以下、図1乃至図7を参照して本発明の第1の実施の形態に係る切断治具について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る切断治具の外観を示す斜視図である。また、図2は、第1の実施の形態に係る切断治具の構成を示す断面図、即ち切断治具への管材の挿入方向の切断治具の正面と背面との中間位置における断面図である。
図1及び図2に示すように切断治具2は係止アーム6、保持部材である環状部材10を備えている。環状部材10は、竪樋等に用いられる管材の外周面を内周面によりを保持する部材であり、離間部8が設けられている。環状部材10の内周面は円弧形状を有している。また、環状部材10の内周面の側縁部には、切断ガイドとしてのフランジ12a,12bが設けられている。ここで、第1の実施の形態に係る切断治具においては、フランジ12a,12bは環状部材10の内周面の2つの側縁部に設けられている。また、フランジ12a,12bのそれぞれの外側の面は、環状部材10の円環形状の中心を通る線に対して垂直な面として形成されている。さらにフランジ12a,12bは、円環形状の一部が欠けた形状を有している。即ち、円環形状のうち、離間部8に相当する部分が欠けた形状を有している。
また、フランジ12a,12bの一方の端部近傍(即ち、離間部8近傍)には、締付部を構成する係止アーム6を回動可能に取り付けるための穴14a,14bが設けられている。ここで、穴14a,14bは、それぞれだるま穴として構成され、係止位置可変機構として機能する。また、環状部材10の一方の端部(穴14a,14bが設けられていない側の端部)には、係止アーム6を係止するための突起部16が設けられている。なお、図1に示すように穴14bの内側(ヒンジ部18を挿入する側)には切欠14cが設けられている。穴14aの内側(ヒンジ部18を挿入する側)についても、図示しない切欠が設けられている。切欠14c及び図示しない切欠を設けることにより、穴14a,14bに係止アーム6のヒンジ部18を容易に嵌合させることができる。
また、だるま穴を構成する穴のうち、大きい穴は、係止アーム6のヒンジ部18を嵌合させる際の仮止めにも利用することができる。また、穴14a,14bにヒンジ部18を嵌合させた際の係止アーム6の両側面とフランジ12a,12bのそれぞれの内壁面とのクリアランスは、係止アーム6が外れないように最小のクリアランスとなっている。
係止アーム6は、アーム本体7とレバー部9とを備えている。アーム本体7の一方の端部には穴14a,14bに回動可能に取り付けるためのヒンジ部18が設けられ、アーム本体7の他方の端部には環状部材10の突起部16に係止させるためのツメ19が設けられている。ここで、ヒンジ部18は、穴14a,14bに嵌合させた際にフランジ12a,12bの外側(ヒンジ部18を挿入しない側)に突出しない長さとなっている。そのため、切断治具2を用いて管材の切断を行う場合に、切断が阻害されることを防ぐことができる。
ここで、図3に示すように係止アーム6が、環状部材10の突起部16に係止されていない状態(以下、「開状態」ということがある。)から、係止アーム4を回動させると、図1および図2に示すように係止アーム6が環状部材10に係止された状態となり(以下、「閉状態」ということがある。)、離間部8において対向する環状部材10の両端部を近づけるように締め付けることができる。
また、図1乃至3に示すように、穴14a,14bは、だるま穴として構成されている。したがって、ヒンジ部18と穴14a,14bとが嵌合する位置を変更することにより、締め付け位置を調整することができる。即ち、ヒンジ部18と穴14a,14bとが嵌合する位置を変更することにより、任意に締め付け距離を変更することができる。従って、異なる径を有する管材の切断にも用いることができる。
次に、第1の実施の形態に係る切断治具を用いて管材を切断する切断方法について説明する。まず、図4に示すように切断治具2を開状態として、切断治具2を矢印の方向へ移動させることにより、リブ20を有する管材22を、環状部材10の内周面により形成される空間内に挿入する。
ここで、管材22のリブ20は、管材22の本体21の外周面の外側に突出するように、かつ、本体21の長手方向に延在するように設けられている。また、本体21の外周面の断面は略円形状を有している。また、管材22は、塩化ビニル樹脂等の樹脂により構成されることが好ましく、さらにその表面にはシボ加工が施されていることが好ましい。ここで、シボ加工は、ヘアライン加工等の公知の方法により施すことができる。
図5に示すように、管材22を切断治具2に挿入した後、切断治具2を管材22の長手方向の所望の切断位置に移動させる。ここで、切断治具2の開状態において管材22のリブ20は離間部8に位置する。また、環状部材10の内周面と管材22の外周面との間には所定のクリアランスが設けられている。そのため、切断治具2を管材22の長手方向に自在に移動させることができる。
そして、図5に示すように、所望の位置まで切断治具2を移動させると、矢印で示す方向に係止アーム6を回動させることにより切断治具2を閉状態とし、離間部8を締め付ける。これによりフランジ12a,12bのそれぞれの外面が管材22の長手方向に対して垂直な切断ガイド面となる。
図6は、切断治具により管材の所望の切断位置を保持した状態を示す断面図、即ち、切断治具への管材の挿入方向の切断治具と正面と背面との中間における断面図である。図6に示すように切断治具2を閉状態とした場合に、係止アーム6が管材22のリブ20と干渉しないように、係止アーム6の位置は、環状部材10の内周面から所定距離外側に位置するように構成されている。また、管材22を切断する際には、環状部材10の内周面と管材22の外周面とが密着することが好ましいが、管材22におけるキズの発生をより効果的に防止する観点から、管材22の切断に影響しない範囲で環状部材10の内周面と管材22の外周面との間に所定のクリアランスがあってもよい。
そして、図7に示すように鋸等の切断手段23を用いてフランジ12aまたはフランジ12bに沿って管材22の切断を行う。なお、フランジ12a,フランジ12bの何れに沿って切断を行うかは、作業環境等に応じて適宜選択することができるが、管材22を挿入させた状態で切断治具2を移動させる際に、所望の切断位置と、フランジ12aまたはフランジ12bのうちの切断を行う際に切断手段23を沿わせるフランジの位置とが合致するように切断治具2を移動させればよい。
次に、図8及び図9を参照して本発明の第2の実施の形態に係る切断治具について説明する。なお、この第2の実施の形態に係る切断治具24は、第1の実施の形態において、だるま穴として構成した穴14a,14bの形状を略円形状の通し穴に変更し、さらに第1の実施の形態において係止アーム6に1つのみ設けられたツメ19の数を複数に変更したものである。従って、第1の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略し、異なる部分のみについて詳細に説明する。また、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図8は、第2の実施の形態に係る切断治具の外観を示す斜視図である。図8に示すように切断治具24は、係止アーム6、保持部材である環状部材10を備えている。環状部材10は、内周面が円弧形状を有し、離間部8が設けられた部材であり、環状部材10の内周面の2つの側縁部には、フランジ12a、12bが設けられている。また、フランジ12a,12bの一方の端部近傍(即ち、離間部8近傍)には、係止アーム6を回動可能に取り付けるための穴26a,26bが設けられている。ここで、穴26a,26bは、略円形状の通し穴として構成されている。また、図8に示すように穴26bの内側には切欠26cが設けられている。穴26aの内側についても、図示しない切欠が設けられている。また、穴26a,26bにヒンジ部18を嵌合させた際の係止アーム6の両側面とフランジ12a,12bのそれぞれの内壁面とのクリアランスは、係止アーム6が外れないように最小のクリアランスとなっている。
図9は、切断治具により管材の所望の位置を保持した状態を示す断面図、即ち、切断治具の正面と背面の中間位置における断面図である。図9に示すように環状部材10の一方の端部(穴26a,26bが設けられていない側の端部)には、突起部16が設けられている。係止アーム6は、アーム本体7とレバー部9とを備えている。アーム本体7の一方の端部にはヒンジ部18が設けられ、他方の端部には、環状部材10の突起部16に係止させ、係止位置変更機構として機能するツメ28a,28b,28cが設けられている。ここで、係止アーム6が、環状部材10の突起部16に係止されていない開状態から、係止アーム6を回動させると、図8及び図9に示すように係止アーム6が環状部材10に係止された閉状態となり、離間部8を締め付けることができる。
係止アーム6には、複数のツメ28a,28b,28cが設けられているため、環状部材10の突起部16と係止するツメ(28a,28b,28c)を変更することにより、係止位置を調整することができる。即ち、任意に締め付け距離を変更することができる。従って、異なる径を有する管材の切断にも用いることができる。
第2の実施の形態に係る切断治具24を用いて管材を切断する切断方法は、第1の実施の形態に係る切断治具2を用いて管材を切断する切断方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、図9に示すように第2の実施の形態に係る切断治具24においても、閉状態において係止アーム6が管材22のリブ20と干渉しないように、係止アーム6が環状部材10の内周面から所定距離外側に位置するように構成されている。また、管材22の切断時には、環状部材10の内周面と管材22の外周面とが密着することが好ましいが、管材22におけるキズの発生をより効果的に防止する観点から、管材22の切断に影響しない範囲で環状部材10の内周面と管材22の外周面との間に所定のクリアランスがあってもよい。
なお、上述の第2の実施の形態においては、係止アーム6に設けられるツメの数を3つとして説明したが、ツメの数は、特に制限されず、係止アーム6が2つ以上のツメを有していればよい。
次に、図10を参照して本発明の第3の実施の形態に係る切断治具について説明する。なお、この第3の実施の形態に係る切断治具30は、第1の実施の形態において、だるま穴として構成した穴14a,14bの形状を略円形状の通し穴に変更し、さらに第1の実施の形態において環状部材10に1つのみ設けられた突起部16の数を複数に変更したものである。従って、第1の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略し、異なる部分のみについて詳細に説明する。また、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図10は、切断治具により管材の所望の位置を保持した状態を示す断面図、即ち、切断治具の正面と背面の中間位置における断面図である。図10に示すように切断治具30は、係止アーム6、保持部材である環状部材10を備えている。環状部材10は、内周面が円弧形状を有し、離間部8が設けられた環状の部材である。環状部材10の内周面の2つの側縁部には、図示しないフランジ及びフランジ12bが設けられている。また、図示しないフランジ及びフランジ12bの一方の端部近傍(即ち、離間部8近傍)には、係止アーム6を回動可能に取り付けるための図示しない穴及び穴32bが設けられている。ここで、図示しない穴及び穴32bは、略円形状の通し穴として構成されている。また、図示しない穴及び穴32bにヒンジ部18を嵌合させた際の係止アーム6の両側面と図示しないフランジ及びフランジ12bのそれぞれの内壁面とのクリアランスは、係止アーム6が外れないように最小のクリアランスとなっている。また図示しない穴及び穴32bの内側には図示しない切欠及び切欠32cが設けられている。
また、環状部材10の一方の端部(穴32bが設けられていない側の端部)には、係止位置変更機構として機能する突起部34a,34bが設けられている。
係止アーム6は、アーム本体7とレバー部9とを備えている。アーム本体7の一方の端部にはヒンジ部18が設けられ、アーム本体7の他方の端部には、環状部材10の突起部34a,34bに係止させるためのツメ19が設けられている。ここで、係止アーム6が、環状部材10の突起部16に係止されていない開状態から、係止アーム6を回動させると、図10に示すように係止アーム6が環状部材10に係止された閉状態となり、離間部8を締め付けることができる。
また、図10に示すように、環状部材10には、複数の突起部34a,34bが設けられている。したがって、係止アーム6のツメ19が係止する突起部(34a,34b)を変更することにより、係止位置を調整することができる。即ち、任意に締め付け距離を変更することができる。従って、異なる径を有する管材の切断にも用いることができる。
第3の実施の形態に係る切断治具30を用いて管材を切断する切断方法は、第1の実施の形態に係る切断治具2を用いて管材を切断する切断方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、図10に示すように第3の実施の形態に係る切断治具30においても、閉状態の切断治具30の係止アーム6が、環状部材10の内周面により保持されている管材22のリブ20と干渉しないように、係止アーム6が環状部材10内周面から所定距離外側に位置するように構成されている。また、管材22の切断時には、環状部材10の内周面と管材22の外周面とが密着することが好ましいが、管材22におけるキズの発生をより効果的に防止する観点から、管材22の切断に影響しない範囲で環状部材10の内周面と管材22の外周面との間に所定のクリアランスがあってもよい。
なお、上述の第3の実施の形態においては、環状部材10に設けられる突起部の数を2つとして説明したが、突起部の数は、特に制限されず、環状部材10に2つ以上の突起部が設けられていればよい。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る切断治具について説明する。なお、第1の実施の形態に係る切断治具2においては、切断対象とする管材を本体21の外周面の断面が略円形状を有し、リブ20を備える管材22としたが、この第4の実施の形態に係る切断治具36においては、本体の外周面の断面が多角形形状を有し、リブを備える管材を切断対象とする。従って、第1の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略し、異なる部分のみについて詳細に説明する。また、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図11は、第4の実施の形態に係る切断治具の外観を示す斜視図である。また、図12は、第4の実施の形態に係る切断治具の正面と背面の中間位置における断面図である。
図11および図12に示すように切断治具36は、係止アーム6、保持部材である環状部材38を備えている。環状部材38は、竪樋等に用いられる管材を保持する部材であり、離間部8が設けられている。環状部材38の内周面は多角形形状(図11および図12においては八角形)を有している。また、環状部材38の内周面の側縁部には、切断ガイドとしてのフランジ40a,40bが設けられている。ここで、第4の実施の形態に係る切断治具においては、フランジ40a,40bは環状部材38の内周面の2つの側縁部に設けられている。また、環状部材38の内周形状及びフランジ40a,40bの外形は多角形形状(図11および図12においては八角形)を有している。
また、フランジ40a,40bの一方の端部近傍(即ち、離間部8近傍)には、だるま穴として構成され、係止アーム6を回動可能に取り付けるための穴14a,14bが設けられている。また、環状部材38の一方の端部(穴14a,14bが設けられていない側の端部)には、係止アーム6を係止するための突起部16が設けられている。
係止アーム6は、アーム本体7とレバー部9とを備えている。アーム本体7の一方の端部にはヒンジ部18が設けられ、アーム本体7の他方の端部にはツメ19が設けられている。ここで、ヒンジ部18は、穴14a,14bに嵌合させた際にフランジ40a,40bの外側に突出しない長さとなっている。そのため、切断治具36を用いて管材の切断を行う場合に、切断が阻害されることを防ぐことができる。
ここで、係止アーム6が環状部材38の突起部16に係止されていない閉状態から、係止アーム6を回動させると、図11および図12に示すように係止アーム6が環状部材38に係止された閉状態となり、離間部8を締め付けることができる。
図11および12に示すように、穴14a,14bは、だるま穴として構成されている。したがって、ヒンジ部18と穴14a,14bとが嵌合する位置を変更することにより、締め付け位置を調整することができる。即ち、ヒンジ部18と穴14a,14bとが嵌合する位置を変更することにより、任意に締め付け距離を変更することができる。従って、異なる径を有する管材の切断にも用いることができる。
次に、第4の実施の形態に係る切断治具を用いて管材を切断する切断方法について説明する。まず、切断治具36を開状態とし、環状部材38の内周面の内側に、リブ20を有する管材42を挿入する。ここで、切断治具36の開状態において管材42のリブ20は離間部8に位置する。また、環状部材38の内周面と管材42の外周面との間には所定のクリアランスが設けられている。そのため、切断治具36を管材42の長手方向に自在に移動させることができる。
なお、管材42のリブ20は、管材42の本体44の外周面の外側に突出するように、かつ、本体44の長手方向に延在するように設けられている。また、本体44の外周面の断面は矩形の四隅が面取りされて曲線となった形状を有している。また、管材22は、塩化ビニル樹脂等の樹脂により構成されることが好ましく、さらにその表面にはシボ加工が施されていることが好ましい。ここで、シボ加工は、ヘアライン加工等の公知の方法により施すことができる。
そして、図13に示すように、所望の位置まで切断治具2を移動させると、係止アーム6を回動させることにより、切断治具36を閉状態とし、離間部8を締め付ける。
図14は、第4の実施の形態に係る切断治具により管材の所望の位置を保持した状態を示す図である。図14に示すように、切断治具36の閉状態において、係止アーム6が、管材42のリブ20と干渉しないように、係止アーム6が環状部材38の内周面から所定距離外側に位置するように構成されている。また、管材42の切断時には環状部材38の内周面と管材42の外周面とが密着することが好ましいが、管材22におけるキズの発生をより効果的に防止する観点から、管材42の切断に影響しない範囲で環状部材38の内周面と管材42の外周面との間に所定のクリアランスがあってもよい。
そして、鋸等の切断手段を用いてフランジ40aまたはフランジ40bに沿って管材42の切断を行う。なお、フランジ40a,フランジ40bの何れに沿って切断を行うかは、作業環境等に応じて適宜選択することができる。
上述の各実施の形態に係る切断治具によれば、リブを備える管材の切断にも好適に用いることができる。また、この切断治具を用いることにより、管材の長手方向に対して垂直に切断することができる。そのため、軒樋としたときに外観が損なわれることを防ぐことができる。
また、上述の各実施の形態に係る切断治具によれば、任意の位置で係止アームの締め付けを行うことが可能である。従って、上述の各実施の形態に係る切断治具は、管材の本体外径または本体の外周面の寸法に合わせて係止位置を変更可能することができるため、管材の本体外径または本体の外周面の寸法に依らず用いることができる。
また、上述の各実施の形態に係る切断治具によれば、フランジが環状部材の内周面の2つの側縁部に設けられているため、切断治具の管材に対する挿入方向が制限されない。
また、上述の各実施の形態に係る切断治具によれば、環状部材の内周面と、管材の外周面との間に所定のクリアランスがあるため、管材を所望の切断位置まで移動させる際に、管材と切断治具とが擦れることによる管材におけるキズの発生を防止することができる。そのため、特に、シボ加工が施された管材等、キズの発生が生じやすい管材の切断に好適に用いることができる。
また、上述の各実施の形態に係る切断治具によれば、切断治具の閉状態における係止アームの位置が管材のリブと干渉しないように環状部材の内周面から所定距離外側に位置するように構成されているため、リブと切断治具とが擦れることによるリブにおけるキズの発生を防止することができる。
なお、上述の各実施の形態において、フランジにスリットを設けてもよい。例えば、図15は、第2の実施の形態に係る切断治具24のフランジ12aの外縁部にスリット46aを設けた場合の正面図である。スリットを設けることにより、切断治具の柔軟性が増し、小径の本体を有する管材の切断にも、本発明の切断治具を使用することができる。なお、図示はしないが、図15においては、フランジ12bの外縁部にもスリット46aと同様の形状のスリット46bが設けられている。
また、上述の各実施の形態において、管材の切断を行う際の転がりを防止するための転がり防止構造を設けてもよい。転がり防止構造としては、例えば、(a)フランジ12aまたは/および12bに棒状または平面状の転がり防止部材48を設ける構造(図16参照)、(b)フランジ12aおよび12bの一部の形状を平面とする構造(図17参照)、(c)係止アーム6のレバー部9の形状を変更し、係止アーム6を下側にして管材の切断を行う際に転動防止部材としての機能を付与する構造(図18参照)などが挙げられる。なお、図16乃至図18に示す線Lは、切断治具2の載置面を示す。また、図16乃至図18は第1の実施の形態に係る切断治具の変形例として示したが、第2乃至第4の実施形態に係る切断治具に対しても、同様の転がり防止構造を設けることができる。
また、上述の各実施の形態においては、切断治具(2,24,30,36)を開状態として管材(22,42)に切断治具(2,24,30,36)を挿入し、移動させる構成として説明したが、管材の所望の切断位置に切断治具を直接嵌める構成としてもよい。図19は、第1の実施の形態に係る切断治具の変形例の構成を示す切断治具の正面と背面の中間における断面図である。図19に示すように、例えば第1の実施の形態に係る切断治具2の環状部材10を、第1保持部材52、第2保持部材54、第1保持部材52および第2保持部材54を軸着するシャフト56を備える構成に変更する。ここで、第1保持部材52の内周面を構成する内壁面と、第2保持部材54の内周面を構成する内壁面とは、相対向している。また、第1保持部材52および第2保持部材54はシャフト56を介して回動可能に連結されている。したがって、この切断治具2を開状態として管材22の所望の位置に嵌め、その後係止アーム6を環状部材10に係止させて閉状態とすることにより、所望の位置にて管材22の切断を行うことができる。
また、図19は、第1の実施の形態に係る切断治具の変形例として示したが、第2乃至第4の実施形態に係る切断治具についても、同様に第1保持部材、第2保持部材およびシャフトを備える構成の環状部材に変更することができる。
また、上述の各実施の形態においては、穴(14a,14b,26a,26b)に切欠を設ける構成として説明したが、図20に示すように、係止アーム6のヒンジ部18の端部58a,58bを斜めにカットし、さらに、穴14a,14bの周囲に凸部60a,60b(ただし、凸部60aは図示せず)を設けてもよい。ヒンジ部18の端部58a,58bを斜めにカットすることによって、図20におけるヒンジ部18の下側(即ち、ヒンジ部18の短い側)が先に凸部60a,60bを越えてヒンジ部18が穴14a,14bに嵌るようになるため、組み立てが容易となる。また、ヒンジ部18が穴14a,14bに嵌った後は図20におけるヒンジ部の上側(即ち、ヒンジ部18の長い側)が凸部60a,60bに先に接触するため、穴14a,14bからヒンジ部18が抜けにくくなる。なお、図20は、第1の実施の形態に係る切断治具の変形例として示したが、第2乃至第4の実施形態に係る切断治具についても、同様にヒンジ部をカットし、穴の周囲に凸部を設ける構成に変更することができる。
また、上述の各実施の形態においては、切断治具(2,24,30,36)を開状態として管材(22,42)を切断治具(2,24,30,36)に挿入し、移動させる構成として説明したが、切断治具(2,24,30,36)を閉状態として、管材(22,42)を挿入し、移動させる構成としてもよい。上述のように、切断治具(2,24,30,36)の離間部8の締め付け距離を任意に変更することができるため、この場合には、環状部材(10,38)の内周面と管材(22,42)との間に十分なクリアランスが確保できるように、切断治具(2,24,30,36)の締め付け距離を調整する(即ち、離間部8を緩めに締め付ける)。また、この場合には、切断治具(2,24,30,36)を所望の切断位置まで移動させた後、離間部8の締め付け距離を変更し、切断治具(2,24,30,36)により管材(22,42)をさらに締め付けた後に管材(22,42)の切断を行うことが好ましい。例えば、第1の実施の形態においては、ヒンジ部18と穴14a,14bとが嵌合する位置を変更することにより、係止アーム6の締付度合いを変更することができる。
また、切断治具(2,24,30,36)の閉状態において、係止アーム6の位置は、管材(22,42)のリブ20と干渉しないように、環状部材(10,38)の内周面から所定距離外側に位置するように構成されている。このようにすることで、切断治具(2,24,30,36)を管材(22,42)の長手方向に自在に移動させることができる。
また、上述の各実施の形態においては、リブを備える管材を切断対象の管材として説明したが、本発明の切断治具はリブを備えない管材の切断にも使用することができる。
また、上述の各実施の形態においては、環状部材(10,38)の各側縁部に切断ガイドとしてのフランジを設ける構成、即ち、1つの切断治具にフランジを2つ設ける構成として説明したが、少なくとも一方の側縁部にフランジを設ける構成であればよい。即ち、環状部材の一方の側縁部にのみフランジを設け、1つの切断治具にフランジを1つのみ設ける構成としてもよい。
また、上述の各実施の形態において、管材(22,42)として、シボ加工が施されていないものを用いてもよい。
また、上述の各実施の形態において、切断ガイドとしてフランジを例に説明したが、切断ガイドはフランジに限定されず、切断治具(2,24,30,36)に管材(22,42)を挿入した際に、管材(22,42)の長手方向に対して垂直な面を有するものであれば切断ガイドとして用いることができる。