JP2013170427A - モルタルゲート及びモルタルゲートの製造方法 - Google Patents

モルタルゲート及びモルタルゲートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水門設備の水門を開閉する扉体として使用するモルタルゲート及びこのモルタルゲートの製造方法を提供する。
【解決手段】板状に成形したモルタルを剛性枠2と炭素繊維シート3で被覆してモルタルゲート1を形成した。また、このモルタルゲート1は、矩形状の剛性枠2の内側に袋状の炭素繊維シート3を敷設して、その後、袋状の炭素繊維シート3内に未硬化状態のモルタルを充填し、その後、未硬化状態のモルタルを硬化させて、硬化して板状に成形したモルタルを剛性枠2と袋状の炭素繊維シート3で被覆するように成形する工程で製造した。その結果、モルタルの製作途中に発生する乾燥収縮による微細クラックを起因とする凍結融解などを阻止し、さらにモルタル内に補強筋を配筋することなく強度を向上させたモルタルゲート及びこのモルタルゲートの製造方法を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、モルタルゲートに関するものであり、特に、水路、河川、ダムなどに設置される水門設備の水門を開閉する扉体として使用するモルタルゲートに関するものである。
従来、河川に通じる水路などに設置した水門設備の水門を開閉する扉体として、木製の扉体を使用することが特許文献1に、また、アルミ金属製の扉体を使用することが特許文献2に開示されている。
また、河川に通じる水路などに設置した水門設備の水門を開閉する扉体として、モルタル製の扉体を使用することが特許文献3に開示されている。
さらに、水門設備の水門を開閉する扉体に関連するものではないが、所定の形状のコンクリート製またはモルタル製の構造材を成形するために、有機合成繊維や炭素繊維などによって形成された不織布または織布若しくは合成樹脂製袋体を使用することが特許文献4及び特許文献5に開示されている。
特開平9−13349号公報 特開平10−325132号公報 登録実用新案第3170777号公報 特開平6−238812号公報 特開2000−240146号公報
従来の水門設備の水門を開閉する扉体として、特許文献1には、耐用年数の長いボンゴシと呼ばれる木材を用いて水門の扉を構築することが開示されているが、耐久性などの点でさらなる改善の余地が残されている。また、従来の水門設備の水門を開閉する扉体として、特許文献2には、アルミ金属製の扉を利用することが開示されているが、重量やコストなどの点でさらに改善する余地が残されている。さらに、従来の水門設備の水門を開閉する扉体として、特許文献3には、モルタル製の扉体が開示されているが、モルタルを補強するFRP製補強筋などの補強部材を必要とするため、さらに改善する余地が残されている。
一方、特許文献4及び特許文献5には、有機合成繊維や炭素繊維などによって形成された不織布または織布若しくは合成樹脂製袋体を使用して、モルタル製やコンクリート製の構造材を成形することが開示されているが、特許文献4及び特許文献5に開示されたモルタル製やコンクリート製の構造物は、一般的な構造物や建築物に使用されるものであり、従来の水門設備の水門を開閉する扉体として使用するためには、水門特有の問題点として止水性能を阻害する要因となるモルタルやコンクリートの製作途中に発生する乾燥収縮による微細クラックを起因とする凍結融解などを阻止する必要があるなど、改善する余地が残されている。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、従来の水門設備の水門を開閉する扉体として、さらに改良したモルタルゲートを提供することを解決しようとする第1の課題とするものである。
また、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、従来の水門設備の水門を開閉する扉体として、さらに改良したモルタルゲートの製造方法を提供することを解決しようとする第2の課題とするものである。
そして、上述した第1の課題を解決するために、請求項1のモルタルゲートに係る発明は、板状に成形したモルタルを剛性枠と炭素繊維シートで被覆して形成して、モルタルの乾燥収縮による微細クラックを覆うと共に凍結融解を防止するようにしたことを特徴とする。
また、上述した第1の課題を解決するために、請求項2のモルタルゲートに係る発明は、請求項1の発明において、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に複数の突起を備えており、炭素繊維シートを、複数の突起を介してモルタルに付着させたことを特徴とする。
さらに、上述した第1の課題を解決するために、請求項3のモルタルゲートに係る発明は、請求項1の発明において、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に網目状に形成された細孔を備えており、炭素繊維シートを、細孔に塗布した接着剤を介してモルタルに接着させたことを特徴とする。
さらにまた、上述した第1の課題を解決するために、請求項4のモルタルゲートに係る発明は、請求項1から3のいずれか1項の発明において、モルタルゲートは水門設備の水門を開閉する扉体として利用されることを特徴とする。
そして、上述した第2の課題を解決するために、請求項5のモルタルゲートの製造方法に係る発明は、矩形状の剛性枠の内側に袋状の炭素繊維シートを敷設し、次に、袋状の炭素繊維シート内に未硬化状態のモルタルを充填し、その後、未硬化状態のモルタルを硬化させて、硬化して板状に成形されたモルタルを剛性枠と袋状の炭素繊維シートで被覆するように成形することを特徴とする。
また、上述した第2の課題を解決するために、請求項6のモルタルゲートの製造方法に係る発明は、請求項5の発明において、炭素繊維シートに開口部を形成して、この開口部から未硬化状態のモルタルを炭素繊維シート内に充填して、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、開口部を炭素繊維シートで閉鎖して、開口部を閉鎖した炭素繊維シートを、接着剤を介して硬化したモルタルに接着させることを特徴とする。
さらに、上述した第2の課題を解決するために、請求項7のモルタルゲートの製造方法に係る発明は、請求項5または6の発明において、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に複数の突起を備えており、これらの複数の突起を未硬化状態のモルタルに埋設させて、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、炭素繊維シートを、複数の突起を介して硬化したモルタルに付着させることを特徴とする。
さらにまた、上述した第2の課題を解決するために、請求項8のモルタルゲートの製造方法に係る発明は、請求項5または6の発明において、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に網目状に形成された細孔を備えており、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、細孔に接着剤を塗布して、炭素繊維シートを、接着剤を介して硬化したモルタルに接着させることを特徴とする。
本発明に係るモルタルゲートは、基本的には上述したように構成されるが、モルタルを板状に成形する場合、平板の形状に成形するだけでなく、水門設備の形態に併せて、湾曲させた曲面板の形状に成形することもできる。この場合には、曲面板の形状に成形したモルタルに合わせて、剛性枠の形状も変更される。また、剛性枠としては、鋼材やエンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂材を使用することができる。さらに、曲面板の形状のモルタルゲートを製造する際には、剛性枠の形状に合わせて炭素繊維シートの形状も変更される。さらにまた、モルタルゲートを着色することにより、水門が設置される景観に簡単にマッチさせることができる。
また、本発明に係るモルタルゲートを構成するモルタルに混合する骨材として、人工軽量骨材や天然軽量骨材などの軽量骨材を使用して、モルタルゲートの軽量化を図ることができる。さらに、本発明に係るモルタルゲートを構成するモルタルとして、EPSモルタルを使用することができる。これらの場合でも、モルタルゲートを平板の形状または曲面板の形状に成形することができる。さらに、本発明に係るモルタルゲートを構成するモルタルとしてEPSモルタルを使用する場合には、EPSモルタルに混合する骨材として、人工軽量骨材や天然軽量骨材などの軽量骨材を使用することにより、モルタルゲートのさらなる軽量化を図ることが可能となる。
請求項1に記載された発明によれば、板状に成形したモルタルを剛性枠と炭素繊維シートで被覆してモルタルゲートを形成して、モルタルの乾燥収縮による微細クラックを覆うと共に凍結融解を防止するようにしたので、水門特有の問題点として止水性能を阻害する要因となるモルタルの製作途中に発生する乾燥収縮による微細クラックを起因とする凍結融解などを阻止し、さらにモルタル内に補強筋を配筋するか、或いは、モルタル内に別途補強材を配置することなく、強度を向上させたモルタルゲートを提供することが可能となる。
請求項2に記載された発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に複数の突起を備えており、炭素繊維シートを、複数の突起を介してモルタルに付着させたので、モルタルと炭素繊維シートとの付着力を向上させて、さらに簡単に補強することが可能なモルタルゲートを提供することができる。
請求項3に記載された発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に網目状に形成された細孔を備えており、炭素繊維シートを、細孔に塗布した接着剤を介してモルタルに接着させたので、モルタルと炭素繊維シートとの接着力を向上させて、さらに簡単に補強することが可能なモルタルゲートを提供することができる。
請求項4に記載された発明によれば、請求項1から3のいずれか1項の発明の効果に加えて、従来の水門設備の水門を開閉する扉体として、軽量化されると共に補強され、かつ、景観に配慮すると共に可視化のために簡単に着色することができるモルタルゲートを利用することが可能となる。
請求項5に記載された発明によれば、矩形状の剛性枠の内側に袋状の炭素繊維シートを敷設し、次に、袋状の炭素繊維シート内に未硬化状態のモルタルを充填し、その後、未硬化状態のモルタルを硬化させて、硬化して板状に成形されたモルタルを剛性枠と袋状の炭素繊維シートで被覆するように成形するという簡単な製造工程により、水門特有の問題点として止水性能を阻害する要因となるモルタルの製作途中に発生する乾燥収縮による微細クラックを起因とする凍結融解などを阻止し、さらに強度を向上させたモルタルゲートを製造することが可能となる。また、本項に記載された発明によれば、緊急災害時など、完成品としてのモルタルゲートを現場に搬入することが困難な場合でも、必要とする資材を現場に搬入して、現場で簡単にモルタルゲートを製造することが可能となる。
請求項6に記載された発明によれば、請求項5の発明の効果に加えて、炭素繊維シートに開口部を形成して、この開口部から未硬化状態のモルタルを炭素繊維シート内に充填して、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、開口部を炭素繊維シートで閉鎖して、開口部を閉鎖した炭素繊維シートを、接着剤を介して硬化したモルタルに接着させるという簡単な製造工程により、強度を向上させたモルタルゲートを製造することが可能となる。
請求項7に記載された発明によれば、請求項5または6の発明の効果に加えて、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に複数の突起を備えており、該複数の突起を未硬化状態のモルタルに埋設させて、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、炭素繊維シートを、複数の突起を介して硬化したモルタルに付着させるという簡単な製造工程により、強度をさらに向上させたモルタルゲートを製造することが可能となる。
請求項8に記載された発明によれば、請求項5または6の発明の効果に加えて、炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に網目状に形成された細孔を備えており、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、細孔に接着剤を塗布して、炭素繊維シートを、接着剤を介して硬化したモルタルに接着させるという簡単な製造工程により、強度をさらに向上させたモルタルゲートを製造することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るモルタルゲートの斜視図である。 図1に示すモルタルゲートのA−A線に沿った断面図である。 モルタルを充填する前に、炭素繊維シートの開口部を開いた状態を示す本発明の実施の形態に係るモルタルゲートの一部断面を示す斜視図である。 モルタルを充填した後に、炭素繊維シートの開口部を被覆シート部で被覆した状態を示す本発明の実施の形態に係るモルタルゲートの一部断面を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シートの開口部を開いた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シートの開口部を被覆シート部で被覆した状態を示す斜視図である。 図2と同様の断面で示す、本発明の他の実施の形態に係るモルタルゲートの断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態に係るモルタルゲートを添付した図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図面において、同一の符号は、同様の部分または相当する部分に付すものとする。また、各図面の図面視における上下方向を、「上」及び「下」と定義して説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、水門設備における水門を開閉する扉体として使用する部材であり、板状に成形したモルタル6を剛性枠2と炭素繊維シート3で被覆して形成して、モルタル6の乾燥収縮による微細クラックを覆うと共に凍結融解を防止するようにしたことを特徴とするものである。なお、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1では、図1に示すように、平板の形状に成形したモルタルゲート1について説明する。
以下、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1について説明する。
本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、図1〜図4に示すように、基本的な構成部材として、矩形状に形成された剛性枠2と、この剛性枠2の内側に敷設して配置した袋状の炭素繊維シート3と、この袋状の炭素繊維シート3に形成した開口部5から袋状の炭素繊維シート3内に充填して板状に成形したモルタル6と、から構成されている。
まず、剛性枠2は、断面略コ字形状の溝型鋼(図2を参照)などの鋼材を所定の長さに切断して、この所定の長さに切断した4本の溝型鋼を、4本の溝型鋼で矩形枠(図1を参照)を形成するように、溶接などにより接合して一体に形成したものである。この矩形状の剛性枠2は、後述する袋状の炭素繊維シート3と共に、板状に成形されたモルタル6を補強する機能を備えるものであり、また、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6を平板の形状に成形する際に型枠としての役割を果たすものである。
なお、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、水門設備の水門を開閉する扉体として使用する際には、例えば、図1に示す矩形状の剛性枠2の上面に一対の吊金具(図示省略)が取り付けられる。この剛性枠2の上面に取り付けた一対の吊金具は、図示しない水門設備に設置された水門開閉装置によって駆動されるワイヤなどに連結される。そして、モルタルゲート1は、水門開閉装置で駆動されるワイヤを介して上下方向に移動され、水門設備の水門を開閉することができる。また、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1では、剛性枠2は、溝型鋼などの鋼材から形成されているが、エンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂材から形成することもできる。
また、矩形状の剛性枠2の内側に配置される袋状の炭素繊維シート3は、剛性枠2と共に、板状に成形されたモルタル6を補強する機能を有するものであり、また、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6を平板の形状に成形する際に型枠としての役割を果たすものである。さらに、袋状の炭素繊維シート3は、モルタル6の製作途中に発生する乾燥収縮による微細クラックを起因とする凍結融解などを阻止するように機能する。
この袋状の炭素繊維シート3は、図3〜図6に示すように、剛性枠2の形状に合わせて、ほぼ長方形の袋状に形成されている。この袋状の炭素繊維シート3の上面(モルタルゲート1を製造する際にモルタル6に接触する上側の接触面)は、剛性枠2の内側端部の矩形状の形状に合わせてほぼコ字形状に切り抜かれて、開口部5が形成されている。
そして、後述するように、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1を製造する際には、袋状の炭素繊維シート3に形成した開口部5から未硬化状態のモルタル6を袋状の炭素繊維シート3の内部に充填する。また、袋状の炭素繊維シート3のコ字状に切り抜かれた部分は、袋状の炭素繊維シート3に連接された被覆シート部4(袋状の炭素繊維シート3の一部を構成する)として形成され、この被覆シート部4は、モルタルゲート1を製造する際に、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6が硬化した後に、硬化したモルタル6の表面に接着剤を介して接着される。
さらに、図2に示すように、本発明の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シート3には、袋状の炭素繊維シート3の下面(モルタルゲート1を製造する際にモルタル6に接触する下側の接触面)に、袋状の炭素繊維シート3の下面の内面、すなわち、モルタル6と接触する炭素繊維シート3の接触面から上方に突出するように、複数の細長い突起7が炭素繊維シート3と一体に形成されている。これらの複数の突起7は、モルタルゲート1を製造する際に、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6に埋設され、その後、モルタル6が硬化すると、硬化したモルタル6に付着して、炭素繊維シート3とモルタル6との付着力を高めるように機能する。
なお、本発明の実施の形態では、袋状の炭素繊維シート3の下面から上方に突出するように、複数の細長い突起7が炭素繊維シート3と一体に形成されているが、袋状の炭素繊維シート3の側面の内面及び/または袋状の炭素繊維シート3の上面の剛性枠2の内側に位置する内面に、複数の細長い突起7を一体に形成することもできる。その場合には、モルタルゲート1を製造する際に、袋状の炭素繊維シート3の下面から上方に突出した複数の突起7と共に、袋状の炭素繊維シート3の側面の内面及び/または袋状の炭素繊維シート3の上面の剛性枠2の内側に位置する内面から突出する複数の突起7が、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6に埋設され、その後、これらの複数の突起7が硬化したモルタル6に付着して、炭素繊維シート3とモルタル6との付着力をさらに高めることができる。
また、図7に示すように、本発明の他の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シート3として、袋状の炭素繊維シート3の下面(モルタルゲート1を製造する際にモルタル6に接触する下側の接触面)に、複数の細孔8を網目状に形成することができる。この本発明の他の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シート3を使用する場合には、モルタルゲート1を製造する際に、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6が硬化した後に、各細孔8に接着剤を塗布して、この接着剤を介して硬化したモルタル6に炭素繊維シート3を接着して、炭素繊維シート3とモルタル6との接着力を高めることができる。
なお、上述したように、本発明の実施の形態に係る炭素繊維シート3は、袋状に形成された炭素繊維シート3に開口部5が形成され、この開口部5を閉鎖する被覆シート部4が袋状の炭素繊維シート3に連接されて形成されているが、被覆シート部4を構成する炭素繊維シートを別体の部材として構成することもできる。その場合には、剛性枠2の内側に敷設される炭素繊維シート3を、上部を開放した開口部5を有するトレイの形状に形成して、炭素繊維シート3の開口部5を別体の炭素繊維シート(被覆シート部4)で被覆することができる。
次に、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1を製造する方法を説明する。
本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1を製造する方法は、矩形状の剛性枠2の内側に袋状の炭素繊維シート3を敷設し、次に、袋状の炭素繊維シート3内に未硬化状態のモルタル6を充填し、その後、未硬化状態のモルタル6を硬化させて、硬化して板状に成形されたモルタル6を剛性枠2と袋状の炭素繊維シート3で被覆するように成形することを特徴とする。
まず、矩形状の剛性枠2と、この剛性枠2の形状に合わせた袋状の炭素繊維シート3を用意して、図示しない台(平坦面を備えた作業台など)の上に、矩形状の剛性枠2の4辺を接地するように、剛性枠2を台の上に載置する。
次に、剛性枠2の内側に袋状の炭素繊維シート3を敷設する。この場合、図5に示すように、袋状の炭素繊維シート3に予め開口部5を形成しておいてもよいが、剛性枠2の内側に袋状の炭素繊維シート3を敷設した後に、袋状の炭素繊維シート3の上面を、剛性枠2の内側端部に合わせてほぼコ字状に切り抜いて開口部5を形成することもできる。
その後、袋状の炭素繊維シート3に形成した開口部5から未硬化状態のモルタル6を充填する。この場合、図2に示すように、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6は、炭素繊維シート3の下面の内側から上方に突出するように形成された複数の細長い突起7の周囲にも充填される。
そして、袋状の炭素繊維シート3内に未硬化状態のモルタル6を充填した後は、図3及び図5に示すように、未硬化状態のモルタル6が硬化するまで被覆シート部4(炭素繊維シート3の一部を構成する)を開いたままにしておく。
その後、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6が硬化すると、未硬化状態のモルタル6に埋設された複数の細長い突起7が硬化したモルタル6に付着して、炭素繊維シート3がモルタル6に確実に付着される。
そして、図4及び図6に示すように、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6が硬化した後に、硬化したモルタル6の上面に接着剤を塗布して、接着剤を塗布したモルタル6の上面を被覆シート部4(袋状の炭素繊維シート3の一部を構成する)で被覆して、この被覆シート4をモルタル6の上面に接着する。
なお、被覆シート部4に接着剤を塗布して、接着剤を塗布した被覆シート部4を硬化したモルタル6の上面に接着することもできる。
以上の各工程により、図1に示すようなモルタルゲート1の製造が完了する。
次に、図7に示す本発明の他の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シート3を利用して、モルタルゲート1を製造する方法について説明する。
この本発明の他の実施の形態では、袋状の炭素繊維シート3の開口部5から未硬化状態のモルタル6を充填する工程までは、図2に示す本発明の実施の形態と同様であるが、袋状の炭素繊維シート3の下面(モルタルゲート1を製造する際にモルタル6に接触する下側の接触面)に複数の細孔8が網目状に形成されているので、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6が硬化した後の炭素繊維シート3とモルタル6との接着工程が異なる。
具体的には、まず、図4及び図6に示すように、袋状の炭素繊維シート3内に充填した未硬化状態のモルタル6が硬化した後に、硬化したモルタル6の上面に接着剤で被覆シート部4を接着する。
その後、モルタルゲート1を裏返しにして、炭素繊維シート3の各細孔8に接着剤を塗布する。このようにして、硬化したモルタル6の下面に炭素繊維シート3の下面を接着剤を介して接着する。
以上の工程により、図7に示す本発明の他の実施の形態に係る袋状の炭素繊維シート3を利用して、図1に示すようなモルタルゲート1を製造することができる。
なお、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、剛性枠2、袋状の炭素繊維シート3及びモルタル6から構成されているが、モルタル6内にFRP製などの補強筋を配筋して、モルタルゲート1の剛性をさらに向上させることもできる。
また、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、工場で製造することができるが、現場に資材を搬入して、現場で製造することもできる。
そして、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1を構成するモルタルは、一般的なポルトランドセメントに、細骨材として砂を混合したものであるが、細骨材としては、人工軽量骨材や天然軽量骨材などを使用して、さらに軽量化を図ることができる。
また、モルタルは、EPSモルタルを使用して、モルタルゲートの重量をさらに軽減することができる。この場合、EPSモルタルの細骨材として、発泡スチロール(EPS:Expanded Polystyrene)を遠赤外線で減容処理を施した後、粉砕した発泡スチロールを細骨材として使用することができる。そして、細骨材として使用する発泡スチロールは、産業廃棄物として、その処理が社会問題化しているが、発泡スチロールの廃棄物をEPSモルタルの細骨材として再利用することによって、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、図1に示すように、平板状に形成するだけでなく、設置する水門設備の形態に合わせて、湾曲させた曲面板の形状にも形成することができる。その場合には、剛性枠の形状も曲面板の形状に変更される。さらに、本発明の実施の形態に係るモルタルゲート1は、モルタルゲート1を着色することにより、水門が設置される景観に簡単にマッチさせることができる。
1 モルタルゲート、2 剛性枠、3 炭素繊維シート、4 被覆シート部、5 開口部、6 モルタル、7 突起、8 細孔

Claims (8)

  1. 板状に成形したモルタルを剛性枠と炭素繊維シートで被覆して形成して、モルタルの乾燥収縮による微細クラックを覆うと共に凍結融解を防止するようにしたことを特徴とするモルタルゲート。
  2. 炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に複数の突起を備えており、炭素繊維シートを、複数の突起を介してモルタルに付着させたことを特徴とする請求項1に記載のモルタルゲート。
  3. 炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に網目状に形成された細孔を備えており、炭素繊維シートを、細孔に塗布した接着剤を介してモルタルに接着させたことを特徴とする請求項1に記載のモルタルゲート。
  4. モルタルゲートは水門設備の水門を開閉する扉体として利用されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のモルタルゲート。
  5. 矩形状の剛性枠の内側に袋状の炭素繊維シートを敷設し、次に、袋状の炭素繊維シート内に未硬化状態のモルタルを充填し、その後、未硬化状態のモルタルを硬化させて、硬化して板状に成形されたモルタルを剛性枠と袋状の炭素繊維シートで被覆するように成形することを特徴とするモルタルゲートの製造方法。
  6. 炭素繊維シートに開口部を形成して、この開口部から未硬化状態のモルタルを炭素繊維シート内に充填して、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、開口部を炭素繊維シートで閉鎖して、開口部を閉鎖した炭素繊維シートを、接着剤を介して硬化したモルタルに接着させることを特徴とする請求項5に記載のモルタルゲートの製造方法。
  7. 炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に複数の突起を備えており、これらの複数の突起を未硬化状態のモルタルに埋設させて、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、炭素繊維シートを、複数の突起を介して硬化したモルタルに付着させることを特徴とする請求項5または6に記載のモルタルゲートの製造方法。
  8. 炭素繊維シートは、モルタルと接触する接触面の一部に網目状に形成された細孔を備えており、未硬化状態のモルタルが硬化した後に、細孔に接着剤を塗布して、炭素繊維シートを、接着剤を介して硬化したモルタルに接着させることを特徴とする請求項5または6に記載のモルタルゲートの製造方法。
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