以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施例としては、3台の室外機と5台の室内機とが相互に冷媒配管で接続され、室内機毎に冷房運転と暖房運転とを選択して運転できる、所謂冷暖房フリーの運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1および図2に示すように、本実施例における空気調和装置1は、3台の室外機2a〜2cと、5台の室内機8a〜8eと、5台の分流ユニット6a〜6eと、分岐器70、71、72とを備えている。これら室外機2a〜2cと室内機8a〜8eと分流ユニット6a〜6eと分岐器70、71、72とが、高圧ガス管30と、高圧ガス分管30a〜30cと、低圧ガス管31と、低圧ガス分管31a〜31cと、液管32と、液分管32a〜32cとで相互に接続されることによって、空気調和装置1の冷媒回路が構成される。
この空気調和装置1では、室外機2a〜2cや分流ユニット6a〜6eに備えられた各種弁類を開閉したり切り換えたりすることによって、暖房運転(全ての室内機が暖房運転)、暖房主体運転(暖房運転を行っている室内機で要求される能力全体が冷房運転を行っている室内機で要求される能力全体を上回る場合)、冷房運転(全ての室内機が冷房運転)、冷房主体運転(冷房運転を行っている室内機で要求される能力全体が暖房運転を行っている室内機で要求される能力全体を上回る場合)等、様々な運転動作が可能である。
図1は、これら運転動作の中から冷房主体運転を行っている場合の冷媒回路を示しており、図2は暖房主体運転を行っている場合の冷媒回路を示している。まずは、これら図1および図2を用いて、室外機2a〜2cの構成について説明するが、室外機2a〜2cの構成は全て同じであるため、以下の説明では室外機2aの構成についてのみ説明を行い、室外機2bと室外機2cとについては詳細な説明は省略する。
図1および図2に示すように、室外機2aは、圧縮機21aと、流路切換手段である四方弁22aと、室外熱交換器23aと、補助熱交換器24aと、アキュムレータ25aと、室外膨張弁26aと、補助膨張弁27aと、室外ファン28aと、閉鎖弁40a、41a、42aとを備えている。
圧縮機21aは、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで運転容量を可変できる容量可変型圧縮機である。圧縮機21aの吐出側は、室外機高圧ガス管33aで閉鎖弁40aに接続されている。また、圧縮機21aの吸入側は、アキュムレータ25aの流出側に冷媒配管39aで接続されており、アキュムレータ25aの流入側は、室外機低圧ガス管34aで閉鎖弁41aに接続されている。
四方弁22aは、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。ポートaには、室外機高圧ガス管33aと接続点Aで接続する冷媒配管が接続されている。また、ポートbと室外熱交換器23aとが冷媒配管36aで接続され、ポートcに接続された冷媒配管37aは接続点Dで室外機低圧ガス管34aに接続されている。尚、ポートdは封止されている。
室外熱交換器23aは、冷媒と後述する室外ファン28aにより室外機2a内部に取り込まれた外気とを熱交換させるものであり、室外熱交換器23aの一端は、上述したように四方弁22aのポートbに冷媒配管36aで接続され、他端は室外膨張弁26aの一方のポートに冷媒配管で接続されている。尚、室外膨張弁26aの他方のポートは、閉鎖弁42aと室外機液管35aで接続されている。室外熱交換器23aは、空気調和装置1が冷房/冷房主体運転を行う場合は凝縮器として機能し、暖房/暖房主体運転を行う場合は蒸発器として機能する。
補助熱交換器24aは、室外機液管35aにおける室外膨張弁26aと閉鎖弁42aとの間に組み込まれている。また、補助熱交換器24aには、一端が室外機液管35aにおける室外膨張弁26aと補助熱交換器24aとの間の接続点Bに接続され、他端が接続点Cで室外機低圧ガス管34aに接続されたバイパス管38aが組み込まれている。補助熱交換器24aでは、室外機液管35aを流れる冷媒と、バイパス管38aを流れる冷媒との間で熱交換が行われる。尚、バイパス管38aにおける接続点Bと補助熱交換器24aとの間には、補助膨張弁27aが組み込まれている。
アキュムレータ25aは、流入側が室外機低圧ガス管34aに接続され、流出側が圧縮機21aの吸入側と冷媒配管39aで接続されている。アキュムレータ25aは、流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒のみを圧縮機21aに吸入させる。
室外ファン28aは、室外熱交換器23aの近傍に配置される樹脂材で形成されたプロペラファンであり、図示しないファンモータによって回転することで、室外機2a内に外気を取り込み、室外熱交換器23aにおいて冷媒と外気とを熱交換させた後、熱交換した外気を室外機2a外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2aには各種のセンサが設けられている。図1および図2に示すように、室外機高圧ガス管33aにおける圧縮機21aの吐出口と接続点Aとの間には、圧縮機21aから吐出される冷媒の圧力を検出する高圧センサ50aと、圧縮機21aから吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度検出手段である吐出温度センサ53aとが設けられている。また、室外機低圧ガス管34aにおける接続点Dとアキュムレータ25aの流入口との間には、圧縮機21aに吸入される冷媒の圧力を検出する低圧センサ51aと、圧縮機21aに吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ54aとが設けられている。また、室外機液管35aにおける補助熱交換器24aと閉鎖弁42aとの間には、室外機液管35aを流れる冷媒の圧力を検出する中間圧センサ52aと、室外機液管35aを流れる冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ55aとが設けられている。
冷媒配管36aには、室外熱交換器23aから流出あるいは室外熱交換器23aへ流入する冷媒の温度を検出する熱交温度センサ56aが設けられている。バイパス管38aにおける補助熱交換器24aの入口側には、補助熱交換器24aに流入する冷媒の温度を検出する入口温度センサ57aが設けられ、バイパス管38aにおける補助熱交換器24aの出口側には、補助熱交換器24aから流出する冷媒の温度を検出する出口温度センサ58aが設けられている。さらには、室外機2aの図示しない外気の吸込口付近には、室外機2a内に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ59aが備えられている。
室外機2aには、制御部100aが備えられている。制御部100aは、室外機2aの図示しない電装品箱に格納されている制御基板に搭載されており、CPU110aと、記憶部120aと、通信部130aとを備えている。CPU110aは、室外機2aの上述した各センサからの検出信号を取り込むとともに、各室内機8a〜8eから出力される制御信号を通信部130aを介して取り込む。CPU110aは、取り込んだ検出信号や制御信号に基づいて圧縮機21aや室外ファン28aの回転制御、四方弁22aの切り換え制御、室外膨張弁26aの開度制御、といった室外機2aの運転に関する様々な制御を行う。
記憶部120aは、ROMやRAMで構成されており、室外機2aの制御プログラムや各センサからの検出信号に対応した検出値を記憶する。通信部130aは、室外機2aと室内機8a〜8eとの通信を仲介するインターフェイスである。
以上、室外機2aの構成について説明したが、室外機2bおよび室外機2cの構成は室外機2aと同じであり、室外機2aの構成要素(装置や部材)に付与した番号の末尾をaからbもしくはcに変更したものが、室外機2aの構成要素と対応する室外機2bおよび室外機2cの構成要素となる。但し、四方弁、および、冷媒配管の接続点については、室外機2aと室外機2bおよび室外機2cとで記号を異ならせており、室外機2aの四方弁22aにおけるポートa、b、c、dに対応するものを室外機2bの四方弁22bではそれぞれポートe、f、g、hとし、室外機2cの四方弁22cではそれぞれポートj、k、m、nとしている。また、室外機2aにおける接続点A、B、C、Dに対応するものを、室外機2bではそれぞれ接続点E、F、G、H、室外機2cではそれぞれ接続点J、K、M、Nとしている。
次に、5台の室内機8a〜8eの構成について、図1および図2を用いて説明する。尚、室内機8a〜8eの構成は全て同じであるため、以下の説明では、室内機8aの構成についてのみ説明を行い、その他の室内機8b〜8eについては説明を省略する。
室内機8aは、室内熱交換器81aと、室内膨張弁82aと、室内ファン83aとを備えている。室内熱交換器81aは、一端が室内膨張弁82aの一方のポートに冷媒配管で接続され、他端が後述する分流ユニット6aに冷媒配管で接続されている。室内熱交換器81aは、室内機8aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、室内機8aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。
室内膨張弁82aは、一方のポートが上述したように室内熱交換器81aに冷媒配管で接続され、他方のポートが液管32に接続されている。室内膨張弁82aは、室内熱交換器81aが蒸発器として機能する場合は、その開度が要求される冷房能力に応じて調整され、室内熱交換器81aが凝縮器として機能する場合は、その開度が要求される暖房能力に応じて調整される。
室内ファン83aは、樹脂材で形成されたクロスフローファンであり、図示しないファンモータによって回転することで、室内機8a内に室内空気を取り込み、室内熱交換器81aにおいて冷媒と室内空気とを熱交換させた後、熱交換した空気を室内へ供給する。
以上説明した構成の他に、室内機8aには各種のセンサが設けられている。室内熱交換器81aの室内膨張弁82a側の冷媒配管には、室内熱交換器81aに流入または室内熱交換器81aから流出する冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ84aが設けられている。また、室内熱交換器81aの分流ユニット6a側の冷媒配管には、室内熱交換器81aに流入または室内熱交換器81aから流出する冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ85aが設けられている。さらには、室内機8aの図示しない室内空気の吸込口付近には、室内機8a内に流入する室内空気の温度、すなわち室内温度を検出する室温センサ86aが備えられている。
以上、室内機8aの構成について説明したが、室内機8b〜8eの構成は室内機8aと同じであり、室内機8aの構成要素(装置や部材)に付与した番号の末尾をaからb、c、dおよびeにそれぞれ変更したものが、室外機8aの構成要素と対応する室内機8b〜8eの構成要素となる。
尚、図示は省略するが、各室内機8a〜8eには制御部が備えられている。室内機8a〜8eの制御部は、室内機8a〜8eの各センサからの検出信号を取り込むとともに、図示しない空気調和装置1のリモートコントローラからの制御信号を取り込む。室内機8a〜8eの制御部は、取り込んだ検出信号や制御信号に基づいて室内機8a〜8eの制御を行う。また、室内機8a〜8eの制御部は、室内機8a〜8eの運転モード(冷房運転/暖房運転)に応じて、対応する分流ユニット6a〜6eの第1電磁弁61a〜61eおよび第2電磁弁62a〜62eをそれぞれ開閉する。
以上説明した制御部100a〜100cと室内機8a〜8eに備えられた各制御部とで、空気調和装置1の制御手段が構成されている。
次に、5台の分流ユニット6a〜6eの構成について、図1および図2を用いて説明する。空気調和装置1には、5台の室内機8a〜8eに対応して5台の分流ユニット6a〜6eが備えられている。尚、分流ユニット6a〜6eの構成は全て同じであるため、以下の説明では、分流ユニット6aの構成についてのみ説明を行い、その他の分流ユニット6b〜6eについては説明を省略する。
分流ユニット6aは、電磁弁61aと、電磁弁62aと、第1分流管63aと、第2分流管64aとを備えている。第1分流管63aの一端は高圧ガス管30に接続されており、第2分流管64aの一端は低圧ガス管31に接続されている。また、第1分流管63aの他端と第2分流管64aの他端とが相互に接続され、この接続部と室内熱交換器81aとが冷媒配管で接続されている。
第1分流管63aには電磁弁61aが、また、第2分流管64aには電磁弁62aが、それぞれ組み込まれている。電磁弁61aおよび電磁弁62aのうちいずれか一方を開き他方を閉じることによって、分流ユニット6aに対応する室内機8aの室内熱交換器81aが、圧縮機21の吐出側(高圧ガス管30側)または吸入側(低圧ガス管31側)に接続されるようにすることで、室内熱交換器81aを蒸発器あるいは凝縮器として機能させる。
以上、分流ユニット6aについて説明したが、分流ユニット6b〜6eの構成は分流ユニット6aと同じであり、分流ユニット6aの構成要素(装置や部材)に付与した番号の末尾をaからb、c、dおよびeにそれぞれ変更したものが、分流ユニット6aの構成要素と対応する分流ユニット6b〜6eの構成要素となる。
次に、以上説明した室外機2a〜2c、室内機8a〜8eおよび分流ユニット6a〜6eと、高圧ガス管30、高圧ガス分管30a〜30c、低圧ガス管31、低圧ガス分管31a〜31c、液管32、液分管32a〜32c、および、分岐器70、71、72との接続状態を、図1および図2を用いて説明する。室外機2a〜2cの閉鎖弁40a〜40cには高圧ガス分管30a〜30cの一端がそれぞれ接続され、高圧ガス分管30a〜30cの他端は全て分岐器70に接続される。この分岐器70に高圧ガス管30の一端が接続され、高圧ガス管30の他端は分岐して分流ユニット6a〜6eの第1分流管63a〜63eに接続される。
室外機2a〜2cの閉鎖弁41a〜41cには低圧ガス分管31a〜31cの一端がそれぞれ接続され、低圧ガス分管31a〜31cの他端は全て分岐器71に接続される。この分岐器71に低圧ガス管31の一端が接続され、低圧ガス管31の他端は分岐して分流ユニット6a〜6eの第2分流管64a〜64eに接続される。
室外機2a〜2cの閉鎖弁42a〜42cには液分管32a〜32cの一端がそれぞれ接続され、液分管32a〜32cの他端は全て分岐器72に接続される。この分岐器72に液管32の一端が接続され、液管32の他端は分岐してそれぞれ室内機8a〜8eの室内膨張弁82a〜82eに接続されている冷媒配管に接続される。
また、対応する室内機8a〜8eの室内熱交換器81a〜81eと、分流ユニット6a〜6eにおける第1分流管63a〜63eと第2分流管64a〜64eとの接続点が、それぞれ冷媒配管で接続される。
以上説明した接続によって、空気調和装置1の冷媒回路が構成され、冷媒回路に冷媒を流すことによって冷凍サイクルが成立する。
次に、本実施例における空気調和装置1の運転動作について、図1および図2を用いて説明する。尚、以下の説明では、室外機2a〜2cや室内機8a〜8eに備えられた各熱交換器が凝縮器となる場合はハッチングを付し、蒸発器となる場合は白抜きで図示する。また、室外機2a〜2cに備えられた補助膨張弁27a〜27cや、分流ユニット6a〜6eに備えられた電磁弁61a〜61eおよび電磁弁62a〜62eの開閉状態については、閉じている場合を黒塗りで、開いている場合を白抜きで図示する。また、矢印は冷媒の流れを示している。
まず、空気調和装置1が冷房主体運転を行っている場合について、図1を用いて説明する。図1に示すように、5台の室内機8a〜8eのうち、3台の室内機8a〜8cが冷房運転を行い、残りの室内機8d、8eが暖房運転を行っているときに、冷房運転を行っている3台の室内機8a〜8cで要求される能力全体が、暖房運転を行っている室内機8d、8eで要求される能力全体を上回る場合は、空気調和装置1は冷房主体運転となる。尚、以下の説明では、室内機8a〜8eで要求される運転能力が大きいため全ての室外機2a〜2cを運転する場合について説明する。
具体的には、室外機2aのCPU110aは、ポートaとポートbとが連通するよう、また、ポートcとポートdとが連通するように四方弁22aを切り換える。これにより、冷媒配管36aが室外機高圧ガス管33aに接続されて室外熱交換器23aが圧縮機21aの吐出側に接続され、室外熱交換器23aを凝縮器として機能するようにする。同様に、室外機2bのCPU110bは、ポートeとポートfとが連通するよう、また、ポートgとポートhとが連通するように四方弁22bを切り換えて、室外熱交換器23bを凝縮器として機能するようにし、室外機2cのCPU110cは、ポートjとポートkとが連通するよう、また、ポートmとポートnとが連通するように四方弁22cを切り換えて、室外熱交換器23cを凝縮器として機能するようにする。
冷房運転を行う室内機8a〜8cの制御部は、各々に対応する分流ユニット6a〜6cの電磁弁61a〜61cを閉じて第1分流管63a〜63cを遮断するとともに、電磁弁62a〜62cを開いて第2分流管64a〜64cを連通させる。これにより、室内機8a〜8cの室内熱交換器81a〜81cは蒸発器として機能するようになる。
一方、暖房運転を行う室内機8d、8eの制御部は、各々に対応する分流ユニット6d、6eの電磁弁61d、61eを開いて第1分流管63d、63eを連通させるとともに、電磁弁62d、62eを閉じて第2分流管64d、64eを遮断する。これにより、室内機8d、8eの室内熱交換器81d、81eは凝縮器として機能するようになる。
圧縮機21a〜21cから吐出された高圧の冷媒は、接続点A、E、Jで四方弁22a〜22c側と室外機高圧ガス管33a〜33c側へ分流する。四方弁22a〜22cを通過し冷媒配管36a〜36cを流れて室外熱交換器23a〜23cに流入した冷媒は外気と熱交換を行って凝縮する。室外熱交換器23a〜23cで凝縮した冷媒は、CPU110a〜110cにより、高圧センサ50a〜50cから取り込んだ圧縮機21a〜21cの吐出圧力と、中間圧センサ52a〜52cから取り込んだ液圧との差に応じた開度とされた室外膨張弁26a〜26cを通過して中間圧の冷媒となる。
室外膨張弁26a〜26cを通過した冷媒は、接続点B、F、Kで室外機液管35a〜35c側とバイパス管38a〜38c側とに分流する。バイパス管38a〜38cに流入した冷媒は、補助膨張弁27a〜27cを通過して低圧の冷媒となり、補充熱交換器24a〜24cを通過して接続点C、G、Mから室外機低圧ガス管34a〜34cに流入する。尚、補助膨張弁27a〜27cの開度は、CPU110a〜110cにより、出口温度センサ58a〜58cから取り込んだ冷媒温度と入口温度センサ57a〜57cから取り込んだ冷媒温度との差温に応じて制御される。
室外機液管35a〜35cを流れて補助熱交換器24a〜24cに流入した中間圧の冷媒は、バイパス管バイパス管38a〜38cを流れて補助熱交換器24a〜24cに流入した低圧の冷媒と熱交換を行って過冷却される。そして、補助熱交換器24a〜24cから流出した冷媒は、閉鎖弁42a〜42cを介して液分管32a〜32cを流れて分岐器72で合流し、液管32から室内機8a〜8cへ流入する。
室内機8a〜8cへ流入した冷媒は、室内膨張弁82a〜82cで減圧され低圧の冷媒となって室内熱交換器81a〜81cに流入する。室内熱交換器81a〜81cに流入した冷媒は、室内空気と熱交換を行って蒸発し、これにより室内機8a〜8cが設置された室内の冷房が行われる。尚、室内機8a〜8cの制御部は、冷媒温度センサ84a〜84cから取り込んだ冷媒温度および冷媒温度センサ85a〜85cから取り込んだ冷媒温度から、蒸発器である室内熱交換器81a〜81cでの冷媒過熱度を求め、これに応じて室内膨張弁82a〜82cの開度を決定している。
室内熱交換器81a〜81cから流出した冷媒は分流ユニット6a〜6cに流入し、開となっている第2電磁弁62a〜62cが備えられた第2分流管64a〜64cを流れて低圧ガス管31に流入する。分流ユニット6a〜6cから低圧ガス管31に流入した冷媒は分岐器71に流入し、分岐器71から低圧ガス分管31a〜31cに分流する。低圧ガス分管31a〜31cを流れて室外機2a〜2cに流入した冷媒は、室外機低圧ガス管34a〜34cからアキュムレータ25a〜25cを介して冷媒配管39a〜39cを流れて圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
一方、接続点A、E、Jから室外機高圧ガス管30a〜30cを流れ、閉鎖弁40a〜40cを介して高圧ガス分管30a〜30cに流入した高圧の冷媒は、分岐器70で合流して高圧ガス管30に流れ、高圧ガス管30から分流ユニット6d、6eに流入する。分流ユニット6d、6eに流入した冷媒は、開となっている第1電磁弁61d、61eが備えられた第1分流管63d、63eを流れて室内機8d、8eに流入する。室内機8d、8eに流入した冷媒は、室内熱交換器81d、81eに流入して室内空気と熱交換を行って凝縮し、これにより室内機8d、8eが設置された室内の暖房が行われる。室内熱交換器81d、81eから流出した冷媒は、室内膨張弁82d、82eを通過して減圧され中間圧の冷媒となる。
尚、室内機8d、8eの制御部は、冷媒温度センサ84d、84eから取り込んだ冷媒温度および室外機2から得た高圧飽和温度(例えば、高圧センサ50で検出した圧力から算出)から、凝縮器である室内熱交換器81d、81eでの冷媒過冷却度を求め、これに応じて室内膨張弁82d、82eの開度を決定している。
室内機8d、8eから流出した冷媒は、液管32に流入し、冷房運転を行っている室内機8a〜8cに流入する。
次に、空気調和装置1が暖房主体運転を行っている場合について、図2を用いて説明する。図2に示すように、5台の室内機8a〜8eのうち、3台の室内機8a〜8cが暖房運転を行い、残りの室内機8d、8eが冷房運転を行っているときに、暖房運転を行っている3台の室内機8a〜8cで要求される能力全体が、冷房運転を行っている室内機8d、8eで要求される能力全体を上回る場合は、空気調和装置1は暖房主体運転となる。尚、以下の説明では、室内機8a〜8eで要求される運転能力が大きいため全ての室外機2a〜2cを運転する場合について説明する。
具体的には、室外機2aのCPU110aは、ポートaとポートdとが連通するよう、また、ポートbとポートcとが連通するように四方弁22aを切り換える。これにより、冷媒配管36aが室外機低圧ガス管34aに接続されて室外熱交換器23aが圧縮機21aの吸入側に接続され、室外熱交換器23aを蒸発器として機能するようにする。同様に、室外機2bのCPU110bは、ポートeとポートhとが連通するよう、また、ポートfとポートgとが連通するように四方弁22bを切り換えて、室外熱交換器23bを蒸発器として機能するようにし、室外機2cのCPU110cは、ポートjとポートnとが連通するよう、また、ポートkとポートmとが連通するように四方弁22cを切り換えて、室外熱交換器23cを蒸発器として機能するようにする。
暖房運転を行う室内機8a〜8cの制御部は、各々に対応する分流ユニット6a〜6cの電磁弁61a〜61cを開いて第1分流管63a〜63eを連通させるとともに、電磁弁62a〜62cを閉じて第2分流管64a〜64cを遮断する。これにより、室内機8a〜8cの室内熱交換器81a〜81cは凝縮器として機能するようになる。
一方、冷房運転を行う室内機8d、8eの制御部は、各々に対応する分流ユニット6d、6eの電磁弁61d、61eを閉じて第1分流管63d、63eを遮断するとともに、電磁弁62d、62eを開いて第2分流管64d、64eを連通させる。これにより、室内機8d、8eの室内熱交換器81d、81eは蒸発器として機能するようになる。
圧縮機21a〜21cから吐出された高圧の冷媒は、室外機高圧ガス管33a〜33cを流れ、閉鎖弁40a〜40cを介して高圧ガス分管30a〜30cに流入する。高圧ガス分管30a〜30cに流入した冷媒は、分岐器70で合流して高圧ガス管30に流入し高圧ガス管30から分流ユニット6a〜6cに流入する。分流ユニット6a〜6cに流入した冷媒は、開となっている第1電磁弁61a〜61cが備えられた第1分流管63a〜63cを流れて分流ユニット6a〜6cから流出し、対応する室内機8a〜8cに流入する。
室内機8a〜8cに流入した冷媒は、室内熱交換器81a〜81cに流入して室内空気と熱交換を行って凝縮し、これにより室内機8a〜8cが設置された室内の暖房が行われる。室内熱交換器81a〜81cから流出した冷媒は、室内膨張弁82a〜82cを通過して減圧され中間圧の冷媒となる。尚、室内機8a〜8cの制御部は、液側温度センサ84a〜84cで検出した冷媒温度および室外機2から受信した高圧飽和温度から、凝縮器である室内熱交換器81a〜81cでの冷媒過冷却度を求め、これに応じて室内膨張弁82a〜82cの開度を決定している。
室内機8a〜8cから流出した冷媒は液管32に流入する。液管32に流入した冷媒は、一部が分岐器72に流入し、残りは液管32を流れて室内機8d,8eに流入する。分岐器72に流入した冷媒は、液分管32a〜32cに分流し、閉鎖弁42a〜42cを介して室外機2a〜2cに流入する。室外機2a〜2cに流入した冷媒は、室外機液管35a〜35cを流れて補助熱交換器24a〜24cを通過し室外膨張弁26a〜26cに流入する。尚、図2に示すように、本実施例における暖房主体運転では、補助膨張弁27a〜27cは全閉としているので、室外機液管35a〜35cを流れる冷媒は、接続点B、F、Kからバイパス管38a〜38cへは流れない。
室外膨張弁26a〜26cを通過する際に減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器23a〜23cに流入して外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23a〜23cから流出した冷媒は、四方弁22a〜22cを通過して冷媒配管37a〜37cに流入し、接続点D、H、Nから室外機低圧ガス管34a〜34cに流入する。室外機低圧ガス管34a〜34cに流入した冷媒は、アキュムレータ25a〜25cを介して冷媒配管39a〜39cを流れて圧縮機21a〜21cに吸入されて再び圧縮される。
一方、室内機8a〜8cから流出し液管32を流れて室内機8d,8eに流入した中間圧の冷媒は、室内膨張弁82d、82eで減圧されて低圧の冷媒となり室内熱交換器81d、81eに流入する。室内熱交換器81d、81eに流入した冷媒は、室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内機8d、8eが設置された室内の冷房が行われる。尚、室内機8d、8eの制御部は、液側温度センサ84d、84eで検出した冷媒温度およびガス側温度センサ85d、85eで検出した冷媒温度から、蒸発器である室内熱交換器81d、81eでの冷媒過熱度を求め、これに応じて室内膨張弁82d、82eの開度を決定している。
室内熱交換器81d、81eから流出した冷媒は、分流ユニット6d,6eに流入し、開となっている第2電磁弁62d,62eが備えられた第2分流管64d,64eを流れて低圧ガス管31に流入する。低圧ガス管31に流入した冷媒は分岐器71に流入し、分岐器71から低圧ガス分管31a〜31cに分流する。低圧ガス分管31a〜31cを流れて室外機2a〜2cに流入した冷媒は、室外機低圧ガス管34a〜34cからアキュムレータ25a〜25cを介して冷媒配管39a〜39cを流れて圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
次に、図1乃至図7を用いて、本実施例の空気調和装置1で実行される、圧縮機21a〜21cの吐出温度が上限値を超えないように行う吐出温度保護制御について、その原理や動作、効果について説明する。
制御部110a〜110cの記憶部120a〜120cには、図3に示す駆動制御項目テーブル200と、図4に示す冷房時吐出温度保護制御テーブル300と、図5に示す暖房時吐出温度保護制御テーブル400とが、予め記憶されている。
駆動制御項目テーブル200は、吐出温度保護制御を実行する際の具体的な制御(以下、駆動制御と記載する)の項目と、冷凍サイクルの状態毎の各駆動制御項目の実行/不実行を規定したものである。駆動制御は、液インジェクション制御、冷房機室内膨張弁制御、暖房機室内膨張弁制御、室外機膨張弁制御、圧縮機回転数制御、の5つの制御からなる。また、冷凍サイクルの状態は、室外熱交換器23a〜23cが、図1に示すように凝縮器として機能している場合を「冷房時」、室外熱交換器23a〜23cが、図2に示すように蒸発器として機能している場合を「暖房時」としている。
液インジェクション制御は、冷凍サイクルが「冷房時」/「暖房時」のいずれの状態であっても行うものである。この液インジェクション制御は、室外機2a〜2cの補助膨張弁27a〜27cの開度を所定の速度で徐々に大きくする制御である。補助膨張弁27a〜27cの開度を大きくすることによって、補助膨張弁27a〜27cを通過しバイパス管38a〜38cを流れて補助熱交換器24a〜24cに流入した冷媒を蒸発しきらなくなるようにする。これにより、乾き度の低い(湿り蒸気の状態の)冷媒が補助熱交換器24a〜24cから流出し、バイパス管38a〜38cおよび室外機低圧ガス管34a〜34cを流れて圧縮機21a〜21cに吸入されるので、圧縮機21a〜21cの吐出温度が低下する。尚、補助膨張弁27a〜27cとバイパス管38a〜38cと補助熱交換器24a〜24cとで、本発明の冷媒乾き度調整手段が構成される。
冷房機室内膨張弁制御は、冷凍サイクルが「冷房時」である状態、および、冷凍サイクルが「暖房時」である状態で冷房運転を行っている室内機が存在する場合(暖房主体運転時)に行うものである。この冷房機室内膨張弁制御は、冷房運転を行っている室内機、例えば、図1に示す室内機8a〜8cの室内膨張弁82a〜82cの開度を大きくする制御であり、室内機8a〜8cが通常の冷房運転を行っている際の室内熱交換器82a〜82cにおける目標過熱度より所定値(例えば、5℃)低い過熱度となるように、室内膨張弁82a〜82cの開度を大きくする。室内膨張弁82a〜82cの開度を大きくすることによって、室内機8a〜8cから低圧ガス管31に乾き度の低い冷媒が流出し、分岐器71、低圧ガス分管31a〜31cを介して室外機低圧ガス管34a〜34cを流れ圧縮機21a〜21cに吸入される。これにより、圧縮機21a〜21cの吐出温度が低下する。尚、冷房機室内膨張弁制御は、冷凍サイクルが「暖房時」であって、全ての室内機8a〜8eが暖房運転を行っているときは、冷房室内機が存在しないため実行しない。
暖房機室内膨張弁制御は、冷凍サイクルの状態が「暖房時」に行うものである。この暖房機室内膨張弁制御は、暖房運転を行っている室内機、例えば、図2に示す室内機8a〜8cの室内膨張弁82a〜82cの開度を大きくする制御であり、室内機8a〜8cが通常の暖房運転を行っている際の室内熱交換器81a〜81cにおける目標過冷却度より所定値(例えば、5℃)高い過冷却度となるように、室内膨張弁82a〜82cの開度を大きくする。室内膨張弁82a〜82cの開度を大きくすることによって、液管32を流れる冷媒の圧力を上昇させることができ、液管32を流れる冷媒の圧力と低圧ガス管31を流れる冷媒の圧力との圧力差を確保できる。
室外膨張弁制御は、冷凍サイクルの状態が「暖房時」に行うものである。この室外膨張弁制御は、室外機2a〜2cの室外膨張弁26a〜26cの開度を所定の速度で徐々に大きくする制御である。室外膨張弁26a〜26cの開度を大きくすることによって、室外膨張弁26a〜26cを通過する冷媒量が増加し、室外熱交換器23a〜23cや四方弁22a〜22cを介して圧縮機21a〜21cに乾き度の低い冷媒が吸入される。これにより、圧縮機21a〜21cの吐出温度が低下する。
圧縮機回転数制御は、冷凍サイクルが「冷房時」/「暖房時」のいずれの状態であっても行うものである。この圧縮機回転数制御は、室外機2a〜2cに備えられた図示しないインバータ回路により、圧縮機21a〜21cの回転数を所定の割合で下げるものであり、例えば、圧縮機21a〜21cに備えられた図示しないモータに供給する駆動パルスの周波数を、30秒毎に6Hz低下させることによって制御する。これにより、圧縮機21a〜21cの吐出温度が低下する。尚、圧縮機21a〜21cの回転数が、圧縮機21a〜21cの使用範囲(圧縮機21a〜21cを支障なく運転できる回転数範囲)の下限値、例えば、20Hzまで低下すれば圧縮機回転数制御を停止し、下限値である回転数に維持して圧縮機21a〜21cの運転を継続する。
尚、以上説明した各駆動制御のうち、液インジェクション制御と室外機膨張弁制御と圧縮機回転数制御とは、室外機2a〜2cの制御部100a〜110cが実行する。また、冷房機室内膨張弁制御および暖房機室内膨張弁制御は、室外機2a〜2cの制御部100a〜110cからの指示により各室内機8a〜8eの制御部が実行する。
以上説明した各駆動制御を、圧縮機21a〜21cの吐出温度を予め所定の温度幅で定めた吐出温度領域に対応させたのが、図4に示す冷房時吐出温度保護制御テーブル300と、図5に示す暖房時吐出温度保護制御テーブル400である。次に、各保護制御テーブルの説明と、各保護制御テーブルを用いて吐出温度保護制御を行う際の具体的な動作について説明する。まずは、冷房時吐出温度保護制御テーブル300について説明し、冷房時の吐出温度保護制御を行う際の具体的な動作について説明する。
冷房時吐出温度保護制御テーブル300は、冷凍サイクルの状態が「冷房時」であるときの吐出温度保護制御を実行する際の制御態様を示している。図4に示すように、冷房時吐出温度保護制御テーブル300では、駆動制御のハンチング防止のために、圧縮機21a〜21cの吐出温度が上昇しているときと下降しているときで吐出温度領域を異ならせている。
具体的には、吐出温度上昇時については、吐出温度が保護制御開始温度である95℃以上100℃未満の吐出温度領域には液インジェクション制御、100℃以上105℃未満の吐出温度領域には冷房機室内膨張弁制御が各々定められている。また、105℃以上の吐出温度領域には圧縮機回転数制御が定められている。
吐出温度下降時については、吐出温度が保護制御終了温度である90℃以上95℃未満の吐出温度領域には液インジェクション制御、95℃以上100℃未満の吐出温度領域には冷房機室内膨張弁制御が各々定められている。また、100℃以上の吐出温度領域には圧縮機回転数制御が定められている。
また、吐出温度が、吐出温度上昇時では95℃未満、吐出温度下降時では90℃未満である場合は、吐出温度保護制御は行わず、通常の空調運転に関する制御(以下、通常制御と記載)を行う。また、吐出温度が、吐出温度上昇時/吐出温度下降時いずれにも関わらず停止温度である115℃以上である場合は、運転している圧縮機を停止する圧縮機停止制御を行う。尚、停止温度は予め定められている温度であり、圧縮機の吐出温度の上限値(例えば、本実施例では120℃)から所定温度(本実施例では5℃)低い温度とされている。
次に、空気調和装置1が冷凍サイクルの状態を「冷房時」として、つまり、室外熱交換器23a〜23cが凝縮器として機能している状態で空調運転を行っているときに、室外機2a〜2cが冷房時吐出温度保護制御テーブル300を参照して各々の圧縮機21a〜21cの吐出温度保護制御を行う場合の具体的な動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図6に示すフローチャートは、空気調和装置1が冷凍サイクルの状態を「冷房時」として空調運転を行っているときに、室外機2a〜2cのCPU110a〜110cが実行する吐出温度保護制御に関する処理の流れを示すものであり、STはステップを表しこれに続く数字はステップ番号を表している。尚、図6では本発明に関わる処理を中心に説明しており、例えば、使用者の指示した設定温度や風量等の運転条件に対応した冷媒回路の制御といった、空調運転に関わる一般的な処理の流れについては説明を省略する。
空気調和装置1が冷凍サイクルの状態を「冷房時」として空調運転を行っているとき、例えば、図1に示す冷媒回路の状態で冷房主体運転を行っているとき、CPU110a〜110cは、吐出温度センサ53a〜53cが検出した圧縮機21a〜21cの吐出温度を取り込む(ST1)。CPU110a〜110cは、圧縮機21a〜21cの吐出温度を定期的(例えば1秒毎)に取り込んで記憶部120a〜120cに記憶している。
次に、CPU110a〜110cは、冷房時吐出温度保護制御テーブル300を参照し、取り込んだ現在の吐出温度に応じた制御を実行する。CPU110a〜110cは、取り込んだ吐出温度が保護制御開始温度である95℃以上であるか否かを判断し(ST2)、取り込んだ吐出温度が95℃未満であれば(ST2−No)、室外機2a〜2cの通常制御を行う(ST13)。そして、CPU110a〜110cは、ST1に処理を戻す。取り込んだ吐出温度が95℃以上であれば、CPU110a〜110cは、通常制御を実行しながら液インジェクション制御を実行する(ST3)。
次に、CPU110a〜110cは、通常制御と液インジェクション制御とを実行しているときの吐出温度が90℃未満となったか否かを判断する(ST4)。通常制御と液インジェクション制御とを実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が90℃未満となれば(ST4−Yes)、CPU110a〜110cは、液インジェクション制御を停止して(ST14)通常制御のみを実行する状態とし、ST1に処理を戻す。尚、液インジェクション制御では、前述したように補助膨張弁27a〜27cの開度を徐々に大きくするが、吐出温度が90℃未満とならない限りは、補助膨張弁27a〜27cが最大開度となるまで開度を大きくする。
吐出温度が90℃未満となっていなければ(ST4−No)、CPU110a〜110cは、通常制御と液インジェクション制御とを実行しているときの吐出温度が100℃以上となったか否かを判断する(ST5)。吐出温度が100℃以上となっていなければ(ST5−No)、CPU110a〜110cは、ST1に処理を戻す。
通常制御と液インジェクション制御を実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が100℃以上となった場合は(ST5−Yes)、CPU110a〜110cは通常制御、液インジェクション制御に加えて冷房機室内膨張弁制御を実行する(ST6)。具体的には、CPU110a〜110cは、通信部130a〜130cを介して、冷房運転を行っている室内機8a〜8cに対し室内膨張弁82a〜82cの開度制御を行うよう指示する。
前述したように、液インジェクション制御は補助膨張弁27a〜27cの開度を所定の速度で徐々に大きくする制御であり、冷房機室内膨張弁制御は冷房運転を行っている室内機の室内膨張弁の開度を大きくする制御である。液インジェクション制御や冷房機室内膨張弁制御を実行すれば、液管32を流れる冷媒の圧力と低圧ガス管31を流れる冷媒の圧力との圧力差が小さくなって冷房運転を行っている室内機8a〜8cの運転能力が低下する虞があるが、液管32を流れる冷媒の圧力と低圧ガス管31を流れる冷媒の圧力との圧力差は確保できるように室外膨張弁26a〜26cの開度を制御することによって、冷房運転を行っている室内機8a〜8cの運転能力に与える影響を抑えることができる。
このように、液インジェクション制御や冷房機室内膨張弁制御を行っても、運転能力に与える影響を抑えつつ圧縮機21a〜21cの吐出温度を下げることができるので、図4に示すように、圧縮機回転数制御を実行する吐出温度領域(105℃以上115℃未満)より低い吐出温度領域で、液インジェクション制御や冷房機室内膨張弁制御を実行している。尚、液インジェクション制御を冷房機室内膨張弁制御より先に実行するのは、液インジェクション制御では冷媒がバイパス管38a〜38cから室外機低圧ガス管34a〜34cに流れるので、冷房機室内膨張弁制御を行う場合のように、冷媒が各冷房室内機を回流して室外機低圧ガス管34a〜34cに流入する場合と比べて、より早く圧縮機21a〜21cに乾き度の低い冷媒を吸入させることができ、吐出温度を低下させることに関して即効性が期待できるためである。
次に、CPU110a〜110cは、通常制御と液インジェクション制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行しているときの吐出温度が95℃未満となったか否かを判断する(ST7)。通常制御と液インジェクション制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が95℃未満となれば(ST7−Yes)、CPU110a〜110cは、冷房機室内膨張弁制御を停止して(ST15)ST3に処理を戻し(図6における結合子P)、通常制御と液インジェクション制御とを継続する。
吐出温度が95℃未満となっていなければ(ST7−No)、CPU110a〜110cは、通常制御と液インジェクション制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行しているときの吐出温度が105℃以上となったか否かを判断する(ST8)。吐出温度が105℃以上となっていなければ(ST8−No)、CPU110a〜110cは、ST1に処理を戻す。
通常制御と液インジェクション制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行したにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が105℃以上となった場合は(ST8−Yes)、CPU110a〜110cは、通常制御と液インジェクション制御と冷房機室内膨張弁制御とに加えて圧縮機回転数制御を実行する(ST9)。
次に、CPU110a〜110cは、通常制御、液インジェクション制御、冷房機室内膨張弁制御および圧縮機回転数制御を実行しているときの吐出温度が100℃未満となったか否かを判断する(ST10)。通常制御、液インジェクション制御、冷房機室内膨張弁制御および圧縮機回転数制御を実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が100℃未満となれば(ST10−Yes)、CPU110a〜110cは、圧縮機回転数制御を停止して(ST16)ST6に処理を戻し(図6における結合子Q)、通常制御と冷房機室内膨張弁制御と液インジェクション制御とを継続する。
吐出温度が100℃未満となっていなければ(ST10−No)、CPU110a〜110cは、通常制御、液インジェクション制御、冷房機室内膨張弁制御および圧縮機回転数制御とを実行しているときの吐出温度が115℃以上なったか否かを判断する(ST11)。吐出温度が115℃以上なっていなければ(ST11−No)、CPU110a〜110cは、ST1に処理を戻す。
通常制御、液インジェクション制御、冷房機室内膨張弁制御および圧縮機回転数制御を実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が115℃以上となった場合は(ST11−Yes)、CPU110a〜110cは、圧縮機21a〜21cを停止する圧縮機停止制御を行う(ST12)。そして、CPU110a〜110cは、吐出温度保護制御を終了する。
次に、暖房時吐出温度保護制御テーブル400について説明し、暖房時の吐出温度保護制御を行う際の具体的な動作について説明する。
暖房時吐出温度保護制御テーブル400は、冷凍サイクルの状態が「暖房時」であるときの吐出温度保護制御を実行する際の制御態様を示している。図5に示すように、暖房時吐出温度保護制御テーブル400についても、冷房時吐出温度保護制御テーブル300と同様、駆動制御のハンチング防止のために、圧縮機21a〜21cの吐出温度が上昇しているときと下降しているときで吐出温度領域を異ならせている。尚、冷凍サイクルの状態が「暖房時」は、「冷房時」であるときと比べて吐出温度が上昇し易いため、保護制御開始温度を、冷房時吐出温度保護制御テーブル300における保護制御開始温度である95℃より低い90℃と設定することで、より低い吐出温度から吐出温度保護制御を実施して吐出温度の上昇を効果的に抑制する。
具体的には、吐出温度上昇時については、吐出温度が保護制御開始温度である90℃以上95℃未満の吐出温度領域には暖房機室内膨張弁制御、95℃以上100℃未満の吐出温度領域には冷房機室内膨張弁制御、100℃以上102℃未満の吐出温度領域には室外膨張弁制御、102℃以上105℃未満の吐出温度領域には液インジェクション制御が各々定められている。また、105℃以上の吐出温度領域には圧縮機回転数制御が定められている。
吐出温度下降時については、吐出温度が保護制御終了温度である85℃以上90℃未満の吐出温度領域には暖房機室内膨張弁制御、90℃以上95℃未満の吐出温度領域には冷房機室内膨張弁制御、95℃以上97℃未満の吐出温度領域には室外膨張弁制御、97℃以上100℃未満の吐出温度領域には液インジェクション制御が各々定められている。また、100℃以上の吐出温度領域には圧縮機回転数制御が定められている。
また、吐出温度が、吐出温度上昇時では90℃未満、吐出温度下降時では85℃未満である場合は、吐出温度保護制御は行わず、通常の空調運転に関する制御(通常制御)を行う。また、吐出温度が、吐出温度上昇時/吐出温度下降時いずれにも関わらず停止温度である115℃以上である場合は、冷房時吐出温度保護制御テーブル300と同様に、運転している圧縮機を停止する圧縮機停止制御を行う。
次に、空気調和装置1が冷凍サイクルの状態を「暖房時」として、つまり、室外熱交換器23a〜23cが蒸発器として機能している状態で空調運転を行っているときに、室外機2a〜2cが暖房時吐出温度保護制御テーブル400を参照して各々の圧縮機21a〜21cの吐出温度保護制御を行う場合の具体的な動作について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図7に示すフローチャートは、空気調和装置1が冷凍サイクルの状態を「暖房時」として空調運転を行っているときに、室外機2a〜2cのCPU110a〜110cが実行する吐出温度保護制御に関する処理の流れを示すものであり、STはステップを表しこれに続く数字はステップ番号を表している。尚、図6を用いて説明した場合と同様に、図7では本発明に関わる処理を中心に説明しており、空調運転に関わる一般的な処理の流れについては説明を省略する。
空気調和装置1が冷凍サイクルを「暖房時」として空調運転を行っているとき、例えば、図2に示す冷媒回路の状態で暖房主体運転を行っているとき、CPU110a〜110cは、吐出温度センサ53a〜53cが検出した圧縮機21a〜21cの吐出温度を取り込む(ST21)。前述した冷房主体運転時と同様に、CPU110a〜110cは、圧縮機21a〜21cの吐出温度を定期的に取り込んで記憶部120a〜120cに記憶している。
次に、CPU110a〜110cは、暖房時吐出温度保護制御テーブル400を参照し、取り込んだ現在の吐出温度に応じた制御を実行する。CPU110a〜110cは、取り込んだ吐出温度が保護制御開始温度である90℃以上であるか否かを判断し(ST22)、取り込んだ吐出温度が90℃未満であれば(ST22−No)、室外機2a〜2cの通常制御を行う(ST39)。そして、CPU110a〜110cは、ST21に処理を戻す。取り込んだ吐出温度が90℃以上であれば(ST22−Yes)、CPU110a〜110cは、通常制御を実行しながら暖房機室内膨張弁制御を実行する(ST23)。具体的には、CPU110a〜110cは、通信部130a〜130cを介して、暖房運転を行っている室内機8a〜8cに対し室内膨張弁82a〜82cの開度制御を行うよう指示する。
次に、CPU110a〜110cは、通常制御と暖房機室内膨張弁制御とを実行しているときの吐出温度が85℃未満となったか否かを判断する(ST24)。通常制御と暖房機室内膨張弁制御とを実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が85℃未満となれば(ST24−Yes)、CPU110a〜110cは、暖房機室内膨張弁制御を停止して(ST40)通常制御のみを実行する状態とし、ST21に処理を戻す。
吐出温度が85℃未満となっていなければ(ST24−No)、CPU110a〜110cは、通常制御と暖房機室内膨張弁制御を実行しているときの吐出温度が95℃以上となったか否かを判断する(ST25)。吐出温度が95℃以上となっていなければ(ST25−No)、CPU110a〜110cは、ST21に処理を戻す。
通常制御と暖房機室内膨張弁制御を実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が95℃以上となった場合は(ST25−Yes)、CPU110a〜110cは、通常制御、暖房機室内膨張弁制御に加えて冷房機室内膨張弁制御を実行する(ST26)。具体的には、CPU110a〜110cは、通信部130a〜130cを介して、冷房運転を行っている室内機8d、8eに対し室内膨張弁82d、82eの開度制御を行うよう指示する。
次に、CPU110a〜110cは、通常制御と暖房機室内膨張弁制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行しているときの吐出温度が90℃未満となったか否かを判断する(ST27)。通常制御と暖房機室内膨張弁制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が90℃未満となれば(ST27―Yes)、CPU110a〜110cは、冷房機室内膨張弁制御を停止して(ST41)ST23に処理を戻し(図7における結合子R)、通常制御と暖房機室内膨張弁制御とを継続する。
吐出温度が90℃未満となっていなければ(ST27―No)、CPU110a〜110cは、通常制御と暖房機室内膨張弁制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行しているときの吐出温度が100℃以上となったか否かを判断する(ST28)。吐出温度が100℃以上となっていなければ(ST28―No)、CPU110a〜110cは、ST21に処理を戻す。
通常制御と暖房機室内膨張弁制御と冷房機室内膨張弁制御とを実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が100℃以上となった場合は(ST28−Yes)、CPU110a〜110cは、通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御に加えて室外膨張弁制御を実行する(ST29)。
前述したように、暖房機室内膨張弁制御は暖房運転を行っている室内機の室内膨張弁(図2においては、室内膨張弁82a〜82c)の開度を大きくする制御であり、冷房機室内膨張弁制御は冷房運転を行っている室内機の室内膨張弁(図2においては、室内膨張弁82d、82e)の開度を大きくする制御であり、室外膨張弁制御は室外機2a〜2cの室外膨張弁26a〜26cの開度を所定の割合で大きくするものである。
図5の暖房時吐出温度保護制御テーブル400に示すように、暖房機室内膨張弁制御は一番低い吐出温度領域で実行している。冷房機室内膨張弁制御や室外膨張弁制御を実行すれば、液管32を流れる冷媒の圧力と低圧ガス管31を流れる冷媒の圧力との圧力差が小さくなって、冷房運転を行っている室内機8d,8eの運転能力が低下する虞がある。従って、冷房機室内膨張弁制御や室外膨張弁制御を実行しても液管32を流れる冷媒の圧力と低圧ガス管31を流れる冷媒の圧力との圧力差を確保できるよう、冷房機室内膨張弁制御や室外膨張弁制御より先に暖房機室内膨張弁制御を実施して液管32を流れる冷媒の圧力を上昇させておくことで、冷房運転を行っている室内機8d,8eの運転能力に与える影響をできる限り低減できる。
また、室外膨張弁制御を実行すれば、暖房運転を行っている室内機8a〜8cから液管32に流れる冷媒量が多くなって冷房運転を行っている室内機8d、8eに流入する冷媒量が減少し、室内機8d,8eの運転能力が低下する虞があるため、室外膨張弁制御を実行する吐出温度領域より低い吐出温度領域で冷房機室内膨張弁制御を先に行うようにして、冷房運転を行っている室内機8d,8eの運転能力に与える影響をできる限り低減するようにしている。尚、室内機8a〜8eが全て暖房運転を行っている場合は、冷房機膨張弁制御は実行できないので、吐出温度が室外膨張弁制御を実行する吐出温度領域に入るまでは、暖房機室内膨張弁制御のみを実行する。
次に、CPU110a〜110cは、通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御および室外膨張弁制御を実行しているときの吐出温度が95℃未満となったか否かを判断する(ST30)。通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御および室外膨張弁制御を実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が95℃未満となれば(ST30−Yes)、CPU110a〜110cは、室外膨張弁制御を停止して(ST42)ST26に処理を戻し(図7における結合子S)、通常制御と暖房機室内膨張弁制御と冷房機室内膨張弁制御とを継続する。尚、室外膨張弁制御では、前述したように室外膨張弁26a〜26cの開度を徐々に大きくするが、吐出温度が95℃未満とならない限りは、室外膨張弁26a〜26cが最大開度となるまで開度を大きくする。
吐出温度が95℃未満となっていなければ(ST30−No)、CPU110a〜110cは、通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御および室外膨張弁制御を実行しているときの吐出温度が102℃以上となったか否かを判断する(ST31)。吐出温度が102℃以上となっていなければ(ST31―No)、CPU110a〜110cは、ST21に処理を戻す。
通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御および室外膨張弁制御を実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が102℃以上となった場合は(ST31−Yes)、CPU110a〜110cは通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御、室外膨張弁制御に加えて液インジェクション制御を実行する(ST32)。
液インジェクション制御を実行すれば、液冷媒がバイパス管38a〜38cから室外機低圧ガス管34a〜34cを流れて圧縮機21a〜21cに吸入される、所謂液バックが発生する可能性が高くなるため、液インジェクション制御を実行する吐出温度領域より低い吐出温度領域で室外膨張弁制御を先に行うようにしている。尚、この液インジェクション制御は、図4および図5に示すように、冷房時の吐出温度保護制御を行う場合と暖房時の吐出温度保護制御を行う場合とで実行する吐出温度領域が異なり、冷房時では他の駆動制御より先に液インジェクション制御を行っている。これは、前述したように、冷房時の冷媒回路において液インジェクション制御を行えば、吐出温度を低下させることに関して即効性が期待できるためである。
次に、CPU110a〜110cは、液インジェクション制御までの全ての駆動制御を実行しているときの吐出温度が97℃未満となったか否かを判断する(ST33)。吐出温度が97℃未満となれば(ST33−Yes)、CPU110a〜110cは、液インジェクション制御を停止して(ST43)ST29に処理を戻し(図7における結合子T)、通常制御、暖房機室内膨張弁制御、冷房機室内膨張弁制御および室外膨張弁制御を継続する。尚、液インジェクション制御では、前述したように補助膨張弁27a〜27cの開度を徐々に大きくするが、吐出温度が97℃未満とならない限りは、補助膨張弁27a〜27cが最大開度となるまで開度を大きくする。
吐出温度が97℃未満となっていなければ(ST33−No)、CPU110a〜110cは、液インジェクション制御までの全ての駆動制御を実行しているときの吐出温度が105℃以上となったか否かを判断する(ST34)。吐出温度が105℃以上となっていなければ(ST34−No)、CPU110a〜110cは、ST21に処理を戻す。
液インジェクション制御までの全ての駆動制御を実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が105℃以上となった場合は(ST34−Yes)、CPU110a〜110cは、液インジェクション制御までの全ての駆動制御に加えて圧縮機回転数制御を実行する(ST35)。
次に、CPU110a〜110cは、圧縮機回転数制御までの全ての駆動制御を実行しているときの吐出温度が100℃未満となったか否かを判断する(ST36)。圧縮機回転数制御までの全ての駆動制御を実行したことにより吐出温度が下降に転じ、吐出温度が100℃未満となれば(ST36−Yes)、CPU110a〜110cは、圧縮機回転数制御を停止して(ST44)ST32に処理を戻し(図7における結合子U)、液インジェクション制御までの全ての駆動制御を継続する。
吐出温度が100℃未満となっていなければ(ST36−No)、CPU110a〜110cは、圧縮機回転数制御までの全ての駆動制御を実行しているときの吐出温度が115℃以上となったか否かを判断する(ST37)。吐出温度が115℃以上なっていなければ(ST37−No)、CPU110a〜110cは、ST21に処理を戻す。
圧縮機回転数制御までの全ての駆動制御を実行しているにも関わらず吐出温度が上昇を続け、吐出温度が115℃以上となった場合は(ST37−Yes)、CPU110a〜110cは、圧縮機21a〜21cを停止する圧縮機停止制御を行う(ST38)。そして、CPU110a〜110cは、吐出温度保護制御を終了する。
以上説明したように、本発明の空気調和装置は、室外熱交換器を凝縮器として機能させる場合と室外熱交換器を蒸発器として機能させる場合とで、保護制御開始温度や吐出温度領域の領域数や吐出温度領域に対応する駆動制御を異ならせて吐出温度保護制御を実行する。これにより、室外熱交換器が担う機能に応じた最適な圧縮機の吐出温度保護を行うことができ、かつ、空気調和装置の冷凍サイクルの運転能力の低下をできる限り抑えることができる。