JP2013169568A - 圧入接合の接合品質管理方法 - Google Patents

圧入接合の接合品質管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧入接合における接合品質管理方法に関し、接合品の品質の管理が即時にかつ高精度に行える圧入接合における接合品質管理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 第二の部材8を第一の部材6の孔部7に圧入して固相拡散による圧入接合を行うに際し、通電に伴う接合部12の温度に関し、予め、温度測定手段10により通電時の接合部12の温度を測り、この通電の電流を上げるか又は通電時間を長くするにともない上昇する上記接合部の温度が、上記電流を上げた場合又は通電時間を長くした場合であっても上昇しないで飽和状態となる範囲の温度を飽和温度として計測し、上記圧入接合の際、上記接合部12の温度が上記飽和温度に属する場合には上記圧入接合による接合品を良品と判断し、上記温度が上記飽和温度に属さない場合には、上記圧入接合による接合品を不良品と判断することである。
【選択図】 図10

Description

本発明は、圧入接合における接合品質管理方法に関する。
従来、抵抗溶接機を利用した抵抗溶接では、例えば、抵抗溶接機による溶接部の発熱量(Q)を、Q=0.24IRt(I:溶接電流、R:抵抗、t:通電時間)により計算して溶接電流及び通電時間等の制御を行っていた。
上記発熱量の内、溶接電流と通電時間については溶接タイマー等で制御し、その制御方式はサイリスタ定電流制御により行っていた。
本願出願人は、特許文献1に示す接合方法により接合品の製造を行っている。そして、量産工程における管理方法としては、電流と通電時間についてはカレントモニター(電流計)によってモニタリングしているが、これは接合装置の電極を流れた電流のモニタリングであり、接合のために使用された電流のモニタリングではない。
従ってこの電流が接合部を通らず漏電したり、ショートしたりした時の異常をこの方法では検知できない。即ち接合に使用された電流を適切にモニタリングする方法はないのが現状である。
また、電極加圧力の計測については、モニタリング方法が存在するが、このモニタリングによって本開発品の品質管理に電流モニタリング法より有効なデータを与えるものではない。
このため最終的には、接合品の品質管理については、製造品のサンプルを取り出し、その都度破壊強度試験を行って最適接合条件範囲の条件出しを行ない、また強度等の試験を行い品質の確認及び管理を行っている。
また、一般の溶融接合品の品質に関し、溶接部に引張残留応力が発生するという問題があり、この引張残留応力は疲労強度を低下させるという弱点をも発生させる。
金属材料同士の接合面の品質の安定化に関して、例えば特許文献2には、接合中の接合状況につき超音波深傷エコーを照射してモニタリングし、そのモニタリングにより得られた接合状況の情報に基づき、接合パラメータとして接合温度、保持時間、加圧力等を制御しながら接合する接合方法が開示されており、これにより接合体の非破壊検査の手間が省略でき品質の安定性の面で有効であるというものである。
また、特許文献3には、抵抗溶接機で流れる電流を測定または制御し、人的労力の軽減と品質管理の向上とを実現するための抵抗溶接用電流測定装置に関する記載がある。
特許文献4には、ジュール熱によってワークの溶接を行う抵抗溶接機において、両電極間の電圧を容易に測定することが出来る装置が開示されており、この装置により測定した電圧によって溶接がどの段階まで進んでいるかがわかり、それに応じて電極の加圧等を適宜行うことにより、ワークを良好に溶接できるというものである。
特開2004−114146号公報 特開2000−218388号公報 特開2003−33882号公報 特開平6−344156号公報
さて、上記サイリスタ定電流制御方式では、二次側の負荷(抵抗)が減少した場合も一定の電流しか流れないため発熱量が減少するという不都合が生じ、またこの場合、電流のモニタリングに関しても、電流変動が無いことから負荷変動(マイナス方向)による発熱量不足の検出は困難であるという問題がある。
また、例え接合時に電流及び通電時間を測定しても、実際の接合部に正常に電流が流れ且つ良好に接合が行われているかの判断ができないため、電流等の測定だけでは接合品の品質保証の検証にはならないという問題がある。
また、特許文献2の接合方法では、接合面の欠陥は発見できるものの接合部の強度等の検証は困難である。特許文献3に係る抵抗溶接機の電流の測定、また特許文献4に係る抵抗溶接機の電極間の電圧の測定による検査についても、製品の品質を間接的に管理するものであり製品の出来具合を検証するものではないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、接合品の品質の管理が即時かつ高精度に行える圧入接合における接合品質管理方法を提供することを目的とする。
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、孔部が形成された第一の部材6と、挿入部分を有する第二の部材8との金属材料同士の接合方法であって、上記第一の部材6の孔部7に対する上記第二の部材8の挿入部分16に圧入代を設け、上記第一の部材6の孔部7内に上記第二の部材8を所定の加圧力で押圧するとともに、これら両部材間に通電を行って両部材の接合部12を加熱し、上記両部材の接合部12を軟化させて上記第二の部材8を上記第一の部材6の孔部7に圧入して固相拡散による圧入接合を行うに際し、上記通電に伴う上記接合部12の温度に関し、予め、温度測定手段10により上記通電時の上記接合部12の温度を測り、この通電の電流を上げるか又は通電時間を長くするにともない上昇する上記接合部の温度が、上記電流を上げた場合又は通電時間を長くした場合であっても上昇しないで飽和状態となる範囲の温度を飽和温度として計測し、上記圧入接合の際、上記接合部12の温度が上記飽和温度に属する場合には上記圧入接合による接合品を良品と判断し、上記温度が上記飽和温度に属さない場合には、上記圧入接合による接合品を不良品と判断することである。
上記飽和状態となる現象は、電流を上げるか又は通電時間を長くするかの何れについてもあらわれる現象である。
本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記第一部材6及び第二部材8の材料をともに鋼材としたことである。
本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記接合部12の軟化により圧入が開始された時点から、上記通電が終了するまでの時間を保持時間として確保し、かつこの保持時間を0.05秒以上としたことである。
また、本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記圧入接合の製造装置18に上記温度測定手段10を配置し、この温度測定手段10を用いて上記通電時における上記接合部の温度を測定するとともに、制御装置11を用い、上記温度測定手段10から得た温度情報を上記飽和温度と比較し、この温度が上記飽和温度の範囲に属するか否かにより、上記圧入接合における接合品の良否を判断することである。
本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記温度測定手段10として、非接触温度計10を用いたことである。
また、本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記非接触温度計10としてファイバ型放射温度計、又は赤外線サーモグラフィを用いたことである。
本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記制御装置11において、上記温度測定手段10から得た温度が上記飽和温度の範囲に属さないと判断した場合には、上記製造装置18にその旨を通知することである。
また、本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法は、上記制御装置11において、上記温度測定手段10から得た温度が上記飽和温度の範囲に属さないと判断した場合には、上記製造装置18にその旨を通知し、上記製造装置18は製造ラインから該当する接合品を排除し、装置の稼働を停止することである。
本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法によれば、予め、温度測定手段により通電時の接合部の飽和温度を計測し、圧入接合の際、接合部の温度が飽和温度に属する場合には圧入接合による接合品を良品と判断し、温度が飽和温度に属さない場合には、圧入接合による接合品を不良品と判断するようにしたから、接合品の品質の管理が即時(リアルタイム)にかつ高精度に行え、また製造現場において全ての接合品の管理が行えることから、常に一定品質の接合品を得ることができ品質管理に大きく寄与するという効果を奏する。
また、本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法によれば、保持時間を確保し、かつこの保持時間を0.05秒以上としたから、二重に品質の管理が行えて高い品質が維持されるという効果がある。
本発明に係る圧入接合における接合品質管理方法によれば、制御装置において、温度測定手段から得た温度が飽和温度の範囲に属さないと判断した場合には、製造装置は製造ラインから該当する接合品を排除し、装置の稼働を停止することとしたから、圧入接合作業の自動化に寄与するという効果がある。
実施の形態に係る圧入接合及び接合品質管理方法の説明図である。 実施の形態に係り、部材を電極に保持させた状態を示す図である。 実施の形態に係り、製造装置(系統図)を示す図である。 実施の形態に係り、接合部の残留応力の測定結果を示す図である(測定には、株式会社リガク製の微少部X線応力測定装置を使用)。 圧入接合時の接合部の温度を時間の経過に伴い測定した結果を示す図である。(ジャパンセンサー株式会社製のファイバ型放射温度計を使用して測定、他も同様) 圧入接合時において、(a)は通電電流と接合部の温度(ピーク)との関係、(b)は通電電流と接合強度との関係、(c)は接合部の温度(ピーク)と接合強度との関係をそれぞれ示す図である。 他の例の圧入接合時において、(a)は通電電流と接合部の温度(ピーク)との関係(同一電流につき2回測定)、(b)は通電電流と接合強度との関係、(c)は接合部の温度(ピーク)と接合強度との関係をそれぞれ示す図である。 圧入接合時において、(a)は通電電流の通電時間と接合部の温度(ピーク)との関係を(同一通電時間につき2回測定)、(b)は他の例の通電電流の通電時間と接合部の温度(ピーク)との関係をそれぞれ示す図である。 各種の素材を用いた圧入接合に係り、(a)は用いた素材及び接合条件を示す図、(b)は各素材における圧入接合時の接合部の温度を時間の経過に伴い測定した結果を示す図である。 実施の形態に係り、圧入接合作業の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係り、圧入接合作業の他の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
図1は、この実施の形態に係る圧入接合の接合部品管理方法を示すものである。
上記圧入接合は、受け電極2及び加圧電極4を用い、第一の部材6の孔部7に第二の部材8を接合するものである。
上記両電極間の通電により第一の部材6と第二の部材8との接合部12には電気抵抗熱による発熱が生じるが、実際の接合時に接合部12に予定通りの発熱が起きていたかどうか確認するため、温度測定手段としての非接触温度計10及び制御装置11を用いて接合部12の温度を測定する。
図2に示すように、上記第一の部材6は板状の鋼材からなるもので、所定の厚さを有し、第一の部材6に設けられた孔部7は断面の直径が一定の円形であり、第一の部材6の板面から垂直方向に孔部7の内壁面部が形成されている。ここでは第一の部材6の板厚を3.2mmとし、孔部7の内径を11.7mmとしている。
上記第二の部材8は軸状の鋼材からなるもので、断面が一定の円柱状(又は円筒状)であり下部に挿入部分16を有している。また、第二の部材8の下面部の周囲は角部が切除されて面取部14が形成されている。ここでは第二の部材8は、外径が12.0mmである。
第二の部材8の挿入部分16の外径(直径)は、第一の部材6の孔部7の内径より僅かに大きく、圧入代はこれらの差となる。この圧入代により、第二の部材8の挿入部分16の外周部位が、第一の部材6の孔部7の内壁面部と接して擦られて接合界面を形成し、全周に及ぶ圧入接合が行われる。
受け電極2には上面部の中央に円形の穴部13(直径:d)が形成され、また加圧電極4には、下面部の中央に円形の保持穴部15が形成されている。
圧入の条件として所定の圧入代(d)と、圧入深さ(h)を設定する。この圧入代(d)は直径に対するものであり、ここで圧入代(d)=第二の部材8の外径(d2)−第一の部材6の孔部7の内径(d1)となる。また、圧入深さは第二の部材8の挿入部分16の圧入(侵入)の深さとなる。
この実施の形態では、圧入代(d)は、0.3mm(12.0−11.7mm)としている。圧入代は、圧入が可能な範囲であれば良い。圧入代の範囲は0.1mm〜0.7mmが実用的であるが、0.1mm〜0.5mmの範囲であればバリも少なくて良好である。
また、圧入深さ(通常第一の部材の板厚と同じ)は1mm〜6mmの範囲が実用的で良好であり、また孔部7の内径(略第二の部材8の挿入部分16の外径)は4mm〜50mmの範囲が電源の容量等からして好ましい。
図3は、圧入接合による接合品の製造装置18(系統図)を示したものである。この製造装置18は、受け電極2、この受け電極2を保持する下部プラテン20、加圧電極4、この加圧電極4を保持する上部プラテン21、電源供給用の電源トランス22(TR)、及び電極に対して電源の供給遮断等の制御を行うサイリスタ24(SCR)等を有している。また、上記製造装置は他に、位置決め機構及び加圧機構(図示せず)などを有している。上記受け電極2及び加圧電極4は、何れもクローム銅製であり、また上記下部プラテン20及び上部プラテン21は何れも真鍮製である。
上記受け電極2は、円柱形状で、上面部30の中央には所定の深さの円形の穴部13が形成されている。この穴部13は、第二の部材8を第一の部材6に圧入接合したときに、第一の部材6の孔部7の周辺が圧入方向に変形するのでこの逃げを形成する逃がし穴として、及び電極が部材に当たって加圧力が失われることによる爆飛を防止するために設けたものである。
上記穴部13の穴の大きさ(d:直径)は、第二の部材8よりも少し大きく形成し穴部13に接触しないようにする。また、穴部13は第一の部材6の孔部7の内径より少し大きく形成する。
また上記受け電極2の内部には、冷却水が通過する冷却回路34が形成されている。この冷却回路34は、穴部13を囲む状態でコの字状に形成されている。
上記下部プラテン20は、上面部に受け電極2を載置し保持する保持部40、及びこの保持部40から延設される導通部42を有している。この導通部42は、電源トランス22の出力端子と電気的に接続されている。また下部プラテン20の内部には、冷却水が通過する冷却回路44が形成されている。
上記加圧電極4は、円柱形状であり、下面部の中央には所定の深さの円形の保持穴部15が形成されている。加圧電極4の内部には、冷却水が通過する冷却回路48が形成されている。
上記上部プラテン21は、下面部に加圧電極4を取り付ける加圧保持部50、及びこの加圧保持部50から延設される導通部52を有している。この導通部52は、電源トランス22の出力端子と電気的に接続されている。上部プラテン21の内部には、冷却水が通過する冷却回路54が形成されている。
加圧保持部50の上面部は、製造装置のプレス機構(油圧式など)のアクチュエータ部に固定されている。
上記各冷却回路は直列に連結され、給水装置から給水バルブ56を通過した冷却水は、順に加圧電極4、上部プラテン21、受け電極2、及び下部プラテン20の各冷却回路を通過して各部を冷却し、排水バルブ58を通過して排水される。
上記通電に用いる電源は、直流、交流、或いは大容量のコンデンサーを利用した電流等を用いる。また、制御部(図示せず)からの制御により、上記プレス機構の加圧力の加減調整、電源トランス22からの受け電極2及び加圧電極4に対する通電電流の調整、及び通電の開始停止制御(サイリスタ24による)、及び冷却回路の冷却水の流量の調節及び開閉制御等を行う。
ここで、上記圧入接合に係る工程を説明する。
接合に際しては、予め製造装置18の制御部に対して、接合条件を設定する。この接合条件として、加圧力、加圧時間、電流、通電時間、及び電流の通電パターンなどがある。
上記加圧力(ここでは4000N)は、通電前に加圧したとき圧入が生じない加圧力を最大とし、また通電開始直後に短絡による火花放電を起さない加圧力を最小とする。このため、最適な加圧力は上記最大の加圧力の60%〜90%が適切である。
また、ここでは上記通電電流を17kA、また通電時間は0.25秒としている。この通電時間は、接合条件などにより最適値が決められる。通電時間は、通常1秒以内に設定されるが、これは0.1秒〜0.5秒の範囲が最適である。また、通電電流は接合部の形状、接合部材の材質によって異なるが4kA以上が望ましい。
また、接合工程の開始前に、制御部からの指示に基づき給水バルブ56及び排水バルブ58を開いて給水装置から各冷却回路に送る冷却水の給水を開始する。
そして、ワーククランプの工程として、各電極に、それぞれ第一の部材6と第二の部材8を保持させる。受け電極2に対しては、その上面部30に第一の部材6を載置する。このとき、受け電極2の穴部13の中心に、第一の部材6の孔部7の中心が位置するように位置決めをして配置する。
また、加圧電極4には第二の部材8を保持させる。この第二の部材8を、加圧電極4の保持穴部15に差し込み物理的に狭持保持させる。
次に、プレス機構による加圧の工程に移る。プレス機構により上部プラテン21は位置決めされ、押圧により加圧電極4に保持された第二の部材8を加圧力とともに降下させ、やがて第二の部材8は第一の部材6の孔部7と係合する。
そして、制御部からの指示により、サイリスタ24が作動(電源供給)し上部プラテン21及び下部プラテン20を介して加圧電極4と受け電極2間に通電が開始される。
これにより、第二の部材8と第一の部材6の孔部7との接合部12に大容量の電流が流れ、電気抵抗熱の発生とともに接合部12が軟化し第二の部材8の圧入が開始され、第二の部材8の挿入部分16が第一の部材6の孔部7内を降下移動する。
この場合、第二の部材8が第一の部材6の孔部7に圧入され、両部材の接合界面は第一の部材6と第二の部材8との各壁面同士の間が滑り方向の移動によりしごかれ、これにより表面の酸化物層などの不純物質層が削られて表面が清浄化され、この清浄な組織に固相状態の拡散接合(固相拡散接合)が行われる。
上記接合方法では、上述したように一定の加圧力による圧入接合が行われ、瞬時に接合部が発熱され短時間で第二の部材8の先端部は第一の部材6の孔部7に圧入され接合を完了する。
上記通電の開始から所定時間経過後、制御部からの指示により通電が停止される。この通電開始から通電の停止までの通電時間は、上記第一の部材の孔部に対する第二の部材の圧入接合が完了するまでの時間より少し長く(但し、0.5秒以内が好ましい)設定される。
圧入(一定の加圧力)の進行によって生じる接合部12の接合範囲の急激な増加と、それに伴う接合部12の電気抵抗の低下により電気抵抗発熱は減少する。
この後、制御部からの指示により、加圧電極4と受け電極2間の通電が停止される。上記圧入直後は、第一の部材6の孔部7と第二の部材8との接合部12の温度は高くなっている。上記通電の停止後、ワークの冷却期間としては0.5秒〜2秒確保する。この冷却により、接合部12に焼入れが行われる。
上記ワークの接合部12は、大電流を短時間流して軟化接合に至るまでに急速加熱し、一方通電停止後は、上記冷却回路により冷却された電極(受け電極、加圧電極)で急速冷却するようにしている。上記接合後は、加圧機構による加圧を除荷し、さらにワーク(第一の部材と第二の部材との接合品)を各電極から取り外す。
上記接合部の急速加熱、急速冷却により、後述するように炭素当量0.15%以上の鋼材の場合、接合部12における接合界面近傍にマルテンサイト変態を生じる。
ここで、社内試験について説明する。この試験では、上記第一の部材6(板体)及び第二の部材8(軸体)について、その材料を両部材ともに、炭素当量0.06%、炭素当量0.20%、及び炭素当量0.35%の三種類の鋼材を用いた圧入接合を行なった。
図4は、ワークとして上記各材料を用いた接合品(第一の部材に第二の部材を接合)に関し、接合部の残留応力を測定した結果を示したものである。横軸は接合位置(mm)を示すものであり、0.0が接合の中心位置を示し、この右側が第二の部材8を、左側が第一の部材6を示す。また、縦軸は残留応力(MPa)を示すものであり中心位置を0としてプラス側は引張りの残留応力(引張残留応力)の発生を、マイナス側は圧縮の残留応力(圧縮残留応力)の発生をそれぞれ示す。
まず、上記接合品の測定結果によれば、ワークとして第一の部材及び第二の部材の炭素当量が0.06%の場合は、接合部12に発生する残留応力は、接合部の一部(0位置からプラス0.3mm及びマイナス0.3mm)については、残留応力が少し引張残留応力(プラス側)となっている。
一方、ワークの炭素当量が0.20%の場合は、接合部12近傍に発生する残留応力は圧縮残留応力側(マイナス側)に分布している。また、炭素当量が0.35%の場合には、接合部12近傍に発生する残留応力は大きく圧縮残留応力側(マイナス側)に分布している。
これから、上記ワークの炭素当量が0.20%以上あれば、鋼材(接合部12)にマルテンサイト変態が生じこれにより十分な圧縮残留応力が得られたものと考えられる。また、炭素当量が0.06%の場合には引張残留応力が発生していることからすれば、炭素当量が0.15%程度以上であれば、鋼材(接合部12)にマルテンサイト変態が生じることが推測され、接合部12の近傍には圧縮残留応力が発生すると考えられる。
なお、材料に浸炭材を用いた場合にも、十分な圧縮残留応力が得られることが確認されている。上記圧縮残留応力を有する部材は、疲労強度が高いことは広く知られている。
この実施の形態において、上記炭素当量0.15%以上の鋼材を用い、またここでは極めて短い短時間加熱と、極めて狭い範囲の局部的な電気抵抗加熱を採用していることから、加熱される部分は接合部近傍の極めて狭い範囲となり、冷却時にはこの接合部に近接する部分の冷却の効果と水冷電極の冷却という二重の冷却効果を有するプロセスを採用しているため、高周波焼入れと同等以上の焼入れの効果が得られている。
さて、上記圧入接合においては、充分な接合強度が得られるように、加圧力、電流、通電時間等を最適条件に調整しこれを接合条件としている。そして、一定の加圧力のもとに、電流及び通電時間を調整して圧入接合を行っていた。しかし、上記接合条件に基づく圧入接合は、圧入接合の出来具合を直接管理するものではない。
このため発明者らは、圧入接合の出来具合いの評価基準である強度を、他の手段として例えば温度測定で予測できないか検証するため社内試験を行ない、その結果具体的な評価基準を得た。
この試験では、製造工程上(オンライン)で測定が可能な非接触温度計10を導入した。非接触温度計10は、対象物から放射される赤外線等を検出しこれを温度に換算して計測する。ここでは、非接触温度計10としてファイバ型放射温度計10(測定距離200mm、測定範囲φ2.5mm)を使用した。このファイバ型放射温度計10を用いて、圧入接合における発熱部として部材同士の接合部12の温度測定を行った。なお、非接触温度計10として他に赤外線サーモグラフィなども使用できる。
図5〜9は、社内試験の結果を示したものである。
図5は、圧入接合時の接合部12の温度を、時間の経過にともなって測定した結果を示したグラフである。ここで、接合に用いた第一の部材は厚さ3.2mmのSPHC鋼の板材、第二の部材はS20C鋼の軸材であり、接合条件として圧入代は0.4mm、加圧力0.22MPa、通電電流16kA、通電時間は9サイクル(0.15秒:9/60)である。
また、測定に用いたファイバ型放射温度計10は、300℃以上の測定が可能なものであるため通電開始点の温度は測定できないため、通電開始点は同図に示すように直線の近似線を延長して推定した。圧入開始の時点は、温度上昇線が圧入の開始によって急激に変化する点と推定できる。
圧入接合に係る接合部12の温度は、グラフが示す圧入工程における温度推移により判断する。このグラフからすれば、接合部12が軟化して圧入が開始されてから通電が終了するまでの時間は略0.07秒(70msec)である。
図6(a)(b)(c)は、圧入接合に係り、接合時における接合部12の通電電流に対する温度、及び電流と接合強度との各関係を示したグラフである。このときの接合条件として、接合に用いた第二の部材はS20C製、径は20.0mmの軸材、第一の部材はSPHC製、板厚は4.0mmの板材、孔径は19.6mmであり、加圧力は4.3kN、通電時間は15サイクル(0.25秒)である。
ここで、図6(a)は電流と接合部の温度(ピーク温度)との関係を示したものである。これは、通電電流を変えて圧入接合を繰り返し行い、各通電電流に対する接合部12の温度(ピーク温度)の測定結果を示したものである。
これから、電流が31kAまでは、電流と接合部の温度とは略比例しているが、31kA以上では電流を上げても接合部の温度は略一定で変化がなく接合部の温度は飽和している。
これから、通電の電流を上げるにともない上昇する接合部の温度が、上記電流を上げた場合であっても上昇しないで飽和状態となる範囲の温度が存在することが予測される。
またこの結果から、接合部の特性を予測する場合、電流ではなく接合部の温度を測定することが品質管理にとってより重要であることが示唆されている。
図6(b)は電流と接合強度との関係を示したものである。これは、通電電流を変えて圧入接合を繰り返し行い、各通電電流に対する接合品の強度試験の結果を示したものである。なお、この実施の形態での接合強度(試験)は何れも押込み剥離試験によるものである。
これから、31kA以上の電流を通電すれば、接合強度は大体一定で飽和した状態となり略最大のものが得られることが示されている。
図6(c)は、接合部の温度(ピーク温度)と接合強度との関係を示したものである。
この図6(c)より、接合部の温度が高くなるほど接合強度は高くなっており、最大温度の近くでは接合強度は略一定となり飽和している。またこれから、接合部の温度を測定することで、その温度に対する接合強度はこのグラフより推定できることになる。詳細には、接合部の温度が約980℃以上で接合強度は略最大でかつ略一定の飽和した状態になり、この範囲の接合部の温度では接合品は高い接合強度が得られる。
図7(a)(b)(c)は、他の例の圧入接合に係りそれぞれ、電流と接合部の温度(ピーク温度)との関係、電流と接合強度との関係、及び接合部の温度(ピーク温度)と接合強度との関係を示したグラフである。このときの接合条件として、接合に用いた第二の部材はS20C製、径は9.6mmの軸材、第一の部材はSPHC製、板厚は3.2mmの板材、孔径は9.2mmであり、加圧力は4.3kN、通電時間は9サイクル(0.15秒)である。
図7(a)によれば、電流が14kAまでは電流と接合部の温度とは略比例しているが、14kA以上では電流を上げても接合部の温度は略一定(960℃前後)で変化がなく接合部の温度は飽和している。また、図7(b)より、14kA以上の電流を通電すれば、接合強度は大体一定で略最大のものが得られている。また図7(c)より、接合部の温度(ピーク温度)が約950℃以上では接合強度は略最大でかつ略一定の飽和した状態である。
この例からしても、接合部の温度を測定することで、その温度に対する接合強度はこのグラフより推定できることになる。
図8(a)(b)は、それぞれ通電時間と接合部の温度(ピーク温度)との関係を示したグラフである。
図8(a)は、上記図7の圧入接合と同様な部材を用い、加圧力を4.3kN、通電電流を16kAとし、通電時間を変えて圧入接合を繰り返し行い、各通電時間に対する接合部12の温度(ピーク温度)の測定結果を示したグラフである。
これから、通電時間が5サイクル(0.08秒:5/60)までは通電時間と接合部の温度とは略比例しているが、5サイクル以上では通電時間を長くしても接合部の温度は略一定で変化がなく接合部の温度は飽和している。
図8(b)は、他の例について通電電流(16kA)の通電時間を変えて圧入接合を繰り返し行い、各通電時間に対する接合部12の温度(ピーク温度)の測定結果を示したグラフである。これから、通電時間が15サイクル(0.25秒:15/60)までは通電時間と接合部の温度とは略比例しているが、15サイクル以上では通電時間を長くしても接合部の温度は略一定で変化がなく接合部の温度は飽和している。
なお、上記通電時間を変えた場合であっても、通電時間(接合部の温度)と接合強度との関係は、上記電流を変えた場合と同様であることが確認されている。
このように、上記電流を上昇させた場合に接合部の温度が飽和する現象は、通電時間の間隔を長くした場合についても同様であり、接合部の温度が飽和する現象となってあらわれている。
また、圧入時の加圧力については、加圧力が高くなれば(他の条件は同一)接合部の温度(ピーク温度)が低下することが確認されている。
上記測定結果からすれば、接合品の評価基準である接合部の強度を予測する場合、接合部の温度を測定することが有効である。そして、上記計測した飽和状態となる範囲の接合部の温度に基づいて接合品の接合強度が推測できる。
このため、ある特定形態(孔部の径、板厚、加圧力、圧入代等)の接合部材の圧入接合品を製造するに際して、予め、通電時の接合部の温度として、上記特定形態の接合部材について上記飽和状態となる範囲の温度を飽和温度として計測しこれを把握しておけばよい。そして、製造工程において上記特定形態の接合部材の圧入接合を行う際、接合部の温度を測定し、これと上記計測把握した飽和温度と比較することで接合品の良否(接合強度)の判断が行えることになる。
生産現場についてみれば、生産工程で圧入接合時に接合部の温度を測定すれば、接合強度が直ちに(オンライン的)把握でき、その場で接合品の良否を判定することができ、品質の管理が行える。特に、接合品の接合部の品質保証をする上で、全ての生産部品についてその品質の管理が行えることは重要である。
ここで、上記接合部の温度が一定(飽和)となる温度に注目したが、このような飽和傾向を示す理由としては、上記圧入接合では、電流を増加させれば通電直後の開始発熱温度は高まるが、圧入が進行して接合部の範囲が増加すると抵抗が下がって発熱量が低下するという相反する現象が生じ、特に、温度上昇が上記飽和状態の温度において止まってしまうためと考えられる。これから、接合部の温度が飽和状態の温度に到達したときには、接合部の範囲が接合を予定している全範囲にまで増加したものと判断できる。
これから、通電時にける接合部の温度(ピーク温度)が上記飽和状態の温度の範囲にあれば、接合強度も高いことが予測でき、圧入接合は正常かつ正確に完了したと判断できる。また、非接触温度計10を接合部における接合状態の良否を判断するセンサーとして使用することができる。
上記図6の例の場合には、電流が31kA付近で接合部の温度が飽和点に達しており、このときの温度は飽和状態の範囲の温度(飽和温度)として980度〜1050度の範囲とすることができる。そして同じ形態の部材について、接合時の接合部の温度が上記飽和状態の範囲の温度に属している場合(範囲内)には、圧入接合は正常に成立したとして接合品は良品と判断する。
接合部の温度が上記飽和状態の範囲の温度より低いと、圧入接合が正常に成立していないおそれがあり、接合強度が低下することから接合品は不良と判断する。
また接合部の温度が、上記飽和状態の範囲の温度を超えて異常に高ければ、接合部で異常発熱が起きたおそれがある。この異常発熱現象とは、接合部の溶融、爆飛などによる高温度の発熱であり、これらは通常圧入接合では起こり得ないことから、圧入接合が成立していないことになり接合品は不良と判断する。
図9(a)(b)は、各種の接合素材を用い、圧入接合時の接合部の温度を実測した結果を示したものである。図9(a)は接合素材と接合条件を示したものである。ここで、軸材は第二の部材、板材は第一の部材にそれぞれ該当し、通電時間は1サイクルが1/60秒を表す(9サイクル=0.15秒)。
図9(b)は、上記各接合素材に関して圧入接合時の時間に対する接合部の温度の変化を示したグラフである。上記各接合素材による圧入接合は、何れも十分な接合強度が得られており接合は良好に行われたものである。
これらの測定結果から、接合部の温度特性また最高温度は接合品の材質、寸法、接合条件等によって異なっている。
また、上記図9(b)のグラフからすれば、圧入接合の際、接合部は温度の高い状態を所定時間保持する必要があると考えられ、この間に圧入が開始され進行し圧入が完了する。このように、圧入接合において接合が完成するためには、圧入に必要な高い温度を維持して圧入を進行させるための保持時間が必要である。
このため、上記保持時間は、接合部の温度が上昇して圧入が開始された時から、通電が終了して圧入が完了するまでの時間とすることができる。この保持時間は、その間に接合部において第一の部材と第二の部材との各壁面同士の間がしごかれ、表面の不純物質層が削られて清浄化された組織に固相拡散接合が行われるものであり、圧入が正常に行われるための時間である。この保持時間が短いと、予定された深さまで圧入が進まない等のおそれがあり接合強度も低下する。
上記保持時間は、上記図5のグラフの例からすれば、略0.07秒(70msec)である。また、上記保持時間は、接合部のピーク温度から100℃低い温度を保持温度とした場合、この保持温度以上の温度が維持される時間と同程度と考えることができる。
図9(b)のグラフの各材料(No1〜5)についてみれば、保持時間は最小のものが50msec〜150mecである。これから、保持時間として0.05秒以上は必要である。
上記保持時間を測定する場合、圧入開始の時点は材料が軟化する温度で判断する。そして、接合部の温度が軟化温度以上(非接触温度計10により測定)となった時点から、通電の停止(制御部で管理)までの時間を保持時間として計測する。
上記圧入接合における接合品の質管理は、具体的には圧入接合に係る製造工程で行う。この製造工程では、非接触温度計10及び制御装置11などの機器(オンライン機器)を導入する。非接触温度計10としては、ファイバ型放射温度計を用いる。
制御装置11は、コンピュータに管理手段(飽和温度、保持時間等の管理)、判断手段、他の装置に対する指示手段等の制御機能を設け、ファイバ型放射温度計10からの温度情報等に基づき製造工程及び製造品の管理を行う。上記制御装置11として、パーソナルコンピューターなどの画面表示器付きの制御装置を用いることができる。
ファイバ型放射温度計10及び制御装置11等は、圧入接合工程の製造ラインに設置し、オンライン的に接合品の良否を判断する。上記オンライン機器により、製造ラインで圧入接合時に全ての部品について接合部の温度を測定し、製造時の正常異常を把握して直ちに製品の良否を判断し、また不良品を排除する。
図10のフローチャートは、圧入接合作業の流れを示したものである。
ここでは、作業開始に伴い(S01)、圧入接合用の部材を装置にセットし(S02)、接合及び温度測定等を開始する(S03)。そして、接合部の温度(ピーク温度)が飽和状態の温度(飽和温度)の範囲内であり、且つ保持時間が予定の保持時間以上かの判断を行い(S04)、Yes(範囲内:良好)の場合は、該当接合品を取出し(S05)、次の部材の接合作業を続行する(S02)、No(範囲外:不良)の場合は、圧入接合作業を中止し製造装置18の稼働を停止する(S06)。
ここで制御装置11は、測定した温度などを適宜、所定の表示部に表示する。また制御装置11は、不良品を発見した場合には警告(音、表示等)を行うとともに、製造装置18にその旨を通知する。一方製造装置18は、制御部の制御に基づき該当する不良接合品を製造ラインから排除し、稼働を停止しまた通電のための電源供給を停止する。
図11のフローチャートは、圧入接合作業の他の流れを示したものである。
作業開始に伴い(S11)、圧入接合用の部材を装置にセットし(S12)、接合及び温度測定等を開始する(S13)。そして、接合部の温度(ピーク温度)が飽和温度の範囲内かの判断を行い(S14)、Yes(範囲内:良好)の場合は、該当接合品を取出し(S15)、次の部材の接合作業を行なう。
上記判断(S14)がNo(範囲外:不良)の場合には、該当接合品を製造ラインから排除し(S16)、また接合部の温度(ピーク温度)と飽和温度とを比較し(S17)、接合部の温度が飽和状態の範囲の温度より高いと判断された場合は、接合部の温度が高い旨を表示部に表示し、圧入接合作業を中止し製造装置18の稼働を停止する(S18)。また接合部の温度が飽和状態の範囲の温度より低いと判断された場合には、接合部の温度が低い旨を表示部に表示し、製造装置18の稼働を停止する(S19)。
このように、接合状況をリアルタイムに計測管理することにより、現場では全製品の品質管理が可能となり信頼性の向上に寄与する。
なお、上記圧入接合、及び接合品質管理方法に関し、ここでは接合材料として鋼材を用いているが、圧入接合は他の金属、例えばチタン材、アルミニウムなどの軽量金属材についても適用可能であることが確認されており、これらの金属材料についても上記接合品質管理方法の適用は可能である。
また、上記製造方法に係る接合品及び接合品質管理方法は、種々の金属製品、鋼製品に適用することができ、またこれらは自動車、オートバイ、産業用機械などの要素部品及びその製造に用いることができ、例えばトランスミッションのコントロールレバーコンポーネント、シフトレバーコンポーネント、スプロケット、ギヤ(シャフト付)等、第一の部材に第二の部材を接合した形態の部品、或いはエンジンの部品及びその製造に好適である。
従って、従来完成品の破壊試験又は負荷試験などで接合品の接合強度の確認を行なっていたが、上記実施の形態によれば、個々の接合製品の出来栄えの管理が即時(リアルタイム)にかつ高精度に行え、しかも製造現場において全ての接合品の管理が行えることから、常に一定品質の接合品を得ることができ、統一的な品質管理が行えるようになった。
6 第一の部材
7 孔部
8 第二の部材
10 温度測定手段(非接触温度計)
11 制御装置
12 接合部
16 挿入部分

Claims (8)

  1. 孔部が形成された第一の部材と、挿入部分を有する第二の部材との金属材料同士の接合方法であって、上記第一の部材の孔部に対する上記第二の部材の挿入部分に圧入代を設け、上記第一の部材の孔部内に上記第二の部材を所定の加圧力で押圧するとともに、これら両部材間に通電を行って両部材の接合部を加熱し、上記両部材の接合部を軟化させて上記第二の部材を上記第一の部材の孔部に圧入して固相拡散による圧入接合を行うに際し、
    上記通電に伴う上記接合部の温度に関し、予め、温度測定手段により上記通電時の上記接合部の温度を測り、この通電の電流を上げるか又は通電時間を長くするにともない上昇する上記接合部の温度が、上記電流を上げた場合又は通電時間を長くした場合であっても上昇しないで飽和状態となる範囲の温度を飽和温度として計測し、
    上記圧入接合の際、上記接合部の温度が上記飽和温度に属する場合には上記圧入接合による接合品を良品と判断し、上記温度が上記飽和温度に属さない場合には、上記圧入接合による接合品を不良品と判断することを特徴とする圧入接合における接合品質管理方法。
  2. 上記第一部材及び第二部材の材料をともに鋼材としたことを特徴とする請求項1に記載の圧入接合における接合品質管理方法。
  3. 上記接合部の軟化により圧入が開始された時点から、上記通電が終了するまでの時間を保持時間として確保し、かつこの保持時間を0.05秒以上としたことを特徴とする請求項1又は2記載の圧入接合における接合品質管理方法。
  4. 上記圧入接合の製造装置に上記温度測定手段を配置し、この温度測定手段を用いて上記通電時における上記接合部の温度を測定するとともに、
    制御装置を用い、上記温度測定手段から得た温度情報を上記飽和温度と比較し、この温度が上記飽和温度の範囲に属するか否かにより、上記圧入接合における接合品の良否を判断することを特徴とする請求項1,2又は3記載の圧入接合における接合品質管理方法。
  5. 上記温度測定手段として、非接触温度計を用いたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の圧入接合における接合品質管理方法。
  6. 上記非接触温度計としてファイバ型放射温度計、又は赤外線サーモグラフィを用いたことを特徴とする請求項5に記載の圧入接合における接合品質管理方法。
  7. 上記制御装置において、上記温度測定手段から得た温度が上記飽和温度の範囲に属さないと判断した場合には、上記製造装置にその旨を通知することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の圧入接合における接合品質管理方法。
  8. 上記制御装置において、上記温度測定手段から得た温度が上記飽和温度の範囲に属さないと判断した場合には、上記製造装置にその旨を通知し、上記製造装置は製造ラインから該当する接合品を排除し、装置の稼働を停止することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の圧入接合における接合品質管理方法。
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