JP2013169614A - キャリア押圧機構、及び研磨装置、及びガラス基板の研磨方法、及びガラス基板の製造方法 - Google Patents

キャリア押圧機構、及び研磨装置、及びガラス基板の研磨方法、及びガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は研磨用キャリアが上定盤に貼り付くことを防止することを課題とする。
【解決手段】両面研磨装置100は、研磨用キャリア20が上定盤104の上側研磨パッド130に貼り付くことを防止するキャリア貼り付き防止機構240が設けられている。キャリア貼り付き防止機構240は、上定盤104の外周に装着された外側キャリア押圧機構250と、サンギヤ220の上部外周に装着された内側キャリア押圧機構260とを有する。外側キャリア押圧機構250は、研磨工程時に研磨用キャリア20の上面から離間した位置に係止され、研磨工程終了後に研磨用キャリア20の上面を上方から下方に押圧する位置に降下される。内側キャリア押圧機構260は、サンギヤ220の上部に固定されており、上定盤104の上昇する過程で研磨用キャリア20を下方に押圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、研磨工程で使用されるキャリアのキャリア押圧機構、及びキャリア押圧機構を備えた研磨装置、及びキャリア押圧機構を用いたガラス基板の研磨方法、及びガラス基板の製造方法に関する。
以下、被研磨体としてガラス基板の主平面を研磨する研磨工程を例に挙げて説明する。一般に、磁気記録媒体用として使用されるガラス基板の製造ラインは、少なくとも以下の工程1〜工程7を含む。
(工程1)フロート法、フュージョン法、リドロー法、またはプレス成形法により成形されたガラス素基板を、中央部に円形孔を有する円盤形状に加工した後、内周側面と外周側面を面取り加工する。
(工程2)ガラス基板の内周または外周の少なくとも一方の側面部と面取り部に端面研磨する。
(工程3)ガラス基板の上下主平面を研磨加工する。
(工程4)ガラス基板を精密洗浄する。
(工程5)洗浄されたガラス基板を乾燥させる。
(工程6)乾燥したガラス基板の欠陥を目視又は光学方式表面観察機により検査する。
(工程7)検査したガラス基板をガラス基板収納容器に収納して包装する。
少なくとも上記工程1〜工程7を含むガラス基板の製造ラインにより製造されたガラス基板は製品として出荷される。
研磨工程においては、研磨用キャリアが研磨装置の遊星歯車機構により回転(自転しながら公転する)することで、研磨用キャリアの保持穴に挿入されたガラス基板と研磨パッドとの相対変位によりガラス基板の主平面を研磨する(例えば、特許文献1参照)。
研磨用キャリアは、樹脂材により円盤状に成形されており、外側面に研磨装置のサンギヤと、研磨装置の外周縁部に形成されたインターナルギヤとに噛合する複数の歯が形成されたギヤ部が設けられ、ギヤ部の内側平面に複数のガラス基板保持穴が設けられている。
研磨工程においては、研磨液を研磨パッドの研磨面に供給しながらガラス基板の主平面(上下面)を研磨しており、研磨用キャリアの各ガラス基板保持穴に収納保持されたガラス基板は、研磨用キャリアのギヤ部が研磨装置のサンギヤ及びインターナルギヤに噛合して回転する際に主平面が研磨される。このように研磨用キャリアは、ギヤ部による回転駆動力及びガラス基板と研磨パッドとの間の相対運動によって生じる研磨抵抗を受けるため、樹脂材のみでは強度不足になる。研磨用キャリアは、ガラス等の繊維を樹脂材に含浸して積層することで、研磨用キャリアの強度が高められている。
両面研磨装置では、下定盤上の下側研磨パッドに載置された複数の研磨用キャリアに形成された複数の貫通穴に各ガラス基板を挿入した状態で、上定盤を降下させ、ガラス基板の上下主平面に上下側研磨パッドを接触させた後に、上定盤及び下定盤を相対回転させると共に、研磨用キャリアが自転及び公転する。
研磨工程では、研磨液(研磨剤を含む)が供給されると共に研磨用キャリアの上記回転動作が行われることでガラス基板の上主平面、下主平面が同時に研磨され、研磨終了後には上定盤を上昇させて、ガラス基板が研磨用キャリアから取出される。
特開平4−25375号公報
従来の研磨装置では、研磨工程で上側研磨パッドと研磨用キャリアとの間に研磨液が介在した状態で加圧されるため、上側研磨パッドとキャリア上面とが密接して貼り付くことがあり、その場合、上定盤を上昇させる途中に研磨用キャリアの一部が上側研磨パッドから剥がれてキャリア自体が落下することで、下定盤上のガラス基板に接触してガラス基板にキズや欠陥が発生してしまうという問題があった。
また、研磨用キャリアが上側研磨パッドに貼り付いたまま上定盤と共に上昇した場合は、作業者が研磨用キャリアを剥がして回収しなければならず、余計な作業が増加して作業効率が低下することになる。
さらには、上定盤を上昇させているときに研磨用キャリアの一部が上定盤の上側研磨パッドに貼り付いてめくり上がってしまうと、研磨用キャリアの位置がずれて、再び下定盤上に戻る際に、研磨用キャリアがガラス基板に接触してガラス基板の主表面にキズや欠陥が発生してしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したキャリア押圧機構、及び研磨装置、及びガラス基板の研磨方法、及びガラス基板の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、下定盤の下側研磨パッドに載置されたキャリアの各被研磨体保持穴に被研磨体を挿入し、研磨装置の上定盤を降下させて上側研磨パッドを前記被研磨体の主平面に押圧し、研磨液を供給すると共に、前記上側研磨パッドと前記下側研磨パッドとを相対的に動かして前記被研磨体の主平面を研磨し、研磨終了後に前記上定盤を上昇させる構成を有する研磨装置に装着されるキャリア押圧機構であって、
研磨時には、前記キャリアから離間し、研磨終了後に前記上定盤を上昇させる際は、前記キャリアの上面を上方から押圧して当該キャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する。
(2)本発明は、前記上定盤を上昇させる際、前記上定盤の外側及び内側の位置の少なくとも何れか一方において前記キャリアの上面を上方から押圧する。
(3)本発明は、前記上定盤の外側に設けられ、前記キャリアの上面を上方から押圧する第1のキャリア押圧機構、及び前記上定盤の内側に設けられ、前記キャリアの上面を上方から押圧する第2のキャリア押圧機構の少なくとも何れか一方を有する。
(4)本発明の前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に対して上下方向に変位可能に支持され、前記上定盤を上昇させる直前に前記キャリアを下方に押圧する抑止位置に降下される。
(5)本発明の前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に対して上下方向に変位可能に支持され、前記上定盤に設けられた駆動手段により前記上定盤を上昇させる直前に前記キャリアの上面を下方に押圧してキャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する抑止位置に駆動される。
(6)本発明の前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に環状に形成された環状部材からなり、前記環状部材の下側端面が前記キャリアの上面に当接する。
(7)本発明の前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周から突出する複数のピンに嵌合する複数のロック溝が形成され、研磨終了後に前記上定盤を上昇させる直前に前記複数のロック溝を前記複数のピンに対して円周方向にスライドさせ、前記複数のピンによる前記複数のロック溝のロックを解除することで前記キャリアの上面を下方に押圧してキャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する。
(8)本発明の前記第1のキャリア押圧機構は、複数の部材に分割され、分割された各部材間を連結することで環状に形成される。
(9)本発明の前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に外設する環状部と、前記キャリアの上面に当接する下端部とを有し、前記下端部は幅広となる形状に形成される。
(10)本発明の前記第1、第2のキャリア押圧機構は、前記キャリアの上面に当接する下端部に前記キャリアを保護する保護部材が設けられる。
(11)本発明は、基台と、
該基台に支持され、キャリアの各被研磨体保持穴に挿入された複数の被研磨体の下面を研磨する下側研磨パッドを有する下定盤と、
該下定盤の上方に対向配置され前記複数の被研磨体の上面を研磨する上側研磨パッドを有する上定盤と、
前記基台の上方に支持され前記上定盤を昇降させる昇降機構と、
前記基台に設けられた駆動部と、
前記昇降機構の降下動作により前記上側研磨パッドを前記複数の被研磨体の上面に当接すると共に、前記複数の被研磨体の下面を前記下側研磨パッドに当接した状態で前記上定盤と前記下定盤とが相対的に動くように、前記駆動部の駆動力を伝達する回転伝達機構とを有する研磨装置において、
前記昇降機構により前記上定盤を上昇させる際、前記キャリアの上面を下方に押圧して当該キャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する請求項1〜10の何れに記載されたキャリア押圧機構を備える。
(12)本発明は、(11)に記載の研磨装置を用いたガラス基板の研磨方法であって、
下定盤の下側研磨パッドに載置されたキャリアの各被研磨体保持穴にガラス基板を保持させる第1工程と、
前記第1工程終了後、研磨装置の上定盤を降下させて上側研磨パッドを前記ガラス基板の主平面に押圧する第2工程と、
前記第2工程終了後、研磨液を供給すると共に、前記キャリアと前記上側研磨パッド及び前記下側研磨パッドとを相対的に動かして前記ガラス基板の主平面を研磨する第3工程と、
前記第3工程終了後、前記キャリアの上面を下方に押圧して当該キャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する位置にキャリア押圧機構を変位させる工程4と、
前記第4工程終了後、前記上定盤を上昇させる工程5と、
を有する。
(13)本発明は、ガラス板を所望の形状を有するガラス基板に加工する形状加工工程と、前記ガラス基板の主平面を研磨する研磨工程と、前記ガラス基板の洗浄工程と、を有するガラス基板の製造方法において、
前記研磨工程は、(11)に記載の研磨装置によりガラス基板の主平面を研磨する。
(14)本発明の前記ガラス基板は、中央部に円孔を有する円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板である。
本発明によれば、研磨終了後に上定盤を上昇させる過程で上定盤にキャリアが貼り付くことを防止できるので、上定盤を上昇させる際にキャリアの落下を未然に防止して、落下したキャリアが被研磨体に接触してこの被研磨体を損傷することを確実に防止できる。さらには、上定盤を上昇させる途中にキャリアの一部が上定盤の上側研磨パッドに貼り付いてめくり上がり、キャリアの位置がずれて、再び下定盤上に戻る際に、研磨用キャリアがガラス基板に接触してガラス基板の主表面にキズや欠陥が発生してしまうという問題も防止できる。
本発明によるキャリア押圧機構の実施例1が適用された研磨装置を示す側断面図である。 実施例1で研磨後に研磨装置の上定盤を上昇させた状態を示す側断面図である。 研磨用キャリアの平面図である。 研磨用キャリアを研磨装置の下定盤に取り付けた状態を示す斜視図である。 ガラス基板の断面形状を示す斜視図である。 研磨工程時の外側キャリア押圧機構を示す斜視図である。 上定盤を上昇させる際の外側キャリア押圧機構の動作状態を示す斜視図である。 研磨工程時の内側キャリア押圧機構、外側キャリア押圧機構の状態を示す研磨装置の側断面図である。 研磨工程終了後の外側キャリア押圧機構の動作状態を示す研磨装置の側断面図である。 上定盤を上昇させた状態を示す研磨装置の側断面図である。 研磨工程時の外側キャリア押圧機構のロック溝と係止ピンとの相対位置を示す縦断面図である。 研磨工程終了後の外側キャリア押圧機構のロック溝と係止ピンとの相対位置を示す縦断面図である。 上定盤を上昇させたときの外側キャリア押圧機構のロック溝と係止ピンとの相対位置を示す縦断面図である。 外側キャリア押圧機構の変形例1を示す図である。 キャリア押圧機構の変形例2を示す縦断面図である。 キャリア押圧機構の変形例3を示す縦断面図である。 本発明によるキャリア押圧機構の実施例2が適用された研磨装置の研磨工程時を示す側断面図である。 実施例2の研磨工程終了後のキャリア押圧機構の動作状態を示す研磨装置の側断面図である。 実施例2の上定盤を上昇させた状態を示す研磨装置の側断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔研磨装置の構成〕
図1は本発明によるキャリア押圧機構の実施例1が適用された研磨装置を示す側断面図である。図1に示されるように、両面研磨装置100は、複数のガラス基板の上主平面及び下主平面を同時に研磨するように構成されており、基台102と、上定盤104と、下定盤106と、昇降機構108とを有する。基台102の上部には、下定盤104が回転可能に支持されており、基台102の内部には、上定盤104を駆動する定盤駆動モータが取り付けられている。
上定盤104は、下定盤106の上方に対向配置され、研磨用キャリア20に保持された複数のガラス基板の上主平面を研磨する上側研磨パッド130を有する。また、下定盤106は、研磨用キャリア20に保持された複数のガラス基板の下主平面を研磨する下側研磨パッド140を有する。
昇降機構108は、基台102の上方に起立する門型のフレーム160により支持されており、ガラス基板交換時に上定盤104を上昇させる昇降用シリンダ装置170を有する。昇降用シリンダ装置170は、フレーム160の中央に取り付けられている。昇降用シリンダ装置170のピストンロッド172は、垂下方向に延在しており、その下端部には上定盤104を支持する支持機構110が連結されている。
支持機構110は、ピストンロッド172の下端支持部174に回転可能に連結された連結部112と、連結部112より下方に延在する支柱114と、上定盤104の上面に固定された固定ベース116とを有する。固定ベース116には、定盤駆動モータの回転軸180に設けられた溝182に結合される連結機構200が設けられている。
連結機構200は、回転軸180の溝182に結合される連結ピン202と、連結ピン202を固定ベース116に回動可能に連結する軸204とを有する。
上定盤104は、昇降用シリンダ装置170のピストンロッド172の昇動作によりガラス基板交換時に上昇し、研磨時には降下する。また、昇降機構108の昇降用シリンダ装置170、及び定盤駆動モータは、制御部210により制御される。
各研磨用キャリア20は、回転軸180とは独立して回転するサンギヤ220と下定盤106の外側に配されたインターナルギヤ230との間に配されると共に、各研磨用キャリア20の外周に形成されたギヤがサンギヤ220及びインターナルギヤ230に噛合する。インターナルギヤ230は、下定盤106の外側を囲むように環状に形成され、且つ回転構造体232に結束され下側研磨パッド140に載置される研磨用キャリア20と同じ高さ位置に支持されている。
両面研磨装置100は、研磨用キャリア20が上定盤104の上側研磨パッド130に貼り付くことを防止するキャリア貼り付き防止機構240が設けられている。キャリア貼り付き防止機構240は、上定盤104の外周に装着された外側キャリア押圧機構(第1のキャリア押圧機構)250と、サンギヤ220の上部に装着された内側キャリア押圧機構(第2のキャリア押圧機構)260とを有する。
外側キャリア押圧機構250は、研磨工程時に研磨用キャリア20の上面から離間した位置にロック機構(詳細は後述する)によって係止され、研磨工程終了後に下端部の端面が研磨用キャリア20の外側上面に当接する抑止位置に降下される。内側キャリア押圧機構260は、サンギヤ220の上部外周に固定されており、サンギヤ220の外側に突出した部分(周縁部)の下端部が研磨用キャリア20の上面に対向するように設けられている。
本実施例のキャリア貼り付き防止機構240では、外側の外側キャリア押圧機構250と、中心側の内側キャリア押圧機構260とを組み合わせた構成のものを一例として示しているが、これに限らず、外側キャリア押圧機構250または内側キャリア押圧機構260の何れか一方を設ける構成としても良い。
また、インターナルギヤ230を支持する回転構造体232の下方及び外側には、スラリーのドレンパン270が設けられている。
図2は研磨後に研磨装置の上定盤を上昇させた状態を示す側断面図である。図2に示されるように、研磨工程が終了すると、連結機構200の連結ピン202を回転軸180の溝182から外し、昇降用シリンダ装置170により上定盤104を上昇させる。そして、上定盤104を上昇させる際は、外側キャリア押圧機構250の下端部250bの端面が研磨用キャリア20のインターナルギヤ230側上面を下方に押圧し、内側キャリア押圧機構260の下端部260aの端面が研磨用キャリア20のサンギヤ220側上面を下方に押圧する。
そのため、研磨工程終了後の研磨用キャリア20は、上定盤104の上側研磨パッド130に貼り付くことが防止される。尚、内側キャリア押圧機構260は、サンギヤ220に固定されているため、研磨用キャリア20が上昇する上定盤104の上側研磨パッド130に貼り付いた場合は、上定盤104と共に上昇する研磨用キャリア20を相対的に下方に押圧する。
〔研磨用キャリア20の構成〕
図3Aは研磨用キャリア20の平面図である。図3Aに示されるように、研磨用キャリア20は、繊維と樹脂材料とを含む複合材料を用いて形成され、ガラス基板10を保持するガラス基板保持穴21を有する保持部22と、保持部22の外周に設けられた複数の歯を有するギヤ部24とを有する。
上記研磨用キャリア20を形成する繊維としては、例えば、ガラス繊維、金属繊維を用いることができ、中でもガラス繊維強化エポキシ樹脂やアラミド繊維強化エポキシ樹脂等を使用することが好ましい。
また、研磨用キャリア20は、1次〜3次研磨工程によって材質が異なり、固定砥粒研磨工程、遊離砥粒研磨工程、1次研磨工程など初期研磨工程用キャリアと、最終研磨工程(例えば鏡面研磨工程における2次研磨工程、又は3次研磨工程)で用いられる仕上研磨用キャリアとがある。
図3Bは研磨用キャリア20を下定盤104に取り付けた状態を示す斜視図である。図3Bに示されるように、複数の研磨用キャリア20は、それぞれギヤ部24が内側のサンギヤ220及び外側のインターナルギヤ230に噛合するように所定間隔毎に配される。
外側キャリア押圧機構250は、例えば金属材などにより環状に形成されており、下端面がインターナルギヤ230に噛合する各研磨用キャリア20のギヤ部24の上方に対向するように上定盤104の外周に取り付けられている。
また、内側キャリア押圧機構260は、図3B中一点鎖線で示されるようにサンギヤ220の上部及び外周を覆うように取り付けられており、下端面がサンギヤ220の外側に突出した部分(端面)がサンギヤ220に噛合する各研磨用キャリア20のギヤ部24の上方に対向するように設けられている。
尚、インターナルギヤ230は、下定盤106の外側に位置するため、各研磨用キャリア20のギヤ部24は下定盤106の外側に突出することになる。しかしながら、各ガラス基板保持穴21が下側研磨パッド140の内側に位置するため、各ガラス基板保持穴21に挿入されたガラス基板10が下側研磨パッド140の下側研磨パッド140より外側にはみ出すことはない。
〔ガラス基板の構成、製造〕
図4はガラス基板の断面形状を示す断面斜視図である。図4に示されるように、磁気記録媒体用ガラス基板を製造する工程では、先ず、フロート法、フュージョン法、リドロー法、またはプレス成形法で成形されたSiOを主成分とするガラス素基板を製作し、外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmの寸法のガラス基板10が得られるようにガラス素基板を加工する。ガラス基板10は、上下主平面11a、11bの中央部に円形孔12を有する円盤状に形成され、内周側面13と、外周側面14とを有する。
さらに、ガラス基板10の内周側面13及び外周側面14を面取り幅0.15mm、面取り角度45度の面取り部15、16のガラス基板が得られるように加工を施す。その後、ガラス基板10の内周側面13、外周側面14及び内周面取り部15、外周面取り部16を、研磨ブラシと酸化セリウム砥粒を用いて研磨して微細なキズを除去する。次いでガラス基板10の表面に付着した砥粒を洗浄し、除去する。
ガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する研磨方法としては以下の研磨方法がある。
本実施例のガラス基板10の研磨方法では、両面研磨装置100の上下側研磨パッド130、140を、研磨用キャリア20のガラス基板保持穴21に保持されたガラス基板10の上下主平面11a、11bに密着させ、研磨液を上下側研磨パッド130、140とガラス基板10との間に供給すると共に、上定盤104及び下定盤106を相対回転させて上下側研磨パッド130、140によりガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する。
ここで、ガラス基板の研磨方法の具体例について説明する。
(I)研磨方法Aとしては、両面研磨装置100の上下定盤104、106に装着した固定砥粒工具(上下側研磨パッド130、140)と研磨液を用いてガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する固定砥粒研磨方法(固定砥粒研磨工程)がある。
(II)研磨方法Bとしては、両面研磨装置100の上下側研磨定盤の研磨面と砥粒を含有する研磨液を用いてガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する遊離砥粒研磨方法(遊離砥粒研磨工程)がある。
(III)研磨方法Cとしては、両面研磨装置100の上下定盤104、106に装着した研磨パッドの上下側研磨パッド130、140と砥粒を含有する研磨液を用いてガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する鏡面研磨方法(鏡面研磨工程)がある。
尚、上記研磨方法A〜Cは、目的に応じて適宜選択される。例えば、ガラス基板10の板厚を揃える、ガラス基板10の平坦度を所望の値とするように研磨する場合は、アルミナ砥粒などの遊離砥粒を含む研磨液を用いてガラス基板10の上下主平面11a、11bをラップ加工する上記研磨方法B、または固定砥粒工具と研磨液を用いてガラス基板10の上下主平面11a、11bを研削加工する上記研磨方法Aが適用される。
また、磁気記録媒体用のガラス基板10の上下主平面11a、11bを、例えば波長405nmのレーザ光を用いて測定した60nm〜160nmの表面うねりnWaが0.3nm以下となるように研磨する場合は、上記研磨方法Cが適用される。
〔外側キャリア押圧機構250の構成〕
図5Aは研磨工程時の外側キャリア押圧機構250を示す斜視図である。図5Aに示されるように、外側キャリア押圧機構250は、上定盤104の外周に外設する環状部250aと、研磨用キャリア20の上面に当接する下端部250bとを有する。
また、外側キャリア押圧機構250は、上定盤104の外周から半径方向に突出する複数のロックピン252に嵌合する複数のロック溝254が環状部250aの側面に形成される。ロック溝254は、側方からみるとL字状に形成されており、水平方向に延在する水平部254aと、水平部254aより上方に延在する垂直部254bとを有する。
図5Bは上定盤を上昇させる際の外側キャリア押圧機構250の動作状態を示す斜視図である。図5Bに示されるように、研磨工程終了直後、すなわち上定盤104を上昇させる直前に各ロック溝254を各ロックピン252に対して円周方向(X方向)にスライドさせ、各ロックピン252による各ロック溝254のロック(係止)を解除する。これにより、外側キャリア押圧機構250は、自重により垂下方向(Y方向)に降下することで抑止位置に至り、下端部250bの端面が研磨用キャリア20の上面を下方に押圧する。そのため、研磨用キャリア20は、下側研磨パッド140の研磨面に当接した状態に保持されると共に、上定盤104が上昇する直前に上定盤104の上側研磨パッド130に密接することが抑止される。
〔研磨工程の手順〕
上記研磨装置100を用いてガラス基板10を研磨する製造方法は、以下の各工程を順次行う。
第1工程では、下定盤102の下側研磨パッド140に載置された研磨用キャリア20の各ガラス基板保持穴21に各ガラス基板10を保持させる。
第2工程では、前記第1工程終了後、研磨装置100の上定盤104を降下させて上側研磨パッド130の研磨面を研磨用キャリア20の上面及びガラス基板10の上主平面11aに当接させる。
第3工程では、前記第2工程終了後、研磨液を上側研磨パッド130及び下側研磨パッド140に供給すると共に、上定盤104及び下定盤106を相対的に動かしてガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する。
第4工程では、前記第3工程終了後、研磨用キャリア20の上面側の主平面を下方に押圧して当該研磨用キャリア20の下面側の主平面を下側研磨パッド140に当接する抑止位置に外側キャリア押圧機構250を降下させる。
第5工程では、前記第4工程終了後、研磨終了後に上定盤104を上昇させて上側研磨パッド130を下定盤140上の研磨用キャリア20から離間させる。
〔研磨工程における外側キャリア押圧機構250、内側キャリア押圧機構260の作用〕
図6Aは研磨工程時の外側キャリア押圧機構250、内側キャリア押圧機構260の状態を示す研磨装置の側断面図である。図6Aに示されるように、研磨工程時は、連結機構200の連結ピン202が回転軸180の溝182に嵌合しており、回転軸180の回転が支持機構110の固定ベース116を介して上定盤104に伝達される。これと同時に、各研磨用キャリア20は、ギヤ部24が中心側のサンギヤ220及び外側のインターナルギヤ230に噛合しているので、サンギヤ220およびインターナルギヤ230の回転と共に、自転しながら公転する。そして、上側研磨パッド130及び下側研磨パッド140に、研磨液(研磨剤を含む)を供給しながら研磨用キャリア20の各ガラス基板保持穴21に挿入されたガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する。
また、研磨工程においては、各ロックピン252が各ロック溝254の水平部254aの端部に位置しており、外側キャリア押圧機構250を上定盤104の外周面に対して係止した状態にある。この係止状態の外側キャリア押圧機構250の下端面は、図7Aに示されるように研磨用キャリア20の上面から所定隙間S1分離間しており、回転する研磨用キャリア20に負荷を与えないように非接触状態にある。
また、内側キャリア押圧機構260は、サンギヤ220に上部及び外周を覆うように環状に形成されており、その下端部260aの端面が研磨用キャリア20の上面から僅かに離間した位置に固定されている。従って、研磨工程時の内側キャリア押圧機構260は、回転する研磨用キャリア20に負荷を与えないように非接触状態にある。よって、研磨工程においては、外側キャリア押圧機構250及び内側キャリア押圧機構260が共に研磨用キャリア20と干渉せず、研磨用キャリア20の回転が安定した状態でガラス基板10の研磨が行われる。
図6Bは研磨工程終了後の外側キャリア押圧機構250の動作状態を示す研磨装置の側断面図である。図6Bに示されるように、研磨工程が終了した後は、上定盤104の回転が停止された状態で外側キャリア押圧機構250を円周方向(X方向)に手動操作によりスライドさせる。これにより、各ロックピン252が各ロック溝254の水平部254aを相対移動して垂直部254bに嵌合する。
そのため、外側キャリア押圧機構250に対する係止状態が解除されると共に、外側キャリア押圧機構250は、自重により抑止位置に降下して下端部250bが研磨用キャリア20の上定盤104の外側の上面に当接し、自重により研磨用キャリア20の上定盤104の外側の上面を下方に押圧する。また、外側キャリア押圧機構250を降下させ、且つ上定盤104を上昇させる前の状態では、各ロックピン252が各ロック溝254の垂直部254bの上端に当接していないため、外側キャリア押圧機構250は、上下方向へ移動可能な状態になっている。
よって、外側キャリア押圧機構250は、図7Bに示されるように下端部250bの端面がインターナルギヤ230側(上定盤104の外側)の研磨用キャリア20上面を自重により下方に押圧し、下定盤106の下側研磨パッド140に対して研磨用キャリア20を保持する。また、内側キャリア押圧機構260は、サンギヤ220の上部に固定されているので、まだ研磨用キャリア20と非接触状態にある。
図6Cは上定盤104を上昇させたときの外側キャリア押圧機構250の状態を示す研磨装置の側断面図である。図6Cに示されるように、昇降用シリンダ装置170により上定盤104を上昇させる際、各ロックピン252が各ロック溝254の垂直部254bに嵌合している。このとき、各ロックピン252が各ロック溝254の垂直部254bの上端に当接し、外側キャリア押圧機構250は最下端に位置している。
従って、図7Cに示されるように上定盤104を上昇させる過程においては、各ロックピン252が各ロック溝254の垂直部254bの上端に当接するまでは、外側キャリア押圧機構250の下端部250bの端面が研磨用キャリア20のインターナルギヤ230側上面を上方から下方に押圧している。よって、上定盤104を上昇開始した直後の所定距離(各ロックピン252が各ロック溝254の垂直部254bの上端に当接するまでの距離)に達するまでは、外側キャリア押圧機構250の下端部250bの端面が研磨用キャリア20のインターナルギヤ230側上面を上方から下方に押圧しているため、上定盤104の上昇動作に伴う研磨用キャリア20の密接によるめくり上がりが防止される。
また、外側キャリア押圧機構250の下端部250bの端面が研磨用キャリア20のインターナルギヤ230側を下側研磨パッド140の研磨面に押圧した状態で上定盤104が上昇することにより上側研磨パッド130と研磨用キャリア20の上面との間に空気が入り、上側研磨パッド130と研磨用キャリア20との間の密接状態が解消される。
さらに、上定盤104を上昇させる過程で、内側キャリア押圧機構260の下端部260aの下端面が相対的に研磨用キャリア20のサンギヤ220側(上定盤104の内側)上面を上方から下方に押圧するため、研磨用キャリア20のサンギヤ220側が上側研磨パッド130に密接することが抑止される。
このように、各研磨用キャリア20のインターナルギヤ230側が外側キャリア押圧機構250の下端部250bにより上方から下方に押圧され、続いて僅かな時間差をもって研磨用キャリア20のサンギヤ220側が内側キャリア押圧機構260の下端部260aにより上方から下方に押圧される。そのため、研磨用キャリア20が上側研磨パッド130に密接することが抑止されると共に、上側研磨パッド130に貼り付いた研磨用キャリア20は、上定盤104の上昇と共に上側研磨パッド130から確実に剥がされる。
このように、研磨工程終了後は、研磨用キャリア20の上定盤104の外側及び内側の位置において研磨用キャリア20の上面を上方から押圧するため、上定盤104の上昇と共に各研磨用キャリア20が上側研磨パッド130に密接することが抑止され、且つ上側研磨パッド130に貼り付いた研磨用キャリア20を剥がすことができる。そのため、各研磨用キャリア20は下側研磨パッド140に載置された位置から動かず、インターナルギヤ230及びサンギヤ220との噛合関係もずれることがないので、研磨用キャリア20とガラス基板10との位置関係がずれることもなく、研磨用キャリア20がガラス基板10に接触してガラス基板10の上下主平面11a,11bにキズや欠陥が発生してしまうという問題も防止できる。
このような効果は、外側キャリア押圧機構250または内側キャリア押圧機構260の少なくとも何れか一方があれば、研磨用キャリア20の上定盤104の外側及び内側の位置の少なくとも何れか一方において研磨用キャリア20の上面を上方から下方に押圧することで実現できると共に、外側キャリア押圧機構250及び内側キャリア押圧機構260の両方があればより確実に研磨用キャリア20の貼り付きを防止できる。
〔変形例1〕
図8は外側キャリア押圧機構250の変形例1を示す図であり、(A)は平面図(B)は側面図である。図8(A)(B)に示されるように、変形例1の外側キャリア押圧機構250Aは、分割可能な構成であり、円弧形状に形成された一対の保持部材255、256を結合部材257により環状に結合させたものである。結合部材257は、所謂バックル構造であり、保持部材255、256の一端側面に設けられた係止部257aと、係止部257aに係止されるレバー部257bとからなる。
従って、結合部材257のレバー部257bを係止部257aに係止させることで、簡単に一対の保持部材255、256を結合させることが可能であり、結合部材257のレバー部257bを係止部257aから外すことで一対の保持部材255、256を分割できる。そのため、外側キャリア押圧機構250Aは、上定盤104の外周に対し、比較的簡単な操作で装着したり、分離させることが可能になる。
また、一対の保持部材255、256は、ロック溝254が設けられている。そのため、一対の保持部材255、256を上定盤104の外周に装着する際は、各ロック溝254が上定盤104の外周に固定された各ロックピン252に嵌合するように位置合わせすれば良い。
また、変形例1の外側キャリア押圧機構250Aは、2分割に限らず、3分割あるいは4分割可能な構成とすることも可能である。また、上記結合部材257の代わりに鉤型形状のフックあるいは蝶番などの金具を用いても良い。
〔変形例2〕
図9は外側キャリア押圧機構250の変形例2を示す図である。図9に示されるように、変形例2の外側キャリア押圧機構250Bは、ロック溝254の水平部254aの端部上側に研磨工程時にロックピン252を係止する係止凹部254cが形成されている。
研磨工程時は、ロックピン252が係止凹部254cに係止されており、上定盤104の回転により外側キャリア押圧機構250BがX方向(周方向)に移動することが阻止される。そのため、研磨工程時の回転による振動等により外側キャリア押圧機構250Bに対するロックピン252によるロックが外れることが防止される。
〔変形例3〕
図10は外側キャリア押圧機構250の変形例3を示す図である。図10に示されるように、変形例3の外側キャリア押圧機構250Cは、下端部250bの端面の内側に上定盤104の下面に対向するように外側に突出する幅広部258を有する。この幅広部258は、半径方向の幅B1が上定盤104の外周に装着される外側キャリア押圧機構250Cの半径方向の幅B2より大きくなるように形成されている(B1>B2)。
そのため、外側キャリア押圧機構250Cの下端部250bの端面は、研磨用キャリア20を下方に押圧する接触面積が大きくなっており、インターナルギヤ230に噛合する研磨用キャリア20の上面を幅広く押圧することが可能になる。これにより、研磨用キャリア20の貼り付き抑止効果が向上する。
また、外側キャリア押圧機構250Cの下端部250bに幅広部258を設けることにより、研磨用キャリア20に接触する面積が増大して研磨用キャリア20の上面に作用する押圧力を分散して研磨用キャリア20の損傷を防止することも可能になるため、幅広部258は研磨用キャリア20を保護する保護部材としても機能する。
さらに、外側キャリア押圧機構250の下端部250b及び内側キャリア押圧機構260の下端部260aの下面に研磨用キャリア20を保護するための保護部材として、ゴム材、あるいはフエルト等のクッション性を有する材質のものを接着しても良い。
図11Aは本発明によるキャリア押圧機構の実施例2が適用された研磨装置を示す側断面図である。図11A〜図11Cにおいて、図1と共通部分は同一符号を付してその説明を省略する。また、図11A〜図11Cにおいて、連結機構200を省略している。
図11Aに示されるように、両面研磨装置100Aは、研磨用キャリア20が上定盤104の上側研磨パッド130に貼り付くことを防止するキャリア貼り付き防止機構240Aが設けられている。キャリア貼り付き防止機構240Aは、外側キャリア押圧機構250Dと、内側キャリア押圧機構260Aと、押圧機構駆動手段300とを有する。
また、押圧機構駆動手段300は、外側キャリア押圧機構250Dを昇降させる外側シリンダ装置310と、内側キャリア押圧機構260Aを昇降させる内側シリンダ装置320とを有する。尚、押圧機構駆動手段300としては、空気圧により作動するシリンダ装置以外のアクチュエータ(例えば液圧で駆動するシリンダ装置、あるいは電動モータにより駆動されるネジ機構など)を用いても良い。
外側シリンダ装置310は、上定盤104の外側上面に固定され、ピストンロッド312が上方に向けて起立している。ピストンロッド312は、L字形状のアーム部材314を介して外側キャリア押圧機構250Dに結合されている。
内側シリンダ装置320は、支持機構110の固定ベース116の内側上面に固定され、ピストンロッド322が下方に向けて突出している。ピストンロッド322は、下端部が固定ベース116を垂下方向に貫通して内側キャリア押圧機構260Aの上面に結合されている。
各シリンダ装置310、320は、制御部210Aからの制御信号により空圧制御部330の切替弁(例えば、三方電磁弁等)が切り替わり、空圧制御部330から圧縮空気が供給されると、シリンダ内の空気圧によりピストンロッド312、322を昇降させる。
各シリンダ装置310、320は、研磨工程時、ピストンロッド312、322が上方に駆動されており、研磨終了後の上定盤104を上昇させる際、下方に駆動される。そして、各キャリア押圧機構250D、260Aは、空圧制御部330から圧縮空気が各シリンダ装置310、320に供給されることによって駆動されるピストンロッド312、322の駆動力が伝達されて昇降する。
〔シリンダ装置310、320の動作〕
図11Aに示されるように、研磨工程時は、上定盤104が降下し、上側研磨パッド130の研磨面と下側研磨パッド140の研磨面との間に各研磨用キャリア20が挟持され、各研磨用キャリア20に保持されたガラス基板10の上下主平面11a、11bを研磨する。この研磨工程においては、外側シリンダ装置310のピストンロッド312が上方(上限位置)に駆動されている。そのため、外側キャリア押圧機構250Dは、回転する研磨用キャリア20に負荷を与えないように研磨用キャリア20より所定距離離間した高さ位置に上昇している。
また、研磨工程においては、内側シリンダ装置320のピストンロッド322が上限位置に駆動されている。そのため、内側キャリア押圧機構260Aは、回転する研磨用キャリア20に負荷を与えないようにサンギヤ220及び研磨用キャリア20より所定距離離間した高さ位置に上昇している。
図11Bは実施例2の研磨工程終了後のキャリア押圧機構310、320の動作状態を示す両面研磨装置100Aの側断面図である。図11Bに示されるように、研磨工程が終了すると、制御部210Aは、空圧制御部330に制御信号を出力し、各シリンダ装置310、320に対する圧縮空気の供給先を切換える。各シリンダ装置310、320は、空圧制御部330からの圧縮空気の供給先が切換えられると、シリンダ内の空気圧によりピストンロッド312、322を降下させる。
これにより、外側キャリア押圧機構250Dは、下端部250bの端面がインターナルギヤ230側(上定盤104の外側)の研磨用キャリア20の上面を上方から下方に押圧する抑止位置に降下し、下定盤106の下側研磨パッド140に対して研磨用キャリア20を保持する。また、中心側の内側キャリア押圧機構260Aは、上定盤104が上昇する過程で研磨用キャリア20が貼り付いていた場合に、下端部260aがサンギヤ220側(上定盤104の内側)の研磨用キャリア20の上面を上方から下方に押圧し、上側研磨パッド130に貼り付いた研磨用キャリア20を剥がすことができる。
このとき、各キャリア押圧機構250D、260Aは、各シリンダ装置310、320の空気圧により研磨用キャリア20を上方から下方に押圧する抑止位置に降下している。また、各ピストンロッド312、322は下限位置に達しておらず、上定盤104を上昇させる際も所定距離(所定高さ位置)上昇するまで、研磨用キャリア20を下方に押圧し続ける。そして、各ピストンロッド312、322は、上定盤104の上昇と共に下限位置に達した時点で研磨用キャリア20に対する押圧を解除する。
図11Cは実施例2の上定盤104を上昇させた状態を示す両面研磨装置100Aの側断面図である。図11Cに示されるように、昇降用シリンダ装置170により上定盤104を上昇させる際、各キャリア押圧機構250D、260Aの各下端部250b、260aの端面は、各シリンダ装置310、320の空気圧により研磨用キャリア20を上方から下方に押圧している。
従って、上定盤104の上昇開始からピストンロッド312、322が下限位置に達するまでの上昇過程においては、各キャリア押圧機構250D、260Aの各下端部250b、260aの端面が研磨用キャリア20を下方に押圧している。よって、上定盤104を上昇開始した直後の所定距離(ピストンロッド312、322が下限位置に達するまでの距離)に達するまでは、各キャリア押圧機構250D、260Aが研磨用キャリア20を下方に押圧している。そのため、上定盤104の上昇動作に伴う上側研磨パッド130に対する研磨用キャリア20の密接を抑止すると共に、上昇動作に伴う研磨用キャリア20のめくり上がりを抑止できる。
また、上定盤104が上昇することにより上側研磨パッド130と研磨用キャリア20の上面との間に空気が入ることで、上側研磨パッド130と研磨用キャリア20との間の密接状態が解消される。
このように、各研磨用キャリア20は、インターナルギヤ230側が外側キャリア押圧機構250Dの下端部250bにより上方から下方に押圧され、同時にサンギヤ220側が内側キャリア押圧機構260Aの下端部260aにより上方から下方に押圧される。そのため、上側研磨パッド130に密接していた研磨用キャリア20は、上定盤104の上昇と共に上側研磨パッド130から確実に剥がされる。
さらに上定盤104の上昇と共に各研磨用キャリア20が上側研磨パッド130から剥がされて分離されるため、各研磨用キャリア20は下側研磨パッド140に載置された位置から動かず、インターナルギヤ230及びサンギヤ220との噛合関係もずれることがないので、研磨用キャリア20とガラス基板10との位置関係がずれることもなく、研磨用キャリア20がガラス基板10に接触してガラス基板10の上下主表面11a、11bにキズや欠陥が発生してしまうという問題も防止できる。
このような効果は、外側キャリア押圧機構250Dまたは内側キャリア押圧機構260Aのうち少なくとも何れか一方があれば、研磨用キャリア20の上定盤104の外側及び内側の位置の少なくとも何れか一方において研磨用キャリア20の上面を上方から押圧することで実現でき、外側キャリア押圧機構250D及び内側キャリア押圧機構260Aの両方があればより確実に研磨用キャリア20の密接を抑止できると共に、上定盤104に対する貼り付きを抑止できる。
〔本発明の研磨方法と従来の研磨方法との比較〕
本発明の研磨方法によるガラス基板10と従来の研磨方法によるガラス基板10とのキズ検査の比較結果は、表1の通りである。
Figure 2013169614
ここで、ガラス基板10の研磨工程の条件について説明する。
〔ガラス基板のサイズ〕
研磨対象となるガラス基板10は、直径65mm、内径20mm、厚さ約0.64mmの磁気記録媒体用ガラス基板となるように中央に円孔を有する円盤形状に形状加工され、ラップ処理(研削工程)、内外周研磨済みのガラス基板を用いた。
〔1次研磨工程〕
研磨具として硬質ウレタン製の研磨パッドと酸化セリウム砥粒を含有する研磨液(平均粒子直径(以下、「平均粒径」と略す。)約1.3μmの酸化セリウムを含有する研磨液組成物)を用いて、16B型両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM16B−5PV−4MH)によりガラス基板10の上下主平面11a、11bを1次研磨した。
1次研磨における総研磨量は、上下主平面11a、11bの厚さ方向で計40μmとなるように研磨時間を設定してガラス基板10を研磨した。本発明の実施例において、16B型両面研磨装置で研磨したときの研磨用キャリア20の数は5枚とした。研磨用キャリア20は、通常のガラス繊維強化エポキシ樹脂製で、表裏の表面粗さは同等のものを用いた。
〔1次研磨後の洗浄工程〕
1次研磨後の洗浄工程により、ガラス基板10に付着した酸化セリウムを洗浄除去した。
〔2次研磨工程〕
1次研磨の洗浄後は、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッドと、上記酸化セリウム砥粒よりも平均粒径が小さい酸化セリウム砥粒を含有する研磨液(平均粒径約0.5μmの酸化セリウムを主成分とする研磨液組成物)を用いて、16B型両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM16B−5PV−4MH)によりガラス基板10の上下主平面11a、11bを2次研磨した。このとき、本発明の実施例1では、前述した各キャリア押圧機構250、260(図6A〜図6C参照)を有する両面研磨装置100(表1に示す「機構Aあり」)により研磨を行った。また、比較例1では、実施例1のキャリア押圧機構250、260が装着されていない従来の両面研磨装置(表1に示す「機構Aなし」)により研磨を行った。
2次研磨における総研磨量は、上下主平面11a、11bの厚さ方向で計6μmとなるように研磨時間を設定してガラス基板10を研磨した。本発明の実施例において、16B型両面研磨装置で研磨したときの研磨用キャリア20の数は5枚とした。研磨用キャリア20は、通常のガラス繊維強化エポキシ樹脂製で、表裏の表面粗さは同等のものを用いた。
このとき、研磨用キャリア20は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂製で、厚さ0.5mmのものを用いた。実施例1、比較例1共に10バッチ研磨し、各研磨バッチで研磨終了後、上定盤104を上昇させた際に、研磨用キャリア20が上定盤104の下面(上側研磨パッド130)に密接して貼り付いた場合、上定盤104と共に持ち上げられた研磨用キャリア20の枚数、及び持ち上げられていないが下定盤104の下側研磨パッド140から一部が若干浮き上がり、研磨用キャリア20の位置やガラス基板10との相対位置がずれたキャリア枚数を記録した。
〔2次研磨後の洗浄工程〕
2次研磨後の洗浄工程により、ガラス基板10に付着した酸化セリウムを洗浄除去した。
〔3次研磨工程〕
実施例1と同様の方法にて2次研磨後、研磨具として軟質ウレタン製の研磨パッドと、上記コロイダルシリカを含有する研磨液(一次粒子の平均粒径が20〜30μmのコロイダルシリカを含有する研磨液組成物)を用いて、16B型両面研磨装置(スピードファム社製、製品名:DSM16B−5PV−4MH)によりガラス基板10の上下主平面11a、11bを3次研磨した。
3次研磨においては、総研磨量が上下主平面11a、11bの厚さ方向で1μmとなるように研磨時間を設定してガラス基板10を研磨した。
実施例2では各キャリア押圧機構250A、260A(図11A〜図11C参照)を有する両面研磨装置100A(表1の「機構Bあり」)を用いてガラス基板10を研磨した。また、比較例2では、実施例2のキャリア押圧機構250D、260Aが装着されていない従来の両面研磨装置(表1の「機構Bなし」)により研磨を行った。
このとき、研磨用キャリア20は、アラミド繊維強化エポキシ樹脂製で、厚さ0.5mmのものを用いた。実施例2、比較例2共に10バッチ研磨し、各研磨バッチで研磨終了後、上定盤104を上昇させた際に、研磨用キャリア20が上定盤104の下面(上側研磨パッド130)に密接して上定盤104と共に持ち上げられた研磨用キャリア20の枚数、及び持ち上げられていないが下定盤102の下側研磨パッド140から一部が若干浮き上がり、研磨用キャリア20の位置やガラス基板10との相対位置がずれたキャリア枚数を記録した。
〔3次研磨後の洗浄工程〕
3次研磨を行ったガラス基板は、最終洗浄・乾燥工程によりアルカリ性洗剤によるスクラブ洗浄、アルカリ性洗浄溶液に浸漬した状態で超音波洗浄、純水に浸漬した状態での超音波洗浄を順次行い、イソプロピルアルコール蒸気にて乾燥させた。
〔キズ検査〕
上記のように最終洗浄・乾燥工程で洗浄・乾燥された実施例2のキャリア押圧機構250A、260Aを有する両面研磨装置100A(表1の「機構Bあり」),比較例2のキャリア押圧機構のない従来の両面研磨装置(表1の「機構Bなし」)によるガラス基板10を10万ルクスの光源下で目視検査し、キズの発生率を確認した。このキズ検査では、全数検査を行っており、長さがほぼ10μmのキズを目視により検出できる。尚、10バッチの全数検査を行う場合、1バッチ100枚のガラス基板10が搬送されるため、10バッチの場合、1000枚のガラス基板10のキズ検査を行う。
〔実施例1、2と比較例1、2との比較〕
表1に記載されているように、研磨終了後の10バッチ当たりの研磨用キャリア20の上定盤104への貼り付き枚数が実施例1(表1の「機構Aあり」)ではゼロ枚であるのに対し、比較例1のキャリア押圧機構のない従来の両面研磨装置(表1の「機構Aなし」)では50枚中10枚が確認された。また、研磨終了後の10バッチ当たりの研磨用キャリア20の上定盤104への貼り付き枚数が実施例2のキャリア押圧機構250A、260Aを有する両面研磨装置100A(表1の「機構Bあり」)ではゼロ枚であるのに対し、比較例2のキャリア押圧機構のない従来の両面研磨装置(表1の「機構Bなし」)では50枚中14枚が確認された。この結果から、本発明の実施例1、2のキャリア押圧機構250、260、250A、260Aによる上定盤104に対する研磨用キャリア20の貼り付き防止効果は明らかである。
また、研磨終了後の10バッチ当たりの研磨用キャリア20とガラス基板10との位置ずれ枚数は、本発明の実施例1、2の両面研磨装置100、100A(表1の「機構A、Bあり」)がゼロ枚であるのに対し、比較例1のキャリア押圧機構のない従来の両面研磨装置(表1の「機構Aなし」)が50枚中21枚、比較例2(表1の「機構Bなし」)では50枚中23枚が確認された。この結果から、本発明の実施例1、2のキャリア押圧機構250、260、250A、260Aによる上定盤104に対する研磨用キャリア20の位置ずれ防止効果は明らかである。
さらに、10バッチ当たりのガラス基板10(1000枚)の上下主平面11a、11bのキズ検査(目視検査)による長さ10μm以上のキズ発生率は、実施例2のキャリア押圧機構250A、260Aを有する両面研磨装置100A(表1の「機構Bあり」)が1.1%であるのに対し、比較例2のキャリア押圧機構のない従来の両面研磨装置(表1の「機構Bなし」)は7.9%であった。この結果からも実施例2のキャリア押圧機構250A、260Aによる上定盤104に対する研磨用キャリア20の貼り付き、位置ずれ防止によるキズ発生率の低下は明らかである。
上記実施例では、磁気記録媒体用のガラス基板を製造する工程を例に挙げて説明したが、これに限らず、これ以外の用途で使用されるガラス基板を研磨加工する各工程にも本発明を適用することができるのは勿論である。
また、本発明が適用できるガラス基板としては、磁気記録媒体用、フォトマスク用、液晶や有機EL等のディスプレイ用、光ピックアップ素子や光学フィルタ等の光学部品用などのガラス基板が具体的なものとして挙げられる。
10 ガラス基板
11a、11b 上下主平面
12 円形孔
13 内周側面
14 外周側面
15、16 面取り部
20 研磨用キャリア
21 ガラス基板保持穴
22 保持部
24 ギヤ部
100、100A 両面研磨装置
102 基台
104 上定盤
106 下定盤
108 昇降機構
110 支持機構
112 連結部
114 支柱
116 固定ベース
130 上側研磨パッド
140 下側研磨パッド
150 昇降機構
160 フレーム
170 昇降用シリンダ装置
172 ピストンロッド
174 下端支持部
180 回転軸
182 溝
200 連結機構
202 連結ピン
210、210A 制御部
220 サンギヤ
230 インターナルギヤ
240、240A キャリア貼り付き防止機構
250、250A〜250D 外側キャリア押圧機構
250a 環状部
250b 下端部
252 係止ピン
254 ロック溝
254a 水平部
254b 垂直部
254c 係止凹部
255、256 保持部材
257 結合部材
257a 係止部
257b レバー部
258 幅広部
260、260A 内側キャリア押圧機構
260a 下端部
300 押圧機構駆動手段
310 外側シリンダ装置
320 内側シリンダ装置
312、322 ピストンロッド
314 アーム部材

Claims (14)

  1. 下定盤の下側研磨パッドに載置されたキャリアの各被研磨体保持穴に被研磨体を挿入し、研磨装置の上定盤を降下させて上側研磨パッドを前記被研磨体の主平面に押圧し、研磨液を供給すると共に、前記上側研磨パッドと前記下側研磨パッドとを相対的に動かして前記被研磨体の主平面を研磨し、研磨終了後に前記上定盤を上昇させる構成を有する研磨装置に装着されるキャリア押圧機構であって、
    研磨時には、前記キャリアから離間し、研磨終了後に前記上定盤を上昇させる際は、前記キャリアの上面を上方から押圧して当該キャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止することを特徴とするキャリア押圧機構。
  2. 前記上定盤を上昇させる際、前記上定盤の外側及び内側の位置の少なくとも何れか一方において前記キャリアの上面を上方から押圧する請求項1に記載のキャリア押圧機構。
  3. 前記上定盤の外側に設けられ、前記キャリアの上面を上方から押圧する第1のキャリア押圧機構、及び前記上定盤の内側に設けられ、前記キャリアの上面を上方から押圧する第2のキャリア押圧機構の少なくとも何れか一方を有することを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア押圧機構。
  4. 前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に対して上下方向に変位可能に支持され、前記上定盤を上昇させる直前に前記キャリアを下方に押圧する抑止位置に降下されることを特徴とする請求項3に記載のキャリア押圧機構。
  5. 前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に対して上下方向に変位可能に支持され、前記上定盤に設けられた駆動手段により前記上定盤を上昇させる直前に前記キャリアの上面を下方に押圧してキャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する抑止位置に駆動されることを特徴とする請求項3に記載のキャリア押圧機構。
  6. 前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に環状に形成された環状部材からなり、前記環状部材の下側端面が前記キャリアの上面に当接することを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のキャリア押圧機構。
  7. 前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周から突出する複数のピンに嵌合する複数のロック溝が形成され、研磨終了後に前記上定盤を上昇させる直前に前記複数のロック溝を前記複数のピンに対して円周方向にスライドさせ、前記複数のピンによる前記複数のロック溝のロックを解除することで前記キャリアの上面を下方に押圧してキャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止することを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載のキャリア押圧機構。
  8. 前記第1のキャリア押圧機構は、複数の部材に分割され、分割された各部材間を連結することで環状に形成されることを特徴とする請求項3〜7の何れかに記載のキャリア押圧機構。
  9. 前記第1のキャリア押圧機構は、前記上定盤の外周に外設する環状部と、前記キャリアの上面に当接する下端部とを有し、前記下端部は幅広となる形状に形成されたことを特徴とする請求項3〜8の何れかに記載のキャリア押圧機構。
  10. 前記第1、第2のキャリア押圧機構は、前記キャリアの上面に当接する下端部に前記キャリアを保護する保護部材が設けられたことを特徴とする請求項3〜9の何れかに記載のキャリア押圧機構。
  11. 基台と、
    該基台に支持され、キャリアの各被研磨体保持穴に挿入された複数の被研磨体の下面を研磨する下側研磨パッドを有する下定盤と、
    該下定盤の上方に対向配置され前記複数の被研磨体の上面を研磨する上側研磨パッドを有する上定盤と、
    前記基台の上方に支持され前記上定盤を昇降させる昇降機構と、
    前記基台に設けられた駆動部と、
    前記昇降機構の降下動作により前記上側研磨パッドを前記複数の被研磨体の上面に当接すると共に、前記複数の被研磨体の下面を前記下側研磨パッドに当接した状態で前記上定盤と前記下定盤とが相対的に動くように、前記駆動部の駆動力を伝達する回転伝達機構とを有する研磨装置において、
    前記昇降機構により前記上定盤を上昇させる際、前記キャリアの上面を下方に押圧して当該キャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する請求項1〜10の何れに記載されたキャリア押圧機構を備えたことを特徴とする研磨装置。
  12. 請求項11に記載の研磨装置を用いたガラス基板の研磨方法であって、
    下定盤の下側研磨パッドに載置されたキャリアの各被研磨体保持穴にガラス基板を保持させる第1工程と、
    前記第1工程終了後、研磨装置の上定盤を降下させて上側研磨パッドを前記ガラス基板の主平面に押圧する第2工程と、
    前記第2工程終了後、研磨液を供給すると共に、前記キャリアと前記上側研磨パッド及び前記下側研磨パッドとを相対的に動かして前記ガラス基板の主平面を研磨する第3工程と、
    前記第3工程終了後、前記キャリアの上面を下方に押圧して当該キャリアが前記上側研磨パッドに密接することを抑止する位置にキャリア押圧機構を変位させる工程4と、
    前記第4工程終了後、前記上定盤を上昇させる工程5と、
    を有するガラス基板の研磨方法。
  13. ガラス板を所望の形状を有するガラス基板に加工する形状加工工程と、前記ガラス基板の主平面を研磨する研磨工程と、前記ガラス基板の洗浄工程と、を有するガラス基板の製造方法において、
    前記研磨工程は、請求項11に記載の研磨装置によりガラス基板の主平面を研磨することを特徴とするガラス基板の製造方法。
  14. 前記ガラス基板は、中央部に円孔を有する円盤形状の磁気記録媒体用ガラス基板である請求項13に記載のガラス基板の製造方法。
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