JP3927190B2 - 超音波溶着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波溶着装置に係り、特に、超音波溶着時における溶着不良判定手段を備えた超音波溶着装置に関する。
従来から、発振器により駆動される振動子と、この振動子からの振動が伝達されるホーンと、このホーンと対向して配設され被溶着物が載置されるアンビルとを備え、振動子及びホーンを振動することによりホーンを被溶着物に圧接させて溶着を行なう超音波溶着装置が一般に知られている。
この種の超音波溶着装置の最適な溶着条件は、被溶着物の大きさ、形状、材質などにより異なるため、プレス圧力、発振時間、ホーン振幅など試験的に得られた最良値を設定して試験的に溶着を行ない、最適溶着条件を決定している。
一方、溶着品質の管理については、発振時間、溶着時のホーンの沈み込み量、及び振動子入力エネルギーを計測し、時間制御法、沈み込み制御法あるいはエネルギー制御法により溶着状況の良否を判定している(例えば、特許文献1参照)。
また、溶着中のホーン電流を監視し、その電流値が所定の範囲を超えることによって溶着不良を検出するものや、被溶着物の加圧力、溶着時間を計測し、あらかじめ設定した上限及び下限と比較して溶着の良否を判定するものも知られている。また、溶接強度の監視の他に、被溶着物の溶着割れが起きる場合、一旦、ホーン電流が急激に立ち上がり、その後、大きく降下する特性を検出して、溶着割れの発生を判断する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−113992号公報 特開2000−317651号公報
しかしながら最近では、従来の超音波溶着装置においては、ホーンやアンビル等が摩耗して被溶着物の滑りが発生し、振動エネルギー量の変化曲線でオーバーシュート(ピーク値とピーク後の減衰値との差)が小さくなった時、ピーク値が摩耗していない時と同じであっても、溶着強度が小さいという事実が分かった。しかしながら、従来の超音波溶着装置の溶着不良検出方法では、ホーンやアンビル等の摩耗により十分な溶着強度が得られないものを不良と判定することが出来ないという問題があった。
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、ホーンやアンビル等の摩耗により十分な溶着強度が得られないものを不良と判定することができる超音波溶着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、被溶着物が載置されるアンビルと、このアンビルとの間に前記被溶着物を挟持して圧接するホーンと、発振器により駆動される振動子を有し、この振動子の振動により前記ホーンを振動させる加振手段と、前記発振器からの振動子電流を検出することにより前記加振手段が前記ホーンに与える振動エネルギーを計測する振動エネルギー計測手段と、この振動エネルギー計測手段により計測された振動エネルギー量に基づいて溶着良否判定を行なう判定手段とを備え、前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値と、このピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとされ、前記ピーク値とピーク後の減衰値の差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定する構成とした。
また、第2の解決手段として、前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時の減衰値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定する構成とした。
また、第3の解決手段として、前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時までの減衰値の平均値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定する構成とした。
また、第4の解決手段として、前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時までの減衰値の最小値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定する構成とした。
上述したように、本発明の超音波溶着装置は、被溶着物が載置されるアンビルと、アンビルとの間に被溶着物を挟持して圧接するホーンと、発振器により駆動される振動子を有し、振動子の振動によりホーンを振動させる加振手段と、発振器からの振動子電流を検出することにより加振手段がホーンに与える振動エネルギーを計測する振動エネルギー計測手段と、振動エネルギー計測手段により計測された振動エネルギー量に基づいて溶着良否判定を行なう判定手段とを備え、判定手段は、振動エネルギー量のピーク値と、ピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとされ、ピーク値とピーク後の減衰値の差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することから、従来のように振動エネルギー量のピーク値が管理範囲内にあるか否かで溶着良否判定していたのに比べて、振動エネルギー量のピーク値と、ピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうので、ホーンやアンビル等の摩耗により十分な溶着強度が得られないものを不良と判定することが可能となる。
また、判定手段は、振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時の減衰値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することから、振動エネルギー量のピーク値が管理範囲内にあっても、ホーンやアンビル等の摩耗により強度が出なかったものも不良品として検出することができる。
また、判定手段は、振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時までの減衰値の平均値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することから、同じく、振動エネルギー量のピーク値が管理範囲内にあっても、ホーンやアンビル等の摩耗により強度が出なかったものも不良品として検出することができる。
また、判定手段は、振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時までの減衰値の最小値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することから、同じく、振動エネルギー量のピーク値が管理範囲内にあっても、ホーンやアンビル等の摩耗により強度が出なかったものも不良品として検出することができる。

本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の超音波溶着装置の構成を示す概略図、図2は超音波溶着装置の作動を示すフローチャート、図3は振動エネルギー量と発振経過時間との関係を示すグラフ、図4は本発明の第2実施例の振動エネルギー量と発振経過時間との関係を示すグラフ、図5は本発明の第3実施例の振動エネルギー量と発振経過時間との関係を示すグラフである。
図1において、超音波溶着装置1は、圧電素子などを用いた振動子2、及びこの振動子2を駆動する発振器3を有する加振手段4と、この加振手段4に駆動電流(ホーン電流)を与えるコントローラ5と、前記加振手段4により振動するホーン6と、前記加振手段4が前記ホーン6に与える振動エネルギーを計測する振動エネルギー計測手段7と、前記ホーン6の先端部との間に被溶着物8、9を挟持するアンビル10とから構成されている。
また、前記コントローラ5は、前記振動エネルギー量に基づいて溶着の良否判定を行なう判定手段を含んでいる。また、前記振動エネルギー計測手段7は、前記加振手段4に前記コントローラ5によって一定電圧が印加された際の加振手段4に流れる電流を計測する電流センサを備えている。
また、前記ホーン6の根元部は図示しない保持部によって超音波振動可能に保持されている。また、本実施例では、前記被溶着物8、9は、例えば、黄銅や銅などの導電性の金属材で形成された端子部材を有する、フラットケーブルやリード端子ブロック等のコネクターの一部で構成されている。
この超音波溶着装置1による溶着は、以下のようにして行なわれる。まず、前記被溶着物8、9を重ね合わせた状態で、前記ホーン6と前記アンビル10との間に挟持する。そして、前記ホーン6を被溶着物8に押し付けて、被溶着物8の接合部を加圧する。次に、前記コントローラ5から前記加振手段4に超音波振動駆動のための駆動電流(ホーン電流)を供給する。すると、前記発振器3により駆動された前記振動子2によって前記ホーン6が超音波振動し、この振動が前記被溶着物8、9に伝達される。
その結果、前記被溶着物8、9の接触面に微小振動塑性滑りが発生し、その滑り作用によって前記被溶着物8、9の接触面に摩擦熱が生じることとなり、この摩擦熱を利用した冷間圧接溶着が行なわれるものとなる。本実施例では、前記被溶着物8、9が、例えば、黄銅や銅などの導電性の金属材からなる端子部材で形成されていることから、互いの端子部材同士が、半田や接着材なしで、確実に導通状態で接続されるものとなる。
この場合、前記被溶着物8、9の溶着状態(品質)は、前記ホーン6の先端部の劣化(摩耗)や、溶着冶具による被溶着物8、9の位置決め精度や、被溶着物8、9の表面粗度などの変動によって、溶着条件が一定であっても、溶着強度が小さいものが発生する。これを検出するために従来は、溶着時に、前記コントローラ5から前記加振手段4に供給する超音波振動駆動のための駆動電流(ホーン電流)のピーク値を検出して、管理範囲以内に有るか否かで溶着の良否判定を行なっていた。しかし、この方法だけでは十分な溶着強度が得られないものの全てを不良と判定することはできなかった。
そのため、本実施の形態の超音波溶着装置1においては、前記発振器3からの振動子電流を検出することにより前記加振手段4が前記ホーン6に与える振動エネルギーを計測する前記振動エネルギー計測手段7と、この振動エネルギー計測手段7により計測された振動エネルギー量に基づいて溶着良否判定を行なう判定手段とを備えており、この判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値に基づいて溶着良否判定を行なうとともに、このピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとされ、前記ピーク値とピーク後の減衰値の差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定を行なうものとなっている。
この溶着良否判定の作動を図2のフローチャートに基づいて説明する。
溶着が開始されると(スタート)、振動エネルギー計測手段7で前記加振手段4に供給する超音波振動駆動のための駆動電流(ホーン電流)を測定し、記憶し、時間毎の測定値を積算する(ステップS1)。次に、コントローラ5で積算値が所定の値に到達したか否か(溶着が終了したか否か)の判断を行う(ステップS2)。この判断結果がNOの場合はステップS1へ戻って駆動電流の計測を続ける。
ステップS2の判断結果がYESの場合は、溶着が終了したと判断して、コントローラ5でピーク値の演算(ステップS3)、及びピーク値とピーク後の減衰値(ここでは終了値)の差の演算(ステップS4)を行なう。次にピーク値、及びピーク値とピーク後の減衰値の差が所定の管理範囲以内かどうかの判断を行なう(ステップS5)。
そして、ステップS5の判断結果がYESの場合は、溶着不良が発生していないと判断して終了する(エンド)。しかし、ステップS5の判断結果がNOの場合には、溶着不良が発生したと判断し、警報を発して不良品の発生を作業者に知らせるか、あるいは不良品を自動的に選別させる(ステップS6)ものとなる。
次に、溶着不良の有無にかかる振動エネルギー(消費電力)の変化と発振経過時間(溶着時間)との関係を図3を参照して説明する。
図3で、縦軸は振動エネルギー(消費電力)W、横軸は発振経過時間(溶着時間)Tを表わしている。また、縦軸のW1〜W2は振動エネルギーWのピーク値Wpの管理範囲を示し、図中Wsで示すのは振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の減衰値の差の管理範囲を示している。また、Ta及びTbは発振経過時間Tの溶着終了時を示している。
曲線A、Bは、異なる被溶着物に対する超音波溶着中の振動エネルギー(消費電力)波形を示しており、例えば、曲線Aに示す被溶着物は良品を示し、曲線Bに示す被溶着物は不良品を示している。
この場合、正常の溶着では、ホーン6から与えられた振動によって、被溶着物8、9が均一に振動するため、図3の曲線Aに示すように、ホーン6に加えられる振動エネルギーWの波形は、略一定の傾きを持って立ち上がってピーク値Wpを示した後、一定の傾きの降下を経て徐々に減衰してフラット状態になる。そして、振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の減衰値の溶着終了時Taの終了値Weとの差Waは、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも大きな値(Wa>Ws)を示している。
これに対して、前記ホーン6の先端部の劣化(摩耗)や、溶着冶具による被溶着物8、9の位置決め精度や、被溶着物8、9の表面粗度などの変動によって、溶着不良が発生した場合には、図3の曲線Bに示すように、振動エネルギーWの値はピーク値Wpがピーク値の管理範囲W1〜W2に到達するものの、ピーク値Wpは曲線Aに比べて低く、また、ピーク後に減衰してフラットになる降下量も少なくなっている。そして、振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の減衰値の溶着終了時Tbの終了値Weとの差Wbは、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも小さな値(Wb<Ws)となり、前記ピーク値Wpとピーク後の減衰値の終了値Weの差が、予め設定された所定値Wsより小さいため、溶着不良判定を行なうものとなる。
このように、溶着不良が発生した場合には、完全に溶着されないため前記ホーン6や被溶着物8、9間、あるいは被溶着物8、9間で滑り等が発生し、超音波溶着中の振動エネルギー(消費電力)Wの波形が変化するので、この振動エネルギーWの波形の変化を計測して、振動エネルギーWのピーク値Wp、及びピーク後の減衰値の溶着終了時の終了値Weとの差Wa、Wbが、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも小さいか否かを判断することで、振動エネルギーWのピーク値と、このピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとなっている。
このため、振動エネルギーWのピーク値Wpが管理範囲W1〜W2内にあっても、ホーン6やアンビル10等の摩耗により強度が出なかったものも不良品として検出することができるものとなっている。
図4は、本発明の第2実施例を示し、同じく溶着不良の有無にかかる振動エネルギー(消費電力)の変化と発振経過時間(溶着時間)との関係を示している。
図4で、縦軸は振動エネルギー(消費電力)W、横軸は発振経過時間(溶着時間)Tを表わしている。また、縦軸のW1〜W2は振動エネルギーWのピーク値Wpの管理範囲を示し、図中Wsで示すのは振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の減衰値の差の管理範囲を示している。また、Ta及びTbは発振経過時間Tの溶着終了時を示している。
曲線A、Bは、異なる被溶着物に対する超音波溶着中の振動エネルギー(消費電力)波形を示しており、例えば、曲線Aに示す被溶着物は良品を示し、曲線Bに示す被溶着物は不良品を示している。
この場合、正常の溶着では、ホーン6から与えられた振動によって、被溶着物8、9が均一に振動するため、図4の曲線Aに示すように、ホーン6に加えられる振動エネルギーWの波形は、略一定の傾きを持って立ち上がってピーク値Wpを示した後、一定の傾きの降下を経て徐々に減衰してフラット状態になる。そして、振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の溶着終了時Taまでの減衰値の平均値Wnとの差Waは、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも大きな値(Wa>Ws)を示している。
これに対して、前記ホーン6の先端部の劣化(摩耗)や、溶着冶具による被溶着物8、9の位置決め精度や、被溶着物8、9の表面粗度などの変動によって、溶着不良が発生した場合には、図4の曲線Bに示すように、振動エネルギーWの値はピーク値Wpがピーク値の管理範囲W1〜W2に到達するものの、ピーク値Wpは曲線Aに比べて低く、また、ピーク後に減衰してフラットになる降下量も少なくなっている。そして、振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の溶着終了時Tbまで減衰値の平均値Wnとの差Wbは、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも小さな値(Wb<Ws)となり、前記ピーク値Wpとピーク後の減衰値の平均値Wnの差が、予め設定された所定値Wsより小さいため、溶着不良判定を行なうものとなる。
このように、溶着不良が発生した場合には、完全に溶着されないため前記ホーン6や被溶着物8、9間、あるいは被溶着物8、9間で滑り等が発生し、超音波溶着中の振動エネルギー(消費電力)Wの波形が変化するので、この振動エネルギーWの波形の変化を計測して、振動エネルギーWのピーク値Wp、及びピーク後の溶着終了時までの減衰値の平均値Wnとの差Wa、Wbが、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも小さいか否かを判断することで、振動エネルギーWのピーク値と、このピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとなっている。
このため、振動エネルギーWのピーク値Wpが管理範囲W1〜W2内にあっても、ホーン6やアンビル10等の摩耗により強度が出なかったものも不良品として検出することができるものとなっている。
図5は、本発明の第3実施例を示し、同じく溶着不良の有無にかかる振動エネルギー(消費電力)の変化と発振経過時間(溶着時間)との関係を示している。
図5で、縦軸は振動エネルギー(消費電力)W、横軸は発振経過時間(溶着時間)Tを表わしている。また、縦軸のW1〜W2は振動エネルギーWのピーク値Wpの管理範囲を示し、図中Wsで示すのは振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の減衰値の差の管理範囲Wsを示している。また、Ta及びTbは発振経過時間Tの溶着終了時を示している。
曲線A、Bは、異なる被溶着物に対する超音波溶着中の振動エネルギー(消費電力)波形を示しており、例えば、曲線Aに示す被溶着物は良品を示し、曲線Bに示す被溶着物は不良品を示している。
この場合、正常の溶着では、ホーン6から与えられた振動によって、被溶着物8、9が均一に振動するため、図5の曲線Aに示すように、ホーン6に加えられる振動エネルギーWの波形は、略一定の傾きを持って立ち上がってピーク値Wpを示した後、一定の傾きの降下を経て徐々に減衰してフラット状態になる。そして、振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の溶着終了時Taまでの減衰値の最小値Wuとの差Waは、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも大きな値(Wu>Ws)を示している。
これに対して、前記ホーン6の先端部の劣化(摩耗)や、溶着冶具による被溶着物8、9の位置決め精度や、被溶着物8、9の表面粗度などの変動によって、溶着不良が発生した場合には、図5の曲線Bに示すように、振動エネルギーWの値はピーク値Wpがピーク値の管理範囲W1〜W2に到達するものの、ピーク値Wpは曲線Aに比べて低く、また、ピーク後に減衰してフラットになる降下量も少なくなっている。そして、振動エネルギーのピーク値Wpとピーク後の溶着終了時Tbまでの減衰値の最小値Wuとの差Wbは、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも小さな値(Wu<Ws)となり、前記ピーク値Wpとピーク後の減衰値の最小値Wuの差が、予め設定された所定値Wsより小さいため、溶着不良判定を行なうものとなる。
このように、溶着不良が発生した場合には、完全に溶着されないため前記ホーン6や被溶着物8、9間、あるいは被溶着物8、9間で滑り等が発生し、超音波溶着中の振動エネルギー(消費電力)Wの波形が変化するので、この振動エネルギーWの波形の変化を計測して、振動エネルギーWのピーク値Wp、及びピーク後の溶着終了時までの減衰値の最小値Wuとの差Wa、Wbが、管理範囲である予め設定された所定値Wsよりも小さいか否かを判断することで、振動エネルギーWのピーク値と、このピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとなっている。
このため、振動エネルギーWのピーク値Wpが管理範囲W1〜W2内にあっても、ホーン6やアンビル10等の摩耗により強度が出なかったものも不良品として検出することができるものとなっている。
上記した本発明の超音波溶着装置1は、被溶着物8、9が載置されるアンビル10と、このアンビル10との間に前記被溶着物8、9を挟持して圧接するホーン6と、発振器3により駆動される振動子2を有し、この振動子2の振動により前記ホーン6を振動させる加振手段4と、前記発振器3からの振動子電流を検出することにより前記加振手段4が前記ホーン6に与える振動エネルギーを計測する振動エネルギー計測手段7と、この振動エネルギー計測手段7により計測された振動エネルギー量に基づいて溶着良否判定を行なう判定手段5とを備えており、前記判定手段5は、振動エネルギー量のピーク値Wpと、ピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとされ、ピーク値Wpとピーク後の減衰値の差が、予め設定された所定値Wsより小さい時に溶着不良判定を行なうようにしてあるので、従来のように振動エネルギー量のピーク値Wpが管理範囲内にあるか否かだけで溶着良否判定していたのに比べて、振動エネルギー量のピーク値Wpと、ピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうため、前記ホーン6や前記アンビル10等の摩耗により十分な溶着強度が得られないものを不良と判定することが可能となっている。
本発明の超音波溶着装置の構成を示す概略図である。 本発明の超音波溶着装置の作動を示すフローチャートである。 本発明の振動エネルギー量と発振経過時間との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施例の振動エネルギー量と発振経過時間との関係を示すグラフである。 本発明の第3実施例の振動エネルギー量と発振経過時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1:超音波溶着装置
2:振動子
3:発振器
4:加振手段
5:コントローラ(判定手段)
6:ホーン
7:電流センサ(振動エネルギー計測手段)
8:被溶着物
9:被溶着物
10:アンビル

Claims (4)

  1. 被溶着物が載置されるアンビルと、このアンビルとの間に前記被溶着物を挟持して圧接するホーンと、発振器により駆動される振動子を有し、この振動子の振動により前記ホーンを振動させる加振手段と、前記発振器からの振動子電流を検出することにより前記加振手段が前記ホーンに与える振動エネルギーを計測する振動エネルギー計測手段と、この振動エネルギー計測手段により計測された振動エネルギー量に基づいて溶着良否判定を行なう判定手段とを備え、前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値と、このピーク後の減衰値との差に基づいて溶着良否判定を行なうものとされ、前記ピーク値とピーク後の減衰値の差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することを特徴とする超音波溶着装置。
  2. 前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時の減衰値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することを特徴とする請求項1記載の超音波溶着装置。
  3. 前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時までの減衰値の平均値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することを特徴とする請求項1記載の超音波溶着装置。
  4. 前記判定手段は、前記振動エネルギー量のピーク値とピーク後の溶着終了時までの減衰値の最小値との差が、予め設定された所定値より小さい時に溶着不良判定することを特徴とする請求項1記載の超音波溶着装置。
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