに大径の通し孔である。
固定ネジ20の軸部21における、軸受孔17よりもパイプ部11の他端側に突出された部分には、固定ネジ20の軸部21がフランジ12側に移動するのを規制する抜け止め手段が設けられる。抜け止め手段は、例えば固定ネジ20の軸部21をカシメて突起を形成したり、軸部21の先端近傍にナットや止め環、止めピン等を取り付けたりするなどして構成することができる。これにより、固定ネジ20が、パイプ部11の外側に、パイプ部11の軸と平行な姿勢で、回動自在に、かつ抜け出し不能に保持されることとなる。
固定スライダ30は、例えばステンレス製のバネ鋼板その他の適度な弾性を有する帯板材を屈曲するなどして加工された部材である。例示の固定スライダ30には、図3に示すように、スライドナット31と、スライドガイド32と、固定フック33とが、一体的に連続するように設けられている。スライドナット31は、帯板材の長さ方向における端部近傍に雌ネジ孔34をタッピングして形成されており、該雌ネジ孔34に固定ネジ20の軸部21を螺合させるようにして、固定ネジ20の軸方向に直交する姿勢で固定ネジ20に取り付けられる。
スライドガイド32は、固定ネジ20に取り付けられたスライドナット31におけるパイプ部11側の縁部からパイプ部11の他端側に向け、パイプ部11の外周面に沿うようにして、パイプ部11の軸と平行に延設されている。その延設端は、パイプ部11の径方向外側に向け側面視略U字状に湾曲しながらフランジ12側に反転し、固定ネジ20に対して斜めになる姿勢で、パイプ部11の径方向外側に張り出している。この斜めの張り出し部分が固定フック33となる。スライドガイド32と固定フック33とを繋ぐ湾曲部分には、固定ネジ20の軸径よりも大きい遊孔(バカ孔)35が形成されて、この遊孔35が固定ネジ20に対し多少の遊びをもって挿装されている。固定フック33の先端はフランジ12側に向けて短く折曲されており、その端縁に鋸刃状の固定爪36が形成されている。
この固定スライダ30が、スライドナット31を固定ネジ20に螺合させた状態で、フランジ12と固定ネジ保持部16との間に取り付けられる。この状態で固定ネジ20を回動させると、固定スライダ30のスライドガイド32がパイプ部11の外周面に干渉することによって固定スライダ30の共回りが規制されるので、固定スライダ30は固定フック33を径方向外側に張り出した姿勢のまま、固定ネジ20に沿ってパイプ部11の軸と平行に移動する。なお、固定スライダ30とパイプ部11との間隔が広い場合は、固定スライダ30の姿勢を安定させるために、例えばスライドガイド32の側縁部に適宜の突縁等を延設するなどして、パイプ部11に対する干渉具合が適宜調整されてもよい。
(貫通孔への取付方法・取付構造)
図4〜図5は、前述のパイプスリーブ1を建物の外壁9に形成された貫通孔91に固定する手順を示す。両図に示した(1)〜(4)の手順は互いに対応している。
例示した建物の外壁9は、鉄骨造あるいは木造からなる適宜の軸組躯体(図示せず)の屋外側に、数cm厚の窯業系サイディングやALC(軽量気泡コンクリート)パネルその他の外壁材90が貼設され、軸組躯体の屋内側には適宜の内装下地材及び内装材(図示せず)が組み付けられたものを想定している。外壁材90には、正面視略円形の貫通孔91が形成されている。貫通孔91の内径は、パイプスリーブ1のセンタリングガイド13の外径よりもやや大きく、かつ、固定ネジ保持部16が通過し得る大きさに設定されている。また、外壁材90のオモテ面(屋外側の表面)に形成された意匠的な起伏を平坦化するために、貫通孔91の屋外側の開口端周縁には正面視略円形の座ぐり部92が形成されている。座ぐり部92の内径は、パイプスリーブ1のフランジ12が納まる程度の大きさに設定されている。
(1)パイプスリーブ1の取付にあたっては、予め、各固定ネジ20の頭部22にドライバーその他の工具(図示せず)を係合させて固定ネジ20を緩める向きに回動させ、固定スライダ30をパイプ部11の他端寄り、好ましくは固定ネジ保持部16の直近まで移動させておく。
(2)そして、パイプ部11の他端側を外壁材90の貫通孔91に屋外側から挿入する。このとき、パイプ部11の外側に張り出している固定フック33は、フランジ12側に折り込むようにしながら貫通孔91を通過させる。
(3)フランジ12が外壁材90の座ぐり部92に当接する位置までパイプ部11を押し込む。貫通孔91を通過した固定フック33は、自身の弾性によって再度、外側に張り出した姿勢に復元する。このとき、フランジ12に突設されたセンタリングガイド13が貫通孔91内に挿入されることによって、パイプ部11が、その軸を貫通孔91の中心付近に合致させた状態で位置決めされる。併せて、座ぐり部92に対する防水シール材41の重なり代が、全周にわたって略均一に確保される。
(4)フランジ12を外壁材90に押し当てた状態で、屋外側から固定ネジ20を締める向きに回動させる。すると、固定スライダ30が屋外側に引き寄せられ、やがて固定フック33の先端が外壁材90のウラ面(屋内側の表面)に当接して、フランジ12と固定フック33との間に外壁材90が挟み込まれる。固定ネジ20を適度に締め込むと、固定爪36が外壁材90のウラ面に食い込み、フランジ12が防水シール材41を圧縮する。このとき、フランジ12の周縁部に形成されたシール押えリブ14が座ぐり部92の表面に当接することによって、防水シール材41の過剰な圧潰が規制され、その圧縮厚さが適正に保持されるとともに、圧縮された防水シール材41がフランジ12の外側にはみ出すことも抑えられる。
なお、フランジ12周辺の止水構造の変形例として、図6に示すように、固定ネジ20の頭部22の座面周縁部に、Oリング42の外周を囲むようにして環状のOリング押えリブ24が突設されていてもよい。このOリング押えリブ24の径をOリング42の外径よりも僅かに大きくし、またOリング押えリブ24の突設長さを、Oリング42の適正な圧縮厚さに合わせておけば、固定ネジ20を締め込んだときに、Oリング42の過剰な圧潰が規制されて、その圧縮厚さが適正に保持されるとともに、圧縮されたOリング42が固定ネジ20の頭部22の外側にはみ出すことも抑えられる。なお、Oリング押えリブ24は、固定ネジ20側ではなくフランジ12側に、固定ネジ挿通孔15の周囲を囲むようにして突設されていてもよい。
このような配慮を施すことにより、パイプスリーブ1を貫通孔91に取り付ける際の施工精度のバラツキが低減され、フランジ12と外壁材90との隙間や、固定ネジ挿通孔15の周囲が好適に止水されることとなる。
こうして、パイプスリーブ1が屋内外方向に移動できないように固定されたならば、その屋内側には、適宜の管材や接続部材を介して換気装置その他の設備機器類(図示せず)が取り付けられる。また、屋外側にも必要に応じて、風雨の吹き込みを防ぐためのフードや屋外側の配管部材等(図示せず)が取り付けられる。
[第2実施形態]
図7〜図8は、本発明の第2実施形態に係るパイプスリーブ1の構成を示す。この実施形態は、貫通孔91に固定されたパイプスリーブ1を、例えばメンテナンスや設備更新に際して貫通孔91から取り外す場合の作業性に配慮したものである。スリーブ固定手段を構成する固定ネジ20及び固定スライダ30の基本的な構成は前述した第1実施形態と同様であるが、固定ネジ保持部16の構成が若干、相違している。それ以外の構成は第1実施形態と同じなので、詳細な説明は省略する。
固定ネジ保持部16は、第1実施形態と同様に、パイプ部11の他端寄りの外周面上に突設されており、その略中央には固定ネジ20の軸径よりも僅かに大径の軸受孔17が形成されて、そこに固定ネジ20の軸部21が挿通される。ただし、固定ネジ保持部16の突設端には、パイプ部11の一端側に向かって延出する庇状部18が設けられている。この庇状部18は、固定ネジ20との間に一定の隙間を空けてパイプ部11の軸と略平行に延びており、その延長先が固定フック33の中間付近に当接する。
図8(1)に示すように、パイプスリーブ1が、固定フック33を外壁材90のウラ面に係合させた状態で固定されているとき、屋外側から固定ネジ20を緩める向きに回動させると、固定スライダ30が屋内側に移動し、やがて固定ネジ保持部16に当接する。さらに固定ネジ20を回動させると、(2)に示すように、庇状部18に押し当てられた固定フック33がパイプ部11側に折り畳まれながら、庇状部18とパイプ部11との間に潜り込む。これにより、固定フック33の張り出し寸法が貫通孔91の内径よりも小さくなるので、(3)に示すようにして、パイプスリーブ1を屋外側に抜き出すことができる。
なお、このように固定ネジ保持部16に庇状部18を設けて、固定フック33を折り畳み可能にする場合は、パイプスリーブ1の取付作業に際しても、予め固定スライダ30を固定ネジ保持部16側に移動させ、固定フック33を庇状部18内に押し込んだ状態にしておいて、パイプ部11を屋外側から外壁材90の貫通孔91に挿入することができる。
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態に係るパイプスリーブ1の構成を示す。この実施形態は、固定スライダ30の構造が、前述した第1実施形態及び第2実施形態と相違している。
この固定スライダ30にも、スライドナット31と、スライドガイド32と、固定フック33とが一体的に連続するように設けられるが、この実施形態では、スライドナット31がパイプ部11の他端側に位置し、スライドナット31からパイプ部11の一端側に向けてスライドガイド32が延設され、その延設端がパイプ部11の径方向外側に向けて反り返るように湾曲して、固定フック33に連続している。スライドガイド32と固定フック33とを繋ぐ湾曲部分には、やはり固定ネジ20の軸径よりも大きい遊孔35が形成されて、この遊孔35が固定ネジ20の軸部21に挿装されている。固定フック33の先端は折曲されておらず、その先端に鋸刃状の固定爪36が形成されている。このように構成された固定スライダ30も、前述の第1実施形態と同様にして外壁材90の貫通孔91に挿入し、固定ネジ20を締めて、固定フック33を外壁材90のウラ面に係合させることができる。
また、図10(1)〜(2)に示すように、外壁9がコンクリートで形成されるなど、貫通孔91の長さがスリーブ本体10の軸長に比して大きく、固定フック33が外壁9のウラ面まで届かない場合は、固定フック33を貫通孔91の内周面に当接させた状態で固定ネジ20を締めることにより、貫通孔91の内周面に固定爪36を食い込ませて固定することもできる。
[他の実施形態]
本発明は、その主旨を逸脱しない範囲において、前述の各実施形態を多少改変した形態で実施することもできる。パイプ部11や貫通孔91の断面形状は必ずしも円形には限らず、例えば楕円形や長円形、角丸矩形等であってもよいし、フランジ12の正面形状もパイプ部11の断面形状に係わらず任意に設定可能である。スリーブ本体10と屋外側の配管部材等との取り合いによっては、パイプ部11の一端がフランジ12よりも多少、屋外側に突出するように形成されていてもよい。また、パイプ部11を、等径の筒状ではなく、例えば屋内側よりも屋外側が拡径するテーパ状に形成して、パイプ部11の内面に屋外側へ向けた排水勾配を設けてもよい。
第1実施形態では、スリーブ本体10の固定状態を安定させるために、スリーブ固定手段を、スリーブ本体10の周方向において略等間隔となる3箇所に配設しているが、スリーブ本体10及び貫通孔91の断面形状や径に応じて、スリーブ固定手段をスリーブ本体10の周囲4〜6ヶ所程度に増やしてもよい。スリーブ本体10と貫通孔91との軸心を合致させるためのセンタリングガイド13も、スリーブ本体10及び貫通孔91の断面形状や径に応じて適宜、配置されればよい。
また、第1実施形態では、固定ネジ20を回動自在に、かつ抜け出し不能に保持するために、固定ネジ20の軸部21の先端近傍を固定ネジ保持部16によって保持しているが、この固定ネジ保持部16を設けずに、スリーブ本体10のフランジ12だけで固定ネジ20を保持することも可能である。その場合、固定ネジ20の軸部21に設ける抜け止め手段は、フランジ12のウラ面(パイプ部11の他端側に向いた側面)に係合させるように構成することができる。固定ネジ20の抜け止め手段を設けない場合は、スリーブ本体10を外壁9の貫通孔91に挿入する際に、固定ネジ20の頭部22を叩いて貫通孔91に押し込んでもよい。
固定スライダ30については、バネ鋼板等の屈曲加工による一体成形に替えて、例えば合成樹脂や適宜の金属材料からなるナット部材を利用してスライドナット31及びスライドガイド32に相当する部位を構成し、これに適宜の可撓性材料からなる固定フック33を組み合わせるなどして形成することもできる。
本発明のパイプスリーブとその取付構造は、対象構造物の新設・既設を問わず、また壁体の材質や内部構造を問わず、該壁体に形成された貫通孔に管状の部材を挿入して固定する用途に広く利用することができる。
1 パイプスリーブ
10 スリーブ本体
11 パイプ部
12 フランジ
13 センタリングガイド
14 シール押えリブ
15 固定ネジ挿通孔
16 固定ネジ保持部
17 軸受孔
18 庇状部
20 固定ネジ
21 軸部
22 頭部
23 工具係合部
24 Oリング押えリブ
30 固定スライダ
31 スライドナット
32 スライドガイド
33 固定フック
34 雌ネジ孔
35 遊孔
36 固定爪
41 防水シール材
42 Oリング
9 外壁
90 外壁材
91 貫通孔
92 座ぐり部

Claims (8)

  1. パイプ部の一端にフランジが設けられてなるスリーブ本体と、
    前記スリーブ本体の外側に設けられたスリーブ固定手段と、を具備するパイプスリーブであって、
    前記スリーブ固定手段は、複数本の固定ネジと、各固定ネジに螺合された固定スライダとを含み、
    前記固定ネジの軸部は、前記フランジに形成された固定ネジ挿通孔に前記パイプ部の一端側から他端側に向けて挿通されて、前記パイプ部の軸と平行にパイプ部の外側に保持され、
    前記固定スライダは、前記パイプ部の径方向外側に弾性的に張り出す固定フックを備え、
    前記固定ネジを回動させる操作に連動して、前記固定スライダが前記固定ネジに沿って前記パイプ部の軸と平行に移動し得るように構成されたことを特徴とするパイプスリーブ。
  2. 請求項1に記載のパイプスリーブにおいて、
    前記固定スライダは、
    雌ネジ孔が形成されて前記固定ネジに螺合されるスライドナットと、
    前記スライドナットのパイプ部側の縁部から前記パイプ部の外周面に沿うように前記パイプ部の軸と平行に延設されたスライドガイドとを備え、
    前記スライドガイドの延設端は、前記パイプ部の径方向外側に湾曲して前記固定フックに連続するとともに、該湾曲部分に形成された遊孔を前記固定ネジに挿装させた状態で前記固定ネジに取り付けられていることを特徴とするパイプスリーブ。
  3. 請求項1または2に記載のパイプスリーブにおいて、
    前記パイプ部の外周面上に固定ネジ保持部が設けられ、
    前記固定ネジの軸部が前記固定ネジ保持部に形成された軸受孔に挿通されて回動自在に、かつ抜け出し不能に保持されるとともに、
    前記固定スライダが前記フランジと前記固定ネジ保持部との間に保持されていることを特徴とするパイプスリーブ。
  4. 請求項3に記載のパイプスリーブにおいて、
    前記固定ネジ保持部またはその近傍箇所に庇状部が設けられ、
    前記固定スライダが前記固定ネジ保持部に近接したときに前記庇状部が前記固定フックに干渉して該固定フックを前記パイプ部側に折り込むように構成されていることを特徴とするパイプスリーブ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパイプスリーブにおいて、
    前記フランジにおける前記パイプ部の他端側に向いた側面には、前記フランジの全周にわたって防水シール材が貼着されるとともに、
    前記フランジの周縁部の少なくとも一部には、シール押えリブが、前記パイプ部の他端側に向けて延設されていることを特徴とするパイプスリーブ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパイプスリーブにおいて、
    前記フランジにおける前記パイプ部の他端側に向いた側面には、前記パイプ部よりも大径の同心面に沿ってセンタリングガイドが突設されていることを特徴とするパイプスリーブ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のパイプスリーブにおいて、
    前記フランジにおける前記パイプ部の他端側に背向した側面と、前記固定ネジの頭部との間にOリングが介装されるとともに、
    前記フランジまたは前記固定ネジの頭部の少なくともいずれか一方には、前記Oリングの外周を囲むようにして、Oリング押えリブが形成されていることを特徴とするパイプスリーブ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載されたパイプスリーブが建物の外壁に形成された貫通孔内に屋外側から挿入され、
    前記固定ネジの回動操作によって前記固定スライダが屋外側に引き寄せられ、
    前記固定フックの先端が、外壁を構成する壁材の屋内側の表面または前記貫通孔の内周面に食い込むことにより、前記パイプスリーブが貫通孔内に固定されたことを特徴とするパイプスリーブの取付構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017089659A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 古河電気工業株式会社 壁部貫通部材の取り付け構造、壁部貫通部材の浮き上り防止方法、係止部材の空回り防止方法および係止部材
WO2021037600A1 (de) * 2019-08-28 2021-03-04 Exyte Management GmbH Montageeinrichtung zur durchführung und montage wenigstens eines strangs in einem durchbruch einer wand

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