JP2013170217A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満の低粘度潤滑油組成物の、40℃における動粘度、100℃における動粘度および100℃におけるHTHS粘度を十分に低くすることができ、また、境界潤滑領域の摩擦係数の上昇を十分に抑制することができ、省燃費性に優れた潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】100℃における動粘度が1〜5mm/sである潤滑油基油と、(A)重量平均分子量(Mw)が40万以下でPSSIが20以下の粘度指数向上剤と、(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤と、(C)摩擦調整剤と、を含有し、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満であることを特徴とする潤滑油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は潤滑油組成物に関する。
従来、内燃機関や変速機、その他機械装置には、その作用を円滑にするために潤滑油が用いられる。特に内燃機関用潤滑油(エンジン油)は内燃機関の高性能化、高出力化、運転条件の苛酷化などに伴い、高度な性能が要求される。したがって、従来のエンジン油にはこうした要求性能を満たすため、摩耗防止剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤などの種々の添加剤が配合されている(例えば、下記特許文献1〜3を参照。)。また近時、潤滑油に求められる省燃費性能は益々高くなっており、高粘度指数基油の適用や各種摩擦調整剤の適用などが検討されている(例えば、下記特許文献4を参照。)。
特開2001−279287号公報 特開2002−129182号公報 特開平08−302378号公報 特開平06−306384号公報
しかしながら、従来の潤滑油は省燃費性の点で必ずしも十分とは言えない。
例えば、一般的な省燃費化の手法として、潤滑油の動粘度の低減および粘度指数の向上(低粘度基油と粘度指数向上剤の組合せによるマルチグレード化)や摩擦低減剤の配合が知られている。低粘度化の場合、潤滑油またはそれを構成する基油の粘度の低減に起因して、厳しい潤滑条件下(高温高せん断条件下)での潤滑性能が低下し、摩耗や焼付き、疲労破壊等の不具合の発生が懸念される。また、摩擦低減剤の配合については、無灰系やモリブデン系の摩擦調整剤が知られているが、一般的なこれら摩擦低減剤配合油をさらに上回る省燃費油が求められている。
低粘度化の不具合を防止して耐久性を維持しつつ、省燃費性を付与するためには、150℃におけるHTHS粘度(「HTHS粘度」は「高温高せん断粘度」とも呼ばれる。)を高く、その一方で40℃における動粘度、100℃における動粘度および100℃におけるHTHS粘度を低くすることが有効であるが、従来の潤滑油ではこれらの要件全てを満たすことが非常に困難であった。
しかしながら、近年のエンジン技術の進歩により、エンジンの耐久性を維持しながら150℃におけるHTHS粘度を低減することが可能となった。更なる省燃費性の向上のため、例えばSAE 0W−20エンジン油の150℃におけるHTHS粘度の下限である2.6mPa・sを下回るエンジン油が開発、適用されている。しかしながら、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・sを下回るエンジン油は、一部のエンジンや部品において金属同士が接触する境界潤滑領域の摩擦係数を上昇させ、逆に省燃費性を悪化させることが確認されている。
150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・sを下回るエンジン油を適用した全てのエンジンの省燃費性を向上するためには、境界潤滑領域の摩擦係数をこれまで以上に低減する技術が必要である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満のエンジン油において、40℃における動粘度、100℃における動粘度および100℃におけるHTHS粘度を十分に低くすることができ、また、境界潤滑領域の摩擦係数の上昇を十分に抑制することができ、より境界潤滑領域の厳しいエンジンにおいても省燃費性に優れた潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、100℃における動粘度が1〜5mm/sである潤滑油基油と、(A)重量平均分子量(Mw)が40万以下でPSSIが20以下の粘度指数向上剤と、(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤と、(C)摩擦調整剤と、を含有し、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満であることを特徴とする潤滑油組成物を提供する。
上記(A)粘度指数向上剤は、重量平均分子量とPSSIの比(Mw/PSSI)が1×10以上である粘度指数向上剤であることが好ましい。
上記(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤は、アルカリ土類金属サリシレートをアルカリ土類金属炭酸塩で過塩基化した過塩基性アルカリ土類金属サリシレートであることが好ましい。
上記(C)摩擦調整剤は、有機モリブデン系摩擦調整剤であることが好ましい。
ここで、本発明でいう「PSSI」とは、ASTM D 6022−01(Standard Practice for Calculation of Permanent Shear Stability Index)に準拠し、ASTM D 6278−02(Test Metohd for Shear Stability of Polymer Containing Fluids Using a European Diesel Injector Apparatus)により測定されたデータに基づき計算された、ポリマーの永久せん断安定性指数(Permanent Shear Stability Index)を意味する。
本発明により、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満のエンジン油において、40℃における動粘度、100℃における動粘度および100℃におけるHTHS粘度を十分に低くすることができ、また、境界潤滑領域の摩擦係数の上昇を十分に抑制することができ、省燃費性に優れた潤滑油組成物を提供することができる。
また、本発明の潤滑油組成物は、二輪車用、四輪車用、発電用、コジェネレーション用等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等にも好適に使用でき、さらには、硫黄分が50質量ppm以下の燃料を使用するこれらの各種エンジンに対しても好適に使用することができるだけでなく、船舶用、船外機用の各種エンジンに対しても有用である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る潤滑油組成物は、100℃における動粘度が1〜5mm/sである潤滑油基油と、(A)重量平均分子量(Mw)が40万以下でPSSIが20以下の粘度指数向上剤と、(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤と、(C)摩擦調整剤とを含有する。
本発明に係る潤滑油組成物においては、100℃における動粘度が1〜5mm/sである潤滑油基油(以下、「本発明に係る潤滑油基油」という。)が用いられる。
本発明に係る潤滑油基油としては、例えば、原油を常圧蒸留および/または減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理のうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、あるいはノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油などのうち、100℃における動粘度が1〜5mm/sのものが挙げられる。
本発明に係る潤滑油基油の好ましい例としては、以下に示す基油(1)〜(8)を原料とし、この原料油および/またはこの原料油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留による留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス等)および/またはガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等)
(4)基油(1)〜(3)から選ばれる1種または2種以上の混合油および/または当該混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油
(5)基油(1)〜(4)から選ばれる2種以上の混合油
(6)基油(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の脱れき油(DAO)
(7)基油(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(8)基油(1)〜(7)から選ばれる2種以上の混合油。
なお、上記所定の精製方法としては、水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう;酸性白土や活性白土などによる白土精製;硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)洗浄などが好ましい。本発明では、これらの精製方法のうちの1種を単独で行ってもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。また、2種以上の精製方法を組み合わせる場合、その順序は特に制限されず、適宜選定することができる。
更に、本発明に係る潤滑油基油としては、上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分について所定の処理を行うことにより得られる下記基油(9)または(10)が特に好ましい。
(9)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分を水素化分解し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または当該脱ろう処理をした後に蒸留することによって得られる水素化分解基油
(10)上記基油(1)〜(8)から選ばれる基油または当該基油から回収された潤滑油留分を水素化異性化し、その生成物またはその生成物から蒸留等により回収される潤滑油留分について溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、または、当該脱ろう処理をしたあとに蒸留することによって得られる水素化異性化基油。
また、上記(9)または(10)の潤滑油基油を得るに際して、好都合なステップで、必要に応じて溶剤精製処理および/または水素化仕上げ処理工程を更に設けてもよい。
また、上記水素化分解・水素化異性化に使用される触媒は特に制限されないが、分解活性を有する複合酸化物(例えば、シリカアルミナ、アルミナボリア、シリカジルコニアなど)または当該複合酸化物の1種類以上を組み合わせてバインダーで結着させたものを担体とし、水素化能を有する金属(例えば周期表第VIa族の金属や第VIII族の金属などの1種類以上)を担持させた水素化分解触媒、あるいはゼオライト(例えばZSM−5、ゼオライトベータ、SAPO−11など)を含む担体に第VIII族の金属のうち少なくとも1種類以上を含む水素化能を有する金属を担持させた水素化異性化触媒が好ましく使用される。水素化分解触媒および水素化異性化触媒は、積層または混合などにより組み合わせて用いてもよい。
水素化分解・水素化異性化の際の反応条件は特に制限されないが、水素分圧0.1〜20MPa、平均反応温度150〜450℃、LHSV0.1〜3.0hr−1、水素/油比50〜20000scf/bとすることが好ましい。
本発明に係る潤滑油基油の100℃における動粘度は、5mm/s以下であることが必要であり、好ましくは4.5mm/s以下、より好ましくは4mm/s以下、さらに好ましくは3.8mm/s以下、特に好ましくは3.7mm/s以下、最も好ましくは3.6mm/s以下である。一方、当該100℃における動粘度は、1mm/s以上であることが必要であり、1.5mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは2mm/s以上、さらに好ましくは2.5mm/s以上、特に好ましくは3mm/s以上である。ここでいう100℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を示す。潤滑油基油の100℃における動粘度が5mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、1mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
また、本発明に係る潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは40mm/s以下、より好ましくは30mm/s以下、さらに好ましくは25mm/s以下、特に好ましくは20mm/s以下、最も好ましくは17mm/s以下である。一方、当該40℃における動粘度は、好ましくは6.0mm/s以上、より好ましくは8.0mm/s以上、さらに好ましくは10mm/s以上、特に好ましくは12mm/s以上、最も好ましくは14mm/s以上である。潤滑油基油の40℃における動粘度が40mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、6.0mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
本発明に係る潤滑油基油の粘度指数は、100以上であることが好ましい。より好ましくは105以上、さらに好ましくは110以上、特に好ましくは115以上、最も好ましくは120以上である。また好ましくは180以下、より好ましくは170以下、さらに好ましくは160以下である。粘度指数が100未満であると、粘度−温度特性および熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化するだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあり、また、摩耗防止性が低下する傾向にある。粘度指数が180を超えると、低温時の流動性が悪化する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
本発明の潤滑油組成物において用いる潤滑油基油は、100℃における動粘度が3.5mm/s以上である第1の潤滑油基油成分、及び、100℃における動粘度が3.5mm/s未満である第2の潤滑油基油成分の混合物であることが好ましい。第1の潤滑油基油成分と第2の潤滑油基油成分の混合物とすることにより、優れた粘度温度特性を付与し、省燃費性をより向上することが可能となる。
本発明の潤滑油組成物において用いる第1の潤滑油基油成分の15℃における密度(ρ15)は、好ましくは0.860g/cm以下、より好ましくは0.850g/cm以下、さらに好ましくは0.840g/cm以下、特に好ましくは0.822g/cm以下である。
なお、本発明でいう15℃における密度とは、JIS K 2249−1995に準拠して15℃において測定された密度を意味する。
本発明の潤滑油組成物において用いる第1の潤滑油基油成分の流動点は、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−12.5℃以下、更に好ましくは−15℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。流動点が−10℃よりも高いと、その潤滑油基油を用いた潤滑油全体の低温流動性が低下する傾向にある。なお、本発明でいう流動点とは、JIS K 2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
本発明の潤滑油組成物において用いる第1の潤滑油基油成分の100℃における動粘度は、5mm/s以下であることが好ましく、より好ましくは4.5mm/s以下、さらに好ましくは4.0mm/s以下、特に好ましくは3.9mm/s以下である。一方、当該100℃における動粘度は、3.5mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3.6mm/s以上、さらに好ましくは3.7mm/s以上、特に好ましくは3.8mm/s以上である。100℃における動粘度が5mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、3.5mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
本発明の潤滑油組成物において用いる第1の潤滑油基油成分の40℃における動粘度は、好ましくは40mm/s以下、より好ましくは30mm/s以下、さらに好ましくは25mm/s以下、特に好ましくは20mm/s以下、最も好ましくは17mm/s以下である。一方、当該40℃における動粘度は、好ましくは6.0mm/s以上、より好ましくは8.0mm/s以上、さらに好ましくは10mm/s以上、特に好ましくは12mm/s以上、最も好ましくは14mm/s以上である。40℃における動粘度が40mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、6.0mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
本発明の潤滑油組成物において用いる第1の潤滑油基油成分の粘度指数は、100以上であることが好ましい。より好ましくは110以上、さらに好ましくは120以上、特に好ましくは130以上、最も好ましくは140以上である。粘度指数が100未満であると、粘度−温度特性および熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化するだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあり、また、摩耗防止性が低下する傾向にある。
本発明の潤滑油組成物において用いる第2の潤滑油基油成分の15℃における密度(ρ15)は、好ましくは0.860g/cm以下、より好ましくは0.850g/cm以下、さらに好ましくは0.840g/cm以下、特に好ましくは0.835g/cm以下である。
本発明の潤滑油組成物において用いる第2の潤滑油基油成分の流動点は、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−12.5℃以下、更に好ましくは−15℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。流動点が−10℃よりも高いと、その潤滑油基油を用いた潤滑油全体の低温流動性が低下する傾向にある。なお、本発明でいう流動点とは、JIS K 2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
本発明の潤滑油組成物において用いる第2の潤滑油基油成分の100℃における動粘度は、3.5mm/s未満であることが好ましく、より好ましくは3.4mm/s以下、さらに好ましくは3.3mm/s以下である。一方、当該100℃における動粘度は、1mm/s以上であることが好ましく、2mm/s以上であることがより好ましく、さらに好ましくは2.5mm/s以上、特に好ましくは3.0mm/s以上である。100℃における動粘度が1mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
本発明の潤滑油組成物において用いる第2の潤滑油基油成分の40℃における動粘度は、好ましくは20mm/s以下、より好ましくは18mm/s以下、さらに好ましくは16mm/s以下、特に好ましくは14mm/s以下である。一方、当該40℃における動粘度は、好ましくは6.0mm/s以上、より好ましくは8.0mm/s以上、さらに好ましくは10mm/s以上、特に好ましくは12mm/s以上、最も好ましくは13mm/s以上である。40℃における動粘度が20mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られないおそれがあり、6.0mm/s未満の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなるおそれがある。
本発明の潤滑油組成物において用いる第2の潤滑油基油成分の粘度指数は、100以上であることが好ましい。より好ましくは105以上、さらに好ましくは110以上である。粘度指数が100未満であると、粘度−温度特性および熱・酸化安定性、揮発防止性が悪化するだけでなく、摩擦係数が上昇する傾向にあり、また、摩耗防止性が低下する傾向にある。
また、本発明に用いられる潤滑油基油における硫黄分の含有量は、その原料の硫黄分の含有量に依存する。例えば、フィッシャートロプシュ反応等により得られる合成ワックス成分のように実質的に硫黄を含まない原料を用いる場合には、実質的に硫黄を含まない潤滑油基油を得ることができる。また、潤滑油基油の精製過程で得られるスラックワックスや精ろう過程で得られるマイクロワックス等の硫黄を含む原料を用いる場合には、得られる潤滑油基油中の硫黄分は通常100質量ppm以上となる。本発明に係る潤滑油基油においては、熱・酸化安定性の更なる向上および低硫黄化の点から、硫黄分の含有量が100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、10質量ppm以下であることが更に好ましく、5質量ppm以下であることが特に好ましい。
また、本発明に用いられる潤滑油基油における窒素分の含有量は、好ましくは7質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下、更に好ましくは3質量ppm以下である。窒素分の含有量が7質量ppmを超えると、熱・酸化安定性が低下する傾向にある。なお、本発明でいう窒素分とは、JIS K 2609−1990に準拠して測定される窒素分を意味する。
また、本発明に用いられる潤滑油基油の%Cは、70以上であることが好ましく、好ましくは80〜99、より好ましくは85〜95、さらに好ましくは87〜94、特に好ましくは90〜94である。潤滑油基油の%Cが70未満の場合、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾向にあり、更に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。また、潤滑油基油の%Cが99を超えると、添加剤の溶解性が低下する傾向にある。
また、本発明に用いられる潤滑油基油の%Cは、2以下であることが好ましく、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5以下である。潤滑油基油の%Cが2を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および省燃費性が低下する傾向にある。
また、本発明に用いられる潤滑油基油の%Cは、好ましくは30以下、より好ましくは4〜25、更に好ましくは5〜13、特に好ましくは5〜8である。潤滑油基油の%Cが30を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性が低下する傾向にある。また、%Cが4未満であると、添加剤の溶解性が低下する傾向にある。
なお、本発明でいう%C、%Cおよび%Cとは、それぞれASTM D 3238−85に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率、および芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率を意味する。つまり、上述した%C、%Cおよび%Cの好ましい範囲は上記方法により求められる値に基づくものであり、例えばナフテン分を含まない潤滑油基油であっても、上記方法により求められる%Cが0を超える値を示すことがある。
また、本発明に用いられる潤滑油基油における飽和分の含有量は、潤滑油基油全量を基準として、好ましくは90質量%以上であり、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上であり、また、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、好ましくは40質量%以下であり、好ましくは35質量%以下であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは21質量%以下である。また、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。飽和分の含有量および当該飽和分に占める環状飽和分の割合がそれぞれ上記条件を満たすことにより、粘度−温度特性および熱・酸化安定性を向上することができ、また、当該潤滑油基油に添加剤が配合された場合には、当該添加剤を潤滑油基油中に十分に安定的に溶解保持しつつ、当該添加剤の機能をより高水準で発現させることができる。更に、本発明によれば、潤滑油基油自体の摩擦特性を改善することができ、その結果、摩擦低減効果の向上、ひいては省エネルギー性の向上を達成することができる。
なお、本発明でいう飽和分とは、前記ASTM D 2007−93に記載された方法により測定される。
また、飽和分の分離方法、あるいは環状飽和分、非環状飽和分等の組成分析の際には、同様の結果が得られる類似の方法を使用することができる。例えば、上記の他、ASTM
D 2425−93に記載の方法、ASTM D 2549−91に記載の方法、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による方法、あるいはこれらの方法を改良した方法等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる潤滑油基油における芳香族分は、潤滑油基油全量を基準として、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下であり、また、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上である。芳香族分の含有量が5質量%を超えると、粘度−温度特性、熱・酸化安定性および摩擦特性、更には揮発防止性および低温粘度特性が低下する傾向にあり、更に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。また、本発明に係る潤滑油基油は芳香族分を含有しないものであってもよいが、芳香族分の含有量を0.1質量%以上とすることにより、添加剤の溶解性を更に高めることができる。
なお、本発明でいう芳香族分とは、ASTM D 2007−93に準拠して測定された値を意味する。芳香族分には、通常、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレンおよびこれらのアルキル化物、更にはベンゼン環が四環以上縮合した化合物、ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ原子を有する芳香族化合物などが含まれる。
本発明に係る潤滑油基油として合成系基油を用いてもよい。合成系基油としては、100℃における動粘度が1〜5mm/sである、ポリα−オレフィンまたはその水素化物、イソブテンオリゴマーまたはその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、中でも、ポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)およびそれらの水素化物が挙げられる。
ポリ−α−オレフィンの製法は特に制限されないが、例えば、三塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素と、水、アルコール(エタノール、プロパノール、ブタノール等)、カルボン酸またはエステルとの錯体を含むフリーデル・クラフツ触媒のような重合触媒の存在下、α−オレフィンを重合する方法が挙げられる。
本発明に係る潤滑油組成物においては、上記本発明に係る潤滑油基油を単独で用いてもよく、また、本発明に係る潤滑油基油を他の基油の1種または2種以上と併用してもよい。なお、本発明に係る潤滑油基油と他の基油とを併用する場合、それらの混合基油中に占める本発明に係る潤滑油基油の割合は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
本発明に係る潤滑油基油と併用される他の基油としては、特に制限されないが、鉱油系基油としては、例えば100℃における動粘度が5mm/sを超え100mm/s以下の、溶剤精製鉱油、水素化分解鉱油、水素化精製鉱油、溶剤脱ろう基油などが挙げられる。
また、本発明に係る潤滑油基油と併用される他の合成系基油としては、100℃における動粘度が1〜5mm/sの範囲外である、前記した合成系基油が挙げられる。
本発明に係る潤滑油組成物は、(A)重量平均分子量(Mw)が40万以下でPSSIが20以下の粘度指数向上剤を含有する。これにより、本構成を有していない場合と比較して、省燃費性能を高めることができる。また、Mwが40万以下であり、PSSIが20以下という条件を満たす限りにおいては、化合物の形態は任意である。具体的な化合物としては、非分散型または分散型のエステル基含有粘度指数向上剤、非分散型または分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤、スチレン−ジエン水素化共重合体、非分散型または分散型エチレン−α−オレフィン共重合体またはその水素化物、ポリイソブチレンまたはその水素化物、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、ポリアルキルスチレンおよび(メタ)アクリレート−オレフィン共重合体またはこれらの混合物等を挙げることができる。
本発明の粘度指数向上剤として用いることのできるポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤(ここで言うポリ(メタ)アクリレート系とは、ポリアクリレート系化合物及びポリメタクリレート系化合物の総称である。)は、好ましくは、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレートモノマー(以下、「モノマーM−1」という。)を含む重合性モノマーの重合体である。
Figure 2013170217
[上記一般式(1)中、Rは水素又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜5000の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示す。]
一般式(1)で表されるモノマーの1種の単独重合体又は2種以上の共重合により得られるポリ(メタ)アクリレート系化合物はいわゆる非分散型ポリ(メタ)アクリレートであるが、本発明に係るポリ(メタ)アクリレート系化合物は、上記一般式(1)で表されるモノマーと、下記一般式(2)および(3)から選ばれる1種以上のモノマー(以下、それぞれ「モノマーM−2」および「モノマーM−3」という。)を共重合させたいわゆる分散型ポリ(メタ)アクリレートであってもよい。
Figure 2013170217
[一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基又は複素環残基を示し、aは0又は1を示す。]
Figure 2013170217
[一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基又は複素環残基を示す。]
およびEで表される基としては、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基、およびピラジノ基等が例示できる。
モノマーM−2、モノマーM−3の好ましい例としては、具体的には、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン及びこれらの混合物等が例示できる。
モノマーM−1とモノマーM−2〜M−3との共重合体の共重合モル比については特に制限はないが、M−1:M−2〜M−3=99:1〜80:20程度が好ましく、より好ましくは98:2〜85:15、さらに好ましくは95:5〜90:10である。
本発明の粘度指数向上剤として用いることのできるスチレン−ジエン水素化共重合体は、スチレンとジエンの共重合体を水素化した化合物である。ジエンとしては具体的には、ブタジエン、イソプレン等が使用される。特にスチレンとイソプレンの水素化共重合体であることが好ましい。
本発明の粘度指数向上剤として用いることのできるエチレン−α−オレフィン共重合体またはその水素化物は、エチレンとα−オレフィンの共重合体またはその共重合体を水素化した化合物である。 α−オレフィンとしては具体的にプロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が使用される。エチレン−α−オレフィン共重合体は、炭化水素のみからなるいわゆる非分散型のほか、共重合体に窒素含有化合物等の極性化合物を反応させた、いわゆる分散型エチレン−α−オレフィン共重合体も使用することができる。
本発明に係る粘度指数向上剤の重量平均分子量(M)は、400,000以下であることが必要であり、好ましくは380,000以下であり、より好ましくは360,000以下である。また、10,000以上であることが好ましく、より好ましくは50,000以上であり、さらに好ましくは100,000以上であり、特に好ましくは200,000以上である。重量平均分子量が10,000未満の場合には潤滑油基油に溶解させた場合の粘度指数向上効果が小さく省燃費性や低温粘度特性に劣るだけでなく、コストが上昇するおそれがある。また、重量平均分子量が400,000を超える場合には、粘度増加効果が大きくなりすぎ、省燃費性や低温粘度特性に劣るだけでなく、せん断安定性や潤滑油基油への溶解性、貯蔵安定性が悪くなる。
本発明に係る粘度指数向上剤のPSSI(パーマネントシアスタビリティインデックス)は20以下であることが必要であり、より好ましくは17以下、更に好ましくは15以下、特に好ましくは13以下、最も好ましくは11以下である。PSSIが20を超える場合にはせん断安定性が悪化するため、初期の動粘度を高める必要が生じ、省燃費性を悪化させるおそれがある。また、PSSIが1未満の場合には潤滑油基油に溶解させた場合の粘度指数向上効果が小さく、省燃費性や低温粘度特性に劣るだけでなく、コストが上昇するおそれがあるため、PSSIは1以上であることが好ましい。
本発明に係る粘度指数向上剤の重量平均分子量とPSSIの比(M/PSSI)は、1.0×10以上であることが好ましく、より好ましくは1.5×10以上、さらに好ましくは2.0×10以上、特に好ましくは3.0×10以上である。M/PSSIが1.0×10未満の場合には、省燃費性や低温始動性すなわち粘度温度特性や低温粘度特性が悪化するおそれがある。
本発明に係る粘度指数向上剤の重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)は5.0以下であることが好ましく、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下である。また、M/Mは1.0以上であることが好ましく、より好ましくは2.0以上、さらに好ましくは2.5以上、特に好ましくは2.6以上である。M/Mが5.0を超え、もしくは1.0未満になると、溶解性と粘度温度特性の向上効果が悪化することにより、十分な貯蔵安定性や、省燃費性が維持できなくなる恐れがある。
本発明の潤滑油組成物中における粘度指数向上剤の含有量は、組成物全量基準で、0.1〜50質量%であることが好ましく、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1.0〜15質量%、さらに好ましくは1.5〜12質量%である。含有量が0.1質量%より少ない場合には低温特性が不十分となるおそれがあり、また含有量が50質量%を超える場合には組成物のせん断安定性が悪化するおそれがある。
本発明に係る潤滑油組成物は、(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤を含有する。これにより、本構成を有さない場合と比較して、省燃費性能を高めることができる。
本発明で用いる(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤は、炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有し、さらにOH基および/またはカルボニル基を含有する化合物の油溶性金属塩の過塩基性化合物を用いることが出来る。また、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属カルボキシレート、アルカリ土類金属サリシレート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属ホスホネートなどの過塩基性金属塩、アルカリ土類金属水酸化物または酸化物、ならびにホウ酸または無水ホウ酸を反応させることによって得ることができる過塩基性金属塩を用いることができる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどがあげられるが、カルシウムが好ましい。また、過塩基性金属塩としては、OH基および/またはカルボニル基を含有する化合物の油溶性金属塩の過塩基性化合物を用いることが好ましく、アルカリ土類金属炭酸塩で過塩基化されたOH基および/またはカルボニル基を含有する化合物の油溶性金属塩を用いることがより好ましい。また、アルカリ土類金属サリシレートを用いることが好ましく、アルカリ土類金属炭酸塩で過塩基化されたアルカリ土類金属サリシレートを用いることがより好ましい。
本発明で用いる(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤の塩基価は、50mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがより好ましく、120mgKOH/g以上であることがさらに好ましく、140mgKOH/g以上であることが特に好ましく、150mgKOH/g以上であることが最も好ましい。また、300mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g以下であることがより好ましく、180mgKOH/g以下であることがさらに好ましく、170mgKOH/g以下であることが特に好ましい。塩基価が50mgKOH/g未満の場合は、粘度増加が大きくなることにより省燃費性が悪化すると共に、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にある。また、塩基価が300mgKOH/gを超える場合は、耐摩耗性添加剤などの効果が阻害されやすく、また、摩擦低減効果が不十分となる傾向にある。本発明でいう塩基価はJIS K 2501 5.2.3により測定された値である。
本発明で用いる(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤の粒径は、0.1μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05μm以下である。
本発明で用いる(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤の製造法は任意であるが、詳細な反応条件は、原料、反応物の量などに応じて適宜選択される。
本発明で用いる(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤は金属比が4.0以下であることが好ましい。
金属比は3.2以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.8以下、特に好ましくは2.6以下、最も好ましくは2.5以下に調整されてなる金属系清浄剤である。金属比が4.0を超えると摩擦トルクの低減すなわち省燃費性が不十分となる可能性がある。
また金属比は1.0以上であることが好ましく、より好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.9以上に、最も好ましくは2.2以上に調整されてなる金属系清浄剤である。金属比が1.0未満では内熱機関用潤滑油組成物の動粘度や低温粘度が高くなるため潤滑性や始動性に不具合が生じる可能性があるためである。
より高い摩擦低減効果を得るためには、単独で合成されたものを用いることが好ましい。
なお、本発明においていう金属比とは、金属系清浄剤における金属元素の価数×金属元素含有量(mol%)/せっけん基含有量(mol%)で表され、金属元素とは、カルシウム、マグネシウム等、せっけん基とはスルホン酸基やフェノール基、サリチル酸基等を意味する。
本発明で用いる(B1)成分の炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基は、好ましくは炭素数22以上、より好ましくは24以上のアルキル基あるいはアルケニル基であり、また好ましくは50以下、より好ましくは40以下のアルキル基あるいはアルケニル基である。炭素数が20未満では、摩擦トルクの低減すなわち省燃費性が不十分となるため、好ましくない。また、炭素数が50を超えると粘度温度特性が悪化し、省燃費性が不十分となる可能性があるため好ましくない。
かかるアルキル基あるいはアルケニル基は直鎖でも分枝でもよいが、直鎖であることが好ましい。またこれらは1級アルキル基あるいはアルケニル基、2級アルキル基あるいはアルケニル基又は3級アルキル基あるいはアルケニル基でもよいが、2級アルキル基あるいはアルケニル基又は3級アルキル基あるいはアルケニル基の場合、分枝の位置は芳香族に結合している炭素のみの場合が好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物における(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。含有量が0.01質量%に満たない場合には、省燃費効果が短期間しか持続しないおそれがあり、また30質量%を超える場合には、含有量に見合った効果が得られないおそれがあり好ましくない。
本発明に係る潤滑油組成物における(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、金属元素換算で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上、特に好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.25質量%以下、最も好ましくは0.22質量%以下である。その含有量が0.001質量%未満の場合、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にあり、潤滑油組成物の省燃費性、熱・酸化安定性および清浄性が不十分となる傾向にある。一方、含有量が0.5質量%を超える場合、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にあり、潤滑油組成物の省燃費性が不十分となる傾向にある。
本発明に係る潤滑油組成物において、前記(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤とともに、(B2)炭素数20未満の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤を併用して使用することが好ましい。
本発明で用いることができる(B2)炭素数20未満の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤としては、炭素数20未満の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有し、さらにOH基および/またはカルボニル基を含有する化合物の油溶性金属塩の過塩基性化合物を用いることが出来る。また、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属カルボキシレート、アルカリ土類金属サリシレート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属ホスホネートなどの過塩基性金属塩、アルカリ土類金属水酸化物または酸化物、ならびにホウ酸または無水ホウ酸を反応させることによって得ることができる過塩基性金属塩を用いることができる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどがあげられるが、カルシウムが好ましい。また、過塩基性金属塩としては、OH基および/またはカルボニル基を含有する化合物の油溶性金属塩の過塩基性化合物を用いることが好ましく、アルカリ土類金属炭酸塩で過塩基化されたOH基および/またはカルボニル基を含有する化合物の油溶性金属塩を用いることがより好ましい。また、アルカリ土類金属サリシレートを用いることが好ましく、アルカリ土類金属炭酸塩で過塩基化されたアルカリ土類金属サリシレートを用いることがより好ましい。
本発明で用いることができる(B2)炭素数20未満の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤の塩基価は、50mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがより好ましく、120mgKOH/g以上であることがさらに好ましく、140mgKOH/g以上であることが特に好ましく、150mgKOH/g以上であることが最も好ましい。また、300mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g以下であることがさらに好ましく、180mgKOH/g以下であることが特に好ましく、170mgKOH/g以下であることが最も好ましい。塩基価が50mgKOH/g未満の場合は、粘度増加が大きくなることにより省燃費性が悪化すると共に、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にある。また、塩基価が300mgKOH/gを超える場合は、耐摩耗性添加剤などの効果が阻害されやすく、また、摩擦低減効果が不十分となる傾向にある。
本発明で用いることができる(B2)炭素数20未満の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤は金属比が4.0以下であることが好ましい。
金属比は3.2以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.8以下、特に好ましくは2.6以下、最も好ましくは2.5以下に調整されてなる金属系清浄剤である。金属比が4.0を超えると摩擦トルクの低減すなわち省燃費性が不十分となる。
また金属比は1.0以上であることが好ましく、より好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.9以上に、最も好ましくは2.2以上に調整されてなる金属系清浄剤である。金属比が1.0未満では内熱機関用潤滑油組成物の動粘度や低温粘度が高くなるため潤滑性や始動性に不具合が生じる可能性があるためである。
より高い摩擦低減効果を得るためには、単独で合成されたものを用いることが好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物は、(C)摩擦調整剤を含有する。これにより、本構成を有していない場合と比較して、省燃費性能を高めることができる。(C)摩擦調整剤としては、有機モリブデン化合物および無灰摩擦調整剤から選ばれる1種以上の摩擦調整剤が挙げられる。
本発明で用いる有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物、モリブデン化合物(例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩またはアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等)と、硫黄含有有機化合物(例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステル等)あるいはその他の有機化合物との錯体等、あるいは、上記硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。
また、有機モリブデン化合物としては、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物を用いることができる。構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、具体的には、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩およびアルコールのモリブデン塩が好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物において、有機モリブデン化合物を用いる場合、その含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、モリブデン元素換算で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、また、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.08質量%以下、特に好ましくは0.06質量%以下である。その含有量が0.001質量%未満の場合、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にあり、潤滑油組成物の省燃費性および熱・酸化安定性が不十分となる傾向にある。一方、含有量が0.2質量%を超える場合、含有量に見合う効果が得られず、また、潤滑油組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。
また、無灰摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、分子中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選ばれる1種もしくは2種以上のヘテロ元素を含有する、炭素数6〜50の化合物が挙げられる。さらに具体的には、炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、分岐アルキル基、分岐アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系化合物、ヒドラジド系化合物等の無灰摩擦調整剤等が挙げられる。
本発明に係る潤滑油組成物における無灰摩擦調整剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。無灰摩擦調整剤の含有量が0.01質量%未満であると、その添加による摩擦低減効果が不十分となる傾向にあり、また3質量%を超えると、耐摩耗性添加剤などの効果が阻害されやすく、あるいは添加剤の溶解性が悪化する傾向にある。
本発明において、(C)摩擦調整剤としては、有機モリブデン系摩擦調整剤であることが好ましく、硫黄を含有する有機モリブデン化合物であることがより好ましく、モリブデンジチオカーバメートであることがさらに好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物には、さらにその性能を向上させるために、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されている任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、上記(B1)および(B2)以外の金属系清浄剤、無灰分散剤、摩耗防止剤(または極圧剤)、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等の添加剤等を挙げることができる。
上記(B1)および(B2)以外の金属系清浄剤としては、アルカリ金属/アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属/アルカリ土類金属フェネート、およびアルカリ金属/アルカリ土類金属サリシレート等の正塩または塩基性塩を挙げることができる。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられるが、マグネシウムまたはカルシウムが好ましく、特にカルシウムがより好ましい。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤が使用でき、例えば、炭素数40〜400の直鎖もしくは分枝状のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するモノまたはビスコハク酸イミド、炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、あるいは炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、あるいはこれらのホウ素化合物、カルボン酸、リン酸等による変成品等が挙げられる。使用に際してはこれらの中から任意に選ばれる1種類あるいは2種類以上を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。
摩耗防止剤(または極圧剤)としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤・極圧剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、モリブデンジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。これらの中では硫黄系極圧剤の添加が好ましく、特に硫化油脂が好ましい。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、またはイミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、または多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、またはβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜10万mm/sのシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。
これらの添加剤を本発明に係る潤滑油組成物に含有させる場合には、それぞれその含有量は潤滑油組成物全量基準で、0.01〜10質量%であることが好ましい。
本発明に係る潤滑油組成物の100℃における動粘度は、4〜12mm/sであることが好ましく、好ましくは9.0mm/s以下、より好ましくは8.0mm/s以下、さらに好ましくは7.0mm/s以下、特に好ましくは6.8mm/s以下である。また、本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは4.5mm/s以上、より好ましくは5.0mm/s以上、さらに好ましくは5.5mm/s以上、特に好ましくは6.0mm/s以上である。ここでいう100℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を示す。100℃における動粘度が4mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、12mm/sを超える場合には必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明に係る潤滑油組成物の40℃における動粘度は、4〜50mm/sであることが好ましく、好ましくは40mm/s以下、より好ましくは35mm/s以下、特に好ましくは30mm/s以下、最も好ましくは25mm/s以下である。また、本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘度は、好ましくは15mm/s以上、より好ましくは18mm/s以上、さらに好ましくは20mm/s以上、特に好ましくは22mm/s以上である。ここでいう40℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される40℃での動粘度を示す。40℃における動粘度が4mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、50mm/sを超える場合には必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明に係る潤滑油組成物の粘度指数は、140〜400の範囲であることが好ましく、好ましくは190以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは210以上、特に好ましくは220以上、最も好ましくは230以上である。本発明の潤滑油組成物の粘度指数が140未満の場合には、150℃のHTHS粘度を維持しながら、省燃費性を向上させることが困難となるおそれがあり、さらに−35℃における低温粘度を低減させることが困難となるおそれがある。また、本発明に係る潤滑油組成物の粘度指数が400を超える場合には、蒸発性が悪化するおそれがあり、更に添加剤の溶解性やシール材料との適合性が不足することによる不具合が発生するおそれがある。
本発明に係る潤滑油組成物の100℃におけるHTHS粘度は、5.2mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは5.0mPa・s以下、さらに好ましくは4.7mPa・s以下、特に好ましくは4.5mPa・s以下である。また、好ましくは3.0mPa・s以上、更に好ましくは3.5mPa・s以上、特に好ましくは4.0mPa・s以上、最も好ましくは4.1mPa・s以上である。本発明でいう100℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D−4683に規定される100℃での高温高せん断粘度を示す。100℃におけるHTHS粘度が3.0mPa・s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、5.2mPa・sを超える場合には必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明に係る潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度は、2.6mPa・s未満であるが、より好ましくは2.5mPa・s以下、さらに好ましくは2.45mPa・s以下、特に好ましくは2.4mPa・s以下である。また、好ましくは2.0mPa・s以上、より好ましくは2.1mPa・s以上、さらに好ましくは2.2mPa・s以上、特に好ましくは2.3mPa・s以上である。ここでいう150℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D−4683に規定される150℃での高温高せん断粘度を示す。150℃におけるHTHS粘度が2.0mPa・s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、2.6mPa・s以上の場合には十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
また、本発明に係る潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度と100℃におけるHTHS粘度との比(150℃におけるHTHS粘度/100℃におけるHTHS粘度)は、0.50以上であることが好ましく、より好ましくは0.52以上、さらに好ましくは0.54、特に好ましくは0.55以上、最も好ましくは0.56以上である。当該比が0.50未満であると、必要な低温粘度および十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明に係る潤滑油組成物は、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満のエンジン油において、40℃における動粘度、100℃における動粘度および100℃におけるHTHS粘度を十分に低くすることができ、また、境界潤滑領域の摩擦係数の上昇を十分に抑制することができ、省燃費性に優れるものである。このような優れた特性を有する本発明の潤滑油組成物は、省燃費ガソリンエンジン油、省燃費ディーゼルエンジン油等の省燃費エンジン油として好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
実施例1〜5および比較例1〜5においては、それぞれ以下に示す基油および添加剤を用いて表2に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。基油O−1、O−2、O−3の性状を表1に示す。
(基油)
O−1(基油1):n−パラフィン含有油を水素化分解/水素化異性化した鉱油
O−2(基油2):水素化分解鉱油
O−3(基油3):水素化分解鉱油
(添加剤)
A−1:非分散型PMA系粘度指数向上剤(Mw=36万,PSSI=15,Mw/PSSI=2.4×10
A−2:非分散型PMA系粘度指数向上剤(Mw=34万,PSSI=9,Mw/PSSI=3.7×10
a−1:非分散型PMA系粘度指数向上剤(Mw=38万,PSSI=27,Mw/PSSI=1.4×10
a−2:分散型PMA系粘度指数向上剤(Mw=40万,PSSI=45,Mw/PSSI=0.88×10
B1:過塩基性カルシウムサリシレートA(金属比2.5、塩基価157mgKOH/g,Ca含有量5.6mass%、アルキル基鎖長20〜28)
B2:過塩基性カルシウムサリシレートC(金属比2.5、塩基価155mgKOH/g,Ca含有量5.6mass%、アルキル基鎖長14〜18)
b−2:過塩基性カルシウムサリシレートC(金属比3.2、塩基価177mgKOH/g,Ca含有量6.3mass%、アルキル基鎖長14〜18)
C−1:MoDTC(アルキル基鎖長C8/C13、Mo含有量10mass%、硫黄量11mass%)
d−1:コハク酸イミド系分散剤(Mw13000、アルキル基鎖長1900、窒素量0.6mass%)
e−1:ZnDTP(アルキル基鎖長C4/C6、二級、Zn量7.8mass%、P量7.2mass%、S量15.0mass%)
f−1:その他添加剤(酸化防止剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、消泡剤等)
Figure 2013170217
[潤滑油組成物の評価]
実施例1〜5および比較例1〜5の各潤滑油組成物について、40℃または100℃における動粘度、粘度指数、100℃または150℃におけるHTHS粘度を測定した。また、省燃費性の測定は動弁系モータリング摩擦トルクを測定した。各物性値、省燃費性の測定は以下の評価方法により行った。得られた結果を表2に示す。
(1)動粘度:ASTM D−445
(2)粘度指数:JIS K 2283−1993
(3)HTHS粘度:ASTM D−4683
(4)動弁系モータリング摩擦試験:直打型4気筒エンジンの動弁系のカムおよびタペット一対の摩擦トルクを測定可能とする装置を用い、油温100℃、回転数350rpmにおける摩擦トルクを測定した。比較例1を基準油としたときのモータリングフリクション改善率を算出した。
Figure 2013170217
表2に示すように、(A)〜(C)成分のすべてを含有する実施例1〜5の潤滑油組成物は、150℃におけるHTHS粘度が同程度である(B1)成分または(C)成分を含有しない比較例1〜5の潤滑油組成物に比べて、動弁系モータリング摩擦試験におけるモータリングフリクション改善率が高く省燃費性に優れることを示す。また、(A)成分のPSSIが20を超える粘度指数向上剤を用いた比較例3、4の潤滑油組成物は、モータリングフリクション改善率に劣ると共に、動粘度が高く省燃費特性が著しく劣ることが分かる。また、(C)成分を含有しない比較例5の潤滑油組成物のモータリングフリクション改善率は著しく劣る。

Claims (4)

  1. 100℃における動粘度が1〜5mm/sである潤滑油基油と、(A)重量平均分子量(Mw)が40万以下でPSSIが20以下の粘度指数向上剤と、(B1)炭素数20以上の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭化水素基を有する金属系清浄剤と、(C)摩擦調整剤と、を含有し、150℃におけるHTHS粘度が2.6mPa・s未満であることを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 前記粘度指数向上剤が、重量平均分子量とPSSIの比(Mw/PSSI)が1×10以上である粘度指数向上剤であることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記金属系清浄剤が、アルカリ土類金属サリシレートをアルカリ土類金属炭酸塩で過塩基化した過塩基性アルカリ土類金属サリシレートであることを特徴とする、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記摩擦調整剤が、有機モリブデン系摩擦調整剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
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